画像処理装置、電子機器
【課題】 RGB各色についてそれぞれ2面ずつあるメモリーを同時に使用でき、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を提供する。
【解決手段】 入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置10であって、前記入力画像の注目画素の画素値204を補正して補正値220を生成する画像補正部30と、前記画像補正部30を制御する制御部20と、を含み、前記画像補正部30は、前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nを含み、前記制御部20は、前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの1つに入力させ、前記補正値を前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの1つから出力させ、前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する。
【解決手段】 入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置10であって、前記入力画像の注目画素の画素値204を補正して補正値220を生成する画像補正部30と、前記画像補正部30を制御する制御部20と、を含み、前記画像補正部30は、前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nを含み、前記制御部20は、前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの1つに入力させ、前記補正値を前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの1つから出力させ、前記複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
入力画像を補正する画像処理装置では、例えば補正関数を用いて補正を行う。このとき、画像処理装置が補正関数に対応するルックアップテーブル(LUT)を保持していれば、ルックアップテーブルを参照することで素早く補正を実行できる。ルックアップテーブルは書き換え可能なSRAM等のメモリーで構成される。
【0003】
ここで、表示を停止することなくルックアップテーブルを書き換えるためには、RGB各色についてそれぞれ2面ずつメモリーを用意して、読み出し用(表示用)と書き換え用に交互に割り当てる方法が従来から行われている(以下、従来の方法)。ここで、1面とは1つの色について必要なルックアップテーブルのメモリー量を表し、従来の方法では合計6面分のメモリーが必要になる。
【0004】
例えば特許文献1の発明では4面分のメモリーを用意して、4面中3面をRGB各色の表示に用いて、残りの1面を書き換える方法を用いている。このことにより、ルックアップテーブル全体のメモリー量を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−257372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の発明ではセレクターの制御が複雑になり、ルックアップテーブルを構成するメモリー周りの配線が混雑する。また、従来の方法のように6面分のメモリーを含む構成であっても、全てのメモリーが同時に使用されるならば、余分なメモリーが存在しないためメモリー量を削減する必要はない。
【0007】
そして、入力画像データを1対1に対応する補正データに変換出力する用途以外で利用可能であれば、メモリーを無駄なく効率的に使用することになる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、RGB各色についてそれぞれ2面ずつあるメモリーを同時に使用でき、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置であって、前記入力画像の注目画素の画素値を補正して補正値を生成する画像補正部と、前記画像補正部を制御する制御部と、を含み、前記画像補正部は、前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブルを含み、前記制御部は、前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブルの1つに入力させ、前記補正値を前記複数のルックアップテーブルの1つから出力させ、前記複数のルックアップテーブルの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する。
【0010】
本発明によれば、画像補正部は注目画素の画素値を補正する複数のルックアップテーブルを含み、制御部は任意の1つのルックアップテーブルの出力を他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御できる。そのため、例えばテーブル値の異なる複数のルックアップテーブルをシリアルに接続することで、ルックアップテーブルによる変換を連続して行うことが可能である。
【0011】
例えば、第1、第2、第3のルックアップテーブルが、それぞれ、明るさ補正、コントラスト補正、表示パネルの固体差の補正のためのテーブル値を含むとする。本発明では、第1のルックアップテーブルの出力を第2のルックアップテーブルの入力とし、第2のルックアップテーブルの出力を第3のルックアップテーブルの入力とすることができる。したがって、中間値(例えば、第1のルックアップテーブルの出力)を保存することなく、3つの補正を連続して実行できる。このとき、画素値は第1のルックアップテーブルに入力され、補正値は第3のルックアップテーブルから出力される。
【0012】
連続してルックアップテーブルによる変換を行うため、中間値の保存および読み出しを行う必要がなく、効率的な画像処理を行うことができる。また、中間値を保存する必要がないため、一時保存用のメモリーが不要であり回路規模も削減できる。なお、画像補正部が含むルックアップテーブルの数に上限はなく、ルックアップテーブルの数が多いほど画像処理の効率および回路規模の削減効果が高まる。
【0013】
本発明の画像処理装置は入力画像の補正を画素毎に行う。例えば、画像処理装置には走査によって時間とともに変化する画素値が入力される。
【0014】
ここで、ある時間における画像処理の対象となる画素を注目画素とよぶ。走査は例えばプログレッシブ方式であって、注目画素は入力画像の第1行第1列目の画素から最終行最終列の画素まで時間とともに1画素ずつ変化する。入力画像とは静止画であってもよいが、特に動画の1フレームの画像を指す。
【0015】
制御部は、ルックアップテーブル間の電気的接続を制御する。具体例としては、画像補正部が含むスイッチのオン・オフを切り換える制御信号を供給してもよいし、画像補正部が含むセレクターの選択信号として制御信号を供給してもよい。
【0016】
なお、1つのルックアップテーブルとは、1つの画素値を変換可能なルックアップテーブルをいう。例えば、1つの画素値がRGBの各成分を有する場合には、1つのルックアップテーブルは3面分のメモリーで構成される。ここで、1面とは1つの色について必要なルックアップテーブルのメモリー量である。
【0017】
(2)この画像処理装置において、前記画像補正部は、前記補正値を出力するルックアップテーブルのテーブル値を固定値としてもよい。
【0018】
(3)この画像処理装置において、前記画像補正部は、前記補正値を出力するルックアップテーブル以外のルックアップテーブルのテーブル値を、前記入力画像に基づいて変化する動的な値としてもよい。
【0019】
これらの発明によれば、テーブル値が固定値であるルックアップテーブルの出力を補正値とする。そのため、入力画像に依存しない補正であって、一律的に施す必要がある補正を確実に実行することができる。このとき、補正値を出力するルックアップテーブル以外は、テーブル値が入力画像に基づいて変化する動的な値であってもよい。
【0020】
ここで、本発明の画像処理装置が行う補正は、動的補正(ダイナミック補正)と静的補正(スタティック補正)とに大別できる。
【0021】
動的補正とは例えば明るさ補正、コントラスト補正、カラーバランス補正等である。動的補正は、入力画像の例えば統計データに基づいて、後述の補正関数の係数を動的に変更する補正である。そのため、補正関数に基づいて定められるテーブル値も動的に変更される必要がある。
【0022】
これに対し、製造ばらつき等に起因する表示パネルの固体差の補正(以下、パネル特性補正)は、静的(固定的)な係数を用いる。そのため、静的補正のテーブル値は固定値となる。
【0023】
これらの発明では、一律的に施す必要がある静的補正のテーブル値を、補正値を出力する最終段のルックアップテーブルに割り当てる。これによって、パネル特性補正を確実に行うことができる。最終段のルックアップテーブル以外には、例えば明るさ補正、コントラスト補正、カラーバランス補正等の動的補正のテーブル値を割り当ててもよい。
【0024】
(4)この画像処理装置において、前記画像補正部は、テーブル値が固定値である第1のルックアップテーブルと、テーブル値が前記入力画像に基づいて変化する動的な値である第2のルックアップテーブルと、を含み、前記制御部は、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第1のルックアップテーブルから出力させ、前記前記第2のルックアップテーブルからの出力を、前記第1のルックアップテーブルに入力させてもよい。
【0025】
本発明によれば、画像補正部は、2つのルックアップテーブル(第1のルックアップテーブル、第2のルックアップテーブル)の変換を連続して行うので、効率的な画像処理を実行できる。
【0026】
このとき、第2のルックアップテーブルは動的補正のテーブル値を有し、第1のルックアップテーブルは静的補正のテーブル値を有している。したがって、動的補正と静的補正とを連続して実行した結果を補正値として出力できる。
【0027】
(5)この画像処理装置において、前記画像補正部は、2つのルックアップテーブルを含んでもよい。
【0028】
本発明によれば、画像補正部は、2つのルックアップテーブル(第1のルックアップテーブル、第2のルックアップテーブル)だけを含む。そのため、効率的な画像処理を実行しつつ、回路規模の増加を抑えることが可能である。
【0029】
(6)この画像処理装置において、前記画像補正部は、第1のルックアップテーブルと、第2のルックアップテーブルと、を含み、前記制御部は、垂直ブランキング期間に、前記画素値がとり得る全ての値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記第2のルックアップテーブルからの出力を前記第1のルックアップテーブルに入力させ、前記第1のルックアップテーブルからの出力を用いて前記第2のルックアップテーブルのテーブル値を更新させてもよい。
【0030】
(7)この画像処理装置において、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含んでもよい。
【0031】
(8)この画像処理装置において、前記制御部は、前記垂直ブランキング期間の終了後に、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第2のルックアップテーブルから出力させてもよい。
【0032】
これらの発明では、垂直ブランキング期間に、第2のルックアップテーブルは画素値がとり得る全ての値を受け取る。そして、第2のルックアップテーブルの出力は第1のルックアップテーブルに入力されて、その後に第1のルックアップテーブルの出力が第2のルックアップテーブルのテーブル値として書き戻される。
【0033】
これらの発明によると、このような書き戻し動作によってテーブル値の更新ができる。よって、補正出力以外にもルックアップテーブルを使用できるため、ルックアップテーブルの利用率を高めることができる。ルックアップテーブルは一般にメモリーを用いて実現するが、メモリーは大きな面積を占める可能性がある。しかし、利用率が高いため、無駄にコストが増大することにはならない。
【0034】
このとき、画像処理装置は、例えば画像処理装置の外部のホストCPU(以下、ホストとする)に代わって、画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含んでもよい。ホストがテーブル値の更新に関与する必要がないため、システム全体として処理の効率が高まる。
【0035】
書き戻し動作によって更新された第2のルックアップテーブルのテーブル値は、第1および第2のルックアップテーブルのテーブル値を乗じて得られる値となる。よって、垂直ブランキング期間の終了後は、第2のルックアップテーブルだけを用いて補正値を出力してもよい。
【0036】
このとき、第2のルックアップテーブルだけを使用して補正値が得られるので、画像処理の効率がさらに高まり、補正値が出力されるまでの時間が早まる。
【0037】
なお、画素値がとり得る値は例えば入力される画素値のビット数で決まる。10ビットの画素値であれば、0〜1023のそれぞれの値が、画素値がとり得る値となる。そして、テーブル値は0〜1023のそれぞれの値に対応する値の集合である。
【0038】
(9)本発明は、前記のいずれかに記載の画像処理装置を含む電子機器である。
【0039】
本発明によれば、例えば連続してルックアップテーブルによる変換を行うことで効率的な画像処理を行う電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態の画像処理装置のブロック図。
【図2】補正曲線を説明する図。
【図3】ルックアップテーブルの構成例を説明する図。
【図4】従来の画像処理装置における画像補正部の構成例を示す図。
【図5】第1実施形態の画像補正部の構成例を示す図。
【図6】従来の方法との互換性を説明する図。
【図7】2つテーブルの変換を連続して行う動作を説明する図。
【図8】ジェネレーターを用いたテーブル値の更新を説明する図。
【図9】テーブル値の書き戻し動作を説明する図。
【図10】テーブル値の書き戻し動作を説明する図。
【図11】適用例の電子機器のブロック図。
【図12】図12(A)は電子機器の例である携帯電話の図。図12(B)は電子機器の例である携帯型ゲーム装置の図。図12(C)は電子機器の例であるパーソナルコンピューターの図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0042】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
【0043】
1.1.第1実施形態の画像処理装置の構成
図1は本実施形態の画像処理装置10のブロック図である。画像処理装置10は、制御部20、画像補正部30を含む。画像補正部30は複数のルックアップテーブル(LUT)40−1、40−2、…、40−N(以下、40−1〜40−N)を含む。Nは2以上の整数であり、例えばN=2の場合には、図1のルックアップテーブル40−2と40−Nとは同じルックアップテーブルとなる。
【0044】
画像処理装置10は、画素値204を受け取って、画像補正部30で補正を行って補正値220を出力する。このとき、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nが補正に用いられ、制御部20はルックアップテーブル間の入出力を制御する。
【0045】
本実施形態の画像処理装置10は、ジェネレーター50を含んでいてもよい。ジェネレーター50は、ルックアップテーブル40−1〜40−Nのテーブル値を更新する場合に必要なデータを生成する。必要なデータとは、例えば新たなテーブル値である。
【0046】
ここで、画素値204は画像処理装置10への入力画像における注目画素の値である。入力画像のデータは走査方式で入力され、注目画素は、例えば画像処理装置10のシステムクロックに同期して順次変化するものとする。入力画像とは静止画であってもよいが、本実施形態では動画の1フレームの画像を指す。
【0047】
なお、本実施形態では、ステータス信号200、テーブル値202、画素値204は画像処理装置10の外部のホストから与えられるものとする。また、補正値220は、例えば表示インターフェース(図外)を介して、LCD等のディスプレイ装置に出力されてもよい。
【0048】
1.2.画像補正部
画像補正部30は、画素値204を受け取って、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nを用いて変換した値である補正値220を出力する。ルックアップテーブル40−1〜40−Nのそれぞれは、例えば、明るさ補正、コントラスト補正といった補正に対応するテーブル値を含む。
【0049】
例えば、第1、第2、第3のルックアップテーブル40−1、40−2、40−3が、それぞれ、明るさ補正、コントラスト補正、パネル特性補正のためのテーブル値を含むとする。
【0050】
このとき、第1のルックアップテーブル40−1の出力を第2のルックアップテーブル40−2の入力とし、第2のルックアップテーブル40−2の出力を第3のルックアップテーブル40−3の入力とすることができる。したがって、中間値を一時保存することなく、3つの補正を連続して実行できる。なお、画素値204は第1のルックアップテーブル40−1に入力され、補正値220は第3のルックアップテーブル40−3から出力される。
【0051】
連続してルックアップテーブルによる変換を行うため、中間値の保存および読み出しを行う必要がなく、効率的な補正を実行できる。また、中間値を保存する必要がないため、一時保存用のメモリーが不要であり回路規模も削減できる。
【0052】
1.3.制御部
制御部20は、例えば画像処理装置10の外部のホストからのステータス信号200に基づいて、画像補正部30が含むルックアップテーブル間の入出力等を制御する。なお、制御部20は、外部のホストとの間で信号を送受信するホストインターフェースの機能を有していてもよい。
【0053】
ここで、ホストからのステータス信号200は、例えば入力画像のデータの有無、ブランキング期間か否かといった情報が含まれていてもよい。これにより、例えばブランキング期間だけルックアップテーブル間の経路を変更するように制御することが可能になる。
【0054】
制御部20は、画像補正部30に制御信号210を出力することで、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの間の経路の電気的接続を制御できる。例えば制御部20は、制御信号210によって画像補正部30に含まれる経路選択用のスイッチのオン・オフを切り換えてもよい。本実施形態では、制御部20は、画像補正部30に含まれる経路選択用のセレクターの選択信号として制御信号210を供給する。
【0055】
また、制御部20は、制御信号210によって画素値204をどのルックアップテーブルに入力するかを制御できる。また、補正値220をどのルックアップテーブルから出力させるかを制御できる。
【0056】
このとき、制御部20は、画素値204を入力したルックアップテーブルの出力を補正値220とすることもできる。また、他のルックアップテーブルの出力を補正値220とすることもできる。
【0057】
さらに、制御部20は、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの間の経路の電気的接続を動的に切り替えてもよい。このとき、あるルックアップテーブルのテーブル値を、他のルックアップテーブルの出力によって更新することが可能になる。
【0058】
1.4.ジェネレーター
ジェネレーター50は、画像処理装置10の外部のホストに代わって、新たなテーブル値212を生成することができる。よって、ホストの処理の負担を減らして、システム全体での処理時間を短縮することができる。
【0059】
ここで、ホストは新たなテーブル値202を生成して、ルックアップテーブル40−1〜40−Nのテーブル値を更新してもよい。しかし、アクセスに時間がかかり、テーブル値202を生成することでホストの負担が大きくなる。
【0060】
そこで、画像処理装置10が、制御信号230に基づいて新たなテーブル値212を生成するジェネレーター50を含むことが好ましい。制御信号230は、例えばステータス信号200に応じて、ジェネレーター50にテーブル値212を生成させる信号である。
【0061】
ここで、テーブル値212(およびテーブル値202)は、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nのいずれかを書き換えるものであって、例えばアドレスとデータが対になって生成されてもよいし、一方だけが生成されてもよい。
【0062】
また、テーブル値212とテーブル値202とが併用されて、画像補正部30の内部で制御信号210によって選択されてもよい。例えば、画像処理装置10の起動時にはホストがテーブル値202によってテーブル値を更新し、その後はジェネレーター50がテーブル値を更新してもよい。
【0063】
なお、以下では説明の都合上、ルックアップテーブルの数(図1のN)は2であるとする。つまり、画像補正部30は、第1のルックアップテーブル40−1と第2のルックアップテーブル40−2だけを含むものとして説明する。なお、本実施形態では、ルックアップテーブルが3つ以上の場合であっても以下に説明する機能を実現できる。
【0064】
1.5.ルックアップテーブルについて
1.5.1.補正関数
本実施形態のルックアップテーブル40−1、40−2のテーブル値は、それぞれ補正関数に従って決定される。本実施形態では、補正関数として例えばパラメーターG0とDとで定まる数1のような補正曲線を用いる。
【0065】
【数1】
ここで、式(1)の“x”は正規化された画素値204に対応し、“f(x)”は正規化された補正値220に対応する。
【0066】
本実施形態では入力画像のデータは走査方式で画像処理装置10に入力され、画素値204は入力画像の各画素に対応する。本実施形態の画素値204はRGB各成分を例えば10ビットで表現するデータである。式(1)によると、例えば画素値204のR成分が0(x=0)のとき、補正値220のR成分は0(f(x)=0)である。また、例えば画素値204のR成分が1023(x=1)のとき、補正値220のR成分は1023(f(x)=1)である。なお、前記のR成分をG成分、B成分としても同じである。
【0067】
図2は補正曲線f(x)の例であり、Dの値の変化に伴う曲線の変化を示している。ここで、式(1)の一階微分である“f´(x)”は数2のようになる。
【0068】
【数2】
式(2)でx=0および1を代入すると、数3のように係数G0、Dが得られる。すなわち、係数G0、Dは、それぞれx=0、1における接線の傾きで与えられる。
【0069】
【数3】
図2において、例えばD=G0とした場合には補正曲線220Aが得られるが、D=0とすると補正曲線220Cのようになる。
【0070】
例えば制御部20(図1参照)、又は図外のパラメーター生成部は、補正後に画像全体の平均輝度が低下せず、かつ自然な画像となるようにD、G0の値を選択してもよい。補正曲線220C、220AはそれぞれDを0、G0とした極端な例であるため、例えば、図2の補正曲線220Bを得るようなD、G0が選択されてもよい。
【0071】
また、補正によってパラメーターを変えてもよい。例えば明るさ補正では補正曲線220Cを、コントラスト補正では補正曲線220Bを用いてもよい。このとき、補正曲線に対応するルックアップテーブルのテーブル値も補正によって異なる。
【0072】
図2の例では、画素値204はRGB各成分が10ビットの値であり、0〜1023の値をとり得る。よって、式(1)の“x”に正規化した0〜1023の値のそれぞれを代入して、得られる”f(x)“に基づいてテーブル値を作成できる。
【0073】
1.5.2.ルックアップテーブルの構成
図3は、ルックアップテーブルの構成例を説明する図である。本実施形態の画像補正部が含むルックアップテーブルは、式(1)の補正曲線に対応している。ルックアップテーブルを参照することで、例えば乗算器等によって計算することなく、直ちに画素値を補正値に変換することができる。ルックアップテーブルは、例えば書き換え可能なSRAM等のメモリーで構成される。なお、テーブル値が固定値の場合には、書き換えできないROMでも実現可能である。
【0074】
図3では、第1のルックアップテーブル40−1を例にして説明するが、第2のルックアップテーブル40−2についても同じである。画素値204が、RGBの各成分を含むとする。このとき、第1のルックアップテーブル40−1は、RGBの各成分を変換するための3面分のメモリーで構成される(LUT(R)、LUT(G)、LUT(B))。よって、本実施形態の第1、第2のルックアップテーブル40−1、40−2は合わせて6面分のメモリーで構成されている。
【0075】
ここで、本実施形態では、6面分のメモリーの種類や制御方法は同じである。よって、図3のR成分(LUT(R))のみについて説明する。LUT(R)は、書き換え可能なメモリーであってアドレスA、入力データD、出力データQのポートを含む。LUT(R)は補正曲線(式(1)参照)に対応したテーブル値を記憶している。なお、クロックとライトイネーブルについては記載を省略しているが、これらの信号についても適宜制御が行われるものとする。
【0076】
まず、画素値204を補正値220に変換する場合には、LUT(R)はリードモード(ライトイネーブルはオフ)で使用され、制御部20(図1参照)からの制御信号210−1Rによって、R成分の画素値204RがアドレスAに入力される。そして、アドレスを画素値204Rとする記憶領域に保存されたテーブル値を出力テーブル値240−1Rとして出力する。
【0077】
そして、垂直ブランキング期間などにテーブル値を更新する場合には、LUT(R)はライトモード(ライトイネーブルはオン)で使用される。このとき、制御部20(図1参照)からの制御信号210−1Rによって、R成分の新しいテーブル値(アドレス)202ARがアドレスAに入力される。また、R成分の新しいテーブル値(データ)202DRが入力データDに入力される。
【0078】
このように、ルックアップテーブルは書き換え可能なメモリーによって実現できる。なお、本実施形態のルックアップテーブルを構成する6面分のメモリーは、それぞれが例えば物理的に異なるメモリーであってもよいし、論理的に区分されているメモリーブロックであってもよい。
【0079】
1.6.従来の方法について
図4は従来の画像処理装置1010における画像補正部1030の構成例を示す図である。従来の画像処理装置1010は、表示を停止することなくルックアップテーブル1040−1、1040−2を書き換えるために、一方のルックアップテーブルで表示を行い、他方のテーブル値を書き換える方法(従来の方法)を行う。
【0080】
図4では、例えばルックアップテーブル1040−1を表示に用いて、ルックアップテーブル1040−2のテーブル値が書き換えることが可能である。
【0081】
このとき、制御部1020からの制御信号1210−1によって、補正値1220として出力テーブル値1240−1が選択される。そして、制御信号1210−2によって、画素値1204がルックアップテーブル1040−1のアドレスAに入力される。ここで、ルックアップテーブル1040−1のライトイネーブル(図外)はオフであって、ルックアップテーブル1040−1にデータの書き込みはされない。
【0082】
一方、制御信号1210−3によって、テーブル値(アドレス)1202Aがルックアップテーブル1040−2のアドレスAに入力される。ここで、ルックアップテーブル1040−2のライトイネーブル(図外)はオンであって、テーブル値(データ)1202Dが所定の記憶領域に書き込まれてテーブル値が更新される。
【0083】
なお、制御信号1210−1、1210−2、1210−3の信号レベルをそれぞれ反転させると、ルックアップテーブル1040−2を表示に用いて、ルックアップテーブル1040−1のテーブル値が書き換えることが可能である。
【0084】
しかし、従来の画像処理装置1010では、一方にパネル特性補正を行うテーブル値を、他方に明るさ補正を行うテーブル値を割り当てたときにも、どちらか片方の補正しかできない。現実には、輝度を高める(明るさ補正)と同時に、表示パネルの個体差を補正して見栄えをよくしたい(パネル特性補正)との要求がある。従来の画像処理装置1010で両方の補正を行う場合には中間値を一時記憶する必要がある。すると、補正にかかる時間が長くなり、メモリーが必要となって回路規模が増大してしまう。
【0085】
1.7.本実施形態の動作の例
本実施形態では、以下に説明するように、従来の方法も実現でき、中間値の一時記憶を必要とせずに複数の補正を連続して実行することができる。さらに、他のルックアップテーブルの出力によって、テーブル値の更新も可能であり、ジェネレーターを使用することでホストの負担も軽減できる。
【0086】
本実施形態における補正等の動作の例について、図5〜図10を参照して説明する。なお、図1〜図4と同じ要素には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0087】
1.7.1.画像補正部の構成例
図5は、本実施形態の画像補正部30の構成例を示す図である。制御信号210−1〜210−6は図1の制御信号210に対応する。制御信号210−1〜210−6は、画像補正部30のセレクターの選択信号として機能する。ここで、ホストからのテーブル値202(図1参照)は、テーブル値(アドレス)202Aと、テーブル値(データ)202Dに分けて表記されている。第1のルックアップテーブル40−1の出力テーブル値240−1と、第2のルックアップテーブル40−2の出力テーブル値240−2の一方が選択されて補正値220として出力される。
【0088】
そして、出力テーブル値240−1と出力テーブル値240−2は、第1のルックアップテーブル40−1および第2のルックアップテーブル40−2のアドレスA、データDに入力することが可能である。本実施形態では、出力テーブル値をルックアップテーブルに入力する経路を設けたことにより、効率的な画像処理を実行できる。また、中間値を一時保存する必要がないので、回路規模の増加を抑えることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、第1のルックアップテーブル40−1は静的補正のテーブル値を有し、第2のルックアップテーブル40−2は動的補正のテーブル値を有する。
【0090】
1.7.2.従来の方法の実現
図6は、従来の方法との互換性を説明する図である。本実施形態は、一方のルックアップテーブルで表示を行い、他方のテーブル値を書き換える従来の方法を実現できる。なお、構成は図5と同じであり説明を省略する。
【0091】
制御信号210−1、210−5によって、画素値204は第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力されて、出力テーブル値240−1が補正値220として出力される。
【0092】
一方、制御信号210−6によって、テーブル値(アドレス)202Aは、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−4によって、テーブル値(データ)202Dは、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。
【0093】
このとき、第1のルックアップテーブル40−1のライトイネーブルはオフであって、リードモードで使用されている。また、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている。よって、出力テーブル値240−1が補正値220となり、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値は更新される。
【0094】
1.7.3.静的補正と動的補正の連続実行
図7は、2つテーブルの変換を連続して行う動作を説明する図である。第1のルックアップテーブル40−1は静的補正のテーブル値を有し、第2のルックアップテーブル40−2は動的補正のテーブル値を有している。なお、構成は図5〜図6と同じであり説明を省略する。
【0095】
これらの補正を連続して実行し、その結果を補正値220として出力する。ここでは、第1のルックアップテーブル40−1と第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルは共にオフであって、リードモードで使用される。
【0096】
まず、制御信号210−6によって、画素値204は、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。制御信号210−2、210−5によって、動的補正が施された出力テーブル値240−2が第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−1によって、更に静的補正が施された出力テーブル値240−1が補正値220として出力される。
【0097】
このように、制御部20による設定だけで、静的補正と動的補正の両方を中間値の保存および読み出しを行うことなく実行できる。そのため、効率的な画像処理が可能になる。
【0098】
1.7.4.ジェネレーターによるテーブル値の生成
図8は、ジェネレーターを用いたテーブル値の更新を説明する図である。なお、図5〜図7と同じ要素には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0099】
本実施形態の画像処理装置10は、ジェネレーター50を含んでいてもよい。ジェネレーター50は、画像処理装置10の外部のホストに代わって、新たなテーブル値212A、212Dを生成することができる。よって、ホストの処理の負担を減らして、システム全体での処理時間を短縮することができる。
【0100】
ここで、図8では、ジェネレーター50が生成するテーブル値212(図1参照)は、テーブル値(アドレス)212Aと、テーブル値(データ)212Dに分けて表記されている。ジェネレーター50は、制御部20からの制御信号230に従って、テーブル値212A、212Dを生成する。
【0101】
図8では、制御信号230によって、ジェネレーター50がテーブル値212A、212Dを生成する。制御信号210−6によって、テーブル値(アドレス)212Aは、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−4によって、テーブル値(データ)212Dは、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。
【0102】
このとき、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている。よって、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値は更新される。テーブル値の更新は、垂直ブランキング期間に行われてもよい。
【0103】
1.7.5.テーブル値の書き戻し動作
図9〜図10は、テーブル値の書き戻し動作を説明する図である。書き戻し動作とは、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値を、第1のルックアップテーブル40−1の出力テーブル値240−1を書き込むことで更新する手法を指す。
【0104】
ここで、書き戻し動作によって、第1および第2のルックアップテーブルのテーブル値を乗じて得られる値が、第2のルックアップテーブル40−2に書き込まれる。従って、書き戻し動作後には、第2のルックアップテーブル40−2だけを用いて、2つの補正を連続して実行した場合(図7参照)と同じ効果を得ることができる。
【0105】
図9のように、制御信号230によって、ジェネレーター50はテーブル値(アドレス)212Aを生成する。ここで、例えば画素値204が10ビットの場合、テーブル値は0〜1023までの値のそれぞれに対応する値の集合で与えられる。そのため、ジェネレーター50は、画素値204がとり得る全ての値(0〜1023)をテーブル値(アドレス)212Aとして生成する。このとき、例えば時間とともに値がインクリメントされてもよい。
【0106】
このようなテーブル値(アドレス)212Aは、制御信号210−6によって、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−2、210−5によって、第2のルックアップテーブル40−2による補正が施された出力テーブル値240−2が第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力される。なお、ここでは第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオフであって、リードモードで使用されている。
【0107】
図10は、図9の後の動作を示している。図10のように、制御信号210−2、210−4によって、更に第1のルックアップテーブル40−1による補正が施された出力テーブル値240−1が、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。このとき、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている必要がある。
【0108】
そして、2つの補正が施された値が、テーブル値(アドレス)212Aが指定する記憶領域に書き込まれる。例えば、画素値204が10ビットの場合、0〜1023のそれぞれについて書き戻し動作を行うことで、テーブル値の更新が完了する。
【0109】
ここで、テーブル値の書き戻し動作は2つのルックアップテーブルの同時使用を必要とし、一方を表示用に割り当てることができない。よって、垂直ブランキング期間に行われる必要がある。ジェネレーター50が使用される場合には、ホストが介在することなく書き戻し動作を行うことができる。
【0110】
なお、この構成例では、ホストが生成するテーブル値202A、202Dと、ジェネレーター50が生成するテーブル値212A、212Dとが共に使用可能である。これらは、制御部20からの制御信号210−1〜210−6によって選択される。
【0111】
よって、ジェネレーター50が生成するテーブル値212A、212Dを用いて書き戻し動作を説明したが、代わりに、ホストが生成するテーブル値202A、202Dが用いられてもよい。
【0112】
このように、本実施形態の画像処理装置は、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を有する。例えば、従来の方法では実現できない、静的補正と動的補正の連続実行やテーブル値の書き戻し動作を行うことが可能である。そのため、ルックアップテーブルの利用率を高めることができるため、無駄に大きな面積を占めるようなことがない。
【0113】
2.適用例
本発明の電子機器への適用例について図11〜図12を参照にして説明する。なお、第1実施形態と同じ要素には同一符号を付しており、その説明を省略する。
【0114】
図11は適用例に係る電子機器1のブロック図である。電子機器1は、CPU2、入力部3、記憶部4、表示部5を含む。電子機器1は、さらに音声を出力する音声出力部(図外)を含んでもよい。
【0115】
CPU2は、他の機能ブロックを制御し、様々な演算や処理を行う。CPU2は、記憶部4からプログラムを読み込み、プログラムに従って画像処理を実行してもよい。
【0116】
入力部3は、電子機器1の内部又は外部からデータなどを受け取る。入力部3は、例えば入力画像のデータを受け取り、CPU2が画像処理を実行できるように適したフォーマットの画素値へと変換してもよい。
【0117】
記憶部4は、例えばDRAMやSRAMなどのメモリーであってもよいし、ROMを含んでいてもよい。CPU2が使用するプログラムは、例えば記憶部4が含むROMに書かれていてもよい。また、CPU2によって、記憶部4の一部が画像処理用のルックアップテーブルとして用いられてもよい。
【0118】
表示部5は、電子機器1が表示する画像を出力するためのものである。例えばLCDや電気泳動表示装置であってもよい。表示部5は、例えばCPU2によって画像処理を施された画素値に基づく画像を表示してもよい。
【0119】
この適用例では、CPU2と記憶部4とを第1実施形態の画像処理装置10として機能させることにより、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を実現できる。例えば、入力画像に依存する動的な変換と、表示部5の表示特性を補正する変換であって入力画像に依存しない静的な変換と、を直ちに連続して、又は同時に行うことが可能である。
【0120】
例えば、CPU2はリセット後にプログラムを記憶部4から読み込み、制御部の機能をソフトウェアで実現する。そして、このプログラムによって、記憶部4で実現されるルックアップテーブルの入出力を制御する。また、テーブル値を更新する場合には、ジェネレーターの機能もソフトウェアで実現可能である。
【0121】
このように、本適用例にかかる電子機器1は、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を、CPU2と記憶部4とで実現する。そのため、電子機器1では効率的な画像処理が可能になる。
【0122】
なお、ソフトウェアで実現するのではなく、画像処理装置10は専用ハードウェアとして電子機器1に組み込まれていてもよい。このとき、CPU2に処理の負担をかけずに画像処理を行うことができる。
【0123】
図12(A)に、電子機器1の1つである携帯電話950の外観図の例を示す。この携帯電話950は、ダイヤルボタン952やスピーカー956と共に、表示部5として機能するLCD954を備える。
【0124】
図12(B)に、電子機器1の1つである携帯型ゲーム装置960の外観図の例を示す。この携帯型ゲーム装置960は、操作ボタン962、十字キー964やスピーカー968と共に、表示部5として機能するLCD966を備える。
【0125】
図12(C)に、電子機器1の1つであるパーソナルコンピューター970の外観図の例を示す。このパーソナルコンピューター970は、キーボード972やスピーカー976と共に、表示部5として文字、数字、グラフィックなどを表示するLCD974を備える。
【0126】
本実施形態の画像処理装置は、これらの例のように、表示部を有する様々な電子機器に適用可能であり、いずれの場合にもルックアップテーブルの入出力を制御して、効率的な画像処理を実現することが可能である。
【0127】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0128】
1…電子機器、2…CPU、3…入力部、4…記憶部、5…表示部、10…画像処理装置、20…制御部、30…画像補正部、40−1〜40−N…ルックアップテーブル(LUT)、50…ジェネレーター、200…ステータス信号、202…テーブル値、202A、202AR、202AG、202AB…テーブル値(アドレス)、202D、202DR、202DG、202DB…テーブル値(データ)、204、204R、204G、204B、…画素値、210、210−1〜210−6、210−1R、210−1G、210−1B…制御信号、212…テーブル値、212A…テーブル値(アドレス)、212D…テーブル値(データ)、220…補正値、220A…補正曲線、220B…補正曲線、220C…補正曲線、230…制御信号、240−1、240−2、240−1R、240−1G、240−1B…出力テーブル値、950…携帯電話、952…ダイヤルボタン、954…LCD、956…スピーカー、960…携帯型ゲーム装置、962…操作ボタン、964…十字キー、966…LCD、968…スピーカー、970…パーソナルコンピューター、972…キーボード、974…LCD、976…音出力部、1010…画像処理装置、1020…制御部、1030…画像補正部、1040−1、1040−2…ルックアップテーブル(LUT)、1202A…テーブル値(アドレス)、1202D…テーブル値(データ)、1204…画素値、1210−1〜1210−3…制御信号、1220…補正値、1240−1、1240−2…出力テーブル値
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
入力画像を補正する画像処理装置では、例えば補正関数を用いて補正を行う。このとき、画像処理装置が補正関数に対応するルックアップテーブル(LUT)を保持していれば、ルックアップテーブルを参照することで素早く補正を実行できる。ルックアップテーブルは書き換え可能なSRAM等のメモリーで構成される。
【0003】
ここで、表示を停止することなくルックアップテーブルを書き換えるためには、RGB各色についてそれぞれ2面ずつメモリーを用意して、読み出し用(表示用)と書き換え用に交互に割り当てる方法が従来から行われている(以下、従来の方法)。ここで、1面とは1つの色について必要なルックアップテーブルのメモリー量を表し、従来の方法では合計6面分のメモリーが必要になる。
【0004】
例えば特許文献1の発明では4面分のメモリーを用意して、4面中3面をRGB各色の表示に用いて、残りの1面を書き換える方法を用いている。このことにより、ルックアップテーブル全体のメモリー量を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−257372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の発明ではセレクターの制御が複雑になり、ルックアップテーブルを構成するメモリー周りの配線が混雑する。また、従来の方法のように6面分のメモリーを含む構成であっても、全てのメモリーが同時に使用されるならば、余分なメモリーが存在しないためメモリー量を削減する必要はない。
【0007】
そして、入力画像データを1対1に対応する補正データに変換出力する用途以外で利用可能であれば、メモリーを無駄なく効率的に使用することになる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、RGB各色についてそれぞれ2面ずつあるメモリーを同時に使用でき、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置であって、前記入力画像の注目画素の画素値を補正して補正値を生成する画像補正部と、前記画像補正部を制御する制御部と、を含み、前記画像補正部は、前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブルを含み、前記制御部は、前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブルの1つに入力させ、前記補正値を前記複数のルックアップテーブルの1つから出力させ、前記複数のルックアップテーブルの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する。
【0010】
本発明によれば、画像補正部は注目画素の画素値を補正する複数のルックアップテーブルを含み、制御部は任意の1つのルックアップテーブルの出力を他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御できる。そのため、例えばテーブル値の異なる複数のルックアップテーブルをシリアルに接続することで、ルックアップテーブルによる変換を連続して行うことが可能である。
【0011】
例えば、第1、第2、第3のルックアップテーブルが、それぞれ、明るさ補正、コントラスト補正、表示パネルの固体差の補正のためのテーブル値を含むとする。本発明では、第1のルックアップテーブルの出力を第2のルックアップテーブルの入力とし、第2のルックアップテーブルの出力を第3のルックアップテーブルの入力とすることができる。したがって、中間値(例えば、第1のルックアップテーブルの出力)を保存することなく、3つの補正を連続して実行できる。このとき、画素値は第1のルックアップテーブルに入力され、補正値は第3のルックアップテーブルから出力される。
【0012】
連続してルックアップテーブルによる変換を行うため、中間値の保存および読み出しを行う必要がなく、効率的な画像処理を行うことができる。また、中間値を保存する必要がないため、一時保存用のメモリーが不要であり回路規模も削減できる。なお、画像補正部が含むルックアップテーブルの数に上限はなく、ルックアップテーブルの数が多いほど画像処理の効率および回路規模の削減効果が高まる。
【0013】
本発明の画像処理装置は入力画像の補正を画素毎に行う。例えば、画像処理装置には走査によって時間とともに変化する画素値が入力される。
【0014】
ここで、ある時間における画像処理の対象となる画素を注目画素とよぶ。走査は例えばプログレッシブ方式であって、注目画素は入力画像の第1行第1列目の画素から最終行最終列の画素まで時間とともに1画素ずつ変化する。入力画像とは静止画であってもよいが、特に動画の1フレームの画像を指す。
【0015】
制御部は、ルックアップテーブル間の電気的接続を制御する。具体例としては、画像補正部が含むスイッチのオン・オフを切り換える制御信号を供給してもよいし、画像補正部が含むセレクターの選択信号として制御信号を供給してもよい。
【0016】
なお、1つのルックアップテーブルとは、1つの画素値を変換可能なルックアップテーブルをいう。例えば、1つの画素値がRGBの各成分を有する場合には、1つのルックアップテーブルは3面分のメモリーで構成される。ここで、1面とは1つの色について必要なルックアップテーブルのメモリー量である。
【0017】
(2)この画像処理装置において、前記画像補正部は、前記補正値を出力するルックアップテーブルのテーブル値を固定値としてもよい。
【0018】
(3)この画像処理装置において、前記画像補正部は、前記補正値を出力するルックアップテーブル以外のルックアップテーブルのテーブル値を、前記入力画像に基づいて変化する動的な値としてもよい。
【0019】
これらの発明によれば、テーブル値が固定値であるルックアップテーブルの出力を補正値とする。そのため、入力画像に依存しない補正であって、一律的に施す必要がある補正を確実に実行することができる。このとき、補正値を出力するルックアップテーブル以外は、テーブル値が入力画像に基づいて変化する動的な値であってもよい。
【0020】
ここで、本発明の画像処理装置が行う補正は、動的補正(ダイナミック補正)と静的補正(スタティック補正)とに大別できる。
【0021】
動的補正とは例えば明るさ補正、コントラスト補正、カラーバランス補正等である。動的補正は、入力画像の例えば統計データに基づいて、後述の補正関数の係数を動的に変更する補正である。そのため、補正関数に基づいて定められるテーブル値も動的に変更される必要がある。
【0022】
これに対し、製造ばらつき等に起因する表示パネルの固体差の補正(以下、パネル特性補正)は、静的(固定的)な係数を用いる。そのため、静的補正のテーブル値は固定値となる。
【0023】
これらの発明では、一律的に施す必要がある静的補正のテーブル値を、補正値を出力する最終段のルックアップテーブルに割り当てる。これによって、パネル特性補正を確実に行うことができる。最終段のルックアップテーブル以外には、例えば明るさ補正、コントラスト補正、カラーバランス補正等の動的補正のテーブル値を割り当ててもよい。
【0024】
(4)この画像処理装置において、前記画像補正部は、テーブル値が固定値である第1のルックアップテーブルと、テーブル値が前記入力画像に基づいて変化する動的な値である第2のルックアップテーブルと、を含み、前記制御部は、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第1のルックアップテーブルから出力させ、前記前記第2のルックアップテーブルからの出力を、前記第1のルックアップテーブルに入力させてもよい。
【0025】
本発明によれば、画像補正部は、2つのルックアップテーブル(第1のルックアップテーブル、第2のルックアップテーブル)の変換を連続して行うので、効率的な画像処理を実行できる。
【0026】
このとき、第2のルックアップテーブルは動的補正のテーブル値を有し、第1のルックアップテーブルは静的補正のテーブル値を有している。したがって、動的補正と静的補正とを連続して実行した結果を補正値として出力できる。
【0027】
(5)この画像処理装置において、前記画像補正部は、2つのルックアップテーブルを含んでもよい。
【0028】
本発明によれば、画像補正部は、2つのルックアップテーブル(第1のルックアップテーブル、第2のルックアップテーブル)だけを含む。そのため、効率的な画像処理を実行しつつ、回路規模の増加を抑えることが可能である。
【0029】
(6)この画像処理装置において、前記画像補正部は、第1のルックアップテーブルと、第2のルックアップテーブルと、を含み、前記制御部は、垂直ブランキング期間に、前記画素値がとり得る全ての値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記第2のルックアップテーブルからの出力を前記第1のルックアップテーブルに入力させ、前記第1のルックアップテーブルからの出力を用いて前記第2のルックアップテーブルのテーブル値を更新させてもよい。
【0030】
(7)この画像処理装置において、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含んでもよい。
【0031】
(8)この画像処理装置において、前記制御部は、前記垂直ブランキング期間の終了後に、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第2のルックアップテーブルから出力させてもよい。
【0032】
これらの発明では、垂直ブランキング期間に、第2のルックアップテーブルは画素値がとり得る全ての値を受け取る。そして、第2のルックアップテーブルの出力は第1のルックアップテーブルに入力されて、その後に第1のルックアップテーブルの出力が第2のルックアップテーブルのテーブル値として書き戻される。
【0033】
これらの発明によると、このような書き戻し動作によってテーブル値の更新ができる。よって、補正出力以外にもルックアップテーブルを使用できるため、ルックアップテーブルの利用率を高めることができる。ルックアップテーブルは一般にメモリーを用いて実現するが、メモリーは大きな面積を占める可能性がある。しかし、利用率が高いため、無駄にコストが増大することにはならない。
【0034】
このとき、画像処理装置は、例えば画像処理装置の外部のホストCPU(以下、ホストとする)に代わって、画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含んでもよい。ホストがテーブル値の更新に関与する必要がないため、システム全体として処理の効率が高まる。
【0035】
書き戻し動作によって更新された第2のルックアップテーブルのテーブル値は、第1および第2のルックアップテーブルのテーブル値を乗じて得られる値となる。よって、垂直ブランキング期間の終了後は、第2のルックアップテーブルだけを用いて補正値を出力してもよい。
【0036】
このとき、第2のルックアップテーブルだけを使用して補正値が得られるので、画像処理の効率がさらに高まり、補正値が出力されるまでの時間が早まる。
【0037】
なお、画素値がとり得る値は例えば入力される画素値のビット数で決まる。10ビットの画素値であれば、0〜1023のそれぞれの値が、画素値がとり得る値となる。そして、テーブル値は0〜1023のそれぞれの値に対応する値の集合である。
【0038】
(9)本発明は、前記のいずれかに記載の画像処理装置を含む電子機器である。
【0039】
本発明によれば、例えば連続してルックアップテーブルによる変換を行うことで効率的な画像処理を行う電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態の画像処理装置のブロック図。
【図2】補正曲線を説明する図。
【図3】ルックアップテーブルの構成例を説明する図。
【図4】従来の画像処理装置における画像補正部の構成例を示す図。
【図5】第1実施形態の画像補正部の構成例を示す図。
【図6】従来の方法との互換性を説明する図。
【図7】2つテーブルの変換を連続して行う動作を説明する図。
【図8】ジェネレーターを用いたテーブル値の更新を説明する図。
【図9】テーブル値の書き戻し動作を説明する図。
【図10】テーブル値の書き戻し動作を説明する図。
【図11】適用例の電子機器のブロック図。
【図12】図12(A)は電子機器の例である携帯電話の図。図12(B)は電子機器の例である携帯型ゲーム装置の図。図12(C)は電子機器の例であるパーソナルコンピューターの図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0042】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
【0043】
1.1.第1実施形態の画像処理装置の構成
図1は本実施形態の画像処理装置10のブロック図である。画像処理装置10は、制御部20、画像補正部30を含む。画像補正部30は複数のルックアップテーブル(LUT)40−1、40−2、…、40−N(以下、40−1〜40−N)を含む。Nは2以上の整数であり、例えばN=2の場合には、図1のルックアップテーブル40−2と40−Nとは同じルックアップテーブルとなる。
【0044】
画像処理装置10は、画素値204を受け取って、画像補正部30で補正を行って補正値220を出力する。このとき、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nが補正に用いられ、制御部20はルックアップテーブル間の入出力を制御する。
【0045】
本実施形態の画像処理装置10は、ジェネレーター50を含んでいてもよい。ジェネレーター50は、ルックアップテーブル40−1〜40−Nのテーブル値を更新する場合に必要なデータを生成する。必要なデータとは、例えば新たなテーブル値である。
【0046】
ここで、画素値204は画像処理装置10への入力画像における注目画素の値である。入力画像のデータは走査方式で入力され、注目画素は、例えば画像処理装置10のシステムクロックに同期して順次変化するものとする。入力画像とは静止画であってもよいが、本実施形態では動画の1フレームの画像を指す。
【0047】
なお、本実施形態では、ステータス信号200、テーブル値202、画素値204は画像処理装置10の外部のホストから与えられるものとする。また、補正値220は、例えば表示インターフェース(図外)を介して、LCD等のディスプレイ装置に出力されてもよい。
【0048】
1.2.画像補正部
画像補正部30は、画素値204を受け取って、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nを用いて変換した値である補正値220を出力する。ルックアップテーブル40−1〜40−Nのそれぞれは、例えば、明るさ補正、コントラスト補正といった補正に対応するテーブル値を含む。
【0049】
例えば、第1、第2、第3のルックアップテーブル40−1、40−2、40−3が、それぞれ、明るさ補正、コントラスト補正、パネル特性補正のためのテーブル値を含むとする。
【0050】
このとき、第1のルックアップテーブル40−1の出力を第2のルックアップテーブル40−2の入力とし、第2のルックアップテーブル40−2の出力を第3のルックアップテーブル40−3の入力とすることができる。したがって、中間値を一時保存することなく、3つの補正を連続して実行できる。なお、画素値204は第1のルックアップテーブル40−1に入力され、補正値220は第3のルックアップテーブル40−3から出力される。
【0051】
連続してルックアップテーブルによる変換を行うため、中間値の保存および読み出しを行う必要がなく、効率的な補正を実行できる。また、中間値を保存する必要がないため、一時保存用のメモリーが不要であり回路規模も削減できる。
【0052】
1.3.制御部
制御部20は、例えば画像処理装置10の外部のホストからのステータス信号200に基づいて、画像補正部30が含むルックアップテーブル間の入出力等を制御する。なお、制御部20は、外部のホストとの間で信号を送受信するホストインターフェースの機能を有していてもよい。
【0053】
ここで、ホストからのステータス信号200は、例えば入力画像のデータの有無、ブランキング期間か否かといった情報が含まれていてもよい。これにより、例えばブランキング期間だけルックアップテーブル間の経路を変更するように制御することが可能になる。
【0054】
制御部20は、画像補正部30に制御信号210を出力することで、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの間の経路の電気的接続を制御できる。例えば制御部20は、制御信号210によって画像補正部30に含まれる経路選択用のスイッチのオン・オフを切り換えてもよい。本実施形態では、制御部20は、画像補正部30に含まれる経路選択用のセレクターの選択信号として制御信号210を供給する。
【0055】
また、制御部20は、制御信号210によって画素値204をどのルックアップテーブルに入力するかを制御できる。また、補正値220をどのルックアップテーブルから出力させるかを制御できる。
【0056】
このとき、制御部20は、画素値204を入力したルックアップテーブルの出力を補正値220とすることもできる。また、他のルックアップテーブルの出力を補正値220とすることもできる。
【0057】
さらに、制御部20は、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nの間の経路の電気的接続を動的に切り替えてもよい。このとき、あるルックアップテーブルのテーブル値を、他のルックアップテーブルの出力によって更新することが可能になる。
【0058】
1.4.ジェネレーター
ジェネレーター50は、画像処理装置10の外部のホストに代わって、新たなテーブル値212を生成することができる。よって、ホストの処理の負担を減らして、システム全体での処理時間を短縮することができる。
【0059】
ここで、ホストは新たなテーブル値202を生成して、ルックアップテーブル40−1〜40−Nのテーブル値を更新してもよい。しかし、アクセスに時間がかかり、テーブル値202を生成することでホストの負担が大きくなる。
【0060】
そこで、画像処理装置10が、制御信号230に基づいて新たなテーブル値212を生成するジェネレーター50を含むことが好ましい。制御信号230は、例えばステータス信号200に応じて、ジェネレーター50にテーブル値212を生成させる信号である。
【0061】
ここで、テーブル値212(およびテーブル値202)は、複数のルックアップテーブル40−1〜40−Nのいずれかを書き換えるものであって、例えばアドレスとデータが対になって生成されてもよいし、一方だけが生成されてもよい。
【0062】
また、テーブル値212とテーブル値202とが併用されて、画像補正部30の内部で制御信号210によって選択されてもよい。例えば、画像処理装置10の起動時にはホストがテーブル値202によってテーブル値を更新し、その後はジェネレーター50がテーブル値を更新してもよい。
【0063】
なお、以下では説明の都合上、ルックアップテーブルの数(図1のN)は2であるとする。つまり、画像補正部30は、第1のルックアップテーブル40−1と第2のルックアップテーブル40−2だけを含むものとして説明する。なお、本実施形態では、ルックアップテーブルが3つ以上の場合であっても以下に説明する機能を実現できる。
【0064】
1.5.ルックアップテーブルについて
1.5.1.補正関数
本実施形態のルックアップテーブル40−1、40−2のテーブル値は、それぞれ補正関数に従って決定される。本実施形態では、補正関数として例えばパラメーターG0とDとで定まる数1のような補正曲線を用いる。
【0065】
【数1】
ここで、式(1)の“x”は正規化された画素値204に対応し、“f(x)”は正規化された補正値220に対応する。
【0066】
本実施形態では入力画像のデータは走査方式で画像処理装置10に入力され、画素値204は入力画像の各画素に対応する。本実施形態の画素値204はRGB各成分を例えば10ビットで表現するデータである。式(1)によると、例えば画素値204のR成分が0(x=0)のとき、補正値220のR成分は0(f(x)=0)である。また、例えば画素値204のR成分が1023(x=1)のとき、補正値220のR成分は1023(f(x)=1)である。なお、前記のR成分をG成分、B成分としても同じである。
【0067】
図2は補正曲線f(x)の例であり、Dの値の変化に伴う曲線の変化を示している。ここで、式(1)の一階微分である“f´(x)”は数2のようになる。
【0068】
【数2】
式(2)でx=0および1を代入すると、数3のように係数G0、Dが得られる。すなわち、係数G0、Dは、それぞれx=0、1における接線の傾きで与えられる。
【0069】
【数3】
図2において、例えばD=G0とした場合には補正曲線220Aが得られるが、D=0とすると補正曲線220Cのようになる。
【0070】
例えば制御部20(図1参照)、又は図外のパラメーター生成部は、補正後に画像全体の平均輝度が低下せず、かつ自然な画像となるようにD、G0の値を選択してもよい。補正曲線220C、220AはそれぞれDを0、G0とした極端な例であるため、例えば、図2の補正曲線220Bを得るようなD、G0が選択されてもよい。
【0071】
また、補正によってパラメーターを変えてもよい。例えば明るさ補正では補正曲線220Cを、コントラスト補正では補正曲線220Bを用いてもよい。このとき、補正曲線に対応するルックアップテーブルのテーブル値も補正によって異なる。
【0072】
図2の例では、画素値204はRGB各成分が10ビットの値であり、0〜1023の値をとり得る。よって、式(1)の“x”に正規化した0〜1023の値のそれぞれを代入して、得られる”f(x)“に基づいてテーブル値を作成できる。
【0073】
1.5.2.ルックアップテーブルの構成
図3は、ルックアップテーブルの構成例を説明する図である。本実施形態の画像補正部が含むルックアップテーブルは、式(1)の補正曲線に対応している。ルックアップテーブルを参照することで、例えば乗算器等によって計算することなく、直ちに画素値を補正値に変換することができる。ルックアップテーブルは、例えば書き換え可能なSRAM等のメモリーで構成される。なお、テーブル値が固定値の場合には、書き換えできないROMでも実現可能である。
【0074】
図3では、第1のルックアップテーブル40−1を例にして説明するが、第2のルックアップテーブル40−2についても同じである。画素値204が、RGBの各成分を含むとする。このとき、第1のルックアップテーブル40−1は、RGBの各成分を変換するための3面分のメモリーで構成される(LUT(R)、LUT(G)、LUT(B))。よって、本実施形態の第1、第2のルックアップテーブル40−1、40−2は合わせて6面分のメモリーで構成されている。
【0075】
ここで、本実施形態では、6面分のメモリーの種類や制御方法は同じである。よって、図3のR成分(LUT(R))のみについて説明する。LUT(R)は、書き換え可能なメモリーであってアドレスA、入力データD、出力データQのポートを含む。LUT(R)は補正曲線(式(1)参照)に対応したテーブル値を記憶している。なお、クロックとライトイネーブルについては記載を省略しているが、これらの信号についても適宜制御が行われるものとする。
【0076】
まず、画素値204を補正値220に変換する場合には、LUT(R)はリードモード(ライトイネーブルはオフ)で使用され、制御部20(図1参照)からの制御信号210−1Rによって、R成分の画素値204RがアドレスAに入力される。そして、アドレスを画素値204Rとする記憶領域に保存されたテーブル値を出力テーブル値240−1Rとして出力する。
【0077】
そして、垂直ブランキング期間などにテーブル値を更新する場合には、LUT(R)はライトモード(ライトイネーブルはオン)で使用される。このとき、制御部20(図1参照)からの制御信号210−1Rによって、R成分の新しいテーブル値(アドレス)202ARがアドレスAに入力される。また、R成分の新しいテーブル値(データ)202DRが入力データDに入力される。
【0078】
このように、ルックアップテーブルは書き換え可能なメモリーによって実現できる。なお、本実施形態のルックアップテーブルを構成する6面分のメモリーは、それぞれが例えば物理的に異なるメモリーであってもよいし、論理的に区分されているメモリーブロックであってもよい。
【0079】
1.6.従来の方法について
図4は従来の画像処理装置1010における画像補正部1030の構成例を示す図である。従来の画像処理装置1010は、表示を停止することなくルックアップテーブル1040−1、1040−2を書き換えるために、一方のルックアップテーブルで表示を行い、他方のテーブル値を書き換える方法(従来の方法)を行う。
【0080】
図4では、例えばルックアップテーブル1040−1を表示に用いて、ルックアップテーブル1040−2のテーブル値が書き換えることが可能である。
【0081】
このとき、制御部1020からの制御信号1210−1によって、補正値1220として出力テーブル値1240−1が選択される。そして、制御信号1210−2によって、画素値1204がルックアップテーブル1040−1のアドレスAに入力される。ここで、ルックアップテーブル1040−1のライトイネーブル(図外)はオフであって、ルックアップテーブル1040−1にデータの書き込みはされない。
【0082】
一方、制御信号1210−3によって、テーブル値(アドレス)1202Aがルックアップテーブル1040−2のアドレスAに入力される。ここで、ルックアップテーブル1040−2のライトイネーブル(図外)はオンであって、テーブル値(データ)1202Dが所定の記憶領域に書き込まれてテーブル値が更新される。
【0083】
なお、制御信号1210−1、1210−2、1210−3の信号レベルをそれぞれ反転させると、ルックアップテーブル1040−2を表示に用いて、ルックアップテーブル1040−1のテーブル値が書き換えることが可能である。
【0084】
しかし、従来の画像処理装置1010では、一方にパネル特性補正を行うテーブル値を、他方に明るさ補正を行うテーブル値を割り当てたときにも、どちらか片方の補正しかできない。現実には、輝度を高める(明るさ補正)と同時に、表示パネルの個体差を補正して見栄えをよくしたい(パネル特性補正)との要求がある。従来の画像処理装置1010で両方の補正を行う場合には中間値を一時記憶する必要がある。すると、補正にかかる時間が長くなり、メモリーが必要となって回路規模が増大してしまう。
【0085】
1.7.本実施形態の動作の例
本実施形態では、以下に説明するように、従来の方法も実現でき、中間値の一時記憶を必要とせずに複数の補正を連続して実行することができる。さらに、他のルックアップテーブルの出力によって、テーブル値の更新も可能であり、ジェネレーターを使用することでホストの負担も軽減できる。
【0086】
本実施形態における補正等の動作の例について、図5〜図10を参照して説明する。なお、図1〜図4と同じ要素には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0087】
1.7.1.画像補正部の構成例
図5は、本実施形態の画像補正部30の構成例を示す図である。制御信号210−1〜210−6は図1の制御信号210に対応する。制御信号210−1〜210−6は、画像補正部30のセレクターの選択信号として機能する。ここで、ホストからのテーブル値202(図1参照)は、テーブル値(アドレス)202Aと、テーブル値(データ)202Dに分けて表記されている。第1のルックアップテーブル40−1の出力テーブル値240−1と、第2のルックアップテーブル40−2の出力テーブル値240−2の一方が選択されて補正値220として出力される。
【0088】
そして、出力テーブル値240−1と出力テーブル値240−2は、第1のルックアップテーブル40−1および第2のルックアップテーブル40−2のアドレスA、データDに入力することが可能である。本実施形態では、出力テーブル値をルックアップテーブルに入力する経路を設けたことにより、効率的な画像処理を実行できる。また、中間値を一時保存する必要がないので、回路規模の増加を抑えることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、第1のルックアップテーブル40−1は静的補正のテーブル値を有し、第2のルックアップテーブル40−2は動的補正のテーブル値を有する。
【0090】
1.7.2.従来の方法の実現
図6は、従来の方法との互換性を説明する図である。本実施形態は、一方のルックアップテーブルで表示を行い、他方のテーブル値を書き換える従来の方法を実現できる。なお、構成は図5と同じであり説明を省略する。
【0091】
制御信号210−1、210−5によって、画素値204は第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力されて、出力テーブル値240−1が補正値220として出力される。
【0092】
一方、制御信号210−6によって、テーブル値(アドレス)202Aは、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−4によって、テーブル値(データ)202Dは、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。
【0093】
このとき、第1のルックアップテーブル40−1のライトイネーブルはオフであって、リードモードで使用されている。また、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている。よって、出力テーブル値240−1が補正値220となり、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値は更新される。
【0094】
1.7.3.静的補正と動的補正の連続実行
図7は、2つテーブルの変換を連続して行う動作を説明する図である。第1のルックアップテーブル40−1は静的補正のテーブル値を有し、第2のルックアップテーブル40−2は動的補正のテーブル値を有している。なお、構成は図5〜図6と同じであり説明を省略する。
【0095】
これらの補正を連続して実行し、その結果を補正値220として出力する。ここでは、第1のルックアップテーブル40−1と第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルは共にオフであって、リードモードで使用される。
【0096】
まず、制御信号210−6によって、画素値204は、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。制御信号210−2、210−5によって、動的補正が施された出力テーブル値240−2が第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−1によって、更に静的補正が施された出力テーブル値240−1が補正値220として出力される。
【0097】
このように、制御部20による設定だけで、静的補正と動的補正の両方を中間値の保存および読み出しを行うことなく実行できる。そのため、効率的な画像処理が可能になる。
【0098】
1.7.4.ジェネレーターによるテーブル値の生成
図8は、ジェネレーターを用いたテーブル値の更新を説明する図である。なお、図5〜図7と同じ要素には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0099】
本実施形態の画像処理装置10は、ジェネレーター50を含んでいてもよい。ジェネレーター50は、画像処理装置10の外部のホストに代わって、新たなテーブル値212A、212Dを生成することができる。よって、ホストの処理の負担を減らして、システム全体での処理時間を短縮することができる。
【0100】
ここで、図8では、ジェネレーター50が生成するテーブル値212(図1参照)は、テーブル値(アドレス)212Aと、テーブル値(データ)212Dに分けて表記されている。ジェネレーター50は、制御部20からの制御信号230に従って、テーブル値212A、212Dを生成する。
【0101】
図8では、制御信号230によって、ジェネレーター50がテーブル値212A、212Dを生成する。制御信号210−6によって、テーブル値(アドレス)212Aは、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−4によって、テーブル値(データ)212Dは、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。
【0102】
このとき、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている。よって、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値は更新される。テーブル値の更新は、垂直ブランキング期間に行われてもよい。
【0103】
1.7.5.テーブル値の書き戻し動作
図9〜図10は、テーブル値の書き戻し動作を説明する図である。書き戻し動作とは、第2のルックアップテーブル40−2のテーブル値を、第1のルックアップテーブル40−1の出力テーブル値240−1を書き込むことで更新する手法を指す。
【0104】
ここで、書き戻し動作によって、第1および第2のルックアップテーブルのテーブル値を乗じて得られる値が、第2のルックアップテーブル40−2に書き込まれる。従って、書き戻し動作後には、第2のルックアップテーブル40−2だけを用いて、2つの補正を連続して実行した場合(図7参照)と同じ効果を得ることができる。
【0105】
図9のように、制御信号230によって、ジェネレーター50はテーブル値(アドレス)212Aを生成する。ここで、例えば画素値204が10ビットの場合、テーブル値は0〜1023までの値のそれぞれに対応する値の集合で与えられる。そのため、ジェネレーター50は、画素値204がとり得る全ての値(0〜1023)をテーブル値(アドレス)212Aとして生成する。このとき、例えば時間とともに値がインクリメントされてもよい。
【0106】
このようなテーブル値(アドレス)212Aは、制御信号210−6によって、第2のルックアップテーブル40−2のアドレスAに入力される。そして、制御信号210−2、210−5によって、第2のルックアップテーブル40−2による補正が施された出力テーブル値240−2が第1のルックアップテーブル40−1のアドレスAに入力される。なお、ここでは第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオフであって、リードモードで使用されている。
【0107】
図10は、図9の後の動作を示している。図10のように、制御信号210−2、210−4によって、更に第1のルックアップテーブル40−1による補正が施された出力テーブル値240−1が、第2のルックアップテーブル40−2の入力データDに入力される。このとき、第2のルックアップテーブル40−2のライトイネーブルはオンであって、ライトモードで使用されている必要がある。
【0108】
そして、2つの補正が施された値が、テーブル値(アドレス)212Aが指定する記憶領域に書き込まれる。例えば、画素値204が10ビットの場合、0〜1023のそれぞれについて書き戻し動作を行うことで、テーブル値の更新が完了する。
【0109】
ここで、テーブル値の書き戻し動作は2つのルックアップテーブルの同時使用を必要とし、一方を表示用に割り当てることができない。よって、垂直ブランキング期間に行われる必要がある。ジェネレーター50が使用される場合には、ホストが介在することなく書き戻し動作を行うことができる。
【0110】
なお、この構成例では、ホストが生成するテーブル値202A、202Dと、ジェネレーター50が生成するテーブル値212A、212Dとが共に使用可能である。これらは、制御部20からの制御信号210−1〜210−6によって選択される。
【0111】
よって、ジェネレーター50が生成するテーブル値212A、212Dを用いて書き戻し動作を説明したが、代わりに、ホストが生成するテーブル値202A、202Dが用いられてもよい。
【0112】
このように、本実施形態の画像処理装置は、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を有する。例えば、従来の方法では実現できない、静的補正と動的補正の連続実行やテーブル値の書き戻し動作を行うことが可能である。そのため、ルックアップテーブルの利用率を高めることができるため、無駄に大きな面積を占めるようなことがない。
【0113】
2.適用例
本発明の電子機器への適用例について図11〜図12を参照にして説明する。なお、第1実施形態と同じ要素には同一符号を付しており、その説明を省略する。
【0114】
図11は適用例に係る電子機器1のブロック図である。電子機器1は、CPU2、入力部3、記憶部4、表示部5を含む。電子機器1は、さらに音声を出力する音声出力部(図外)を含んでもよい。
【0115】
CPU2は、他の機能ブロックを制御し、様々な演算や処理を行う。CPU2は、記憶部4からプログラムを読み込み、プログラムに従って画像処理を実行してもよい。
【0116】
入力部3は、電子機器1の内部又は外部からデータなどを受け取る。入力部3は、例えば入力画像のデータを受け取り、CPU2が画像処理を実行できるように適したフォーマットの画素値へと変換してもよい。
【0117】
記憶部4は、例えばDRAMやSRAMなどのメモリーであってもよいし、ROMを含んでいてもよい。CPU2が使用するプログラムは、例えば記憶部4が含むROMに書かれていてもよい。また、CPU2によって、記憶部4の一部が画像処理用のルックアップテーブルとして用いられてもよい。
【0118】
表示部5は、電子機器1が表示する画像を出力するためのものである。例えばLCDや電気泳動表示装置であってもよい。表示部5は、例えばCPU2によって画像処理を施された画素値に基づく画像を表示してもよい。
【0119】
この適用例では、CPU2と記憶部4とを第1実施形態の画像処理装置10として機能させることにより、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を実現できる。例えば、入力画像に依存する動的な変換と、表示部5の表示特性を補正する変換であって入力画像に依存しない静的な変換と、を直ちに連続して、又は同時に行うことが可能である。
【0120】
例えば、CPU2はリセット後にプログラムを記憶部4から読み込み、制御部の機能をソフトウェアで実現する。そして、このプログラムによって、記憶部4で実現されるルックアップテーブルの入出力を制御する。また、テーブル値を更新する場合には、ジェネレーターの機能もソフトウェアで実現可能である。
【0121】
このように、本適用例にかかる電子機器1は、単純な1対1対応の補正出力以外のテーブル機能を持つ画像処理装置を、CPU2と記憶部4とで実現する。そのため、電子機器1では効率的な画像処理が可能になる。
【0122】
なお、ソフトウェアで実現するのではなく、画像処理装置10は専用ハードウェアとして電子機器1に組み込まれていてもよい。このとき、CPU2に処理の負担をかけずに画像処理を行うことができる。
【0123】
図12(A)に、電子機器1の1つである携帯電話950の外観図の例を示す。この携帯電話950は、ダイヤルボタン952やスピーカー956と共に、表示部5として機能するLCD954を備える。
【0124】
図12(B)に、電子機器1の1つである携帯型ゲーム装置960の外観図の例を示す。この携帯型ゲーム装置960は、操作ボタン962、十字キー964やスピーカー968と共に、表示部5として機能するLCD966を備える。
【0125】
図12(C)に、電子機器1の1つであるパーソナルコンピューター970の外観図の例を示す。このパーソナルコンピューター970は、キーボード972やスピーカー976と共に、表示部5として文字、数字、グラフィックなどを表示するLCD974を備える。
【0126】
本実施形態の画像処理装置は、これらの例のように、表示部を有する様々な電子機器に適用可能であり、いずれの場合にもルックアップテーブルの入出力を制御して、効率的な画像処理を実現することが可能である。
【0127】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0128】
1…電子機器、2…CPU、3…入力部、4…記憶部、5…表示部、10…画像処理装置、20…制御部、30…画像補正部、40−1〜40−N…ルックアップテーブル(LUT)、50…ジェネレーター、200…ステータス信号、202…テーブル値、202A、202AR、202AG、202AB…テーブル値(アドレス)、202D、202DR、202DG、202DB…テーブル値(データ)、204、204R、204G、204B、…画素値、210、210−1〜210−6、210−1R、210−1G、210−1B…制御信号、212…テーブル値、212A…テーブル値(アドレス)、212D…テーブル値(データ)、220…補正値、220A…補正曲線、220B…補正曲線、220C…補正曲線、230…制御信号、240−1、240−2、240−1R、240−1G、240−1B…出力テーブル値、950…携帯電話、952…ダイヤルボタン、954…LCD、956…スピーカー、960…携帯型ゲーム装置、962…操作ボタン、964…十字キー、966…LCD、968…スピーカー、970…パーソナルコンピューター、972…キーボード、974…LCD、976…音出力部、1010…画像処理装置、1020…制御部、1030…画像補正部、1040−1、1040−2…ルックアップテーブル(LUT)、1202A…テーブル値(アドレス)、1202D…テーブル値(データ)、1204…画素値、1210−1〜1210−3…制御信号、1220…補正値、1240−1、1240−2…出力テーブル値
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置であって、
前記入力画像の注目画素の画素値を補正して補正値を生成する画像補正部と、
前記画像補正部を制御する制御部と、を含み、
前記画像補正部は、
前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブルを含み、
前記制御部は、
前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブルの1つに入力させ、
前記補正値を前記複数のルックアップテーブルの1つから出力させ、
前記複数のルックアップテーブルの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
前記補正値を出力するルックアップテーブルのテーブル値を固定値とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
前記補正値を出力するルックアップテーブル以外のルックアップテーブルのテーブル値を、前記入力画像に基づいて変化する動的な値とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
テーブル値が固定値である第1のルックアップテーブルと、
テーブル値が前記入力画像に基づいて変化する動的な値である第2のルックアップテーブルと、を含み、
前記制御部は、
前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、
前記補正値を前記第1のルックアップテーブルから出力させ、
前記前記第2のルックアップテーブルからの出力を、前記第1のルックアップテーブルに入力させる画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
2つのルックアップテーブルを含む画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
第1のルックアップテーブルと、第2のルックアップテーブルと、を含み、
前記制御部は、
垂直ブランキング期間に、前記画素値がとり得る全ての値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記第2のルックアップテーブルからの出力を前記第1のルックアップテーブルに入力させ、前記第1のルックアップテーブルからの出力を用いて前記第2のルックアップテーブルのテーブル値を更新させる画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置において、
前記制御部からの制御信号に基づいて、前記画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含む画像処理装置。
【請求項8】
請求項6乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記制御部は、
前記垂直ブランキング期間の終了後に、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第2のルックアップテーブルから出力させる画像処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置を含む電子機器。
【請求項1】
入力画像の補正を画素毎に行う画像処理装置であって、
前記入力画像の注目画素の画素値を補正して補正値を生成する画像補正部と、
前記画像補正部を制御する制御部と、を含み、
前記画像補正部は、
前記補正値の生成に用いる複数のルックアップテーブルを含み、
前記制御部は、
前記注目画素の画素値を前記複数のルックアップテーブルの1つに入力させ、
前記補正値を前記複数のルックアップテーブルの1つから出力させ、
前記複数のルックアップテーブルの任意の1つからの出力を、他の1つの入力とする経路の電気的接続を制御する画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
前記補正値を出力するルックアップテーブルのテーブル値を固定値とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
前記補正値を出力するルックアップテーブル以外のルックアップテーブルのテーブル値を、前記入力画像に基づいて変化する動的な値とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
テーブル値が固定値である第1のルックアップテーブルと、
テーブル値が前記入力画像に基づいて変化する動的な値である第2のルックアップテーブルと、を含み、
前記制御部は、
前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、
前記補正値を前記第1のルックアップテーブルから出力させ、
前記前記第2のルックアップテーブルからの出力を、前記第1のルックアップテーブルに入力させる画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
2つのルックアップテーブルを含む画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記画像補正部は、
第1のルックアップテーブルと、第2のルックアップテーブルと、を含み、
前記制御部は、
垂直ブランキング期間に、前記画素値がとり得る全ての値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記第2のルックアップテーブルからの出力を前記第1のルックアップテーブルに入力させ、前記第1のルックアップテーブルからの出力を用いて前記第2のルックアップテーブルのテーブル値を更新させる画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置において、
前記制御部からの制御信号に基づいて、前記画素値がとり得る全ての値を生成するジェネレーターを含む画像処理装置。
【請求項8】
請求項6乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記制御部は、
前記垂直ブランキング期間の終了後に、前記注目画素の画素値を前記第2のルックアップテーブルに入力させ、前記補正値を前記第2のルックアップテーブルから出力させる画像処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置を含む電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図11】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図11】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−175137(P2012−175137A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31946(P2011−31946)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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