説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】画像の拡大、縮小を行う際に、画素の挿入または削除による画像欠陥を最小限に抑えることができる画像処理装置、画像処理方法を提供する。
【解決手段】第1方向およびこれに直交する第2方向に画素が配列されたドットマトリクス形式の画像を、画素の挿入もしくは削除によって前記第1方向に変倍する際に、挿入もしくは削除する画素である操作画素を、画像の第2方向の一端から他端に向けて、第2方向に隣接する操作画素間の第1方向の画素位置の差が2画素以上かつ所定画素数未満となり、かつ、差の方向が第2方向に連続する2画素以内に反転するようにジグザクに配列して、画像を変倍する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の微小変倍を行う画像処理装置、画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置が印刷において微小の拡大または縮小を行う際には、元の画質を保つ目的(画像の尖鋭性の維持など)から、処理する画素数を限定した変倍方法、たとえば、一定間隔で画素の挿入、または削除を行う方法が使用される。
【0003】
ここで、たとえば、直交する2方向(一方を主走査方向(または水平方向、ライン方向)、他方を副走査方向(または垂直方向)とする)に画素を格子状に配列したドットマトリクス方式の画像を副走査方向に拡大・縮小する際に、単純な最近傍法では、図14に示すように、補間周期毎に同一ライン(主走査方向)に一斉に画素の挿入(もしくは削除)が行われる。図14は、同図(A)の元画像を、副走査方向に8/7倍する例であり、7ライン毎に1ライン分の画素が挿入されている。
【0004】
このような方法で変倍すると、画素挿入位置または、画素削除位置がライン上に並ぶため、ある種の規則性が生じてテクスチャが発生する。特に細い線が一定間隔で並んでいるような画像や、スクリーン処理済み画像においてはラインのブレや、濃度ムラなどがテクスチャとして顕著に現れる。たとえば、図15(A)に示すような横縞模様の元画像を、図14のような方法で変倍すると、図15(B)に示すように、周期的に横線の線幅が太くなるというテクスチャが顕著に現われる。そこで、このようなテクスチャを目立たないようにするための各種の技術が提案されている。
【0005】
たとえば、画素の挿入位置を、疑似乱数値によって決定する技術が開示されている(特許文献1)。たとえば、図16は擬似乱数によって決定された画素位置の例であり、前述の最近傍法では補間周期毎に主走査方向の1ライン分の挿入画素を配置していたが、図16では、その1ライン分に対応する各挿入画素の副走査方向の位置を補間周期の範囲内で擬似乱数によって無作為に分散させている。擬似乱数によって画素挿入位置を無作為に分散させれば、画素挿入位置に規則性が無いため、上記の最近傍法に比べてテクスチャの発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−099114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の特許文献1に開示の方法では、擬似乱数によって無作為に決定した主走査方向に隣り合う2つの画素挿入位置が副走査方向に大きく離れる場合が生じ得る。図17に示す例((A)元の画像、(B)疑似乱数値による画素挿入後の画像)では、破線32で囲む部分において挿入画素31aと挿入画素31bとが副走査方向に大きく離れている。このような箇所では、画像の不連続点が副走査方向に広く連続するので、局所的な縦スジ状の濃度低下(白スジ)のようなテクスチャが発生してしまう。
【0008】
また、上記問題を解決する為に、主走査方向に隣り合う2つの画素挿入位置が副走査方向に離れすぎないようにその距離を一定の範囲内に限定する方法が考えられる。しかし、隣り合う画素挿入位置の副走査方向の距離を一定の範囲内に制限するだけでは、別の種類の画質劣化が発生してしまう。図18は、主走査方向に隣り合う画素の副走査方向の距離を2画素に固定しつつ、主走査方向に4画素進むごとに、副走査方向における正負方向が反転するように挿入画素を配列した例である。
【0009】
図19(A)は水平線の縞模様の元画像であり、図19は(B)は、水平方向(主走査方向)に隣り合う画素の副走査方向の距離を2画素に固定しつつ副走査方向において正負方向が反転することなく挿入画素を配列して、図19(A)の元画像を拡大した画像である。図19の例では、水平線のガタつきとして視認されやすい不連続点が生じる。図20も同様の例である。図20(A)は水平線の縞模様の元画像、同図(B)は画素挿入位置を示しており、画素の挿入位置を、画像の左上方から、水平方向に4画素ごとの周期で、1画素分ずつ下降させている。同図(C)は、同図(A)の元画像に対して同図(B)の画素挿入位置にダミー画素を挿入した状態であり、同図(C)は各ダミー画素の画素値をその周辺画素から決定した最終的な変倍画像である。図20の例では同図(D)のように水平線に段差ができるテクスチャが発生している。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、画素の挿入、削除による画像の変倍処理を、テクスチャや線分の不連続点の発生を少なく抑えて行うことのできる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0012】
[1]第1方向およびこれに直交する第2方向に画素が配列されたドットマトリクス形式の画像を、画素の挿入もしくは削除によって前記第1方向に変倍する画像処理装置であって、
挿入もしくは削除する画素である操作画素を、前記画像の第2方向の一端から他端に向けて、第2方向に隣接する操作画素間の第1方向の画素位置の差が2画素以上かつ所定画素数未満となり、かつ、前記差の方向が第2方向に連続する2画素以内に反転するようにジグザクに配列して、前記画像を変倍する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0013】
上記[1]および[7]に係る発明では、画像を第1方向(たとえば副走査方向)に拡大、縮小する目的で挿入もしくは削除する画素である操作画素を、第1方向に直行する第2方向(たとえば、主走査方向)の一端から他端に向けて、
(1)第2方向に隣接する画素間の第1方向の画素位置の差分(距離)が2画素分以上所定画素未満、
(2)その距離の方向が第2方向に最大2画素進むまでに反転する、
という2条件を満たすようにジグザグに配列する。これにより、画素の挿入、削除によって画像の拡大縮小処理を行う際に、スジ状のテクスチャや、第2方向の線分に不連続点が生じるなどの画質劣化を少なく抑えることができる。すなわち、上記(1)の条件により、画素挿入間隔(あるいは画素削除間隔)が過大になることによるスジ状のテクスチャの発生を抑えることができる。また、上記(2)により、第2方向の線分に不連続点が発生することを抑制することができる。
【0014】
[2]前記ジグザグさせる第1方向の範囲を、変倍率に対応した第1方向における画素の挿入または削除の周期以内とする
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0015】
上記[2]および[8]に係る発明では、ジグザグの範囲を補間周期内に制限するので、前後の補間周期に係る操作画素と相互に影響を受けずに操作画素の画素位置をジグザグさせることができ、ジグザグに係る処理を単純化することができる。
【0016】
[3]前記ジグザグの中心線が前記画像の第2方向の一端から他端に向けて傾斜するあるいは前記ジグザグより長い周期で波打つように、各操作画素を配列する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像処理装置。
【0017】
上記[3]および[9]に係る発明では、操作画素をジグザグに配置する際に、その配置を巨視的に見たときのジグザグの中心線が、画像の第2方向の一端から他端まで傾斜する、あるいは微視的なジグザグよりも長い周期かつ大きな振幅で波打つように配置する。これにより、前述した(1)、(2)の2条件を満たしながら、補間周期内を広く使って操作画素を配置することができ、画質の劣化をより目立ち難くすることができる。
【0018】
[4]前記傾斜もしくは前記波の傾斜角度は、前記画像の有するスクリーン角度と一致しないように設定される
ことを特徴とする[3]に記載の画像処理装置。
【0019】
上記[4]および[10]に係る発明では、変倍対象の画像が、中間調を表現するためのスクリーン処理が施された画像の場合、そのスクリーンの角度と、ジグザグの中心線の傾斜(巨視的なジグザグの傾斜)とが一致しないように制御する。これによりスクリーンとの干渉による画質劣化を抑えることができる。
【0020】
[5]前記所定画素数は、画像の解像度に応じた値である
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0021】
上記[5]および[11]に係る発明では、第1方向に隣接する操作画素間の第2方向の差分の上限値である所定画素数は、画像の解像度に応じた値に設定される。つまり、画像の解像度が高いほど、所定画素数は多くなる。すなわち、所定画素数に対応する実画像上の距離が解像度に依存せずに一定になるようにされる。
【0022】
[6]前記所定画素数は、前記画像の解像度が1200dpiの場合に80画素となる比率による画素数を上限に設定される
ことを特徴とする[5]に記載の画像処理装置。
【0023】
上記[6]および[12]に係る発明では、画像の解像度が1200dpiの場合に80画素となる比率による画素数を所定画素数の上限に設定される。したがって、たとえば画像の解像度が600dpiの場合は、40画素を所定画素数の上限として設定される。
【0024】
[7]第1方向およびこれに直交する第2方向に画素が配列されたドットマトリクス形式の画像を、画素の挿入もしくは削除によって前記第1方向に変倍する画像処理方法であって、
挿入もしくは削除する画素である操作画素を、前記画像の第2方向の一端から他端に向けて、第2方向に隣接する操作画素間の第1方向の画素位置の差が2画素以上かつ所定画素数未満となり、かつ、前記差の方向が第2方向に連続する2画素以内に反転するようにジグザクに配列して、前記画像を変倍する
ことを特徴とする画像処理方法。
【0025】
[8]前記ジグザグさせる第1方向の範囲を、変倍率に対応した第1方向における画素の挿入または削除の周期以内とする
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【0026】
[9]前記ジグザグの中心線が前記画像の第2方向の一端から他端に向けて傾斜するあるいは前記ジグザグより長い周期で波打つように、各操作画素を配列する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。
【0027】
[10]前記傾斜もしくは前記波の傾斜角度は、前記画像の有するスクリーン角度と一致しないように設定される
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【0028】
[11]前記所定画素数は、画像の解像度に応じた値である
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【0029】
[12]前記所定画素数は、前記画像の解像度が1200dpiの場合に80画素となる比率による画素数を上限に設定される
ことを特徴とする[11]に記載の画像処理方法。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、画素の挿入、削除による画像の変倍処理において、テクスチャや線分の不連続点の発生による画質劣化を少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)で画素を挿入した場合の画素挿入位置の一例を示す説明図である。
【図4】図3の画素挿入位置において、隣接する3つの挿入画素の位置関係を示す説明図である。
【図5】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)で、ジグザグの反転周期を2画素とした場合の挿入画素の配置例を示す説明図である。
【図6】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)による挿入画素の配列を巨視的(一部を微視的に)に示した説明図である。
【図7】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)による挿入画素の配列を、補間間隔3周期分について、巨視的に示した説明図である。
【図8】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)による画素挿入の具体例を示す説明図である。
【図9】本発明の画像処理方法(画素挿入方法)が処理する入力画像およびこれに補間間隔の各ライン位置にダミー画素を挿入した画像を示す説明図である。
【図10】図9のダミー画素をシフトさせた状態、およびシフト後の各ダミー画素の画素値を決定した処理完了画像を示す説明図である。
【図11】画素挿入処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図12】画素の水平位置(HCNT)と垂直方向の位置(VCNT)とダミー画素位置(VPOS)との関係の一例を示す説明図である。
【図13】画素挿入位置選択テーブルの一例を示す説明図である。
【図14】従来の最近傍法による画素挿入位置を示す説明図である。
【図15】従来の最近傍法によって微小拡大した場合の元画像と拡大処理後の画像の一例を示す説明図である。
【図16】疑似乱数による画素挿入位置の一例を示す説明図である。
【図17】水平線を並べた元画像と、これを疑似乱数による画素挿入位置で拡大処理した場合に生じる画像欠陥を示す説明図である。
【図18】隣接する画素挿入位置をある範囲内に制限した場合の画素挿入位置の一例を示す説明図である。
【図19】水平線を並べた元画像と、これを隣接する挿入画素間の距離を2画素に制限した画素挿入位置で拡大処理した場合に生じる画像欠陥の一例を示す説明図である。
【図20】従来の方法で画像を微小拡大した場合の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理方法(画素挿入処理)を行う画像処理装置としての画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャンジョブ、PC(Personal Computer)から送出されたデータに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリントジョブなどのジョブを実行する機能を備えた、所謂、複合機である。
【0034】
また、画像形成装置10は画素を挿入、または間引き(削除)することで、画像を主走査方向および副走査方向に拡大、縮小する機能を備えている。なお本実施の形態では、副走査方向(垂直方向)に拡大縮小を行うものとして説明する。
【0035】
画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、このCPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、ハードディスク装置15と、表示部16と、操作部17と、ネットワークI/F部19と、スキャナ部20と、画像処理部21と、プリンタ部22と、ファクシミリ通信部23とを備えて構成されている。
【0036】
CPU11はOS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM12には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像形成装置10の各機能が実現される。RAM13はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0037】
不揮発メモリ14は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ14には、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置15は、大容量の不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、印刷データや画像データ、ジョブに係る情報履歴、などが保存される。
【0038】
表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作、設定に係る内容を表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからのジョブの投入や設定の変更など、各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほか、画面外にテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0039】
ネットワークI/F部19は、LANなどのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。
【0040】
スキャナ部20は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部20は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0041】
画像処理部21は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理を行う。
【0042】
プリンタ部22は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は、インクジェット方式や、他の方式でもかまわない。
【0043】
ファクシミリ通信部23は、ファクシミリ送信および受信に係る動作を制御する。
【0044】
図2は、画像処理部21内の画像の拡大縮小処理に係る部分の概略構成図を示す。画像処理部21の画像の拡大縮小処理に係る部分は、出力系画像処理部24と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)25と、ダミーライン挿入部26と、画素挿入処理部40と、出力デバイス27で構成される。
【0045】
出力系画像処理部24は、拡大縮小処理を行うことになった画像にスクリーン処理を行い、拡大縮小処理前の画像を生成する。
【0046】
ダミーライン挿入部26は、画像の拡大率に従い、主走査方向1ライン分のダミー画素からなるダミーラインを副走査方向に一定周期(拡大率に応じた周期)で挿入する。ダミー画素は、画素値が不定な挿入画素であり、後に、その画素の画素値が前後の画素の画素値などに基づいて決定される。なお、画像を縮小する場合は、画素の挿入は行わず、画像の縮小率に従い、画像上における主走査方向に1ライン分の削除予定画素を指定する。DRAM25は、ダミーラインの挿入処理により、画像の入出力において、副走査方向の画素数(ライン数)が異なるので、その差を吸収するための一時バッファに用いられる。
【0047】
画素挿入処理部40は、挿入したダミーラインの各画素(ダミー画素)の副走査方向の位置、および、削除予定画素の副走査方向の指定位置を、画像内において所定の条件下で変更する。その後、ダミー画素の場合は、位置変更後のダミー画素の周囲の画素に応じた画素値を設定する。削除予定画素の場合は、変更後の指定位置の画素を削除する。これらの処理についての詳細は後述する。出力デバイス27は、画素挿入処理部40で処理済みの画像データをプリンタ部22へ出力する。プリンタ部22はこの画像データに基づいて画像を形成する。
【0048】
次に、微小変倍率による画像の拡大縮小について説明する。ここでは、水平方向(副走査方向)に微小拡大する場合を例に説明する。
【0049】
本発明では図3のように、
(1)隣接するダミー画素31の挿入位置の垂直方向(副走査方向)の距離が近すぎず、かつ、遠すぎないような所定の範囲内に制限する(本実施の形態ではA画素以上、B画素未満の距離とする)、
(2)水平方向(主走査方向)に最大でもn画素ごとの周期(図3では1画素ごと、)で隣接するダミー画素間の副走査方向の距離の方向(正負方向)を反転させる、
の2条件を満たすようなジグザグ状にダミー画素31の挿入位置を配置する方法を採用する。
【0050】
図3は本発明における挿入する画素の配置方法(挿入画素位置決定方法)の一例を示しており、水平方向(主走査方向)に1画素進む(図中左から右へ1画素進む)ごとに、注目画素の右隣の画素の垂直方向(副走査方向)の位置が注目画素より正方向(図中、上側)にあるか負方向(図中、下側)にあるかが入れ替わるようなジグザグ状に、挿入画素(ダミー画素31)を配置している。このように1画素毎に正負方向が入れ替わるジグザグ状の配置は、本発明の好適例である。
【0051】
図4は、図3のダミー画素31の配置において水平方向の画素位置が隣接する3画素に注目した場合の図を示す。水平方向(主走査方向)に隣接する2つの画素挿入位置の垂直方向(副走査方向)の距離は必ずA画素以上B画素未満となっている。本例は、1画素毎にジグザグの正負方向を反転させる例であり、注目する挿入画素31aの水平方向両隣の挿入画素の垂直方向の位置は注目する挿入画素31aに対して同一方向になっている。
【0052】
A画素とB画素の具体的数値としては、たとえば解像度1200
dpiにおいてはA: 2画素、B: 80画素(この程度であれば、主走査方向に隣接する画素挿入位置の副走査方向の最大距離は80 x 212 μm = 0.848
mmとなり、テクスチャはそれほど目立たない)が適している。また解像度600 dpiの場合は、A: 2画素、B:40画素が適している。Aは、画素挿入位置が副走査方向に連結しないことが必須となるため、最低でも2画素は必要である。
【0053】
また、ジグザクの向きを反転させるまでの画素数nの値が大きいほど、ジグザグにおいて挿入画素を同じ方向(正負方向)に連続して進むように配置することになるが、連続回数が増えると、図19(B)や図20(C)、(D)のように水平線等にて画素挿入による段差(不連続点)が目立ってしまうので、同じ方向(正負方向)に連続して画素を配置するのは2回連続(水平方向に連続2画素)までを限度とするのが適している(図5参照)。
【0054】
図5は、ジグザグの垂直方向の反転周期を水平方向に連続する2画素とした場合の挿入画素の配置例を示している。この場合でも、水平方向(主走査方向)に隣接する2つの画素挿入の垂直方向(副走査方向)の距離は必ずA画素以上B画素未満となっている。
【0055】
図6は本発明の挿入画素の配置を巨視的に示した図の一例を示す。この図では短い周期の小さい振幅によるジグザク(本発明の挿入画素の配置)を含みながら、巨視的に見たときは、長い周期の大きな振幅で上下にジグザクするように挿入画素が配置されている。なお、この巨視的なジグザグの角度はスクリーン角度と一致しないようにされる。スクリーンと干渉を起こしやすくなるからである。
【0056】
この巨視的なジグザグは、画像の拡大率や縮小率によって決定する補間周期34内に収まるようになっている。図7は、図6のようにジグザグを巨視的に示した図であり、それぞれ補間周期34内に収まっているジグザグを連続する3つの補間周期について示してある。補間周期34内での画素の配置は、3つの補間周期34内でそれぞれ同じ配置になっており、補間周期34ごとに、同じ形のジグザグが繰り返されるようになっている。
【0057】
なお、この巨視的なジグザグにおける正負方向(垂直方向における)が反転するまでの周期を巨視的周期35という。この巨視的周期35は長ければ長いほど望ましい。たとえば、画像の水平方向における一端から他端までを巨視的周期としてもよく、この場合、巨視的には、画像の水平方向の一端から他端までの傾斜(斜め線)になる。
【0058】
以下、本発明の画素処理方法における画素挿入処理による画像変倍の具体例を従来の画素挿入処理と比較して説明する。
【0059】
図8は、本発明の画素処理方法における画素挿入の具体例を示している。同図(A)は水平線が並ぶ入力画像を、同図(B)はダミー画素の配置を、同図(C)は入力画像に同図(B)の配置に従ってダミー画素を挿入した状態を、同図(D)はダミー画素の画素値を周囲の画素に対応した画素値に設定した状態(画素挿入完了状態)をそれぞれ示している。
【0060】
図8では、同図(B)のように、ダミー画素の挿入位置を水平方向に1画素ごとの周期で正負方向(垂直方向における)を反転するジグザグ状の配置であって、水平方向の画素位置が隣接する画素挿入位置間の垂直方向の距離が、3画素以上10画素以内になるように配置している。
【0061】
図8(D)に示すように、画素挿入完了状態では、一見、線の輪郭に凸凹が発生して、画像劣化が発生しているように見えるが、このデータに基づいて電子写真によって現像を行うと、凸凹が平滑化されてなだらかになり、画像の不連続点は目立たなくなる。
【0062】
一方、図20は、従来の処理で画素を挿入する場合であり、図20(A)は図8(A)と同じ入力画像、図20(B)はダミー画素の配置を、図20(C)は入力画像に図20(B)の配置に従ってダミー画素を挿入した状態を、図20(D)はダミー画素の画素値を周囲の画素に対応した画素値に設定した状態(画素挿入完了状態)をそれぞれ示している。
【0063】
従来の処理では、ダミー画素の挿入位置を、画像の左上方から、水平方向に4画素ごとの周期で、垂直方向に1画素分ずつ下降させるように配置している。この方法で図20(D)に示すように、垂直方向における画素挿入位置が1画素分下降する地点において水平線に不連続点が発生している。すなわち、水平線が1画素分太くなる部分があり、段差が発生している。
【0064】
次に、本発明の画素挿入方法で画素を挿入する際の処理の流れについて説明する。
【0065】
図9(A)は、画素挿入前の元の画像(入力画像)である。画素を挿入する際には、まず、水平方向に直線状にダミー画素を挿入する(図9(B)参照)。この際に、直線状に挿入するダミー画素は画像の拡大および縮小率に従い、垂直方向に一定周期(補間周期34)で挿入する。このダミー画素の挿入位置は、仮配置位置としておき、次の処理では、ダミー画素の位置を、垂直方向にシフトさせる(図10(C)シフト後の画像を参照)。この際のシフト幅(図12におけるシフト幅51)をダミー画素ごとに調整し、本発明における挿入画素の配置になるようにシフトさせる。この位置をダミー画素の正式な配置位置とする。その後、図10(D)に示すように、各ダミー画素の画素値を、その周囲の画素に対応した画素値に基づいて決定して、画素挿入処理を終了する。
【0066】
画像が拡大される場合において、画像の拡大率に従い、垂直方向に一定周期(補間周期34)ごとにダミー画素を1ライン分挿入する処理(図9(B)参照)は、図2のダミーライン挿入部26が行う。各ダミー画素の位置をシフトさせる処理は、画素挿入処理部40が行う。ここで、画素挿入処理部40の構成例とその動作を詳細に説明する。
【0067】
図11は、画素挿入処理部40の概略構成図である。画素挿入処理部40は、画素挿入位置選択テーブル41と、水平カウンタ部42と、垂直カウンタ部43と、画素シフト部44と、挿入画素生成部45と、画像合成部46とで構成される。ここで、図2のダミーライン挿入部26により、ダミー画素が挿入された画像を入力画像とする(具体例は図9(B)参照)。入力画像は、1ライン目からの左端の画素からそのラインの右端に向けて1画素ずつ順次入力され、右端に至ると、次のラインに移動し、そのライン左端から右端に向けて1画素ずつ順次入力されることが繰り返されて入力される。
【0068】
垂直カウンタ部43は、入力画像の垂直方向の画素の位置をカウントし、垂直位置情報(VCNT)として出力する。垂直カウンタ部43は、入力画像においてダミー画素が挿入されている水平方向のライン(シフト前)の垂直方向の位置を0として(補間周期34ごとに0に戻る)、垂直位置情報(VCNT)をカウントする(図12参照)。
【0069】
水平カウンタ部42は、入力画像の水平方向の画素の位置をカウントし、水平位置情報(HCNT)を出力する。水平カウンタ部42は1画素入力される毎にカウント値(HCNT)を+1するカウンタであり、VCNTが+1される毎にカウント値がリセットされる。
【0070】
画素挿入位置選択テーブル41(図13参照)は、水平位置(HCNT)毎にその水平位置に対する垂直方向の画素挿入位置情報(VPOS)を保持するルックアップテーブルである。画素挿入位置選択テーブル41は本発明の画素挿入位置パターンが実現されるように予め設定されている。水平カウンタ部42から出力された水平位置情報(HCNT)を画素挿入位置選択テーブル41に入力すると、対応する画素挿入位置情報(VPOS)が出力される。
【0071】
画素シフト部44は、VPOSと、VCNTの値に基づき画像上の画素の配置を調整する。具体的には、以下の3通りである。
1、VPOS<VCNTの場合は、その画素の位置を変えずにそのままの位置で出力する。
2、VPOS=VCNTの場合は、その位置にダミー画素を出力する。(これにより、ダミー画素の位置がシフトし、画素挿入位置が決定する。)
3、VPOS>VCNTの場合は、垂直方向において1画素分マイナス方向に画素の位置をシフトさせる。
これにより、ダミー画素が、図9(B)の仮挿入位置から図10(C)に示す位置へシフトし、正式な画素挿入位置になる。(図12参照)
【0072】
挿入画素生成部45は、VPOS=VCNTの場合に、ダミー画素の画素値を決定する。画素値は垂直方向の隣接画素の画素値の平均値や、隣接画素の画素値のコピーなどにされる。
【0073】
画像合成部46は、画像合成を行う。具体的には、画素シフト部44から送られてくる画素のうち、ダミー画素以外(VPOS<VCNTの場合、およびVPOS>VCNTの場合)は、画素シフト部44からの画素を出力し、ダミー画素の場合(VPOS=VCNTの場合)は、挿入画素生成部45で生成した画素値の画素を出力する。これにより、画像合成部46から微小拡大された画像が出力される。
【0074】
このように、本発明では、画素を挿入することで画像を垂直方向に微小拡大する際に、水平方向に隣接する挿入画素間の距離(画素位置の差分)をテクスチャが発生しにくい範囲(A画素以上B画素未満)に制限しつつ、その差の方向が水平方向に最大2画素の周期で反転するジグザグ状になるように画素の挿入位置を決定する。これにより、スジ状のテクスチャや水平線に不連続点が生じるなどの画質劣化を少なく抑えて画像を微小変倍することができる。
【0075】
次に、画像を縮小する場合について説明する。ここでは副走査方向に縮小する場合を扱う。画素の削除により画像を縮小する場合、削除予定の画素の位置を、拡大時の挿入画素位置を決定した場合と同様のルールで決定する。すなわち、水平方向の画素位置が隣接する削除予定画素間の垂直方向の画素位置の差(距離)をテクスチャが発生しにくい範囲(A画素以上B画素未満)に制限しつつ、水平方向に最大2画素の周期で差(距離)の方向が正負方向に反転するジグザグ状になるように、削除予定画素の画素位置を指定する。これにより、画像を縮小する際の画質劣化を少なく抑えることができる。
【0076】
次に、画像を縮小する処理について詳細に説明する。画像を縮小する場合、ダミーライン挿入部26は、拡大時におけるダミー画素の挿入工程の代わりに、画像の縮小率に応じた垂直方向に一定の周期(補間周期34)で水平方向1ライン分の削除予定画素を指定し、これを画素挿入処理部40へ入力する入力画像とする。
【0077】
入力画像から、水平カウンタ部42は水平位置情報(HCNT)を、垂直カウンタ部43は垂直位置情報(VCNT)をそれぞれ出力する。VCNTは補間周期34ごとに0からカウントされる(削除予定画素にてVCNTを0にリセットする)。また、画素挿入位置選択テーブル41は水平カウンタ部42により求められたHCNTに基づき、対応するVPOS(画像縮小の場合は、画素削除位置情報)を出力する。画素挿入位置選択テーブル41で使用されるルックアップテーブルは画像を拡大する時と同じものを使用してよい。
【0078】
次に画素シフト部44が、VPOSと、VCNTの値に基づき画像上の画素の配置を調整する。具体的には、以下の3通りである。
1、VPOS<VCNTの場合は、垂直方向において1画素分プラス方向に画素の位置をシフトさせる。
2、VPOS=VCNTの場合は、その位置の画素を削除する。
3、VPOS>VCNTの場合は、その画素の位置を変えずにそのままの位置で出力する。
【0079】
なお、画像を縮小する場合においては、削除した画素の画素値に応じて、その削除した画素の周囲の画素の画素値を調整してもよい。
【0080】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0081】
実施の形態では、副走査方向への画像の拡大縮小について説明したが、主走査方向への拡大縮小処理の場合も、方向を入れ替えるだけで、基本的に同様の処理を行えばよい。
【符号の説明】
【0082】
10…画像形成装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…不揮発メモリ
15…ハードディスク装置
16…表示部
17…操作部
19…ネットワークI/F部
20…スキャナ部
21…画像処理部
22…プリンタ部
23…ファクシミリ通信部
24…出力系画像処理部
25…DRAM
26…ダミーライン挿入部
27…出力デバイス
31…ダミー画素(または挿入画素)
31a…画像の最上方に挿入した画素
31b…画像の最下方に挿入した画素
32…破線
34…補間周期
35…巨視的周期
40…画素挿入処理部
41…画素挿入位置選択テーブル
42…水平カウンタ部
43…垂直カウンタ部
44…画素シフト部
45…挿入画素生成部
46…画像合成部
51…シフト幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向およびこれに直交する第2方向に画素が配列されたドットマトリクス形式の画像を、画素の挿入もしくは削除によって前記第1方向に変倍する画像処理装置であって、
挿入もしくは削除する画素である操作画素を、前記画像の第2方向の一端から他端に向けて、第2方向に隣接する操作画素間の第1方向の画素位置の差が2画素以上かつ所定画素数未満となり、かつ、前記差の方向が第2方向に連続する2画素以内に反転するようにジグザクに配列して、前記画像を変倍する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ジグザグさせる第1方向の範囲を、変倍率に対応した第1方向における画素の挿入または削除の周期以内とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジグザグの中心線が前記画像の第2方向の一端から他端に向けて傾斜するあるいは前記ジグザグより長い周期で波打つように、各操作画素を配列する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記傾斜もしくは前記波の傾斜角度は、前記画像の有するスクリーン角度と一致しないように設定される
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記所定画素数は、画像の解像度に応じた値である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記所定画素数は、前記画像の解像度が1200dpiの場合に80画素となる比率による画素数を上限に設定される
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
第1方向およびこれに直交する第2方向に画素が配列されたドットマトリクス形式の画像を、画素の挿入もしくは削除によって前記第1方向に変倍する画像処理方法であって、
挿入もしくは削除する画素である操作画素を、前記画像の第2方向の一端から他端に向けて、第2方向に隣接する操作画素間の第1方向の画素位置の差が2画素以上かつ所定画素数未満となり、かつ、前記差の方向が第2方向に連続する2画素以内に反転するようにジグザクに配列して、前記画像を変倍する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
前記ジグザグさせる第1方向の範囲を、変倍率に対応した第1方向における画素の挿入または削除の周期以内とする
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記ジグザグの中心線が前記画像の第2方向の一端から他端に向けて傾斜するあるいは前記ジグザグより長い周期で波打つように、各操作画素を配列する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記傾斜もしくは前記波の傾斜角度は、前記画像の有するスクリーン角度と一致しないように設定される
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記所定画素数は、画像の解像度に応じた値である
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記所定画素数は、前記画像の解像度が1200dpiの場合に80画素となる比率による画素数を上限に設定される
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図11】
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【図13】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−65934(P2013−65934A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201912(P2011−201912)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】