説明

画像処理装置および電子カメラ

【構成】辞書DICには、互いに異なる複数の斜光属性をそれぞれ有する複数の顔パターンが収められる。CPU26は、これらの顔パターンの各々と被写界像を形成する部分画像とを照合して、複数の照合度を検出する。CPU26は続いて、検出された複数の照合度のうち閾値を上回る照合度に対応する顔パターンを特定し、複数の照合度の検出のために注目された部分画像の明るさを特定された顔パターンの斜光属性を参照して修正する。
【効果】被写界像の品質を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、特に、斜光に起因する物体像の明るさのばらつきを修正する、画像処理装置に関する。
【0002】
この発明はまた、電子カメラに関し、特に、撮像面で生成された被写界像から人物の顔画像を探索する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0003】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像装置によって生成された画像から被写体の肌領域が抽出され、抽出された肌領域の輝度データに基づいて被写体の斜光状態が判定される。補正目標値は判定された斜光状態の程度に基づいて変更され、画像は変更された補正目標値に従って補正される。これによって、被写体の品位を損なうことなく画像を適正に補正することができる。
【0004】
また、この種の装置の他の一例が、特許文献2に開示されている。この背景技術によれば、画像のコントラストが正規化された後に、画像上の輝度分布に係る特徴量に基づいて当該画像が顔画像であるか否かが判別される。これによって、画像上の顔への重畳物、斜光、顔以外の背景による濃淡のばらつき等の影響による判別精度の低下が抑制される。
【0005】
正規化処理においては、画像上の各局所領域における画素値の分散の程度が所定レベルに近づくように、画素値の階調が変換される。ここで、局所領域は、判別すべき顔の目が1つのみ含まれる大きさの領域とされる。これによって、顔であることを特徴付ける目や鼻等の顔の構成部品内でのコントラストの変化を抑えつつ、顔以外のものによる濃淡変化の影響を受け難い安定した正規化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−24132号公報
【特許文献2】特開2006−309714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1において、補正目標値を参照した補正処理は、画像全体に対して実行される。このため、陰影部分の明るさを増大させると非陰影部分の明るさが飽和し、これによって全体の画質が低下するおそれがある。また、特許文献2において、正規化処理は、顔画像のサイズよりも小さいサイズを有する所定領域毎に実行されるため、正規化された顔画像の品質が所定領域間でばらついてしまい、顔画像の全体的な品質が低下するおそれがある。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、被写界像の品質を改善することができる、画像処理装置を提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、被写界像の品質を改善することができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に従う画像処理装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出手段(S53~S55, S63~S79)、検出手段によって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定手段(S57~S61, S81~S83, S93~S95, S105~S107)、および検出手段によって注目された部分画像の明るさを特定手段によって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正手段(S97~S103)を備える。
【0011】
好ましくは、検出手段によって注目される部分画像の位置および/またはサイズを被写界像上で繰り返し変更する変更手段(S39, S43~S45)がさらに備えられる。
【0012】
好ましくは、N個の斜光属性は光源の種類および/または強さを示す光源情報と陰影の位置および/または形状を示す陰影情報とを含み、修正手段は、部分画像に現れた陰影を陰影情報に基づいて検出する陰影検出手段(S97)、および陰影検出手段によって検出された陰影の明るさを光源情報に基づいて修正する陰影修正手段(S99~S101)を含む。
【0013】
さらに好ましくは、登録物体像は人物の顔画像に相当し、修正手段は陰性修正手段の修正処理の後に顔画像に美肌処理を施す美肌処理手段(S103)をさらに含む。
【0014】
好ましくは、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を出力する撮像手段(16)、および特定手段の特定処理に関連して定義された部分画像に注目して撮像条件を調整する調整手段(S7, S9)がさらに備えられる。
【0015】
好ましくは、P個の登録物体像はそれぞれP個の除外エリアを有し、検出手段は除外エリアに対応する一部の画像を部分画像から除外して照合処理を実行する。
【0016】
この発明に従う画像処理プログラムは、画像処理装置(10)のプロセッサ(26)に、互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出ステップ(S53~S55, S63~S79)、検出ステップによって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定ステップ(S57~S61, S81~S83, S93~S95, S105~S107)、および検出ステップによって注目された部分画像の明るさを特定ステップによって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正ステップ(S97~S103)を実行させるための、画像処理プログラムである。
【0017】
この発明に従う画像処理方法は、画像処理装置(10)によって実行される画像処理方法であって、互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出ステップ(S53~S55, S63~S79)、検出ステップによって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定ステップ(S57~S61, S81~S83, S93~S95, S105~S107)、および検出ステップによって注目された部分画像の明るさを特定ステップによって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正ステップ(S97~S103)を備える。
【0018】
この発明に従う電子カメラ(10)は、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段(16)、撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索手段(S119~S121, S141~S143)、探索手段によって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出手段(S145)、探索手段によって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段(S147~S149)、人物の顔を表す複数の登録画像の各々と修正手段によって修正された肌色画像とを照合する照合手段(S125)、および照合手段の照合結果を参照して撮像条件を調整する調整手段(S7, S9)を備える。
【0019】
好ましくは、修正手段によって修正された肌色画像に美肌処理を施す美肌処理手段(S149)がさらに備えられ、照合手段は美肌処理の後に照合処理を実行する。
【0020】
好ましくは、探索手段は、被写界像から肌色画像を探索する肌色画像探索手段(S119)、および肌色画像探索手段によって発見された肌色画像から陰影部分を探索する陰影探索手段(S141)を含む。
【0021】
好ましくは、修正手段は肌色画像を形成する陰影部分および非陰影部分の間の色および/または色の相違が抑制されるように修正処理を実行する。
【0022】
好ましくは、調整手段は複数の登録画像の少なくとも1つと符合する肌色画像に注目して調整処理を実行する。
【0023】
この発明に従う撮像制御プログラムは、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索ステップ(S119~S121, S141~S143)、探索ステップによって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出ステップ(S145)、探索ステップによって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を検出ステップの検出結果を参照して修正する修正ステップ(S147~S149)、人物の顔を表す複数の登録画像の各々と修正ステップによって修正された肌色画像とを照合する照合ステップ(S125)、および照合ステップの照合結果を参照して撮像条件を調整する調整ステップ(S7, S9)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0024】
この発明に従う撮像制御方法は、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索ステップ(S119~S121, S141~S143)、探索ステップによって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出ステップ(S145)、探索ステップによって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を検出ステップの検出結果を参照して修正する修正ステップ(S147~S149)、人物の顔を表す複数の登録画像の各々と修正ステップによって修正された肌色画像とを照合する照合ステップ(S125)、および照合ステップの照合結果を参照して撮像条件を調整する調整ステップ(S7, S9)を備える。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、P個の照合度は、互いに異なる斜光属性を有するP個の登録物体像の各々と部分画像とを照合することで検出される。また、部分画像の明るさは、既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像の斜光属性を参照して修正される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
【0026】
この発明によれば、肌色画像を形成する陰性部分の色および/または輝度は人物の顔を表す複数の登録画像の各々と肌色画像との照合処理に先立って修正され、撮像条件は照合処理の結果を参照して調整される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
【0027】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】評価エリアを撮像面に割り当てた状態の一例を示す図解図である。
【図5】顔検出動作の一部を示す図解図である。
【図6】辞書に収められた顔パターンの一部を示す図解図である。
【図7】辞書に収められた顔パターンの他の一部を示す図解図である。
【図8】辞書に収められた顔パターンのその他の一部を示す図解図である。
【図9】辞書に収められた顔パターンのさらにその他の一部を示す図解図である。
【図10】辞書に収められた顔パターンの他の一部を示す図解図である。
【図11】辞書に収められた顔パターンのその他の一部を示す図解図である。
【図12】顔検出動作において参照されるレジスタの一例を示す図解図である。
【図13】顔認識処理のために用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図14】顔検出動作の他の一部を示す図解図である。
【図15】図3実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図3実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図21】他の実施例で参照される辞書に収められた顔パターンの一例を示す図解図である。
【図22】他の実施例で参照される辞書に収められた顔パターンの他の一例を示す図解図である。
【図23】他の実施例で参照される辞書に収められた顔パターンのその他の一例を示す図解図である。
【図24】他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図25】他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図26】他の実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図27】他の実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図28】他の実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図29】他の実施例において参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図30】他の実施例における顔検出動作の一部を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成1]
【0030】
図1を参照して、この発明の画像処理装置は、基本的に次のように構成される。検出手段1aは、互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する。特定手段2aは、検出手段1aによって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する。修正手段3aは、検出手段1aによって注目された部分画像の明るさを特定手段2aによって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する。
【0031】
このように、P個の照合度は、互いに異なる斜光属性を有するP個の登録物体像の各々と部分画像とを照合することで検出される。また、部分画像の明るさは、既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像の斜光属性を参照して修正される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
[基本的構成2]
【0032】
図2を参照して、この発明の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1bは、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する。探索手段2bは、撮像手段1bによって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する。検出手段3bは、探索手段2bによって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する。修正手段4bは、探索手段2bによって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を検出手段3bの検出結果を参照して修正する。照合手段5bは、人物の顔を表す複数の登録画像の各々と修正手段4bによって修正された肌色画像とを照合する。調整手段6bは、照合手段5bの照合結果を参照して撮像条件を調整する。
【0033】
このように、肌色画像を形成する陰性部分の色および/または輝度は人物の顔を表す複数の登録画像の各々と肌色画像との照合処理に先立って修正され、撮像条件は照合処理の結果を参照して調整される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
[実施例]
【0034】
図3を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0035】
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理を開始するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0036】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32aに書き込まれる。
【0037】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施す。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32のYUV画像エリア32bに書き込まれる。
【0038】
LCDドライバ36は、YUV画像エリア32bに格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0039】
図4を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0040】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0041】
また、AF評価回路24は、前処理回路20から出力されたRGBデータのうち同じ評価エリアEVAに属するGデータの高周波成分を抽出し、抽出された高域周波数成分を垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0042】
CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を動画取り込み処理と並列して実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0043】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価回路22の出力に基づいてAE処理を実行し、最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整される。CPU26はまた、AF評価回路24からの出力に基づくAF処理を実行する。フォーカスレンズ12はドライバ18aによって合焦点に設定され、これによってスルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0044】
シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、記録処理のために、I/F40を起動する。I/F40は、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す1フレームの画像データをメモリ制御回路30を通してYUV画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体42に記録する。
【0045】
CPU26は、撮像タスクと並列して実行される顔検出タスクの下で、YUV画像エリア32bに格納された画像データから人物の顔画像を繰り返し検索する。このような顔検出タスクのために、図6〜図11に示す複数の顔パターンFP_K_L_M_N(K:1〜9,L:1〜3,M:00〜12,N:1〜9(ただし、M=00についてはN=1))を収めた辞書DIC,図12に示すレジスタRGST1,および図13に示す複数の顔検出枠FD,FD,FD,…が準備される。
【0046】
図6〜図11を参照して、紙面に直交する軸に沿う方向に対する顔の向きは、変数Kの値に応じて異なる。紙面に直交する軸回り方向における顔の傾きは、変数Lの値に応じて異なる。斜光エリアの位置ないし形状は、変数Mの値に応じて異なる。光源の種類ないし強さは、変数Nの値に応じて異なる。なお、顔パターンFP_2_1_M_N〜FP_9_1_M_Nの一部については、図示を省略する。
【0047】
各々の顔パターンには、斜光属性情報および除外エリア情報が付加される。斜光属性情報は、斜光の有無,斜光エリアの位置ないし形状,光源の種類,および光源の強さをパラメータとして有する。除外エリア情報は、顔検出枠FDに属する画像データのうち照合対象から除外される一部の画像データの位置ないし形状をパラメータとして有する。
【0048】
なお、除外エリアは図6〜図11において斜線で示すエリアに相当し、位置ないし形状は紙面に直交する軸回り方向における顔の傾きに応じて異なる。
【0049】
図12に示すレジスタRGST1は、顔枠情報を登録するためのレジスタである。各カラムには、検出された顔画像の位置およびサイズ(具体的には、顔画像が検出された時点の顔検出枠FDの位置およびサイズ)を記述するための項目と、検出された顔画像に符合する顔パターンおよび検出された顔画像と符合顔パターンとの照合度を記述するための項目とか形成される。
【0050】
図13に示す顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、YUV画像エリア32b上を評価エリアEVAに対応してラスタ走査態様で移動する(図5参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“200”から“20”まで“5”刻みで縮小される。
【0051】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをメモリ制御回路30を通してYUV画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、辞書DICに収められた顔パターンFP_K_L_M_Nと照合される。照合度が閾値THを上回ると、顔検出枠FDの現時点の位置およびサイズ,符合顔パターンおよび照合度がレジスタRGST1に登録される。
【0052】
最小サイズ(=20)の顔検出枠FDのラスタ走査が終了すると、CPU26は顔修正処理を以下の要領で実行する。CPU26はまず、顔検出枠FDの位置およびサイズと照合度が最大の顔パターンとをレジスタRGST1上の各カラムから検出する。CPU26は続いて、検出された顔検出枠の位置およびサイズを参照してYUV画像エリア32bから顔画像を特定し、検出された顔パターンに付随する斜光属性情報を参照して顔画像の陰影部分と光源の種類および強さとを特定し、そして顔画像の陰影部分の色および/または輝度(つまりコントラスト)を光源の種類および強さを考慮して修正する。修正された顔画像には、美肌処理(スムージング処理)が追加的に施される。
【0053】
したがって、図14の上段に示す被写界像が捉えられた場合、人物HM1の顔画像に現れた陰影部分の色および/輝度は、図14の下段に示すように、顔画像の非陰影部分の色および/または輝度に近づく。
【0054】
顔修正処理が完了すると、CPU26は、検出された顔検出枠の位置およびサイズに対応する顔枠キャラクタ表示命令をLCDドライバ36に向けて発行する。LCDドライバ36は、与えられた顔枠キャラクタ表示命令を参照して、LCDモニタ38に顔枠キャラクタKF1を表示する(図14下段参照)。
【0055】
なお、被写界から顔画像が検出されない場合、上述のような陰影の修正は中止され、さらに顔枠キャラクタKF1の表示も中止される。
【0056】
顔枠キャラクタKF1が表示されたとき、上述のAE処理およびAF処理は、顔枠キャラクタKF1内の画像に注目して実行される。一方、顔枠キャラクタKFが非表示とされたとき、上述のAE処理およびAF処理は、評価エリアEVAの全体画像に注目して実行される。こうして、露光量やフォーカスなどの撮像パラメータが良好に調整される。また、シャッタボタン28shが全押しされたときは、顔修正処理を施された画像データがファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0057】
CPU26は、図15に示す撮像タスク,図16〜図20に示す顔検出タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0058】
図15を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS3ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS5の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS3でYESであれば、ステップS7でAE処理を実行し、ステップS9でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさおよびフォーカスが厳格に調整される。
【0059】
ステップS11ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS13ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS11でYESであればステップS15で記録処理を実行し、その後にステップS3に戻る。ステップS13でYESであれば、そのままステップS3に戻る。ステップS15の記録処理の結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界に対応しかつ顔修正処理を施された画像データが、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0060】
図16を参照して、ステップS21では変数Tを“1”に設定し、ステップS23では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS25で顔検出枠FDのサイズを“200”に設定し、ステップS27で顔検出枠FDを開始位置(評価エリアEVAの左上)に配置する。ステップS29では顔検出枠FDに属する一部の画像データをYUV画像エリア32bから読み出し、読み出された画像データから肌色画像エリアを探索する。
【0061】
ステップS31では肌色画像エリアが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればそのままステップS37に進む一方、判別結果がYESであればステップS33〜S35の処理を経てステップS37に進む。
【0062】
ステップS33では、顔検出枠FDに属する画像データの特徴量を算出する。ステップS35では、算出された特徴量を辞書DICに収められた顔パターンFP_K_L_M_Nの各々と照合する照合処理を実行する。
【0063】
ステップS37では、顔検出枠FDが終了位置(評価エリアEVAの右下)に達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS39で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS29に戻る。判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“20”まで縮小したか否かをステップS41で判別する。判別結果がNOであれば、ステップS43で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS45で顔検出枠を開始位置に配置し、その後にステップS29に戻る。
【0064】
ステップS41の判別結果がYESであればステップS47に進み、顔画像に現れた陰影を修正する顔修正処理をYUV画像エリア32b上で実行する。この結果、陰影部分と非陰影部分との間における色および/または輝度の相違が抑制される。また、こうして修正された画像データが記録処理の対象となる。
【0065】
ステップS49では、レジスタRGST1に登録された顔検出枠FDの位置およびサイズを検出し、検出された位置およびサイズに対応する顔枠キャラクタ表示命令をLCDドライバ36に向けて発行する。ただし、レジスタRGTS1に顔枠情報が存在しない場合、顔枠キャラクタ表示命令の発行は中止される。この結果、顔枠キャラクタKF1がスルー画像上にOSD態様で表示される。ステップS49の処理が完了すると、ステップS21に戻る。
【0066】
図16に示すステップS35の照合処理は、図18に示すサブルーチンに従って実行される。まずステップS51でフラグFLGを“0”に設定し、ステップS53で変数K,L,MおよびNを初期化する。変数K,LおよびNは“1”に設定され、変数Mは“00”に設定される。
【0067】
ステップS55では顔検出枠FDに属する画像データの特徴量を辞書DICに収められた顔パターンFP_K_L_M_Nと照合して照合度を算出する。このとき、顔パターンFP_K_L_M_Nに付随する除外エリア情報が参照され、除外エリアに対応する一部の画像データが照合対象から除外される。
【0068】
ステップS57では、ステップS55で算出された照合度が閾値THを上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS63に進み、判別結果がYESであればステップS59〜S61の処理を経てステップS63に進む。
【0069】
ステップS59では、ステップS55で参照された顔パターンとステップS55で算出された照合度とを、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズとともにレジスタRGST1のT番目のカラムに登録する。ステップS61では、レジスタRGST1への登録処理が実行されたことを表明するべく、フラグFLGを“1”に設定する。
【0070】
ステップS63では変数Mが“00”を示すか否かを判別し、ステップS65では変数Nが最大値Nmax(=9)を示すか否かを判別する。ステップS63およびS65のいずれもNOであれば、ステップS67で変数Nをインクリメントし、その後にステップS55に戻る。
【0071】
ステップS63およびS65のいずれか一方でYESであれば、変数Mが最大値Mmax(=12)を示すか否かをステップS69で判別し、変数Lが最大値Lmax(=3)を示すか否かをステップS73で判別し、そして変数Kが最大値Kmax(=9)を示すか否かをステップS77で判別する。
【0072】
ステップS69でNOであればステップS71に進み、変数Nを“1”に設定するとともに変数Mをインクリメントする。ステップS69でYESである一方、ステップS73でNOであれば、ステップS75に進み、変数NおよびMをそれぞれ“1”および“00”に設定するとともに、変数Lをインクリメントする。
【0073】
ステップS69およびS73でYESである一方、ステップS77でNOであれば、ステップS79に進み、変数N,MおよびLをそれぞれ“1”,“00”および“1”に設定し、変数Kをインクリメントする。ステップS67,S71,S75またはS79の処理が完了すると、ステップS55に戻る。
【0074】
ステップS69,S73およびS77でYESであれば、フラグFLGが“1”を示すか否かをステップS81で判別する。判別結果がNOであればそのまま上階層のルーチンに復帰し、判別結果がYESであればステップS83で変数Tをインクリメントしてから上階層のルーチンに復帰する。
【0075】
図17に示すステップS47の顔修正処理は、図20に示すサブルーチンに従って実行される。まず、レジスタRGST1に登録が存在するか否かをステップS91で判別する。判別結果がNOであれば上階層のルーチンに復帰し、判別結果がYESであればステップS93に進む。
【0076】
ステップS93では変数Tを“1”に設定し、ステップS95では顔検出枠FDの位置およびサイズと照合度が最大の顔パターンとをレジスタRGST1のT番目のカラムから検出する。ステップS97では、検出された顔パターンに付随する斜光属性情報を参照して、検出された顔パターンが陰影部分を有するか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS105に進む一方、判別結果がYESであればステップS99〜S103の処理を経てステップS105に進む。
【0077】
ステップS99では、上述の斜光属性情報を参照して光源の種類および強さを検出する。ステップS101では、ステップS95で検出された顔検出枠の位置およびサイズを参照してYUV画像エリア32bから顔画像を特定し、特定された顔画像の陰影部分を上述の斜光属性情報を参照して特定し、そして特定された陰影部分の色および/または輝度をステップS99で検出された光源の種類および強さを参照して修正する。ステップS103では、ステップS101で特定された顔画像に美肌処理を施す。
【0078】
ステップS105では、変数Tが最大値Tmax(=レジスタRGST1に登録された顔検出枠FDの総数)を示すか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS107で変数TをインクリメントしてからステップS95に戻り、判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰する。
【0079】
以上の説明から分かるように、CPU26は、互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の顔パターンの各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する(S53~S55, S63~S81)。CPU26は続いて、検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する顔パターンを特定し(S57~S61, S83~S85, S93~S95, S105~S107)、P個の照合度の検出のために注目された部分画像の明るさを特定された顔パターンの斜光属性を参照して修正する(S97~S103)。
【0080】
このように、P個の照合度は、互いに異なる斜光属性を有するP個の顔パターンの各々と部分画像とを照合することで検出される。また、部分画像の明るさは、既定条件を満足する照合度に対応する顔パターンの斜光属性を参照して修正される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
【0081】
他の実施例のディジタルカメラ10は、図21〜図23に示す複数の顔パターンFP_K_L(K:1〜9,L:1〜3)が辞書DICに収められ、図16〜図20に示す顔検出タスクに代えて図24〜図28に示す顔検出タスクが実行され、レジスタRGST1が図29に示すように構成される点を除き、図3実施例と同様であるため、同様の部分に関する重複した説明は省略する。
【0082】
図21〜図23を参照して、紙面に直交する軸に沿う方向に対する顔の向きは、変数Kの値に応じて異なる。紙面に直交する軸回り方向における顔の傾きは、変数Lの値に応じて異なる。各々の顔パターンには、除外エリア情報が付加される。除外エリア情報は、顔検出枠FDに属する画像データのうち照合対象から除外される一部の画像データの位置ないし形状をパラメータとして有する。
【0083】
図28に示すレジスタRGST1は、顔枠情報を登録するためのレジスタである。各カラムには、検出された顔画像の位置およびサイズ(具体的には、顔画像が検出された時点の顔検出枠FDの位置およびサイズ)が記述される。
【0084】
図24〜図28に示す顔検出タスクにおいて、ステップS111〜S121,S127〜S135およびS137の処理は、図16〜図17に示すステップS21〜S31,S37〜S45およびS49の処理と同様である。図17に示すステップS47に相当する処理は、ここでは省略される。ステップS123では、顔検出枠FDに属する画像データから陰影を探索しかつ発見された陰影を修正する陰影探索/修正処理を実行する。ステップS125では、算出された特徴量を辞書DICに収められた顔パターンFP_K_Lの各々と照合する照合処理を実行する。
【0085】
図24に示すステップS123の陰影探索/修正処理は、図26に示すサブルーチンに従って実行される。まずステップS141で肌色画像エリアから陰影部分を探索する。具体的には、肌色画像エリア上の複数の位置で輝度を検出し、検出された輝度が急峻に変化する境界線を特定し、そして特定された境界線よりも低輝度側の部分を陰影部分として定義する。
【0086】
ステップS143では陰影部分が発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればそのまま上階層のルーチンに復帰する一方、判別結果がYESであればステップS145〜S149の処理を経て上階層のルーチンに復帰する。
【0087】
ステップS145では、肌色画像エリアを形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する。ステップS147では、ステップS145で検出された色および/または輝度を参照して、肌色画像エリアを形成する陰影部分の色および/または輝度を修正する。この結果、陰影部分と非陰影部分との間での色および/または輝度の相違が抑制される。ステップS147の処理が完了すると、ステップS149で肌色画像エリアに美肌処理を施す。
【0088】
したがって、図30の左側に示す被写界像が捉えられた場合、人物HM2の顔画像に現れた陰影部分の色および/輝度は、図30の右側に示すように、顔画像の非陰影部分の色および/または輝度に近づく。
【0089】
図24に示すステップS125の照合処理は、図27〜図28に示すサブルーチンに従って実行される。ただし、ステップS151,S157,S161,S173およびS175の処理は、図18〜図19に示すステップS51,S57,S61,S81およびS83の処理と同様である。
【0090】
ステップS153では変数KおよびNを“1”に設定し、ステップS155では顔検出枠FDに属する画像データの特徴量を辞書DICに収められた顔パターンFP_K_Lと照合して照合度を算出する。このとき、顔パターンFP_K_Lに付随する除外エリア情報が参照され、除外エリアに対応する一部の画像データが照合対象から除外される。ステップS159では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズをレジスタRGST1のT番目のカラムに登録する。
【0091】
ステップS163では変数Lが最大値Lmax(=3)を示すか否かを判別し、ステップS167では変数Kが最大値Kmax(=9)を示すか否かを判別する。ステップS163でNOであれば、ステップS165で変数Lをインクリメントする。ステップS163でYESである一方、ステップS167でNOであれば、ステップS169に進み、変数Lを“1”に設定するとともに、変数Kをインクリメントする。ステップS165またはS169の処理が完了すると、ステップS155に戻る。ステップS163およびS167のいずれもYESであれば、ステップS173に進む。
【0092】
以上の説明から分かるように、イメージャ16は、被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する。CPU26は、イメージャ16によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索し(S119~S121, S141~S143)、発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する(S145)。CPU26はまた、発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を、非陰影部分の色および/または輝度を参照して修正する(S147~S149)。修正処理が完了すると、CPU26は、複数の顔パターンの各々と修正された肌色画像とを照合し(S125)、照合手段の照合結果を参照して撮像条件を調整する(S7, S9)。
【0093】
このように、肌色画像を形成する陰性部分の色および/または輝度は人物の顔を表す複数の登録画像の各々と肌色画像との照合処理に先立って修正され、撮像条件は照合処理の結果を参照して調整される。これによって、被写界像の品質を改善することができる。
【0094】
なお、これらの実施例では、陰影部分と非陰影部分との間の色および/または輝度の相違を抑制するために、陰影部分の色および/または輝度を修正するようにしているが、陰影部分の色および/または輝度に代えて或いは陰影部分の色および/または輝度とともに、非陰影部分の色および/または輝度を修正するようにしてもよい。
【0095】
また、これらの実施例では、顔画像の色および/または輝度を修正するようにしているが、顔画像の色および/または輝度だけでなく、その周辺の画像の色および/または輝度も修正するようにしてもよい。
【0096】
さらに、これらの実施例では、静止画像を記録するいわゆるディジタルスチルカメラを想定しているが、この発明は動画像を記録するディジタルビデオカメラにも適用できる。
【符号の説明】
【0097】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE/AWB評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定手段、および
前記検出手段によって注目された部分画像の明るさを前記特定手段によって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段によって注目される部分画像の位置および/またはサイズを前記被写界像上で繰り返し変更する変更手段をさらに備える、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記N個の斜光属性は光源の種類および/または強さを示す光源情報と陰影の位置および/または形状を示す陰影情報とを含み、
前記修正手段は、前記部分画像に現れた陰影を前記陰影情報に基づいて検出する陰影検出手段、および前記陰影検出手段によって検出された陰影の明るさを前記光源情報に基づいて修正する陰影修正手段を含む、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記登録物体像は人物の顔画像に相当し、
前記修正手段は前記陰性修正手段の修正処理の後に前記顔画像に美肌処理を施す美肌処理手段をさらに含む、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
被写界を捉える撮像面を有して前記被写界像を出力する撮像手段、および
前記特定手段の特定処理に関連して定義された部分画像に注目して撮像条件を調整する調整手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記P個の登録物体像はそれぞれP個の除外エリアを有し、
前記検出手段は前記除外エリアに対応する一部の画像を前記部分画像から除外して照合処理を実行する、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置のプロセッサに、
互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出ステップ、
前記検出ステップによって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定ステップ、および
前記検出ステップによって注目された部分画像の明るさを前記特定ステップによって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正ステップを実行させるための、画像処理プログラム。
【請求項8】
画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
互いに異なるP個(P:2以上の整数)の斜光属性をそれぞれ有するP個の登録物体像の各々と被写界像を形成する部分画像とを照合してP個の照合度を検出する検出ステップ、
前記検出ステップによって検出されたP個の照合度のうち既定条件を満足する照合度に対応する登録物体像を特定する特定ステップ、および
前記検出ステップによって注目された部分画像の明るさを前記特定ステップによって特定された登録物体像の斜光属性を参照して修正する修正ステップを備える、画像処理方法。
【請求項9】
被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段、
前記撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索手段、
前記探索手段によって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出手段、
前記探索手段によって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を前記検出手段の検出結果を参照して修正する修正手段、
人物の顔を表す複数の登録画像の各々と前記修正手段によって修正された肌色画像とを照合する照合手段、および
前記照合手段の照合結果を参照して撮像条件を調整する調整手段を備える、電子カメラ。
【請求項10】
前記修正手段によって修正された肌色画像に美肌処理を施す美肌処理手段をさらに備え、
前記照合手段は前記美肌処理の後に照合処理を実行する、請求項9記載の電子カメラ。
【請求項11】
前記探索手段は、前記被写界像から肌色画像を探索する肌色画像探索手段、および前記肌色画像探索手段によって発見された肌色画像から陰影部分を探索する陰影探索手段を含む、請求項9または10記載の電子カメラ。
【請求項12】
前記修正手段は前記肌色画像を形成する陰影部分および非陰影部分の間の色および/または色の相違が抑制されるように修正処理を実行する、請求項9ないし11のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項13】
前記調整手段は前記複数の登録画像の少なくとも1つと符合する肌色画像に注目して調整処理を実行する、請求項9ないし12のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項14】
被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出ステップ、
前記探索ステップによって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を前記検出ステップの検出結果を参照して修正する修正ステップ、
人物の顔を表す複数の登録画像の各々と前記修正ステップによって修正された肌色画像とを照合する照合ステップ、および
前記照合ステップの照合結果を参照して撮像条件を調整する調整ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項15】
被写界を捉える撮像面を有して被写界像を生成する撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記撮像手段によって生成された被写界像から陰影部分を有する肌色画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された肌色画像を形成する非陰影部分の色および/または輝度を検出する検出ステップ、
前記探索ステップによって発見された肌色画像を形成する陰影部分の色および/または輝度を前記検出ステップの検出結果を参照して修正する修正ステップ、
人物の顔を表す複数の登録画像の各々と前記修正ステップによって修正された肌色画像とを照合する照合ステップ、および
前記照合ステップの照合結果を参照して撮像条件を調整する調整ステップを備える、撮像制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−78041(P2011−78041A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230102(P2009−230102)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】