説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】画像に使用されているドット集中型スクリーンの線数と角度を抽出するにあたって、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減するようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の特徴点抽出手段は、画像内の領域の角に位置する画素である特徴点と該領域内における該特徴点の位置関係を示している方向を抽出し、選定手段は、特徴点の色と該特徴点の位置と該特徴点における方向に基づいて、特徴点と該特徴点に対応する特徴点の組を選定し、代表点決定手段は、特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定し、ベクトル算出手段は、前記代表点決定手段によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出し、スクリーン線数角度抽出手段は、前記ベクトル算出手段によって算出されたベクトルの分布に基づいて、前記画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン処理に関する技術がある。これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、高精度の網点領域識別装置、及び網点領域識別方法を提供することを課題とし、網点領域識別装置は、画像データの領域を参照して、第1の方向の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出する第1のエッジ検出部と、領域を参照して、第1の方向と直交する第2の方向の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出する第2のエッジ検出部と、第1及び第2のエッジ検出手段によって検出されたエッジを、所定の領域において参照し、参照された所定の領域内における第1の方向の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの対称性、及び第2の方向の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの対称性を判定し、判定された対称性に基づいて網点特徴を有する画素を検出する網点特徴検出部と、を備えることが開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、文字等の領域の劣化を抑え、網点を中間調に変換することを目的とし、読み取られた原稿情報を画像処理する装置であって、該画像情報の注目画素領域の自己相関係数を求める手段と、該自己相関係数から網点領域の網点ピッチを求める手段と、該網点ピッチからフィルタ係数を選択する手段と、該選択されたフィルタ係数を用いて空間フィルタ処理を行う手段とを具備したことを特徴とする画像処理装置が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、印刷線数や角度を自動的に検出することによって、原稿成分の劣化を抑制しつつも適切にモアレ縞を除去することを課題とし、原稿の二次元画像情報を取り込む画像入力部と、二次元の周波数特性分布を抽出する周波数特性分布抽出部と、二次元の周波数特性分布を極座標で表現した信号強度分布に変換する極座標変換部と、推定印刷線数を求め、さらに推定印刷角度を求める推定印刷線数・角度算出部と、推定印刷線数や角度に基づいて画像情報に対して処理を施す画像処理部とを備え、二次元の周波数特性分布では信号強度分布が網点角度方向に分布し、そのピーク位置が印刷線数に相当する位置に生じているので、このピーク位置を極座標に変換して求めて推定印刷線数や角度とすることが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献4には、網点で表現された画像を含む画像データを、モアレ発生を抑制して高品質な縮率変換処理を行うことを課題とし、網点領域認識手段は、画像データから網点を画素集合体の単位で検出し、網点をもとに網点領域を認識し、網点領域マスク作成手段は、網点間の距離からマスクパターン作成し、網点領域分離手段は、マスクパターンで網点領域とそれ以外の非網点領域とを分離し、網点領域縮率変換手段は、縮率をもとに、網点領域の各網点を、形状が線対称に近い形状になるように画素を追加/削除して変換し、非網点領域縮率変換手段は、非網点領域を別の手法で変換し、網点領域・非網点領域合成手段は、変換された網点領域及び非網点領域を合成することが開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献5には、高品位な複写結果を得ることを課題とし、画像入力部により原稿から画像を読み取って取得された入力画像データを、画像処理部によりRGBからYMCKに色変換すると共に、各色毎にディザリングして網点化して、印刷部に供給する際に、網点認識部により、入力画像データが示す画像、すなわち入力画像の網点の線数及び角度を求めることで、当該入力画像上における周期的な網点パターンの特徴を求め、ハーフトーン生成部により、この求めた線数及び角度と同一、すなわち網点パターンと一致するパターンを有するハーフトーンスクリーンを生成して、ハーフトーン処理部での入力画像のディザリングに用いて、このようにハーフトーンスクリーンのパターンを網点パターンと一致させることで、両者の干渉を無くすことができ、印刷部で印刷処理した際のモアレの発生を防止することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−190383号公報
【特許文献2】特開昭63−028174号公報
【特許文献3】特開平11−155067号公報
【特許文献4】特開2004−213298号公報
【特許文献5】特開2004−200746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、画像に使用されているドット集中型スクリーンの線数と角度を抽出するにあたって、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減するようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、画像内の領域の角に位置する画素である特徴点と該領域内における該特徴点の位置関係を示している方向を抽出する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の色と該特徴点の位置と該特徴点における方向に基づいて、特徴点と該特徴点に対応する特徴点の組を選定する選定手段と、前記選定手段によって選定された特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定する代表点決定手段と、前記代表点決定手段によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出するベクトル算出手段と、前記ベクトル算出手段によって算出されたベクトルの分布に基づいて、前記画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出するスクリーン線数角度抽出手段を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
請求項2の発明は、前記特徴点抽出手段は、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素とを結ぶ線によって構成される角度に基づいて特徴点を抽出すること、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係に基づいて特徴点を抽出すること、又は特徴点が含まれている領域と予め定められたパターンとが一致するか否かに基づいて特徴点を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項3の発明は、前記特徴点抽出手段は、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係によって定まる方向を抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項4の発明は、前記スクリーン線数角度抽出手段は、前記抽出したスクリーンの線数又は角度と予め定められた線数又は角度との差が予め定められた関係にある場合は、該抽出したスクリーンの線数又は角度を該予め定められた線数又は角度として抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項5の発明は、前記ベクトル算出手段は、前記代表点決定手段によって決定された代表点のうち基準となる代表点を第1の代表点として選択し、該基準となる代表点から予め定められた第1の距離と第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択し、該第1の代表点と該第2の代表点で構成されるベクトルを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項6の発明は、前記ベクトル算出手段は、前記第1の代表点を角とする矩形領域であって、互いに隣接する矩形領域内で、前記第1の距離と前記第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項7の発明は、コンピュータを、画像内の領域の角に位置する画素である特徴点と該領域内における該特徴点の位置関係を示している方向を抽出する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の色と該特徴点の位置と該特徴点における方向に基づいて、特徴点と該特徴点に対応する特徴点の組を選定する選定手段と、前記選定手段によって選定された特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定する代表点決定手段と、前記代表点決定手段によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出するベクトル算出手段と、前記ベクトル算出手段によって算出されたベクトルの分布に基づいて、前記画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出するスクリーン線数角度抽出手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の画像処理装置によれば、画像に使用されているドット集中型スクリーンの線数と角度を抽出するにあたって、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減することができる。
【0017】
請求項2の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、誤った特徴点を抽出してしまうことを防止することができる。
【0018】
請求項3の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減することができる。
【0019】
請求項4の画像処理装置によれば、予め定められた線数又は角度であるにもかかわらず、雑音の影響によって予め定められた線数又は角度以外の線数又は角度になってしまうことを抑制することができる。
【0020】
請求項5の画像処理装置によれば、第1の距離と第2の距離の間にない代表点による雑音の影響を抑制することができる。
【0021】
請求項6の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減することができる。
【0022】
請求項7の画像処理プログラムによれば、画像に使用されているドット集中型スクリーンの線数と角度を抽出するにあたって、本構成を有していない場合に比較して、処理量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図3】対象とする画像の例を示す説明図である。
【図4】特徴点とその特徴点における傾斜方向の例を示す説明図である。
【図5】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図6】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図7】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図8】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図9】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図10】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図11】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図12】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図13】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図14】特徴点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図15】特徴点における傾斜方向を抽出する処理例を示す説明図である。
【図16】特徴点を選定する処理例を示す説明図である。
【図17】特徴点を選定する処理例を示す説明図である。
【図18】特徴点を選定する処理例を示す説明図である。
【図19】特徴点を選定する処理例を示す説明図である。
【図20】特徴点を選定する処理例を示す説明図である。
【図21】代表点を決定する処理例を示す説明図である。
【図22】代表点を抽出する処理例を示す説明図である。
【図23】ベクトルの算出処理例を示す説明図である。
【図24】ベクトルの分布例を示す説明図である。
【図25】ベクトルの分布例を示す説明図である。
【図26】ピークを決定する処理例を示す説明図である。
【図27】対象とする画像の例を示す説明図である。
【図28】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0025】
本実施の形態である画像処理装置は、画像に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出するものであって、図1の例に示すように、画像受付モジュール110、特徴点抽出モジュール120、特徴点選定モジュール130、代表点決定モジュール140、ベクトル算出モジュール150、スクリーン線数・角度抽出モジュール160、出力モジュール170を有している。
【0026】
画像受付モジュール110は、特徴点抽出モジュール120と接続されている。画像受付モジュール110は、対象となる画像を受け付けて、その画像を特徴点抽出モジュール120へ渡す。画像を受け付けるとは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、スクリーン処理が施された2値画像(いわゆる中間調領域がスクリーンによって表現されている画像であって、1画素が1ビットで表現されている)であってもよい。ただし、2値画像として、複数枚の2値画像からなるカラー画像であってもよい。また、受け付けた画像がスクリーン処理され、紙等の記録媒体上に記録された画像をスキャナ等の撮像装置にて読み込んだ多値画像(カラー画像を含む)である場合は、その画像に2値化処理を施して2値画像に変換するようにしてもよい。受け付ける画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。画像の解像度は限定しないが、例えば2400dpi等がある。
対象とするスクリーンとしては、例えば、ドット集中型ディザスクリーンが主である。特に、チェーンドットスクリーン(スクエアドットを斜めに変形させたもので、菱形のドットがチェーン状につながった網目となるスクリーン)処理が施された画像に対して適用する。ただし、ドット分散型ディザスクリーン、誤差拡散スクリーン、FM(Frequency Modulation(周波数変調))スクリーン、ラインスクリーン等の場合は、スクリーン線数・角度抽出モジュール160が、ドット集中型ディザスクリーンではないことを判断し、それを指摘する情報(対象としている画像は、ドット集中型ディザスクリーンではないことを示す情報)を出力するようにしてもよい。
【0027】
特徴点抽出モジュール120は、画像受付モジュール110、特徴点選定モジュール130と接続されている。特徴点抽出モジュール120は、画像受付モジュール110から対象となる画像を受け取り、その画像内の領域の角に位置する画素である特徴点とその領域内におけるその特徴点の位置関係を示している方向を抽出する。以下、この方向を傾斜方向ともいう。
ここで「画像内の領域」とは、連結している黒画素によって構成されている領域又は連結している白画素によって構成されている領域をいう。
また、「領域の角に位置する画素」とは、その領域内にある画素であり、その領域が他の領域(例えば、対象としている領域が黒画素の領域であれば、「他の領域」とは、対象としている領域に接している白画素の領域をいう)と接している位置にある画素であり、領域が多角形である場合は、その頂点にある画素である。ただし、直線の傾き、ノイズ等によって発生する単なる画素の段差は角とはしない。
また、「領域内における特徴点の位置関係を示している方向」とは、例えば、領域内で右上の角に特徴点があるのであれば、その特徴点における方向は左下となる。具体例としては、特徴点から見た場合に、その特徴点が含まれている領域の中心(重心等を含む)への方向をいう。ただし、方向の先にあるのは必ずしも領域の中心である必要はなく、特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあってその特徴点の周囲にある画素との位置関係によって定まる方向であればよい。また、予め定められたパターンと方向とが対応付けられており、パターンマッチング処理によって、方向を抽出するようにしてもよい。もちろんのことながら、方向とは「領域内における特徴点の位置関係を示している」ものであればよく、例えば、その特徴点が含まれている領域の中心から見た場合における、特徴点への方向であってもよく、この場合は、領域内で右上の角に特徴点があるのであれば、その特徴点における方向は右上となる。後述の説明では、特徴点から見た場合に、その特徴点が含まれている領域の中心への方向を例示する。
【0028】
また、特徴点抽出モジュール120は、特徴点の抽出として、以下の3つの処理のいずれかを行うようにしてもよいし、2つ以上の処理の組み合わせを行ってもよい。
(1)特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあって、その特徴点の周囲にある複数の画素とを結ぶ線によって構成される角度に基づいて特徴点を抽出すること。
(2)特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあって、その特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係に基づいて特徴点を抽出すること。
(3)特徴点が含まれている領域と予め定められたパターンとが一致するか否かに基づいて特徴点を抽出すること。
【0029】
また、特徴点抽出モジュール120は、特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあってその特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係によって定まる方向を抽出するようにしてもよい。
【0030】
特徴点選定モジュール130は、特徴点抽出モジュール120、代表点決定モジュール140と接続されている。特徴点選定モジュール130は、特徴点抽出モジュール120によって抽出された特徴点の色とその特徴点の位置とその特徴点における方向に基づいて、特徴点とその特徴点に対応する特徴点の組を選定する。
具体的には、以下の3つの条件を満たす特徴点を選定する。
(1)特徴点の色が同じであること(対象としている特徴点の色が黒であれば、対応する特徴点の色も黒となり、対象としている特徴点の色が白であれば、対応する特徴点の色も白となる)。
(2)特徴点同士の位置関係が予め定められた関係にあること(具体的には、例えば、対象としている特徴点の方向が右方向(右下方向、右上方向を含む)であれば、対応する特徴点は対象としている特徴点の右にあること、対象としている特徴点の方向が左方向(左下方向、左上方向を含む)であれば、対応する特徴点は対象としている特徴点の左方向にあること、対象としている特徴点の方向が上方向(右上方向、左上方向を含む)であれば、対応する特徴点は対象としている特徴点の上にあること、対象としている特徴点の方向が下方向(右下方向、左下方向を含む)であれば、対応する特徴点は対象としている特徴点の下にあること、である)。
(3)特徴点における方向が同じ領域の中心を向いていること(具体的には、例えば、対象としている特徴点の方向が右下方向であって、対応する特徴点が対象としている特徴点より右下にあるのであれば、対応する特徴点は左上方向であること)等)。
【0031】
代表点決定モジュール140は、特徴点選定モジュール130、ベクトル算出モジュール150と接続されている。代表点決定モジュール140は、特徴点選定モジュール130によって選定された特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定する。つまり、代表点決定モジュール140は、個々の網点の中心を算出することになる。より具体的には、特徴点選定モジュール130によって選定された1組の特徴点の座標の平均値(特徴点間の中間点)を算出することによって、網点の中心を代表点として決定する。
【0032】
ベクトル算出モジュール150は、代表点決定モジュール140、スクリーン線数・角度抽出モジュール160と接続されている。ベクトル算出モジュール150は、代表点決定モジュール140によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出する。
また、ベクトル算出モジュール150は、代表点決定モジュール140によって決定された代表点のうち基準となる代表点を第1の代表点として選択し、その基準となる代表点から予め定められた第1の距離と第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択し、その第1の代表点とその第2の代表点で構成されるベクトルを算出するようにしてもよい。さらに、ベクトル算出モジュール150は、第1の代表点を角とする矩形領域であって、互いに隣接する矩形領域内で、第1の距離と第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択するようにしてもよい。互いに隣接する矩形領域とは、第1の代表点に対して、左上にある矩形領域と右上にある矩形領域の組み合わせ、右上にある矩形領域と右下にある矩形領域の組み合わせ、右下にある矩形領域と左下にある矩形領域の組み合わせ、左下にある矩形領域と左上にある矩形領域の組み合わせの4種類がある。
【0033】
スクリーン線数・角度抽出モジュール160は、ベクトル算出モジュール150、出力モジュール170と接続されている。スクリーン線数・角度抽出モジュール160は、ベクトル算出モジュール150によって算出されたベクトルの分布に基づいて、画像受付モジュール110が受け付けた画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出する。
また、スクリーン線数・角度抽出モジュール160は、抽出したスクリーンの線数又は角度と予め定められた線数又は角度との差が予め定められた関係にある場合は、その抽出したスクリーンの線数又は角度をその予め定められた線数又は角度として抽出するようにしてもよい。
予め定められた線数又は角度とは、記憶装置に記憶された値であり、一般的に用いられているスクリーンの線数又は角度をいう。例えば、線数として100線、150線、200線等、角度として0度、45度、90度等がある。また、予め定められた線数又は角度は、それぞれ複数あってもよい。
予め定められた関係とは、その差が予め定められた閾値以下又は未満である場合である。
抽出したスクリーンの線数又は角度と予め定められた線数又は角度との関係としては、(1)抽出したスクリーンの線数と予め定められた線数、(2)抽出したスクリーンの角度と予め定められた角度、(3)抽出したスクリーンの線数と予め定められた線数及び抽出したスクリーンの角度と予め定められた角度の関係がある。
【0034】
出力モジュール170は、スクリーン線数・角度抽出モジュール160と接続されている。出力モジュール170は、スクリーン線数・角度抽出モジュール160によって抽出されたスクリーンの線数と角度を出力する。出力するとは、例えば、画像データベース等の画像記憶装置へ画像受付モジュール110が受け付けた画像に対応させて(例えば、その画像の属性として)書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。スクリーンの線数と角度を受け取った他の画像処理装置では、例えば、画像受付モジュール110が受け取った2値画像を多値化する処理、文字領域とスクリーン処理が施された領域(例えば、写真等)に分離する処理等を行う。
【0035】
図2は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS202では、画像受付モジュール110が、対象とする画像を受け付ける。例えば、図3に示す対象画像300は、画像受付モジュール110が受け付けた画像の一部である。斜線部分が黒画素の領域であり、白部分が白画素の領域である。
【0036】
ステップS204では、特徴点抽出モジュール120が、特徴点とその傾斜方向を抽出する。図4は、特徴点とその特徴点における傾斜方向の例を示す説明図である。抽出の結果として、対象画像300内には、傾斜方向が左下方向である特徴点405、傾斜方向が右上方向である特徴点410、傾斜方向が左下方向である特徴点415、傾斜方向が右上方向である特徴点420、傾斜方向が左下方向である特徴点425、傾斜方向が右上方向である特徴点430、傾斜方向が右上方向である特徴点435、傾斜方向が左下方向である特徴点440、傾斜方向が右上方向である特徴点445、傾斜方向が左下方向である特徴点450、傾斜方向が右上方向である特徴点455、傾斜方向が左下方向である特徴点460がある。
【0037】
特徴点抽出モジュール120による特徴点の抽出処理について、図5から図14を用いて説明する。前述したように、3種類の抽出処理方法がある。
(1)特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあって、その特徴点の周囲にある複数の画素とを結ぶ線によって構成される角度に基づいて特徴点を抽出する。図5から図10を用いて説明する。下記の条件(1A)、(1B)、(1C)の3つを満たす場合に、注目画素を特徴点(つまり、その領域における角にある画素)と判定する。いずれかの条件を満たさない場合は特徴点ではないと判定する。
【0038】
(1A)注目画素(図5から図10では黒画素である注目画素510又は注目画素810)の隣接画素を予め定めた方向(例えば、時計回り)に走査し、注目画素と同色の画素4画素以内の連続している領域(連続体)が1つ存在すること。
図5の例では、注目画素510の回りを検知方向542、544、546、548に走査して、注目画素510と同じ色(黒)の画素(注目画素510に対して下、左下、左に位置する画素)の連続体があり、これらは3画素であるので、4画素以内である。したがって、図5の例は(1A)の条件を満たしている。
図8の例では、注目画素810の回りを検知方向842、844、846、848に走査して、注目画素810と同じ色(黒)の画素(注目画素810に対して右下、下、左下、左に位置する画素)の連続体があり、これらは4画素であるので、4画素以内である。したがって、図8の例は(1A)の条件を満たしている。
【0039】
(1B)前述した連続体の境界画素の隣接画素であって、注目画素を中心とする5×5ブロックの最も外側の画素のうち色の変化点であって、注目画素と同色の画素を検出できること。「連続体の境界画素」とは、連続体内の画素(つまり注目画素と同じ色の画素)であって、前述の走査方向において注目画素とは異なる色の画素から注目画素と同じ色に変化した場合の画素、又は前述の走査方向において注目画素と同じ色の画素から注目画素とは異なる色に変化した場合の画素をいう。
図5の例では、連続体の境界画素は境界画素530、520である。そして、境界画素530の隣接画素であって、注目画素510を中心とする5×5ブロックの最も外側の画素のうち色の変化点であって、注目画素510と同色の画素とは図6に例示の検出画素630である。そして、境界画素520の隣接画素であって、注目画素510を中心とする5×5ブロックの最も外側の画素のうち色の変化点であって、注目画素510と同色の画素とは図6に例示の検出画素620である。したがって、図5の例は(1B)の条件を満たしている。
図8の例では、連続体の境界画素は境界画素830、820である。そして、境界画素830の隣接画素であって、注目画素810を中心とする5×5ブロックの最も外側の画素のうち色の変化点であって、注目画素810と同色の画素とは図9に例示の検出画素930である。そして、境界画素820の隣接画素であって、注目画素810を中心とする5×5ブロックの最も外側の画素のうち色の変化点であって、注目画素810と同色の画素とは図9に例示の検出画素920である。したがって、図8の例は(1B)の条件を満たしている。
【0040】
(1C)注目画素と連続体の境界画素を通る線と連続体の境界画素と検出画素を通る線のなす角が180度以内かつ注目画素と一方の検出画素を通る線と注目画素と他方の検出画素を通る線のなす角が135度以内であること。
図7を用いて、図5の例における注目画素と境界画素と検出画素を結ぶ線とその線によって構成される角度について説明する。
接続線720は、注目画素510の中心と境界画素520の中心を結ぶ線である。接続線722は、境界画素520の中心と検出画素620の中心を結ぶ線である。接続線730は、注目画素510の中心と境界画素530の中心を結ぶ線である。接続線732は、境界画素530の中心と検出画素630の中心を結ぶ線である。
角度742は、接続線720と接続線722のなす角度である。角度744は、接続線730と接続線732のなす角度である。角度746は、注目画素510の中心と検出画素620の中心を結ぶ線と注目画素510の中心と検出画素630の中心を結ぶ線によって構成される角度である。
なお、角度は、注目画素510と同じ色の画素によって構成されている領域側(注目画素510とは異なる色の領域とは反対の側)における角度である。以下同様である。
角度742は180度であり(つまり、180度以内である)、角度744は180度であり(つまり、180度以内である)、角度746が90度である(つまり、135度以内である)。したがって、図5の例は(1C)の条件を満たしている。よって、注目画素510は特徴点として抽出する。
【0041】
図10を用いて、図8の例における注目画素と境界画素と検出画素を結ぶ線とその線によって構成される角度について説明する。
接続線1020は、注目画素810の中心と境界画素820の中心を結ぶ線である。接続線1022は、境界画素820の中心と検出画素920の中心を結ぶ線である。接続線1030は、注目画素810の中心と境界画素830の中心を結ぶ線である。接続線1032は、境界画素830の中心と検出画素930の中心を結ぶ線である。接続線1040は、注目画素810の中心と検出画素930の中心を結ぶ線である。
角度1052は、接続線1020と接続線1022のなす角度である。角度1054は、接続線1030と接続線1032のなす角度である。角度1056は、注目画素810の中心と検出画素920の中心を結ぶ線と接続線1040によって構成される角度である。
角度1052は180度であり(つまり、180度以内である)、角度1054は180度より大であり(つまり、180度以内ではない)、角度1056が135度より大である(つまり、135度以内ではない)。したがって、図8の例は(1C)の条件を満たしていない。よって、注目画素810は特徴点ではない。
【0042】
(2)特徴点とその特徴点が含まれている領域内にあって、その特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係に基づいて特徴点を抽出する。図11から図14を用いて説明する。下記の条件(2A)、(2B)の2つを満たす場合に、注目画素を特徴点(つまり、その領域における角にある画素)と判定する。いずれかの条件を満たさない場合は特徴点ではないと判定する。
【0043】
(2A)注目画素を中心とする3×3、5×5のブロックの最外周を予め定めた方向(例えば、時計回り)に検知し、注目画素と同色の画素4画素以内の連続体、7画素以内の連続体が各1つ存在すること。なお、4画素以内、7画素以内は予め定められた値であり、他の値であってもよい。
図11の例(3×3のブロック)では、注目画素1110の回りを検知方向1142、1144、1146、1148に走査して、注目画素1110と同じ色(黒)の画素(検知画素1122、1124、1126)の連続体があり、これらは3画素であるので、4画素以内である。図12の例(5×5のブロック)では、注目画素1110の回りを検知方向1242、1244、1246、1248に走査して、注目画素1110と同じ色(黒)の画素(検知画素1222、1224、1226、1228、1230)の連続体があり、これらは5画素であるので、7画素以内である。したがって、図11の例は(2A)の条件を満たしている。
図13の例(3×3のブロック)では、注目画素1310の回りを検知方向1342、1344、1346、1348に走査して、注目画素1310と同じ色(黒)の画素(検知画素1322、1324、1326、1328)の連続体があり、これらは4画素であるので、4画素以内である。図14の例(5×5のブロック)では、注目画素1310の回りを検知方向1442、1444、1446、1448の順に走査して、注目画素1310と同じ色(黒)の画素(検知画素1422、1424、1426、1428、1430、1432、1434、1436)の連続体があり、これらは8画素であるので、7画素以内ではない。したがって、図13の例は(2A)の条件を満たしていない。
【0044】
(2B)注目画素を原点とし、2つの連続体の各画素の位置の平均の位置が予め定められた範囲にあること。つまり、注目画素を原点とした座標系であって、一方の連続体を構成している画素の座標の平均と他方の連続体を構成している画素の座標の平均の差が予め定められた範囲内であること。また、2つの連続体の各画素の位置の平均の位置に対して、注目画素からの方向が予め定められた範囲にあることであってもよい。つまり、一方の連続体を構成している画素の座標の平均の位置に対する注目画素からの方向と、他方の連続体を構成している画素の座標の平均の位置に対する注目画素からの方向の差が予め定められた範囲内であること。
図11の例(3×3のブロック)では、検知画素1122、1124、1126の座標の平均は、検知画素1124となり、注目画素1110から左下方向を示している。一方、図12の例(5×5のブロック)では、検知画素1222、1224、1226、1228、1230の座標の平均は、検知画素1226となり、注目画素1110から左下方向を示している。方向は一致している。したがって、図11の例は(2B)の条件を満たしている。よって、注目画素1110は特徴点として抽出する。
図13の例(3×3のブロック)では、検知画素1322、1324、1326、1328の座標の平均は、ほぼ注目画素1310の下の画素の位置となり、注目画素1310から下方向を示している。一方、図14の例(5×5のブロック)では、検知画素1422、1424、1426、1428、1430、1432、1434、1436の座標の平均は、ほぼ注目画素1310の下の画素の位置となり、注目画素1310から下方向を示している。方向は一致している。したがって、図13の例は(2B)の条件を満たしているが、(2A)の条件は満たしていないので、注目画素1310は特徴点ではない。
【0045】
(3)特徴点が含まれている領域と予め定められたパターンとが一致するか否かに基づいて特徴点を抽出する。例えば、5×5の領域で角として認めるべきパターンを予め定められたパターンとして用意しておき、そのパターンのいずれかと一致したならば、中心の画素を特徴点とすればよい。また逆に、5×5の領域で角として認めるべきでないパターンを予め定められたパターンとして用意しておき、その全てのパターンと一致しないならば、中心の画素を特徴点としてもよい。
【0046】
特徴点抽出モジュール120による特徴点の傾斜方向の抽出処理について、図15、図16を用いて説明する。例えば、図15に示すように、注目画素1510を中心とする5×5ブロックのうち、注目画素1510と同じ色の画素(画素中心1521、1522、1523、1531、1532、1533、1534、1535)について、注目画素1510を原点とした場合の各画素の位置(座標)の平均を傾斜方向とする。具体的には、{(−1,0)+(−1,−1)+(0,−1)+(−2,0)+(−2,−1)+(−2,−2)+(−1,−2)+(0.−2)}/8=(−9,−9)/8=(−9/8,−9/8)となる。もちろんのことながら、原点を加えてもよい。その場合は、{(0,0)+(−1,0)+(−1,−1)+(0,−1)+(−2,0)+(−2,−1)+(−2,−2)+(−1,−2)+(0.−2)}/9=(−9,−9)/9=(−1,−1)となる。
また、傾斜方向は量子化してもよく、量子化せずにベクトルとして使用してもよい。ここで、量子化とは、4方向の量子化として、上方向、下方向、左方向、右方向があり、8方向の量子化として、上方向、下方向、左方向、右方向、右上方向、右下方向、左上方向、左下方向がある。図15の例では、注目画素1510の傾斜方向は左下方向である。
図16の例は、このようにして、各特徴点の傾斜方向を抽出したものである。対象画像1600内から、傾斜方向1615の注目特徴点1610、傾斜方向1625の注目特徴点1620、傾斜方向1635の注目特徴点1630、傾斜方向1645の注目特徴点1640、傾斜方向1655の注目特徴点1650を抽出したことを示している。
特徴点抽出モジュール120による特徴点の傾斜方向の抽出処理として、画像上の座標における明るさの勾配を求めるグラディエントの手法(従来技術である画像処理技術)を用いてもよい。
なお、特徴点以外の画素は、元の画素値をそのまま残すようにする。
【0047】
ステップS206では、特徴点選定モジュール130が、探索領域内での特徴点の組み合わせを選定する。
次の2つのステップで処理を行う。
ステップS206−1では、特徴点選定モジュール130が、探索範囲内で注目特徴点と同じ色の特徴点を抽出する。ここで探索範囲とは、1組の特徴点が含まれるような領域であればよい。具体的には、画像の解像度と抽出しようとしている線数の範囲に応じて定められる。例えば、解像度が600dpiで抽出しようとしている最小の線数が100線である場合は、600/100=6となり、6×6以上のブロックが探索範囲となる。
【0048】
ステップS206−2では、特徴点選定モジュール130が、抽出した特徴点のうち、次の条件を満たすものを選定する。なお、注目している特徴点(以下、注目特徴点)の色は黒であり、傾斜方向は右上方向であるとする。ただし、選定する特徴点の傾斜方向は注目特徴点の傾斜方向には依存しない。そして、白から黒への変化点は主走査方向、副走査方向の両方向で走査した場合の変化点である。
【0049】
(a)注目特徴点に対して左上にある領域内を注目特徴点から左上方向に走査し(つまり、主走査としては、注目特徴点から左方向に走査し、領域の左端になったら、1段上の行に移動し、右から左方向へ走査することを繰り返す。副走査としては、注目特徴点から上方向に走査し、領域の上端になったら、1段左の列に移動し、下から上方向へ走査することを繰り返す。)、傾斜方向が右方向、下方向又は右下方向で白から黒への変化点より注目特徴点側にある特徴点を選定する。図17の例では、対象画像1600の中心画素を注目特徴点としており、左上領域1710を左上方向に走査する。この場合、左上領域1710には、色が黒で傾斜方向が右下方向の特徴点があるが、白から黒への変化点より注目特徴点側にはないので、特徴点は選定されない。
【0050】
(b)注目特徴点に対して右上にある領域内を注目特徴点から右上方向に走査し(つまり、主走査としては、注目特徴点から右方向に走査し、領域の右端になったら、1段上の行に移動し、左から右方向へ走査することを繰り返す。副走査としては、注目特徴点から上方向に走査し、領域の上端になったら、1段右の列に移動し、下から上方向へ走査することを繰り返す。)、傾斜方向が左方向、下方向又は左下方向で白から黒への変化点より注目特徴点側にある特徴点を選定する。図18の例では、対象画像1600の中心画素を注目特徴点としており、右上領域1810を右上方向に走査する。この場合、右上領域1810には、色が黒で傾斜方向が左下方向であり、白から黒への変化点より注目特徴点側にある特徴点であるので、その特徴点を選定する。
【0051】
(c)注目特徴点に対して左下にある領域内を注目特徴点から左下方向に走査し(つまり、主走査としては、注目特徴点から左方向に走査し、領域の左端になったら、1段下の行に移動し、右から左方向へ走査することを繰り返す。副走査としては、注目特徴点から下方向に走査し、領域の下端になったら、1段左の列に移動し、上から下方向へ走査することを繰り返す。)、傾斜方向が右方向、上方向又は右上方向で白から黒への変化点より注目特徴点側にある特徴点を選定する。図19の例では、対象画像1600の中心画素を注目特徴点としており、左下領域1910を左下方向に走査する。この場合、左下領域1910には、色が黒で傾斜方向が左下方向である特徴点はあるが、白から黒への変化点より注目特徴点側にはないので、特徴点は選定されない。
【0052】
(d)注目特徴点に対して右下にある領域内を注目特徴点から右下方向に走査し(つまり、主走査としては、注目特徴点から右方向に走査し、領域の右端になったら、1段下の行に移動し、左から右方向へ走査することを繰り返す。副走査としては、注目特徴点から下方向に走査し、領域の下端になったら、1段右の列に移動し、上から下方向へ走査することを繰り返す。)、傾斜方向が左方向、上方向又は左上方向で白から黒への変化点より注目特徴点側にある特徴点を選定する。図20の例では、対象画像1600の中心画素を注目特徴点としており、右下領域2010を右下方向に走査する。この場合、右下領域2010には、色が黒で傾斜方向が左下方向である特徴点はあるが、白から黒への変化点より注目特徴点側にはないので、特徴点は選定されない。
【0053】
ステップS208では、特徴点選定モジュール130が、領域内の探索が終了したか否かを判断し、終了した場合はステップS210へ進み、それ以外の場合はステップS206からの処理に戻る。つまり、画像内において条件を満たす特徴点の組み合わせを選定する。
前述の図4の例では、対象画像300内で、特徴点405と特徴点410の組、特徴点415と特徴点420の組、特徴点425と特徴点430の組、特徴点440と特徴点445の組が選定されることになる。
【0054】
ステップS210では、代表点決定モジュール140が、注目特徴点と選定特徴点における座標位置の平均を代表点として算出する。図21の例に示すように、対象画像300内には、代表点2112、2114、2116、2118、2120、2122、2124が代表点として算出される。なお、図4の例に示した特徴点405と特徴点410の代表点が代表点2112であり、特徴点415と特徴点420の代表点が代表点2114であり、特徴点425と特徴点430の代表点が代表点2118であり、特徴点440と特徴点445の代表点が代表点2120である。なお、対応する特徴点が選定されずに注目特徴点のみの場合、同じ傾斜方向の特徴点が選定された場合は、代表点を算出しない。
【0055】
ステップS212では、ベクトル算出モジュール150が、他の代表点との距離・方向を表すベクトルを算出する。つまり、ベクトル算出モジュール150が、基準とする代表点と周囲にある代表点によって構成されるベクトルを算出する。ベクトルを算出するのに、2つの代表点を抽出する。
図22は、代表点を抽出する処理例を示す説明図である。ある代表点(基準代表点2201)を原点とした場合に画像の左上矩形領域2210、右上矩形領域2220で最も近い代表点を抽出する。図22の例で示すと、基準代表点2201を原点とし、左上方向で最も近い代表点2211を抽出し、基準代表点2201と代表点2211で構成されるベクトルを抽出する。そして、基準代表点2201を原点とし、右上方向で最も近い代表点2221を抽出し、基準代表点2201と代表点2221で構成されるベクトルを抽出する。したがって、代表点2231、代表点2232、代表点2233は抽出しない。ここで、基準代表点2201から最も近いとしたが、半円でドーナツ状の探索範囲2250内において最も近いの意である。基準代表点2201から近い領域(探索範囲2250の中心側で基準代表点2201の周囲の白い領域)は、探索範囲外にあるため、抽出する代表点には含めないようにしている。探索範囲2250の幅は、予め定められた幅であるが、例えば、対応線数によって定まる範囲である。より具体的には、線数が100線〜200線ならば12画素〜24画素である。また、基準代表点2201から半径12画素の半円状の範囲は、対象外とする。
また、左上方向、右上方向を例示したが、右上方向、右下方向の組み合わせ、右下方向、左下方向の組み合わせ、左下方向、左上方向の組み合わせであってもよい。
【0056】
図23は、ベクトルの算出処理例を示す説明図である。図22の例で、抽出されたベクトルを示している。つまり、基準代表点2201と代表点2221によって規定されるベクトルをv1とし、基準代表点2201と代表点2211によって規定されるベクトルをv2としている。
なお、予め定められた角度(例えば、0度、45度、90度)とのずれが予め定められた画素数(例えば、1画素)以内なら、その予め定められた角度の代表点として、ベクトルを抽出してもよい。
また、ベクトルの算出は、全ての代表点を基準代表点(原点)とした場合について算出してもよいし、予め定められた数の代表点を基準代表点(原点)とした場合について算出してもよいし、予め定められた位置(ランダムに定められた位置であってもよい)にある代表点を基準代表点(原点)とした場合について算出してもよい。
【0057】
ステップS214では、スクリーン線数・角度抽出モジュール160が、ベクトルを集計して、スクリーンの線数、角度を抽出する。ステップS212で算出したベクトルの終点(基準代表点(原点)ではない代表点)をプロットする。つまり、図23に例示した座標系で、終点の位置をカウントする。
図24は、ドット集中型ディザスクリーンについてのベクトルの分布例を示す説明図である。基準代表点2401を原点とした座標系において、色の濃い位置は分布数が多いことを示している。基準代表点2401に対して右上方向にある矩形内においては、右下に分布数が多いことを示しており、基準代表点2401に対して左上方向にある矩形内においては、右上に分布数が多いことを示している。
図25は、ドット分散型ディザスクリーン、誤差拡散スクリーン、FMスクリーンについてのベクトルの分布例を示す説明図である。基準代表点2501を原点とした座標系において、色の濃い位置は分布数が多いことを示している。図24の例と比較すると、顕著に分布数が多い位置はない。
【0058】
この分布から、ピークとなる位置を抽出する。なお、ピークであるかどうかは、(1)1位の値と2位の値との差、(2)全体に占める割合等、を予め定められた閾値と比較して(例えば、閾値以上)判定する。また、局所範囲の最大値のS/N比を予め定められた閾値と比較して(例えば、閾値以上)判定する(特開2005−221276号公報参照)。Χ(カイ)2分布のQ値を予め定められた閾値と比較して(例えば、閾値以上)判定する(JAXA公開資料参照)等がある。
図26は、1位の値と2位の値とを用いたピークを決定する処理例を示す説明図である。図26に示すヒストグラム例は、横軸に座標位置、縦軸に分布数を示す。図26(a)のヒストグラム例は、図24の例に対応するものであり、1位の値と2位の値との差が閾値以上であり、ピークと判断したものである。図26(b)のヒストグラム例は、図25の例に対応するものであり、1位の値と2位の値との差が閾値未満であり、ピークとは判断できなかったものである。このように、ピークを抽出できなかった場合は、ドット集中型ディザスクリーンではないことを判断するようにしてもよい。そして、その旨を出力モジュール170が出力するようにしてもよい。
なお、ドット分散型ディザスクリーン、誤差拡散スクリーン、FMスクリーンは中心点間の距離が短くかつ濃度により分布範囲が変わり、方向も一定しないため、ピークが抽出できない。また、ラインスクリーンは濃度によってドット分散型ディザスクリーンと同様となるか、スクリーンの各線がそれぞれ1つの巨大な領域となるため、ピークが抽出できない。
【0059】
ピークの位置から、スクリーンの線数と角度を算出する。
スクリーンの線数は、原点(基準代表点)とピークの位置との距離、解像度を用いて算出する。原点とピークの位置との距離は、ベクトルの大きさに該当し、代表点決定モジュール140が決定した代表点(網点の中心等)間の距離である。この距離と解像度を用いて実際の距離(例えば、単位がインチ等)を算出し、その逆数によって線数(単位長さあたりの網点の密度)を算出する。
また、スクリーンの角度は、ベクトルの角度に該当し、原点とピーク(例えば、原点に対して右上の矩形内にあるピーク)の位置によって構成される線と基準線(例えば、水平線(x軸))とによって構成される角度がスクリーンの角度となる。
また、ここで、スクリーン線数・角度抽出モジュール160は、抽出したスクリーンの線数又は角度と予め定められた線数又は角度との差が予め定められた関係にある場合は、その抽出したスクリーンの線数又は角度をその予め定められた線数又は角度として抽出するようにしてもよい。
【0060】
ステップS216では、出力モジュール170が、スクリーンの線数、角度を出力する。そして、そのスクリーンの線数、角度を受け取った画像処理装置は画像処理を行う。例えば、多値化処理、文字領域と写真等のイメージ領域を分離する処理等の画像処理がある。
【0061】
図27は、対象とする画像の例を示す説明図である。本実施の形態である画像処理装置は、受付モジュール110が受け付けた画像2700に対して、以下に示すような領域を対象としてもよい。
図27(a)の例では、画像2700の全画像領域2710を対象としている。他の例と比べて、正確であるがページメモリを必要とする。
【0062】
図27(b)の例では、画像2700の複数ライン領域2720を対象としている。複数ライン領域2720は、予め定められた領域であってもよいし、中間調領域を画像処理によって抽出し、その中間調領域が含まれるような領域としてもよい。図27(a)の例と比較すると、精度は落ちるがメモリ量が少なくて済む。例えば、ハードウェアによる高速化に適している。
【0063】
図27(c)の例では、画像2700のサンプル数達成領域2730を対象としている。サンプル数達成領域2730は、予め定められたサンプル数(前述のベクトル数又は分布数)以上になった領域であり、そのサンプル数になったところで処理を打ち切る。図27(a)の例と比較すると、精度は落ちるが処理時間が短くなる。例えば、ソフトウェアによる高速化に適している。
【0064】
図27(d)の例では、画像2700のスクリーン領域2740、スクリーン領域2745を対象としている。スクリーン領域2740、スクリーン領域2745の選択は、操作者のマウス、キーボード、タッチパネル等を用いた選択、中間調領域を画像処理によって選択するようにしてもよい。また、この場合は、選択された領域毎にスクリーンの線数と角度を算出するようにしてもよい。したがって、1つの画像内に種類が異なるスクリーンを用いた領域がある場合にも対応し得る。
【0065】
図28を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図28に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部2817と、プリンタなどのデータ出力部2818を備えたハードウェア構成例を示している。
【0066】
CPU(Central Processing Unit)2801は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、特徴点抽出モジュール120、特徴点選定モジュール130、代表点決定モジュール140、ベクトル算出モジュール150、スクリーン線数・角度抽出モジュール160等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0067】
ROM(Read Only Memory)2802は、CPU2801が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)2803は、CPU2801の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス2804により相互に接続されている。
【0068】
ホストバス2804は、ブリッジ2805を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス2806に接続されている。
【0069】
キーボード2808、マウス等のポインティングデバイス2809は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ2810は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0070】
HDD(Hard Disk Drive)2811は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU2801によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、受け付けた画像、抽出した特徴点の座標、その方向、ベクトル、スクリーンの線数、角度などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0071】
ドライブ2812は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体2813に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース2807、外部バス2806、ブリッジ2805、及びホストバス2804を介して接続されているRAM2803に供給する。リムーバブル記録媒体2813も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0072】
接続ポート2814は、外部接続機器2815を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート2814は、インタフェース2807、及び外部バス2806、ブリッジ2805、ホストバス2804等を介してCPU2801等に接続されている。通信部2816は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部2817は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部2818は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0073】
なお、図28に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図28に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図28に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
なお、各モジュールの処理内容として背景技術で説明した技術を採用してもよい。
【0074】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
110…画像受付モジュール
120…特徴点抽出モジュール
130…特徴点選定モジュール
140…代表点決定モジュール
150…ベクトル算出モジュール
160…スクリーン線数・角度抽出モジュール
170…出力モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像内の領域の角に位置する画素である特徴点と該領域内における該特徴点の位置関係を示している方向を抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の色と該特徴点の位置と該特徴点における方向に基づいて、特徴点と該特徴点に対応する特徴点の組を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定する代表点決定手段と、
前記代表点決定手段によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出するベクトル算出手段と、
前記ベクトル算出手段によって算出されたベクトルの分布に基づいて、前記画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出するスクリーン線数角度抽出手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記特徴点抽出手段は、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素とを結ぶ線によって構成される角度に基づいて特徴点を抽出すること、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係に基づいて特徴点を抽出すること、又は特徴点が含まれている領域と予め定められたパターンとが一致するか否かに基づいて特徴点を抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴点抽出手段は、特徴点と該特徴点が含まれている領域内にあって該特徴点の周囲にある複数の画素との位置関係によって定まる方向を抽出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記スクリーン線数角度抽出手段は、前記抽出したスクリーンの線数又は角度と予め定められた線数又は角度との差が予め定められた関係にある場合は、該抽出したスクリーンの線数又は角度を該予め定められた線数又は角度として抽出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ベクトル算出手段は、前記代表点決定手段によって決定された代表点のうち基準となる代表点を第1の代表点として選択し、該基準となる代表点から予め定められた第1の距離と第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択し、該第1の代表点と該第2の代表点で構成されるベクトルを算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ベクトル算出手段は、前記第1の代表点を角とする矩形領域であって、互いに隣接する矩形領域内で、前記第1の距離と前記第2の距離の間にある代表点を第2の代表点として選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
画像内の領域の角に位置する画素である特徴点と該領域内における該特徴点の位置関係を示している方向を抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の色と該特徴点の位置と該特徴点における方向に基づいて、特徴点と該特徴点に対応する特徴点の組を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特徴点の組に基づいて、領域を代表する代表点を決定する代表点決定手段と、
前記代表点決定手段によって決定された代表点に基づいて、2つの代表点で構成されるベクトルを算出するベクトル算出手段と、
前記ベクトル算出手段によって算出されたベクトルの分布に基づいて、前記画像内に使用されているスクリーンの線数と角度を抽出するスクリーン線数角度抽出手段
として機能させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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