説明

画像処理装置

【課題】ユーザの利便性を向上することができる画像処理装置を提供すること目的とする。
【解決手段】原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取って得た画像データを処理する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の画像処理機能を備えた画像処理装置、例えば、複合機により原稿の読み取りを行う際、ユーザはコンタクトガラス上に原稿を固定するための圧板(またはプラテン)を持ち上げ、原稿を載置する。その後圧板を下げ、原稿を固定した後に読み取りを行うのが一般的であるが、圧板を上げたまま読み取りを行うこともできる。これは複数原稿を入れ替える際の手間や、本など厚みがあり圧板を下げられない場合があるためである。
【特許文献1】特開2006−17951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、圧板を上げた状態で読み取りを行うと、原稿を照射するランプがユーザの視界に入り、眩しい場合がある。特に小サイズの原稿を読み取る場合、コンタクトガラス上で原稿に覆われない部分からランプの光が直接ユーザに届いてしまう。またユーザによっては、常に圧板を取り外して読み取りを行う場合があり、ユーザが眩しいと感じる頻度も高くなる。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を向上することができる画像処理装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたものである。
【0006】
また、原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたものである。
【0007】
また、原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに対応した第1の読み取り幅と、前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに対応した第2の読み取り幅を比較して小さい方の読み取り幅に応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたものである。
【0008】
また、原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、複写倍率を入力する複写倍率入力手段と、前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに対応した第1の読み取り幅と、前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに対応した第2の読み取り幅と、前記複写倍率入力手段から入力された複写倍率に応じて、次の式(I)を実行して読み取り幅を算出し、その算出した読み取り幅に応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたものである。
読み取り幅=((第1の読み取り幅)×複写倍率)と(第2の読み取り幅)のうち狭い方の読み取り幅)/複写倍率 …(I)
【0009】
また、前記コンタクトガラスに入射される外光を検出する外光センサをさらに備え、前記外光センサが検出した外光量が所定値よりも大きい場合、前記制御手段の制御を行わせ、前記外光量が所定値以下の場合、前記制御手段の制御を行わせないようにしたものである。
【0010】
また、前記照明幅可変線状光源は、多数の発光ダイオード素子を一列に並べてなる発光ダイオードアレイと、前記多数の発光ダイオード素子の点灯を駆動する点灯駆動手段からなるものである。
【0011】
また、前記照明幅可変線状光源は、線状光源と、当該線状光源と前記原稿の読取面の間に設けられ、前記線状光源から出射される照明光を、前記線状光源の長尺方向に複数段階に遮光するシャッタ機構からなるものである。
【発明の効果】
【0012】
したがって、本発明によれば、ユーザが圧板やプラテンを閉めずに原稿読み取り作業や複写作業を行った場合、実際に必要な画像の読み取り幅のみ、原稿の読取面を照明するので、ランプの光がユーザの目に入って眩しく感じるような不具合を解消することができるという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1(a)は、本発明の一実施例にかかる画像形成装置の構成例を示している。
【0015】
同図において、自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部30上のプリントキー34が押下されると、一番下の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。
【0016】
また、この画像形成装置は、一枚の原稿を給送完了により原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。また、開閉センサSS1は、ADF1がコンタクトガラス6を覆う態様(すなわち、「閉」状態)にあるか否かを検出するためのものであり、外光センサSS2は、コンタクトガラス6を透過して筺体内部に入射される外光の光量を検出するためのものである。また、基準白板WWは、シェーディング補正(後述)に使用される基準白画像を形成するためのものである。
【0017】
給送された原稿は読み取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取り後、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4および排送ローラ5によって排出される。
【0018】
さらに、原稿セット検知7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は搬送モータ26によって駆動される。
【0019】
第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙(記録紙)は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。また、第1トレイ8、第2トレイ9、および、第3トレイ10には、それぞれ収容した転写紙のサイズ(大きさと載置態様;後述)を検出するための転写紙サイズ検出機構が設けられている。この転写紙サイズ検出機構は、例えば、ダイアルにより転写紙サイズをセットする等、周知の構成のものである。
【0020】
読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57からのレーザーによって感光体15に書き込まれ、現像ユニット27を通過することによってトナー像が形成される。
【0021】
そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送されながら、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を定着させ、排紙ユニット18によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
【0022】
後処理装置のフィニシャ100は、本体の排紙ローラ19によって搬送された転写紙を、通常、排紙ローラ102方向、あるいは、ステープル処理部方向へ導くことができる。
【0023】
切り替え板101を上に切り替えることにより、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙することができる。
【0024】
また、切り替え板101を下方向に切り替えることで、搬送ローラ105,107を経由して、ステープル台108へ搬送することができる。
【0025】
ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了とともにステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0026】
一方、通常の排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0027】
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えの為の分岐爪112を上側にセットすることで、一旦、両面給紙ユニット111にストックする。
【0028】
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えの為の分岐爪112を下側にセットし、排紙トレイ104に導く。
【0029】
この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。また、画像の載った転写紙の裏面に印字を行なう際にも両面給紙ユニット111を用いて転写紙の裏表を変える。
【0030】
感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27はメインモータ25によって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータ25の駆動を各々給紙クラッチ22〜24によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14はメインモータ25の駆動を中間クラッチ21によって伝達駆動される。
【0031】
また、読み取りユニット50には、図2に示すように、コンタクトガラス6に載置された原稿のサイズ(大きさと、載置態様(縦置き/横置き))を検出するための原稿サイズ検出センサSB1〜SB5が配設されている。
【0032】
この場合、コンタクトガラスに6にA5横置きの原稿が載置された場合は、原稿サイズ検出センサSB1のみがオン動作し、他の原稿サイズ検出センサSB2〜SB5はオフ動作する。また、A4縦置きの原稿が載置された場合は、原稿サイズセンサSB1,SB2がオン動作し、原稿サイズ検出センサSB2〜SB5はオフ動作する。また、B4縦置きの原稿が載置された場合は、原稿サイズセンサSB1〜SB3がオン動作し、原稿サイズセンサSB4,SB5はオフ動作する。また、A4横置きの原稿が載置された場合は、原稿サイズセンサSB1,SB5がオン動作し、原稿サイズセンサSB2〜SB4はオフ動作する。
【0033】
このようにして、原稿サイズセンサSB1〜SB5のオンオフ動作に基づいて、コンタクトガラス6に載置された原稿のサイズ(大きさと、載置態様(縦置き/横置き))を検出することができる。
【0034】
図3は、操作部30の構成例を示した図である。
【0035】
操作部30には、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、プリントキー34、予熱キー35、リセットキー36、初期設定キー37があり、液晶タッチパネル31には、各種機能キーおよび画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0036】
オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチすることで詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行なうことが可能である。
【0037】
初期設定キー37を押すことで、機械の初期状態を任意にカスタマイズすることが可能である。機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定したりすることが可能である。
【0038】
また、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等も選択すること、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定や、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定することが可能である。
【0039】
予熱キー35を押すと、機械は待機状態から、電力低減状態に移行し、定着温度を低下させたり、操作部の表示を消灯したりする。予熱状態は、国際エネルギースター計画で言う、低電力状態を意味している。また、予熱状態、オフ状態/スリープ状態を解除し、待機状態に移行させるには、この予熱キーを再度押下する。
【0040】
コピーキー38の押下により、コピー機能の使用が可能である。そのほか、コピーサーバーキー39は、既存の蓄積画像データの編集(コピーモード設定、印刷、削除)を行なうときに使用する。スキャナアプリキー41は原稿を機器内部の記憶装置に蓄積するとき、スキャナより読み取った入力画像や蓄積されている画像データなどを外部に送信するとき等に使用する。
【0041】
図4は、操作部30の液晶タッチパネル31の表示の一例を示している。
【0042】
オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。
【0043】
また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチすることで、詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行なうことが可能である。
【0044】
図4において左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー、デジタル複写機のネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトする連結モードキーである。
【0045】
また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
【0046】
図5は、メインコントローラを中心に、制御装置を図示したものである。
【0047】
メインコントローラ20は画像形成装置全体を制御する。
【0048】
メインコントローラ20には、オペレータに対する表示、オペレータからの機能設定入力制御を行なう操作部30、スキャナの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの作像を行なう制御等を行なう画像処理ユニット(IPU)49、原稿自動送り装置(ADF)1、等の分散制御装置が接続されている。各分散制御装置とメインコントローラ20は必要に応じて機械の状態、動作司令のやりとりを行っている。
【0049】
また、紙搬送等に必要なメインモータ25、各種クラッチ21〜24も接続されている。また、センサ群SSkは、開閉センサSS1、外光センサSS2、および、原稿サイズ検出センサSB1〜SB5などの各種センサからなり、これらのセンサ群SSkからの検出信号は、メインコントローラ20へ出力されている。
【0050】
ここで、図1(a)に戻り、画像形成装置の原稿読み取りから、画像の書き込みまでを説明する。
【0051】
読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されており、光学走査系は、多数のLEDを主走査方向へ配列して構成された線状光源51(図1(b)参照)、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々で構成されている。
【0052】
線状光源51および第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55および第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジ第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。
【0053】
この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて処理される。
【0054】
書き込みユニット57はレーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)が備わっている。
【0055】
書き込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。
【0056】
図6は、画像処理ユニット(IPU)49の内部構成の一例を示している。
【0057】
線状光源51から照射された光の反射を、CCDイメージセンサ54にて光電変換し、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換する。
【0058】
デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正62がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされる。
【0059】
その後、印字合成部71を介して入力した画像データを変倍回路76へ、或いは、画像メモリコントローラ65へ切り替えて供給するものであり、変倍回路77を経由した画像信号は変倍率に合せて拡大縮小され、書き込みユニット57に送られる。
【0060】
一方、画像メモリコントローラ65とセレクタ64間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。
【0061】
なお、図6には特に明示していないが、IPU49には読み取りユニット50から入力される画像データ以外にもI/Oポート67を介して外部から供給される画像データ、例えば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から入力したデータも処理できるよう、複数データの入出力選択を行なう機能を有しているものとする。
【0062】
また、画像メモリコントローラ65等への設定や、読み取り部50、書き込み部57の制御を行なうCPU68、およびそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70、NV−RAM74を備えている。
【0063】
さらに、CPU68は、メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書き込み、読み出しが行なえる。原稿画像で画像メモリコントローラ65へ送られた画像は、画像メモリコントローラ内にある画像圧縮装置によって画像データを圧縮した後、画像メモリ66に送られる。
【0064】
ここで、画像圧縮する理由は、次のようなものである。最大画像サイズ分の256階調のデータをそのまま画像メモリ66に書き込むことも可能であるが、1枚の原稿画像で画像メモリを大変多く使用する。そこで、画像圧縮を行なうことで、限られた画像メモリを有効に利用できるようにしているのである。
【0065】
また、一度に多くの原稿画像データを記憶することができるため、ソート機能として、貯えられた原稿画像イメージデータをページ順に出力することができる。
【0066】
この場合、画像を出力する際に画像メモリ66のデータをメモリコントローラ65内の伸長装置で順次伸長しながら出力を行なう。
【0067】
このような機能は、一般に「電子ソート」と呼ばれている。また画像メモリの機能を利用して、複数枚の原稿画像を、画像メモリの転写紙一枚分のエリアを分割したエリアに順次読み込むことも可能となる。
【0068】
例えば、4枚の原稿画像を、画像メモリの転写紙一枚分の4等分されたエリアに順次書き込むことで、4枚の原稿が一枚の転写紙イメージに合成され集約されたコピー出力を得ることが可能となる。このような機能は一般に「集約コピー」と呼ばれている。
【0069】
画像メモリ66の画像はCPU68からアクセス可能な構成となっている。このため画像メモリの内容を加工することが可能であり、例えば画像の間引き処理、画像の切り出し処理等が行なえる。加工には、メモリコントローラ65のレジスタにデータを書き込むことで画像メモリの処理を行なうことができる。
【0070】
加工された画像は再度画像メモリに保持される。画像メモリ66は、処理を行なう画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成をとっている。各分割したエリアに画像データの入力、出力をそれぞれ並列に実行可能にするためにメモリコントローラとのインターフェースにリード用とライト用の二組のアドレス・データ線で接続されている。
【0071】
これにより、エリア1に画像を入力(ライト)する間に、エリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0072】
画像メモリ66は、多くの画像データを収納するためハードディスクを別に設けることもある。ハードディスクを用いることにより、外部電源が不用で永久的に画像を保持できる特徴もある。複数の定型の原稿(フォーマット原稿)をスキャナで読み込み保持するためには、このハードディスクが用いられるのが一般的である。
【0073】
書き込み、読み出しには本体の作像やスキャナからの画像書き込みに対し処理速度の差を吸収する為に、画像メモリに一旦記憶され処理される。また、画像記憶装置からのデータを書き込みユニット57に送る際は、画像メモリ66に一旦記憶し、書き込みユニット57に送ることになる。このように画像を記憶する装置の画像メモリ66、HD75、スキャナ画像、書き込みユニットに送る画像の入出力は全てメモリコントローラ65によって画像パスを決められる。
【0074】
このように、CPU68が画像データの入力、出力を決めることでCPU68に接続されたメモリコントローラ65が画像の流れを切り替えることが可能となる。
【0075】
また、図7に示すように、線状光源51を構成するLEDアレイを駆動するためのLED光源駆動部DDが設けられている。このLED光源駆動部DDは、線状光源51を構成する各LEDを個別に駆動することができる。これにより、線状光源51は、例えば、A3縦原稿の幅寸法、A4縦原稿の幅寸法、B4縦原稿の幅寸法など、読み取り原稿を照明する幅寸法を適宜に調整できるようになっている。また、このLED光源駆動部DDは、I/Oポート67を介してCPU68と通信しており、CPU68から指令された読み取り幅に対応して、線状光源51のLEDアレイを駆動する。
【0076】
ここで、図8(a)〜(f)を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像信号について説明する。
【0077】
フレームゲート信号/FGATE(同図(b))は、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表している。主走査同期信号/LSYNC(同図(a))は、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、ラインゲート信号/LGATE(同図(f))である。
【0078】
これらの信号は、画素クロックVCLK(同図(d))に同期しており、画素クロックVCLKの1周期に対し、1画素8ビット(256階調)のデータが送られてくる。本実施例では、転写紙への書込密度400dpi、最大画素数は、主走査4800画素、副走査6800画素である。また、本実施例では、画像データは値255に近いほど白画像になるとする。
【0079】
なお、印字機能は図6に示すように、画像メモリ66の後段で行ない(印字合成部71)転写紙毎に印字を付加する。
【0080】
また、メインコントローラ20には、種々の設定情報が記憶されている。例えば、図9(a)に示すように、外光センサSS2が検出した外光量に基づいて、制御処理(後述)を切り替えるための外光量判定情報が記憶されている。この外光量判定情報は、2つの閾値1,2からなる。ここで、閾値1<閾値2の関係がある。
【0081】
以上の構成で、ユーザが例えばブック原稿の複写物を作成する場合には、ADF1を開き、ブック原稿をコンタクトガラス6に載置し、操作部30からコピースタートを指令操作する。このとき、ユーザは、操作部30を適宜に操作して、原稿サイズや複写部数などを入力することができる。なお、原稿サイズの入力画面や、複写部数の入力画面等の操作画面は、周知であるので説明を省略する。
【0082】
このようにして、ユーザによりコピースタートが指令されると、メインコントローラ20は、図10に示す処理を行って、コピー動作を行う。
【0083】
すなわち、コピースタートが指令されたことを検出すると(判断S101の結果がYES)、ユーザが原稿サイズを入力しているかどうかを調べる(判断S102)。判断S102の結果がYESになるときには、ユーザにより入力された原稿サイズを、このときの読み取り原稿サイズとして設定する(処理S103)。
【0084】
また、ユーザが原稿サイズを入力しなかった場合で、判断S102の結果がNOになるときには、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出信号に基づいて、コンタクトガラス6に載置された原稿サイズを検出する(処理S104)。
【0085】
このとき、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が適切で、原稿サイズの検出が成功している場合には(判断S105の結果がYES)、そのときの検出サイズを、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S106)。また、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が不適切で、原稿サイズの検出が成功しなかった場合には(判断S105の結果がNO)、設定可能な最大の原稿サイズ(この場合は、「A3縦」)を、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S107)。
【0086】
このようにして、読み取り原稿サイズを設定すると、そのときの読み取り原稿サイズに対応した線状光源51の読み取り幅を設定する(処理S108)。例えば、読み取り原稿サイズがA3縦とA4横の場合には、最大の読み取り幅(297mm)を設定する。また、読み取り原稿サイズがA4縦とA5横の場合には、A4縦の主走査方向の読み取り幅(210mm)を設定する。また、読み取り原稿サイズがB4縦の場合には、B4縦の主走査方向の読み取り幅(257mm)を設定する。
【0087】
そして、その設定した読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、通常のコピー動作(処理S109)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。処理S109の通常のコピー動作では、設定された原稿サイズと等倍の用紙を、転写紙として選択し、当該転写紙を収容しているトレイ(第1トレイ8、第2トレイ9または第3トレイ10)から転写紙を給紙する。
【0088】
このようにして、本実施例では、ユーザがADF1を開いた状態で、コンタクトガラス6に読み取り原稿を載置している場合、ユーザが入力した原稿サイズ、あるいは、検出した原稿サイズに対応した読み取り幅に相当した点灯範囲で、線状光源51が点灯するので、読み取り原稿の周囲から線状光源51の光源光が漏れず、あるいは、漏れてもごく少ない量となり、ユーザが眩しさを感じる度合いを大幅に軽減することができる。また、必要な点灯幅のみ線状光源51が点灯することから、省エネ効果も期待される。
【0089】
ところで、この画像形成装置では、ユーザは、複写時の変倍率を設定することができ、また、給紙トレイも選択することができる。例えば、選択された給紙トレイに収容されている転写紙の用紙サイズが、原稿サイズより小さい場合、転写紙からはみ出る部分の画像データは有効に使用されないので、原稿を照明する幅寸法は、転写紙の用紙サイズに対応した部分だけで足りる。また、変倍率が1.0より大きい場合、転写紙からはみ出る部分の画像は、同様に有効に複写されないので、この場合も転写紙に形成される画像部分のみ原稿を照明できればよいと言うことになる。
【0090】
そこで、が設定された後、給紙トレイが指定されている場合、当該指定された給紙トレイの用紙サイズと、読み取り原稿サイズとを比較して、より小さいサイズに対応した部分のみ線状光源51で照明させるようにする。また、変倍率が設定されている場合には、変倍率も考慮した読み取り幅を算出する。
【0091】
したがって、この場合の読み取り幅は、次の式(II)のようになる。
読み取り幅=((原稿幅×変倍率)と(用紙幅)の小さい方)/変倍率 …(II)
ここで、原稿幅は、読み取り原稿サイズに対応した幅寸法をいい、用紙幅は、転写紙の用紙サイズに対応した幅寸法を言う。
【0092】
この場合、メインコントローラ20は、図11の処理を実行して、コピー動作を行う。
【0093】
すなわち、コピースタートが指令されたことを検出すると(判断S201の結果がYES)、ユーザが原稿サイズを入力しているかどうかを調べる(判断S202)。判断S202の結果がYESになるときには、ユーザにより入力された原稿サイズを、このときの読み取り原稿サイズとして設定する(処理S203)。
【0094】
また、ユーザが原稿サイズを入力しなかった場合で、判断S202の結果がNOになるときには、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出信号に基づいて、コンタクトガラス6に載置された原稿サイズを検出する(処理S204)。
【0095】
このとき、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が適切で、原稿サイズの検出が成功している場合には(判断S205の結果がYES)、そのときの検出サイズを、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S206)。また、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が不適切で、原稿サイズの検出が成功しなかった場合には(判断S205の結果がNO)、設定可能な最大の原稿サイズ(この場合は、「A3縦」)を、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S207)。
【0096】
このようにして、読み取り原稿サイズを設定すると、次に、ユーザにより指定された給紙トレイから、収容されている転写紙の用紙サイズを検出する(処理S208)。この場合、前述したように、第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10には、それぞれ転写紙サイズ検出機構が設けられているので、メインコントローラ20は、指定された給紙トレイの転写紙サイズ検出機構からの出力を得て、用紙サイズを検出する。
【0097】
次に、ユーザにより変倍コピーが指定さているかどうかを調べる(判断S209)。等倍コピーが指定されている場合で、判断S209の結果がNOになるときには、それまでの処理で設定した読み取り原稿サイズに対応した読み取り幅と、用紙サイズに対応した読み取り幅のうち、より小さい寸法を読み取り幅として決定する(処理S210)。例えば、読み取り原稿サイズがB4縦(読み取り幅は257mm)で、用紙サイズがA4縦(読み取り幅は210mm)の場合には、A4縦の読み取り幅210mmを読み取り幅として決定する。
【0098】
そして、その設定した読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、等倍コピー動作(処理S212)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0099】
一方、ユーザにより変倍率が入力されている場合で、判断S209の結果がYESになるときには、上述した式(II)に基づいて、読み取り幅を算出し(処理S213)、その算出された読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、変倍コピー動作(処理S215)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0100】
このようにして、本実施例では、ユーザが作成しようとする複写物の態様、用紙サイズおよび変倍率に応じて、線状光源51の点灯幅が必要幅に調整されるので、読み取り原稿の周囲から線状光源51の光源光が漏れず、あるいは、漏れてもごく少ない量となり、ユーザが眩しさを感じる度合いを大幅に軽減することができる。また、必要な点灯幅のみ線状光源51が点灯することから、省エネ効果も期待される。
【0101】
図12は、メインコントローラ20が行うコピー動作の他の例の処理を示している。
【0102】
この場合、コピースタートが指令されたことを検出すると(判断S301の結果がYES)、開閉センサSS1がADF1の開を検出しているかどうかを調べる(判断S302)。判断S302の結果がNOになる場合には、ADF1が閉じられているので、通常のコピー動作を行う(処理S303)。
【0103】
また、ADF1が開いている場合で、判断S302の結果がYESになるときには、ユーザが原稿サイズを入力しているかどうかを調べる(判断S304)。判断S304の結果がYESになるときには、ユーザにより入力された原稿サイズを、このときの読み取り原稿サイズとして設定する(処理S305)。
【0104】
また、ユーザが原稿サイズを入力しなかった場合で、判断S304の結果がNOになるときには、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出信号に基づいて、コンタクトガラス6に載置された原稿サイズを検出する(処理S306)。
【0105】
このとき、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が適切で、原稿サイズの検出が成功している場合には(判断S307の結果がYES)、そのときの検出サイズを、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S308)。また、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が不適切で、原稿サイズの検出が成功しなかった場合には(判断S307の結果がNO)、設定可能な最大の原稿サイズ(この場合は、「A3縦」)を、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S309)。
【0106】
このようにして、読み取り原稿サイズを設定すると、次に、ユーザにより指定された給紙トレイから、収容されている転写紙の用紙サイズを検出する(処理S310)。この場合、前述したように、第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10には、それぞれ転写紙サイズ検出機構が設けられているので、メインコントローラ20は、指定された給紙トレイの転写紙サイズ検出機構からの出力を得て、用紙サイズを検出する。
【0107】
次に、ユーザにより変倍コピーが指定さているかどうかを調べる(判断S311)。等倍コピーが指定されている場合で、判断S311の結果がNOになるときには、それまでの処理で設定した読み取り原稿サイズに対応した読み取り幅と、用紙サイズに対応した読み取り幅のうち、より小さい寸法を読み取り幅として決定する(処理S312)。例えば、読み取り原稿サイズがB4縦(読み取り幅は257mm)で、用紙サイズがA4縦(読み取り幅は210mm)の場合には、A4縦の読み取り幅210mmを読み取り幅として決定する。
【0108】
そして、その設定した読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、等倍コピー動作(処理S313)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0109】
一方、ユーザにより変倍率が入力されている場合で、判断S311の結果がYESになるときには、上述した式(II)に基づいて、読み取り幅を算出し(処理S315)、その算出された読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、変倍コピー動作(処理S317)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0110】
このようにして、本実施例では、開閉センサSS1がADF1の開放を検出している場合にのみ、線状光源51の点灯幅の制御を行うようにしている。
【0111】
図13は、メインコントローラ20が行うコピー動作のさらに他の例の処理を示している。
【0112】
この場合、コピースタートが指令されたことを検出すると(判断S401の結果がYES)、外光センサSS2より外光量の検出値を入力し(処理S402)、外光量が外光量判定情報の閾値1よりも大きい値であるかどうかを調べる(判断S403)。外光量が閾値1以下の場合は(判断S403の結果がNO)、ADF1が閉じられている場合なので、通常のコピー動作を行う(処理S405)。
【0113】
また、外光量が閾値1よりも大きい場合は(判断S403の結果がYES)、ADF1が開いている場合なので、ユーザが原稿サイズを入力しているかどうかを調べる(判断S406)。判断S406の結果がYESになるときには、ユーザにより入力された原稿サイズを、このときの読み取り原稿サイズとして設定する(処理S407)。
【0114】
また、ユーザが原稿サイズを入力しなかった場合で、判断S406の結果がNOになるときには、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出信号に基づいて、コンタクトガラス6に載置された原稿サイズを検出する(処理S408)。
【0115】
このとき、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が適切で、原稿サイズの検出が成功している場合には(判断S409の結果がYES)、そのときの検出サイズを、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S410)。また、原稿サイズセンサSB1〜SB5の検出動作が不適切で、原稿サイズの検出が成功しなかった場合には(判断S409の結果がNO)、設定可能な最大の原稿サイズ(この場合は、「A3縦」)を、読み取り原稿サイズとして設定する(処理S411)。
【0116】
このようにして、読み取り原稿サイズを設定すると、次に、ユーザにより指定された給紙トレイから、収容されている転写紙の用紙サイズを検出する(処理S412)。この場合、前述したように、第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10には、それぞれ転写紙サイズ検出機構が設けられているので、メインコントローラ20は、指定された給紙トレイの転写紙サイズ検出機構からの出力を得て、用紙サイズを検出する。
【0117】
次に、ユーザにより変倍コピーが指定さているかどうかを調べる(判断S413)。等倍コピーが指定されている場合で、判断S413の結果がNOになるときには、それまでの処理で設定した読み取り原稿サイズに対応した読み取り幅と、用紙サイズに対応した読み取り幅のうち、より小さい寸法を読み取り幅として決定する(処理S414)。例えば、読み取り原稿サイズがB4縦(読み取り幅は257mm)で、用紙サイズがA4縦(読み取り幅は210mm)の場合には、A4縦の読み取り幅210mmを読み取り幅として決定する。
【0118】
そして、その設定した読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、等倍コピー動作(処理S415)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0119】
一方、ユーザにより変倍率が入力されている場合で、判断S413の結果がYESになるときには、上述した式(II)に基づいて、読み取り幅を算出し(処理S417)、その算出された読み取り幅をLEDアレイ光源駆動部DDへ通知して、線状光源51の点灯幅を指定する。その上で、変倍コピー動作(処理S419)を実行して、複写物を作成し、記録出力する。
【0120】
このようにして、本実施例では、外光センサSS2が検出している外光量が閾値1より大きい場合、すなわち、ADF1が開放を検出している場合にのみ、線状光源51の点灯幅の制御を行うようにしている。
【0121】
ところで、上述した実施例では、線状光源51として、LEDアレイを用いて、点灯幅を任意に設定できるようにしているが、例えば、図14(a)に示すような長尺なランプLL(例えば、蛍光灯やキセノンランプなど)を用いた場合には、同図(b),(c)に示すように、ランプLLからコンタクトガラス6までの間に、光源光を主走査方向に部分的に照射するような遮蔽機構を備えたシャッタ機構SSを設けても、同様な光源を実現することができる。
【0122】
この場合、シャッタ機構SSには、光源光を通過する窓APが設けられていて、その窓を幅RW1,RW2,RW3に遮蔽するシャッタ部材ST1,ST2を配設する。そして、このシャッタ部材ST1,ST2を、図15に示すようなシャッタ機構駆動部SSdで駆動することで、必要な光源光の照射寸法を得ることができる。
【0123】
また、図15において、ランプ駆動部LLdは、ランプLLを駆動するものである。
【0124】
ところで、上述した実施例では、点灯幅を任意に設定できる線状光源51を用いて、原稿を照明しているが、図14(a)のランプLLのみ(シャッタ機構SSを備えない)を用いて照明する場合、複写時のユーザの眩しさを防止するためには、ランプLLの光量を減少すればよい。すなわち、この場合には、ランプLLの発光量を減光させる。
【0125】
ただし、ランプLLの発光量を減光した場合、CCD54の読み取り信号を処理するシェーディング補正62やMTF・γ補正63の補正定数を調整する必要があると考えられる。そこで、例えば、シェーディング補正62やMTF・γ補正63のアナログ信号処理の補正定数として、図9(b)に示すようなアナログ処理設定情報をNV−RAM74などに記憶させておく。このアナログ処理設定情報は、通常光量時のシェーディング補正62やMTF・γ補正63の補正定数の設定値を記憶した通常光量時設定値セットと、減光量時のシェーディング補正62やMTF・γ補正63の補正定数の設定値を記憶した減光量時設定値セットからなる。
【0126】
そして、システムとして、同図(c)に示すようなランプ減光機能情報を設け、ユーザの設定値(ランプ減光機能フラグ)を記憶しておく。このランプ減光機能フラグは、ユーザが、ADF1の開放時に、ランプLLを減光させる機能を使用する旨を設定入力しているか否かを記憶するためのものであり、使用することが設定された場合には「オン」が記憶され、使用しないことが設定された場合には「オフ」が記憶される。また、ユーザの設定入力には、適宜な操作画面等が表示されるが、詳細は省略する。
【0127】
図16は、この場合のメインコントローラ20が行うコピー動作の一例を示している。
【0128】
この場合、コピースタートが指令されたことを検出すると(判断S501の結果がYES)、ランプ減光機能フラグの値を調べて、ランプ減光機能がオンになっているかどうかを調べる(判断S502)。判断S502の結果がYESになるときには、外光センサSS2により外光量の検出値を入力し(処理S503)、外光量が外光量判定情報の閾値1よりも大きく、かつ、閾値2よりも小さい範囲の値に含まれるかどうかを調べる(判断S504,S505)。外光量が閾値1以下の場合は(判断S504の結果がNO)、ADF1が閉じられている場合なので、通常のコピー動作を行う。また、外光量が閾値2以上の場合には、アナログ処理を適切に補正できないので、通常のコピー動作を行う。また、ランプ減光機能がオフされていて、判断S502の結果がNOになるときにも通常のコピー動作を行う。
【0129】
通常のコピー動作では、まず、アナログ信号処理の諸定数に通常光量時設定値セットの値をセットし(処理S506)、通常のコピー動作を行う(処理S507)。
【0130】
また、外光量が外光量判定情報の閾値1よりも大きく、かつ、閾値2よりも小さい範囲の値に含まれる場合で、判断S505の結果がYESになるときには、ランプ減光機能を使用する。
【0131】
すなわち、まず、ランプ駆動部LLdに、減光量値に対応した指令値を出力して、ランプLLの光量を減光する(処理S508)。それとともに、アナログ信号処理の諸定数に減光量時設定値セットの値をセットし(処理S509)、コピー動作を行う(処理S510)。
【0132】
ところで、上述した各実施例では、ADFを用いた場合について説明したが、ADFを備えずに、圧板で原稿の背面からコンタクトガラスに密着させる構成の装置であっても、本発明を同様にして適用することができる。
【0133】
また、上述した実施例では、複写機能を備えた画像処理装置について本発明を適用したが、画像読取機能のみを備えた画像処理装置についても、本発明を同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施例にかかる画像形成装置の構成例、および、線状光源51の構成例を示した概略構成図。
【図2】原稿サイズ検出センサの一例を示した概略図。
【図3】操作部30の構成例を示した概略構成図。
【図4】操作部30の液晶タッチパネル31の表示の一例を示した概略図。
【図5】メインコントローラを中心に、制御装置の構成の一例を示したブロック図。
【図6】画像処理ユニット(IPU)49の内部構成の一例を示したブロック図。
【図7】線状光源51の駆動手段の一例を示したブロック図。
【図8】セレクタ64における1ページ分の画像信号を説明するための波形図。
【図9】外光量判定情報、アナログ処理設定情報、および、ランプ減光機能情報の一例を示した概略図。
【図10】メインユニットの処理の一例を示したフローチャート。
【図11】メインユニットの処理の他の例を示したフローチャート。
【図12】メインユニットの処理のさらに他の例を示したフローチャート。
【図13】メインユニットの処理のまたさらに他の例を示したフローチャート。
【図14】光源の他の例を示した概略図。
【図15】光源の駆動手段の他の例を示したブロック図。
【図16】メインユニットの処理の別な例を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0135】
20 メインコントローラ
30 操作部
51 線状光源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、
前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、
前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、
前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、
前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、
前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、
前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、
前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、
前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、
前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、
前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、
前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、
前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、
前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、
前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに対応した第1の読み取り幅と、前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに対応した第2の読み取り幅を比較して小さい方の読み取り幅に応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
原稿が載置されるコンタクトガラスの下面に配設され、前記原稿の主走査方向に長尺な線状光源を、前記原稿の副走査方向へ移動して前記原稿の読取面を照明し、前記読取面からの反射光を縮小光学系によりラインイメージセンサに導き、当該ラインイメージセンサの出力信号に基づいて、前記読取面の画像データを形成する画像処理装置であって、
前記線状光源として、前記読取面を照明する主走査方向の範囲を変化することができる照明幅可変線状光源を用いるとともに、
前記原稿の用紙サイズを入力する用紙サイズ入力手段と、
複写倍率を入力する複写倍率入力手段と、
前記画像データの複写画像を形成する複写画像形成手段と、
前記複写画像形成手段に記録紙を供給する給紙手段と、
前記給紙手段にセットされている前記記録紙のサイズを検出する記録紙サイズ検出手段と、
前記用紙サイズ入力手段から入力された用紙サイズに対応した第1の読み取り幅と、前記記録紙サイズ入力手段が検出した記録紙サイズに対応した第2の読み取り幅と、前記複写倍率入力手段から入力された複写倍率に応じて、次の式(I)を実行して読み取り幅を算出し、その算出した読み取り幅に応じて、前記照明幅可変線状光源に前記読取面を照明させる範囲を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
読み取り幅=((第1の読み取り幅)×複写倍率)と(第2の読み取り幅)のうち狭い方の読み取り幅)/複写倍率 …(I)
【請求項5】
前記コンタクトガラスに入射される外光を検出する外光センサをさらに備え、
前記外光センサが検出した外光量が所定値よりも大きい場合、前記制御手段の制御を行わせ、前記外光量が所定値以下の場合、前記制御手段の制御を行わせないようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記照明幅可変線状光源は、多数の発光ダイオード素子を一列に並べてなる発光ダイオードアレイと、
前記多数の発光ダイオード素子の点灯を駆動する点灯駆動手段からなることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記照明幅可変線状光源は、線状光源と、当該線状光源と前記原稿の読取面の間に設けられ、前記線状光源から出射される照明光を、前記線状光源の長尺方向に複数段階に遮光するシャッタ機構からなることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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