説明

画像処理装置

【課題】管理装置は、振分機能によって処理要求情報が振分された制御装置が保持する機器情報のみならず、他の制御装置が保持している機器情報を取得することが出来る。
【解決手段】管理装置から、画像処理装置に処理を要求する処理要求情報が該画像処理装置に送信され、第1制御装置と、第2制御装置と、を有する画像処理装置において、第1制御装置は、処理要求情報で要求されている処理で用いられ、第1制御装置について示す機器情報が予め記憶されており、管理装置から送信された処理要求情報で要求されている処理で用いられる機器情報が記憶されているか否かを判定し、第1記憶手段に記憶されていないと判定されると、管理装置から送信された処理要求情報を第2制御装置に送信し、第2制御装置は、通信手段により送信された処理要求情報で要求されている処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基本制御装置と、拡張制御装置とを含む画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図1に、画像形成装置100などの機能構成例を示す。図1に示すように画像形成装置100内の基本制御装置110は、画像形成装置100に対して、基本的な制御であるエンジン制御や機器管理などを行う。また、拡張制御装置120は、基本制御装置だけでは実現しない制御であり、例えば色彩微調整機能の制御などを行なう。
【0003】
また、基本制御装置110と拡張制御装置120とは、各々独立しているため、基本制御装置110の機器管理機能と、拡張制御装置120の機器管理機能は、各々独立している。従って、画像形成装置の機器管理を行うためには、基本制御装置110と拡張制御装置120それぞれにIPアドレスを割り当てる。そして、基本制御装置110と拡張制御装置120それぞれと、管理装置130とをネットワーク140で接続させる。管理装置130とは、画像形成装置100の機器管理を行なう装置である。管理装置130は、画像形成装置100に対して、処理要求情報を送信する。処理要求情報とは、画像形成装置100に対して、機器情報の要求や機器情報の設定などを行なわせる情報である。
【0004】
しかし、管理装置から見た場合、ネットワーク140で繋がっており、かつIPアドレスが割り当てられている装置を1つの装置と認識するため、実際には一つの画像形成装置であるにも関わらず、基本制御装置110と拡張制御装置120とを、2つの画像形成装置であると認識してしまう。
【0005】
そこで、図2のように、基本制御装置110と拡張制御装置120のうち、一方の制御装置(図2の例では、拡張制御装置120)のみと、管理装置130とを接続させる。図2のような構成にすることで、管理装置130が、1つの画像形成装置100を2つの画像形成装置(基本制御装置110と拡張制御装置120)であると認識してしまうという問題を解決する。
【0006】
基本制御装置110と拡張制御装置120の有する機器管理機能に関しては、管理装置130と接続されている制御装置(図2に例では、拡張制御装置120)に振り分け機能を具備させる。振り分け機能とは、基本制御装置110、拡張制御装置120のどちらの制御装置の機器管理機能を利用するかを振り分ける機能である。該振り分けは、管理装置130からの処理要求情報の通信規格で定められているポート番号によって行なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の技術では、振分機能125が、処理要求情報の通信規格で定められているポート番号などの情報を基に、管理装置130からの処理要求情報を、基本制御装置110または拡張制御装置120に送信する(振り分ける)。ここで、振分機能125は、拡張制御装置120に処理要求情報を振り分けたとする。また、処理要求情報を画像形成装置の機器情報を管理装置130に送信させる処理を要求する情報であるとする。そして、処理要求情報が振り分けられた拡張制御装置120が、該処理要求情報に応じた処理を行う。
【0008】
しかし、この処理で用いられる機器情報は、基本制御装置110または拡張制御装置120で独立している。従って、管理装置130は、処理要求情報が送信された拡張制御装置120が保持している機器情報しか取得することが出来ず、処理要求情報が送信されていない基本制御装置110の機器情報の取得は出来ないという問題があった。
【0009】
そこで、このような問題を鑑みて、本発明では、管理装置は、振分機能によって処理要求情報が振分された制御装置が保持する機器情報のみならず、他の制御装置が保持している機器情報を取得することが出来る画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、所定の制御を行なう第1制御装置と、前記所定の制御以外の制御を行なう第2制御装置と、を有する画像処理装置であって、前記画像処理装置は管理装置と接続されており、該管理装置から、前記画像処理装置に処理を要求する処理要求情報が該画像処理装置に送信され、前記第1制御装置は、処理要求情報で要求されている処理で用いられ、前記第1制御装置について示す機器情報が予め記憶されている第1記憶手段と、前記管理装置から送信された処理要求情報で要求されている処理で用いられる機器情報が前記第1記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、該機器情報が前記第1記憶手段に記憶されていないと判定されると、前記管理装置から送信された処理要求情報を前記第2制御装置に送信する通信手段と、を有し、前記第2制御装置は、前記通信手段により送信された処理要求情報で要求されている処理を行う処理手段を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、管理装置は、振分機能によって処理要求情報が振分された制御装置が保持する機器情報のみならず、他の制御装置が保持している機器情報を取得することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の画像形成装置などの機能構成例を示した図である(その1)。
【図2】従来の画像形成装置などの機能構成例を示した図である(その2)。
【図3】本実施形態の画像形成装置のシステム構成例を示した図である。
【図4】本実施例の画像形成装置のハードウエア構成例を示した図である(その1)。
【図5】本実施例の画像形成装置のハードウエア構成例を示した図である(その2)。
【図6】本実施例の画像形成装置の機能構成例を示した図である。
【図7】本実施例の画像形成装置の処理フローを示した図である。
【図8】別の実施例の画像形成装置の処理フローを示した図である(その1)。
【図9】別の実施例の画像形成装置の処理フローを示した図である(その2)。
【図10】本実施例の対応情報の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。画像処理装置とは、画像を処理する装置であり、例えば、記録媒体に画像形成する画像形成装置や、画像データを補正する画像補正装置や、画像を表示手段に表示させる画像表示装置などを含む。以下では、画像処理装置を画像形成装置であるとして説明する。また、画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。
<画像形成装置システムの構成図>
図3に、本実施形態の画像形成装置のシステム構成例を示す。図3に示すように、本実施形態の画像形成システムの機能構成例を示す。図3の例では、ユーザ環境として、画像形成装置200と仲介装置300とが配置されている。また、ネットワーク500を通じて、管理装置400と、画像形成装置200と仲介装置300とがLAN600により接続されている。画像形成装置200と仲介装置300は、ユーザが保持する装置であり、管理装置400は、画像形成装置200の管理者などが、保持する装置である。管理装置400は、仲介装置300を介して、画像形成装置200と情報の送受信を行なうが、管理装置400が、直接、画像形成装置20と情報の送受信を行なってもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図4は、本発明に係る画像形成装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置200は、操作部(オペレーションパネル)1310、ファクス制御部1530、エンジン部1350と基本制御装置1300のASIC1301とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続した構成となる。
【0015】
基本制御装置1300中のASIC1301は、RAM1302、HDD(Hard Disk Drive)1303等を接続するとともに、このASIC1301とCPU1304とをCPUチップセットのNB1305を介して接続されている。このように、NB1305を介して接続する理由は、CPU1304自体のインタフェースが公開されていないためである。
【0016】
ここで、このASIC1301とNB1305は、単にPCIを介して接続されているのではなく、AGP1308を介して接続されている。CPU1304は、画像入出力装置1200の全体制御を行うものであり、NB(North Bridge)1305は、CPU1304とRAM1306、シリアルバス1307、ASIC1301、LANポート1308とを接続するためのブリッジである。
【0017】
RAM1306は、画像入出力装置の描画用メモリなどとして用いるシステムメモリである。シリアルバス1307は、NB1305とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。RAM1302は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、ASIC1301は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。LANポート1308は、ネットワークを介して他の画像入出力装置と通信するためのLANケーブルを接続するためのI/Fである。
HDD1303は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージであり、オペレーションパネル1310は、操作者からの入力操作の受け付け並びに操作者に向けた表示を行うものである。
【0018】
従って、ASIC1301には、RAM1302を接続するためのRAMインタフェースと、HDD1303を接続するためのハードディスクインタフェースが設けられ、これらの記憶部に対して画像データの入出力を行う場合には、入出力先がRAMインタフェースまたはハードディスクインタフェースに切替えられる。
【0019】
AGP1308は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にする
また、以下の説明では、所定の制御を行う第1制御装置を「基本制御装置」とする。また、所定の制御以外の制御を行なう第2制御装置を「拡張制御装置」という。ここで所定の制御とは、基本的な制御であるエンジン制御や機器管理の制御を行なう。また、所定の制御以外の制御とは、基本制御装置だけでは実現しない制御であり、例えば色彩微調整機能の制御やデータ容量の大きな印刷データの高速描画処理である。
【0020】
図5に画像形成装置200の機能構成例を示す。画像形成装置200は、基本制御装置1300と、拡張制御装置1400と、転送装置1500と、を有する。転送装置1500は、管理装置400からの処理要求情報を、基本制御装置1300または拡張制御装置1400のうちどちらかに、割り振るものである。
【0021】
基本制御装置1300と、拡張制御装置1400と、転送装置1500とは、これら3つの装置それぞれ有するLANポート12、34、1603により、LANなどの内部ネットワーク3300を通して接続されている。基本制御装置1300はCPU1605、HDD1606を備え、コピージョブの実行、および画像形成装置1200全体の処理などを行う。拡張制御装置1400はCPU1607、HDD1608を備え、プリンタジョブの実行を主として行う。
【0022】
LANポート12,34,1603には、内部ネットワーク3300を表す重複しないIPアドレスが設定されている。なお、図5の例では、拡張制御装置1400は1つであるが、複数の拡張制御装置1400を予め具備させてもよく、新たに追加しても良い。
【0023】
また、転送装置1500はLANポート1603の他にLANポート1604を有する。LANポート1604は、ネットワーク600と接続されている。管理装置400や仲介装置300は、LANポート1604に設定されているIPアドレスに対して、処理要求情報の通信が行なわれる。
【0024】
また、処理要求情報とは、例えば、「管理装置400が、画像形成装置200に対して、該画像形成装置200の機器情報を要求する(つまり、管理装置400に対して、画像形成装置200に機器情報を送信させる)第1処理」や、「画像形成装置200が保持している機器情報に基づく機能を画像形成装置200に設定させる第2処理」などを画像形成装置200に対して行わせる情報である。ここで、機器情報とは、例えば、画像形成装置の機器状態,省エネ状態,エラー発生状態,トナー残量,給紙トレイ状態,ジョブ履歴情報などの各種情報のことをいう。また、基本制御装置1300の機器情報と、拡張制御装置1400の機器情報とは、異なるものであり、独立しているものである。また、画像形成装置200の機器情報とは、基本制御装置1300の機器情報と、拡張制御装置1400の機器情報を総合したものである。
【0025】
また、第1処理の具体例として、管理装置400が画像形成装置200に対して、該画像形成装置200のトナー残量(機器情報)を画像形成装置200に送信させる処理である。また第2処理の具体例として、管理装置200が、画像形成装置200が保持している省エネモード(機器情報)を該画像形成装置200に設定させる処理である。
【0026】
以下では、第1実施形態、第2実施形態で、第1処理について説明し、第3実施形態で第2処理について説明する。管理装置400が、画像形成装置200の機器情報を取得するために、画像形成装置200に送信する情報を要求情報という。
[実施形態1]
まず、実施形態1について説明する。図6に、実施形態1の画像形成装置200内の、基本制御装置1300、拡張制御装置1400、転送装置1500の機能構成例を示す。図6に示すように、画像形成装置200内にn個の拡張制御装置1400を具備させてもよいが、実施形態1〜3では、拡張制御装置1400が1つである場合を説明する。また、図7に、本実施形態1の画像形成装置200の処理フローを示す。また、図5に示すように、基本制御装置1300内のLANポート12、拡張制御装置1400内のLANポート34は様々な情報を送受信するものであり、以下の説明では、LANポート12、LANポート34をそれぞれ第1通信手段12、第2通信手段34として説明する。
【0027】
まず、管理装置400が要求情報を画像形成装置200に対して送信すると、画像形成装置200は、転送装置1500のLANポート1604で該要求情報を受信する。そして、振分手段40が、第4記憶手段42に記憶されているルーティングテーブルを参照して、要求情報を基本制御装置1300または、拡張制御装置1400に割り振る(転送する)(ステップS11)。また、振分手段40により最初に要求情報が振り分けられた制御装置を第1制御装置とし、それ以外の制御装置を第2制御装置とする。ここでは、振分手段40が、最初に、基本制御装置1300に要求情報を転送したとする。つまり、第1制御装置は、基本制御装置1300であり、第2制御装置は、拡張制御装置1400となる。
【0028】
そして、基本制御装置1300の第1通信手段12は、要求情報を受信する(ステップS12)。そして、第1判定手段18は第1記憶手段14を確認して、管理装置400から要求されている機器情報が、第1記憶手段14に記憶されているか否かを判定する(ステップS13)。ここで、第1記憶手段14には、予め基本制御装置1300について示す機器情報が記憶されている。
【0029】
第1判定手段18が、第1記憶手段14に機器情報が記憶されていると判定した場合には(ステップS14のYes)、ステップS15に進む。ステップS15では、第1処理手段10は、記憶されている機器情報を第1記憶手段14から取得する(ステップS15)。そして、第1処理手段10は、転送装置1500に対して、取得した機器情報を第1通信手段12に送信させる(ステップS16)。転送手段1500が、送信された機器情報を受信すると、管理装置400に該機器情報を転送する(ステップS26)。そして、管理装置400が、転送された機器情報を取得する。
【0030】
一方、ステップS14において、第1判定手段18が、第1記憶手段14に、管理装置400から要求された機器情報が記憶されていないと判定すると(ステップS14のNo)、第1通信手段12は、他の制御装置である拡張制御装置1400に、要求情報を送信する(ステップS20)。そして、第2通信手段34は、要求情報を受信する(ステップS21)。そして、第2処理手段30は、受信した要求情報で要求されている機器情報を第3記憶手段32から取得する(ステップS22)。ここで、第3記憶手段32には、予め拡張制御装置1400について示す機器情報が記憶されている。そして、第2通信手段34は取得した機器情報を基本制御装置1300の第1通信手段12に送信する(ステップS23)。そして、第1通信手段12は、機器情報を取得する(ステップS24)。その後、ステップS16、ステップS26の処理を行う。
【0031】
この実施形態1の画像形成装置によれば、基本制御装置1300(第1制御装置)の第1判断手段18が、第1記憶手段14に機器情報が記憶されているか(つまり、基本制御装置1300自身の機器情報が保持されているか)を判定する。そして、第1記憶手段14に機器情報が記憶されていなければ、他の制御装置(拡張制御装置1400)に機器情報を要求する。従って、転送装置1500の振分手段40によって処理要求情報が振分された制御装置(上記の例では、基本制御装置)が保持する機器情報のみならず、他の制御装置(上記の例では、拡張制御装置)が保持している機器情報を取得することが出来る。
[実施形態2]
次に実施形態2の画像形成装置について説明する。図8に、実施形態2の画像処理装置の処理フローを示す。図7と比較して、図8の例では、ステップS18、ステップS19、ステップS25の処理が追加されている。また、実施形態2の画像形成装置の機能構成例は、図6に示したものと同様である。実施形態2の基本制御装置1300は、第2記憶手段16が具備されている。
【0032】
第2記憶手段16は、第3記憶手段32に記憶されている拡張制御装置1400についての機器情報を記憶するものである。例えば、所定時間ごとに、拡張制御装置1400の第2通信手段34が、基本制御装置1300の第1通信手段12に、第3記憶手段32に記憶されている拡張制御装置1400の機器情報を送信する。そして、基本制御装置1300の第1通信手段12が、拡張制御装置1400の機器情報を受信すると、第2記憶手段16に記憶させる。つまり、第2記憶手段16に記憶されている機器情報と、第3記憶手段32に記憶されている機器情報との同期をとる。このように、第1記憶手段14には、基本制御装置1300の機器情報が記憶されており、第2記憶手段16には、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されている。
【0033】
図8を用いて、実施形態2の画像処理装置の処理の流れを説明する。ステップS14で、第1判定手段18が、第1記憶手段14に基本制御装置1300の機器情報が記憶されていないと判定すると(ステップS14のNo)、ステップS17に移行する。
【0034】
ステップS17では、第2判定手段22は、第2記憶手段16を確認して、第2記憶手段16に拡張制御装置1400の機器情報が記憶されているか否かを判定する。そして、該機器情報が、第2記憶手段16に記憶されている場合には、該機器情報が、有効か否かを判定する。ここで、機器情報が有効であるとは、該機器情報が比較的新しいものであるということである。つまり、第2記憶手段16には、拡張制御装置1400の機器情報を記憶させる際には、該機器情報と、該機器情報の記憶日時を対応付けて、記憶させるようにする。そして、第2判定手段22が、該機器情報が有効か否かを判定する際には、該機器情報の記憶日時と、現在の日時との時間差が、予め定められた所定時間以下であれば、該機器情報は比較的新しいものであるため、第2判定手段22は、該機器情報は有効であると判定する。
【0035】
逆に、第2判定手段22が、該機器情報の記憶日時と、現在の日時との時間差が、予め定められた所定時間以上であれば、該機器情報は古いものであるため、第2判定手段22は、該機器情報は無効であると判定する。第2判定手段22は、機器情報が有効であるか否かを判定する必要はなく、機器情報が、第2記憶手段16に記憶されているか否かのみを判定するようにしても良い。
【0036】
第2判定手段22が、第2記憶手段16に記憶されている拡張制御装置1400の機器情報が有効であると判定すると(ステップS18のYes)、第1処理手段10は、第2記憶手段から拡張制御装置1400の機器情報を取得する(ステップS19)。そして、ステップS16、ステップS26の処理を行う。
【0037】
一方、第2判定手段22が、機器情報は無効である、または、第3記憶手段32に機器情報が記憶されていないと判定すると(ステップS18のNo)、ステップS20へ移行する。実施形態1で説明したように、ステップS20〜ステップS24の処理で、第1通信手段12は、拡張制御装置1400の機器情報を取得する。そして、更新手段24は、ステップS24で取得した拡張制御装置1400の機器情報を第2記憶手段16に記憶させる(ステップS25)。そして、ステップS16、ステップS26の処理を行う。
【0038】
この実施形態2の画像形成装置によれば、拡張制御装置1400の機器情報を記憶させる第2記憶手段16を有する。そして、第1記憶手段14に基本制御装置1300の機器情報が記憶されておらず(ステップS14のNo)、第2記憶手段16に拡張制御装置1400の機器情報が記憶されている場合には(ステップS18のYes)、該機器情報を管理装置400に転送する。
【0039】
一方、第2記憶手段16に拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていない場合には(ステップS18のNo)、拡張制御装置1400から、拡張制御装置1400の機器情報を受信し(ステップS20〜S24)、該拡張制御装置1400の機器情報を第2記憶手段16に記憶させる(ステップS25)。
【0040】
このように、拡張制御装置1400の機器情報を記憶する第2記憶手段16を有することで、第1記憶手段14に基本制御装置1300の機器情報が記憶されていない場合でも、第2記憶手段16に拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていれば、基本制御装置1300は、拡張制御装置1400に要求情報を送信する必要がない。従って、第2記憶手段16を有することで、基本制御装置1300から、拡張制御装置1400に要求情報を送信する回数を減少させることが出来、結果として、管理装置400からの機器情報への転送時間を減少させることが出来る。
【0041】
また、第2記憶手段16に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていない場合でも、該機器情報をステップS25で記憶させるので、それ以降では、更に、基本制御装置1300から、拡張制御装置1400に要求情報を送信する回数を減少させることが出来、結果として、管理装置400からの機器情報への転送時間を減少させることが出来る。
[実施形態3]
次に実施形態3の画像形成装置について説明する。図9に実施形態3の画像形成装置の処理フローを示す。また、実施形態3の画像形成装置の機能構成例は図6に示すとおりである。
【0042】
上述のように、実施形態3の画像形成装置は、第2処理を行うものである。第2処理とは上述のように、「画像形成装置200が保持している機器情報、つまり、基本制御装置1300が保持している機器情報、または、拡張制御装置1400が保持している機器情報に基づく機能を画像形成装置200に設定させる処理(第2処理)」である。また、以下の説明では、画像形成装置200が有する機器情報を該画像形成装置200が設定することを要求する、管理装置400から送信される情報を設定情報という。上述のように、第2処理の具体例として、管理装置400が、画像形成装置200が保持している省エネモード(機器情報)を該画像形成装置200に設定させる処理である。
【0043】
まず、管理装置400が設定情報を画像形成装置200に対して送信すると、画像形成装置200内の転送装置1500のLANポート1604が該設定情報を受信する。そして、振分手段40が、第4記憶手段42に記憶されているルーティングテーブルを参照して、設定情報を基本制御装置1300または、拡張制御装置1400に割り振る(転送する)(ステップS31)。ここでは、振分手段40が、基本制御装置1300に設定情報を転送したとする。
【0044】
そして、基本制御装置1300は、第1通信手段12で、設定情報を受信する(ステップS32)。そして、第1判定手段18は第1記憶手段14を確認して、設定情報で設定されることが要求されている機器情報が、第1記憶手段14に記憶されているか否かを判定する(ステップS33)。
【0045】
もし、第1判定手段18が、第1記憶手段14に機器情報が記憶されている場合には(ステップS34のYes)、ステップS35に進む。ステップS35では、第1処理手段10は、機器情報を第1記憶手段14から取得して、該機器情報を設定する(ステップS35)。そして、第1処理手段10は、転送装置1500に対して、機器情報を設定したことを示す結果情報を送信する(ステップS36)。転送手段1500が、結果情報を受信すると、管理装置400に該結果情報を転送する(ステップS37)。管理装置400は、該結果情報を受信することで、画像形成装置200に機器情報が設定されたことを認識する。
【0046】
一方、ステップS34において、第1判定手段18が、第1記憶手段14に、設定要求された機器情報が記憶されていないと判定すると(ステップS34のNo)、第1通信手段12は、他の制御装置である拡張制御装置1400に、設定情報を送信する(ステップS38)。そして、第2通信手段34は、設定情報を受信する(ステップS39)。そして、第2処理手段30は、受信した設定情報で設定されることが要求されている機器情報を第3記憶手段32から取得し、拡張制御装置1400に設定する(ステップS40)。そして、第2通信手段34は機器情報を設定したことを示す結果情報を基本制御装置1300の第1通信手段12に送信する(ステップS41)。そして、第1通信手段12は、結果情報を受信する(ステップS42)。その後、ステップS36、ステップS26の処理を行う。
【0047】
この実施形態3の画像形成装置によれば、基本制御装置1300(第1制御装置)の第1判断手段18が、第1記憶手段14に機器情報が記憶されているか(つまり、基本制御装置1300自身の機器情報が保持されているか)を判定する。そして、第1記憶手段14に機器情報が記憶されていなければ、他の制御装置(拡張制御装置1400)に設定情報を送信する。従って、転送装置1500の振分手段40によって処理要求情報が振分された制御装置(上記の例では、基本制御装置)が保持する機器情報のみならず、他の制御装置(この例では、拡張制御装置)が保持している機器情報を設定することが出来る。
【0048】
また、特に詳細な説明は行なわないが、実施形態3の画像処理装置においても、基本制御装置1300に、第2記憶手段16を具備させて、拡張制御装置1400の機器情報を該第2記憶手段16に記憶させるようにしてもよい。このような構成にすることで、実施形態2で説明した効果を奏することができる。
[実施形態4]
次に、実施形態4の画像処理装置について説明する。実施形態4の画像処理装置では、拡張制御装置1400が、複数ある場合について説明する。図6に示されているように、n個(nは2以上の整数)の拡張制御装置1400が具備されているとする。
【0049】
まず、第1実施形態において、n個の拡張制御装置1400が具備されている場合に、機器情報の検索、取得の手法を第1の手法、第2の手法として説明する。
<第1の手法>
第1の手法として、第1記憶手段14または第2記憶手段16または他の記憶手段に、拡張制御装置1400〜1400と、該拡張制御装置1400〜1400がそれぞれ保有している機器情報と、を対応付けた対応情報を記憶させておく。図10に、該対応情報の一例を示す。図10記載の対応情報では、例えば、拡張制御装置1400は、機器情報αを保有していることを示す。なお、図面簡略化のために、機器情報α〜αには、1以上の機器情報が含まれているとする。
【0050】
そして、ステップS14でNoと判定されると、第1判定手段18が、図10記載の対応情報を確認して、拡張制御装置1400〜1400のうち、どの拡張制御装置に、要求情報で要求されている機器情報が記憶されているかを検索する。そして、要求情報で要求されている機器情報が記憶されている拡張制御装置を確認すると、該拡張制御装置に対して、基本制御装置1300は、要求情報を送信することで、該拡張制御装置から機器情報を取得する。
<第2の手法>
また、第2の手法としては、ステップS14でNoと判定されると、ステップS20で、1つ目の拡張制御装置1400に要求情報を送信する。そして、1つ目の拡張制御装置1400の第2処理手段30が、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されているか否かを判断する。そして、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていれば、ステップS22以降の処理を行う。
【0051】
一方、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていなければ、拡張制御装置1400の第3通信手段34は、次の拡張制御装置1400に要求情報を送信する。そして、2つ目の拡張制御装置1400の第2処理手段30が、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されているか否かを判断する。そして、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていれば、ステップS22以降の処理を行う。一方、第3記憶手段32に、拡張制御装置1400の機器情報が記憶されていなければ、拡張制御装置1400の第3通信手段34は、次の拡張制御装置1400に要求情報を送信する。
【0052】
このように、拡張制御装置1400が複数ある場合には、該複数の拡張制御装置1400〜1400の何れかから、要求情報で要求されている機器情報を取得できる構成とする。第1の手法は、第2の手法と比較して、要求されている機器情報を保持している拡張制御装置を検索する時間が短いという効果がある。一方、第2の手法では、第1の手法で説明した対応情報を基本制御装置1300に記憶させる必要はないという効果がある。
【0053】
また、実施形態2、3についても同様である。
[その他について]
また、上記実施形態1〜3では、処理要求情報を、「管理装置400が、画像形成装置200に対して、該画像形成装置200の機器情報を要求する(つまり、管理装置400に対して、画像形成装置200に機器情報を送信させる)第1処理」と、「画像形成装置200が保持している機器情報を画像形成装置200に設定させる第2処理」と、であると説明した。その他に、処理要求情報としては、画像形成装置200の機器情報を用いるものであり、管理装置400が画像形成装置200に処理を要求する情報であれば何でも良い。
【0054】
また、第1通信手段12の通信規格と、第2通信手段34の通信規格は、異なる通信規格としてもよい。その際には、第1通信手段12と第2通信手段34との間に、通信規格の差異を吸収するラッパー(図示せず)を設定し、そのラッパーを介した処理を行えばよい。例えば、第1通信手段12の通信規格がHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によるものであり、第2通信手段34の通信規格がSNMP(Simple Network Management Protocol)の場合でも、ラッパーを介した処理を行うことで、画像形成装置200の外部から見たときに、ひとつの通信規格で機器管理を行っていると見なすことができる。
【0055】
また、基本制御装置1300は、第1判定手段18と第2判定手段22を具備しているが、これらをまとめて、判定手段としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 第1処理手段
12 第1通信手段
14 第1記憶手段
16 第2記憶手段
18 第1判定手段
22 第2判定手段
24 更新手段
30 第2処理手段
32 第3記憶手段
34 第2通信手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2003−099230号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の制御を行なう第1制御装置と、
前記所定の制御以外の制御を行なう第2制御装置と、を有する画像処理装置であって、
前記画像処理装置は管理装置と接続されており、該管理装置から、前記画像処理装置に処理を要求する処理要求情報が該画像処理装置に送信され、
前記第1制御装置は、
処理要求情報で要求されている処理で用いられ、前記第1制御装置について示す機器情報が予め記憶されている第1記憶手段と、
前記管理装置から送信された処理要求情報で要求されている処理で用いられる機器情報が前記第1記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、該機器情報が前記第1記憶手段に記憶されていないと判定されると、前記管理装置から送信された処理要求情報を前記第2制御装置に送信する通信手段と、を有し、
前記第2制御装置は、
前記通信手段により送信された処理要求情報で要求されている処理を行う処理手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
所定の制御を行なう第1制御装置と、
前記所定の制御以外の制御を行なう第2制御装置と、を有する画像処理装置であって、
前記画像処理装置は管理装置と接続されており、該管理装置は、前記第1制御装置の機器情報または第2制御装置の機器情報を要求する処理要求情報を該画像処理装置に送信し、
前記第1制御装置は、
前記第1制御装置について示す機器情報が予め記憶されている第1記憶手段と、
前記第2制御装置について示す機器情報が予め記憶されている第2記憶手段と、
前記管理装置から送信された処理要求情報で要求されている機器情報が前記第1記憶手段に記憶されていないと判定すると、該機器情報が前記第2記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、該機器情報が前記第2記憶手段に記憶されていないと判定されると、前記管理装置から送信された処理要求情報を前記第2制御装置に送信する通信手段と、を有し、
前記第2制御装置は、
前記通信手段により送信された処理要求情報で要求されている機器情報を前記管理装置に送信する処理手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記第1制御装置は、
前記判定手段により、前記管理装置から送信された処理要求情報で、前記管理装置に送信させる機器情報が前記第2記憶手段に記憶されていないと判定すると、前記第2制御装置から、該第2制御装置について示す機器情報を受信し、該機器情報を前記第2記憶手段に記憶させる更新手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記処理要求情報は、前記第1制御装置の機器情報または前記第2制御装置の機器情報を該画像処理装置に設定させるものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−142861(P2012−142861A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−773(P2011−773)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】