画像出力指示装置及びプログラム
【課題】ユーザが入力した画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求に、処理状態の確認が必要な第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態の確認を確定に行わせることを可能とする。
【解決手段】画像出力指示装置(10)は、画像出力指示(A0001)の処理状態を、第2グループに属するプリンタ(20C)に対する画像出力要求(10003)がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、第1グループに属するプリンタ(20A、20B)に対する画像出力要求(10001、10002)の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段(11)を有する。
【解決手段】画像出力指示装置(10)は、画像出力指示(A0001)の処理状態を、第2グループに属するプリンタ(20C)に対する画像出力要求(10003)がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、第1グループに属するプリンタ(20A、20B)に対する画像出力要求(10001、10002)の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段(11)を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力指示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどのネットワークに複数の画像形成装置が接続された画像出力システムにおいて、ユーザが入力した画像出力指示に基づいて発行される画像出力要求(「印刷ジョブ」ということもある)の処理状態を表示手段に表示することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発行された印刷ジョブに関して、印刷データの識別子と、その出力先の印刷出力装置の識別子と、当該ジョブの処理状態とを含んで構成されるジョブ情報を保持するジョブ情報一覧保持手段と、ネットワーク上の印刷出力装置のジョブ処理状態の情報を取得して管理するプリンタ情報管理手段と、プリンタ情報管理手段の情報に基づきジョブ情報一覧保持手段のジョブ情報のジョブの処理状態を更新するジョブ状態取得手段と、更新されたジョブ情報をディスプレイの表示画面に一覧表示する表示制御手段とを有する印刷指示装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、親印刷ジョブと、親印刷ジョブを元に生成された複数の子印刷ジョブとがある場合に、複数の子印刷ジョブの各々の状況に基づく親印刷ジョブの状況を表示部に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−272557号公報
【特許文献2】特許第3720740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求に、処理状態の確認が必要な第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態の確認を確実に行わせることを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本願の請求項1に係る画像出力指示装置は、第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願の請求項2に係る画像出力指示装置は、請求項1に記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したとき、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したことを示す処理状態として決定することを特徴とする。
【0009】
本願の請求項3に係る画像出力指示装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合は、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の前記予め決められた処理状態と、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて決定する。
【0010】
本願の請求項4に係る画像出力指示装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定された前記画像出力指示の処理状態が予め決められた処理状態の場合、前記画像出力指示の処理状態を、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて改めて決定することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項5に係る画像出力指示装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の態様において、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求の各々を、前記画像出力指示に関連付ける関連付け手段を更に有し、前記関連付け手段は、前記複数の画像出力要求のうちの指定された画像出力要求に対する再出力の指示に基づいて新たに生成され、前記指定された画像出力要求と同じ情報処理装置に対して画像の再出力を要求する画像出力要求を、前記画像出力指示に関連付けるとともに、前記指定された画像出力要求の前記画像出力指示への関連付けを無効とし、前記処理状態決定手段は、前記画像出力指示の処理状態を、前記関連付け手段によって当該画像出力指示に関連付けられた前記画像出力要求の処理状態に基づいて決定することを特徴とする。
【0012】
本願の請求項6に係るプログラムは、コンピュータを、第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び6に係る発明によれば、本構成を有しない発明に比べて、画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求に、処理状態の確認が必要な第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力指示の処理要求の確認を確実に行わせることができる。
請求項2に係る発明によれば、画像出力指示の処理状態に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したか否かが反映される。
請求項3に係る発明によれば、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合に、画像出力指示の処理状態に、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が反映される。
請求項4に係る発明によれば、画像出力指示の処理状態に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態だけでなく、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態も反映される。
請求項5に係る発明によれば、指定された画像出力要求に対して再出力が指示されたとき、再出力の結果が、指定された画像出力要求が関連付けられていた画像出力指示の処理状態に反映される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像出力システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】クライアント装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタ20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】プリントサーバ装置40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】画像出力要求状態一覧テーブル及び画像出力指示状態一覧テーブルの一例を示す図である。
【図6】画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルの一例を示す図である。
【図8】画像出力指示の処理状態を決定するための処理を示すフローチャートである。
【図9】状態遷移の一例を示す表である。
【図10】状態遷移の一例を示す表である。
【図11】画像出力要求の再出力に関するプリントサーバ装置40及びクライアント装置10における処理を示すフローチャートである。
【図12】画像再出力要求が追加された画像出力要求管理テーブルの一例を示す図である。
【図13】画像データの出力としてメール送信、ファクシミリ送信、フォルダへのデータ転送を行う場合のそれぞれの画像出力要求状態一覧テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
(構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像出力システム1の概略構成例を示すブロック図である。本実施形態において、画像出力システム1は、クライアント装置10と、プリンタ20A、20B、及び20Cと、プリントサーバ装置40と、リポジトリサーバ装置50と、これらの間を接続するネットワーク60とを備えて構成されている。画像出力システム1は、例えば、製造業の企業における図面の出力業務(出図業務)に用いられる。
【0016】
クライアント装置10は、例えば、出図業務を行うユーザ(出図オペレータ)が用いるコンピュータ装置である。図2に示すように、クライアント装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、表示部14と、操作部15とを有する。制御部11は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部13に記憶されているプログラムを実行することでクライアント装置10の各部を制御し、様々な機能を実現する。通信部12は、ネットワーク60を介してプリントサーバ装置40との間で行われる通信を制御する。記憶部13は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部14は、例えば液晶表示パネルであり、制御部11の制御の下、様々な情報を表示する。操作部15は、液晶表示パネルの画面上に重ねて配置されたタッチパネルや、テンキー等の操作子を有しており、タッチパネルや操作子の操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。
【0017】
記憶部13には、後述する画像出力指示の処理状態決定において用いられる各種テーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)が格納されている。また、記憶部13に格納されているプログラムには、クライアント装置10において、ユーザが画像出力指示または再画像出力指示を行う場合のGUI(Graphical User Interface)を提供するプログラムが含まれる。
【0018】
プリンタ20A〜20Cのうちプリンタ20A及び20Bは、クライアント装置10の近く(例えば、同じ部屋内)に配置され、クライアント装置10のユーザである出図オペレータの管理下にあるプリンタである。即ち、出図オペレータがプリンタ20A及び20Bの電源のオンオフを行うことができ、また、プリンタ20A及び20Bの状態(例えば、正常動作中、用紙切れ、紙詰まり、トナー切れなど)及びプリンタ20A及び20Bから出力された画像が形成された用紙の状態を出図オペレータが自分で確認することができる。出図オペレータは、プリンタ20A及び20Bから画像が形成された用紙が出力されると、出力された用紙を予め定められた配布先に発送する(集中出図)。
【0019】
一方、プリンタ20Cは、例えば、海外の関連部署に設置されたプリンタのように、クライアント装置10から離れた場所に設置されたプリンタである。プリンタ20Cは、配送コストの削減やリードタイム短縮のため、図面等を必要とする部署において出力するのに用いられる(分散出図)。プリンタ20Cは、クライアント装置10から離れているため、出図オペレータの管理下にない。即ち、出図オペレータは、プリンタ20Cの電源のオンオフを行うことができず、また、プリンタ20Cの状態及びプリンタ20Cから出力された画像が形成された用紙の状態を自分で確認することができない。そのため、プリンタ20Cからの画像出力を指示する画像出力指示(または、それに基づいて発行される画像出力要求)は、時差のためプリンタ20Cに電源が入っていない場合や、プリンタ20Cのトナーや用紙等の消耗品が不足している場合に、処理が完了しないことがある。また、セキュリティーの確保のため、プリンタ20Cへの画像出力指示において親展プリント機能を使うことがある。親展プリント機能とは、例えば出力すべき画像データをプリンタ20Cの記憶部に確保された特定のユーザのフォルダ(親展フォルダ)に格納し、そのユーザの出力指示を受けて画像データの出力がなされるようにする機能である。親展プリント機能を用いる場合、その特定のユーザがフォルダに格納された画像データに気づかない場合など、出力がなされないまま放置されることがある。
【0020】
上記したプリンタ20A及び20Bは、第1グループに属する情報処理装置の一例であり、プリンタ20Cは、第2グループに属する情報処理装置の一例である。尚、以下の説明において、プリンタ20A及び20Bを集中出図用プリンタといい、プリンタ20Cを分散出図用プリンタということもある。
【0021】
プリンタ20A〜20Cは基本的に同じ構成であってよいので、以下の説明において、各プリンタを特に区別しないで説明するときは、添え字を省略し、プリンタ20と称する。図3は、プリンタ20の構成の一例を示すブロック図である。プリンタ20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、表示部24と、操作部25と、画像形成部26とを有する。制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部23に記憶されているプログラムを実行することでプリンタ20の各部を制御し、様々な機能を実現する。通信部22は、ネットワーク60を介してプリントサーバ装置40との間で行われる通信を制御する。記憶部23は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部24は、例えば液晶表示パネルであり、制御部21の制御の下、様々な情報を表示する。操作部25は、液晶表示パネルの画面上に重ねて配置されたタッチパネルや、テンキー等の操作子を有しており、タッチパネルや操作子の操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。画像形成部26は、例えば、通信部22にて受信された画像出力要求(画像データ及び出力設定情報)に基づいて画像を形成し、用紙等の媒体に出力する。また、プリンタ20は、画像が形成された用紙の穴開け、ステープル留め、あるいは折り曲げ等を行う仕上げ部(図示せず)を有してもよい。
【0022】
プリンタ20の記憶部23に格納されているプログラムには、例えば、通信部22にて受信された画像出力要求の処理に不具合が生じた場合に、プリンタ20のユーザが表示部24及び操作部25を用いて、画像出力要求に付随する出力設定情報を変えて再出力を指示するときのGUIを提供するプログラムが含まれる。
【0023】
プリントサーバ装置40は、画像出力システム1における画像出力動作の管理制御を行うコンピュータ装置である。図4に示すように、プリントサーバ装置40は、制御部41と、通信部42と、記憶部43とを有する。制御部41は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部43に記憶されているプログラムを実行することで後述するプリントサーバ装置40の様々な機能を実現する。通信部42は、ネットワーク60を介してクライアント装置10との間で行われる通信及びプリンタ20との間で行われる通信を制御する。記憶部43は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0024】
リポジトリサーバ装置50は、画像出力の対象となる図面や文書等のデータ(データファイル)を格納するコンピュータ装置であり、格納したデータをネットワーク60に接続された各装置に提供するファイルサーバとして機能する。ただし、必ずしもファイルサーバとしての機能を有している必要はなく、例えばクライアント装置10の記憶部13に格納されたデータをプリンタ20から出力する場合には、当該データの一時的な記憶保持を行う機能を実現するものであってもよい。また、リポジトリサーバ装置50は、必ずしもシステム内に独立して構成されている必要はなく、例えばプリントサーバ装置40と一体で構成されたものであってもよい。
【0025】
(動作)
次に、上述したように構成した画像出力システム1の動作について説明する。
【0026】
クライアント装置10のユーザである出図オペレータは、クライアント装置10の操作部15を用いて、ネットワーク60に接続された複数のプリンタ(この例では、プリンタ20A、20B、及び20C)の中から1または複数のプリンタを指定し、指定したプリンタから画像を出力するための画像出力指示を入力する。即ち、操作部15は、ユーザからの画像出力指示を受け付ける受け付け手段として機能する。画像出力の対象となるデータは、例えば、リポジトリサーバ装置50に格納されたデータであってよく、あるいは、クライアント装置10の記憶部13に格納されたデータでもよい。出図オペレータが入力する画像出力指示には、出力対象となるデータを示す情報及び指定された各プリンタの識別情報に加えて、データを各プリンタから出力する際の出力態様を示す出力設定情報が含まれる。出力設定情報には、例えば、用紙サイズ、拡大率/縮小率、片面/両面設定、出力部数、余白、用紙の向き、仕上げの指定(ステープル、穴あけ、2つ折り等)が含まれる。また、例えば遠隔地に設置されたプリンタ20Cからデータを出力する場合に、セキュリティー確保のため、特定のユーザによる承諾がないと出力を行えないようにする親展プリントの設定を画像出力指示に含めてもよい。
【0027】
制御部11は、出図オペレータにより入力された画像出力指示(「親ジョブ」と言うこともある)に基づき、当該画像出力指示において指定された各プリンタに対応する画像出力要求(「子ジョブ」と言うこともある)を生成して、プリントサーバ装置40に送信する。画像出力要求の各々は、出力対象となるデータを示す情報(例えば、リポジトリサーバ装置50に格納されているファイル(図面ファイルや文書ファイル)のファイル名、或いは、ファイルそのもの)と、データの出力先のプリンタを示す情報(識別情報)と、当該プリンタにおいてデータを出力する際の出力設定を示す出力設定情報とを含む。
【0028】
クライアント装置10から画像出力要求を受け取ると、プリントサーバ装置40は、画像出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて、出力対象であるデータを例えばリポジトリサーバ装置50から読み出し、画像出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて画像データへの変換を行った後、画像データを出力設定情報と共に各画像出力要求において指定されたプリンタ20に転送する。また、プリントサーバ装置40は、画像データを出力先のプリンタ20に転送する際、画像出力要求を識別する情報や当該画像出力要求を発行したクライアント装置10を識別する情報をプリンタ20に転送する。プリントサーバ装置40におけるデータの変換は、出力先のプリンタ20が解釈可能な言語やフォーマットにデータを変換する処理を含んでもよい(その場合、プリントサーバ装置40は、いわゆるプリンタドライバに相当する機能を有する)。
【0029】
プリンタ20は、受信したデータを記憶部23に格納するとともに、受信したデータに含まれる画像データ及び出力設定情報に基づいて画像を形成し、用紙等の媒体に出力する。記憶部23に格納されたデータは、例えば、予め定められた期間保持される。記憶部23に格納されたデータに含まれる画像出力要求を識別する情報やクライアント装置10を識別する情報は、例えば、ユーザによる操作部25の操作に応じて、表示部24に一覧表示される。そのとき各画像出力要求の処理状態(出力済み、出力待ち、出力中、異常終了など)を表示してもよい。プリンタ20のユーザは、表示部24に表示された画像出力要求の一覧を見ることで、出力中または出力待ちの画像出力要求や、過去に出力された画像出力要求の状態を確認する。また、操作部25の操作により、出力中または出力待ちの画像出力要求のキャンセルを行う。
【0030】
また、プリントサーバ装置40は、ネットワーク60に接続されているプリンタ20A〜20Cから、各プリンタにおける画像出力要求の処理状態や、各プリンタの装置状態(例えば、電源のオン/オフ、トナー切れ、故障など)を取得し、取得したこれらの情報と自身における各画像出力要求の処理状態とに基づいて、クライアント装置10から受け取った各画像出力要求の処理状態を決定する。決定された各画像出力要求の処理状態は、定期的に、または、クライアント装置10からのリクエストに応じて、プリントサーバ装置40からクライアント装置10に提供される。尚、プリンタ20A〜20Cの装置状態や画像出力要求の処理状態は、プリントサーバ装置40がプリンタ20A〜20Cに対し問い合わせを行い(ポーリング)、その問い合わせに応答して、プリンタ20A〜20Cからプリントサーバ装置40に送信されるものとするとよい。あるいは、プリンタ20A〜20Cにおける装置状態または画像出力要求の処理状態が変更されたときに、プリンタ20A〜20Cからプリントサーバ装置40に送信してもよい。
【0031】
クライアント装置10の制御部11は、通信部12を介してプリントサーバ装置40から画像出力要求の処理状態を受信すると、受信した画像出力要求の処理状態に基づいて、ユーザが入力した画像出力指示の処理状態を決定し、表示部14に表示する。即ち、制御部11は、処理状態取得手段、処理状態決定手段、及び表示制御手段に相当する。
【0032】
以下、クライアント装置10における画像出力指示の処理状態の決定方法について説明する。まず、クライアント装置10における画像出力指示の処理状態の決定に用いられるテーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)について、図5〜図7を参照して説明する。
【0033】
図5は、画像出力要求状態一覧テーブル及び画像出力指示状態一覧テーブルの一例を示す図である。図5(A)に示す画像出力要求状態一覧テーブルには、画像出力要求の処理状態と、その遷移順序を示す番号とが関連付けて示されている。「処理待ち」は、クライアント装置10からプリントサーバ装置40に転送された画像出力要求が、プリントサーバ装置40における処理を待っている状態にあることを示す。「データ変換中」は、画像出力要求の対象であるデータに対しプリントサーバ装置40によって画像データへの変換が行われている状態を示す。「転送待ち」は、データの変換が終了し、プリンタへの転送を待っている状態を示す。この状態は、例えば、転送先のプリンタの電源が入っていない場合やプリンタがオフラインになっている場合に生じる。「転送中」は、プリントサーバ装置40からプリンタへのデータ転送が行われている状態を示す。「プリンタで蓄積」は、プリンタへ転送された画像データがプリンタで蓄積され、出力待ちであることを示す。この状態は、例えば、プリンタの消耗品(例えば、トナーや用紙)が不足しており、その補充を待っている場合に生じる。或いは、画像出力要求が親展プリント機能を用いている場合に、ユーザによる出力指示を待っている場合もこの状態に該当する。「出力中」は、プリンタへ転送された画像データがプリンタによって出力されている状態を示す。「出力完了」は、画像が形成された用紙の排出及び仕上げが終わり画像出力要求の処理が終了したことを示す。「キャンセル」は、画像出力要求がプリンタのユーザまたはクライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)からの指示によって取り消されたことを示す。「異常終了」は、画像出力要求の処理中にエラーが発生して画像出力要求の処理が中断されたことを示す。
【0034】
尚、画像出力要求状態一覧テーブルは、プリントサーバ装置40の記憶部43にも格納されており、プリントサーバ装置40は、画像出力要求の処理状態を決定する際、画像出力要求状態一覧テーブルに示された処理状態のいずれかを画像出力要求の処理状態として決定する。
【0035】
図5(B)に示す画像出力指示状態一覧テーブルには、画像出力指示の処理状態と、その遷移順序を示す番号が関連付けて示されている。画像出力指示の処理状態は、関連する画像出力要求(即ち、その画像出力指示に基づいて発行された画像出力要求)の処理状態から決定される。具体的な画像出力指示の処理状態の決定方法については、後に詳述する。画像出力指示状態一覧テーブルには、「出力中」の後段の状態として、出力指示に基づいて発行された画像出力要求が全て完了した状態である「出力完了」と出力指示に基づいて発行された画像出力要求のうち参照不要として指定した画像出力要求を除いた画像出力要求が完了した状態である「出力完了(分散出図除く)」がある点が、画像出力要求状態一覧テーブルと異なる。「出力完了(分散出図除く)」については後述する。
【0036】
図6は、画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの一例を示す図である。この例では、識別番号(ID)がA0001の画像出力指示から識別番号が10001〜10003の3つの画像出力要求が生成され、識別番号がA0002の画像出力指示から識別番号が10004〜10007の4つの画像出力要求が生成された場合が示されている。
【0037】
図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルには、画像出力指示に基づいて生成された各画像出力要求の識別番号(ID)、処理状態、関連する画像出力指示の識別番号、及び関連する画像出力指示の処理状態決定時に当該画像出力要求の処理状態の参照が必要か否かを示す情報(要参照フラグ)が関連付けて示されている。要参照フラグの値(要または不要)は、例えば、各画像出力要求が出力先として指定するプリンタに応じて決定される。具体的には、集中出図用プリンタ20A及び20Bに対する画像出力要求の要参照フラグは「要」に設定され、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の要参照フラグは「不要」に設定される。即ち、図6(A)の例では、識別番号が10001、10002、10004、10005、及び10007の画像出力要求は、プリンタ20Aまたは20Bに対する画像出力要求であり、識別番号が10003及び10006の画像出力要求は、プリンタ20Cに対する画像出力要求である。尚、画像出力要求管理テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている画像出力要求を「要参照画像出力要求」という。画像出力要求管理テーブルにおける各画像出力要求の処理状態は、プリントサーバ装置40から受信され、更新される。画像出力要求管理テーブルの内容は、ユーザによる操作部15の操作に応じて、表示部14に表示され、それによってユーザは各画像出力要求の処理状態を確認できる。その際、出力対象である図面データや文書データを示す情報(例えば、ファイル名)を併せて表示するとよい。また、画像出力要求管理テーブルが表示された状態で、ユーザが操作部15を操作することで、各画像出力要求に関連付けられた要参照フラグの値を書き換えられるようにしてもよい。
【0038】
図6(B)に示す画像出力指示管理テーブルには、各画像出力指示の識別番号(ID)とその処理状態とが関連付けて示されている。各画像出力指示の処理状態は、後に詳述するように、画像出力要求管理テーブルに示された関連する(即ち、その画像出力指示に基づいて生成された)画像出力要求の処理状態に基づいて決定される。画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの内容は、出図オペレータによる画像出力指示の入力に伴う画像出力要求の生成、各プリンタにおける画像出力要求の処理状態の変化等に応じて更新される。画像出力指示管理テーブルは、ユーザによる操作部15の操作に応じて、表示部14に表示され、それによってユーザは各画像出力指示の処理状態を確認できる。
【0039】
図7は、画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルの一例を示す。図7(A)に示す画像出力要求の要参照状態設定テーブルには、画像出力要求の取り得る各処理状態のうち「異常終了」に対して、参照の要否を示す情報(要参照フラグ)が「要」となっており、他の処理状態に対しては「不要」となっている。これは、図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルにおいて、関連する画像出力指示の処理状態決定時に参照不要となっている画像出力要求であっても、処理状態が「異常終了」の場合は、関連する画像出力指示の処理状態決定時に参照する必要があることを示す。画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて、要参照フラグが「要」になっている処理状態(本例では、「異常終了」)を「画像出力要求の要参照状態」という。
【0040】
図7(B)に示す画像出力指示の要参照状態設定テーブルには、画像出力指示の取り得る各処理状態のうち「出力完了」に対して、参照の要否を示す情報(要参照フラグ)が「要」となっており、他の処理状態に対しては「不要」となっている。これは、図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルにおいて、関連する画像出力指示の処理状態決定時に要参照となっている画像出力要求(要参照画像出力要求)の処理状態から決定した画像出力指示の処理状態が「出力完了」となった場合、当該画像出力指示に基づいて生成された全画像出力要求の処理状態を参照して画像出力指示の処理状態を決定する必要があることを示す。画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて、要参照フラグが「要」になっている処理状態(本例では、「出力完了」)を「画像出力指示の要参照状態」という。
【0041】
尚、図7に示した画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおける各処理状態に対する要参照フラグの値(要または不要)は、例えば、操作部15を介して入力される出図オペレータの指示に基づき制御部11によって設定される。
【0042】
次に、上述したテーブルを用いた画像出力指示の処理状態の決定においてクライアント装置10が行う処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図6の画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルに示した識別番号がA0001の画像出力指示の処理状態の決定を行う場合を例として説明する。尚、以下の説明において、識別番号がA0001の画像出力指示を、単に、「画像出力指示A0001」と言う。画像出力要求についても同様である。
【0043】
画像出力指示の処理状態の決定処理が開始されると、クライアント装置10の制御部11は、記憶部13に格納された画像出力要求管理テーブルにおいて各画像出力要求に関連付けられた画像出力指示の識別番号に基づいて、処理状態の決定がなされる画像出力指示に関連付けられた画像出力要求を抽出する(ステップS1)。本例では、画像出力指示A0001に関連付けられた画像出力要求として、画像出力要求10001〜10003が抽出される。
【0044】
続いて、制御部11は、画像出力要求管理テーブルにおける要参照フラグを参照して、ステップS1で抽出した画像出力要求のうち、要参照フラグが「要」となっている画像出力要求(要参照画像出力要求)を抽出する(ステップS2)。本例では、画像出力要求10001及び10002がステップS2で抽出される。
【0045】
続いて、制御部11は、ステップS1で抽出され、且つ、ステップS2で抽出されなかった画像出力要求のうち、画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」の処理状態を有する画像出力要求(即ち、処理状態が「画像出力要求の要参照状態」に該当する画像出力要求)を抽出する(ステップS3)。本例では、ステップS1で抽出され、且つ、ステップS2で抽出されなかった画像出力要求は、画像出力要求10003のみであり、その処理状態は「データ変換中」である。また、画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」の処理状態は「異常終了」のみである。従って、本例では、ステップS3で抽出される画像出力要求はない。
【0046】
続いて、ステップS2及びS3で抽出した画像出力要求の処理状態に基づいて画像出力指示の状態候補を決定する(ステップS4)。具体的には、ステップS2及びS3において抽出した画像出力要求の処理状態に「出力完了」以外の処理状態が含まれる場合、これら「出力完了」以外の処理状態のうち、図5(A)に示した画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号が一番大きい処理状態を画像出力指示の状態候補とする。本例においては、ステップS2において画像出力要求10001及び10002が抽出され、ステップS3で抽出された画像出力要求はなかったので、ステップS4において参照する画像出力要求は画像出力要求10001及び10002である。画像出力要求10001の処理状態は「データ変換中」であり、画像出力要求10002の処理状態は「処理待ち」であり、いずれも「出力完了」ではない。また、画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、「データ変換中」の遷移順序は「2」であり、「処理待ち」の遷移順序は「1」であるので、「データ変換中」の遷移順序を示す番号の方が大きい。従って、ステップS4において、画像出力指示A0001の状態候補は「データ変換中」であると決定される。一方、ステップS4において参照する画像出力要求の処理状態が全て「出力完了」の場合は、ステップS4において、画像出力指示の状態候補は「出力完了」と決定される。
【0047】
続いて、制御部11は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、図7(B)に示した画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態(即ち、「画像出力指示の要参照状態」)か否か判定する(ステップS5)。ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態ではない場合(ステップS5:NO)、ステップS6に進み、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補を、画像出力指示の処理状態として決定する。本例においては、ステップS4で決定した画像出力指示A0001の状態候補は「データ変換中」であり、図7(B)の画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態は「出力完了」である。従って、ステップS5での判定結果は「NO」であるため、ステップS6において、画像出力指示A0001の処理状態は「データ変換中」であると決定される。
【0048】
一方、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態である場合(ステップS5:YES)、ステップS7に進む。ここで、本例の場合、ステップS5の判定結果が「YES」となるのは、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が「出力完了」の場合のみである。ステップS7では、ステップS1で抽出した画像出力要求(即ち、画像出力指示から生成された全画像出力要求)の処理状態に基づいて、画像出力指示の状態候補を決定する。このステップS7における画像出力指示の状態候補の決定方法は、ステップS4における状態候補の決定方法と同じである。即ち、ステップS1で抽出した画像出力要求の処理状態に「出力完了」以外の処理状態が含まれる場合、これら「出力完了」以外の処理状態のうち、図5(A)に示した画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号が一番大きい処理状態を画像出力指示の状態候補とし、画像出力要求の処理状態が全て「出力完了」の場合は、画像出力指示の状態候補は「出力完了」と決定する。
【0049】
ステップS7の後、制御部11は、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補(本例の場合、「出力完了」)よりも遷移順序が前の処理状態(即ち、図5(B)に示した画像出力指示状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号がより小さい処理状態)か否かを判定する(ステップS8)。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補よりも遷移順序が前の処理状態である場合(ステップS8:YES)、ステップS9に進み、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補の一つ前の遷移順序の処理状態(即ち、「出力完了(分散出図除く)」)を、画像出力指示の処理状態として決定する。一方、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補よりも遷移順序が前の処理状態でない場合(ステップS8:NO)、ステップS10に進み、ステップS7で決定した状態候補を画像出力指示の処理状態として決定する。ここで、本例においてステップS8の判定結果が「NO」となるのは、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が「出力完了」、「キャンセル」、または「異常終了」の場合である。
【0050】
(状態遷移の例1)
次に、具体的な状態遷移の例を用いて、画像出力指示の処理状態の決定方法について更に説明する。図9は、画像出力指示と、画像出力指示から生成された画像出力要求の状態遷移の一例を示す表である。この例では、図6の例と同様に、画像出力指示A0001から、画像出力要求10001、10002、及び10003の3つの画像出力要求が生成された場合を示している。また、画像出力要求10001、10002、及び10003は、それぞれ、プリンタ20A、20B、及び20Cを出力先として指定する画像出力要求とし、集中出図用プリンタ20A及び20Bを出力先として指定する画像出力要求10001及び10002が「要参照画像出力要求」であるとする。更に、図8のフローチャートを用いた画像出力指示の処理状態の決定においては、図5〜図7に示したテーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)が用いられるものとする。
【0051】
図9の表は、順に進む第1〜第7ステージの各々における画像出力要求10001〜10003の処理状態と、画像出力指示A0001の処理状態とを示している。各ステージの画像出力指示A0001の処理状態は、図8に示したフローチャートに従って、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて決定される。
【0052】
第1ステージは、出図オペレータが入力した画像出力指示に基づいてクライアント装置10が画像出力要求をプリントサーバ装置40に送った直後の状態であり、各画像出力要求10001〜10003の処理状態はいずれも「処理待ち」となっている。この場合、図8のフローチャートのステップS1で、画像出力指示A0001に関連する画像出力要求として、画像出力要求10001〜10003が抽出され、ステップS2で、要参照画像出力要求として、画像出力要求10001及び10002が抽出される。ステップS3で抽出される画像出力要求はない。ステップS4では、画像出力指示の状態候補として、「処理待ち」が決定される。この状態候補「処理待ち」は「画像出力指示の要参照状態」(本例では、「出力完了」)ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「処理待ち」であると決定される。
【0053】
第2ステージは、プリントサーバ装置40において、一部の画像出力要求(画像出力要求10001と画像出力要求10003)に対するデータ変換が開始された状態である。第2ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「データ変換中」が決定される。この状態候補「データ変換中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「データ変換中」であると決定される。
【0054】
第3ステージは、画像出力要求10001及び10003のデータ変換が終わり、画像出力要求10001のプリンタ20Aへの転送が開始された状態である。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」となっている。これは、例えば、画像出力要求10003の出力先であるプリンタ20Cの電源が入っていない場合である。また、第3ステージでは、画像出力要求10002のプリントサーバ装置40におけるデータ変換が開始されている。第3ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「転送中」が決定される。この状態候補「転送中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「転送中」であると決定される。
【0055】
第4ステージは、画像出力要求10001のプリンタ20Aへの転送が終了し、プリンタ20Aでの出力が開始された状態である。また、画像出力要求10002のプリンタ20Bへの転送が開始されている。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第4ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力中」が決定される。この状態候補「出力中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「出力中」であると決定される。
【0056】
第5ステージは、画像出力要求10001に基づくプリンタ20Aでの出力が終了し、画像出力要求10001の処理状態が「出力完了」となっている。また、画像出力要求10002のプリンタ20Bへの転送が終了し、プリンタ20Bでの出力が開始されている。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第5ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力中」が決定される。この状態候補「出力中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「出力中」であると決定される。
【0057】
第6ステージは、画像出力要求10002に基づくプリンタ20Bでの出力が終了し、画像出力要求10002の処理状態が「出力完了」となっている。即ち、第6ステージでは、集中出図分の画像出力要求(画像出力要求10001及び10002)の出力が完了している。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第6ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力完了」が決定される。この状態候補「出力完了」は「画像出力指示の要参照状態」であるため、ステップS5の判定結果は「YES」となり、ステップS7に進む。ステップS7で、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「転送待ち」が決定される。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補「転送待ち」は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」よりも遷移順序が前の処理状態であるため、ステップS8の判定結果は「YES」となり、ステップS9で、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補の一つ前の遷移順序の処理状態(即ち、「出力完了(分散出図除く)」)が、画像出力指示の処理状態として決定される。
【0058】
第7ステージは、画像出力要求10003の出力先プリンタであるプリンタ20Cの電源が入れられ、画像出力要求10003に関する画像出力が終了した結果、画像出力要求10003の処理状態が「出力完了」となった状態である。即ち、第7ステージは、集中出図分の画像出力要求だけでなく、分散出図分の画像出力要求(画像出力要求10003)の出力も完了した状態である。第7ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S5の処理は、第6ステージの場合と同じである。ステップS7で、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「出力完了」が決定される。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」よりも遷移順序が前の処理状態ではないため、ステップS8の判定結果は「NO」となり、ステップS10で、ステップS7で決定した状態候補(「出力完了」)が画像出力指示の処理状態として決定される。
【0059】
このように、本実施形態によれば、画像出力指示から生成された画像出力要求に、出図オペレータの管理下にある集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求と、出図オペレータの管理下にない分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求が含まれている場合に、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の処理が停滞していても、集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求の処理が完了すると(即ち、これらの画像出力要求の処理状態が「出力完了」となると)、画像出力指示の処理状態が「出力完了(分散出図除く)」となる。従って、出図オペレータは、画像出力要求の処理状態を個別に確認しなくても、画像出力指示の処理状態から集中出図用プリンタ20Aまたは20Bに対する画像出力要求が全て完了したことを把握して、配布先への発送準備など、次の作業に移ることができるので、作業時間の短縮を図ることができる。
【0060】
また、第6ステージに関連して説明したように、本実施形態によれば、集中出図分の画像出力要求の処理状態に基づいて決定された画像出力指示の処理状態(候補)が、予め定められた処理状態(「出力完了」)の場合、分散出図分の画像処理要求の処理状態も参照して画像出力指示の処理状態が改めて決定されるので、画像出力指示の処理状態(「出力完了(分散出図以外)」)に、集中出図分の画像出力要求の処理状態だけでなく、分散出図分の画像処理要求の処理状態も反映される。
【0061】
(状態遷移の例2)
図10は、画像出力指示と、画像出力指示から生成された画像出力要求の状態遷移の別の例を示す表である。図10に示した状態遷移例は、図9に示した状態遷移例と、第7ステージのみが異なる。従って、第1〜第6ステージについては説明を省略し、第7ステージについてのみ説明する。
【0062】
図10の状態遷移例における第7ステージは、画像出力要求10003の出力先プリンタであるプリンタ20Cの電源が入れられ、画像出力要求10003に関する処理がなされたが、何らかのエラーが発生し、「異常終了」となった状態である。この場合の図8のフローチャートのステップS1及びS2の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS3では、画像出力要求10003が抽出される。画像出力要求10003の処理状態は「異常終了」であり、これは画像出力要求の要参照状態設定テーブルに示される「画像出力要求の要参照状態」だからである。その結果、ステップS4では、ステップS2で抽出された画像出力要求10001及び10002の処理状態及びステップS3で抽出された画像出力要求10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「異常終了」が決定される。この状態候補「異常終了」は「画像出力指示の要参照状態」(本例では、「出力完了」)ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「異常終了」であると決定される。
【0063】
このように、本実施形態によれば、画像出力指示から生成された画像出力要求に、出図オペレータの管理下にある集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求と、出図オペレータの管理下にない分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求が含まれている場合に、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の異常終了が、関連する画像出力指示の処理状態に反映される。
【0064】
(再出力処理)
例えば、プリンタ20において「異常終了」または「キャンセル」となった画像出力要求に対し、クライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)またはプリンタ20のユーザが再出力の指示をすることがある。この再出力の指示は、例えば、プリンタ20のユーザによる操作部25の操作に応じて制御部21が表示部24に画像出力要求の一覧を表示する際、再出力指示用のソフトボタンを表示し、ユーザが操作部25を用いて再出力したい画像出力要求を指定して、再出力指示用のソフトボタンにタッチするのを制御部21が検出することでなされる。また、ユーザによる画像出力要求の指定操作に応じて、制御部21は、指定された画像出力要求の出力設定情報を表示し、ユーザが操作部25を用いて出力設定情報を変更するのを可能とする。
【0065】
図11は、再出力が指示された場合のプリントサーバ装置40及びクライアント装置10における処理を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS101で、プリントサーバ装置40の制御部41は、通信部42を介して、クライアント装置10またはプリンタ20から再出力の指示を受信する。この再出力の指示には、再出力したい画像出力要求(以下、「元の画像出力要求」という)の識別番号及び再出力時に変更する出力設定情報が含まれる。
【0066】
続いて、ステップS102で、プリントサーバ装置40の制御部41は、受信した再出力指示に基づいて再出力用の画像出力要求(「画像再出力要求」という)を生成する。生成された画像再出力要求は、出力対象となるデータを示す情報と、データの出力先のプリンタの識別情報と、出力設定情報とを含む。出力対象となるデータを示す情報と、データの出力先のプリンタの識別情報は、元の画像出力要求と同じである。出力設定情報については、再出力の指示において変更が指示された出力設定情報に関しては、その変更された出力設定情報を適用し、変更指示のなかった出力設定情報に関しては、元の画像出力要求の出力設定情報を引き継いで適用する。またステップS102で、制御部41は、生成された画像再出力要求に関する情報をクライアント装置10に送信する。この画像再出力要求に関する情報には、当該画像再出力要求の識別番号及び当該画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号が含まれる。ここで、画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号は、元の画像出力要求が関連する画像出力指示の識別番号と同じである。
【0067】
クライアント装置10では、プリントサーバ装置40から画像再出力要求に関する情報を受信し(ステップS201)、受信した画像再出力要求に関する情報に含まれる画像再出力要求の識別番号と、画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号を画像出力要求管理テーブルに追加する(ステップS202)。このとき、画像出力要求管理テーブルにおける画像再出力要求の要確認フラグの値は、元の画像出力要求と同じである。また、クライアント装置10は、元の画像出力要求に関連付けて、関連する画像出力指示の処理状態決定において参照しないことを示す「完全除外」フラグを立てる(ステップS203)。この「完全除外」フラグを立てられた画像出力要求は、図8のフローチャートのステップS1において抽出される画像出力要求から除外される。
【0068】
図12は、一例として、図6(A)の画像出力要求管理テーブルの画像出力要求10003に対して再出力の指示がなされた場合に、画像再出力要求として識別番号が10008の画像出力要求が画像出力要求管理テーブルに追加された場合を示す。図12に示すように、追加された画像再出力要求10008は、元の画像出力要求100003が関連付けられていた画像出力指示の識別番号(A0001)と同じ識別番号に関連付けられている。また、元の画像出力要求100003には「完全除外」フラグが立てられている。
【0069】
また、ステップS103において、プリントサーバ装置40は、生成した画像再出力要求に基づいた画像出力のための処理を行う。具体的には、画像再出力要求において指定されたデータを、画像再出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて画像データに変換して、得られた画像データを出力先のプリンタへ転送する。また、同じくステップS103において、プリントサーバ装置40は、処理の進行に応じて画像再出力要求の処理状態を決定して、クライアント装置10に送信する。
【0070】
クライアント装置10では、画像再出力要求が関連する画像出力指示の処理状態を、プリントサーバ装置40から受信した画像再出力要求の処理状態及び当該画像出力指示に関連する他の画像出力要求の処理状態に基づいて図8のフローチャートに従って決定し、表示部14に表示する(ステップS204)。例えば、図10に示した状態遷移例の第7ステージ(即ち、画像出力要求10001及び10002の処理状態は「出力完了」であり、画像出力要求10003の処理状態は「異常終了」であり、画像出力指示A0001の処理状態は「異常終了」となった状態)の後に、画像処理要求10003の再出力を行い、新たな画像処理要求10008が生成され、その処理が正常に終了して「出力完了」の処理状態になったとすると、画像出力指示A0001の処理状態は、画像処理要求10001、10002、及び10008の処理状態(いずれも「出力完了」)に基づいて図8のフローチャートに従って決定されるので、図9に示した状態遷移例の第7ステージの場合と同様に、画像出力指示A0001の処理状態は「出力完了」となる。従って、例えば、再出力の指示がプリンタ20のユーザによってなされた場合でも、その再出力が正常に終了したことを、クライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)は、画像出力指示の処理状態から知ることができる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、画像出力要求の再出力が指示されると、再出力用の新たな画像出力要求(画像再出力要求)が生成され、生成された画像再出力要求は、元の画像出力要求が関連していた画像出力指示に関連付けられる。一方、元の画像出力要求は関連する画像出力指示の処理状態決定において参照対象から除外される。したがって、画像再出力要求の処理状態が、元の画像再出力要求が関連付けられていた画像出力指示の処理状態に反映される。
【0072】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0073】
(変形例1)
上述した実施形態では、画像データの出力先の装置としてプリンタ20A〜20Cを用いた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、画像データの出力の態様として、メールアドレスで識別されるアドレスへのメール送信やファクシミリ装置へのファクシミリ送信、情報処理装置のファイルシステムの所望のフォルダへのデータ転送であってもよい。この場合、メール送信処理、ファクシミリ送信処理、フォルダへのデータ転送処理に対応する画像出力要求状態一覧テーブルはそれぞれ図13の(A)、(B)、(C)のように定義される。
【0074】
(変形例2)
上述した実施形態では、画像出力指示が入力されるクライアント装置は一つのみを示したが、本発明はこれに限定されない。画像出力システム1に、2以上のクライアント装置が含まれていてもよい。
【0075】
(変形例3)
上述した実施形態では、プリントサーバ装置40は、画像データを出力先のプリンタ20にプリンタ20からのリクエストなしに転送したが、本発明はこれに限定されない。プリントサーバ装置40は、プリンタ20に出力すべき画像データがあることのみを通知し、その通知を受けたプリンタ20から転送リクエストがあったとき、そのリクエストに応じて、画像データをプリンタ20に転送してもよい。
【0076】
(変形例4)
制御部11、21、41は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有していてもよい。この場合、制御部11の機能は、ASICにより実現されてもよいし、CPUとASICとで実現されてもよい。
【0077】
(変形例5)
制御部11、21、41の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、記憶部13、23、43にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…画像出力システム、10…クライアント装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…表示部、15…操作部、20A、20B、20C…プリンタ、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、24…表示部、25…操作部、26…画像形成部、40…プリントサーバ装置、41…制御部、42…通信部、43…記憶部、50…リポジトリサーバ装置、60…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力指示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどのネットワークに複数の画像形成装置が接続された画像出力システムにおいて、ユーザが入力した画像出力指示に基づいて発行される画像出力要求(「印刷ジョブ」ということもある)の処理状態を表示手段に表示することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発行された印刷ジョブに関して、印刷データの識別子と、その出力先の印刷出力装置の識別子と、当該ジョブの処理状態とを含んで構成されるジョブ情報を保持するジョブ情報一覧保持手段と、ネットワーク上の印刷出力装置のジョブ処理状態の情報を取得して管理するプリンタ情報管理手段と、プリンタ情報管理手段の情報に基づきジョブ情報一覧保持手段のジョブ情報のジョブの処理状態を更新するジョブ状態取得手段と、更新されたジョブ情報をディスプレイの表示画面に一覧表示する表示制御手段とを有する印刷指示装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、親印刷ジョブと、親印刷ジョブを元に生成された複数の子印刷ジョブとがある場合に、複数の子印刷ジョブの各々の状況に基づく親印刷ジョブの状況を表示部に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−272557号公報
【特許文献2】特許第3720740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求に、処理状態の確認が必要な第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態の確認を確実に行わせることを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本願の請求項1に係る画像出力指示装置は、第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願の請求項2に係る画像出力指示装置は、請求項1に記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したとき、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したことを示す処理状態として決定することを特徴とする。
【0009】
本願の請求項3に係る画像出力指示装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合は、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の前記予め決められた処理状態と、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて決定する。
【0010】
本願の請求項4に係る画像出力指示装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の態様において、前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定された前記画像出力指示の処理状態が予め決められた処理状態の場合、前記画像出力指示の処理状態を、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて改めて決定することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項5に係る画像出力指示装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の態様において、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求の各々を、前記画像出力指示に関連付ける関連付け手段を更に有し、前記関連付け手段は、前記複数の画像出力要求のうちの指定された画像出力要求に対する再出力の指示に基づいて新たに生成され、前記指定された画像出力要求と同じ情報処理装置に対して画像の再出力を要求する画像出力要求を、前記画像出力指示に関連付けるとともに、前記指定された画像出力要求の前記画像出力指示への関連付けを無効とし、前記処理状態決定手段は、前記画像出力指示の処理状態を、前記関連付け手段によって当該画像出力指示に関連付けられた前記画像出力要求の処理状態に基づいて決定することを特徴とする。
【0012】
本願の請求項6に係るプログラムは、コンピュータを、第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び6に係る発明によれば、本構成を有しない発明に比べて、画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求に、処理状態の確認が必要な第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力指示の処理要求の確認を確実に行わせることができる。
請求項2に係る発明によれば、画像出力指示の処理状態に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したか否かが反映される。
請求項3に係る発明によれば、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合に、画像出力指示の処理状態に、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が反映される。
請求項4に係る発明によれば、画像出力指示の処理状態に、第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態だけでなく、第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態も反映される。
請求項5に係る発明によれば、指定された画像出力要求に対して再出力が指示されたとき、再出力の結果が、指定された画像出力要求が関連付けられていた画像出力指示の処理状態に反映される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像出力システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】クライアント装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタ20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】プリントサーバ装置40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】画像出力要求状態一覧テーブル及び画像出力指示状態一覧テーブルの一例を示す図である。
【図6】画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルの一例を示す図である。
【図8】画像出力指示の処理状態を決定するための処理を示すフローチャートである。
【図9】状態遷移の一例を示す表である。
【図10】状態遷移の一例を示す表である。
【図11】画像出力要求の再出力に関するプリントサーバ装置40及びクライアント装置10における処理を示すフローチャートである。
【図12】画像再出力要求が追加された画像出力要求管理テーブルの一例を示す図である。
【図13】画像データの出力としてメール送信、ファクシミリ送信、フォルダへのデータ転送を行う場合のそれぞれの画像出力要求状態一覧テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
(構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像出力システム1の概略構成例を示すブロック図である。本実施形態において、画像出力システム1は、クライアント装置10と、プリンタ20A、20B、及び20Cと、プリントサーバ装置40と、リポジトリサーバ装置50と、これらの間を接続するネットワーク60とを備えて構成されている。画像出力システム1は、例えば、製造業の企業における図面の出力業務(出図業務)に用いられる。
【0016】
クライアント装置10は、例えば、出図業務を行うユーザ(出図オペレータ)が用いるコンピュータ装置である。図2に示すように、クライアント装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、表示部14と、操作部15とを有する。制御部11は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部13に記憶されているプログラムを実行することでクライアント装置10の各部を制御し、様々な機能を実現する。通信部12は、ネットワーク60を介してプリントサーバ装置40との間で行われる通信を制御する。記憶部13は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部14は、例えば液晶表示パネルであり、制御部11の制御の下、様々な情報を表示する。操作部15は、液晶表示パネルの画面上に重ねて配置されたタッチパネルや、テンキー等の操作子を有しており、タッチパネルや操作子の操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。
【0017】
記憶部13には、後述する画像出力指示の処理状態決定において用いられる各種テーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)が格納されている。また、記憶部13に格納されているプログラムには、クライアント装置10において、ユーザが画像出力指示または再画像出力指示を行う場合のGUI(Graphical User Interface)を提供するプログラムが含まれる。
【0018】
プリンタ20A〜20Cのうちプリンタ20A及び20Bは、クライアント装置10の近く(例えば、同じ部屋内)に配置され、クライアント装置10のユーザである出図オペレータの管理下にあるプリンタである。即ち、出図オペレータがプリンタ20A及び20Bの電源のオンオフを行うことができ、また、プリンタ20A及び20Bの状態(例えば、正常動作中、用紙切れ、紙詰まり、トナー切れなど)及びプリンタ20A及び20Bから出力された画像が形成された用紙の状態を出図オペレータが自分で確認することができる。出図オペレータは、プリンタ20A及び20Bから画像が形成された用紙が出力されると、出力された用紙を予め定められた配布先に発送する(集中出図)。
【0019】
一方、プリンタ20Cは、例えば、海外の関連部署に設置されたプリンタのように、クライアント装置10から離れた場所に設置されたプリンタである。プリンタ20Cは、配送コストの削減やリードタイム短縮のため、図面等を必要とする部署において出力するのに用いられる(分散出図)。プリンタ20Cは、クライアント装置10から離れているため、出図オペレータの管理下にない。即ち、出図オペレータは、プリンタ20Cの電源のオンオフを行うことができず、また、プリンタ20Cの状態及びプリンタ20Cから出力された画像が形成された用紙の状態を自分で確認することができない。そのため、プリンタ20Cからの画像出力を指示する画像出力指示(または、それに基づいて発行される画像出力要求)は、時差のためプリンタ20Cに電源が入っていない場合や、プリンタ20Cのトナーや用紙等の消耗品が不足している場合に、処理が完了しないことがある。また、セキュリティーの確保のため、プリンタ20Cへの画像出力指示において親展プリント機能を使うことがある。親展プリント機能とは、例えば出力すべき画像データをプリンタ20Cの記憶部に確保された特定のユーザのフォルダ(親展フォルダ)に格納し、そのユーザの出力指示を受けて画像データの出力がなされるようにする機能である。親展プリント機能を用いる場合、その特定のユーザがフォルダに格納された画像データに気づかない場合など、出力がなされないまま放置されることがある。
【0020】
上記したプリンタ20A及び20Bは、第1グループに属する情報処理装置の一例であり、プリンタ20Cは、第2グループに属する情報処理装置の一例である。尚、以下の説明において、プリンタ20A及び20Bを集中出図用プリンタといい、プリンタ20Cを分散出図用プリンタということもある。
【0021】
プリンタ20A〜20Cは基本的に同じ構成であってよいので、以下の説明において、各プリンタを特に区別しないで説明するときは、添え字を省略し、プリンタ20と称する。図3は、プリンタ20の構成の一例を示すブロック図である。プリンタ20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、表示部24と、操作部25と、画像形成部26とを有する。制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部23に記憶されているプログラムを実行することでプリンタ20の各部を制御し、様々な機能を実現する。通信部22は、ネットワーク60を介してプリントサーバ装置40との間で行われる通信を制御する。記憶部23は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部24は、例えば液晶表示パネルであり、制御部21の制御の下、様々な情報を表示する。操作部25は、液晶表示パネルの画面上に重ねて配置されたタッチパネルや、テンキー等の操作子を有しており、タッチパネルや操作子の操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。画像形成部26は、例えば、通信部22にて受信された画像出力要求(画像データ及び出力設定情報)に基づいて画像を形成し、用紙等の媒体に出力する。また、プリンタ20は、画像が形成された用紙の穴開け、ステープル留め、あるいは折り曲げ等を行う仕上げ部(図示せず)を有してもよい。
【0022】
プリンタ20の記憶部23に格納されているプログラムには、例えば、通信部22にて受信された画像出力要求の処理に不具合が生じた場合に、プリンタ20のユーザが表示部24及び操作部25を用いて、画像出力要求に付随する出力設定情報を変えて再出力を指示するときのGUIを提供するプログラムが含まれる。
【0023】
プリントサーバ装置40は、画像出力システム1における画像出力動作の管理制御を行うコンピュータ装置である。図4に示すように、プリントサーバ装置40は、制御部41と、通信部42と、記憶部43とを有する。制御部41は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMや記憶部43に記憶されているプログラムを実行することで後述するプリントサーバ装置40の様々な機能を実現する。通信部42は、ネットワーク60を介してクライアント装置10との間で行われる通信及びプリンタ20との間で行われる通信を制御する。記憶部43は、例えばハードディスクやフラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0024】
リポジトリサーバ装置50は、画像出力の対象となる図面や文書等のデータ(データファイル)を格納するコンピュータ装置であり、格納したデータをネットワーク60に接続された各装置に提供するファイルサーバとして機能する。ただし、必ずしもファイルサーバとしての機能を有している必要はなく、例えばクライアント装置10の記憶部13に格納されたデータをプリンタ20から出力する場合には、当該データの一時的な記憶保持を行う機能を実現するものであってもよい。また、リポジトリサーバ装置50は、必ずしもシステム内に独立して構成されている必要はなく、例えばプリントサーバ装置40と一体で構成されたものであってもよい。
【0025】
(動作)
次に、上述したように構成した画像出力システム1の動作について説明する。
【0026】
クライアント装置10のユーザである出図オペレータは、クライアント装置10の操作部15を用いて、ネットワーク60に接続された複数のプリンタ(この例では、プリンタ20A、20B、及び20C)の中から1または複数のプリンタを指定し、指定したプリンタから画像を出力するための画像出力指示を入力する。即ち、操作部15は、ユーザからの画像出力指示を受け付ける受け付け手段として機能する。画像出力の対象となるデータは、例えば、リポジトリサーバ装置50に格納されたデータであってよく、あるいは、クライアント装置10の記憶部13に格納されたデータでもよい。出図オペレータが入力する画像出力指示には、出力対象となるデータを示す情報及び指定された各プリンタの識別情報に加えて、データを各プリンタから出力する際の出力態様を示す出力設定情報が含まれる。出力設定情報には、例えば、用紙サイズ、拡大率/縮小率、片面/両面設定、出力部数、余白、用紙の向き、仕上げの指定(ステープル、穴あけ、2つ折り等)が含まれる。また、例えば遠隔地に設置されたプリンタ20Cからデータを出力する場合に、セキュリティー確保のため、特定のユーザによる承諾がないと出力を行えないようにする親展プリントの設定を画像出力指示に含めてもよい。
【0027】
制御部11は、出図オペレータにより入力された画像出力指示(「親ジョブ」と言うこともある)に基づき、当該画像出力指示において指定された各プリンタに対応する画像出力要求(「子ジョブ」と言うこともある)を生成して、プリントサーバ装置40に送信する。画像出力要求の各々は、出力対象となるデータを示す情報(例えば、リポジトリサーバ装置50に格納されているファイル(図面ファイルや文書ファイル)のファイル名、或いは、ファイルそのもの)と、データの出力先のプリンタを示す情報(識別情報)と、当該プリンタにおいてデータを出力する際の出力設定を示す出力設定情報とを含む。
【0028】
クライアント装置10から画像出力要求を受け取ると、プリントサーバ装置40は、画像出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて、出力対象であるデータを例えばリポジトリサーバ装置50から読み出し、画像出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて画像データへの変換を行った後、画像データを出力設定情報と共に各画像出力要求において指定されたプリンタ20に転送する。また、プリントサーバ装置40は、画像データを出力先のプリンタ20に転送する際、画像出力要求を識別する情報や当該画像出力要求を発行したクライアント装置10を識別する情報をプリンタ20に転送する。プリントサーバ装置40におけるデータの変換は、出力先のプリンタ20が解釈可能な言語やフォーマットにデータを変換する処理を含んでもよい(その場合、プリントサーバ装置40は、いわゆるプリンタドライバに相当する機能を有する)。
【0029】
プリンタ20は、受信したデータを記憶部23に格納するとともに、受信したデータに含まれる画像データ及び出力設定情報に基づいて画像を形成し、用紙等の媒体に出力する。記憶部23に格納されたデータは、例えば、予め定められた期間保持される。記憶部23に格納されたデータに含まれる画像出力要求を識別する情報やクライアント装置10を識別する情報は、例えば、ユーザによる操作部25の操作に応じて、表示部24に一覧表示される。そのとき各画像出力要求の処理状態(出力済み、出力待ち、出力中、異常終了など)を表示してもよい。プリンタ20のユーザは、表示部24に表示された画像出力要求の一覧を見ることで、出力中または出力待ちの画像出力要求や、過去に出力された画像出力要求の状態を確認する。また、操作部25の操作により、出力中または出力待ちの画像出力要求のキャンセルを行う。
【0030】
また、プリントサーバ装置40は、ネットワーク60に接続されているプリンタ20A〜20Cから、各プリンタにおける画像出力要求の処理状態や、各プリンタの装置状態(例えば、電源のオン/オフ、トナー切れ、故障など)を取得し、取得したこれらの情報と自身における各画像出力要求の処理状態とに基づいて、クライアント装置10から受け取った各画像出力要求の処理状態を決定する。決定された各画像出力要求の処理状態は、定期的に、または、クライアント装置10からのリクエストに応じて、プリントサーバ装置40からクライアント装置10に提供される。尚、プリンタ20A〜20Cの装置状態や画像出力要求の処理状態は、プリントサーバ装置40がプリンタ20A〜20Cに対し問い合わせを行い(ポーリング)、その問い合わせに応答して、プリンタ20A〜20Cからプリントサーバ装置40に送信されるものとするとよい。あるいは、プリンタ20A〜20Cにおける装置状態または画像出力要求の処理状態が変更されたときに、プリンタ20A〜20Cからプリントサーバ装置40に送信してもよい。
【0031】
クライアント装置10の制御部11は、通信部12を介してプリントサーバ装置40から画像出力要求の処理状態を受信すると、受信した画像出力要求の処理状態に基づいて、ユーザが入力した画像出力指示の処理状態を決定し、表示部14に表示する。即ち、制御部11は、処理状態取得手段、処理状態決定手段、及び表示制御手段に相当する。
【0032】
以下、クライアント装置10における画像出力指示の処理状態の決定方法について説明する。まず、クライアント装置10における画像出力指示の処理状態の決定に用いられるテーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)について、図5〜図7を参照して説明する。
【0033】
図5は、画像出力要求状態一覧テーブル及び画像出力指示状態一覧テーブルの一例を示す図である。図5(A)に示す画像出力要求状態一覧テーブルには、画像出力要求の処理状態と、その遷移順序を示す番号とが関連付けて示されている。「処理待ち」は、クライアント装置10からプリントサーバ装置40に転送された画像出力要求が、プリントサーバ装置40における処理を待っている状態にあることを示す。「データ変換中」は、画像出力要求の対象であるデータに対しプリントサーバ装置40によって画像データへの変換が行われている状態を示す。「転送待ち」は、データの変換が終了し、プリンタへの転送を待っている状態を示す。この状態は、例えば、転送先のプリンタの電源が入っていない場合やプリンタがオフラインになっている場合に生じる。「転送中」は、プリントサーバ装置40からプリンタへのデータ転送が行われている状態を示す。「プリンタで蓄積」は、プリンタへ転送された画像データがプリンタで蓄積され、出力待ちであることを示す。この状態は、例えば、プリンタの消耗品(例えば、トナーや用紙)が不足しており、その補充を待っている場合に生じる。或いは、画像出力要求が親展プリント機能を用いている場合に、ユーザによる出力指示を待っている場合もこの状態に該当する。「出力中」は、プリンタへ転送された画像データがプリンタによって出力されている状態を示す。「出力完了」は、画像が形成された用紙の排出及び仕上げが終わり画像出力要求の処理が終了したことを示す。「キャンセル」は、画像出力要求がプリンタのユーザまたはクライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)からの指示によって取り消されたことを示す。「異常終了」は、画像出力要求の処理中にエラーが発生して画像出力要求の処理が中断されたことを示す。
【0034】
尚、画像出力要求状態一覧テーブルは、プリントサーバ装置40の記憶部43にも格納されており、プリントサーバ装置40は、画像出力要求の処理状態を決定する際、画像出力要求状態一覧テーブルに示された処理状態のいずれかを画像出力要求の処理状態として決定する。
【0035】
図5(B)に示す画像出力指示状態一覧テーブルには、画像出力指示の処理状態と、その遷移順序を示す番号が関連付けて示されている。画像出力指示の処理状態は、関連する画像出力要求(即ち、その画像出力指示に基づいて発行された画像出力要求)の処理状態から決定される。具体的な画像出力指示の処理状態の決定方法については、後に詳述する。画像出力指示状態一覧テーブルには、「出力中」の後段の状態として、出力指示に基づいて発行された画像出力要求が全て完了した状態である「出力完了」と出力指示に基づいて発行された画像出力要求のうち参照不要として指定した画像出力要求を除いた画像出力要求が完了した状態である「出力完了(分散出図除く)」がある点が、画像出力要求状態一覧テーブルと異なる。「出力完了(分散出図除く)」については後述する。
【0036】
図6は、画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの一例を示す図である。この例では、識別番号(ID)がA0001の画像出力指示から識別番号が10001〜10003の3つの画像出力要求が生成され、識別番号がA0002の画像出力指示から識別番号が10004〜10007の4つの画像出力要求が生成された場合が示されている。
【0037】
図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルには、画像出力指示に基づいて生成された各画像出力要求の識別番号(ID)、処理状態、関連する画像出力指示の識別番号、及び関連する画像出力指示の処理状態決定時に当該画像出力要求の処理状態の参照が必要か否かを示す情報(要参照フラグ)が関連付けて示されている。要参照フラグの値(要または不要)は、例えば、各画像出力要求が出力先として指定するプリンタに応じて決定される。具体的には、集中出図用プリンタ20A及び20Bに対する画像出力要求の要参照フラグは「要」に設定され、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の要参照フラグは「不要」に設定される。即ち、図6(A)の例では、識別番号が10001、10002、10004、10005、及び10007の画像出力要求は、プリンタ20Aまたは20Bに対する画像出力要求であり、識別番号が10003及び10006の画像出力要求は、プリンタ20Cに対する画像出力要求である。尚、画像出力要求管理テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている画像出力要求を「要参照画像出力要求」という。画像出力要求管理テーブルにおける各画像出力要求の処理状態は、プリントサーバ装置40から受信され、更新される。画像出力要求管理テーブルの内容は、ユーザによる操作部15の操作に応じて、表示部14に表示され、それによってユーザは各画像出力要求の処理状態を確認できる。その際、出力対象である図面データや文書データを示す情報(例えば、ファイル名)を併せて表示するとよい。また、画像出力要求管理テーブルが表示された状態で、ユーザが操作部15を操作することで、各画像出力要求に関連付けられた要参照フラグの値を書き換えられるようにしてもよい。
【0038】
図6(B)に示す画像出力指示管理テーブルには、各画像出力指示の識別番号(ID)とその処理状態とが関連付けて示されている。各画像出力指示の処理状態は、後に詳述するように、画像出力要求管理テーブルに示された関連する(即ち、その画像出力指示に基づいて生成された)画像出力要求の処理状態に基づいて決定される。画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルの内容は、出図オペレータによる画像出力指示の入力に伴う画像出力要求の生成、各プリンタにおける画像出力要求の処理状態の変化等に応じて更新される。画像出力指示管理テーブルは、ユーザによる操作部15の操作に応じて、表示部14に表示され、それによってユーザは各画像出力指示の処理状態を確認できる。
【0039】
図7は、画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルの一例を示す。図7(A)に示す画像出力要求の要参照状態設定テーブルには、画像出力要求の取り得る各処理状態のうち「異常終了」に対して、参照の要否を示す情報(要参照フラグ)が「要」となっており、他の処理状態に対しては「不要」となっている。これは、図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルにおいて、関連する画像出力指示の処理状態決定時に参照不要となっている画像出力要求であっても、処理状態が「異常終了」の場合は、関連する画像出力指示の処理状態決定時に参照する必要があることを示す。画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて、要参照フラグが「要」になっている処理状態(本例では、「異常終了」)を「画像出力要求の要参照状態」という。
【0040】
図7(B)に示す画像出力指示の要参照状態設定テーブルには、画像出力指示の取り得る各処理状態のうち「出力完了」に対して、参照の要否を示す情報(要参照フラグ)が「要」となっており、他の処理状態に対しては「不要」となっている。これは、図6(A)に示す画像出力要求管理テーブルにおいて、関連する画像出力指示の処理状態決定時に要参照となっている画像出力要求(要参照画像出力要求)の処理状態から決定した画像出力指示の処理状態が「出力完了」となった場合、当該画像出力指示に基づいて生成された全画像出力要求の処理状態を参照して画像出力指示の処理状態を決定する必要があることを示す。画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて、要参照フラグが「要」になっている処理状態(本例では、「出力完了」)を「画像出力指示の要参照状態」という。
【0041】
尚、図7に示した画像出力要求の要参照状態設定テーブル及び画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおける各処理状態に対する要参照フラグの値(要または不要)は、例えば、操作部15を介して入力される出図オペレータの指示に基づき制御部11によって設定される。
【0042】
次に、上述したテーブルを用いた画像出力指示の処理状態の決定においてクライアント装置10が行う処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図6の画像出力要求管理テーブル及び画像出力指示管理テーブルに示した識別番号がA0001の画像出力指示の処理状態の決定を行う場合を例として説明する。尚、以下の説明において、識別番号がA0001の画像出力指示を、単に、「画像出力指示A0001」と言う。画像出力要求についても同様である。
【0043】
画像出力指示の処理状態の決定処理が開始されると、クライアント装置10の制御部11は、記憶部13に格納された画像出力要求管理テーブルにおいて各画像出力要求に関連付けられた画像出力指示の識別番号に基づいて、処理状態の決定がなされる画像出力指示に関連付けられた画像出力要求を抽出する(ステップS1)。本例では、画像出力指示A0001に関連付けられた画像出力要求として、画像出力要求10001〜10003が抽出される。
【0044】
続いて、制御部11は、画像出力要求管理テーブルにおける要参照フラグを参照して、ステップS1で抽出した画像出力要求のうち、要参照フラグが「要」となっている画像出力要求(要参照画像出力要求)を抽出する(ステップS2)。本例では、画像出力要求10001及び10002がステップS2で抽出される。
【0045】
続いて、制御部11は、ステップS1で抽出され、且つ、ステップS2で抽出されなかった画像出力要求のうち、画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」の処理状態を有する画像出力要求(即ち、処理状態が「画像出力要求の要参照状態」に該当する画像出力要求)を抽出する(ステップS3)。本例では、ステップS1で抽出され、且つ、ステップS2で抽出されなかった画像出力要求は、画像出力要求10003のみであり、その処理状態は「データ変換中」である。また、画像出力要求の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」の処理状態は「異常終了」のみである。従って、本例では、ステップS3で抽出される画像出力要求はない。
【0046】
続いて、ステップS2及びS3で抽出した画像出力要求の処理状態に基づいて画像出力指示の状態候補を決定する(ステップS4)。具体的には、ステップS2及びS3において抽出した画像出力要求の処理状態に「出力完了」以外の処理状態が含まれる場合、これら「出力完了」以外の処理状態のうち、図5(A)に示した画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号が一番大きい処理状態を画像出力指示の状態候補とする。本例においては、ステップS2において画像出力要求10001及び10002が抽出され、ステップS3で抽出された画像出力要求はなかったので、ステップS4において参照する画像出力要求は画像出力要求10001及び10002である。画像出力要求10001の処理状態は「データ変換中」であり、画像出力要求10002の処理状態は「処理待ち」であり、いずれも「出力完了」ではない。また、画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、「データ変換中」の遷移順序は「2」であり、「処理待ち」の遷移順序は「1」であるので、「データ変換中」の遷移順序を示す番号の方が大きい。従って、ステップS4において、画像出力指示A0001の状態候補は「データ変換中」であると決定される。一方、ステップS4において参照する画像出力要求の処理状態が全て「出力完了」の場合は、ステップS4において、画像出力指示の状態候補は「出力完了」と決定される。
【0047】
続いて、制御部11は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、図7(B)に示した画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態(即ち、「画像出力指示の要参照状態」)か否か判定する(ステップS5)。ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態ではない場合(ステップS5:NO)、ステップS6に進み、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補を、画像出力指示の処理状態として決定する。本例においては、ステップS4で決定した画像出力指示A0001の状態候補は「データ変換中」であり、図7(B)の画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態は「出力完了」である。従って、ステップS5での判定結果は「NO」であるため、ステップS6において、画像出力指示A0001の処理状態は「データ変換中」であると決定される。
【0048】
一方、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が、画像出力指示の要参照状態設定テーブルにおいて要参照フラグが「要」となっている処理状態である場合(ステップS5:YES)、ステップS7に進む。ここで、本例の場合、ステップS5の判定結果が「YES」となるのは、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補が「出力完了」の場合のみである。ステップS7では、ステップS1で抽出した画像出力要求(即ち、画像出力指示から生成された全画像出力要求)の処理状態に基づいて、画像出力指示の状態候補を決定する。このステップS7における画像出力指示の状態候補の決定方法は、ステップS4における状態候補の決定方法と同じである。即ち、ステップS1で抽出した画像出力要求の処理状態に「出力完了」以外の処理状態が含まれる場合、これら「出力完了」以外の処理状態のうち、図5(A)に示した画像出力要求状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号が一番大きい処理状態を画像出力指示の状態候補とし、画像出力要求の処理状態が全て「出力完了」の場合は、画像出力指示の状態候補は「出力完了」と決定する。
【0049】
ステップS7の後、制御部11は、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補(本例の場合、「出力完了」)よりも遷移順序が前の処理状態(即ち、図5(B)に示した画像出力指示状態一覧テーブルにおいて、遷移順序を示す番号がより小さい処理状態)か否かを判定する(ステップS8)。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補よりも遷移順序が前の処理状態である場合(ステップS8:YES)、ステップS9に進み、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補の一つ前の遷移順序の処理状態(即ち、「出力完了(分散出図除く)」)を、画像出力指示の処理状態として決定する。一方、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補よりも遷移順序が前の処理状態でない場合(ステップS8:NO)、ステップS10に進み、ステップS7で決定した状態候補を画像出力指示の処理状態として決定する。ここで、本例においてステップS8の判定結果が「NO」となるのは、ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補が「出力完了」、「キャンセル」、または「異常終了」の場合である。
【0050】
(状態遷移の例1)
次に、具体的な状態遷移の例を用いて、画像出力指示の処理状態の決定方法について更に説明する。図9は、画像出力指示と、画像出力指示から生成された画像出力要求の状態遷移の一例を示す表である。この例では、図6の例と同様に、画像出力指示A0001から、画像出力要求10001、10002、及び10003の3つの画像出力要求が生成された場合を示している。また、画像出力要求10001、10002、及び10003は、それぞれ、プリンタ20A、20B、及び20Cを出力先として指定する画像出力要求とし、集中出図用プリンタ20A及び20Bを出力先として指定する画像出力要求10001及び10002が「要参照画像出力要求」であるとする。更に、図8のフローチャートを用いた画像出力指示の処理状態の決定においては、図5〜図7に示したテーブル(画像出力要求状態一覧テーブル、画像出力指示状態一覧テーブル、画像出力要求管理テーブル、画像出力指示管理テーブル、画像出力要求の要参照状態設定テーブル、画像出力指示の要参照状態設定テーブル)が用いられるものとする。
【0051】
図9の表は、順に進む第1〜第7ステージの各々における画像出力要求10001〜10003の処理状態と、画像出力指示A0001の処理状態とを示している。各ステージの画像出力指示A0001の処理状態は、図8に示したフローチャートに従って、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて決定される。
【0052】
第1ステージは、出図オペレータが入力した画像出力指示に基づいてクライアント装置10が画像出力要求をプリントサーバ装置40に送った直後の状態であり、各画像出力要求10001〜10003の処理状態はいずれも「処理待ち」となっている。この場合、図8のフローチャートのステップS1で、画像出力指示A0001に関連する画像出力要求として、画像出力要求10001〜10003が抽出され、ステップS2で、要参照画像出力要求として、画像出力要求10001及び10002が抽出される。ステップS3で抽出される画像出力要求はない。ステップS4では、画像出力指示の状態候補として、「処理待ち」が決定される。この状態候補「処理待ち」は「画像出力指示の要参照状態」(本例では、「出力完了」)ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「処理待ち」であると決定される。
【0053】
第2ステージは、プリントサーバ装置40において、一部の画像出力要求(画像出力要求10001と画像出力要求10003)に対するデータ変換が開始された状態である。第2ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「データ変換中」が決定される。この状態候補「データ変換中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「データ変換中」であると決定される。
【0054】
第3ステージは、画像出力要求10001及び10003のデータ変換が終わり、画像出力要求10001のプリンタ20Aへの転送が開始された状態である。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」となっている。これは、例えば、画像出力要求10003の出力先であるプリンタ20Cの電源が入っていない場合である。また、第3ステージでは、画像出力要求10002のプリントサーバ装置40におけるデータ変換が開始されている。第3ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「転送中」が決定される。この状態候補「転送中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「転送中」であると決定される。
【0055】
第4ステージは、画像出力要求10001のプリンタ20Aへの転送が終了し、プリンタ20Aでの出力が開始された状態である。また、画像出力要求10002のプリンタ20Bへの転送が開始されている。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第4ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力中」が決定される。この状態候補「出力中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「出力中」であると決定される。
【0056】
第5ステージは、画像出力要求10001に基づくプリンタ20Aでの出力が終了し、画像出力要求10001の処理状態が「出力完了」となっている。また、画像出力要求10002のプリンタ20Bへの転送が終了し、プリンタ20Bでの出力が開始されている。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第5ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力中」が決定される。この状態候補「出力中」は「画像出力指示の要参照状態」ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「出力中」であると決定される。
【0057】
第6ステージは、画像出力要求10002に基づくプリンタ20Bでの出力が終了し、画像出力要求10002の処理状態が「出力完了」となっている。即ち、第6ステージでは、集中出図分の画像出力要求(画像出力要求10001及び10002)の出力が完了している。画像出力要求10003の処理状態は「転送待ち」のままである。第6ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S3の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS4で、画像出力指示の状態候補として、「出力完了」が決定される。この状態候補「出力完了」は「画像出力指示の要参照状態」であるため、ステップS5の判定結果は「YES」となり、ステップS7に進む。ステップS7で、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「転送待ち」が決定される。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補「転送待ち」は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」よりも遷移順序が前の処理状態であるため、ステップS8の判定結果は「YES」となり、ステップS9で、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補の一つ前の遷移順序の処理状態(即ち、「出力完了(分散出図除く)」)が、画像出力指示の処理状態として決定される。
【0058】
第7ステージは、画像出力要求10003の出力先プリンタであるプリンタ20Cの電源が入れられ、画像出力要求10003に関する画像出力が終了した結果、画像出力要求10003の処理状態が「出力完了」となった状態である。即ち、第7ステージは、集中出図分の画像出力要求だけでなく、分散出図分の画像出力要求(画像出力要求10003)の出力も完了した状態である。第7ステージに対する図8のフローチャートのステップS1〜S5の処理は、第6ステージの場合と同じである。ステップS7で、画像出力要求10001〜10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「出力完了」が決定される。ステップS7で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」は、ステップS4で決定した画像出力指示の状態候補「出力完了」よりも遷移順序が前の処理状態ではないため、ステップS8の判定結果は「NO」となり、ステップS10で、ステップS7で決定した状態候補(「出力完了」)が画像出力指示の処理状態として決定される。
【0059】
このように、本実施形態によれば、画像出力指示から生成された画像出力要求に、出図オペレータの管理下にある集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求と、出図オペレータの管理下にない分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求が含まれている場合に、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の処理が停滞していても、集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求の処理が完了すると(即ち、これらの画像出力要求の処理状態が「出力完了」となると)、画像出力指示の処理状態が「出力完了(分散出図除く)」となる。従って、出図オペレータは、画像出力要求の処理状態を個別に確認しなくても、画像出力指示の処理状態から集中出図用プリンタ20Aまたは20Bに対する画像出力要求が全て完了したことを把握して、配布先への発送準備など、次の作業に移ることができるので、作業時間の短縮を図ることができる。
【0060】
また、第6ステージに関連して説明したように、本実施形態によれば、集中出図分の画像出力要求の処理状態に基づいて決定された画像出力指示の処理状態(候補)が、予め定められた処理状態(「出力完了」)の場合、分散出図分の画像処理要求の処理状態も参照して画像出力指示の処理状態が改めて決定されるので、画像出力指示の処理状態(「出力完了(分散出図以外)」)に、集中出図分の画像出力要求の処理状態だけでなく、分散出図分の画像処理要求の処理状態も反映される。
【0061】
(状態遷移の例2)
図10は、画像出力指示と、画像出力指示から生成された画像出力要求の状態遷移の別の例を示す表である。図10に示した状態遷移例は、図9に示した状態遷移例と、第7ステージのみが異なる。従って、第1〜第6ステージについては説明を省略し、第7ステージについてのみ説明する。
【0062】
図10の状態遷移例における第7ステージは、画像出力要求10003の出力先プリンタであるプリンタ20Cの電源が入れられ、画像出力要求10003に関する処理がなされたが、何らかのエラーが発生し、「異常終了」となった状態である。この場合の図8のフローチャートのステップS1及びS2の処理は、第1ステージの場合と同じである。ステップS3では、画像出力要求10003が抽出される。画像出力要求10003の処理状態は「異常終了」であり、これは画像出力要求の要参照状態設定テーブルに示される「画像出力要求の要参照状態」だからである。その結果、ステップS4では、ステップS2で抽出された画像出力要求10001及び10002の処理状態及びステップS3で抽出された画像出力要求10003の処理状態に基づいて、画像出力指示A0001の状態候補として「異常終了」が決定される。この状態候補「異常終了」は「画像出力指示の要参照状態」(本例では、「出力完了」)ではないので、ステップS5の判定結果は「NO」となり、ステップS6で、画像出力指示A0001の処理状態は「異常終了」であると決定される。
【0063】
このように、本実施形態によれば、画像出力指示から生成された画像出力要求に、出図オペレータの管理下にある集中出図用プリンタ20A、20Bに対する画像出力要求と、出図オペレータの管理下にない分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求が含まれている場合に、分散出図用プリンタ20Cに対する画像出力要求の異常終了が、関連する画像出力指示の処理状態に反映される。
【0064】
(再出力処理)
例えば、プリンタ20において「異常終了」または「キャンセル」となった画像出力要求に対し、クライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)またはプリンタ20のユーザが再出力の指示をすることがある。この再出力の指示は、例えば、プリンタ20のユーザによる操作部25の操作に応じて制御部21が表示部24に画像出力要求の一覧を表示する際、再出力指示用のソフトボタンを表示し、ユーザが操作部25を用いて再出力したい画像出力要求を指定して、再出力指示用のソフトボタンにタッチするのを制御部21が検出することでなされる。また、ユーザによる画像出力要求の指定操作に応じて、制御部21は、指定された画像出力要求の出力設定情報を表示し、ユーザが操作部25を用いて出力設定情報を変更するのを可能とする。
【0065】
図11は、再出力が指示された場合のプリントサーバ装置40及びクライアント装置10における処理を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS101で、プリントサーバ装置40の制御部41は、通信部42を介して、クライアント装置10またはプリンタ20から再出力の指示を受信する。この再出力の指示には、再出力したい画像出力要求(以下、「元の画像出力要求」という)の識別番号及び再出力時に変更する出力設定情報が含まれる。
【0066】
続いて、ステップS102で、プリントサーバ装置40の制御部41は、受信した再出力指示に基づいて再出力用の画像出力要求(「画像再出力要求」という)を生成する。生成された画像再出力要求は、出力対象となるデータを示す情報と、データの出力先のプリンタの識別情報と、出力設定情報とを含む。出力対象となるデータを示す情報と、データの出力先のプリンタの識別情報は、元の画像出力要求と同じである。出力設定情報については、再出力の指示において変更が指示された出力設定情報に関しては、その変更された出力設定情報を適用し、変更指示のなかった出力設定情報に関しては、元の画像出力要求の出力設定情報を引き継いで適用する。またステップS102で、制御部41は、生成された画像再出力要求に関する情報をクライアント装置10に送信する。この画像再出力要求に関する情報には、当該画像再出力要求の識別番号及び当該画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号が含まれる。ここで、画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号は、元の画像出力要求が関連する画像出力指示の識別番号と同じである。
【0067】
クライアント装置10では、プリントサーバ装置40から画像再出力要求に関する情報を受信し(ステップS201)、受信した画像再出力要求に関する情報に含まれる画像再出力要求の識別番号と、画像再出力要求が関連する画像出力指示の識別番号を画像出力要求管理テーブルに追加する(ステップS202)。このとき、画像出力要求管理テーブルにおける画像再出力要求の要確認フラグの値は、元の画像出力要求と同じである。また、クライアント装置10は、元の画像出力要求に関連付けて、関連する画像出力指示の処理状態決定において参照しないことを示す「完全除外」フラグを立てる(ステップS203)。この「完全除外」フラグを立てられた画像出力要求は、図8のフローチャートのステップS1において抽出される画像出力要求から除外される。
【0068】
図12は、一例として、図6(A)の画像出力要求管理テーブルの画像出力要求10003に対して再出力の指示がなされた場合に、画像再出力要求として識別番号が10008の画像出力要求が画像出力要求管理テーブルに追加された場合を示す。図12に示すように、追加された画像再出力要求10008は、元の画像出力要求100003が関連付けられていた画像出力指示の識別番号(A0001)と同じ識別番号に関連付けられている。また、元の画像出力要求100003には「完全除外」フラグが立てられている。
【0069】
また、ステップS103において、プリントサーバ装置40は、生成した画像再出力要求に基づいた画像出力のための処理を行う。具体的には、画像再出力要求において指定されたデータを、画像再出力要求に含まれる出力設定情報に基づいて画像データに変換して、得られた画像データを出力先のプリンタへ転送する。また、同じくステップS103において、プリントサーバ装置40は、処理の進行に応じて画像再出力要求の処理状態を決定して、クライアント装置10に送信する。
【0070】
クライアント装置10では、画像再出力要求が関連する画像出力指示の処理状態を、プリントサーバ装置40から受信した画像再出力要求の処理状態及び当該画像出力指示に関連する他の画像出力要求の処理状態に基づいて図8のフローチャートに従って決定し、表示部14に表示する(ステップS204)。例えば、図10に示した状態遷移例の第7ステージ(即ち、画像出力要求10001及び10002の処理状態は「出力完了」であり、画像出力要求10003の処理状態は「異常終了」であり、画像出力指示A0001の処理状態は「異常終了」となった状態)の後に、画像処理要求10003の再出力を行い、新たな画像処理要求10008が生成され、その処理が正常に終了して「出力完了」の処理状態になったとすると、画像出力指示A0001の処理状態は、画像処理要求10001、10002、及び10008の処理状態(いずれも「出力完了」)に基づいて図8のフローチャートに従って決定されるので、図9に示した状態遷移例の第7ステージの場合と同様に、画像出力指示A0001の処理状態は「出力完了」となる。従って、例えば、再出力の指示がプリンタ20のユーザによってなされた場合でも、その再出力が正常に終了したことを、クライアント装置10のユーザ(出図オペレータ)は、画像出力指示の処理状態から知ることができる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、画像出力要求の再出力が指示されると、再出力用の新たな画像出力要求(画像再出力要求)が生成され、生成された画像再出力要求は、元の画像出力要求が関連していた画像出力指示に関連付けられる。一方、元の画像出力要求は関連する画像出力指示の処理状態決定において参照対象から除外される。したがって、画像再出力要求の処理状態が、元の画像再出力要求が関連付けられていた画像出力指示の処理状態に反映される。
【0072】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0073】
(変形例1)
上述した実施形態では、画像データの出力先の装置としてプリンタ20A〜20Cを用いた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、画像データの出力の態様として、メールアドレスで識別されるアドレスへのメール送信やファクシミリ装置へのファクシミリ送信、情報処理装置のファイルシステムの所望のフォルダへのデータ転送であってもよい。この場合、メール送信処理、ファクシミリ送信処理、フォルダへのデータ転送処理に対応する画像出力要求状態一覧テーブルはそれぞれ図13の(A)、(B)、(C)のように定義される。
【0074】
(変形例2)
上述した実施形態では、画像出力指示が入力されるクライアント装置は一つのみを示したが、本発明はこれに限定されない。画像出力システム1に、2以上のクライアント装置が含まれていてもよい。
【0075】
(変形例3)
上述した実施形態では、プリントサーバ装置40は、画像データを出力先のプリンタ20にプリンタ20からのリクエストなしに転送したが、本発明はこれに限定されない。プリントサーバ装置40は、プリンタ20に出力すべき画像データがあることのみを通知し、その通知を受けたプリンタ20から転送リクエストがあったとき、そのリクエストに応じて、画像データをプリンタ20に転送してもよい。
【0076】
(変形例4)
制御部11、21、41は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有していてもよい。この場合、制御部11の機能は、ASICにより実現されてもよいし、CPUとASICとで実現されてもよい。
【0077】
(変形例5)
制御部11、21、41の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、記憶部13、23、43にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…画像出力システム、10…クライアント装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…表示部、15…操作部、20A、20B、20C…プリンタ、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、24…表示部、25…操作部、26…画像形成部、40…プリントサーバ装置、41…制御部、42…通信部、43…記憶部、50…リポジトリサーバ装置、60…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、
前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、
前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段と
を有する画像出力指示装置。
【請求項2】
前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したとき、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したことを示す処理状態として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力指示装置。
【請求項3】
前記処理状態決定手段は、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合は、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の前記予め決められた処理状態と、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像出力指示装置。
【請求項4】
前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定された前記画像出力指示の処理状態が予め決められた処理状態の場合、前記画像出力指示の処理状態を、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて改めて決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像出力指示装置。
【請求項5】
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求の各々を、前記画像出力指示に関連付ける関連付け手段を更に有し、
前記関連付け手段は、前記複数の画像出力要求のうちの指定された画像出力要求に対する再出力の指示に基づいて新たに生成され、前記指定された画像出力要求と同じ情報処理装置に対して画像の再出力を要求する画像出力要求を、前記画像出力指示に関連付けるとともに、前記指定された画像出力要求の前記画像出力指示への関連付けを無効とし、
前記処理状態決定手段は、前記画像出力指示の処理状態を、前記関連付け手段によって当該画像出力指示に関連付けられた前記画像出力要求の処理状態に基づいて決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像出力指示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、
前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、
前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、
前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、
前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段と
を有する画像出力指示装置。
【請求項2】
前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したとき、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理が完了したことを示す処理状態として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像出力指示装置。
【請求項3】
前記処理状態決定手段は、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態が予め決められた処理状態の場合は、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の前記予め決められた処理状態と、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像出力指示装置。
【請求項4】
前記処理状態決定手段は、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定された前記画像出力指示の処理状態が予め決められた処理状態の場合、前記画像出力指示の処理状態を、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態とに基づいて改めて決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像出力指示装置。
【請求項5】
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成された複数の画像出力要求の各々を、前記画像出力指示に関連付ける関連付け手段を更に有し、
前記関連付け手段は、前記複数の画像出力要求のうちの指定された画像出力要求に対する再出力の指示に基づいて新たに生成され、前記指定された画像出力要求と同じ情報処理装置に対して画像の再出力を要求する画像出力要求を、前記画像出力指示に関連付けるとともに、前記指定された画像出力要求の前記画像出力指示への関連付けを無効とし、
前記処理状態決定手段は、前記画像出力指示の処理状態を、前記関連付け手段によって当該画像出力指示に関連付けられた前記画像出力要求の処理状態に基づいて決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像出力指示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
第1グループに属する少なくとも一つの情報処理装置と第2グループに属する少なくとも一つの情報処理装置とを含む複数の情報処理装置の中から選択された情報処理装置に対する画像出力の指示である画像出力指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段が受け付けた前記画像出力指示に基づいて生成され、それぞれ前記選択された情報処理装置の一つに対して画像出力を要求する、複数の画像出力要求の各々の処理状態を取得する処理状態取得手段と、
前記複数の画像出力要求に、前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求と、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求とが含まれる場合に、前記画像出力指示の処理状態を、前記第2グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求がとり得る処理状態の少なくとも一部によらず、前記処理状態取得手段によって取得された前記第1グループに属する情報処理装置に対する画像出力要求の処理状態に基づいて決定する処理状態決定手段と、
前記決定された画像出力指示の処理状態を表示手段に表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−203850(P2012−203850A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70623(P2011−70623)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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