説明

画像形成方法および画像形成システム

【課題】ジャム除去を効率的に行い、ジャム解除後のリカバリ処理の効率を上げる。
【解決手段】画像形成装置と後処理装置とが接続された画像形成システムにおいて、ジャム発生時に画像形成システム内で搬送中の正常紙を利用可能な状態で停止させ、部あるいはジョブのまとまりを単位、ジャムを発生した用紙をジャム紙、ジャムを発生していない用紙を正常紙とした場合に、先行単位の正常紙と後続単位の残留紙とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するか、について決定し制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタなどの画像形成を行う画像形成方法および画像形成システムに関し、特に、画像形成装置後段に複数の後処理装置が接続された画像形成システムにおけるジャムのリカバリ処理に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて用紙に画像形成する画像形成装置に対し、綴じや製本など機能の異なる複数の後処理装置が接続された状態の画像形成システムが使用されることがある。
【0003】
このような画像形成システムでは、同時に複数枚の用紙が搬送されており、連続して後処理が実行されている。そして、このような画像形成システムでジャムが発生すると、ジャム紙以外の正常な残留紙をどのように扱うかが問題になる。特に、ジャム紙の後続の正常な残留紙については、廃棄するのではなく、再利用したいという要望が大きい。
【0004】
ジャムが発生した場合に、ジャム紙の後続の正常な残留紙にダメージを与えないように停止させた上で、扉等の搬送路を開いてジャム紙を除去し、扉を閉じると、装置内に残留している残留紙を排出するパージ(purge:除去)機能を備えた画像形成装置等のシート搬送装置が広く使用されている。
【0005】
このようなシート搬送装置においては、装置内に残留しているシートはセンサにより検知され、センサからの情報に基づいて、制御部がパージを行うか否かを判断している。
【0006】
この種の技術について、特許文献1−2などに関連技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−158566号公報
【特許文献2】特開平9−258516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の特許文献1−2に記載の技術では、残留紙を単に機外に排出したり、残留紙をリカバリ対象として扱うのみであり、操作者のジャム紙除去の手間などは考慮されていなかった。
【0009】
また、複数の後処理装置が連結されている画像形成システムでは、先行する部やジョブでジャムが発生し、後続の部やジョブの用紙も画像形成されて残留紙となる場合があり、このような場合に以上のパージ処理などを適用すると、先行する部やジョブからリカバリ処理を実行することになる。このため、後続の印刷が遅れるという問題があった。また、後続の部やジョブの残留紙が無駄になるという問題があるが、このような先行と後続との問題については何ら配慮がなされていなかった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ジャム除去を効率的に行うと共にジャム解除後のリカバリ処理の生産性や効率を上げることが可能な画像形成方法および画像形成システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決する本発明は、以下のように構成されたものである。
【0012】
(1)第1の発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成された用紙に後処理を施す複数の後処理装置とが接続された画像形成システムにおける画像形成方法であって、ジャム発生時に画像形成システム内で搬送中の正常紙を利用可能な状態で停止させ、部あるいはジョブのまとまりを単位、ジャムを発生した用紙をジャム紙、ジャムを発生していない用紙を正常紙とした場合に、先行単位の正常紙と後続単位の残留紙とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するか、について決定し制御する、ことを特徴とする画像形成方法である。
【0013】
(2)第2の発明は、上記(1)において、先行単位の正常紙の価値と後続単位の残留紙の価値とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するかについて、いずれを除去するかで前記価値の減少が小さくなるように決定し制御する、ことを特徴とする。
【0014】
(3)第3の発明は、上記(2)において、前記価値とは、除去すべき残留紙の枚数、紙種、紙単価、トナー消費量、セキュリティ、画像形成時間、のうち少なくともいずれか一つを含む、ことを特徴とする。
【0015】
(4)第4の発明は、上記(1)〜(3)において、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定した場合に、操作者の承認を受けてから前記決定を実行する、ことを特徴とする。
【0016】
(5)第5の発明は、上記(1)〜(4)において、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定して実行する場合に、後続単位が先行単位を追い越す旨を表示部に表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0018】
この発明では、ジャム発生時に画像形成システム内で搬送中の正常紙を利用可能な状態で停止させ、先行単位の正常紙と後続単位の残留紙とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するか、について決定し制御するようにしている。これにより、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0019】
また、先行単位の正常紙の価値と後続単位の残留紙の価値とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するかについて、いずれを除去するかで前記価値の減少が小さくなるように決定し制御するようにしている。ここで、価値とは、除去すべき残留紙の枚数、紙種、紙単価、トナー消費量、セキュリティ、画像形成時間、のうち少なくともいずれか一つを含むものである。これにより、用紙についての価値を自動的に判断して、価値の減少が小さい状態で無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0020】
また、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定した場合に、操作者の承認を受けてから決定を実行するようにしているため、操作者の意図に沿った状態で、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0021】
また、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定して実行する場合に、後続単位が先行単位を追い越す旨を表示部に表示するようにしているため、システムの動作を操作者が理解した状態で、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態における情報の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態における情報の一例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施形態における画面表示例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施形態における画面表示例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施形態における画面表示例を示す説明図である。
【図20】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図21】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図22】本発明の実施形態の動作を示す説明図である。
【図23】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(実施形態)を詳細に説明する。ここでは、画像形成装置を具体例として説明する。ここで、画像形成方法は、画像形成装置の動作あるいは制御として実現される。
【0024】
〔実施形態の構成〕
ここで、第一実施形態の画像形成システムの構成を、図1(ブロック図)と図2(断面構成図)に基づいて詳細に説明する。なお、画像形成システムとして既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0025】
ここでは、画像形成システムとして、画像形成装置100、後処理装置200、後処理装置300、後処理装置400、後処理装置500、が用紙の流れに沿って、図2示すように接続されている。
【0026】
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に画像形成システムとしてシステム全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、利用者による操作入力と画像形成装置100の状態とを行う操作表示部103と、ジョブデータを記憶するジョブ記憶部104と、印刷時間を記憶する印刷時間記憶部105と、印刷時間を決定する印刷時間決定部106と、ジャム除去頁を指定するジャム除去頁指定部107と、リカバリ処理時に部やジョブの追い越しを決定するリカバリ追越決定部108と、画像形成装置100内で用紙を搬送する搬送部110と、原稿をスキャンする原稿読込部120と、印刷のための画像データを記憶する画像データ記憶部130と、画像データを画像処理する画像処理部140と、画像データ命令により画像データに基づいた画像を用紙上に形成して印刷を実行する画像形成部150と、を備えて構成されている。
【0027】
第1段目の後処理装置200は、制御部101からの命令に従って後処理装置200内の各部を制御する制御部201と、接続されている他の装置と通信するための通信部202と、ジャム発生時にジャム除去情報を表示する表示部203(図3参照)と、後処理装置200内部のジャムを検知するジャム検知部205と、検知されたジャム情報を画像形成装置100に送信するジャム情報通報部207と、後処理装置200内で用紙を搬送する搬送部210と、後処理として用紙を折る折り部220と、後処理として用紙に穿孔するパンチ部230と、を備えて構成されている。
【0028】
第2段目の後処理装置300は、制御部101からの命令に従って後処理装置300内の各部を制御する制御部301と、接続されている他の装置と通信するための通信部302と、ジャム発生時にジャム除去情報を表示する表示部303(図3参照)と、後処理装置300内部のジャムを検知するジャム検知部305と、検知されたジャム情報を画像形成装置100に送信するジャム情報通報部307と、後処理装置300内で用紙を搬送する搬送部310と、排出経路を選択する排出経路選択部320と、後処理として用紙を折る折り部330と、後処理として用紙をスタック整合するスタック整合部340と、後処理として用紙に中綴じのためにステイプル処理する中綴じステイプル部350と、後処理として冊子の断裁をする冊子断裁部360と、サブトレイ排出のための積載をするサブトレイ排出積載部370と、後処理として冊子にされたものを積載する冊子収容積載部380と、を備えて構成されている。
【0029】
第3段目の後処理装置400は、制御部101からの命令に従って後処理装置400内の各部を制御する制御部401と、接続されている他の装置と通信するための通信部402と、ジャム発生時にジャム除去情報を表示する表示部403(図3参照)と、後処理装置400内部のジャムを検知するジャム検知部405と、検知されたジャム情報を画像形成装置100に送信するジャム情報通報部407と、後処理装置400内で用紙を搬送する搬送部410と、排出経路を選択する排出経路選択部420と、後処理として用紙をメインステージスタック整合するステージスタック整合部430と、後処理として用紙をサブステージスタック整合するステージスタック整合部440と、後処理としての糊塗布の糊を補給する糊補給部450と、後処理としての冊子作成時に糊塗布を実行する糊補給部460と、サブトレイ排出のための積載をするサブトレイ排出積載部470と、後処理として冊子にされたものを積載する冊子収容積載部480と、を備えて構成されている。
【0030】
第4段目の後処理装置500は、制御部101からの命令に従って後処理装置500内の各部を制御する制御部501と、接続されている他の装置と通信するための通信部502と、ジャム発生時にジャム除去情報を表示する表示部503(図3参照)と、後処理装置500内部のジャムを検知するジャム検知部505と、検知されたジャム情報を画像形成装置100に送信するジャム情報通報部507と、後処理装置500内で用紙を搬送する搬送部510と、排出経路を選択する排出経路選択部520と、後処理として用紙をステージスタック整合するスタック整合部530と、後処理として用紙にステイプル処理するステイプル部540と、サブトレイ500T2に排出するための積載をするサブトレイ排出積載部470と、メイントレイ500T1に排出するための積載をするメイントレイ排出積載部480と、を備えて構成されている。
【0031】
また、画像形成装置100、後処理装置200〜500の搬送経路中には、図示されない通紙センサやジャム検知センサが配置されており、ジャム発生や残留紙の存在、また、スタッカにスタックされている用紙などを検知し、各制御部が把握することが可能に構成されている。
【0032】
なお、この実施形態では、第1段目の後処理装置200を便宜上FNS1、第2段目の後処理装置300を便宜上FNS2、第3段目の後処理装置400を便宜上FNS3、第4段目の後処理装置500を便宜上FNS4、と呼ぶことにする。また、いずれかの後処理装置を指す場合には単にFNSと呼ぶことにする。
【0033】
また、この実施形態では、部あるいはジョブのまとまりを単位、ジャムを発生した用紙をジャム紙、ジャムを発生していない用紙を正常紙とした場合、と呼ぶことにする。
【0034】
〔実施形態の動作〕
以下、本実施形態の画像形成システムの動作説明を行う。なお、この実施形態では、通常の画像形成の動作については割愛し、ジャム発生時のリカバリ処理を中心にして、図4と図5のフローチャート、及び図6以降の各種説明図を参照して説明を行う。
【0035】
画像形成装置100では画像形成に合わせて用紙の給紙搬送を行っている。ここでは、画像形成に必要な用紙を給紙部から画像形成部150に給紙すると共に、画像形成部150で画像形成された用紙をFNS1に向けて排紙搬送する(図4中のステップS101)。
【0036】
FNS1−4では、画像形成装置100からの用紙に対してジョブで指定された所定の後処理を加えつつ所定の速度で搬送している(図5中のステップS201)。
【0037】
各FNS1−4ではジャム検知部205〜505でジャム検知を行っており、各FNSの制御部201〜501はジョブ終了に至るまで(図5中のステップS203)、自機でのジャムだけでなく他機のジャムをも監視している(図5中のステップS202〜S204)。
【0038】
同様に、画像形成装置100でも制御部101はジョブ終了に至るまで(図4中のステップS103)、FNSからのジャムコードの通知を監視している(図4中のステップS102〜S103)。
【0039】
ここで、図6に示すように、FNS4のスタッカ500sに3枚の画像形成された用紙がスタックされており、FNS4ではID=20の用紙が搬送されており、FNS3ではID=21,22の用紙が搬送されており、FNS2ではID=23,24の用紙が搬送されており、FNS1ではID=25,26の用紙が搬送されている状態を具体例にする。
【0040】
この状態で、図7に示すように、FNS4においてID=20の用紙にジャムが発生した場合を想定する。
【0041】
ここで、FNS4ではジャム検知部505でジャム発生が検知され、この検知結果を受けた制御部501は、搬送部510による用紙搬送を停止させ(図5中のステップS205)、予め定められた所定のジャムコードを生成して通信部502から他のFNSの通信部202〜402と画像形成装置100の通信部102を経由して制御部101にジャム発生を通知する(図5中のステップS206)。
【0042】
通信部102を介してFNS側からジャム発生通知を受けた画像形成装置100では、制御部101が、画像形成部150での画像形成と搬送部110による用紙搬送とを停止させ(図4中のステップS104)、ジャム発生を操作表示部103に表示する(図4中のステップS105)。
【0043】
また、ジャムを発生したFNS4は最終段であるため(図5中のステップS207でYES)、制御部501とジャム情報通報部507は、予め定められた所定のジャム情報を生成して、通信部502から他のFNSの通信部202〜402と画像形成装置100の通信部102を経由して制御部101に向けて送信する(図5中のステップS208)。なお、後述するように、このジャム発生最終段FNSのジャム情報には、他のFNSのジャム情報も付加された状態で制御部101に向けて送信される。
【0044】
ここで、FNS4が生成するジャム情報としては、[]内を具体的値として、ジャム発生ページID[ID=20]、スタッカ内正常排出枚数[3枚]、リカバリ可能残留紙枚数[0枚]、リカバリ不可残留紙枚数[1枚]、リカバリ可能残留紙ID[なし]、リカバリ可能な単位の先頭紙情報[なし]、リカバリ可能残留紙金額情報[なし]、リカバリ可能残留紙セキュリティ(親展)情報[なし]、リカバリ可能残留紙片面両面情報[なし]、のようになる(図8のFNS4の欄を参照)。
【0045】
なお、ジャムを発生したFNSが最終段でない場合には(図5中のステップS207でNO)、FNSの制御部は、下流FNSからのジャム情報を受信記憶して(図5中のステップS210,S211)、下流FNSが全停止してから(図5中のステップS209でYES)、受信した下流FNSのジャム情報に上述した自機の所定のジャム情報を付加して、ジャム情報通報部は通信部から上流側の他のFNSの通信部と画像形成装置100の通信部102を経由して制御部101に向けて送信する(図5中のステップS212)。
【0046】
また、自機でジャムが発生せずに後続FNSでジャムが発生した場合(図5中のステップS204でYES)、通信部を介して下流FNSから受信したジャム情報に上述した自機の所定のジャム情報を付加して、ジャム情報通報部は通信部から上流側の他のFNSの通信部と画像形成装置100の通信部102を経由して制御部101に向けて送信する(図5中のステップS214)。なお、FNS1〜FNS3のジャム情報通報部は、自機でジャムは発生していないが、図8(FNS1〜FNS3の欄参照)に示す通り、ジャム発生て搬送が停止した状態の残留紙が存在する情報をジャム情報として付加して画像形成装置100に向けて送信する。
【0047】
ここで、FNS1〜FNS3が生成するジャム情報としては、ジャム発生ページID、スタッカ内正常排出枚数、リカバリ可能残留紙枚数、リカバリ不可残留紙枚数、リカバリ可能残留紙ID、リカバリ可能な単位の先頭紙情報、リカバリ可能残留紙金額情報、リカバリ可能残留紙セキュリティ(親展)情報、リカバリ可能残留紙片面両面情報、のようになっており、直接ジャム紙でなくてもジャムに関連して残留している用紙の情報であり、複数の用紙が残留している場合にはそれぞれのジャム情報が存在する(図8のFNS1〜FNS3の欄を参照)。
【0048】
通信部102を介してFNS側からジャム情報(図8参照)を受けた画像形成装置100では(図4中のステップS106でYES)、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在しているかを判断する(図4中のステップS107)。ここで、単位とは、部またはジョブのまとまりを意味している。
【0049】
ここで、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在していない場合、すなわち、図9のように、ジャム紙と同一単位の滞留紙のみがFNS内に存在している場合(図4中のステップS107でNO)、ジャム発生の現在単位においてジャム紙の部分からリカバリを開始すると、ジャム除去頁指定部107が決定する(図4中のステップS108)。
【0050】
そして、制御部101はジャム紙及び滞留紙全てを除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図4中のステップS109)。
【0051】
また、ここで、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在している場合、すなわち、図10のように、ジャム紙とは異なる単位の滞留紙がFNS内に存在している場合(図4中のステップS107でYES)、ジャム情報(図8)を参照して除去内容を考慮してリカバリを開始する頁を、ジャム除去頁指定部107が決定する(図4中のステップS110)。
【0052】
ここで、図10のようにジャム発生の先行単位と後続単位とがFNS内に滞留している場合におけるリカバリ開始ページ決定(図4中のステップS110)のサブルーチンを図11を参照して詳細に説明する。
【0053】
なお、この図11では、除去紙内容としてページ数重視とすることで、除去ページ数最小を優先にして、リカバリ開始ページを決定する具体例により処理を説明する。すなわち、この具体例では、ページ数を基準として価値の判断を行うようにしている。
【0054】
ジャム除去頁指定部107はジャム情報を取得し(図11中のステップS301)、このジャム情報に含まれる各FNSの状況を把握する。
【0055】
なお、以下の説明は、特別な断りがなければ、ジャム除去頁指定部107の処理である。
【0056】
ここで、ジャム紙よりも下流側に存在しており、スタッカ内にスタックされている正常排紙枚数とリカバリ可能残留紙枚数とを合算し、各FNSxでのリカバリ可能枚数情報として記憶する(図11中のステップS302)。なお、FNSxとは、各FNSそれぞれを指す表記である。
【0057】
ここで、各FNSxで、ジャム発生ページIDが「あり」になっているかを調べ(図11中のステップS303)、ある場合にはそのジャム発生ページIDを記憶しておく(図11中のステップS303でYES、S304)。ジャム発生ページIDが「なし」になっているFNSxでは、そのジャム発生ページID記憶の処理を省略する(図11中のステップS303でNO)。
【0058】
また、各FNSxで、リカバリ可能な単位の先頭紙が存在しているかを調べ(図11中のステップS305)、存在していれば場合には各FNSxでの単位の先頭紙のページIDを記憶しておく(図11中のステップS305でYES、S306)。単位の先頭紙情報が「先頭でない」になっているFNSxでは、そのページID記憶の処理を省略する(図11中のステップS305でNO)。
【0059】
以上の処理を、最終段から(図11中のステップS301)、先頭に向かって全てのFNSで繰り返す(図11中のステップS307でNO、S308、S302〜S306)。
【0060】
そして、全てのFNSでのジャム情報の上述した処理が完了すれば(図11中のステップS307でYES)、先行単位において、ジャム発生ページIDのうち最も小さいページIDよりも下流側に存在する同じ単位内の先頭ページIDまでのページ数に相当するリカバリ可能枚数情報を、「先行単位リカバリ可能枚数」として取得する(図11中のステップS309)。
【0061】
後続単位では、ジャム発生がない場合には、(最後尾ページID−先頭ページID+1)を「後続単位リカバリ可能枚数」として取得する(図11中のステップS310)。
【0062】
また、後続単位においてジャム発生がある場合には、ジャム発生ページIDのうち最も小さいページIDよりも下流側に存在する同じ単位内の先頭ページIDまでのページ数に相当するリカバリ可能枚数情報を、「後続単位リカバリ可能枚数」として取得する(図11中のステップS310)。
【0063】
そして、以上のように取得した「先行単位リカバリ可能枚数」と「後続単位リカバリ可能枚数」とを比較する(図11中のステップS311)。
【0064】
比較の結果、「先行単位リカバリ可能枚数」>「後続単位リカバリ可能枚数」であれば(図11中のステップS311でYES)、ジャムが発生している先行単位の続き(小さいジャム発生ページID)の位置からリカバリを開始すると決定する(図11中のステップS312)。
【0065】
また、比較の結果、「先行単位リカバリ可能枚数」>「後続単位リカバリ可能枚数」でなければ(図11中のステップS311でNO)、ジャムの次の後続単位の位置からリカバリを開始すると決定する(図11中のステップS313)。
【0066】
このようにリカバリを決定することにより、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0067】
図10の場合では、先行単位のページID=20でジャム発生、同じ単位内のページID=17〜19がリカバリ可能であるので、先行単位リカバリ可能枚数は3である。また、図10で、後続単位において、((最後尾ページID=26)−(先頭ページID=21)+1))=6、であるので、後続単位リカバリ可能枚数は6である。よって、後続単位リカバリ可能枚数が大である。
【0068】
図12の場合では、先行単位のページID=20でジャム発生、同じ単位内のページID=17〜19がリカバリ可能であるので、先行単位リカバリ可能枚数は3である。また、図12の後続単位において、ページID=25でジャム(ダメージ)発生、同じ単位内のページID=21〜24がリカバリ可能であるので、後続単位リカバリ可能枚数は4である。よって、後続単位リカバリ可能枚数が大である。
【0069】
なお、ダメージとは、ジャムとは異なるものの、搬送中に何らかのダメージを受けた用紙であり、通紙センサやジャム検知センサによって検知されうるものである。
【0070】
図13の場合では、先行単位のページID=20でジャム発生、同じ単位内のページID=19がリカバリ可能であるので、先行単位リカバリ可能枚数は1である。また、図13の後続単位において、ページID=26でジャム(ダメージ)発生、同じ単位内のページID=21〜25がリカバリ可能であるので、後続単位リカバリ可能枚数は5である。よって、後続単位リカバリ可能枚数が大である。
【0071】
すなわち、ここでは、リカバリ可能枚数が少ない方を除去するように、リカバリページ決定を行っている。
【0072】
なお、「先行単位リカバリ可能枚数」≧「後続単位リカバリ可能枚数」として比較をしても良いし、「先行単位リカバリ可能枚数」=「後続単位リカバリ可能枚数」の場合に操作者にどちらからリカバリするのかを問い合わせるようにしても良い。
【0073】
また、以上の図11では、除去紙内容としてページ数重視とした場合の具体例であったが、除去紙内容としてはこれに限定されるものではない。たとえば、用紙の金額情報を参照して単位の金額((金額/枚)×枚数)、画像形成時間(カラー/モノクロ、片面/両面)、セキュリティ(親展印刷)有無、など、任意のパラメータを価値として扱って、価値の減少が最小になるように、リカバリページを決定することができる。また、複数のパラメータに重みをつけて、総合的な価値を判断するようにしてもよい。いずれの場合も、操作者が任意に選択することが可能である。
【0074】
これにより、用紙についての価値を自動的に判断して、価値の減少が小さい状態で無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0075】
図14の場合では、先行単位リカバリ可能枚数は3、後続単位リカバリ可能枚数も3で、同数である。この場合、後続単位に先行単位より金額の高い用紙が使われている場合(図14のハッチング部分)には、金額を価値と判断して、後続単位をリカバリするように決定する。
【0076】
図15の場合では、先行単位リカバリ可能枚数は8、後続単位リカバリ可能枚数は5で、先行単位リカバリ可能枚数が大である。しかし、後続単位に先行単位より金額の高い用紙が使われている(図14のページID=22)。ここで、先行単位と後続単位とで各紙の金額を合計した場合に、後続単位の金額が高くなれば、後続ジョブをリカバリするように決定する。
【0077】
また、図8のジャム情報には含まれていないが、用紙の入手容易/困難をパラメータとしてもよい。すなわち、入手困難な用紙をできるだけ除去しないようにして、リカバリページ決定を行っても良い。
【0078】
以上で、ジャム除去頁指定部107によるリカバリ開始ページ決定のサブルーチン(図4中のステップS110=図11)の説明を終わり、図4の説明に戻る。
【0079】
先行単位のジャム発生位置からリカバリを開始すると決定した場合(図4中のステップS111でYES、S112、図11中のステップS312)は、制御部101は、先行単位のジャム紙及び後続単位の滞留紙全てを除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図4中のステップS113)。
【0080】
また、後続単位から先にリカバリを開始すると決定した場合(図4中のステップS111でNO、S114、図11中のステップS313)は、制御部101は、先行単位の全て(ジャム紙及び正常紙の全て)を除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図4中のステップS115)。
【0081】
このジャム除去情報としては、例えば、図12のように、各FNS宛で、ページIDと、除去する/しない、のデータが含まれた情報である。この図16は先行単位の全て(ジャム紙及び正常紙の全て)を除去する指示のジャム除去情報の例である。
【0082】
ここで、以上のジャム除去情報を各FNSで通信部202〜502を介して各制御部201〜501が受信すると(図5中のステップS215でYES)、各制御部201〜501は自機内の対応する用紙を除去するように、表示部203〜503(図3参照)にジャム除去情報を表示する(図5中のステップS216)。ここでは、各FNSの表示部203〜503において、操作者が用紙を除去できるように、対応位置でのランプの点灯などでジャム除去表示を行う(図10参照)。
【0083】
また、この際に、制御部101は、ジャム除去情報を利用して、図17に示すようにして操作表示部103の表示画面1030において、画像形成システム全体のジャム除去1031を示を行うようにしても良い。
【0084】
また、後続単位から先にリカバリを開始すると決定した場合(図4中のステップS111でNO、S114、図11中のステップS313)は、後続単位が先行単位を追い越すことになって出力順が入れ替わる。特に、ジョブの出力順が入れ替わる場合には、操作者の承認を得るための承認受付画面1032(図18)を表示することも望ましい。
【0085】
そして、操作者からの追い越し承認1033が得られた場合には制御部101は追い越しを実行して後続単位からリカバリを開始し、操作者からの追い越し否認1034が入力された場合には制御部101は追い越しを実行せずに先行単位からリカバリを開始するように、制御を変更しても良い。これにより、操作者の意図に沿った状態で、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。また、操作者の意図しない状態の出力がなされることはない。
【0086】
そして、操作者からの追い越し承認1033が得られて追い越しを実行して後続単位からリカバリを開始した場合、あるいは、追い越し承認無しで追い越しを実行して後続単位からリカバリを開始した場合には、追い越して出力順が変更されることを操作者に通知するための通知画面1035(図19)を表示することも望ましい。これにより、システムの動作を操作者が理解した状態で、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【0087】
なお、以上の図4,5,11では、各FNSからのジャム情報を参照して画像形成装置100側でジャム除去頁指定部107の処理として除去頁とリカバリ位置とを決定していたが、これに限定されるものではない。たとえば、図20に示すように、全てのジャム情報が集まる最上流位置のFNS1の制御部201がリカバリ位置を決定してそのページ情報を画像形成装置100に通知してもよい。この場合には、FNS1がジャム除去情報を全体に通知してもよいし、画像形成装置100から各FNSにジャム除去情報を通知しても良い。
【0088】
ここで、ジャム除去情報による除去指示に対して、除去指示の用紙と、除去指示されていない正常紙も除去してしまった場合の、対応処理について説明する。
【0089】
図21のように先行単位の用紙全てと後続単位のページID=26のダメージ紙とを除去するようにジャム除去情報から指示された場合に、図22のように先行単位の用紙全てと後続単位のページID=26のダメージ紙とに加えて正常なページID=25の正常紙まで除去した場合を具体例にする。
【0090】
まず、FNS側で正常紙が誤って除去されてしまった場合の、FNS側の判断処理について図23を参照して説明する。
【0091】
ここで、FNS1〜4側では、FNS1とFNS4のジャム(ダメージ)検知により用紙搬送を停止させる(図23中のステップS401)。また、FNS1とFNS4は予め定められた所定のジャムコードを生成して画像形成装置100の通信部102を経由して制御部101にジャム発生を通知する(図23中のステップS402)。
【0092】
この際に、ジャムを発生したFNS1とFNS4は、ジャム検知センサによるジャム紙のセンサ情報を作成しておく(図23中のステップS403)と共に、通紙センサによるリカバリ可能なジャム紙より下流側の滞留紙のセンサ情報を作成しておく(図23中のステップS404)。
【0093】
ここで、画像形成装置100からのジャム除去情報をFNS1とFNS4で受信すると(図23中のステップS405)、FNS1とFNS4は自機内の対応する用紙を除去するようにジャム除去情報をそれぞれの表示部に表示する(図23中のステップS406)。
【0094】
ここで、FNS1とFNS4は、ドアオープン検知(図23中のステップS407でYES)、ジャム除去情報のジャム紙除去検知(図23中のステップS408でYES)、ドアクローズ検知(図23中のステップS409でYES)があった場合には、除去紙について、ジャム除去前のセンサ情報とジャム除去後のセンサ情報とを比較する(図23中のステップS410)。
【0095】
ここで、ジャム除去情報により除去すべき紙が残存していれば(図23中のステップS411でYES)、以上のドアオープン検知(図23中のステップS407)、ジャム除去情報のジャム紙除去検知(図23中のステップS408)、ドアクローズ検知(図23中のステップS409)を繰り返す。
【0096】
また、FNS1とFNS4は、ジャム除去情報により除去すべき紙が除去されていれば(図23中のステップS411でNO)、リカバリ可能な残留紙(残すべき残留紙)について、ジャム除去前のセンサ情報とジャム除去後のセンサ情報とを比較する(図23中のステップS412)。
【0097】
ここで、ジャム除去情報により残すべき残留紙が正常に残っていれば(図23中のステップS413でNO)、FNS1とFNS4はレディ情報を画像形成装置100に対して送信する(図23中のステップS415)。
【0098】
一方、ジャム除去情報により残すべき残留紙が1枚でも除去されていれば(図23中のステップS413でYES)、その時点でのFNS1とFNS4の残留紙の情報を、新たなジャム情報として、画像形成装置100に再送信する(図23中のステップS414)。なお、残すべき残留紙が除去されているかは、ONになっているべき通紙センサがOFFに変化していることから検知することができる。
【0099】
これにより、画像形成装置100側で、リカバリの開始ページを変更する。なお、この場合は、単純にリカバリ開始位置を、ページID=26からページID=25に変更しても良いが、残留紙のページ数が変更されているため、後述するように画像形成装置100側で除去紙とリカバリ位置を再決定することが望ましい。
【0100】
FNS側で正常紙が誤って除去されてしまった場合の、画像形成装置100側の判断処理について図24を参照して説明する。
【0101】
画像形成装置100の制御部101は、FNS側からのジャム解除情報とレディ情報を受信待ちしている(図24中のステップS501、S502)。
【0102】
ここで、ジャム紙が除去された際にFNSからジャム解除情報が送信され、続いて、残留紙が正常に残存している場合にFNSからレディ情報が送信される(図22のステップS415参照)。なお、ジャム紙が除去された際にFNSからジャム解除情報が送信されるものの、残留紙が正常に残存していない場合にはFNSからレディ情報に代えて新たなジャム情報が送信される(図23ステップS414参照)。
【0103】
FNS側からのジャム解除情報とレディ情報を受信すると(図24中のステップS501、S502でYES)、図4と図5に示したリカバリ処理を実行する(図24中のステップS503)。
【0104】
一方、通信部102を介してFNS側から新たなジャム情報(図8参照)を受けた画像形成装置100では(図24中のステップS502でNO、S504でYES)、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在しているかを判断する(図24中のステップS505)。ここで、単位とは、部またはジョブのまとまりを意味している。
【0105】
ここで、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在していない場合、すなわち、図9のように、ジャム紙と同一単位の滞留紙のみがFNS内に存在している場合(図24中のステップS505でNO)、ジャム発生の現在単位においてジャム紙の部分からリカバリを開始すると、ジャム除去頁指定部107が決定する(図24中のステップS506)。
【0106】
そして、制御部101は、ジャム紙及び滞留紙全てを除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図24中のステップS507)。
【0107】
また、ここで、ジャム発生した単位の次の後続単位がFNS内に滞留紙として存在している場合、すなわち、図10のように、ジャム紙とは異なる単位の滞留紙がFNS内に存在している場合(図24中のステップS505でYES)、ジャム情報(図8)を参照して除去内容を考慮してリカバリを開始する頁を、ジャム除去頁指定部107が決定する(図24中のステップS508)。
【0108】
ここで、先行単位と後続単位とがFNS内に滞留している場合におけるリカバリ開始ページ決定(図24中のステップS508)のサブルーチンは、図11で説明した通りである。
【0109】
先行単位のジャム発生位置からリカバリを開始すると決定した場合(図24中のステップS509でYES、S510)は、制御部101は、先行単位のジャム紙及び後続単位の滞留紙全てを除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図24中のステップS511)。
【0110】
また、後続単位から先にリカバリを開始すると決定した場合(図24中のステップS509でNO、S512)は、制御部101は、先行単位の全て(ジャム紙及び正常紙の全て)を除去する指示のジャム除去情報を生成して、通信部102を介して、各通信部経由で各FNSにジャム除去情報を送信する(図24中のステップS513)。
【0111】
このようにすることで、操作者が正常紙を除去してしまった場合であっても、無駄なく生産性や効率を上げた状態でリカバリ処理を開始することができる。
【符号の説明】
【0112】
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
103 操作表示部
107 ジャム除去頁指定部
108 ジョブ追越決定部
110 搬送部
150 画像形成部
200 フィニッシャ(FNS1)
201 制御部
202 通信部
203 表示部
205 ジャム検知部
207 ジャム情報通報部
210 搬送部
300 フィニッシャ(FNS2)
301 制御部
302 通信部
303 表示部
305 ジャム検知部
307 ジャム情報通報部
310 搬送部
400 フィニッシャ(FNS3)
401 制御部
402 通信部
403 表示部
405 ジャム検知部
407 ジャム情報通報部
410 搬送部
500 フィニッシャ(FNS4)
501 制御部
502 通信部
503 表示部
505 ジャム検知部
507 ジャム情報通報部
510 搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成された用紙に後処理を施す複数の後処理装置とが接続された画像形成システムにおける画像形成方法であって、
ジャム発生時に画像形成システム内で搬送中の正常紙を利用可能な状態で停止させ、
部あるいはジョブのまとまりを単位、ジャムを発生した用紙をジャム紙、ジャムを発生していない用紙を正常紙とした場合に、
先行単位の正常紙と後続単位の残留紙とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するか、について決定し制御する、
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
先行単位の正常紙の価値と後続単位の残留紙の価値とを比較し、
ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するかについて、いずれを除去するかで前記価値の減少が小さくなるように決定し制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記価値とは、除去すべき残留紙の枚数、紙種、紙単価、トナー消費量、セキュリティ、画像形成時間、のうち少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定した場合に、
操作者の承認を受けてから前記決定を実行する、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項5】
先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定して実行する場合に、
後続単位が先行単位を追い越す旨を表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成された用紙に後処理を施す複数の後処理装置とが接続された画像形成システムであって、
前記後処理装置は、ジャム発生時に画像形成システム内で搬送中の正常紙を利用可能な状態で停止させる搬送部を備え、
前記画像形成装置は、部あるいはジョブのまとまりを単位、ジャムを発生した用紙をジャム紙、ジャムを発生していない用紙を正常紙とした場合に、先行単位の正常紙と後続単位の残留紙とを比較し、ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するか、について決定し制御する制御部を備える、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
前記制御部は、
先行単位の正常紙の価値と後続単位の残留紙の価値とを比較し、
ジャムが発生した先行単位のジャム紙と正常紙との全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行するか、先行単位のジャム紙と後続単位の残留紙とを除去して先行単位からリカバリ処理を実行するかについて、いずれを除去するかで前記価値の減少が小さくなるように決定し制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記価値とは、除去すべき残留紙の枚数、紙種、紙単価、トナー消費量、セキュリティ、画像形成時間、のうち少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
操作者の承認を受ける操作部を備え、
前記制御部は、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定した場合に、前記操作部において前記操作者の承認を得てから前記決定を実行する、
ことを特徴とする請求項6−8のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記制御部は、先行単位の全ての用紙を除去して後続単位からリカバリ処理を実行すると決定して実行する場合に、後続単位が先行単位を追い越す旨を表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項6−9のいずれかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88772(P2013−88772A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232074(P2011−232074)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】