説明

画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置

【課題】微細画像と厚膜画像の両立化を図った画像形成方法及び画像形成装置
【解決手段】版機能を備えたシリコーンブランケット23上にインキ画像25を形成する工程(1)、又は、版機能を持たないシリコーンブランケット24上の一様なインキ26からインキ画像25を形成する工程(1−1)(1−2)と、インキ画像25を被印刷体42に転写する工程(2)と、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に一様なインキ26を形成し、被印刷体42上に形成されたインキ画像25に一様なインキ26を押圧し、押圧された部分の一様なインキ26をインキ画像25上にのみ自己整合的に積層する工程(3)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、液晶用カラーフィルタや携帯電話用チップ・オン・フィルム等の微細なパターン形成に有効な画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微細な画像形成方法及び画像形成装置として、下記特許文献1,2に示されるように、シリコーンブランケット上に機能性樹脂を形成し、凹版または凸版を塗布面に押圧すると共に、圧着された部分の樹脂をシリコーンブランケットから除去し、残った樹脂を被印刷体上に転写してなる画像形成方法及び画像形成装置が提案されている。
【0003】
また、下記非特許文献1に記載されるように、スクリーン印刷で形成された銀配線上にイオンマイグレーションを抑制するためのカーボンを、スクリーン印刷で積層する印刷装置が提案されている。また、この非特許文献1には、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を用いたロール・ツー・ロールの印刷技術も開示されている。
【0004】
さらに、下記特許文献3に示されるように、凹版オフセット印刷を用いた微細な画像形成に最適な材料及び物性を備えたブランケットも提案されている。
【特許文献1】特開2000−289320号公報
【特許文献2】特開平11−198337号公報
【特許文献3】特開平6−255280号公報
【非特許文献1】MATERIAL STAGE Vol.3,No.4 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術においては、インキの転移性に優れたシリコーンブランケットの特徴を最大限に活かした微細な画像形成方法であるが、臨界表面張力が小さくてインキ受理性の悪いシリコーンゴムをブランケット表面のゴム層に使用するだけでなく、粘度の低いインキを使用するため、シリコーンブランケット表面に厚いインキ膜を形成するのが困難であり、微細画像形成と厚膜画像形成の両立ができないという課題を有していた。
【0006】
また、ブランケットから被印刷体へのインキ転移率は高いが、ぬれ性が低ためにインキがはじかれる傾向にあるのでブランケット表面にインキ膜を形成するのが困難という課題も有していた。
【0007】
さらに、臨界表面張力の低いシリコーンゴムをブランケットの表面ゴム層に使用するだけでなく、シリコーンブランケット表面に微細なインキ画像を形成するため、インキ画像の線細り、細線切れが発生し易いという課題もあった。
【0008】
また、シリコーンブランケットの表面エネルギーとインキの表面張力との関係、不要なインキを除去して所望のインキ画像形成する際のインキ物性等、印刷原理を具現化するための材料物性及びプロセス条件等が明らかでなかった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、微細かつ厚膜のインキ画像が形成できる画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置は、例えば、図1(a)に示すように、画像形成版の機能を備えたシリコーンブランケット23上にインキ25を塗布すると共にインキ画像を形成する工程(1)と、前記インキ画像を被印刷体42に転写して画像を形成する工程(2)と、版機能を持たないシリコーンブランケット24上にインキの塗布面を形成する工程と、前記インキ塗布面にインキ画像が形成された前記被印刷体を押圧して前記インキ画像で押圧された部分のインキをシリコーンブランケット上から除去すると共に被印刷体上のインキ画像上にのみインキを積層して画像を形成する工程(3)とからなる画像形成方法であり、被印刷体上に形成したインキ画像を利用して自己整合的にインキ画像の厚膜化を行うことにより、微細かつ厚膜のインキ画像の形成を可能にしたことを特徴とするものである。
【0011】
なお、本発明の原理は、撥インキ性を有するブランケット上に形成されたインキ塗布面にインキ画像が形成された印刷体を押圧し、インキ画像で押圧された部分のインキを除去すると共に、インキ画像上にのみインキを積層するものであり、原画像となるインキ画像の形成方法、インキの種類、被印刷体の種類、ブランケットの材質等についての制限はない。
【0012】
また、前記被印刷体上に形成されたインキ画像上に積層されるインキについては、単にインキ画像と同種のものを積層して厚膜化するための画像形成法に限定されるものではなく、例えば、銀配線上にマイグレーション防止のためのカーボンを積層する等、インキ画像と異なるインキを積層する画像形成方法としても、画像形成版や位置合せを必要とせず自己整合的にインキを画像上にのみ積層できるので有効である。
【0013】
さらに、画像形成用のインキとしては、カラーフィルタ、エッチングレジストをはじめとする有機材料に限定されるものではなく、金属及び無機材料等の微粒子を利用したペースト等のインキについても有効である。
【0014】
本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置は、例えば、図2に示すように、表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に移動及び上下調整機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22と共に移動及び上下調整機構28を備えたインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段(図示せず。)と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ガラス基板等の被印刷体42と、被印刷体用の定盤41とを有している。
【0015】
本発明の画像形成法を利用した別の画像形成装置は、例えば、図3に示すように、表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に移動及び上下調整機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22と共に上下調整機構28を備え、かつ同一の移動機構28上に設置された複数のインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段(図示せず。)と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ガラス基板等の被印刷体42と、被印刷体用の定盤41とを有している。
【0016】
本発明の画像形成法を利用した別の画像形成装置は、例えば、図4に示すように、同一の移動機構27上に設置された表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に上下調整機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22と共に上下調整機構27を備えたインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段(図示せず。)と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ガラス基板等の被印刷体42と、被印刷体用の定盤41とを有している。
【0017】
本発明の画像形成法を利用した別の画像形成装置は、例えば、図5に示すように、同一の移動機構27上に設置された表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に上下調整機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22と共に上下調整機構27を備えた複数のインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段(図示せず。)と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ガラス基板等の被印刷体42と、被印刷体用の定盤41とを有している。
【0018】
また、別の画像形成装置は、例えば、図6に示すように、表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22を備えたインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段50と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの被印刷体42と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの送り機構60と、被印刷体用の複数の定盤41,41’とを有している。
【0019】
さらに、別の画像形成装置は、例えば、図7に示すように、表面ゴム層に画像形成版の機能を備えたシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22を備えた複数のインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段50と、低粘度のインキ32,32’と、インキ供給手段30及びインキ塗布面形成手段30’と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの被印刷体42と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの送り機構60と、被印刷体用の複数の定盤41,41’とを有している。
【0020】
なお、インキ塗布手段、不要インキ除去手段の方法及びインキ画像を乾操させる加熱手段等については、製品形態や画像形成速度等に照らし合わせて適宜選択すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0021】
本発明の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置は、例えば、図1(b)に示すように、シリコーンブランケット24上にインキの塗布面を形成する工程(1−1)と、前記インキ塗布面に凹版又は凸版を押圧すると共に、押圧された部分のインキをシリコーンブランケット24上から除去し、シリコーンブランケット24上にインキ画像を形成する工程(1−2)と、前記シリコーンブランケット24上に形成されたインキ画像を被印刷体42上に転写して画像形成する工程(2)と、別のシリコーンブランケット24上にインキの塗布面を形成する工程と、前記インキ塗布面にインキ画像が形成された前記被印刷体42を押圧してインキ画像上にのみインキを積層する工程(3)とからなる画像形成方法であり、被印刷体42上に形成したインキ画像を利用して自己整合法により微細化と厚膜化の両立を可能にしたことを特徴とするものである。
【0022】
なお、本発明の原理は、撥インキ性を有するブランケット上に形成されたインキ塗布面にインキ画像が形成された印刷体を押圧し、インキ画像で押圧された部分のインキを除去すると共に、インキ画像上にのみインキを積層するものであり、原画像となるインキ画像の形成方法、インキの種類、被印刷体の種類、ブランケットの材質等についての制限はない。
【0023】
また、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置は、例えば、図8に示すように、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に移動及び上下調整機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22と共に移動及び上下調整機構28を備えたインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段50と、低粘度のインキ32,32’と、インキ塗布面形成手段30’と、凸版又は凹版からなる画像形成版72と、ガラス基板等の被印刷体42と、画像形成版及び被印刷体用の定盤71,41とを有している。
【0024】
さらに、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置は、例えば、図9に示すように、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット23を装着する回転胴21と共に移動及び上下機構27を備えたインキ画像形成手段20と、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケット24を装着する回転胴22を備えたインキ画像積層手段20’と、前記シリコーンブランケット24上に残存する不要なインキの除去手段50と、低粘度のインキ32,32’と、インキ塗布面形成手段30’と、凸版又は凹版からなる画像形成版72と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの被印刷体42と、ロール・ツー・ロール製法のための長尺フィルムの送り機構60と、画像形成版及び被印刷体用の定盤71,41とを有している。
【0025】
なお、インキ塗布手段、不要インキ除去手段の方法及びインキ画像を乾操させる加熱手段等については、製品形態や画像形成速度等に照らし合わせて適宜選択すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0026】
また、表面ゴム層にシリコーンゴムを有するブランケットを装着すると共に上下調整機構を備えたインキ画像積層手段についても、製品形態や画像形成速度等に照らし合わせて適宜設置数量を決定すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0027】
さらに、インキについてもカラーフィルタ、エッチングレジストをはじめとする有機材料だけに限定されるものではなく、ディスプレイ用電極配線、電子回路基板用配線等の金属材料や絶縁層用の無機材料等の使用も可能である。
【0028】
以上、本発明は、撥インキ性と版機能を備えたシリコーンブランケット表面にインキ薄膜を形成すると共にインキ画像を形成する工程と、前記ブランケット上に形成されたインキ画像を被印刷体に転写する工程と、撥インキ性を有するシリコーンブランケット表面にインキ薄膜を形成する工程と、前記ブランケット上に形成されたインキ薄膜にインキ画像が形成された前記被印刷体を押圧し、インキ画像で押圧された部分のインキ薄膜を除去すると共にインキ画像上にインキを積層する工程とにより、フォトリソと同等の品質の微細かつ厚膜の画像を形成することを主要な特徴とするものであり、特に、積層画像形成版や画像積層時の位置合せが不要であり、かつ自己整合的に画像を積層して厚膜化することを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明は、撥インキ性を有するシリコーンブランケット表面にインキ薄膜を形成する工程と、前記ブランケット上に形成されたインキ薄膜に画像形成版となる凸版又は凹版を押圧すると共に画像形成版で押圧された部分のインキ除去してインキ画像を形成する工程と、前記ブランケット上に形成されたインキ画像を被印刷体に転写する工程と、別の撥インキ性を有するシリコーンブランケット表面にインキ薄膜を形成する工程と、前記ブランケット上に形成されたインキ薄膜にインキ画像が形成された前記被印刷体を押圧し、インキ画像で押圧された部分のインキ薄膜を除去すると共にインキ画像上にインキを積層する工程とにより、フォトリソと同等の品質の微細かつ厚膜の画像を形成することを主要な特徴とするものであり、特に、自己整合的に画像を積層画像形成版や画像積層時の位置合せが不要であり、かつ自己整合的に画像を積層して厚膜化することを特徴とするものである。
【0030】
本発明の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置は、撥インキ性を有するシリコーンブランケット上に形成されたインキ薄膜に、インキ画像が形成された被印刷体を押圧してインキ画像上にのみ自己整合的にインキ薄膜を積層して微細かつ厚膜の画像を形成方法であり、積層画像の形成及び被印刷体上のインキ画像と積層するインキ画像の位置合せする工程が不要なので、少ない製作工数で微細かつ厚膜画像が形成できる利点がある。
【0031】
また、本発明の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置は、画像を形成するため版機能を備えたシリコーンブランケットを装着した回転胴を有する画像形成手段とインキ供給手段とによりブランケット上に直接インキ画像を形成するか、または、シリコーンブランケットを装着した回転胴を有するインキ薄膜形成手段とインキ供給手段によりブランケット上にインキ薄膜を形成した後、前記インキ薄膜に凸版又は凹版からなるが画像形成版を押圧し、画像形成版で押圧された部分のインキ薄膜を除去する画像形成手段とによりブランケット上にインキ画像を形成した後、被印刷体に前記インキ画像を転写して画像を形成するインキ原画像形成工程と、別のシリコーンブランケットを装着した回転胴を有するインキ薄膜形成手段とインキ供給手段によりブランケット上に形成されたインキ薄膜に、インキ原画像が形成された前記被印刷体を押圧して、押圧された部分のインキ薄膜を除去することによりインキ原画像上のみに自己整合的にインキ薄膜を積層する工程とから微細かつ厚膜の画像を形成するものであり、積層画像の形成及び被印刷体上のインキ画像と積層するインキ画像の位置合せする工程が不要なるので、少ない製作工数で微細かつ厚膜画像が形成できるだけでなく、装置構成が単純になり安価で小型の装置が提供できる利点もある。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、微細かつ厚膜の画像が簡単に形成できるだけでなく、小形,安価な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置の実施形態の一例は、次のとおりである。
【0034】
本実施形態は、大略すると、図1(a)に示すように、シリコーンブランケット23上にインキ画像25を直接形成、転写して被印刷体42上に画像を形成する工程(1)(2)と、前記インキ画像上に自己整合的にインキを積層して厚膜化する工程(3)とからなる微細かつ厚膜の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置と、図1(b)に示すように、撥インキ性を有するシリコーンブランケット24に一様に形成されたインキ薄膜26に、凸版又は凹版からなる画像形成版72を押圧し、画像形成版72で押圧された部分のインキ薄膜を除去し、シリコーンブランケット24上にインキ画像を形成し、転写して被印刷体42上に画像を形成する工程(1−1)(1−2)(2)と、前記インキ画像上に自己整合的にインキを積層して厚膜化する工程(3)とからなる微細かつ厚膜の画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置とにより、微細かつ厚膜画像形成が位置合せなしに簡単に行える画像形成方法及びそれを用いた画像形成装置を実現したものである。
【0035】
なお、本発明の原理は、撥インキ性を有するブランケット上に形成されたインキ塗布面にインキ画像が形成された被印刷体を押圧し、インキ画像で押圧された部分のインキを除去すると共に、インキ画像上にのみインキを積層するものであり、原画像となるインキ画像の形成方法、インキの種類、被印刷体の種類、ブランケットの材質等についての制限はない。特に、液晶ディスプレイのカラーフィルタ、エッチングレジスト、電極形成及び電子回路基板用配線形成に好適である。
【実施例1】
【0036】
図2は、本発明に係る画像形成方法を用いた画像形成装置の実施例1の断面図であって、10は固定フレーム、20は、インキ、機能性樹脂、金属ナノペースト等(以下、代表して「機能性樹脂」という。)が塗布される画像形成手段、20’は機能性樹脂が塗布される積層画像形成手段、21は画像形成用回転胴、22は積層画像形成用回転胴、23は画像を形成する版機能を備えたシリコーンブランケット、24は画像を形成する版機能を持たないシリコーンブランケット、25は版機能を備えたシリコーンブランケット上に塗布された機能性樹脂、26は版機能を持たないシリコーンブランケット上に一様に形成された機能性樹脂、27は画像形成用可動フレーム、28は積層画像形成用可動フレーム、30は画像形成用機能性樹脂の供給手段、31は画像形成用機能性樹脂の供給ヘッド、32は画像形成用機能性樹脂、33は画像形成用機能性樹脂のタンク、30’は積層画像形成用機能性樹脂の供給手段、31’は積層画像形成用機能性樹脂の供給ヘッド、32’は積層画像形成用機能性樹脂、33’は積層画像形成用機能性樹脂のタンク、40は印刷手段、41は被印刷体用定盤、42は被印刷体である。
【0037】
図2において、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’、印刷手段40を取付ける。さらに、固定フレーム10上に、版機能を備えたシリコーンブランケット23を装着した上下機構を有する回転胴21を備え、機能性樹脂25が塗布される画像形成手段20を印刷手段40上で移動させるために、画像形成用可動フレーム27を設ける。また、版機能を持たないシリコーンブランケット24を装着した上下機構を有する回転胴22を備え、機能性樹脂26が塗布される画像形成手段20’を印刷手段40上で移動させるために、積層画像形成用可動フレーム28を設ける。
【0038】
本実施例の動作は、まず、1)機能性樹脂の供給手段30上に回転胴21を停止させ、画像を形成するための版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面と機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像を形成する。
【0039】
次に、2)画像形成手段20を被印刷体用定盤41及び被印刷体42からなる印刷手段40上に移動させ、被印刷体42の所定の位置に、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に接触させながら転動させて、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0040】
次に、3)機能性樹脂の供給手段30’上に回転胴22を停止させ、画像を形成するための版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面と機能性樹脂の供給ヘッド31’との間の距離を、回転胴22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’を移動させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’を供給すると共に、回転胴22を回転させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26を形成する。
【0041】
その後、4)機能性樹脂の積層画像形成手段20’を、被印刷体用定盤41及び機能性樹脂の画像が形成された被印刷体42からなる印刷手段40上に移動させ、回転胴22の上下機構により被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、回転胴22を回転させ、被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させ、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0042】
なお、版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、同図には示していないが、金属性の回転胴からなるインキ除去手段で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例2】
【0043】
図3は、本発明の実施例2を示す断面図であって、印刷手段40上を移動するための可動フレーム27を備えた画像形成手段20と、印刷手段40上を移動するための可動フレーム28を備えた積層画像形成手段20’とを、固定フレーム10上に設けた構成は、図2に示した実施例1とほぼ同じである。
【0044】
実施例1と異なるのは、画像形成手段20’が、印刷手段40上を移動するための可動フレーム28に、複数備えられている。
【0045】
図3において、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’、印刷手段40を取付ける。さらに、固定フレーム10上に、画像形成手段20を印刷手段40上に移動させるための画像形成用可動フレーム27を設ける。また、画像形成手段20’,20’を印刷手段40上に移動させるための積層画像形成用可動フレーム28を設ける。
【0046】
本実施例の動作は、まず、1)機能性樹脂の供給手段30上に回転胴21を停止させ、画像を形成するための版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面と機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像を形成する。
【0047】
次に、2)画像形成手段20を印刷手段40上に移動させ、被印刷体42の所定の位置に、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に接触させながら転動させて、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0048】
次に、3)複数の機能性樹脂の供給手段30’,30’上に複数の回転胴22,22を停止させ、各々の画像を形成するための版機能を持たないシリコーンブランケット24,24の表面と機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’との間の距離を、各々の回転胴22,22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’を移動させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24,24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、各々の機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’,32’を供給すると共に、各々の回転胴22,22を回転させ、各々の版機能を持たないシリコーンブランケット24,24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26,26を形成する。
【0049】
その後、4)複数の機能性樹脂の積層画像形成手段20’,20’の先頭のものを、(1)被印刷体用定盤41及び機能性樹脂の画像が形成された被印刷体42からなる印刷手段40上に移動させ、(2)回転胴22の上下機構により被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、(3)回転胴22を回転させ、被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂26の薄膜を自己整合的に転移させ、この(1)から(3)の工程を複数回繰り返し行うことにより、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0050】
なお、本実施例における画像形成用機能性樹脂の供給手段30及び複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’としては、本実施例に限定されるものではなく、ロールコーター等他の機能性樹脂の供給手段手段を用いてもよい。
【0051】
また、版機能を持たないシリコーンブランケット24,24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、同図には示していないが、金属性の回転胴からなる複数のインキ除去手段で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例3】
【0052】
図4は、本発明の実施例3を示す断面図であって、印刷手段40上を移動するための可動フレーム27を備えた画像形成手段20と、印刷手段40上を移動するための可動フレーム28を備えた積層画像形成手段20’とを、固定フレーム10上に設けた構成は、図2に示した実施例1とほぼ同じである。
【0053】
実施例1と異なるのは、画像形成手段20と積層画像形成手段20’とが、印刷手段40上を移動するための可動フレーム27に、備えられている。
【0054】
図4において、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’、印刷手段40を取付ける。さらに、画像形成手段20と積層画像形成手段20’とを、印刷手段40上に移動するための可動フレーム27に設ける。
【0055】
本実施例の動作は、まず、1)機能性樹脂の供給手段30及び30’上に回転胴21及び22を停止させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23及び版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31及び31’との間の距離を、回転胴21、22又は機能性樹脂の供給ヘッド31、31’を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23及び版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31及び31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32及び32’を供給すると共に、回転胴21及び22を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像を形成すると共に、版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26の塗布面を形成する。
【0056】
次に、2)画像形成手段20を印刷手段40上に移動させ、被印刷体42の所定の位置に、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に接触させながら転動させて、シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0057】
その後、3)積層画像形成手段20’を、印刷手段40上に移動させ、回転胴22の上下機構により被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、回転胴22を回転させ、被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させることにより、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0058】
なお、本実施例における画像形成用機能性樹脂の供給手段30及び複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’としては、本実施例に限定されるものではなく、ロールコーター等他の機能性樹脂の供給手段手段を用いてもよい。
【0059】
また、版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、同図には示していないが、金属性の回転胴からなるインキ除去手段で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例4】
【0060】
図5は、本発明の実施例4を示す断面図であって、画像形成手段20と積層画像形成手段20’とを固定フレーム10上に設けた構成は、図2に示した実施例1とほぼ同じである。
【0061】
実施例1と異なるのは、画像形成手段20と複数の積層画像形成手段20’,20’が、印刷手段40上を移動するための可動フレーム27に備えられている。
【0062】
図5において、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’、印刷手段40を取付ける。さらに、画像形成手段20と複数の積層画像形成手段20’,20’とを、印刷手段40上に移動させるための可動フレーム27に設ける。
【0063】
本実施例の動作は、まず、1)画像形成用機能性樹脂の供給手段30及び複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’上に、画像形成用回転胴21及び複数の積層画像形成用の回転胴22,22を停止させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23及び版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31及び31’,31’との間の距離を、回転胴21及び22,22又は機能性樹脂の供給ヘッド31及び31’,31’を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23及び版機能を持たないシリコーンブランケット24,24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31及び31’,31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32及び32’,32’を供給すると共に、回転胴21及び22,22を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像及び複数のシリコーンブランケット24,24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26,26の塗布面を形成する。
【0064】
次に、2)画像形成手段20を印刷手段40上に移動させ、被印刷体42の所定の位置に、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に接触させながら転動させて、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を被印刷体42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0065】
その後、3)(1)画像形成手段20の後ろに設置された複数の積層画像形成手段20’,20’の先頭ものを、印刷手段40上に移動させ、(2)回転胴22の上下機構により被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、(3)回転胴22を回転させ、被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させた後、この(1)から(3)の工程を設置した積層画像形成手段20’の数量に応じた回数だけ繰り返し行うことにより、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0066】
なお、本実施例における画像形成用機能性樹脂の供給手段30及び複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’としては、本実施例に限定されるものではなく、ロールコーター等他の機能性樹脂の供給手段手段を用いてもよい。
【0067】
また、版機能を持たないシリコーンブランケット24,24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、同図には示していないが、金属性の回転胴からなる複数のインキ除去手段で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例5】
【0068】
図6は、本発明の実施例5を示す断面図であって、画像形成手段20と、積層画像形成手段20’とを固定フレーム10上に設けた構成は、図2に示した実施例1とほぼ同じである。
【0069】
実施例1と特に異なるのは、被印刷体がガラス基板等から長尺のフィルム42等になり、被印刷体となる長尺のフィルム42等の送り手段60を備えている。
【0070】
本実施例は、版機能を備えたシリコーンブランケット23を装着した上下機構を有する回転胴21を有し、機能性樹脂が塗布される画像形成手段20、版機能を持たないシリコーンブランケット24を装着した上下機構を有する回転胴22を有し、機能性樹脂が塗布される画像形成手段20’、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’、印刷手段40及び40’、被印刷体となる長尺フィルム42等の送り手段60とを固定フレーム10上に設けた構成である。
【0071】
本実施例の動作は、まず、1)版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像を形成する。
【0072】
次に、2)版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部での機能性樹脂25の画像の表面と、長尺フィルム42の表面とを、回転胴21の上下機構により接触させると共に、機能性樹脂25の画像の膜厚に応じた間隙を保持し、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を長尺フィルム42の表面に接触させながら転動させて、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を長尺フィルム42の表面に転写して、機能性樹脂の画像を形成する。
【0073】
次に、3)版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31’との間の距離を、回転胴22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’を移動させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’を供給すると共に、回転胴22を回転させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26を形成する。
【0074】
その後、4)長尺フィルム42を送り手段60により、印刷手段40’の積層画像形成用定盤41’上の所定の位置に移動し、回転胴22の上下機構により長尺フィルム42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を有しないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、回転胴22を回転させ、長尺フィルム42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を有しないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させ、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0075】
なお、微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了後、版機能を有しないシリコーンブランケット24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、金属性の回転胴からなるインキ除去手段50で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例6】
【0076】
図7は、本発明の実施例6を示す断面図であって、画像形成手段20と、積層画像形成手段20’とを固定フレーム10上に設けた構成は、図6に示した実施例5とほぼ同じである。実施例5と異なるのは、積層画像形成手段20’を複数備えている。
【0077】
本実施例は、画像形成手段20、複数の画像形成手段20’,20’、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、複数の積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’,30’、印刷手段40及び40’,40’、被印刷体となる長尺フィルム42等の送り手段60とを固定フレーム10上に設けた構成である。
【0078】
本実施例の動作は、まず、1)版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部に所定膜厚の機能性樹脂25の画像を形成する。
【0079】
次に、2)版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成された凸画像部での機能性樹脂25の画像の表面と、長尺フィルム42の表面とを、回転胴21の上下機構により接触させると共に、機能性樹脂25の画像の膜厚に応じた間隙を保持し、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を長尺フィルム42の表面に接触させながら転動させて、版機能を備えたシリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25の画像を長尺フィルム42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0080】
次に、3)版機能を持たないシリコーンブランケット24,24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’との間の距離を、回転胴22,22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’を移動させ、版機能を持たないシリコーンブランケット24,24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31’,31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’,32’を供給すると共に、回転胴22,22を回転させ、シリコーンブランケット24,22の表面に所定膜厚の機能性樹脂26,26を形成する。
【0081】
その後、4)(1)長尺フィルム42を送り手段60により、印刷手段40’の積層画像形成用定盤41’上の所定の位置に移動し、(2)回転胴22の上下機構により長尺フィルム42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、版機能を有しないシリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、(3)回転胴22を回転させ、長尺フィルム42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに版機能を有しないシリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させた後、この(1)から(3)の工程を、設置した積層画像形成手段20’の数量に応じた回数だけ繰り返し行うことにより、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0082】
なお、微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了後、複数の版機能を有しないシリコーンブランケット24,24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、金属性の回転胴からなるインキ除去手段50で、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例7】
【0083】
図8は、本発明に係る画像形成方法を用いた画像形成装置の実施例7の断面図であって、10は固定フレーム、20は画像形成手段、20’は積層画像形成手段、21は画像形成用回転胴、22は積層画像形成用回転胴、23は画像形成用シリコーンブランケット、24は積層画像形成用シリコーンブランケット、25は画像形成用シリコーンブランケット上に塗布された機能性樹脂、26は積層画像形成用シリコーンブランケット上に一様に形成された機能性樹脂、27は画像形成用可動フレーム、28は積層画像形成用可動フレーム、30は画像形成用機能性樹脂の供給手段、31は画像形成用機能性樹脂の供給ヘッド、32は画像形成用機能性樹脂、33は画像形成用機能性樹脂のタンク、30’は積層画像形成用機能性樹脂の供給手段、31’は積層画像形成用機能性樹脂の供給ヘッド、32’は積層画像形成用機能性樹脂、33’は積層画像形成用機能性樹脂のタンク、40は印刷手段、41は被印刷体用定盤、42は被印刷体、50は不要インキ除去手段、70は画像形成手段、71は画像形成版用定盤、72は画像形成版である。
【0084】
本実施例は、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’、印刷手段40、画像形成手段70を取付ける。さらに、固定フレーム10上に、画像形成用シリコーンブランケット23を装着した上下機構を有する画像用塗布面形成用回転胴21を備え、機能性樹脂が塗布される画像形成手段20を、画像形成手段70及び印刷手段40上に移動させるための可動フレーム27を設け、また、積層画像形成用シリコーンブランケット24を装着した上下機構を有する積層画像形成用回転胴22を備え、機能性樹脂が塗布される積層画像形成手段20’を、印刷手段40上に移動させるための可動フレーム28を設け、また、不要インキ除去手段50を設けた。
【0085】
本実施例の動作は、まず、1)機能性樹脂の供給手段30上に回転胴21を停止させ、画像形成用シリコーンブランケット23の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、画像形成用シリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に所定膜厚の機能性樹脂25の塗布面を形成する。
【0086】
次に、2)画像形成手段20を画像形成用定盤71及び画像形成版72からなる画像形成手段70上に移動させ、画像形成版72の所定の位置に、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25を画像形成版72の表面に接触させながら転動させて、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25から不要な部分の機能性樹脂を除去し、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に機能性樹脂の画像を形成する。
【0087】
次に、2)画像形成手段20を被印刷体用定盤41及び被印刷体42からなる印刷手段40上に移動させ、被印刷体42の所定の位置に、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂の画像を被印刷体42の表面に接触させながら転動させて、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂の画像を被印刷体42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0088】
次に、3)機能性樹脂の供給手段30’上に回転胴22を停止させ、積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31’との間の距離を、回転胴22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’を移動させ、積層画像形成用シリコーンブランケット24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’を供給すると共に、回転胴22を回転させ、積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26を形成する。
【0089】
その後、4)積層画像形成手段20’を、被印刷体用定盤41及び機能性樹脂の画像が形成された被印刷体42からなる印刷手段40上に移動させ、回転胴22の上下機構により被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、積層画像形成用シリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、回転胴22を回転させ、被印刷体42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに積層画像形成用シリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂の薄膜を自己整合的に転移させ、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0090】
なお、積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、金属性の回転胴からなるインキ除去手段50により、画像形成毎に除去、洗浄される。
【実施例8】
【0091】
図9は、本発明の実施例8を示す断面図であって、画像形成手段20と積層画像形成手段20’とを固定フレーム10上に設けた構成は、図8に示した実施例7とほぼ同じである。実施例7と特に異なるのは、被印刷体としての長尺フィルム42と積層画像用印刷手段40’を備えている。
【0092】
本実施例は、固定フレーム10に、画像形成用機能性樹脂の供給手段30、画像形成用印刷手段40、積層画像形成用印刷手段40’、画像形成手段70を取付ける。さらに、固定フレーム10上に、画像形成手段20を画像形成手段70及び画像形成用印刷手段40上に移動するための可動フレーム27と、積層画像形成手段20’、積層画像形成用機能性樹脂の供給手段30’を設け、また、長尺フィルム42の送り手段60と、不要インキ除去手段50とを設けた。
【0093】
本実施例の動作は、まず、1)機能性樹脂の供給手段30上に回転胴21を停止させ、画像形成用シリコーンブランケット23の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31との間の距離を、回転胴21又は機能性樹脂の供給ヘッド31を移動させ、画像形成用シリコーンブランケット23上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31から所定膜厚に相当する機能性樹脂32を供給すると共に、回転胴21を回転させ、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に所定膜厚の機能性樹脂25の塗布面を形成する。
【0094】
次に、2)画像形成手段20を画像形成手段70上に移動させ、画像形成版72の所定の位置に、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25を画像形成版72の表面に接触させながら転動させて、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂25から不要な部分の機能性樹脂を除去し、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に機能性樹脂の画像を形成する。
【0095】
次に、3)画像形成手段20を印刷手段40上に移動させ、長尺フィルム42の所定の位置に、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂の画像を長尺フィルム42の表面に接触させながら転動させて、画像形成用シリコーンブランケット23の表面に形成した機能性樹脂の画像を長尺フィルム42の表面に転写して機能性樹脂の画像を形成する。
【0096】
次に、4)積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面と、機能性樹脂の供給ヘッド31’との間の距離を、回転胴22又は機能性樹脂の供給ヘッド31’を移動させ、積層画像形成用シリコーンブランケット24上に形成する機能性樹脂の膜厚に応じた間隙を保持し、機能性樹脂の供給ヘッド31’から所定膜厚に相当する機能性樹脂32’を供給すると共に、回転胴22を回転させ、積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面に所定膜厚の機能性樹脂26を形成する。
【0097】
その後、5)長尺フィルム42を送り手段60により、積層画像印刷手段40’の積層画像形成用定盤41’上の所定の位置に移動し、積層画像形成手段20’の回転胴22の上下機構により長尺フィルム42’上に形成された機能性樹脂の画像に接触させると共に、積層画像形成用シリコーンブランケット24上に一様に形成した機能性樹脂26の膜厚に応じた間隙を保持し、回転胴22を回転させ、長尺フィルム42上に形成された機能性樹脂の画像上のみに積層画像形成用シリコーンブランケット24上に形成した所定膜厚の機能性樹脂26の薄膜を自己整合的に転移させることにより、最少工程数で微細かつ厚膜の機能性樹脂の画像形成が完了する。
【0098】
なお、積層画像形成用シリコーンブランケット24の表面に残された不要の機能性樹脂の塗布膜は、金属性の回転胴からなるインキ除去手段50により、画像形成毎に除去、洗浄される。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る画像形成方法を示す図
【図2】本発明に係る画像形成装置の実施例1を示す模式断面図
【図3】本発明に係る画像形成装置の実施例2を示す模式断面図
【図4】本発明に係る画像形成装置の実施例3を示す模式断面図
【図5】本発明に係る画像形成装置の実施例4を示す模式断面図
【図6】本発明に係る画像形成装置の実施例5を示す模式断面図
【図7】本発明に係る画像形成装置の実施例6を示す模式断面図
【図8】本発明に係る画像形成装置の実施例7を示す模式断面図
【図9】本発明に係る画像形成装置の実施例8を示す模式断面図
【符号の説明】
【0100】
10…固定フレーム、20…画像形成手段、20’…積層画像形成手段、21…画像形成用回転胴、22…積層画像形成用回転胴、23…版機能を備えたシリコーンブランケット、24…版機能を持たないシリコーンブランケット、25…画像形成用機能性樹脂、26…積層画像形成用機能性樹脂、27…画像形成用可動フレーム、28…積層画像形成用可動フレーム、30…画像形成用機能性樹脂供給手段、30’…積層画像形成用機能性樹脂供給手段、31…画像形成用機能性樹脂供給ヘッド、31’…積層画像形成用機能性樹脂供給ヘッド、32…画像形成用機能性樹脂、32’…積層画像形成用機能性樹脂、33…画像形成用タンク、33’…積層画像形成用タンク、40…画像形成用印刷手段、40’…積層画像形成用印刷手段、41…被印刷体用定盤、42,42’…被印刷体、50…インキ除去手段、60…被印刷体送り手段、70…画像形成手段、71…画像形成版用定盤、72…画像形成版

【特許請求の範囲】
【請求項1】
版機能を備えたシリコーンブランケット上に機能性樹脂の画像を形成する工程と、前記画像を被印刷体に転写する工程と、版機能を持たないシリコーンブランケット上に一様な機能性樹脂を形成し、前記一様な機能性樹脂を被印刷体の画像に押圧し、前記画像に押圧された部分の機能性樹脂を一様な機能性樹脂から除去し、除去した機能性樹脂を被印刷体の画像に積層する工程とからなり、前記版機能を持たないシリコーンブランケット上から除去した機能性樹脂が、被印刷体の画像上にのみ自己整合的に積層してなることを特徴とする画像形成方法
【請求項2】
版機能を持たないシリコーンブランケット上に一様な機能性樹脂を形成する工程と、前記一様な機能性樹脂を凸版又は凹版に押圧し、前記凸版又は凹版に押圧された部分の機能性樹脂を一様な機能性樹脂から除去して、版機能を持たないシリコーンブランケット上に画像を形成する工程と、前記画像を被印刷体に転写する工程と、版機能を持たないシリコーンブランケット上に一様な機能性樹脂を形成し、前記一様な機能性樹脂を被印刷体の画像に押圧し、前記画像に押圧された部分の機能性樹脂を一様な機能性樹脂から除去し、除去した機能性樹脂を被印刷体の画像に積層する工程とからなり、前記版機能を持たないシリコーンブランケット上から除去した機能性樹脂が、被印刷体の画像上にのみ自己整合的に積層してなることを特徴とする画像形成方法
【請求項3】
前記積層する工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法
【請求項4】
前記被印刷体は長尺フィルムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法
【請求項5】
機能性樹脂の画像が形成される版機能を備えたシリコーンブランケットと、前記機能性樹脂の画像が転写される被印刷体と、前記転写された画像に機能性樹脂を積層する版機能を持たないシリコーンブランケットとからなり、前記版機能を持たないシリコーンブランケット上には一様な機能性樹脂が形成され、前記一様な機能性樹脂を転写された画像に押圧することで、押圧された部分の機能性樹脂が一様な機能性樹脂から除去され、除去された機能性樹脂が転写された画像上にのみ自己整合的に積層してなることを特徴とする画像形成装置
【請求項6】
一様な機能性樹脂が形成された版機能を持たないシリコーンブランケットと、前記一様な機能性樹脂から画像以外の機能性樹脂を除去して、前記版機能を持たないシリコーンブランケット上に画像を形成する凸版又は凹版の画像形成手段と、前記版機能を持たないシリコーンブランケット上の画像が転写される被印刷体と、前記転写された画像に機能性樹脂を積層する版機能を持たないシリコーンブランケットとからなり、前記機能性樹脂を積層する版機能を持たないシリコーンブランケット上には一様な機能性樹脂が形成され、前記一様な機能性樹脂を転写された画像に押圧することで、押圧された部分の機能性樹脂が一様な機能性樹脂から除去され、除去された機能性樹脂が転写された画像上にのみ自己整合的に積層してなることを特徴とする画像形成装置
【請求項7】
前記機能性樹脂を積層する版機能を持たないシリコーンブランケットを複数配置することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置
【請求項8】
前記被印刷体は長尺フィルムであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−15235(P2007−15235A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199713(P2005−199713)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】