説明

画像形成方法

【課題】液体現像剤を用いた電子写真画像形成において、クラックによる感光体の劣化や液体現像剤の劣化がなく高精細、高画質の画像を長期に亘って安定して得ることが出来る優れた画像形成方法を提供すること。
【解決手段】電子写真感光体上に形成された静電潜像を液体現像剤によって現像して画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層を設けた電子写真感光体であって、該表面層が実質的に電荷輸送物質を含有せず、かつ反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子と重合性化合物との反応生成物を含有する感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法に関し、更に詳しくは表面層を有する電子写真感光体と液体現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年電子写真方式を用いた画像形成方法は、更なる高画質化、高速化が求められている。高精細の画像を実現するためにトナーは微粒化していく傾向にある。一方で、電子写真方式の画像形成方法は、その高画質、高速性の利点を活かして、応用分野が広がり、大判のプロダクションプリント分野への用途が拡大している。この様な状況の中で、従来主流であった乾式現像方式に代って、高精細な画像を再現できる液体現像方式が注目を集めている。液体現像方式は、乾式現像方式に比べてトナーが微粒化でき、また大判のプリントにも対応できることから、高画質な画像形成方法として期待が集まっている。
【0003】
しかし、液体現像方式は、高画質の画像を再現できるという利点がある反面、有機溶剤を使用するため現在一般に広く用いられている有機感光体は溶剤に対して高い耐性が求められている。
【0004】
例えば、液体現像剤用の感光体として、感光体表面に保護層を設け電荷輸送物質と結着樹脂とを架橋し網目構造とすることで、電荷輸送物質の溶出を防止し、更にクラックの発生を防止する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、感光体の表面層に無機微粒子と有機微粒子を含有している感光体を用い、ベタ画像の白抜けや文字画像の中抜けが無く、高濃度で高鮮鋭度のトナー画像が得られる技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
また、液体現像剤のキャリア液に対して耐性の高い電子写真感光体を得る技術として、分子量が1000以下の電荷輸送物質を最表面に含まない有機感光体の技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0007】
一方、液体現像剤で現像した後、有機感光体を乾燥することによって、現像剤によって感光体が劣化することを防止する技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−221875号公報
【特許文献2】特開2007−86131号公報
【特許文献3】特開平7−84459号公報
【特許文献4】特開平4−1774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
有機感光体と液体現像剤を使用した画像形成方法は、液体現像剤に使用されるキャリア液による有機感光体の劣化、あるいは電荷輸送物質の溶出という問題を解決する必要があった。そのため、上述のように液体現像剤に適用可能な耐溶剤性の高い有機感光体を実現する技術が種々提案されてきた。しかし、高温高湿環境下などの過酷な条件下も含めて、電荷輸送物質の溶出を防止できる技術はなく、また電荷輸送物質の溶出を防止するため表面層中で重合性化合物と架橋構造を形成しうる電荷輸送物質を用いてマトリックスを形成しても、電荷輸送機能を維持できる添加量ではマトリックス中に内部応力が内在してしまうため、長期の実写中にクラックが発生し、キャリア液に対しても高い耐性を持ちクラックの発生が起こらない有機感光体は未だ実現していないのが実情である。
【0010】
また、現像後に感光体を乾燥するための機構を設ける方法もあるが、複写機の構造が複雑になるなどの欠点を有しているだけでなく、感光体の劣化を完全に防止することはできないのが実情であった。
【0011】
電荷輸送物質は、溶出すると電位保持性能、感度などの感光体の電子写真特性が劣化し、それが画像不良となって顕在化する。また、溶出した電荷輸送物質が現像液中に混入することで、トナーの帯電性能が変化したり、あるいはトナーが汚染されて画像汚れが発生してしまう。
【0012】
また、感光体表面のクラックは小さなものでも画像欠陥として顕著に表れ、そのクラックはいったん発生すると急速に拡大し、それに従って画像欠陥も急速に拡大してしまう。酷い時は蜘蛛の巣状の画像欠陥がプリント画像全面に発生してしまうという問題を生じる。
【0013】
本発明は上記液体現像剤と有機感光体を用いた画像形成方法の問題点を解決するためになされたもので、液体現像剤を構成するキャリア液と接触しても感光層表面にクラックの発生が無く、従ってクラックによる画像欠陥の発生がなく、また感光層中の電荷輸送物質の溶出が無いため、高画質の画像が得られ、かつ現像剤および有機感光体の耐久性の高い画像形成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、従来、液劣化の原因となる電荷輸送物質(CTM)の溶出をなくし、さらにクラック発生の原因となる、解放されやすい内部応力を有しない構造の表面層を有する感光体を提供するものであり、以下の構成とすることによって達成される。
1.電子写真感光体上に形成された静電潜像を液体現像剤によって現像して画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層を設けた電子写真感光体であって、該表面層が実質的に電荷輸送物質を含有せず、かつ該表面層が反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子と重合性化合物との反応生成物を含有する感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
2.前記液体現像剤が、少なくとも着色剤と樹脂を含有するトナーとキャリア液とから構成されるものであることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
3.前記重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記1または2に記載の画像形成方法。
4.前記金属酸化物微粒子がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する反応性化合物で表面処理されたものであることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
5.前記金属酸化物微粒子が、アルミナ、酸化スズ、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛から選択される少なくともいずれか1種であることを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上の構成とすることによって、クラックの発生や電荷輸送物質の溶出が無いことによって有機感光体と液体現像剤の耐久性を高め、高精細、高画質の画像を長期に亘って安定して得ることの出来る優れた画像形成方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係わる有機感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】有機感光体上に形成された静電潜像を液体現像剤によってトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写する画像形成工程の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
感光体表面層に反応性化合物で表面処理された金属酸化物微粒子(以下表面処理金属酸化物微粒子ともいう)と重合性化合物を含有させ、それらを架橋反応させて網目構造とすることで、表面層の耐有機溶剤性を高めるものである。また表面層に金属酸化物を含有させることで、表面層の体積抵抗を低下させ、これによって表面層に電荷輸送物質を含有させる必要が無く、その結果として、電荷輸送物質の溶出による現像液の汚染がなく電子写真感光体の感度特性と液体現像剤の現像特性が安定し、高画質の画像を長期に亘って安定して得ることができる画像形成方法を提供することが可能となったものである。
【0018】
即ち、本発明では、表面層中に添加した反応性化合物で表面処理された金属酸化物微粒子と重合性化合物とが架橋し網目構造を取ることによって、表面層が緻密で強固な膜を形成する。そのため、液体現像剤のキャリア液に使用されている有機溶媒が浸透しにくくなり、溶媒の浸透による膨潤と乾燥の繰り返しによるストレスを受けることもなく、結果としてクラックと呼ばれる表面層のひび割れの発生が防止できるものと考えられる。また、本発明では表面層中に電荷輸送物質を含まないため、キャリア液中への電荷輸送物質の溶出がないだけでなく、表面層の被膜が更に一層緻密で強固になるためキャリア液の汚染もなく耐久性が高くなるものと考えられる。
【0019】
以下本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0020】
《有機感光体》
本発明に用いられる有機感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層を順次積層したものが好ましい。
【0021】
(有機感光体の層構成)
本発明の有機感光体の層構成については、特に制限されるものではなく、具体的には、以下に示す構成を挙げることができる。
【0022】
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層し、その上に表面層を形成した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成し、その上に表面層を形成した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層と電荷発生層を順次積層し、その上に表面層を形成した構成;
本発明の感光体は、上記いずれの構成でも良いが、これらの中では、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、表面層を設けた感光体が好ましい。
【0023】
なお、本発明では、導電性支持体と感光層の間に電気特性や接着性を改善する目的で中間層を設けることができる。
【0024】
図1は本発明に用いられる感光体の層構成の一例を示す模式図である。
【0025】
図1において、1は導電性支持体、3は中間層、2は感光層、4は電荷発生層、5は電荷輸送層、6は表面層、7は表面処理金属酸化物微粒子を示す。
【0026】
(感光体の作成)
感光体は浸漬塗布、あるいは円形量規制型塗布、あるいは浸漬塗布と円形量規制型塗布とを組み合わせて塗膜を設けて作製することができるが、これに限定されるものではない。なお、円形量規制型塗布については特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0027】
次に、導電性支持体、中間層、感光層、表面層を構成する部材と各層の形成方法について説明する。
【0028】
(導電性支持体)
本発明に用いられる導電性支持体としては、シート状あるいは円筒状の導電性支持体が挙げられる。
【0029】
導電性支持体の材料としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム又はアルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチック材料又は導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどが挙げられる。
【0030】
本発明に用いられる導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味している。ここで導電性支持体としては比抵抗が10Ω・cm以下のものが好ましく、具体的には、切削加工後表面洗浄した円筒状アルミニウムを挙げることができる。
【0031】
(中間層)
中間層は、バインダー樹脂及び分散溶剤等から構成される中間層塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して形成する。
【0032】
中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びにこれらの樹脂の繰り返し単位の内の二つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中では、ポリアミド樹脂が、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくすることが出来るので好ましい。
【0033】
中間層塗布液を作成する溶剤としては、ポリアミド樹脂などの上記中間層バインダー樹脂を良好に溶解する溶剤が好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2個から4個のアルコール類がバインダー樹脂の溶解性、塗布性能に優れ好ましい。
【0034】
中間層の膜厚は0.2μm〜40μmが好ましく、0.3μm〜20μmがより好ましい。
【0035】
(感光層)
感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に受け持たせた単層構成でも良いが、より好ましくは、感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した層構成を採るのがより好ましい。機能を分離した層構成を採ることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせ制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層、その上に電荷輸送層の構成を採る。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の逆の構成を採る。好ましい感光層の層構成は導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した機能分離型負帯電感光体である。
【0036】
以下に機能分離型負帯電感光体の各層について説明する。
【0037】
(電荷発生層)
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要に応じてバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0038】
電荷発生物質としては、公知の電荷発生物質を用いることができる。例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料を用いることができる。これらの中で、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる電荷発生物質は複数の分子間で安定した凝集構造を取り得る立体構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を持つフタロシアニン顔料、ペリレン顔料が挙げられる。例えば、Cu−Kα線に対するブラッグ角θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4°に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等の電荷発生物質は繰り返し使用に伴う劣化がほとんど無く残留電位を小さくすることができる。
【0039】
電荷発生層に分散媒としてバインダー樹脂を用いる場合、バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合はバインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0040】
(電荷輸送層)
電荷輸送層には、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては、必要に応じて、酸化防止剤、分散剤等を含有しても良い。
【0041】
電荷輸送物質としては、公知の電荷輸送物質を用いることができる。例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることができる。これらの電荷輸送物質は、任意のバインダー樹脂と混合して層形成が行われる。
【0042】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びにこれらの樹脂の繰り返し単位の内の二つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。また、これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0043】
これらの電荷輸送層のバインダー樹脂として最も好ましいのはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は、電荷輸送物質との相溶性がよく、電子写真特性を良好にすることにおいて最も好ましい。
【0044】
(酸化防止剤)
また本発明の感光体には酸化防止剤を添加することにより、高温高湿時のカブリの発生や画像ボケを効果的に防止することができる。
【0045】
ここで、酸化防止剤としては、公知の化合物を挙げることができる。その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止、あるいは抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0046】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
ラジカル連鎖禁止剤としては、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)、アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)、ハイドロキノン系酸化防止剤が挙げられる。
【0047】
(2)過酸化物分解剤
過酸化物分解剤としては、硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)、燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)が挙げられる。
【0048】
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。また、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位の両方を含んでいるものでもよい。
【0049】
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。本発明に有効な酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox1010(チバ・ジャパン社製))、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンなどが挙げられる。
【0050】
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量部より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0051】
電荷輸送層の膜厚は10μm〜40μmが好ましく、15μm〜30μmがより好ましい。
【0052】
(表面層)
表面層は本発明に係わる反応性化合物で表面処理された金属酸化物微粒子と重合性化合物とを反応させた化合物を含有する。その他の物質として必要に応じて、酸化防止剤、分散剤等を含有しても良い。
【0053】
(表面処理金属酸化物微粒子)
表面処理金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物微粒子としては、電荷輸送物質の代わりとして表面電荷を低下させる効果を有するものがあげられ、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子から選択されてなるものを挙げることができる。これらの中では酸化スズ粒子、アルミナ粒子が好ましい。更にこれらの金属酸化物微粒子は、反応性化合物で表面処理されていることが好ましい。
【0054】
金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、0.01μm以上1.00μm以下が好ましい。特に好ましくは、0.03μm以上0.3μm以下である。
【0055】
ここで、金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、金属酸化物微粒子を透過型電子顕微鏡により、観察、撮影された写真画像より算出するもので、顕微鏡の倍率を10000倍に設定して写真撮影を行い、写真画像上よりランダムに100個の金属酸化物微粒子を抽出して算出する。具体的には、画像解析処理により100個の金属酸化物微粒子のフェレ方向平均径を測定して、これを数平均一次粒径とするものである。なお、前記画像解析処理は、たとえば、透過型電子顕微鏡測定装置に内蔵されているプログラムを駆動させることにより自動的に行うことができる。本発明では、金属酸化物微粒子の粒径測定には、透過型電子顕微鏡JEM−2000FX(日本電子(株)製)を用いた。
【0056】
表面層に占める表面処理金属酸化物微粒子の割合は、表面層全体の1.0質量部以上50質量部以下が好ましい。特に好ましくは、5.0質量部以上30質量部以下である。
【0057】
本発明の表面処理金属酸化物微粒子は、以下に述べる反応性化合物によって表面処理されたものである。このことにより、従来の感光体の様に、表面層に電荷輸送物質の含有の必要もなく、安定して動作可能となり、また、金属酸化物の表面が架橋点となって、表面層の架橋膜を形成するため、解放されやすい内部応力を有しない構造となっているものと推定している。このことは、本発明の反応性化合物によって表面処理していない金属酸化物を用いると、粒子が架橋点となった効果が起こらず、クラックの発生が生じやすくなることから理解できる。
【0058】
(反応性化合物)
次に金属酸化物微粒子の表面処理に用いる反応性化合物(以下反応性表面処理剤ともいう)について、記載する。
【0059】
上記反応性表面処理剤としては、金属酸化物微粒子の表面に存在する水酸基等と反応性を有する化合物であればよい。このような、反応性を有する表面処理剤としては、下記に記すような化合物が例示される。
【0060】
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−24:CH=CHSi(CH)Cl
S−25:CH=CHCOOSi(OCH
S−26:CH=CHCOOSi(OC
S−27:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−28:CH=C(CH)COOSi(OC
S−29:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−30:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−34:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−35:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
又、反応性表面処理剤としては、前記S−1からS−35以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。
【0061】
本発明に用いられる反応性表面処理剤としては、アクリロイルオキシ基、またはメタクリロイルオキシ基を有するものが好ましい。
【0062】
これら反応性表面処理剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0063】
(表面処理金属酸化物微粒子の作製)
表面処理するに際し、金属酸化物微粒子100質量部に対し、反応性表面処理剤を0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
【0064】
以下に、均一に反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子を製造する方法について説明する。
【0065】
即ち、未処理の金属酸化物微粒子と反応性表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物微粒子を微細化すると同時に微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで均一に反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子を得ることができる。
【0066】
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
【0067】
上記サンドミルで用いるメディアとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたビーズが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
【0068】
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
【0069】
以上のような湿式処理により、反応性化合物による表面処理により、他のラジカル重合性の官能基(例えば反応性アクリロイルオキシ基、反応性メタクリロイルオキシ基等)と反応可能な反応性有機基を有する金属酸化物微粒子を得ることができる。
【0070】
(重合性化合物)
本発明で用いられる重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物が好ましく、これらのラジカル重合性化合物の中でもアクリロイルオキシ基、またはメタクリロイルオキシ基を有する重合性化合物が好ましい。
【0071】
本発明で言うアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基とは以下のものである。アクリロイルオキシ基 : CH=CHCOO−
メタクリロイルオキシ基: CH=CCHCOO−
本発明に用いられる重合性化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる重合性化合物はこれらに限定されるものではない。
【0072】
また、以下にいうAc基数とはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基の数を表す。
【0073】
【化1】

【0074】
【化2】

【0075】
【化3】

【0076】
【化4】

【0077】
【化5】

【0078】
【化6】

【0079】
【化7】

【0080】
【化8】

【0081】
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
【0082】
【化9】

【0083】
本発明においては、重合性化合物は官能基が2以上であること好ましく、4以上が特に好ましい。また、重合性化合物では、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物の分子量Mと該アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基数Acの比(Ac/M、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基数/分子量)が0.005より大きい化合物が好ましい。その様な化合物を用いた構成とし、重合反応率を上げることによりAc/Mを大きくすると、膜密度の高い優れたガスバリア性等を有する電子写真感光体を得ることができる。
【0084】
更に、前記重合性化合物が、メタクリロイルオキシ基を有し、且つ、そのAc/Mが、0.005より大きく、0.012より小さい条件を満たす範囲が特に好ましい。
【0085】
この関係範囲で用いることにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性が向上する。
【0086】
尚、本発明においては、官能基密度の異なる2種類以上の重合性化合物を混合して使用してもよい。
【0087】
また、この他にも各種重合性オリゴマーを使用することも出来る。例えば、エポキシメタクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステルメタクリレートオリゴマーを使用することが出来る。
【0088】
また、好ましいオキセタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0089】
【化10】

【0090】
【化11】

【0091】
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドを挙げることができる。
【0092】
さらに、本発明にかかわる表面層は、反応して得られた化合物とともに公知の樹脂を併用して形成することができる。
【0093】
公知の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。
【0094】
本発明にかかわる表面層には、これらの他に必要に応じて重合開始剤、フィラー、滑剤粒子等を含有させて形成してもよい。
【0095】
(重合開始剤)
本発明では、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子及び重合性化合物とを硬化反応させて表面層が形成されることが好ましいが、電子線開裂反応を利用する方法や光や熱の存在下でラジカル重合開始剤を利用する方法等により硬化反応を行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として熱重合開始剤、光重合開始剤のいずれも使用することができる。また、熱、光の両方の開始剤を併用することもできる。
【0096】
重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤の他、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュアー369:チバ・ジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
【0097】
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0098】
本発明に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく、更に好ましくはα−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する開始剤が好ましい。
【0099】
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
【0100】
本発明の表面層は、実質的に電荷輸送物質を含有していないことを特徴とする。電荷輸送物質を含有していると、液体現像剤中に電荷輸送化合物が混入する可能性があり、長期にわたる使用では、液体現像剤の安定性が低下し、良好な画像が得られなくなる可能性がある。実質的に電荷輸送物質を含有していないとは、保護層中の濃度で5質量%以下をいう。5質量%以下であれば、通常の液体現像剤の寿命を通じて、劣化が問題となる溶出は発生しない。
【0101】
《液体現像剤》
本発明に用いられる液体現像剤は、顔料或いは染料からなる着色剤と樹脂を主成分とするトナーと、絶縁性のキャリア液と、必要に応じ樹脂を有し、トナーをキャリア液中に、0.1〜20質量%分散したものが好ましい。
【0102】
トナーの個数基準におけるメディアン径(D50)は、0.3〜5.0μmが好ましく、0.5〜4.0μmがより好ましく、0.6〜3μmが更に好ましい。トナーの個数基準におけるメディアン径(D50)をこの範囲とすることで、キャリア液中に安定に分散させることができ、高解像度のトナー画像を得ることができる。
【0103】
尚、トナーの個数基準のメディアン径(D50)は、遠心分離粒度分布測定装置「SA−CP3」(島津製作所社製)により測定できる。液体現像剤をキャリア液で希釈し、測定機の吸光度測定範囲に合致するようにし、そして、このサンプルを2400rpm/分の加速回転モードでの吸光度の変化から粒子分布を測定し、平均粒径をメディアン径で計算する。
【0104】
(キャリア液)
キャリア液は、通常、絶縁性で、沸点が100℃以上300℃以下であり、体積固有抵抗が10Ω・cm以上であり、かつ比誘電率が3以下である公知の溶媒が使用でき、例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。揮発性、安全性、臭気等の観点から、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン及びその異性体、或いはそれらの混合物が好ましく用いられる。
【0105】
市販品の具体例としては、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーG(エクソン化学社製)、JWS8947(エッソ石油社製)、アイソゾール400(日本石油化学社製)、NP−LC、NP−HCS、NP−SH(三井テキサコケミカル社製)、NAS−4(日本油脂社製)などが好ましく、より好ましくはアイソパーM、JWS8947、アイソゾール400、NP−LC、NP−HCS、NP−SH、NAS−4が挙げられる。
【0106】
(分散剤)
キャリア液にトナーを分散するため分散剤を用いてもよい。本発明に好ましく用いられる分散剤としては公知の分散剤が使用できる。例えば、ポリエステル系高分子化合物の分散剤が用いられ、具体的にはソルスパース13940(富士フイルムイメージングカラーラント社製)等が好ましい分散剤として挙げられる。
【0107】
(トナー)
トナーは、顔料或いは染料からなる着色剤及び樹脂を主成分とするが、顔料を樹脂中に分散させたトナーが好ましい。トナー中の顔料の割合としては好ましくは5質量%以上30質量%以下、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。顔料の割合が5質量%未満の場合には着色力が不十分となり、30質量%を超えた場合には定着性が不十分となって、印字物の光沢などに問題が生じる場合がある。
【0108】
(トナー用樹脂)
トナー用の樹脂としては、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性樹脂などが挙げられるが、ロジン変性樹脂を使用することが好ましい。ロジン変性樹脂としては、酸価が50以上250以下であり、軟化点が70℃以上150℃以下であり、ロジン中のガムロジンの割合が20%以上であることが好ましい。かかるロジン変性樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂を使用することが好ましく、具体例としては、荒川化学社製のFGM−310、FGM−312、UNION CAP社製のUNIREZ709、710、8112、8115などが挙げられる。
【0109】
(着色剤)
顔料或いは染料からなる着色剤は、公知のものを用いることができるが、黒色系としては、カーボンブラック(市販品では、例えば三菱化学社製#30、#40、#50、MA−7、11、100、220、キャボット社製MONARCH800、900、MOGUL−L、BLACK PEARLS 130、REGAL330、400、660R、コロンビアカーボン社製Raven1255、1020、1000など)の他、アルカリブルーなどをカーボンブラックと混合して使用することも可能である。
【0110】
黄色系としては、C.I.Pigment Yellow1、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18、24、55、65、73、74、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、113、116、117、120、123、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、156、168、169、170、171、172、173、ナフトールイエローS、リソールファーストイエロー2G等が挙げられる。
【0111】
赤色系としては、C.I.Pigment Red1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、17、18、22、23、31、37、38、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、65、66、67、68、81、83、88、90、90:1、112、114、115、122、123、133、144、146、147、149、150、151、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、185、187、188、189、190、193、194、202、208、209、214、216、220、221、224、242、243、243:1、245、246、247、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッド、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3B、ボルドー10B、ナフトールレッド等が挙げられる。
【0112】
また、青色系としては、C.I.Pigment Blue1、2、9、14、15、16、17:1、19、21、22、24、25、56、60、61、63、64、フタロシアニンブルー等が挙げられる。また、上記以外の着色剤に加えて、色彩の調整のために必要に応じてフタロシアニングリーン、オイルバイオレット、メチルオレンジ、メチルバイオレット等の緑色系、紫色系、橙色系等の色素を混合或いは単独で用いることができる。
【0113】
(その他の添加剤)
本発明に用いられる液体現像剤は、必要に応じ、荷電制御剤、分散安定剤その他の添加剤を含んでいても良い。荷電制御剤としては、従来、液体現像剤用に供されている公知のものが使用でき、荷電制御剤を適切に選ぶことにより正、負いずれにも帯電させることができる。具体的には例えば、低分子量のレシチン、バリウムペテロネート、ナトリウムアルキルサクシネート、コバルトナフテート、アルミニウムステアレート、コバルトオクテート、ジルコニウムナフテート、4級アンモニウム塩及び3級アミンなどの他、高分子型荷電制御剤等を用いることができる。
【0114】
《画像形成方法》
本発明の画像形成装置は、以下に示す帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程とを有するもので、更に、必要に応じ定着工程とクリーニング工程を付加したものである。
【0115】
(帯電工程)
帯電手段では、本発明に係る感光体上に電荷を付与するため、ワイヤー放電やローラ帯電装置を用いる。
【0116】
(露光工程)
露光手段では、感光体上に静電潜像を形成するため、発振波長が350〜800nmの半導体レーザーまたは発光ダイオードを光源として用いる。
【0117】
(現像工程)
現像手段では、感光体上に形成された静電潜像を液体現像剤を用いて各色トナー像を形成するため、各色現像装置を用いる。
【0118】
《転写工程》
転写手段では、感光体上に形成された各色のトナー画像を順次中間転写体に転写する転写装置と、中間転写体上のトナー像を記録媒体に一括転写する転写装置を用いる。
【0119】
(定着工程)
定着手段では、記録媒体上に形成されたトナー画像を記録媒体に定着するため熱定着装置を用いる。
【0120】
(クリーニング工程)
クリーニング手段では、感光体上の転写残トナー、或いは中間転写体上の転写残トナーをクリーニングするため、ブレードクリーニング装置を用いる。
【0121】
《画像形成プロセス》
次に図2を参照して、本発明の液体現像方式を用いた画像形成プロセスについて説明する。図2は本発明の実施の形態に基づく液体現像方式を用いた画像形成プロセスの一例を説明する概略構成図である。
【0122】
ドラム状の有機感光体110の周囲には、矢印で示す回転方向の順に帯電装置116、露光装置118及び現像装置108が配置され、スクイズローラー111、有機感光体110から記録用紙に転写するための転写ローラー114、有機感光体に残留したキャリア液を除去するためのクリーニング部材であるクリーニングブレード104が配置される。
【0123】
現像装置108は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を貯蔵した現像槽105と現像ローラー106と現像ローラーに残留した液体現像剤(キャリア液)を除去するためのクリーニング部材であるクリーニングブレード107とを含む。ここで液体現像剤はキャリア液である絶縁性液体と静電潜像を現像するトナーとトナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0124】
現像ローラー106には一定量の液体現像剤が供給され、図示しない現像前チャージャーにより現像ローラー106上の液体現像剤中に含まれるトナーに電荷が与えられる。その後、露光装置118により画像情報の露光を行い、感光体110の表面に静電潜像を形成する。次いで、感光体110上の静電潜像は上述したように現像装置108によりトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像され、感光体110の表面にトナー像が形成される。この時、トナーだけでなくキャリア液も感光体110の表面に付着する。
【0125】
クリーニングブレード107は感光体110上に対する現像後の現像ローラー106に残留したキャリア液を除去する。なお、本例においては残留したキャリア液を掻き取る構成としてクリーニングブレード107を現像ローラー106の回転方向に対してカウンター当接とした構成を一例として図示しているが、残留したキャリア液を掻き取ることが可能な構成であれば、特にその当接方向等には限定されない。その他のクリーニングブレードについても同様である。また、本例においてはクリーニングブレードを用いて残留したキャリア液を除去する構成について説明しているが、ウェブロール状の紙、布等を感光体に圧接し巻き取り移動させながら残留したキャリア液を除去する所謂ウェブクリーニング方式を採用することもできる。
【0126】
次に感光体110上のトナー像はスクイズローラー111により余分な液体現像剤が除去される。なお、スクイズローラー111には、除去した液体現像剤を掻き取るためのクリーニングブレード112が設けられる。なお、スクイズローラー111においてはトナー層間のキャリア液は除去されない。
【0127】
そして、次に感光体110上に形成されたトナー像は所定の電圧が印可された転写ローラー114等と対向する位置(転写位置)に移動し、当該転写位置において搬送ベルト119を介して搬送された記録用紙に対してトナー像が形成される。具体的には、転写ローラー114に対して所定の電圧が印加され、感光体110と記録用紙との間に電界が形成されて、この電界によりトナー像を記録用紙に静電吸着させる。これにより記録用紙300上にトナー像が形成される。
【0128】
そして、トナー像が転写された記録用紙300は搬送ベルト119を介して定着装置109へ搬送される。
【0129】
定着装置109は定着ローラー71と加圧ローラー72と定着ローラーに残留したキャリア液を除去するためのクリーニング装置85とを含む。
【0130】
定着装置109において内部にそれぞれヒーター(熱源)を内蔵した定着ローラー71及び加圧ローラー72により熱と圧力により記録用紙300へ転写されたトナー像を固着させる定着プロセスが実行され、定着工程が終了する。なお、本例においては定着ローラー71及び加圧ローラー72にそれぞれヒーター(熱源)が設けられる場合について説明するが、いずれか一方とすることも可能である。
【0131】
ここでは、記録用紙の搬送経路について説明する。給紙カセット51から取り出された記録用紙は、搬送ローラー64により搬送ベルト119上に搬送される。そして、搬送ベルト119は駆動ローラー113及び115により駆動される。搬送ベルト119上に搬送された記録用紙300は転写ローラー114と感光体110との間の転写装置に送り出されて記録用紙の表面に対してトナー像が転写される。そして、定着装置109においてトナー像が定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙は、図示しない排紙機構により装置外に排出される。
【実施例】
【0132】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施の態様はこれらに限定されるものではない。
【0133】
《有機感光体の作成》
〈表面処理金属酸化物微粒子の調製〉
(表面処理金属酸化物微粒子1の調製)
数平均一次粒径11nmの「アルミナ粒子」100質量部、表面処理剤として「例示化合物S−15」30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「表面処理金属酸化物微粒子1」を調製した。
【0134】
(表面処理金属酸化物微粒子2の調製)
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、例示化合物S−15を「例示化合物S−28」20質量部に変更した以外は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子2」を調製した。
【0135】
(表面処理金属酸化物微粒子3の調製)
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径11nmのアルミナ粒子を数平均一次粒径6nmの「酸化スズ粒子」に変更した以外は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子3」を調製した。
【0136】
(表面処理金属酸化物微粒子4の調製)
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径11nmのアルミナ粒子を数平均一次粒径100nmの「酸化チタン粒子」に変更した以外は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子4」を調製した。
【0137】
(表面処理金属酸化物微粒子5の調製)
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、表面処理剤S−15の表面処理を行わない粒子を「表面処理金属酸化物微粒子5」とした。
【0138】
下記の様にして感光体1を作製した。
【0139】
〈感光体1の作製〉
(導電性支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を準備した。
【0140】
(中間層の形成)
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
【0141】
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
【0142】
上記塗布液を前記導電性支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布、乾燥して「中間層」を形成した。
【0143】
(電荷発生層の形成)
下記組成を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
【0144】
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
この電荷発生層塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布、乾燥して、乾燥膜厚0.3μmの「電荷発生層」を形成した。
【0145】
(電荷輸送層の形成)
下記組成を混合、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
【0146】
電荷輸送物質(CTM−1:4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 225質量部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン社製) 6質量部
THF 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1質量部
この電荷輸送層塗布液を前記電荷発生層の上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、乾燥して乾燥膜厚20μmの「電荷輸送層」を形成し、「感光体1」を作成した。またこの「感光体1」に表面層を設け、以下「感光体2」から「感光体11」を作成した。
【0147】
〈感光体2の作製〉
上記のようにして作製した「感光体1」の上に下記表面層を塗布形成し、光硬化型表面層を設けた。
【0148】
(表面層の形成)
下記組成を溶解、分散して表面層塗布液を調製した。
【0149】
表面処理金属酸化物微粒子1 100質量部
重合性化合物(例示化合物9) 100質量部
重合開始剤(イルガキュアー369:チバ・ジャパン社製) 7.5質量部
1−プロピルアルコール 100質量部
この表面層塗布液を上記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置を用いて塗布し、表面層を形成した。形成した表面層を乾燥後、メタルハライドランプを用いて窒素気流下、光源から感光体表面までの距離を100mmに設置し、ランプ出力4kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの「表面層」を形成し本発明の「感光体2」を作成した。
【0150】
〈感光体3〜9の作製〉
「感光体2」の表面層に使用する材料及び硬化条件を表1のように変更した以外は同様にして本発明の「感光体3〜9」を作製した。なお熱硬化したものは、重合開始剤として過酸化ベンゾイル7.5質量部を用い熱硬化条件を100℃1時間とした。
【0151】
なお、「感光体6」の表面層にはCTM−1を10質量部(表面層中4.6質量%)添加し、「感光体7」の表面層にはCTM−1を14質量部(表面層中6.3質量%)添加した。「感光体8」は表面層に金属酸化物微粒子10(表面処理されていないもの)を使用した。
【0152】
なお、「感光体9」は表面層の重合性化合物としてメチルメタクリレートを用いた。
【0153】
〈感光体10の作製〉
「感光体10」は表面層を下記のように表面処理金属酸化物微粒子を含有しないものとした。
【0154】
ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質(CTM−2) 3質量部
イソシアネート化合物(下記「化13」の物質) 2質量部
メチルエチルケトン 5質量部
シクロヘキサノン 5質量部
重合開始剤(過酸化ベンゾイル) 0.1質量部
からなる溶媒に溶解し、前記「感光体1」の電荷輸送層の上にスプレーコートして常温で10分間乾燥した後、130℃で60分間加熱し、膜厚4μmの表面保護層を形成して、「感光体10」を作製した。
【0155】
【化12】

【0156】
【化13】

【0157】
〈感光体11の作製〉
「感光体11」は表面層に重合性化合物を含有しないもので以下のようにして作製した。
【0158】
表面処理金属酸化物微粒子3 8質量部
重合性電荷輸送物質(CTM−3) 10質量部
重合開始剤(イルガキュアー369:チバ・ジャパン社製) 1質量部
n−プロピルアルコール 40質量部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、表面層塗布液を作製した。該塗布液を先の「感光体1」の電荷輸送層の上に円形量規制型塗布機を用いて塗膜を形成した。その後、メタルハライドランプを用いて紫外線を5分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの表面層を形成し「感光体11」を作製した。
【0159】
【化14】

【0160】
以上のようにして作製した感光体について、「感光体1、7、8、10、11」を比較用感光体として評価を行った。
【0161】
【表1】

【0162】
《トナーの作成》
《液体現像剤の作成》
(液体現像剤1の作製)
下記組成を混合し、サンドグラインダーを用いて分散を行い、「液体現像剤1」を作製した。
【0163】
組成
カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製) 100質量部
スチレン−酢酸ビニル共重合体 800質量部
レシチン 5質量部
アイソパーM 3000質量部
(液体現像剤2の作製)
液体現像剤1の作製で用いた「アイソパーM」を「JWS8947」に変更した以外は同様にして「液体現像剤2」を作製した。
【0164】
《評価》
実写評価はコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複写機「bizhub 421」の現像器を液体現像器に置き換えたものを使用した。
【0165】
原稿はA4サイズの画素率7%の文字画像を用い、25℃50%RHの環境下でA4サイズの転写紙(記録用紙)にコピー画像を100,000枚複写することで行った。500枚複写後と100,000枚複写後の黒ベタ画像の画出しおよび感光体の表面を目視にてクラックの有無を観察した。結果を表2に示した。
【0166】
《判定基準》
(黒ベタ画像評価)
○:異常無し
△:一部が白抜け発生
×:全体に白抜け発生
(感光体表面のクラック評価)
○:異常なし
△:一部にひび割れ(一部にクラック発生)
×:感光体全面にひび割れ(全面にクラック発生)
【0167】
【表2】

【0168】
以上の結果から明らかなように本発明の感光体と液体現像剤を用いた画像形成においては、比較用感光体を用いた画像形成に比べて、画像特性、感光体耐久性とも優れた効果を発揮することが分かる。なお、ここで比較例1の「感光体1」は初期からクラックが発生したため、500枚までの実写評価は行わなかった。
【0169】
即ち、比較例1の「感光体1」では、本発明の表面層がないため、500枚複写後で黒ベタ画像全体に白抜けが発生し、更に感光体表面にクラックが発生した。また比較例2の「感光体7」は表面層にCTMを5%以上含有するため黒ベタ画像で白抜けが発生した。表面処理されていない金属酸化物微粒子を含有した比較例3の「感光体8」は同じく500枚でクラックが発生した。更に本発明の金属酸化物微粒子を含まず、本発明外の重合性化合物を用いた比較例4の「感光体10」及び重合性化合物を含まない比較例5の「感光体11」では100,000枚後にクラックが発生し、実用には耐えないものであった。
【符号の説明】
【0170】
1 導電性支持体
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 表面層
7 金属酸化物微粒子
51 給紙カセット
71 定着ローラー
72 加圧ローラー
73、104、107、112 クリーニングブレード
80 均し部材
81 加温ローラー
85 クリーニング装置
105 現像槽
106 現像ローラー
108 現像装置
109 定着装置
110 感光体
111 スクイズローラー
113、115 駆動ローラー
114 転写ローラー
116 帯電装置
118 露光装置
119 搬送ベルト
300 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体上に形成された静電潜像を液体現像剤によって現像して画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層を設けた電子写真感光体であって、該表面層が実質的に電荷輸送物質を含有せず、かつ該表面層が反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子と重合性化合物との反応生成物を含有する感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記液体現像剤が、少なくとも着色剤と樹脂を含有するトナーとキャリア液とから構成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記金属酸化物微粒子がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する反応性化合物で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記金属酸化物微粒子が、アルミナ、酸化スズ、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛から選択される少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−14091(P2012−14091A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152738(P2010−152738)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】