説明

画像形成方法

【課題】画像支持体上に形成された金属光沢領域にソリッドカラーの可視画像を形成することができる画像形成方法の提供。
【解決手段】画像形成方法は、画像支持体P上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、当該光拡散性トナー像を加熱加圧することによって定着させ、光拡散性トナー層S,Hを形成する工程を有する。また、当該光拡散性トナー層上に、電子写真法により、有色トナーを転写し有色トナー像を形成する工程、当該有色トナー像を加熱加圧することによって定着させ、有色トナー層Tc,Twを形成する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法によって、画像支持体上に形成された金属光沢領域にソリッドカラーの可視画像を形成する画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製本、商業印刷分野やカードビジネス分野、あるいは、化粧品容器などのプラスチック成形などの分野では、「箔押し」と呼ばれる処理技術が行われている。この技術は、「ホットスタンプ法」とも呼ばれ、金属製の押し型と呼ばれる圧着部材を用いて熱と圧力の作用で基体表面に箔でできた文字や絵柄を転写させ、一般印刷で表現が困難な金属感や光沢のある高級なイメージを付与することができる。また、最近では、キャッシュカードやクレジットカードなどの偽変造防止やセキュリティのために設けられるホログラムにも箔転写の技術が用いられている。
【0003】
箔押しに使用される箔は、転写箔として供されるものであって、転写箔としては、例えば、樹脂製のフィルム状基材上にワックス層を設け、その上に保護層や転写材層、接着剤層からなる箔を配置させた構造を有し、転写材層は主に金属蒸着やインクを用いて形成されるものなどが一般的に用いられている。このような構造を有する転写箔は、転写させる素材や用途の拡大に伴って改良が進められてきた。例えば、有機ケイ素化合物と反応性有機化合物を含有した保護層を設けることにより箔画像の耐久性を向上させたものや、基材から剥離した後に電子線照射を行って強固な保護層を形成するようにした転写箔などが検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、前述したキャッシュカードやクレジットカード用の転写箔は、精密な模様を正確に、かつ、バリや欠けなどの不良を発生させずに転写できることが求められ、例えば、高分子液晶材料を転写材層に含有させた転写箔を用いてこの課題を解消している(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
一方、手間をかけずに箔転写を行う方法も検討されており、例えば、トナーを用いて画像支持体上にトナー像を形成し、その上に箔を接着により転写する技術が検討されている。具体的には、画像支持体上にトナーを用いて所期の意匠模様のトナー像を形成し、形成したトナー像上に転写箔を重ね合わせて熱圧着することにより、箔の転写を行っている(例えば、特許文献4参照)。この技術においては、加熱によりトナーが軟化あるいは溶融することにより生ずる接着力と転写箔の接着層が溶融することにより生ずる接着力との相乗的な作用によって画像支持体と箔との間に強固な接着力が得られる。
また、画像支持体上に予めトナーを定着させておき、この上に転写箔を重ね、その上からアイロンでホットプレスした後、転写箔のフィルム状基材を画像支持体から剥がすことにより、画像支持体上に金属箔を転写させる技術も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0005】
このように、トナーを用いて箔を転写する技術においては、従来技術では必要とされていた押し型を使用せずに箔を転写させることができるために、箔の転写作業の短縮化や箔の転写を行う装置の簡素化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−1995号公報
【特許文献2】特開2007−157159号公報
【特許文献3】特開2009−90464号公報
【特許文献4】特開平1−200985号公報
【特許文献5】特開2000−127691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像支持体上に箔を転写して箔画像を形成した後、当該箔画像上に有色トナーを用いて通常の可視画像を形成させる、いわゆる追い刷りを行うことがあるが、箔が金属光沢を有するものである場合、このような箔画像上に可視画像を形成すると、当該可視画像はメタリックカラーのものとなる。これは、箔画像の箔面からの鏡面反射光が可視画像を構成する有色トナーによる有色トナー層を透過することによる。
ここに、メタリックカラーとは、一般にメタリックレッド、メタリックオレンジなどと呼ばれる、金属光沢を有するカラーを言い、また、以下において、ソリッドカラーとは、通常の紙上に形成した赤、オレンジなどの、金属光沢を有さないカラーを言う。
【0008】
しかしながら、逆に、このような箔画像上にソリッドカラーの可視画像を形成させることは困難であった。箔画像上にソリッドカラーの可視画像を形成させる方法として、インクジェット方式やオフセット印刷方式などの電子写真方式以外の画像形成方法を用いることが検討されたが、箔の材質が制限されることや、少量多品種の画像形成に対応することができないこと、作業工程が煩雑化することなどの問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、画像支持体上に形成された金属光沢領域にソリッドカラーの可視画像を形成することができる画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成方法は、画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像を加熱加圧することによって定着させ、光拡散性トナー層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像形成方法は、画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像を加熱加圧することによって定着させ、光拡散性トナー層を形成する工程、
当該光拡散性トナー層上に、電子写真法により、有色トナーを転写し有色トナー像を形成する工程、
当該有色トナー像を加熱加圧することによって定着させ、有色トナー層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像形成方法は、画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像上に、電子写真法により、有色トナーを転写し有色トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像および有色トナー像を加熱加圧することによって定着させる工程を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成方法においては、前記金属光沢領域が、下記工程を経て形成されることが好ましい。
(i)画像支持体上に定着されたトナー層を用意する工程
(ii)フィルム状の支持体上に箔層と接着層とが積層された箔シートの接着層が前記画像支持体上のトナー層の形成面に対向する状態に、前記画像支持体および前記箔シートを重ねる工程
(iii )重ねられた前記画像支持体および前記箔シートを加熱押圧する加熱加圧工程
(iv)前記箔シートを前記画像支持体から剥がす剥離工程
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成方法によれば、光拡散性トナー層において光が拡散されて金属光沢面に到達する光の量が抑制されると共に、当該金属光沢面からの鏡面反射光が当該光拡散性トナー層によってさらに拡散されるために、白色を含めた各色のソリッドカラーの可視画像を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成方法によって得られる可視画像を形成する複合トナー層の構成を説明するための模式断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法に用いる金属光沢箔の断面構造を示す説明用断面図である。
【図3】本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図4】箔転写装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図5】箔画像形成工程を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明の画像形成方法によって得られる可視画像を形成する複合トナー層の構成を説明するための模式断面図である。
本発明において、複合トナー層とは、光拡散性トナー層上に有色トナー層を有する層形成を有するものである。
本発明の画像形成方法は、画像支持体P上に形成された金属光沢領域に、電子写真法によって形成された光拡散性トナー像が加熱定着されてなる、光を拡散させる光拡散性トナー層Twを形成する工程を有し、具体的な一例としては、画像支持体P上に形成された金属光沢領域に、電子写真法によって形成された光拡散性トナー像が加熱定着されてなる、光を拡散させる光拡散性トナー層Tw上に、電子写真法によって形成された有色トナー像が加熱定着されてなる有色トナー層Tcが積層された複合トナー層Tを形成する工程を有する画像形成方法が挙げられる。
このような画像形成方法によっては、複合トナー層Tからなる、当該複合トナー層Tの有色トナー層Tcに従った有色のソリッドカラーが視認される可視画像が得られる。
【0018】
また、本発明においては、画像支持体P上に形成された金属光沢領域に光拡散性トナー層Twのみを形成することもでき、このような画像形成方法によっては、光拡散性トナー層Twからなる、白色のソリッドカラーが視認される可視画像が得られる。
【0019】
本発明において、光拡散性トナー層Tw上に有色トナー層Tcが積層されてなる複合トナー層Tを形成するための具体的な方法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
(A)画像支持体P上に形成された金属光沢領域に、電子写真法によって形成された光拡散性トナー像を加熱定着することにより光拡散性トナー層Twを形成し、その後、当該光拡散性トナー層Tw上に、電子写真法によって形成された有色トナー像を加熱定着することにより有色トナー層Tcを形成し、これにより複合トナー層Tを形成する方法。
(B)画像支持体P上に形成された金属光沢領域に、電子写真法によって光拡散性トナー像を形成し、次いで、当該光拡散性トナー像上に電子写真法によって有色トナー像を形成し、その後、当該光拡散性トナー像および有色トナー像をまとめて加熱定着することにより、複合トナー層Tを形成する方法。
【0020】
本発明の画像形成方法において、画像支持体上に形成された金属光沢領域とは、具体的には、画像支持体上に金属光沢箔が接着されて形成された箔画像上の領域をいう。また、画像支持体として金属光沢を呈する表面処理がなされているものなどを用いる場合には、当該画像支持体の表面領域をいう。
【0021】
本発明の画像形成方法において、上記(A)の方法によって複合トナー層Tを形成する場合の具体的な一例を示すと、
(1)熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有する箔接着用トナーを用いて電子写真法によって画像支持体P上に形成された箔接着用トナー層H上に、金属光沢箔80c(図2参照)を接触させて加熱することにより、当該箔接着用トナー層H上に金属光沢箔80cを接着させて箔画像Sを形成する箔画像形成工程、
(2)画像支持体P上に形成された箔画像S上の領域に電子写真法によって形成された光拡散性トナー像を加熱定着することにより、光拡散性トナー層Twを形成する光拡散性トナー層形成工程、
(3)光拡散性トナー層Tw上に電子写真法によって形成された有色トナー像を加熱定着することにより、有色トナー層Tcを形成する追い刷り工程
から構成される。
【0022】
〔光拡散性トナー〕
本発明において、光拡散性トナーとは、当該光拡散性トナーによって形成されたトナー像が加熱定着されることによって得られる光拡散性トナー層の状態において白色を呈する、いわゆる白色トナーと呼ばれるものであって、具体的には、白色顔料を有するトナー、中空構造などの高屈折率の構造を有する粒子からなるトナー、あるいは高架橋されて光散乱特性が付与された樹脂などを含有し隠蔽性に優れたトナーなどが挙げられる。
ここで、加熱定着されたトナー層の状態において白色を呈するとは、黒紙「ルミナカラー 黒」(王子製紙社製、坪量:125g/m2 )上に、JIS Z 8741に準じて光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所(株)社製)を用いて75°測定角型を選択した際の光沢度が70以上となるトナー層を形成したときに、目視で白色に視認されることをいう。
このような光拡散性トナーの多くのものは、トナー粒子の集合体である粉体状態においても白色を呈する。
【0023】
光拡散性トナーとしては、一般に公知の白色の静電荷像現像用トナーを用いることができ、具体的には、例えば結着樹脂および白色顔料からなる着色剤を含むトナー粒子よりなるものが挙げられる。
【0024】
白色顔料としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなどの無機顔料;例えばポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子などの有機顔料が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
中空構造などの高屈折率の構造を有する粒子としては、無機および有機中空粒子を挙げることができる。これらの中空粒子は、その内部に1個または2個以上の中空部を有するものである。
無機中空粒子としては、公知の種々の材料からなるものを用いることができるが、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどからなるものが挙げられる。
無機中空粒子の製造方法としては、ストーバー法を基本としたゾル−ゲル法に、特定アルコールによる処理を加える方法や、アルキルシリケートなどを、水、アルコール、酸アミド類、ジオールおよびジオールの半エーテル類から選ばれる少なくとも1種、水溶性ポリマー、触媒の存在下で加水分解・縮合する方法、金属酸化物を水とアルコール溶媒中のベース触媒に反応させてアルコゲルを生成し、このアルコゲルの液滴中に不活性ガスを噴射して中空のアルコゲル微小球を形成し、このアルコゲルを超臨界的に乾燥することにより中空のエーロゲル微小球を作製する方法、ポリマー、触媒の存在下で、加水分解、縮合する方法、活性無機酸化物を無機酸化物以外のコア物質上に沈殿させ、次いでこのコア物質を除去する方法などが挙げられる。
【0026】
有機中空粒子は樹脂からなるものであり、当該有機中空粒子の製造方法としては、例えば親水性モノマー、架橋性モノマーおよび油性物質が一定の割合で共存する分散液において懸濁重合または乳化重合を行うことにより、当該油性物質を内孔中に含有するポリマー粒子を得た後、当該油性物質を除去する方法、特開昭60−184004号公報に開示されるように、W/O/W型エマルジョンを作成し、O層のモノマーを重合させる方法、特開昭56−32513号公報に開示されるように、膨潤性コアを有するコア/シェル粒子をシェル層のガラス転移点以上の温度で膨脹させて中空化させる方法、特開昭60−223873号公報に開示されるように、溶解度パラメーターの異なるポリマーの二段重合を用いる方法、架橋性モノマーと親水性モノマーを含む重合性モノマー成分と油性物質を水中で微分散してO/W型エマルジョンを作製し、モノマーを重合した後、油性物質を除去する方法、液状樹脂をスプレーまたは乳化、懸濁により粒子化し加熱発泡する方法や、湿式中で、重合造粒過程において中空化する方法などが挙げられる。以上においては、乳化に使用する乳化剤の組合せ、濃度などを調節することにより、得られる有機中空粒子の粒子径や空隙率を調節することができる。
有機中空粒子を得るためのモノマーとしては、架橋モノマーとして、重合性二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの少なくとも1種(特に、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート及びテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種)が挙げられ、単官能性モノマーとして、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体およびジオレフィンからなる群から選ばれるものが好適に挙げられるが、これに限定されるものではない。上記の架橋モノマーと上記の単官能モノマーとを共重合させて高度に架橋させることにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた有機中空粒子を得ることができる。
【0027】
光拡散性トナーとしては、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
光拡散性トナーのトナー粒子を構成する結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の種々の樹脂を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
〔有色トナー〕
本発明の画像形成方法に用いられる有色トナーは、特に限定されずに、一般に公知の静電荷像現像用トナーにおいて、上記の光拡散性トナーとして用いられる白色トナーを除いたものを用いることができる。
有色トナーとしては、例えば結着樹脂および有色の着色剤を含有し、必要に応じて離型剤、帯電制御剤、外添剤を有するトナー粒子よりなるものが挙げられる。
【0030】
有色トナーを構成する着色剤としては、下記に例示するような有機または無機の各種、各色の顔料を使用することができる。
すなわち、黒色のトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
イエローのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアンのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同60、同62、同66、同76などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
着色剤の含有割合は、有色トナーのトナー粒子中0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
【0031】
有色トナーのトナー粒子を構成する結着樹脂としては、光拡散性トナーに係る結着樹脂として例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0032】
以上の光拡散性トナーおよび有色トナーの軟化点は、例えば90〜130℃であることが好ましい。
トナーの軟化点は、結着樹脂の種類、結着樹脂を得るための原材料種や使用比率、結着樹脂の分子量の調整などにより制御することができる。
【0033】
光拡散性トナーおよび有色トナーの軟化点は、フローテスター法によって測定されたものである。
具体的には、まず、温度20±1℃、相対湿度50±5%RHの環境下において、測定試料(光拡散性トナーまたは有色トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−A」(島津製作所社製)によって3000kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、相対湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、軟化点とした。
【0034】
また、以上のような光拡散性トナーおよび有色トナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、「コールターカウンターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、測定試料(光拡散性トナーまたは有色トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径(体積D50%径)とする。
【0035】
〔光拡散性トナーおよび有色トナーの作製方法〕
本発明に係る光拡散性トナーおよび有色トナーを作製する方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法などが挙げられる。
これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒子径の均一性、形状の制御性、コアシェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
ここで、樹脂微粒子を、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コアシェル構造のトナー粒子とすることもトナー構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
【0036】
〔外添剤〕
上記の光拡散性トナーまたは有色トナーを構成するトナー粒子は、そのままで光拡散性トナーまたは有色トナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して光拡散性トナーまたは有色トナーを構成してもよい。
【0037】
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
また、外添剤としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を用いることもできる。このような有機微粒子としては、具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体からなる微粒子を使用することができる。
【0038】
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、光拡散性トナーまたは有色トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0039】
〔箔接着用トナー〕
本発明の画像形成方法に用いられる箔接着用トナーは、画像支持体上に箔を接着するための接着剤としての作用が発現されるトナーであって、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を少なくとも含有するものであり、着色剤を含む有色トナーや白色トナーであってもよく、透明なクリアトナーであってもよいが、箔画像やその後に形成される可視画像の視認性に対する影響が小さいことから、クリアトナーであることが好ましい。
本発明において、クリアトナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーのことをいう。クリアトナーは実質的に無色透明であればよく、例えば、顔料、染料などの着色剤を含まないトナーや、顔料、染料などの着色剤を色認識できない程度に含有するトナー、結着樹脂やワックス、外添剤の種類や添加量により透明度が若干低くなっているトナーなども含まれる。
【0040】
〔熱可塑性樹脂〕
本発明に係る箔接着用トナーを構成するトナー粒子の結着樹脂に含有される熱可塑性樹脂としては、光拡散性トナーに係る結着樹脂として例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0041】
以上の箔接着用トナーの軟化点は、例えば90〜130℃であることが好ましい。
箔接着用トナーの軟化点は、測定試料として箔接着用トナーを用いて上述の通りに測定されたものである。
また、箔接着用トナーの定着温度における貯蔵弾性率G´は、光拡散性トナーの貯蔵弾性率G´および有色トナーの貯蔵弾性率G´に比べて大きいことが好ましい。
【0042】
また、以上のような箔接着用トナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。
箔接着用トナーを構成するトナー粒子の粒径は、測定試料として箔接着用トナーを用いて上述の通りに測定されたものである。
【0043】
〔箔接着用トナーの作製方法〕
本発明に係る箔接着用トナーは、上記の光拡散性トナーおよび有色トナーの作製方法において、着色剤を含有しないクリアトナーである場合には着色剤を含有させないことの他は同様にして、作製することができる。
具体的には、乳化凝集法を用いて箔接着用トナーを作製する場合には、例えば着色剤微粒子を添加せずに凝集を行うことによって、箔接着用トナーを作製することができる。
【0044】
〔現像剤〕
本発明に係る光拡散性トナー、有色トナーおよび箔接着用トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明に係る光拡散性トナー、有色トナーおよび箔接着用トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
【0045】
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0046】
〔金属光沢箔〕
本発明において、「金属光沢箔」とは、一般の印刷によっては表現が困難な金属光沢感を有する文字や絵柄を画像支持体上に付与するために使用されるものであって、金属光沢を有する箔であれば特に限定されずに用いることができる。金属光沢箔としては、具体的には、用途に応じて例えば金色や銀色の画像を得るための金銀箔、金属光沢を有するカラー顔料箔、パール光沢を有するパール箔などの様々な種類のものが挙げられる。
【0047】
金属光沢箔は、転写箔(箔シート)として箔画像形成工程に供せられる。転写箔80は、具体的には、例えば、図2に示すように、樹脂などからなるフィルム状の支持体80a上に、離型層80bを介して、金属光沢箔80cが形成された層構造を有するものである。金属光沢箔80cは、具体的には、離型層80b上に形成される着色剤や金属などを含有する箔層80dと、当該箔層80d上に形成され、接着性を発現する接着層80eとよりなる。
【0048】
支持体80aは、樹脂などからなるフィルムまたはシートや紙からなるものである。支持体80aが樹脂からなるものである場合、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の樹脂材料が挙げられる。
また、支持体80aは、単層構造のものであってもよく、多層構造のものであってもよい。
【0049】
離型層80bは、箔層80dおよび接着層80eからなる金属光沢箔80cの支持体80aからの良好な剥離性を確保するためのものであって、この離型層80bを構成する材料としては、例えば、メラミンまたはイソシアネートを硬化剤として用いた熱硬化性樹脂、アクリレートまたはエポキシ樹脂を含有した紫外線または電子線硬化性樹脂に例えば、フッ素系またはシリコン系のモノマーまたはポリマーなどの公知のワックスを添加したものなどが挙げられる。
【0050】
箔層80dは、着色剤や金属材料などを含有し、画像支持体上に転写された後は美的外観を発現するものである。
箔層80dは、具体的には、着色層やこれに金属層を積層させたものなどから構成されたものである、
着色層としては、離型層80bからの良好な剥離性や箔画像の形成後における耐久性などの所望の性能を有する公知の樹脂に、必要に応じて公知の染料や顔料などが添加されてなる塗布組成物を、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコーダおよびロールコータなどによって支持体80a上の離型層80b上に塗布して乾燥することにより、形成したものなどを挙げることができる。箔層80dを形成するための樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
金属層は、メタリックな光沢を有する層であって、金属を用いて、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法によって形成することができる。金属層を形成するための金属材料としては、例えば、アルミニウム、スズ、銀、クロム、ニッケル、金などの単体の他に、ニッケル−クロム−鉄合金や青銅、アルミ青銅などの合金を用いることができる。金属層は、厚さ約10〜100nmとすることができる。また、金属層としては、例えば、水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザ加工などの公知の加工方法を利用して規則的な模様を付与するパターニング処理を施したものとすることもできる。
【0051】
接着層80eは、例えば、加熱により結着性を発現させるいわゆるホットメルトタイプと呼ばれる感熱性の接着剤よりなるものとすることができる。感熱性の接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂およびエチレン−ビニルアルコール共重合体などのホットメルトタイプの接着剤に使用することができる公知の種々の熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着層80eは、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコータおよびロールコータなどを用いて、感熱性の接着剤を形成する熱可塑性樹脂を箔層80d上に塗布することにより、形成することができる。
【0052】
〔画像支持体〕
箔画像Sを形成するための画像支持体としては、具体的には、例えば薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙などの各種の印刷用紙などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
〔画像形成装置〕
本発明の画像形成方法において、箔画像形成工程と、光拡散性トナー層形成工程および追い刷り工程とは、別個の装置によって行ってもよく、一の画像形成装置によって連続的に行ってもよい。
【0054】
図3は、本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、箔接着用トナーを用いた箔画像形成工程、光拡散性トナーを用いた光拡散性トナー層形成工程および有色トナーを用いた追い刷り工程を連続的に実行することのできるタンデム型のカラー画像形成装置である。
【0055】
この画像形成装置は、箔画像を形成すべき箔接着用トナー像を形成する箔接着用トナー像形成部20Hと、光拡散性トナー像を形成する白色トナー像形成部20Wと、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンまたは黒色の各色のトナー像を形成する有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkと、これらの箔接着用トナー像形成部20H、白色トナー像形成部20Wまたは有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkにおいて形成されたトナー像を画像支持体P上に転写する中間転写部10と、画像支持体Pに対して加熱しながら加圧してトナー像を定着させる定着装置26と、画像支持体Pに対して金属光沢箔80c(図5参照)を供給する箔転写装置70とを有する。
【0056】
有色トナー像形成部20Yにおいてはイエローのトナー像形成が行われ、有色トナー像形成部20Mにおいてはマゼンタ色のトナー像形成が行われ、有色トナー像形成部20Cにおいてはシアン色のトナー像形成が行われ、有色トナー像形成部20Bkにおいては黒色のトナー像形成が行われる。
【0057】
箔接着用トナー像形成部20Hは、静電潜像担持体である感光体11Hと、当該感光体11Hの表面に一様な電位を与える帯電手段23Hと、一様に帯電された感光体11H上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Hと、箔接着用トナーを感光体11H上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Hと、一次転写後に感光体11H上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Hとを備えるものである。
【0058】
また、白色トナー像形成部20Wは、静電潜像担持体である感光体11Wと、当該感光体11Wの表面に一様な電位を与える帯電手段23Wと、一様に帯電された感光体11W上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Wと、光拡散性トナーを感光体11W上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Wと、一次転写後に感光体11W上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Wとを備えるものである。
【0059】
また、有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkは、静電潜像担持体である感光体11Y,11M,11C,11Bkと、当該感光体11Y,11M,11C,11Bkの表面に一様な電位を与える帯電手段23Y,23M,23C,23Bkと、一様に帯電された感光体11Y,11M,11C,11Bk上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Y,22M,22C,22Bkと、カラートナーを感光体11Y,11M,11C,11Bk上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Y,21M,21C,21Bkと、一次転写後に感光体11Y,11M,11C,11Bk上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Y,25M,25C,25Bkとを備えるものである。
【0060】
中間転写部10は、中間転写体16と、箔接着用トナー像形成部20Hによって形成された箔接着用トナー像を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Hと、白色トナー像形成部20Wによって形成された光拡散性トナー像を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Wと、有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkによって形成された有色トナー像を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkと、一次転写ローラ13Hによって中間転写体16上に転写された箔接着用トナー像を画像支持体P上に転写する、あるいは、一次転写ローラ13Wによって中間転写体16上に転写された光拡散性トナー像、または、一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkによって中間転写体16上に転写された有色トナー像を箔画像が形成された画像支持体P上に転写する二次転写ローラ13Aと、中間転写体16上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段12とを有する。
中間転写体16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
【0061】
定着装置26は、一対の加熱加圧ローラ27,28が互いに圧接されてその圧接部にニップ部Nが形成された状態に設けられてなるものである。
【0062】
箔転写装置70は、図4に示されるように、適宜の駆動手段により駆動されて時計方向に回転される箔転写ローラ73aおよび当該箔転写ローラ73aに従動して回転される箔転写ローラ73bが、媒体(画像支持体P)に対して供給されるべき金属光沢箔80cを有する長尺なシート状の転写箔80を介して互いに圧接された状態に設けられている。
箔転写ローラ73a,73bは、各々、図示しない加熱源が備えられたものである。
巻き取りローラ72Aの回転速度は、箔転写ローラ73a,73bの圧接部における転写箔80の搬送速度が、当該圧接部における画像支持体Pの搬送速度と同じとなる速度とされる。
また、この箔転写装置70においては、箔転写ローラ73a,73bが、互いに離間した状態に変更する離間機構(図示せず)が備えられており、当該離間機構は、金属光沢箔80cを接着させる必要のないときには、定着装置26から排出された箔画像Sおよび可視画像が形成された画像支持体Pが当該箔転写装置70を通過するときに、箔転写ローラ73a,73bを互いに離間した状態に変更させることができる。
【0063】
このような画像形成装置を用いて、上記(A)の方法によって複合トナー層Tを形成する場合は、以下のように画像形成方法が行われる。
【0064】
〔箔画像形成工程〕
まず、箔接着用トナー像形成部20Hにおいて、感光体11H上に帯電手段23Hより帯電され、露光手段22Hにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21Hにおいて箔接着用トナーによって現像されることにより箔接着用トナー像が形成され、一次転写ローラ13Hにより中間転写体16上に箔接着用トナー像が転写される。一方、給紙カセット41内に収容された画像支持体Pが、給紙搬送手段42により給紙され、複数の給紙ローラ44a,44b,44c,44dおよびレジストローラ46によって搬送され、二次転写ローラ13Aにおいて当該画像支持体P上に中間転写体16上の箔接着用トナー像が転写される。その後、画像支持体P上に転写された箔接着用トナー像が定着装置26において加圧および加熱により定着されて箔接着用トナー層Hが形成される。
【0065】
箔接着用トナー層Hが形成された画像支持体Pは、箔転写装置70において、元巻きローラ71Aに巻回されている状態の転写箔80が、巻き取りローラ72Aが駆動されて回転され、巻き取られることにより、搬送路に沿って箔転写ローラ73a,73bの圧接部を通過するよう搬送される。
箔転写ローラ73a,73bの圧接部においては、図5に示されるように、箔接着用トナー層Hが形成された画像支持体P(図5(a))上に、搬送された転写箔80が接触して積層され(図5(b))、この状態において箔転写ローラ73a,73bにより加熱され(図5(c))、箔転写ローラ73a,73bの圧接部の通過後に自然冷却されることによって金属光沢箔80cが箔接着用トナー層H上に接着され、転写箔80の金属光沢箔80cにおける箔接着用トナー層Hに接触されなかった部分が剥離されることによって(図5(d))、当該箔接着用トナー層Hの形状と一致した形状の箔画像Sが形成される(図5(e))。
転写箔80の金属光沢箔80cにおける箔接着用トナー層Hに接触されなかった部分は、支持体80aおよび離型層80bと共に巻き取りローラ72Aに巻き取られる。
【0066】
〔光拡散性トナー層形成工程〕
箔画像Sが形成された画像支持体Pは、一度排紙ローラ47を有する排紙搬送路に一旦搬送された後、逆方向に搬送されて分岐板29により排紙搬送路より分岐させて搬送路48a,48bを経由して二次転写ローラ13Aに搬送され、光拡散性トナー像が転写される。
具体的には、白色トナー像形成部20Wにおいて、感光体11W上に帯電手段23Wより帯電され、露光手段22Wにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21Wにおいて光拡散性トナーによって現像されることにより光拡散性トナー像が形成され、一次転写ローラ13Wにより中間転写体16上に転写され、そして、二次転写ローラ13Aによって、中間転写体16上に転写された光拡散性トナー像が、箔画像S上に転写される。
箔画像S上に転写された光拡散性トナー像は、定着装置26において加熱されながら加圧されることにより定着されて光拡散性トナー層Twが形成される。
【0067】
このとき、光拡散性トナー像は、得られる光拡散性トナー層Twが白色を呈するものとなるようなトナー付着量で形成される。
具体的なトナー付着量は、光拡散性トナーに含有される白色顔料の種類および含有量によっても異なるが、例えば5.0〜7.0g/m2 とすることができる。
【0068】
〔追い刷り工程〕
箔画像Sおよび光拡散性トナー層Twが形成された画像支持体Pは、箔転写装置70の離間された状態とされた箔転写ローラ73a,73b間を通過し、排紙ローラ47を有する排紙搬送路に一旦搬送された後、逆方向に搬送されて分岐板29により排紙搬送路より分岐させて搬送路48a,48bを経由して二次転写ローラ13Aに搬送され、有色トナー像が転写される。
具体的には、有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkにおいて、感光体11Y,11M,11C,11Bk上に帯電手段23Y,23M,23C,23Bkより帯電され、露光手段22Y,22M,22C,22Bkにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21Y,21M,21C,21Bkにおいて有色トナーによって現像されることにより各色のトナー像が形成され、一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkにより各色のトナー像が順次に重ね合わされて中間転写体16上に転写され、そして、二次転写ローラ13Aによって、中間転写体16上に転写された各色のトナー像が、光拡散性トナー層Tw上に一括して転写される。
光拡散性トナー層Tw上に転写された各色のトナー像は、定着装置26において加熱されながら加圧されることにより定着されて有色トナー層Tcが形成され、その後、箔画像S、光拡散性トナー層Twおよび有色トナー層Tcがこの順に形成された画像支持体Pが、箔転写装置70の離間された状態とされた箔転写ローラ73a,73b間を通過し、さらに、排紙ローラ47によって機外に排出されて排紙トレイ40上に載置される。
【0069】
箔接着用トナー像を中間転写体16に転写させた後の感光体11Hは、クリーニング手段25Hにより当該感光体11Hに残留したトナーを除去した後に、次の箔接着用トナー像の形成に供される。
また、光拡散性トナー像を中間転写体16に転写させた後の感光体11Wは、クリーニング手段25Wにより当該感光体11Wに残留したトナーを除去した後に、次の光拡散性トナー像の形成に供される。
また、各色のトナー像を中間転写体16に転写させた後の感光体11Y,11M,11C,11Bkは、それぞれクリーニング手段25Y,25M,25C,25Bkにより当該感光体11Y,11M,11C,11Bkに残留したトナーを除去した後に、次の各色のトナー像の形成に供される。
一方、二次転写ローラ13Aにより画像支持体P上に箔接着用トナー像、光拡散性トナー像または有色トナー像を転写した後の中間転写体16は、クリーニング手段12により当該中間転写体16上に残留したトナーを除去した後に、次の箔接着用トナー像、光拡散性トナー像または有色トナー像の中間転写に供される。
【0070】
また、上記の画像形成装置において、上記(B)の方法によって複合トナー層Tを形成する場合は、以下のように画像形成方法が行われる。
【0071】
〔箔画像形成工程〕
箔画像形成工程は、上記(A)の方法における箔画像形成工程と同様に行うことができる。
【0072】
〔光拡散性トナー層形成工程および追い刷り工程〕
箔画像Sが形成された画像支持体Pは、一度排紙ローラ47を有する排紙搬送路に一旦搬送された後、逆方向に搬送されて分岐板29により排紙搬送路より分岐させて搬送路48a,48bを経由して二次転写ローラ13Aに搬送され、光拡散性トナー像および有色トナー像が転写される。
具体的には、白色トナー像形成部20Wおよび有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkにおいて、感光体11W,11Y,11M,11C,11Bk上に帯電手段23W,23Y,23M,23C,23Bkより帯電され、露光手段22W,22Y,22M,22C,22Bkにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21W,21Y,21M,21C,21Bkにおいて光拡散性トナーによって現像されることにより光拡散性トナー像が形成され、一次転写ローラ13W,13Y,13M,13C,13Bkにより光拡散性トナー像および各色のトナー像が順次に重ね合わされて中間転写体16上に転写され、そして、二次転写ローラ13Aによって、中間転写体16上に転写された光拡散性トナー像および各色のトナー像が、箔画像S上に一括して転写される。
箔画像S上に転写された光拡散性トナー像および各色のトナー像は、定着装置26において加熱されながら加圧されることにより定着されて光拡散性トナー層Tw上に有色トナー層Tcが形成され、その後、箔画像S、光拡散性トナー層Twおよび有色トナー層Tcがこの順に形成された画像支持体Pが、箔転写装置70の離間された状態とされた箔転写ローラ73a,73b間を通過し、さらに、排紙ローラ47によって機外に排出されて排紙トレイ40上に載置される。
【0073】
このとき、光拡散性トナー像は、得られる光拡散性トナー層Twが白色を呈するものとなるようなトナー付着量で形成される。
具体的なトナー付着量は、光拡散性トナーに含有される白色顔料の種類および含有量によっても異なるが、例えば5.0〜7.0g/m2 とすることができる。
【0074】
以上のような画像形成方法によれば、光拡散性トナー層Twにおいて光が拡散されて金属光沢面に到達する光の量が抑制されると共に、当該金属光沢面からの鏡面反射光が当該光拡散性トナー層Twによってさらに拡散されるために、白色を含めて各色のソリッドカラーの可視画像を簡単に形成することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
【0076】
例えば、画像支持体上に形成された金属光沢領域に、白色および有色のソリッドカラーの可視画像部分を共に有する可視画像を形成することもできる。
具体的には、このような可視画像は、画像支持体上に形成された金属光沢領域に、白色のソリッドカラーの可視画像部分となる光拡散性トナー層のみによる部分と、有色のソリッドカラーの可視画像部分となる複合トナー層による部分とを、同時にまたは別個に形成することにより、得ることができる。
【0077】
また例えば、画像支持体上に形成された金属光沢領域に、白色および/または有色のソリッドカラーの可視画像部分と共にメタリックカラーの可視画像部分を有する可視画像を形成することもできる。
具体的には、このような可視画像は、画像支持体上に形成された金属光沢領域に、白色および/または有色のソリッドカラーの可視画像部分となる光拡散性トナー層のみによるまたは複合トナー層による部分と、メタリックカラーの可視画像部分となる有色トナー層のみによる部分とを同時にまたは別個に形成することにより得ることができる。
【0078】
また例えば、画像支持体上に形成された金属光沢領域は、金属光沢箔を用いた箔画像によるものには限定されない。すなわち、本発明は、画像支持体として例えば金属光沢を有する表面層が形成された特殊紙を用いた場合についても、適用することができる。
【実施例】
【0079】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
〔光拡散性トナーの製造例1〕
(1)結着樹脂の合成
メチルエチルケトン567質量部およびイソプロピルアルコール63質量部を反応容器に入れ、80℃まで加熱した後、
スチレン 568質量部
n−ブチルアクリレート 192質量部
メタクリル酸 40質量部
「パーブチルO」(日本油脂社製) 23.3質量部
の混合物を1時間にわたって滴下した。滴下終了後、3時間ごとに3回「パーブチルO」2.6質量部を添加し、さらに4時間反応させた。反応終了後、樹脂溶液を加熱脱気することにより固形樹脂として結着樹脂〔1〕を得た。
【0081】
(2)混練・粉砕
結着樹脂〔1〕 600質量部
白色顔料(酸化チタン)「TITANIX JR−800」(テイカ社製)
400質量部
をヘンシェルミキサーを用いて混合し、次いで、加熱2本ロールを用いて混練した。これを冷却した後破砕を行い、顔料含有率が40%であるマスターバッチ〔1〕を作製した。
結着樹脂〔1〕/マスターバッチ〔1〕/「カルナバワックス 1号」(加藤洋行社製)を、質量比率が47/50/3となるようヘンシェルミキサーを用いて混合した。その後、その混合物を2軸混練機で混練し、得られた混練物を粉砕、分級することにより、体積基準のメディアン径が7.0μmである光拡散性トナーを得た。これを白色トナー〔1〕とする。
【0082】
〔光拡散性トナーの製造例2〕
(1)スチレン−アクリル系樹脂微粒子の分散液の調製
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5リットルの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム1.8質量部をイオン交換水690mlに溶解させた溶液を仕込み、82℃に加熱後、スチレン170質量部、n−ブチルアクリレート62質量部、メタクリル酸16質量部、n−オクチルメルカプタン4.0質量部、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精鑞社製)50質量部を80℃にて溶解させた重合性単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により15分間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム8.6質量部をイオン交換水165ml溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子分散液を調製した。
(第2段重合)
上記の樹脂微粒子分散液に過硫酸カリウム14.6質量部をイオン交換水280mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート194質量部、メタクリル酸50質量部およびn−オクチルメルカプタン10質量部からなる重合性単量体溶液を80分かけて滴下した。
滴下終了後、1時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、樹脂微粒子〔A〕が分散された樹脂微粒子分散液〔A〕を得た。
【0083】
(2)中空樹脂微粒子の分散液の調製
ドデシル硫酸ナトリウム23質量部をイオン交換水1800質量部に撹拌溶解させた溶液に、撹拌下、中空スチレン・アクリル共重合体粒子「SX866(A)」(JSR社製)200質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、中空樹脂微粒子〔B〕が分散された中空樹脂微粒子分散液〔B〕を得た。
【0084】
(3)光拡散性トナー粒子の形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂微粒子分散液〔A〕を固形分換算で450質量部と、中空樹脂微粒子分散液〔B〕を固形分換算で240質量部と、イオン交換水700質量部とを仕込み、液温を25℃に調整した後、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム70質量部をイオン交換水105mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて30分間かけて添加し、3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で、「コールターマルチサイザーIII 」にて凝集粒子の粒径を測定し、所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム75質量部をイオン交換水290mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。
さらに、熟成工程として液温度83℃にて加熱撹拌することにより、「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.960になるまで、粒子間の融着を進行させつつ、トナー粒子を形成させ、その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。
上記の工程にて生成したトナー粒子を、バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が1.0質量%となるまで乾燥することにより、体積基準のメディアン径が6.8μmである光拡散性トナーを得た。これを白色トナー〔2〕とする。
【0085】
〔現像剤の調製例1、2〕
白色トナー〔1〕、〔2〕について、シリコーン樹脂を被覆した体積基準のメジアン径60μmのフェライトキャリアを、V型混合機を用いて、前記光拡散性トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、現像剤〔1〕、〔2〕を調製した。
【0086】
<実施例1>
「bizhub C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、6個の現像器を搭載できるように改造し、それぞれの現像器に箔接着用トナー〔a〕による現像剤〔a〕、白色トナー〔1〕による現像剤〔1〕、並びに、「bizhub C6500」に対応する市販のイエロー現像剤、マゼンタ現像剤、シアン現像剤および黒現像剤を充填した。なお、箔接着用トナー〔a〕としては軟化点124℃、体積基準のメディアン径が6.7μmのクリアトナーを用いた。
この改造機を用いて、市販のA4サイズの画像支持体「OKトップコート+」(王子製紙社製、坪量:80g/m2 )の全面に箔接着用トナー〔a〕によって金属光沢箔「BL 2号金2.8」((株)村田金箔製)を転写して箔画像を形成した。
この箔画像上に、以下の(a)〜(n)からなる14個のトナー像部分を形成し、まとめて加熱定着することにより、テストプリント〔1〕を得た。
【0087】
(a)Wのみ
(b)W上にY
(c)W上にM
(d)W上にC
(e)W上にK
(f)W上にB
(g)W上にG
(h)W上にR
(i)Yのみ
(j)Mのみ
(k)Cのみ
(l)Bのみ
(m)Gのみ
(n)Rのみ
【0088】
上記(a)〜(n)において、W、Y、M、C、Kとは、それぞれ、白色トナー〔1〕、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒色トナーによって現像されたトナー像、また、Bとはマゼンタトナーおよびシアントナーによって現像されたトナー像、Gとはイエロートナーおよびシアントナーによって現像されたトナー像、Rとはイエロートナーおよびマゼンタトナーによって現像されたトナー像を示す。
各トナーのトナー付着量は、白色トナー〔1〕が6.2g/m2 、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよび黒トナーは4.0g/m2 となるように調整した。
【0089】
<実施例2>
実施例1において、(a)〜(h)に係るWを先行して加熱定着し、その後、(b)〜(n)に係る有色トナー像を形成してこれを加熱定着したことの他は同様にして、テストプリント〔2〕を得た。
【0090】
<実施例3>
実施例2において、白色トナー〔1〕による現像剤〔1〕の代わりに白色トナー〔2〕による現像剤〔2〕を用いたことの他は同様にして、テストプリント〔3〕を作成した。
【0091】
<実施例4>
実施例2において、白色トナー〔1〕のトナー付着量を5.4g/m2 に変更したことの他は同様にして、テストプリント〔4〕を得た。
【0092】
<実施例5>
実施例2において、白色トナー〔1〕のトナー付着量を13.0g/m2 に変更したことの他は同様にして、テストプリント〔5〕を得た。
なお、白色トナー〔1〕による上記トナー付着量のトナー像の形成は、上記「bizhub C6500」の現像器のうちの3個に白色トナー〔1〕による現像剤を充填して用いることによって行った。
【0093】
<比較例1>
実施例1において、白色トナー〔1〕による現像剤〔1〕を用いなかったことの他は同様にして、テストプリント〔6〕を作成した。
すなわち、箔画像上に、上記(i)〜(n)からなる6個のトナー像部分を形成し、まとめて加熱定着することにより、テストプリント〔6〕を作成した。
【0094】
得られたテストプリント〔1〕〜〔6〕について、(a)〜(h)についてはソリッドカラー、(i)〜(n)についてはメタリックカラーが発現されているかを目視で観察したところ、メタリックカラーについてはすべて明瞭に視認することができた(表1において○)。また、ソリッドカラーについて、実施例1〜3に係るテストプリント〔1〕〜〔3〕については明瞭に視認することができた(表1において○)が、実施例4に係るテストプリント〔4〕については、メタリックカラーとの違いは視認できるが、テストプリント〔1〕〜〔3〕と比較すると十分なソリッドカラーとは言えなかった(表1において△)。また、実施例5に係るテストプリント〔5〕については、ソリッドカラーについて明瞭に視認することができた(表1において○)が、意図的に過剰な負荷(引っ掻きや折り)を加えると他の実施例で得られた画像に比べ、僅かにトナーが剥がれる傾向を示した。これは、付着量が多くなりトナー層の定着度合いが若干低下しているためと思われる。
【0095】
【表1】

【符号の説明】
【0096】
10 中間転写部
11H,11W,11Y,11M,11C,11Bk 感光体
12 クリーニング手段
13H,13W,13Y,13M,13C,13Bk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写体
16a〜16d 支持ローラ
20H 箔接着用トナー像形成部
20Y,20W,20M,20C,20Bk 有色トナー像形成部
21H,21W,21Y,21M,21C,21Bk 現像手段
22H,22W,22Y,22M,22C,22Bk 露光手段
23H,23W,23Y,23M,23C,23Bk 帯電手段
25H,25W,25Y,25M,25C,25Bk クリーニング手段
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a,44b,44c,44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
47 排紙ローラ
48a,48b,48c 搬送路
29 分岐板
26 定着装置
27,28 加熱加圧ローラ
40 排紙トレイ
70 箔転写装置
71A 元巻きローラ
72A 巻き取りローラ
73a,73b 箔転写ローラ
80 転写箔
80a 支持体
80b 離型層
80c 金属光沢箔
80d 箔層
80e 接着層
N ニップ部
P 画像支持体
H 箔接着用トナー層
S 箔画像
T,Tc,Tw トナー層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像を加熱加圧することによって定着させ、光拡散性トナー層を形成する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像を加熱加圧することによって定着させ、光拡散性トナー層を形成する工程、
当該光拡散性トナー層上に、電子写真法により、有色トナーを転写し有色トナー像を形成する工程、
当該有色トナー像を加熱加圧することによって定着させ、有色トナー層を形成する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
画像支持体上に形成された金属光沢領域上に、電子写真法により、光拡散性トナーを転写し光拡散性トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像上に、電子写真法により、有色トナーを転写し有色トナー像を形成する工程、
当該光拡散性トナー像および有色トナー像を加熱加圧することによって定着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
前記金属光沢領域が、下記工程を経て形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
(i)画像支持体上に定着されたトナー層を用意する工程
(ii)フィルム状の支持体上に箔層と接着層とが積層された箔シートの接着層が前記画像支持体上のトナー層の形成面に対向する状態に、前記画像支持体および前記箔シートを重ねる工程
(iii )重ねられた前記画像支持体および前記箔シートを加熱押圧する加熱加圧工程
(iv)前記箔シートを前記画像支持体から剥がす剥離工程



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−109075(P2013−109075A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252631(P2011−252631)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】