説明

画像形成組成物および画像形成方法

【課題】工作物のマーキングのための改良された画像形成組成物および方法が必要とされている。
【解決手段】画像形成組成物およびその組成物の使用方法が開示される。本発明の画像形成組成物は、少ない量のエネルギーに対して敏感であるので、少ない量のエネルギーを与えることによって組成物の色彩または明度が変化する。本発明の組成物は、マーキング方法に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成組成物および画像形成方法に関する。より詳細には、本発明は、低出力のエネルギーに曝露することで画像形成組成物の色彩または明度の変化が進行する、画像形成組成物および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の産業において、基体上に画像を形成して基体にマーキングするために、多数の組成物および方法が使用されている。このような産業としては、少数を挙げるならば、たとえば、製紙業、包装産業、塗装工業、医療産業、歯科産業、電子産業、繊維工業、航空、海洋、および自動車産業、ならびに視覚芸術産業などが挙げられる。画像形成またはマーキングは、典型的には、物品を識別するため、たとえば、製造元の名称またはロゴ、通し番号またはロット番号、組織の型を識別するため、に使用され、あるいは、半導体ウエハ、飛行機、船舶、および陸上の乗り物の製造における位置合わせの目的で使用することもできる。
【0003】
マーキングは、補強加工製品、フォトレジスト、はんだマスク、印刷版、およびその他のフォトポリマー製品にも使用される。たとえば、米国特許第5,744,280号は、コントラスト画像性質を有する単色および多色の画像を形成することができるといわれる光画像形成性組成物を開示している。この光画像形成性組成物は、光酸化剤、光増感剤、光不活性化化合物、および重水素化ロイコ化合物を含む。このロイコ化合物は、メタン(中心)炭素原子が、少なくとも60%まで、重水素取り込みによって、対応するヒドリドアミノトリアリール−メチンの代わりに重水素化されている、アミノトリアリールメチン化合物または関連の化合物である。この特許は、これらの重水素化ロイコ化合物が、対応するヒドリドロイコ化合物とは対照的に、コントラストが増大した画像形成を行うと主張している。これらの光画像形成性組成物を化学線に曝露すると、光変色応答が誘導される。
【0004】
ラベル上への情報のマーキング、布上へのロゴの配置、あるいは会社名、部品番号もしくは通し番号、またはロット番号もしくは半導体デバイス上のダイの位置をはじめとする他の情報の刻印は、直接印刷によって行うことができる。これらの印刷は、パッド印刷またはスクリーン印刷によって行うことができる。パッド印刷は、パッドが弾性であるため、曲面上の印刷において有利であるが、精密で微細なパターンを形成する場合には不利となる。スクリーン印刷も、スクリーンのメッシュサイズが限定されるため、精密で微細なパターンを得る場合には困難を伴う。精度が低いことに加えて、印刷は、所望のパターンごとに版の作製を伴うか、または印刷条件の設定に時間を要するかであるため、これらの方法は、リアルタイム処理が要求される用途においては決して好適ではない。
【0005】
したがって、印刷によるマーキングは、最近になってインクジェットマーキングに取って代わられている。インクジェットマーキングは、多くの従来の印刷システムが有していない速度およびリアルタイム処理の要求を満たすが、ノズルから加圧下で噴射されて使用されるインクは厳密に規定される。この規定が厳密に適合していない場合、インクによってノズルの詰まりが生じることがあり、そのため不良品となる比率が増大する。
【0006】
この問題を克服するため、最近では、高速かつ効率的なマーキング方法としてレーザーマーキングが注目されており、一部の産業においては既に実用化されている。多くのレーザーマーキング技術は、基体の必要な領域のみにレーザー光を照射して、照射された領域の変性または除去を行うことを含むか、またはコーティングされた基体にレーザー光を照射して、照射されたコーティング層を除去し、それによって、照射された領域(マーキングされた領域)と照射されていない領域(背景)との間にコントラストを生じさせることを含む。
【0007】
半導体チップなどの物品のマーキングにレーザーを使用することは、マーキングのための迅速で経済的な手段となる。しかし、表面を燃焼させて所望のマークを得る最先端のレーザーマーキング技術と関連する特定の欠点が存在する。たとえば、レーザーによって表面に焼き付けたマークは、光源に対して選択された入射角においてしか見ることができない場合がある。さらに、マーキング後に物品表面上に付着した油またはその他の汚染物質によって、レーザーマークがぼやけたり、さらには不明瞭となったりする場合がある。さらに、レーザーが実際に工作物表面を焼くため、ベアダイのマーキングの場合には、付随する燃焼によって下にある任意の構造が損傷したり、または内部ダイ温度が許容限界を超えるため内部回路が損傷したりすることがある。さらに、製造された部品が、レーザー反応性材料から製造されていない場合には、コンポーネントの表面に適用されるレーザー反応性コーティングのために費用が増加し、硬化に数時間を要する場合もある。
【0008】
別の方法では、レーザープロジェクターを使用して、表面上に画像を投影することができる。これらは、加工表面上の工作物の位置合わせを補助するために使用される。あるシステムは、平坦な表面ではなく凹凸を有する表面上に三次元画像を投影するように設計されている。投影された画像は、製造される製品のパターンとして使用され、あるいはあらかじめ配置された層上に層の所望の位置の画像をスキャンするために使用される。このような用途の例は、皮革製品、小屋組、および飛行機の機体の製造において見られる。レーザープロジェクターは、位置決めテンプレート、または航空機の塗装中の塗料マスクにも使用される。
【0009】
穴をあけるため、ロゴまたは絵を描くための輪郭を形成するため、または接着のために船舶の部分を位置合わせするため、どこに工作物部品を配置または位置合わせするかについての指標を提供するスキャンされたレーザー画像を使用する場合、レーザープロジェクターの位置を工作表面に対して非常に高い精度で較正する必要がある。典型的には、工作物部品を十分な精度で位置合わせするために、6つの基準点が必要となる。反射器またはセンサーが、層が配置されるべきおおよその領域に配置されている。これらの点は、工作物およびレーザーに対して固定された位置にあるため、レーザーの工作物に対する位置も分かっている。典型的には、作業者の手によって、レーザービーム画像が工作物と接触する場所が、マーカーまたはマスキングテープでマーキングされて、レーザー画像が画定される。このような方法は単調であり、作業者の手がレーザー画像を遮って、工作物への位置合わせビームが妨害されることがある。したがって、位置合わせ不良が発生しうる。
【0010】
レーザーマーキングに関連する別の問題は、作業者に対する眼科的障害の可能性である。マーキングに使用される多くのレーザーは、作業者の網膜に障害を引き起こす場合がある。一般に、5mWを超えるエネルギーを発生するレーザーは作業者にとって危険である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,744,280号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、工作物のマーキングのための改良された画像形成組成物および方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成組成物は、5mW以下の出力でエネルギーを与えることによって組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の1以上の増感剤を含む。
【0014】
別の態様においては、本発明の画像形成組成物は、5mW以下の出力でエネルギーを与えることによって組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の1以上の増感剤と、1以上の接着促進剤または接着剤とを含む。
【0015】
さらに別の態様においては、本発明の画像形成組成物は、5mW以下の出力のエネルギーに曝露することによって組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の1以上の増感剤を含み、塗料配合物を得るための成分をさらに含む。
【0016】
1以上の増感剤に加えて、本発明の画像形成組成物は、1以上のポリマーバインダー、可塑剤、流動助剤、連鎖移動剤、有機酸、界面活性剤、増粘剤、レオロジー調整剤、希釈剤、ならびに特定のマーキング方法および工作物に組成物を適応させるための他の任意の成分を含むことができる。次に、組成物を工作物に適用して画像を形成し、それを製品の製造に使用することができる。
【0017】
画像形成方法は、5mW以下の出力のエネルギーに曝露することによって色彩または明度の変化に影響を与える十分な量の1以上の増感剤を含む画像形成組成物を提供するステップと、画像形成組成物を工作物に適用するステップと、エネルギーを5mW以下で画像形成組成物に与えて、色彩または明度の変化に影響を与えるステップとを含む。あるいは、エネルギーを選択的に加えることによって、工作物上に画像パターンを形成することができる。工作物の製造または修理において色彩または明度の変化を利用して、好適なエネルギーレベルに曝露することによって、工作物の初期の色彩または明度を変えたり、工作物の色彩または明度を変化させたりすることができる。本発明の画像形成組成物および画像形成方法は、工作物の色彩または明度の変化、または飛行機、船舶、および陸上の乗り物をはじめとする工作物上への画像の配置、または布上への画像の形成、のための迅速で効率的な手段を提供する。
【0018】
画像形成組成物の一部は、工作物のさらなる加工の終了前または終了後に好適な現像剤またはストリッパーを使用して除去することができる。また、これらの組成物は、1以上の接着促進剤または接着剤を含むことができるため、不要部分を工作物から剥がすことができる。
【発明の効果】
【0019】
たとえば、部品を互いに接合させる固定具用の穴をあけるため、飛行機体上にロゴまたは絵をマーキングするための輪郭を形成するため、または船舶部品の部分の位置合わせのため、画像をマークまたは標識として使用することができる。本発明の組成物は、工作物に迅速に適用して、5mW以下の出力でエネルギーを与えて色彩または明度のコントラストを発生させることによって迅速に画像を形成することができるため、作業者は、製品の製造において手持ち式マーカーまたはテープを使用してレーザービーム画像をマーキングするために工作物のそばで作業する必要はもはやない。したがって、作業者の手の動きによって生じる光の遮断の問題、および手持ち式マーカーまたはテープを使用する作業者のマークの適用の遅く退屈な工程の問題が解消される。さらに、色彩または明度の変化を引き起こすために使用されるエネルギーが低出力であるため、作業者の眼科的障害の可能性がなく、または少なくとも軽減される。
【0020】
人間の過失が軽減されることによって、マーキングの精度が向上する。このことは、信頼性ある安全な機械操作のために、製造の精度が重要となる飛行機、船舶、または陸上の乗り物をはじめとする部品の位置合わせにマークが使用される場合に重要である。
【0021】
本発明の画像形成組成物は、スプレーコーティング、はけ塗り、ローラーコーティング、インクジェット、浸漬、またはその他の好適な方法をはじめとする方法によって基体に適用することができる。十分な量のエネルギーを与えて色彩または明度の変化を生じさせるためのエネルギー源としては、限定されるものではないが、レーザー光、赤外光、および紫外光の発生装置が挙げられる。従来の装置を使用することができ、したがって本発明の組成物および方法を使用するために新規で特殊化された装置は必要としない。さらに、本発明の組成物の1回の非選択的コーティング適用を工作物上に行った後、直ちにエネルギーを与えると、色彩または明度の変化が生じるため、組立ラインで使用すると好適な組成物となる。したがって、本発明の組成物は、多くの従来の位置合わせおよび画像形成方法よりも効率的な製造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】レーザービームを選択的に適用した後の、ポリマーフィルム上で乾燥した画像形成組成物による光脱色応答の写真である。
【図2】レーザービームを選択的に適用した後の、ポリマーフィルム上で乾燥した画像形成組成物による光変色応答の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書を通して使用される以下の略記は、他に明記しない限り、以下の意味を有する:℃=摂氏温度、IR=赤外、UV=紫外、gm=グラム、mg=ミリグラム、L=リットル、mL=ミリリットル、重量%=重量パーセント、erg=1dyne・cm=10−7ジュール、J=ジュール、mJ=ミリジュール、nm=ナノメートル=10−9メートル、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、W=ワット=1ジュール/秒、およびmW=ミリワット、ns=ナノ秒、μsec=マイクロ秒、Hz=ヘルツ、KV=キロボルト。
【0024】
用語「ポリマー」および「コポリマー」は、本明細書を通して交換可能に使用される。「化学線」とは、化学的変化を引き起こす光からの放射線を意味する。「光脱色応答」とは、エネルギーを与えることによって、着色材料が色あせる、またはより薄い色になることを意味する。「光変色応答」とは、エネルギーを与えることによって、材料が暗い色になることを意味する。「シェードの変化」とは、色あせる、またはより暗い色になることを意味する。「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートの両方を含み、「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸とアクリル酸の両方を含む。「希釈剤」とは、担体またはビヒクル、たとえば溶媒または固体充填剤を意味する。
【0025】
他に明記しない限り、すべてのパーセント値は重量を基準としており、乾燥重量または溶媒を含まない重量を基準としている。すべての数値範囲は両端の値を含むものとし、論理上そのような数値範囲が合計で最大100%に制約される場合を除いて、任意の順序で組み合わせることができる。
【0026】
画像形成組成物は、5mW以下の出力のエネルギーに曝露することによって色彩または明度の変化に影響を与える十分な量の1以上の増感剤を含む。画像形成組成物を工作物に適用した後、5mW以下の出力のエネルギーを与えることによって、工作物全体の色彩または明度の変化に影響を与えることができ、または画像パターンを工作物上に形成することもできる。たとえば、画像形成組成物を工作物に選択的に適用した後、エネルギーを与えることによって、色彩または明度の変化に影響を与えて、画像パターンを工作物上に形成することができる。あるいは、画像形成組成物で工作物全体を覆い、エネルギーを選択的に与えることによって、色彩または明度の変化に影響を与えることで、画像パターンを工作物上に形成することができる。
【0027】
本発明の画像形成組成物は、後述する任意の好適な方法によって工作物に適用することができる。組成物は、不要部分を工作物から剥離して除去することができ、あるいは好適な現像剤またはストリッパーを使用することができる。このような現像剤およびストリッパーは、従来の水性塩基または有機の現像剤およびストリッパーであってよい。
【0028】
本発明の組成物中に使用される増感剤は、エネルギーによって活性化して色彩または明度を変化させる化合物、あるいは活性化によって1以上の他の化合物の色彩または明度を変化させる化合物である。本発明の画像形成組成物は、可視光に感応性の1以上の光増感剤を含み、5mW以下の出力のエネルギーで活性化させることができる。一般に、このような増感剤は、画像形成組成物の0.005重量%〜10重量%の量、またはたとえば0.05重量%〜5重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜1重量%の量で含まれる。
【0029】
可視範囲で活性化する増感剤は、典型的には300nmを超え600nm未満の波長、またはたとえば350nm〜550nmの波長、またはたとえば400nm〜535nmの波長で活性化する。このような増感剤としては、限定されるものではないが、シクロペンタノン系共役化合物、たとえばシクロペンタノン,2,5−ビス−[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン]−、シクロペンタノン,2,5−ビス[(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−9−イル)メチレン]−、およびシクロペンタノン,2,5−ビス−[4−(ジエチル−アミノ)−2−メチルフェニル]メチレン]−が挙げられる。このようなシクロペンタノンは、環式ケトンと三環式アミノアルデヒドとから当該技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0030】
このような好適な共役シクロペンタノンの例は次式を有する:
【化1】

【0031】
式中、pおよびqは独立に0または1であり、rは2または3であり、Rは独立に、水素、線状または分岐の(C〜C10)脂肪族、または線状または分岐の(C〜C10)アルコキシであり、典型的にはRは独立に、水素、メチル、またはメトキシであり、Rは独立に、水素、線状または分岐の(C〜C10)脂肪族、(C〜C)環、たとえば脂環式環、アルカリール、フェニル、線状または分岐の(C〜C10)ヒドロキシアルキル、線状または分岐のヒドロキシ末端エーテル、たとえば:
−(CH−O−(CHR−OH
であり、式中、vは2〜4の整数であり、wは1〜4の整数であり、Rは水素またはメチルであり、各Rの炭素は、窒素とともに一つになって5〜7員環を形成し、または窒素と、酸素、硫黄、および第2の窒素から選択される別のヘテロ原子とともに1つになって5〜7員環を形成することができる。このような増感剤は、5mW以下の出力で活性化させることができる。
【0032】
可視光範囲で活性化する他の増感剤としては、限定されるものではないが、N−アルキルアミノアリールケトン、たとえばビス(9−ジュロリジルケトン)、ビス−(N−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−キノリル)ケトン、およびp−メトキシフェニル−(N−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−キノリル)ケトン;アルデヒドまたはジメチンヘミシアニンと、対応するケトンとの塩基触媒縮合によって調製される可視光吸収性染料;可視光吸収性スクアリリウム化合物;1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−インデン誘導体;クマリン系染料、たとえばケトクマリン、および3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン);ハロゲン化チタノセン化合物、たとえばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタン;およびアリールケトンとp−ジアルキルアミノアリールアルデヒドとから誘導される化合物が挙げられる。さらに別の増感剤の例としては、フルオレセイン型染料、およびトリアリールメタン核をベースとする光吸収材料が挙げられる。このような化合物としては、エオシン、エオシンB、およびローズベンガルが挙げられる。別の好適な化合物はエリスロシンBである。このような増感剤を製造する方法は当該技術分野において知られており、多くは市販されている。典型的には、このような可視光活性化増感剤は、組成物の0.05重量%〜2重量%の量、たとえば0.25重量%〜1重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜0.5重量%の量で使用される。
【0033】
任意に、本発明の画像形成組成物は、UV光によって活性化する1以上の光増感剤を含むことができる。UV光によって活性化するこのような増感剤は、典型的には10nmを超え300nm未満の波長、またはたとえば50nm〜250nmの波長、またはたとえば100nm〜200nmの波長で活性化する。このようなUV活性化増感剤としては、限定されるものではないが、重量平均分子量が10,000〜300,000であるポリマー増感剤、たとえば、1−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−(4−メトキシフェニル)−メタノン、1−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−(4−ヒドロキシフェニル)−メタノン、および1−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−メタノンのポリマー;ケトンイミン染料の遊離塩基;トリアリールメタン染料のアミノ誘導体;キサンテン染料のアミノ誘導体;アクリジン染料のアミノ誘導体;メチン染料;およびポリメチン染料が挙げられる。このような化合物の調製方法は当該技術分野において知られている。典型的には、このようなUV活性化増感剤は、組成物の0.05重量%〜1重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜0.5重量%の量で使用される。
【0034】
任意に、本発明の画像形成組成物は、IR光によって活性化する1以上の光増感剤を含むことができる。IR光によって活性化するこのような増感剤は、典型的には600nmを超え1,000nm未満の波長、またはたとえば700nm〜900nmの波長、またはたとえば750nm〜850nmの波長で活性化する。このようなIR活性化増感剤としては、限定されるものではないが、赤外スクアリリウム染料、およびカルボシアニン染料が挙げられる。このような染料は当該技術分野において知られており、および文献に記載される方法によって製造することができる。典型的には、このような染料は、本発明の組成物中に、組成物の0.05重量%〜3重量%の量、またはたとえば0.5重量%〜2重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜1重量%の量で含まれる。
【0035】
還元剤も本発明の画像形成組成物中に使用することができる。還元剤として機能しうる化合物としては、限定されるものではないが、1以上のキノン化合物、たとえばピレンキノン、たとえば1,6−ピレンキノンおよび1,8−ピレンキノン;9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロ−アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノン、1,2−ベンザアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−メチル−l,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、アントラキノンα−スルホン酸のナトリウム塩、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセンキノン、および1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(a)アントラセン−7,12−ジオンが挙げられる。
【0036】
還元剤として機能しうる他の化合物としては、限定されるものではないが、式:
N(CHCHOC(O)−R) (II)
を有するトリエタノールアミンのアシルエステル(式中、Rは、1〜4個の炭素原子のアルキルである)、および0〜99%の、ニトリロ三酢酸または3,3’,3”−ニトリロトリプロピオン酸のC〜Cアルキルエステルが挙げられる。このようなトリエタノールアミンのアシルエステルの例は、トリエタノールアミントリアセテートおよびジベンジルエタノールアミンアセテートである。
【0037】
1以上の還元剤をまた本発明の画像形成組成物中に使用して、所望の色彩または明度の変化を得ることができる。典型的には、1以上のキノン類を、1以上のトリエタノールアミンのアシルエステルと併用することで、所望の還元剤機能が得られる。還元剤は、組成物中に0.05重量%〜50重量%の量、またはたとえば5重量%〜40重量%の量、またはたとえば20重量%〜35重量%の量で使用することができる。
【0038】
好適な発色剤としては、限定されるものではないが、ロイコ型化合物が挙げられる。このようなロイコ型化合物としては、限定されるものではないが、アミノトリアリールメタン、アミノキサンテン、アミノチオキサンテン、アミノ−9,10−ジヒドロアクリジン、アミノフェノキサジン、アミノフェノチアジン、アミノジヒドロフェナジン、アンチノジフェニルメチン、ロイコインダミン、アミノヒドロ桂皮酸、たとえばシアノエタンおよびロイコメチン、ヒドラジン、ロイコインジゴイド染料、アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、テトラハロ−p,p’−ビフェノール、2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、およびフェネチルアニリンが挙げられる。このような化合物は、組成物の0.1重量%〜5重量%の量、またはたとえば0.25重量%〜3重量%の量、またはたとえば0.5重量%〜2重量%の量で含まれる。
【0039】
色彩または明度の変化に影響を与えるために、酸化剤も本発明の画像形成組成物中に含めることができる。典型的には、このような酸化剤は、1以上の発色剤と併用される。酸化剤として機能しうる化合物としては、限定されるものではないが、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、たとえば2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビイミダゾール、2,2’,5−トリス(2−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール(および異性体)、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,4’,5,5’,−テトラフェニル−1,1’−ビ−1H−イミダゾール、および2,2’−ジ−1−ナフタレニル−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1’−ビ−1H−イミダゾールが挙げられる。その他の好適な化合物としては、限定されるものではないが、フリーラジカルとして第1のハロゲンを生成するための結合解離エネルギーが40キロカロリー/モル以上であり、1個以下の水素が結合しているハロゲン化化合物;式:R’−SO−X(式中、R’がアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、またはアルアルキルであり、Xが塩素または臭素である)を有するハロゲン化スルホニル;式:R”−S−X’(式中、R”およびX’は、上記R’およびXと同じ意味を有する)のハロゲン化スルフェニル;テトラアリールヒドラジン、ベンゾチアゾリルジスルフィド、ポリメタアリールアルデヒド、アルキリデン2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、アゾベンジル類、ニトロソ類、アルキル(T1)、過酸化物、およびハロアミンが挙げられる。このような化合物は、本発明の組成物中に、組成物の0.25重量%〜10重量%の量、またはたとえば0.5重量%〜5重量%の量、またはたとえば1重量%〜3重量%の量で含まれる。これらの化合物を調製するための方法は当該技術分野において知られており、多くが市販されている。
【0040】
フィルム形成性ポリマーを、本発明の画像形成組成物中に含めることで、組成物のバインダーとして機能させることができる。フィルム形成性ポリマーが所望の色彩または明度の変化に悪影響を与えない限り、任意のフィルム形成性バインダーを本発明の組成物の配合に使用することができる。フィルム形成性ポリマーは、組成物の10重量%〜90重量%の量、またはたとえば15重量%〜70重量%の量、またはたとえば25重量%〜60重量%の量で含まれる。典型的には、フィルム形成性ポリマーは、酸官能性モノマーと非酸官能性モノマーとの混合物から誘導される。酸価が少なくとも80、またはたとえば150〜250の範囲となるように、酸官能性および非酸官能性のモノマーが組み合わされて、コポリマーが生成される。好適な酸官能性モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸2−ヒドロキシエチルアクリロール、リン酸2−ヒドロキシプロピルアクリロール、およびリン酸2−ヒドロキシ−α−アクリロールが挙げられる。
【0041】
好適な非酸官能性モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸のエステル、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸t−ブチル、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、デカメチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート;スチレンおよび置換スチレン、たとえば2−メチルスチレンおよびビニルトルエン;ならびにビニルエステル、たとえばアクリル酸ビニルおよびメタクリル酸ビニルが挙げられる。
【0042】
他の好適なポリマーとしては、限定されるものではないが、非イオン性ポリマー、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシル−エチルセルロース、およびヒドロキシエチルプロピルメチルセルロースが挙げられる。
【0043】
連鎖移動剤を、本発明の画像形成組成物中に使用することができる。このような連鎖移動剤は促進剤として機能する。1以上の連鎖移動剤を本発明の画像形成組成物中に使用することができる。連鎖移動剤または促進剤は、エネルギーの曝露後の色彩または明度の変化が起こる速度を増加させる。色彩または明度の変化の速度を加速する任意の化合物を使用することができる。促進剤は、組成物中に、0.01重量%〜25重量%の量、またはたとえば0.5重量%〜10重量%の量で含ませることができる。好適な促進剤の例としては、オニウム塩、およびアミンが挙げられる。
【0044】
好適なオニウム塩としては、限定されるものではないが、オニウム陽イオンがヨードニウムまたはスルホニウムであるオニウム塩、たとえばアリールスルホニルオキシベンゼンスルホン酸陰イオンのオニウム塩、ホスホニウム、オキシスルホキソニウム、オキシスルホニウム、スルホキソニウム、アンモニウム、ジアゾニウム、セロノニウム、アルソニウム、および置換または非置換の飽和または不飽和のアルキルまたはアリール基でNが置換されたN−置換N−複素環式オニウムであるオニウム塩が挙げられる。
【0045】
オニウム塩の陰イオンは、たとえば、塩化物イオン、または非求核性陰イオン、たとえばテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアーセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフレート、テトラキス−(ペンタフルオロホスフェート)ボレート、ペンタフルオロエチルスルホネート、p−メチル−ベンジルスルホネート、エチルスルホネート、トリフルオロメチルアセテート、およびペンタフルオロエチルアセテートであってよい。
【0046】
典型的なオニウム塩の例としては、たとえば、塩化ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロリン酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸ジフェニルヨードニウム、塩化4,4’−ジクミルヨードニウム、ヘキサフルオロリン酸ジクミルヨードニウム、N−メトキシ−a−ピコリニウム−p−トルエンスルホネート、テトラフルオロホウ酸4−メトキシベンゼン−ジアゾニウム、4,4’−ビス−ドデシルフェニルヨードニウム−ヘキサフルオロホスフェート、塩化2−シアノエチル−トリフェニルホスホニウム、ビス−[4−ジフェニルスルホニオンフェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモン酸ビス−4−ドデシルフェニルヨードニウム、およびヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムが挙げられる。
【0047】
好適なアミンとしては、限定されるものではないが、第1級、第2級、および第3級のアミン、たとえばメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、複素環式アミン、たとえばピリジンおよびピペリジン、芳香族アミン、たとえばアニリン、第4級アンモニウムハロゲン化物、たとえばフッ化テトラエチルアンモニウム、および第4級アンモニウム水酸化物、たとえば水酸化テトラエチルアンモニウムが挙げられる。式(II)のトリエタノールアミンも促進剤活性を有する。
【0048】
可塑剤も、本発明の組成物中に含めることもできる。任意の好適な可塑剤を使用することができる。可塑剤は、組成物の0.5重量%〜15重量%の量、またはたとえば1重量%〜10重量%の量で含めることができる。好適な可塑剤の例としては、フタル酸エステル、たとえばジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、およびジアリルフタレート、グリコール類、たとえばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、グリコールエステル、たとえばトリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、およびジプロピレングリコールジベンゾエート、リン酸エステル、たとえばトリクレシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、アミド、たとえばp−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトンアミド、脂肪族二塩基酸エステル、たとえばジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルアセチルシトレート、ブチルラウレート、ジオクチル−4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、およびグリセリントリアセチルエステルが挙げられる。
【0049】
1以上の流動助剤も、本発明の組成物中に含めることができる。流動助剤は、基体上に平滑で均一なコーティングを形成する化合物である。流動助剤を、組成物の0.05重量%〜5重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜2重量%の量で含めることができる。好適な流動助剤としては、限定されるものではないが、アルキルアクリレートのコポリマーが挙げられる。このようなアルキルアクリレートの一例は、アクリル酸エチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとのコポリマーである。
【0050】
任意に、1以上の有機酸を本発明の画像形成組成物中に含めることができる。有機酸は、0.01重量%〜5重量%の量、またはたとえば0.5重量%〜2重量%の量で使用することができる。好適な有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、フェニル酢酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、2−エチルヘキサン酸、イソ酪酸、2−メチル酪酸、2−プロピルヘプタン酸、2−フェニルプロピオン酸、2−(p−イソブチルフェニル)プロピオン酸、および2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸が挙げられる。
【0051】
任意に、1以上の界面活性剤を、本発明の画像形成組成物中に使用することができる。界面活性剤は、本発明の組成物中に、組成物の0.5重量%〜10重量%の量、またはたとえば1重量%〜5重量%の量で含めることができる。好適な界面活性剤としては、非イオン性、イオン性、および両性の界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレンオキシドエーテル、ポリエチレンオキシド誘導体、芳香族エトキシレート、アセチレン性エチレンオキシド、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーが挙げられる。好適なイオン性界面活性剤の例としては、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、およびアルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。好適な両性界面活性剤の例としては、脂肪族第2級および第3級アミンの誘導体が挙げられ、その脂肪族基が直鎖または分岐であり、脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含有し、1つが陰イオン性水溶化基、たとえばカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスフェート、またはホスホノを含有する。このような両性界面活性剤の具体例は、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムおよび3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウムである。
【0052】
増粘剤を、従来の量で本発明の画像形成組成物中に含めることができる。任意の好適な増粘剤を、画像形成組成物中に混入することができる。典型的には、増粘剤は、組成物の0.05重量%〜10重量%、またはたとえば1重量%〜5重量%の範囲である。従来の増粘剤を使用することができる。好適な増粘剤の例としては、親水性ポリエーテル基によって相互連結した少なくとも3つの疎水性基を有するような低分子量ポリウレタンが挙げられる。このような増粘剤の分子量は10,000〜200,000の範囲である。その他の好適な増粘剤の例としては、、疎水性に改質したアルカリ可溶性エマルション、疎水性に改質したヒドロキシエチルセルロース、および疎水性に改質したポリアクリルアミドが挙げられる。
【0053】
レオロジー調整剤は、従来の量で含めることができる。典型的には、レオロジー調整剤は、組成物の0.5重量%〜20重量%の量、またはたとえば5重量%〜15重量%の量で使用される。レオロジー調整剤の例としては、ビニル芳香族ポリマーおよびアクリルポリマーが挙げられる。
【0054】
希釈剤は、他の成分のビヒクルまたは担体とするために、本発明の画像形成組成物中に含めることができる。希釈剤は必要に応じて加えられる。固体希釈剤または充填剤は、典型的には、組成物の乾燥重量が100重量%になる量で加えられる。固体希釈剤の例はセルロース類である。液体希釈剤または溶媒は、本発明の組成物の有効成分の溶液、懸濁液、またはエマルションを得るために使用される。溶媒は、水性または有機、あるいはそれらの混合物であってよい。有機溶媒の例としては、アルコール、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、およびイソプロピルアルコール、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、または1,2−ジメトキシプロパン、およびエステル、たとえばブチロラクトン、エチレングリコールカーボネート、およびプロピレングリコールカーボネート、エーテルエステル、たとえば酢酸メトキシエチル、酢酸エトキシエチル、1−メトキシプロピル−2−アセテート、2−メトキシプロピル−1−アセテート、1−エトキシプロピル−2−アセテート、および2−エトキシプロピル−1−アセテート、ケトン、たとえばアセトンおよびメチルエチルケトン、ニトリル、たとえばアセトニトリル、プロピオニトリル、およびメトキシプロピオニトリル、スルホン、たとえばスルホラン、ジメチルスルホン、およびジエチルスルホン、ならびにリン酸エステル、たとえば、リン酸トリメチルおよびリン酸トリエチルが挙げられる。
【0055】
本発明の画像形成組成物は、濃縮物の形態であってよい。このような濃縮物においては、その固形分を、80重量%〜98重量%の範囲、またはたとえば85重量%〜95重量%の範囲とすることができる。濃縮物は、水、1以上の有機溶媒、または水と1以上の有機溶媒との混合物で希釈することができる。濃縮物は、固形分が5重量%から80重量%未満まで、またはたとえば10重量%〜70重量%、またはたとえば20重量%〜60重量%の範囲となるように希釈することができる。
【0056】
1以上の接着促進剤を、本発明の画像形成組成物中に含めることによって、画像形成組成物と工作物との間の粘着力を改善することができる。任意の好適な接着促進剤を使用することができる。このような接着促進剤は、組成物の0.5重量%〜10重量%の量、またはたとえば1重量%〜5重量%の量で含めることができる。このような接着促進剤の例としては、アクリルアミドヒドロキシル酢酸(水和および無水)、ビスアクリルアミド酢酸、3−アクリルアミド−3−メチル−ブタン酸、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
あるいは、接着剤を画像形成組成物と混合して、組成物の工作物への接着を強固にすることができる。好適な接着剤の一例は、剥離可能な接着剤である。所望の色彩または明度の変化に悪影響を与えない限り、任意の剥離可能な接着剤を画像形成組成物中に使用することができる。剥離可能な接着剤は、それらを基体から剥がすことによって組成物から除去することができ、また、適切な現像剤またはストリッパーを使用して除去することもできる。剥離可能な接着剤は、組成物の0.05重量%〜10重量%の量、またはたとえば0.1重量%〜5重量%の量、またはたとえば1重量%〜3重量%の量で含まれる。好適な剥離可能な接着剤としては、限定されるものではないが、感圧接着剤が挙げられる。このような接着剤の例としては、アクリル、ポリウレタン、ポリ−α−オレフィン、シリコーン、アクリレート感圧接着剤と熱可塑性エラストマー系感圧接着剤との組み合わせ、ならびに粘着性が付与された天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。
【0058】
アクリレート感圧接着剤と熱可塑性エラストマー系感圧接着剤との組み合わせは、10重量%〜90重量%またはたとえば30重量%〜70重量%のアクリレート感圧接着剤と、および10重量%〜90重量%またはたとえば30重量%〜70重量%のエラストマー系感圧接着剤を含む。好適なアクリレート感圧接着剤の一例は、そのポリマーのT(ガラス転移温度)が0℃以下である少なくとも1種類の重合した一官能性(メタ)アクリル酸エステルと、任意に、そのホモポリマーのTが少なくとも10℃である少なくとも1種類の共重合した一官能性エチレン性不飽和モノマーとから誘導される。一官能性エチレン性不飽和モノマーは、接着剤中のアクリレート分率が5重量%〜10重量%の量となるように存在することができる。熱可塑性エラストマー系感圧接着剤成分は、基礎的なブロックコポリマー、たとえばポリスチレンとポリブタジエンまたはポリイソプレンとのブロックコポリマー、またはそれらの混合物で構成されることができる。任意に、架橋剤を含むことができる。
【0059】
剥離可能な接着剤の成分を、本発明の組成物に含まれる感光性成分、および任意の他の任意選択の添加剤と混合することができる。種々の成分を混合するために従来方法を使用することができる。本発明の組成物は、スプレーコーティング、はけ塗り、浸漬、ローラーコーティング、または積層などによって基体に適用することができる。任意の溶媒または残留溶媒を、風乾によって、または十分な量の熱を熱風乾燥機から与えることによって除去して、組成物と工作物との間に粘着力を形成することができる。
【0060】
本発明の画像形成組成物が塗料中に使用される場合、そのような塗料は、増粘剤、レオロジー調整剤、希釈剤、および塗料配合物に典型的に見られる他の任意選択の成分をはじめとする成分を含む。
【0061】
画像形成組成物を構成する成分は、当該技術分野において知られている任意の好適な方法によって混合することができる。従来の装置を使用して成分をブレンドまたは混合して、固体混合物、濃縮物、溶液、懸濁物、分散物、またはエマルションを形成することができる。配合工程は、典型的には、1以上の成分の早すぎる活性化を防止するために、光が制御された環境中で実施される。次に、組成物は、後に適用するために保管することができ、あるいは、前述の方法によってだれでも配合直後に基体に適用することもできる。典型的には、組成物は、使用前には、光が制御された環境中で保管される。たとえば、可視光で活性化する増感剤を有する組成物は、典型的には、赤色光下で配合および保管が行われる。
【0062】
十分な量のエネルギーを画像形成組成物に与えることによって、光脱色応答または光変色応答が起こる。エネルギーの量は、0.2mJ/cm以上、またはたとえば0.2mJ/cm〜100mJ/cm、またはたとえば2mJ/cm〜40mJ/cm、またはたとえば5mJ/cm〜30mJ/cmとすることができる。
【0063】
本発明の画像形成組成物は、5mWまたはそれ未満のエネルギー(すなわち、0mWを超える)、またはたとえば5mW未満〜0.01mW、またはたとえば4mW〜0.05mW、またはたとえば3mW〜0.1mW、またはたとえば2mW〜0.25mW、またはたとえば1mW〜0.5mWの出力を与えることで、色彩または明度の変化が起こる。典型的には、このような出力は、可視範囲の光源を使用して発生される。画像形成組成物中に含むことができる他の光増感剤およびエネルギー感受性成分は、可視範囲外の光からのエネルギーに曝露すると、色彩または明度の変化を引き起こすことができる。このような光増感剤およびエネルギー感受性化合物は、5mW以下を与えることによって生じる応答よりも顕著な色彩または明度のコントラストを得るために含まれる。典型的には、5mW以下の出力のエネルギーで活性化される光増感剤で色彩または明度のコントラストが得られる光増感剤およびエネルギー感受性化合物では、光変色応答が起こる。
【0064】
理論に束縛されるものではないが、色彩または明度の変化の1つ以上の機構によって、エネルギーが与えられた後に色彩または明度の変化が得られると考えられる。たとえば、光脱色応答が誘導される場合、1以上の増感剤がフリーラジカルを放出して、1以上の還元剤が活性化されて、1以上の増感剤が還元され、組成物の色彩または明度の変化に影響が生じる。光変色応答が誘導される場合、たとえば、1以上の増感剤からのフリーラジカルによって、1以上のロイコ型化合物と1以上の酸化剤との間のレドックス反応が誘導されて、色彩または明度の変化に影響が生じる。ある配合物では、光脱色応答と光変色応答との組み合わせを有する。たとえば、組成物を人工的エネルギー、すなわちレーザー光に曝露すると、1以上の増感剤からフリーラジカルが発生し、続いて、1以上の還元剤が活性化されて、増感剤が還元され、光脱色応答が起こり、次に同じ組成物を周囲光に曝露すると、1以上の酸化剤によって、1以上のロイコ型化合物が酸化される。
【0065】
任意の好適なエネルギー源を使用して、光脱色応答または光変色応答を誘導することができる。好適な光エネルギー源の例としては、限定されるものではないが、レーザー、たとえば手持ち式レーザーおよび3−D結像系から発生するレーザー、ならびにフラッシュランプが挙げられる。レーザーの動作波長は、IRからUV光の範囲とすることができる。色彩または明度の変化を誘導するのに好適である2種類のレーザーを説明する。
【0066】
エキシマレーザーは、UV周波数範囲の高フルーエンス光を発生させることが可能な高出力レーザーである。これらのレーザー能力は、特殊な二原子気体分子の励起に基づいている。特に、エキシマレーザーは、157nm〜355nmの波長範囲の光を放出するレーザーの一群をなしている。最も一般的なエキシマ波長およびそれぞれの二原子気体は、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、およびArF(193nm)である。エキシマー内のレーザー作用は、二原子気体によって形成される励起二量体中の反転分布の結果である。パルス幅は10ns〜100nsであり、この結果、高エネルギー、短パルス幅パルスが得られる。
【0067】
固体レーザーは、IRからUVの波長範囲の集中光ビームを発生することができる高出力レーザーである。これらの固体レーザーの部分選択は材料に基づいており、ネオジムを、固体ホスト、たとえばイットリウム−アルミニウムガーネット(YAG)、イットリウム−リチウム−フッ化物(YLF)、およびイットリウムバナジウム酸塩(YVO)にドープすることを伴う。このような材料は、1.04〜1.08ミクロンのIR範囲の基本波長においてレーザー発振する。レーザーは、非線形光学結晶、たとえば三ホウ酸リチウム(LBO)またはチタンリン酸カリウム(KTP)を使用することによってより短波長に拡張することができる。たとえば、ネオジムドープYAGレーザーからの基本1.06ミクロン放射線を、このような結晶を使用することで532nmまで周波数を増加させることができる。
【0068】
エキシマレーザーに代わるの別の光源の例は、短パルスで線状のエキシマUVフラッシュランプである。このようなランプは、直径3〜20mmの内部孔を有する肉厚1mmの透明クォートランプ管を含む。このようなフラッシュランプを30cm程度の長さにすることができる。タングステンからできている電極はランプ管の端内に封止され、希ガス、たとえばキセノンが充填される。フラッシュランプは、キャパシタ・バンクを使用して5KV〜40KVの範囲の高電圧を電極に印加することによって、1Hz〜20Hzの範囲のパルスを発生する。この電荷によってキセノン原子をイオン化し、プラズマを形成し、これが200nm〜800nmの範囲の波長の広帯な放射線を放出する。フラッシュランプは、ランプからマスクまたは工作物に向かう放射線を成形し案内するために、管の周囲に、部分的に配置された反射器を含むことができる。
【0069】
線状フラッシュランプは、高出力で高フルーエンスエネルギー出力を、より短波長で、5μsecの比較的短パルスで得ることができる。たとえば、広帯域スペクトル出力を有するキセノン線状フラッシュランプでは、2μsec〜6μsecのパルス中に1J/cm〜1.5J/cmの有用なエネルギー密度を得ることができることが分かっている。
【0070】
本発明の画像形成組成物は、基体から不要部分を剥がすことによって、あるいは好適な現像剤またはストリッパーを使用することによって、全体または一部を基体から除去することができる。現像剤およびストリッパーは、水性であっても、有機系であってもよい。たとえば、従来の塩基水溶液を使用して、酸官能性を有するポリマーバインダーを有する画像形成組成物を除去することができる。このような塩基水溶液の例は、アルカリ金属水溶液、たとえば炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムの水溶液である。組成物を工作物から除去するために使用される従来の有機現像剤としては、限定されるものではないが、第1級アミン、たとえばベンジルアミン、ブチルアミン、およびアリルアミン、第2級アミン、たとえばジメチルアミン、ならびに第3級アミン、たとえばトリメチルアミンおよびトリエチルアミンが挙げられる。
【0071】
本発明の画像形成組成物は、工作物の色彩または明度を変化させるため、または工作物、たとえば飛行機、船舶および陸上の乗り物の上に画像を配置するため、または布上に画像を形成するための、迅速で効率的な手段を提供する。画像形成組成物が適用された後、十分な量のエネルギーを画像形成組成物に与えることによって、その色彩または明度が変化する。一般に、色彩または明度の変化は安定している。安定とは、色彩または明度の変化が少なくとも10秒間、またはたとえば20分〜2日、またはたとえば30分〜1時間持続することを意味する。
【0072】
あるいは、エネルギーを選択的に与えて画像パターンを形成することができ、その工作物をさらに加工して最終製品を得ることができる。たとえば、自動車の組立などにおいて部品を互いに接合させる固定具用の穴をあけるため、飛行機の胴体上にロゴまたは絵をマーキングするための輪郭を形成するため、または船舶部品の部分の位置合わせのため、画像をマークまたは標識として使用することができる。本発明の組成物は、工作物に迅速に適用して、エネルギーを選択的に与えて色彩または明度のコントラストを発生させることによって迅速に画像を形成することができるため、作業者は、製品の製造において手持ち式インクマーカーまたはテープを使用してレーザービーム画像をマーキングするために工作物のそばで作業する必要はもはやない。したがって、手持ち式マーカーおよびテープを使用する作業者によって発生するレーザービームの遮断の問題が解消される。
【0073】
さらに、人間の過失が軽減されることによって、マーキングの精度が向上する。このことは、信頼性があり安全な機械の操作のために製造の精度が重要となる飛行機、船舶、および陸上の乗り物をはじめとする部品の位置合わせにマークが使用される場合に重要である。
【0074】
本発明の組成物は、多数の製品の工業的組立ライン製造に適している。たとえば、基体、たとえば飛行機胴体を、ステーション1に通して、ここで本発明の組成物を飛行機胴体の表面に適用して、所望の部分または表面全体を覆うことができる。本発明の組成物を、表面への標準的なスプレーコーティングまたはローラーコーティングの手順、またははけ塗りよって胴体上にコーティングすることができる。コーティングされた飛行機胴体を、次にステーション2に移して、ここでエネルギーを表面全体に与えるか、選択的に与えるかによってパターンを形成させる。第1の飛行機胴体がステーション2にある間に、第2の胴体をステーション1に移動させてコーティングすることができる。エネルギーは、レーザービームを使用して与えることができ、これによって飛行機胴体の表面上で色彩または明度の変化が誘導される。作業者の手によるマーキングがなくなるため、画像が形成された飛行機胴体は、続いて直ちにステーション3に移されて、さらなる処理、たとえばコーティングの不要部分の現像除去または剥離、あるいは他のステーションで、部品の位置合わせをするための固定具用の胴体へに穴を空ける工程がなされる。さらに、画像形成ステーションにおいて作業者がいなくなるため、コーティングされた飛行機胴体表面上の指定された点へのレーザービーム経路を妨害する作業者が存在しないので、画像形成の精度が改善される。したがって、本発明の組成物によって、多くの従来の画像形成および位置合わせ方法よりも効率的に製造が行える。さらに、低出力の光源(すなわち5mW以下)を使用して画像形成を行うことができるため、作業者に対する視覚的な危険性がなくなるか、または少なくとも軽減される。
【実施例1】
【0075】
(光脱色性組成物および応答)
以下の表に示される成分を、20℃において赤色光下で混合して、均一混合物を得た。
【0076】
【表1】

【0077】
このコポリマーは、29重量%のメタクリル酸n−ヘキシル、29重量%のメタクリル酸メチル、15重量%のアクリル酸n−ブチル、5重量%のスチレン、および22重量%のメタクリル酸のモノマーから調製した。十分な量のメチルエチルケトンを使用して45重量%固形分の混合物が得られた。このコポリマーは、従来のフリーラジカル重合によって調製した。
【0078】
均一混合物を調製した後、これをポリエチレンフィルム上にスプレーコーティングした。このポリエチレンフィルムは30cm×30cmであり、厚さは250ミクロンであった。ヘアドライヤーを使用して均一混合物を乾燥させて、メチルエチルケトンを除去した。
【0079】
UV光下で、ポリエチレンフィルム上の乾燥したコーティングは、図1に示されるような赤褐色であった。このコーティングを、手持ち式レーザーからの532nmの光に選択的に曝露すると、曝露した部分は、図1の4つの矩形パターンで示されるように、色あせて薄い灰色になった。
【実施例2】
【0080】
(光変色応答および組成物)
以下の表に示される成分を、20℃においてUV光下で混合して、均一混合物を得た。
【0081】
【表2】

【0082】
実施例1と同じコポリマーを使用した。混合物を調製した後、UV光下でポリエチレンフィルム上にスプレーコーティングした。このポリエチレンフィルムは30cm×30cmであり、厚さは250ミクロンであった。ヘアドライヤーを使用してポリエチレンフィルム上のコーティングを乾燥させた。図2に示されるように、UV光下でコーティングは黄緑色の外観を有した。
【0083】
波長532nmの手持ち式レーザーからの光のエネルギーを、コーティングに選択的に与えた。レーザーを使用して形成された4つの矩形パターンは、色が濃くなって、図2に示されるような4つの紫色の矩形となった。
【実施例3】
【0084】
(接着促進剤を有する光脱色応答組成物)
以下の組成物を、20℃において赤色光下で調製する。
【0085】
【表3】

【0086】
このコポリマーは実施例1のコポリマーと同じである。従来の混合装置を使用して成分を混合して、均一な混合物を得る。
【0087】
この均一混合物を、セルロース剥離層を有する剥離可能な接着テープが裏側に適用されたポリエチレンテレフタレート上にローラーコーティングする。ビスアクリルアミド酢酸接着促進剤が、コーティングと、剥離可能な接着テープのバッキングとの間の接着性を改善すると期待される。
【0088】
レーザービームを使用して532nmの光を選択的に照射すると、光に曝露されたコーティング部分が、こはく色から透明に変化する。
【実施例4】
【0089】
(接着剤を有する光脱色性組成物)
以下の組成物を調製する。
【0090】
【表4】

【0091】
このコポリマーは実施例1と同じコポリマーである。従来の混合装置を使用して20℃において成分を混合して、均一な混合物を得る。混合は赤色光下で行う。
【0092】
この均一混合物を、40cm×40cmおよび厚さ5mmのポリエチレンテレフタレートバッキングを有する剥離可能な接着テープ上にローラーコーティングする。従来の扇風機を使用して20℃においてメチルエチルケトンを除去する。このコーティングとポリエチレンテレフタレートバッキングとの間には良好な接着が期待される。
【0093】
手持ち式レーザーからの532nmの光を選択的に照射すると、コーティングの選択された部分が、こはく色から透明に変化する。
【実施例5】
【0094】
(塗料配合物中の感光性組成物)
以下の塗料配合物を調製する。
【0095】
【表5】

【0096】
表5の塗料配合物を、実施例4の表4に示される感光性組成物と、感光性組成物が最終配合物の5重量%を構成するように混合する。従来の混合装置を使用して塗料および感光性組成物を20℃において混合して、均一混合物を得る。混合は赤色光下で行う。
【0097】
塗料/感光性組成物混合物を、80cm×80cm、厚さ5mmのアルミニウムクーポン上にローラーコーティングする。混合物とアルミニウムクーポンとの間には良好な接着が期待される。
【0098】
手持ち式レーザーからの532nmの光を選択的に照射することによって、コーティングの選択された部分が、こはく色から透明になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5mW以下の出力のエネルギーを与えることによって画像形成組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の、1以上の増感剤、1以上のキノン化合物、1以上のトリエタノールアミンのアシルエステル、およびオニウム塩の陽イオンがヨードニウムまたはスルホニウムの陽イオンから選択される1以上のオニウム塩を含む、画像形成組成物。
【請求項2】
1以上の発色剤、酸化剤、バインダーポリマー、可塑剤、流動助剤、連鎖移動剤、有機酸、接着促進剤、レオロジー調整剤、増粘剤、界面活性剤、接着剤、および希釈剤をさらに含む請求項1記載の画像形成組成物。
【請求項3】
1以上の増感剤が式:
【化1】

を有し、式中、pおよびqは独立に0または1であり、rは2または3であり、Rは独立に、水素、線状または分岐の(C〜C10)脂肪族、または線状または分岐の(C〜C10)アルコキシであり、Rは独立に、水素、線状または分岐の(C〜C10)脂肪族、(C〜C)環、アルカリール、フェニル、線状または分岐の(C〜C10)ヒドロキシアルキル、線状または分岐のヒドロキシ末端エーテルであり、あるいは、各Rの炭素は、窒素とともに一緒になって5〜7員環を形成し、または窒素と、酸素、硫黄、または第2の窒素から選択される第2のヘテロ原子とともに一緒になって5〜7員環を形成することができる、請求項1記載の画像形成組成物。
【請求項4】
5mW以下の出力のエネルギーを与えることによって画像形成組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の、1以上のシクロペンタノン系共役光増感剤、1以上のキノン化合物、1以上のトリエタノールアミンのアシルエステル、およびオニウム塩の陽イオンがヨードニウムまたはスルホニウムの陽イオンから選択される1以上のオニウム塩を含む、画像形成組成物。
【請求項5】
1以上の発色剤、酸化剤、バインダーポリマー、可塑剤、流動助剤、連鎖移動剤、有機酸、界面活性剤、希釈剤、レオロジー調整剤、増粘剤、接着促進剤、および接着剤をさらに含む請求項4記載の画像形成組成物。
【請求項6】
1以上のシクロペンタノン系共役光増感剤が、前記組成物の0.005重量%〜10重量%を構成する請求項5記載の画像形成組成物。
【請求項7】
1以上の増感剤と、1以上のキノン化合物および1以上のトリエタノールアミンのアシルエステルと、1以上の希釈剤と、1以上のレオロジー調整剤と、1以上の増粘剤と、オニウム塩の陽イオンがヨードニウムまたはスルホニウムの陽イオンから選択される1以上のオニウム塩とを含む画像形成組成物であって、前記1以上の増感剤、前記1以上のキノン化合物および1以上のトリエタノールアミンのアシルエステル、ならびに前記1以上のオニウム塩は、5mW以下の出力のエネルギーを与えることによって画像形成組成物の色彩または明度の変化を提供するのに十分な量である、画像形成組成物。
【請求項8】
a)5mW以下の出力のエネルギーに暴露することによって画像形成組成物の色彩または明度の変化に影響を与えるのに十分な量の、1以上の増感剤、1以上のキノン化合物、1以上のトリエタノールアミンのアシルエステル、およびオニウム塩の陽イオンがヨードニウムまたはスルホニウムの陽イオンから選択される1以上のオニウム塩を含む画像形成組成物を提供するステップ;
b)前記組成物を工作物に適用するステップ;および
c)5mW以下の出力でエネルギーを前記画像形成組成物に与えて、色彩または明度の変化に影響を与えるステップ;
を含む、方法。
【請求項9】
与えるエネルギーが少なくとも0.2mJ/cmである請求項8記載の方法。
【請求項10】
エネルギーを、画像形成組成物に選択的に与えてパターンを形成する請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−53718(P2011−53718A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−275916(P2010−275916)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【分割の表示】特願2005−28598(P2005−28598)の分割
【原出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】