説明

画像形成装置、画像形成システム、画像形成ジョブ管理方法及びプログラム

【課題】画像形成ジョブ中に消耗品が切れる等のために印刷ジョブが中断するのを回避できるようにする。
【解決手段】
複数の画像形成装置P1〜P3と、前記画像形成装置P1〜P3に画像形成ジョブを送出する端末装置T1、T2と、前記画像形成装置P1〜P3の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するサーバー装置S1とから成る画像形成システムであって、前記サーバー装置S1は、画像形成ジョブを受け付けると、当該ジョブの後処理情報と、各画像形成装置P1〜P3から取得した消耗品及び残滓の情報とから、当該画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断し、判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、ジョブ管理装置、画像形成ジョブ管理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、画像形成装置のネットワーク化、つまり複数の端末装置と複数の画像形成装置がネットワーク上に接続された画像形成システムが用いられている。この画像形成システムでは、ユーザは、各々の端末装置から任意の画像形成装置を選択して印刷処理を実行することができる。
また、プロダクション市場と言われる環境(例えば、マニュアルや提案書等の印刷を扱う企業内のコピーセンターが挙げられる。)においては、大量のページから構成される文書の印刷や大量部数印刷、さらには製本等の後処理を行なう場合が増大している。
しかし、各々の端末装置から任意の画像形成装置を選択して画像形成ジョブを実行する場合、指示した条件で画像形成ジョブが実行可能なのかどうか分からず、画像形成ジョブを行っている途中でダウンタイムが発生することがある。
【0003】
即ち、画像形成ジョブを行う前に、オペレータが指示した画像形成装置と画像形成条件で画像形成ジョブが実行可能かどうか分からないため、画像形成装置は画像形成ジョブの要求を受け付けて画像形成ジョブを開始するが、
(1)画像形成ジョブの最中に残滓が満杯になる、
(2)画像形成ジョブの最中に後処理用消耗品の残量がなくなる、
(3)画像形成ジョブの最中に画像形成処理用消耗品の残量がなくなる、
等の理由からメンテナンスの必要が起こることがある。
そのため、画像形成ジョブの途中から、画像形成装置を代えて画像形成ジョブを実行しなければならず、ダウンタイムが発生するという問題がある。
【0004】
これに対し、印刷装置において、印刷ジョブにステイプルソートが設定された場合に、印刷ジョブの実行に必要な針の量を算出し、検知手段により検知された針残量と比較して、印刷ジョブの実行において針不足の発生を予測し、針不足が発生すると予測された場合に、前記印刷ジョブと前記検知手段により検知された針残量とに基づいて、針不足が発生する時間を予測して警告表示する印刷装置が既に知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、これとは別に、外部装置から起動された印刷ジョブに従ってプリンタ部を駆動して印刷データを印刷する印刷装置において、印刷に用いるプリンタ部の消耗品の残量を管理する消耗品残量管理手段と、プリンタ部の処理能力を管理する処理能力管理手段と、外部装置から起動された印刷ジョブを管理する印刷ジョブ管理手段と、消耗品残量管理手段、処理能力管理手段及びジョブ管理手段の管理結果に基づき前記管理中の印刷ジョブの実行時における印刷処理進捗状況(消耗品不足発生予測時刻を含む)を予測する進捗状況予測手段と、前記進捗状況予測手段の予測結果を通知する通知手段と、を有する印刷装置も知られている(特許文献2参照)。
【0006】
さらに、指示された印刷ジョブを実行するために必要なメモリ、紙、トナーなどが不足した場合に、ネットワークに接続されている他の画像形成装置で印刷ジョブを割り当て、画像形成装置がメモリフルなどの異常状態を起こしたり、印刷ジョブ実行中に紙やトナーの補充をすることになることを回避した画像形成装置も知られている。(特許文献3参照)。
この特許文献3に記載された発明は、後述する本発明とは、メンテナンスの必要が起こったときに、他の画像形成装置で画像形成ジョブを実行させる点では類似する点がある。
しかし、画像形成ジョブの途中から他の画像形成装置で印刷を実行するという上記従来の問題の解決を目的とするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の画像形成装置は、上記従来の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、画像形成ジョブを実行中に、消耗品が無くなったり、残滓回収ユニットが満杯になって画像形成ジョブが中断することがないようにして、スループットを低下させないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムであって、前記ジョブ管理装置は、画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、各画像形成装置の消耗品及び/又は残滓の情報を取得する装置情報取得部と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断部と、ジョブ判断部で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知部と、を備え、前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成システムである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成システムにおいて、前記ジョブ管理装置はジョブ受付部で受け付けた画像形成ジョブ情報を記憶するジョブ情報記憶部と、装置情報取得部で取得した消耗品及び残滓の情報を記憶する装置情報記憶部と、を備え、前記ジョブ判断部は、前記ジョブ情報記憶部に記憶されている前記画像形成ジョブ情報を解析して得られた前記仕上げ情報と、前記装置情報記憶部に記憶されている各画像形成装置の消耗品情報及び/又は残滓の情報を参照して、前記画像形成ジョブが可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成システムである。
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像形成システムにおいて、前記情報通知部は、画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置として選定された画像処理装置に、前記ジョブ情報記憶部に記憶されている画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させることを特徴とする画像形成システムである。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載された画像形成システムにおいて、前記情報通知部は画像形成ジョブを通知してきた端末装置に前記選定した画像形成装置の情報を通知することを特徴とする画像形成システムである。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、前記情報通知部は、前記ジョブ判断部で画像形成ジョブが実行不可能と判断された画像形成装置の情報を、ジョブが実行不可能な理由と共に前記端末装置に通知することを特徴とする画像形成システムである。
請求項6の発明は、複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムで使用可能なジョブ管理装置であって、前記ジョブ管理装置は、画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、各画像形成装置の消耗品及び/又は残滓の情報を取得する装置情報取得部と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断部と、ジョブ判断部で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知部と、を備え、前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とするジョブ管理装置である。
請求項7の発明は、複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムにおける画像形成ジョブ管理方法であって、画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付工程と、各画像形成装置の消耗品及び残滓の情報を取得する装置情報取得工程と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断工程と、ジョブ判断工程で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知工程と、を備え、前記ジョブ判断工程は、前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成ジョブ管理方法である。
請求項8の発明は、画像形成ジョブを管理するジョブ管理部と、後処理により生成される残滓の状態を管理する残滓状態管理部又は後処理により消費される消耗品の状態を管理する消耗品状態管理部と、画像形成ジョブの実行により生成される残滓量を予測する残滓生成量予測部又は画像形成ジョブの実行により消費される消耗品量を予測する消耗品消費量予測部と、画像形成ジョブの情報を通知するジョブ情報通知部と、を備え、前記ジョブ管理部は、前記残滓状態管理部で管理する残滓の状態と、前記残滓生成量予測部で予測された残滓生成量から、画像形成ジョブの実行中に残滓満杯状態が発生するか否かを判断し、又は前記消耗品状態管理部が管理する消耗品の状態と、前記消耗品消費量予測部で予測された消耗品消費量とから、画像形成ジョブの実行中に消耗品不足状態が発生するか否かを判断し、残滓満杯状態の発生予測時期を算出し、残滓満杯状態が発生すると判断したとき又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、前記ジョブ情報通知部は、前記算出された残滓満杯状態の発生予測時期又は、前記算出された消耗品不足状態の発生予測時期を通知する画像形成装置であって、前記ジョブ情報通知部の通知タイミングを変更自在に設定するジョブ情報通知タイミング設定部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項9の発明は、請求項8に記載された画像形成装置において、前記ジョブ管理部が残滓満杯状態又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、当該画像形成ジョブの実行又はキャンセルをユーザに選択させるジョブ実行決定部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項10の発明は、請求項8又は9に記載された画像形成装置において、前記ジョブ管理部が残滓満杯状態又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、残滓満杯状態または消耗品不足状態の発生要因となる機能を停止して画像形成ジョブを実行するジョブ機能制限モードにモードを切り替えるモード切替部を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項11の発明は、コンピュータに、請求項7に記載された画像形成システムにおける画像形成ジョブ管理方法の各工程を実行させるためのプログラムである。
請求項12の発明は、請求項11に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置について、予め画像形成ジョブの仕上げ処理が実行できるか否か判断して画像形成ジョブを実行する画像形成装置を選択するため、当該画像形成装置が、画像形成ジョブを実行中に、消耗品が無くなったり、残滓回収ユニットが満杯になって、画像形成ジョブが中断されることがない。したがって、従来のように途中で画像形成装置を代えて画像形成ジョブを実行することが回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る画像形成システムの構成を概略的に示したブロック図である。
【図5】図4のサーバー装置のハードウエア構成について説明する図である。
【図6】図4のサーバー装置の機能ブロック図である。
【図7】サーバー装置で管理される画像形成装置の消耗品及び残滓の情報テーブルである。
【図8】サーバー装置で管理される画像形成ジョブのジョブ解析結果である。
【図9】図6のサーバー装置が端末装置から画像形成ジョブを受信したときのジョブ実行判断動作の手順を説明するフロー図である。
【図10】図7の情報テーブルで管理される残滓の蓄積量の検知方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を概略的に示すブロック図である。
画像形成装置は、図1に示すように、プロッタ装置U1、シート格納装置U2、U3、シート後処理装置U4〜U6の各ユニットで構成されている。
プロッタ装置U1は、例えば電子写真式記録装置やインクジェット式記録装置で構成され、画像情報を用紙へ印刷し、かつ、印刷された用紙をシート後処理装置U4〜U6に搬送する。
【0012】
シート格納装置U2、U3は、画像を転写するための用紙を格納する装置である。U2のように、プロッタ装置U1の下側に接続される比較的小容量の格納装置と、U3のように、プロッタ装置U1と並んで接続される大容量の格納装置が配置されている。これらの格納装置U2、U3は、異なるサイズの用紙を格納した複数の給紙段(各給紙段にはそれぞれ同一サイズの用紙が格納される)を備えており、プロッタ装置U1へ用紙を搬送する。
【0013】
シート後処理装置U4〜U6は、プロッタ装置U1から排出された用紙に対して後処理を施す装置で、複数のシート後処理装置を接続することができる。U4は、例えば製本用の表紙や合紙を挿入するための挿入装置、U5は、例えばパンチ処理をするためのパンチ装置及び製本するために用紙を折るための折り装置、U6は、例えば用紙に対してステープル処理をするためのステープル装置、テープ製本やリング製本、シュア製本をするための製本装置、製本された用紙を最終的なサイズに断裁するための断裁装置を表す。
【0014】
画像形成装置は、ステープラー処理用のステープル、無線綴じ製本のための接着剤、テープ製本のためのテープ、リング製本のためのリング、シュア製本のためのバインドストリップ等の各消耗品を格納する消耗品格納ユニット(図示しない)を備えている。
【0015】
また、画像形成装置は、ステープラー処理では、印刷用紙の綴じ枚数によってステープルをカットする際にステープル切り屑が発生し、パンチ処理では、印刷用紙にパンチ穴を開ける際にパンチ屑が発生し、製本処理では、三方仕上げ裁ちや無線綴じのミーリング処理の際に断裁屑が発生し、これらステープル切り屑、パンチ屑、断裁屑のような残滓を格納するための残滓回収ユニット(図示しない)も備えている。
【0016】
なお、当然のことながら、単体の画像形成装置としての機能を実現するため、セットされた原稿を読み取り位置に搬送する読み取り給紙装置、原稿の画像情報を読み取るスキャナ装置、テンキー、スタートキー、ファンクションキー、ワンタッチキー等の各種操作キーを備えた操作パネル及び液晶ディスプレイ等で構成される操作部を備えていてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
画像形成装置は、図2に示すように、システム制御部11、及びシステム制御部11のCPUを含むコンピュータのプログラムによる機能実現手段として、ジョブ管理部12、ジョブ情報通知部13、残滓状態管理部14、残滓生成量予測部15、消耗品状態管理部16、消耗品消費量予測部17、通知タイミング設定部18、ジョブ実行決定部19を含んで構成され、各部はバス30により接続されている。
【0018】
システム制御部11は、CPU等を備えており、各部を制御して画像形成ジョブや残滓の管理を行なう。
ジョブ管理部12は、画像形成ジョブを受け付け、残滓状態管理部14が管理する残滓の状態(堆積状態)と、残滓生成量予測部15が予測する残滓の生成量に基づいて、残滓満杯状態が発生するか否かを判断する。ジョブ管理部12は、残滓満杯状態が発生する場合は、発生予測時期を画像形成ジョブの画像形成モードと画像形成装置の処理能力に基づいて算出する。同様に、消耗品状態管理部16が管理する消耗品の状態(残り量)と、消耗品消費量予測部17が予測する消耗品の消費量に基づいて、消耗品不足状態が発生するか否かを判断する。消耗品不足状態が発生する場合は、発生予測時期を画像形成ジョブの画像形成モードと画像形成装置の処理能力に基づいて算出する。
【0019】
ジョブ情報通知部13は、画像形成ジョブの実行により、残滓満杯状態または消耗品不足状態が発生する場合に、発生予測時期とともに残滓満杯状態または消耗品不足状態が発生することを通知する。ここで、通知とは表示、メッセージや警報の送信、音声などの警告等、ユーザに注意を喚起させるための任意の手段をいう。
【0020】
残滓状態管理部14は、後処理により生成される残滓の堆積状態を管理する。残滓の堆積状態から、あとどの程度の残滓を回収することが可能かを算出する。
残滓生成量予測部15は、画像形成ジョブ実行により生成される残滓量を、画像形成ジョブの後処理の内容と印刷部数に基づいて算出する。
【0021】
消耗品状態管理部16は、後処理により消費される消耗品の残量を管理する。
消耗品消費量予測部17は、画像形成ジョブ実行により消費される消耗品量を、画像形成ジョブの後処理の内容と印刷部数に基づいて算出する。
通知タイミング設定部18は、画像形成ジョブの実行により、残滓満杯状態または消耗品不足状態が発生する場合に、発生予測時期をいつ通知するかを設定する。
ジョブ実行決定部19は、画像形成ジョブの実行により、残滓満杯状態または消耗品不足状態が発生する場合に、画像形成ジョブを実行するかキャンセルするかをユーザに選択させる。
【0022】
残滓状態管理部14は、後処理により生成される残滓の堆積状態から、どの程度の残滓を回収することが可能かを算出することができ、残滓生成量予測部15は、画像形成ジョブの画像形成モードに基づいて、画像形成ジョブの実行により生成される残滓量を算出する。各後処理により生成される残滓の種類とその量は、用紙種類と後処理モードにより決定される。
【0023】
ここで、ジョブ管理部12が、残滓満杯状態発生予測時期を算出する際の、画像形成ジョブの画像形成モードと画像形成装置の処理能力について説明する。
上記画像形成ジョブの画像形成モードは、片面/両面の用紙搬送モード、カラー/モノクロの印刷カラーモード、後処理モード、印刷に使用する用紙のサイズや厚さを含む用紙種類、印刷部数などを指定して行う画像形成モードである。
【0024】
より具体的に云えば、後処理モードは、用紙に対して施すパンチ、ステープル、折り、製本などの各処理のモードである。パンチ処理モードには、パンチ穴の数が含まれ、ステープル処理モードには、ステープル位置(ステープルする数を含む)、綴じ枚数が含まれ、折り処理モードには、折り回数、折り枚数が含まれる。製本処理モードには、中紙枚数が含まれるほか、例えば、くるみ製本の場合では、断裁の有無や三方断裁/一方断裁の断裁モード、リング製本の場合では、パンチ穴の数が含まれる。
後処理の実行に際し、綴じ枚数によってステープルをカットした際に生じるステープル切り屑、用紙にパンチ穴をあけた際に生じるパンチ屑、断裁処理の際に生じる断裁屑などの残滓が生成される。これら残滓の生成量は実験データなどから適宜算出して記憶しておくことができる。
【0025】
画像形成装置の処理能力とは、時間あたり印刷可能枚数、用紙1枚毎に後処理を施す際に要する後処理時間および複数枚の用紙を束ねて後処理を施す際に要する後処理時間である。時間当たりの印刷可能枚数は、用紙搬送モード、印刷カラーモード、用紙種類により決定され、後処理時間は、後処理モード、用紙種類により決定される。
以上の残滓の生成量と画像形成モード及び画像形成装置の処理能力の関係は、例えばテーブルにして記憶しておくことができる。
【0026】
以上から、画像形成ジョブの画像形成モードと画像形成装置の処理能力に基づき、画像形成ジョブの実行時に、後処理前の印刷に要する時間と後処理時間、および時間当たりに生成される各種残滓量を算出して、各種残滓の堆積状態から算出される残滓回収可能量に相当する量の残滓を生成するのに要する時間を算出する。
残滓の種類毎に算出された時間のうち、最も短い時間を残滓満杯状態の発生予測時期とすることで、画像形成ジョブの実行中に残滓が満杯状態になることを防止することができる。
【0027】
図3は、上記構成の画像形成装置の画像形成ジョブ管理の手順を説明するフローチャートである。
画像形成装置は、画像形成ジョブを受け付けると、ジョブに設定されている後処理の内容や印刷部数などの情報を解析する(S101)。解析したジョブ情報に基づき、残滓生成量予測部15は、受け付けたジョブの実行における残滓の生成量を予測する(S102)。続いて、ジョブの実行に際し、ジョブ管理部12は、残滓満杯状態が発生するか否かを判断するために、残滓状態管理部14が管理する画像形成装置の残滓状態を参照し、ジョブを受け付けた時点での残滓の回収可能量を算出する(S103)。ジョブ管理部12は、予測した残滓の生成量と、残滓の回収可能量とを比較し、残滓満杯状態が発生するか否かを判断する(S104)。
【0028】
残滓満杯状態が発生しないと判断したときは(S104、No)、ジョブを実行する(S105)。ステップS104において、ジョブ管理部12が残滓満杯状態が発生すると判断したときは(S104、Yes)、ジョブに設定されているフルカラー/モノクロ印刷などの画像形成モードと後処理の内容と印刷部数と、画像形成モードや後処理の実行に関連する画像形成装置の処理能力に基づいて発生予測時期を算出し(S106)、ジョブ情報通知部13は、その算出結果をオペレータに通知する(S107)。通知する発生予測時期は、時刻またはジョブを受け付けてからの経過時間のどちらでもよい。発生予測時期を通知した後、ジョブ実行決定部19は、当該ジョブをそのまま実行するか、キャンセルするかをオペレータに選択させる(S108)。当該ジョブをそのまま実行すること(ジョブ実行)を選択した場合は(S108、Yes)、残滓満杯状態が発生したときに満杯処理を実行することになり、キャンセル(ジョブ実行しない)を選択した場合は(S108、No)、このフローは終了し、オペレータはジョブ実行前に予め満杯処理をすることができる。
なお、当該ジョブをそのまま実行する場合には、通知タイミング設定部18は、残滓満杯の発生予測時期をオペレータが望む任意のタイミング、例えば発生予測時期の5分前などに再度通知することもできる(フローチャートには図示しない)。
【0029】
上記実施形態は、後処理により生成される残滓満杯状態が発生するか否かの判断を行ない、画像形成ジョブ実行中に、残滓満杯状態の発生予測時期を通知しているが、後処理により消費される消耗品について、消耗品の不足状態が発生するか否かの判断を行い、画像形成ジョブ実行中に消耗品不足状態の発生予測時期を通知するようにしてもよい。
【0030】
また、後処理により生成される残滓満杯状態と、消耗品の不足状態の両方について発生するか否かの判断を行なうようにしてもよい。さらに、後処理により生成される残滓および消耗品はそれぞれ複数の種類があってもよい。いずれの場合もジョブ実行中にジョブの中断が発生するか否かの判断を行ない、発生予測時期を通知することができる。
【0031】
さらに、図3のステップS108において、当該ジョブをそのまま実行する際に、残滓満杯状態の発生要因となる機能を停止するモードに切り替え、そのモードで当該ジョブを実行できるようにするモード切替部を、システム制御部11のCPUを含むコンピュータのプログラムによる機能実現手段として備えていてもよい。例えば、パンチ屑により残滓満杯状態の発生が予測されているときに、モードを切り替えてパンチ機能を使用しないようにすることで、パンチ屑の満杯状態による中断を発生させることなく、当該ジョブを実行可能にすることができる。
消耗品についても同様に、例えばステープルの不足状態の発生が予測されているときに、モードを切り替えてステープラー機能を使用しないようにすることで、ステープルの不足状態による中断を発生させることなく、当該ジョブを実行することができる。
【0032】
以上説明した実施形態では、本画像形成装置がスタンドアロン形式であるとして説明したが、次に、画像形成ジョブを送信する端末装置と本画像形成装置がネットワークを介して接続されている画像形成システムについて説明する。
【0033】
図4は、本実施形態に係る画像形成システムの構成を概略的に示したブロック図である。
この画像形成システムは、図4に示すように、操作者の指示に基づいて画像形成ジョブを送出する端末装置T1、T2と、画像形成ジョブに基づいて画像形成を実行する複数の画像形成装置P1〜P3を、ネットワークNを介して接続している。このネットワークNに、画像形成装置P1〜P3の消耗品及び残滓の状況を管理し、画像形成装置P1〜P3に画像形成ジョブを割り当てるジョブ管理装置であるサーバー装置S1をさらに接続している。
【0034】
各端末装置T1、T2はPC(パーソナルコンピュータ)やワークステーション等の情報処理装置である。各画像形成装置P1〜P3は、端末装置T1、T2からの画像形成ジョブに基づく画像形成及び後処理機能を有する装置である。例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等のプリント機能のみを有する画像形成装置に限らず、プリント機能の他にコピー機能等の他の機能も有するデジタル複写機、デジタル複合機等であってもよい。
【0035】
端末装置T1、T2から画像形成の指示(画像形成ジョブ)がネットワークNを介してサーバー装置S1へ送信されると、サーバー装置S1は、画像形成ジョブの情報と、管理している各画像形成装置P1〜P3の消耗品及び残滓の状況に基づいて、画像形成を行う画像形成装置を選定する。
【0036】
サーバー装置S1が管理する消耗品としては、例えば、画像を転写するための用紙、画像を形成するためのトナーやインク、ステープラー処理用のステープル、無線綴じ製本のための接着剤、テープ製本のためのテープ、リング製本のためのリング、シュア製本のためのバインドストリップといった定期的に補充や交換が必要なものである。
また、サーバー装置S1が管理する残滓としては、例えば、パンチ処理により生成されるパンチ屑、断裁処理により生成される断裁屑、ステープラー処理により生成されるステープルの切り屑といった定期的に満杯処理が必要なものである。
なお、図4のネットワークはバス型を例としているが、ネットワーク形態はこの形式に限らず、スター型やリング型であってもよい。
【0037】
図5は、図4のサーバー装置S1のハードウエア構成について説明する図である。
サーバー装置S1は、ネットワークI/F(インタフェース)1、CPU2、ROM3、RAM4、表示装置5、ハードディスク6、入力装置7、及び記録媒体ドライブ8を備えている。
【0038】
ネットワークI/F1は、サーバー装置S1が端末装置T1、T2及び画像形成装置P1〜P3とネットワークN経由で通信するための通信手段である。
CPU2は、このサーバー装置S1全体を管理及び制御する中央処理装置である。
ROM3は、CPU2が実行する固定プログラムや固定データを格納している読み出し専用の記憶手段である。
RAM4は、CPU2が実行するプログラムを展開し、各種の処理の際の作業領域として使用する読み書き可能な記憶手段である。
表示装置5は、各種のデータや作業画面等を表示するCRTディスプレイ、LCDディスプレイ等の表示手段である。
【0039】
ハードディスク6は、本実施形態に係るプログラムやデータを記憶する大容量記憶手段である。
入力装置7は、ユーザが各種の操作情報を入力するための入力手段であり、キーボードやマウス等のポインティングデバイスも使用することができる。
記録媒体ドライブ8は、記録媒体9に対する記録又は再生を行う記録再生手段である。
記録媒体9は、記録媒体ドライブ8に対して脱着可能なMO、CD−R、CD−RW、DVD−RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、本実施形態に係る画像形成ジョブ管理をコンピュータで実行するプログラム(ソフトウェア)が記録されている。
【0040】
以上のように構成されたサーバー装置S1において、CPU2は、ユーザによる入力装置7の操作により、記録媒体ドライブ8を介して記録媒体9から本実施形態に係るプログラムを読み出し、ハードディスク6にインストールすることができる。また、このプログラムを、図示しない外部装置からネットワークNを介してダウンロードするように構成することもできる。
【0041】
図6は、図4のサーバー装置S1の機能ブロック図である。
サーバー装置S1は、CPU等を含むシステム制御部(2)21、ジョブ受付部22、ジョブ判断部23、装置情報取得部24、情報通知部25、情報記憶部26を備えている。情報記憶部26は、さらにジョブ情報記憶部27、装置情報記憶部28、及びジョブ判断結果記憶部29を含んでいる。これらの機能ブロックは、図5に示したハードウエアと、図6を参照して説明したプログラムにしたがって実現される。
【0042】
システム制御部(2)21は、図6に示すように、各部を制御して画像形成装置の情報管理、ジョブ(画像形成ジョブ)の管理を行う。
ジョブ受付部22は、ネットワークNを経由して端末装置T1、T2から送られてくる画像形成ジョブを受け付ける。ジョブ受付部22で受け付けた画像形成ジョブの情報は、一旦、ジョブ情報記憶部27に記憶される。このジョブ情報には、出力サイズや部数、ステープルやパンチ等の仕上げ処理(後処理)に関するパラメータやジョブを送信した端末装置の情報が含まれている。
【0043】
ジョブ判断部23は、ジョブ情報記憶部27に記憶されている画像形成ジョブの情報を解析し、画像形成ジョブの情報に含まれる画像形成に関するパラメータと、装置情報記憶部28に記憶されている各画像形成装置の消耗品及び残滓の情報を参照し、画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断する。判断した結果は、ジョブ判断結果記憶部29に記憶される。
【0044】
装置情報取得部24は、サーバー装置S1が管理している各画像形成装置P1〜P3から消耗品及び残滓の情報を取得してくる。各画像形成装置P1〜P3の消耗品及び残滓の状況に変化があるたびに取得する。取得した情報は、装置情報記憶部28に記憶される。
【0045】
情報通知部25は、画像形成ジョブを送信してきた端末装置にジョブ判断結果記憶部29に記憶されているジョブの判断結果を通知する。また、情報通知部25は、画像形成装置が選定されると、選定された画像形成装置に、ジョブ情報記憶部27に記憶されている画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる。さらに、情報通知部25は、画像形成ジョブを送信してきた端末装置に選定した画像形成装置の情報を通知する他、前記ジョブ判断部23で画像形成ジョブが実行不可能と判断された画像形成装置の情報を、画像形成ジョブが実行不可能な理由と共に端末装置に通知する。
【0046】
図7は、サーバー装置S1で管理される画像形成装置の消耗品及び残滓の情報テーブルである。
この情報テーブルは、図6の装置情報記憶部28に作成されており、画像形成装置毎に消耗品(用紙、トナー、インク、ステープル、接着剤、テープ、リング、バインドストリップ等)及び残滓(パンチ屑、断裁屑、ステープルの切り屑)の使用状況が管理されている。この情報テーブルでは、シート後処理装置U4〜U6に搭載されている機構(パンチ機構有無、製本機構有無等)の画像形成装置の構成情報も管理している。
【0047】
図8は、サーバー装置S1で管理される画像形成ジョブのジョブ解析結果である。
この解析結果は、図6のジョブ判断部23で、画像形成ジョブ毎に消耗品(用紙、トナー、インク、ステープル、接着剤、テープ、リング、バインドストリップ等)及び残滓(パンチ屑、断裁屑、ステープルの切り屑)の消費量や生成量が計算される。紙厚や、紙サイズ、使用されているステープルの種類などによって消費量や生成量が変わる。例えば、1回のステープルで普通紙10枚を綴じた場合をステープル1発とした場合、
ステープル枚数や紙種による残滓生成量は、以下の(1)式で求めることができる。
{A−(B−10)×β}×α・・・(1)
ここで、Aはステープル回数、αは紙種係数、Bは1回のステープルで綴じる紙の枚数、βは切屑係数となる。紙種係数とは、紙種によるステープル切屑の長さの違いを示しており、切屑係数とは、1回にステープルで綴じる枚数による切屑の長さの違いを示している。
図8で示す消費量・生成量については、具体的な消費量や残量が算出される。
【0048】
図9は、図6のサーバー装置S1が端末装置T1、T2から画像形成ジョブを受信したときのジョブ実行判断動作の手順を説明するフロー図である。
サーバー装置S1は、設定したタイミングでネットワークN上にある画像形成装置の詳細情報を取得し、監視を行う(S201)。端末装置から(T1、T2のどちらでも可)画像形成ジョブを受けると、ジョブ判断部23は、その画像形成ジョブ情報を解析し(S202)、使用される消耗品の量や生成される残滓の量を算出する。この結果は、図6のジョブ情報記憶部27に記憶する。ジョブ判断部23は、画像形成装置の装置情報記憶部28の各装置の消耗品と残滓の情報と上記算出した使用される消耗品の量や生成される残滓の量から、画像形成装置(例えばP1)でジョブが実行可能か判断し(S203)、ジョブ判断結果記憶部29に結果を記憶する。このとき、ジョブが実行不可能な場合は、実行できない理由(例:消耗品が足りないのか、指定された処理が出来ない構成なのか)も、ジョブ判断結果記憶部29に記憶する。全ての画像形成装置に対して、ジョブが実行可能か否かの判断が終了したかを確認し(S204)、さらに確認する残滓がある場合には(S204、No)ステップS203に戻る。
【0049】
全て画像形成装置でジョブが実行可能か否かの判断が終了したときは(S204、Yes)、画像形成ジョブを送信してきた端末装置T1、T2にジョブ判断結果記憶部29に記憶されている画像形成ジョブの判断結果を通知する(S205)。画像形成ジョブを送信してきた端末装置T1、T2を介して、オペレータに画像形成ジョブを実行する画像形成装置の確認を行う(S206)、情報通知部25は、選定された画像形成装置にジョブ情報を通知して画像形成ジョブを実行させる(S207)。
【0050】
図10は、図7の情報テーブルで管理される残滓の蓄積量の検知方法を説明する図である。
Z1は残滓をためておく残滓ユニット、Z2、Z3は残滓の量を検知するためのセンサで構成されている。この残滓ユニットZ1は、残滓1種類につき、1つ用意されている。残滓ユニットは、センサを2つ用意することにより、片側に残滓がよってしまっても満杯と誤検知しないようになっている。
【0051】
なお、これまで説明した画像形成装置またはサーバー装置S1における画像形成ジョブ管理方法は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0052】
以上説明したように、本画像形成システムによれば、ネットワークで接続された複数台の画像形成装置の消耗品使用量や残滓の回収量をサーバー装置S1が常に監視してそのデータを記憶しておき、印刷ジョブを受け付けた場合に、当該印刷ジョブを実行しても途中で、残滓が満杯になったり、消耗品が不足しない画像形成装置を選ぶため、画像形成ジョブの途中で別の画像形成装置にそのジョブを振り分ける煩わしさを回避することができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・ネットワークI/F、2・・・CPU、3・・・ROM、4・・・RAM、5・・・表示部、6・・・ハードディスク、7・・・入力装置、8・・・記録媒体ドライブ、11・・・システム制御部、12・・・ジョブ管理部、13・・・ジョブ情報通知部、14・・・残滓状態管理部、15・・・残滓生産量予測部、16・・・消耗品状態管理部、17・・・消耗品消費量予測部、18・・・通知タイミング設定部、19・・・ジョブ実行決定部、21・・・システム制御部(2)、22・・・ジョブ受付部、23・・・ジョブ判断部、24・・・装置情報取得部、25・・・情報通知部、26・・・情報記憶部、27・・・ジョブ情報記憶部、28・・・装置情報記憶部、29・・・ジョブ判断結果記憶部、30・・・バス。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2004―195927号公報
【特許文献2】特開平11―157174号公報
【特許文献3】特開2004―235769号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムであって、
前記ジョブ管理装置は、画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、各画像形成装置の消耗品及び/又は残滓の情報を取得する装置情報取得部と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断部と、ジョブ判断部で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知部と、を備え
前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成システムにおいて、
前記ジョブ管理装置はジョブ受付部で受け付けた画像形成ジョブ情報を記憶するジョブ情報記憶部と、装置情報取得部で取得した消耗品及び残滓の情報を記憶する装置情報記憶部と、を備え、
前記ジョブ判断部は、前記ジョブ情報記憶部に記憶されている前記画像形成ジョブ情報を解析して得られた前記仕上げ情報と、前記装置情報記憶部に記憶されている各画像形成装置の消耗品情報及び/又は残滓の情報を参照して、前記画像形成ジョブが可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2に記載された画像形成システムにおいて、
前記情報通知部は、画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置として選定された画像処理装置に、前記ジョブ情報記憶部に記憶されている画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された画像形成システムにおいて、
前記情報通知部は画像形成ジョブを通知してきた端末装置に前記選定した画像形成装置の情報を通知することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載された画像形成システムにおいて、
前記情報通知部は、前記ジョブ判断部で画像形成ジョブが実行不可能と判断された画像形成装置の情報を、ジョブが実行不可能な理由と共に前記端末装置に通知することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムで使用可能なジョブ管理装置であって、
前記ジョブ管理装置は、画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、各画像形成装置の消耗品及び/又は残滓の情報を取得する装置情報取得部と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断部と、ジョブ判断部で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知部と、を備え
前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項7】
複数の画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送出する端末装置と、前記画像形成装置の残滓の状態又は画像形成ジョブの後処理により消費される消耗品の状態を管理するジョブ管理装置とから成る画像形成システムにおける画像形成ジョブ管理方法であって、
画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付工程と、各画像形成装置の消耗品及び残滓の情報を取得する装置情報取得工程と、画像形成ジョブを実行する画像形成装置を判断するジョブ判断工程と、ジョブ判断工程で判断した画像形成装置に画像形成ジョブの情報を通知して画像形成ジョブを実行させる情報通知工程と、を備え、
前記ジョブ判断工程は、
前記ジョブ判断部は、画像形成ジョブの仕上げ処理に関する仕上げ情報と、取得した各画像形成装置の残滓の情報及び/又は消耗品情報とに基づき、前記画像形成ジョブが実行可能な画像形成装置を判断することを特徴とする画像形成ジョブ管理方法。
【請求項8】
画像形成ジョブを管理するジョブ管理部と、後処理により生成される残滓の状態を管理する残滓状態管理部又は後処理により消費される消耗品の状態を管理する消耗品状態管理部と、画像形成ジョブの実行により生成される残滓量を予測する残滓生成量予測部又は画像形成ジョブの実行により消費される消耗品量を予測する消耗品消費量予測部と、画像形成ジョブの情報を通知するジョブ情報通知部と、を備え、
前記ジョブ管理部は、前記残滓状態管理部で管理する残滓の状態と、前記残滓生成量予測部で予測された残滓生成量から、画像形成ジョブの実行中に残滓満杯状態が発生するか否かを判断し、又は前記消耗品状態管理部が管理する消耗品の状態と、前記消耗品消費量予測部で予測された消耗品消費量とから、画像形成ジョブの実行中に消耗品不足状態が発生するか否かを判断し、残滓満杯状態の発生予測時期を算出し、残滓満杯状態が発生すると判断したとき又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、前記ジョブ情報通知部は、前記算出された残滓満杯状態の発生予測時期又は、前記算出された消耗品不足状態の発生予測時期を通知する画像形成装置であって、
前記ジョブ情報通知部の通知タイミングを変更自在に設定するジョブ情報通知タイミング設定部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載された画像形成装置において、
前記ジョブ管理部が残滓満杯状態又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、当該画像形成ジョブの実行又はキャンセルをユーザに選択させるジョブ実行決定部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載された画像形成装置において、
前記ジョブ管理部が残滓満杯状態又は消耗品不足状態が発生すると判断したとき、残滓満杯状態または消耗品不足状態の発生要因となる機能を停止して画像形成ジョブを実行するジョブ機能制限モードにモードを切り替えるモード切替部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
コンピュータに、請求項7に記載された画像形成システムにおける画像形成ジョブ管理方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−197835(P2011−197835A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61685(P2010−61685)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】