説明

画像形成装置およびその方法

【課題】原稿を読み取ってファイルとして送信するデバイスにおいて、原稿に含まれるバーコードのイメージを除去しても、それに含まれる情報は欠落しないようにする。
【解決手段】スキャン処理部202は先ず利用者が指定したファイルの形式を読み取る。ファイル生成部206は、指定したファイル形式が、JPEGやBMPといったメタデータの格納に制限があったりメタデータを格納できなかったりするファイル形式かどうかを判定する。そのようなファイル形式であれば、メタデータの格納ができないので、元の画像のQRコード(登録商標)の除去は行わず、スキャンしたままのイメージで画像ファイルを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびその方法に関し、特にデバイスから電子文書を送信するためのイメージデータを含む電子文書に対する情報追加を行う画像形成装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿をスキャンしてイメージデータとして蓄積し、電子文書に変換して送信する技術がある。このようなスキャン対象となる原稿上に、何らかの情報を含むバーコードが印字する技術も知られている。このようなバーコードが印字された原稿をスキャンし、蓄積したイメージデータを電子文書に変換して送信する技術が提案されている。このような技術では、電子文書に変換して送信するときに、バーコードから情報を取得し、送信する電子文書内にメタデータとして格納するとともに、イメージデータからバーコードのイメージのみを除去する技術が提案されている。デバイス内に蓄積されたイメージデータを外部に出力する際に、除去あるいは欠落する情報を他の情報で置き換える技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、バーコードから得られた情報をメタデータに格納しようとしても、利用者が電子文書のファイル形式としてメタデータを格納できないものを指定したときは、得られた情報が欠落するという問題がある。すなわち、デバイスに蓄積したイメージデータを電子文書に変換、送信する際、メタデータを格納できるファイル形式と、メタデータの格納に制限があるか、またはメタデータを格納できないファイル形式との、いずれかを利用者が選択可能なデバイスが存在する。従来技術のように電子文書にメタデータを格納しようとしても、利用者がイメージデータのみのファイル形式を選択している場合には格納ができない。メタデータが格納されないファイル形式を選択されているのに、イメージデータからバーコードのイメージを除去してしまうと、それに含まれる情報は欠落してしまうこととなる。ここで、メタデータを格納できるファイル形式は、例えば、PDFやTIFFといったファイル形式であり、メタデータの格納に制限があったりメタデータを格納できなかったりするファイル形式は、例えば、JPEGやBMPといったファイル形式である。
【0005】
本問題について、特許文献1に示される技術を用いれば、イメージデータに含まれる情報をバーコードの画像で置き換えて出力することもできるように考えられる。しかし、そもそもバーコードのイメージ自体を除去してしまっている場合には欠落する情報を置き換えるべき情報がないため、本問題を解決することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、原稿を読み取る読取手段と、読み取る原稿を電子文書として出力するファイル形式を設定手段と、読取手段で読み取った原稿から1以上の特定の情報をコード化した画像を検出する検出手段と、検出手段で検出した1以上の特定の情報をコード化した画像から埋め込み情報を抽出する埋め込み情報抽出手段と、埋め込み情報抽出手段で抽出した埋め込み情報をメタデータとして画像ファイルに格納する格納手段と、読み取り手段で読み取った画像データから、検出した特定の情報をコード化した画像を除去する画像除去手段と、読み取った画像データを画像ファイルとして出力するファイル出力手段とを備え、ファイル出力手段は、設定手段で設定されたファイル形式がメタデータを格納できない場合、画像除去手段で特定の情報をコード化した画像を除去することなく、読み取り手段で読み取った原稿の画像データを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、イメージデータに含まれる情報を欠損させることなく、デバイスに蓄積したイメージデータを電子文書に変換して送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例のMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】MFPのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図3】符号画像の付された原稿の一例を示す図である。
【図4】本実施例のMFPにおけるスキャン処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】デコード処理によって抽出された埋め込み情報の一例を示す表である。
【図6】本実施例のMFPにおける送信ファイル生成処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】QRコード(登録商標)を含む領域が除去された画像データの一例を示す図である。
【図8】本実施例の利用者が生成するファイルの形式を選択変更する場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
本発明に係るデバイスの一実施形態としての複合機(Multi Function Peripheral、以下、MFPという)について説明する。図1は、スキャナ機能、複写機能、印刷機能、送信機能等を搭載する画像形成装置としてのMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。CPU100は、MFPを統括的に制御するプロセッサであって、内部バス107を介して接続された各部を制御する。なお、本実施例では、原稿にはQRコード(登録商標)を印字して情報を埋め込むが、これには限られず本技術分野のいずれの情報埋め込み手法を用いることもできる。
【0010】
表示部101は、タッチパネルなどの画像表示装置で構成され、利用者は、表示部101に表示される画面を参照しつつタッチパネルなどにより複写指示などを行う。スキャナ部102は、原稿をスキャンして画像データを取得する。プリンタ部103は、紙等の記録媒体上に画像を形成する。メモリ104は、CPU100がMFPを制御するために実行する各種命令を発するアプリケーションなどのプログラムや関連データを記憶し、大容量記憶部105は、スキャナ部102でスキャンされた画像データを一時保存する。ネットワークインターフェース106は、CPU100に従いネットワーク105を介して各種データ等の送受信を行う。
【0011】
図2は、MFPのソフトウェア構成の一例を示す図である。なお、このソフトウェア構成の各モジュールは、MFPのCPU100が、MFP内の各種記憶装置(RAM、外部メモリ、大容量記憶装置、メモリ等)に格納されたプログラムを実行することにより実装されている。制御部200は、MFPの全体を制御し、後述の各部に対する指示、管理を行う。データ送受信部201は、データ等の送受信処理を行う。
【0012】
スキャン処理部202は、UIを介して与えられたユーザの操作指示に基づき、原稿読取台にセットされた原稿をスキャナ部102にスキャンさせ、スキャン結果である画像データを取得する処理を行う。コード検出部203は、スキャンによって取得された画像データからQRコード(登録商標)を検出する処理を行う。なお、本明細書においては、原稿に付される符号画像として、代表的な二次元コードであるQRコード(登録商標)を例に説明するがこれに限られない。例えば、一次元コードや電子透かしといった、文書管理や複写制限等を目的として特定の情報をコード化した画像を原稿に付加する技術を用いて作成された原稿に対し、本発明は広く適用することができる。
【0013】
また、本明細書においては、「原稿」を、文字や図形等で構成される特定の情報が印字された印刷物や複写物などを指す用語として使用するものとする。そして、本明細書においては、「コンテンツ」を印刷物や複写物上の文字や図形等で構成される特定の情報そのものを指す用語として使用するものとする。したがって例えば、ある印刷物Aとその複写物Bは、それぞれ別の原稿として区別されるが、そこに含まれる文字や図形等は同じであるため、コンテンツとしては同一となる。
【0014】
情報抽出手段でもあるデコード部204は、検出されたQRコード(登録商標)を復号化(デコード)して埋め込み情報を抽出する処理を行う。画像除去部205は、画像データからコード検出部203によって検出されたQRコード(登録商標)を含む部分を除去する処理を行う。除去処理については、白で塗りつぶす、黒で塗りつぶす、周囲の地紋と同じパターンで塗りつぶす、などの本技術分野で知られた画像加工によって実行することができる。ファイル生成部206は、画像データをデータ送受信部201から送信できる画像を含むファイルに変換生成する処理を行う。また、ファイル生成部206は、デコード部204が抽出した埋め込み情報をメタデータとしてファイルに書き出すことができる。生成できるファイルの形式は、PDFやTIFFといったメタデータを格納できるファイル形式や、JPEGやBMPといったメタデータの格納に制限があったりメタデータを格納できなかったりするファイル形式から、利用者が選択できるものとする。
【0015】
図3は、本発明においてスキャン対象となる、符号画像の付された原稿の一例を示す図である。原稿301には、埋め込み情報を符号化して得られた符号画像としてのQRコード302が印刷されている。QRコード(登録商標)は通常、記録媒体上の所定の領域、本実施例においては、原稿301内の左上隅、左下隅、右上隅、右下隅に設けられた矩形領域303のうちの何れかの領域内に印字され、本領域を対象にQRコード(登録商標)の検出処理が行われる。なお、本実施例の矩形領域の一辺の長さは、例えば縦横それぞれ30mmである。もちろん、QRコード(登録商標)が印字可能な領域は、この例に限られるものでなく、その位置、形状、大きさは任意に設定可能である。そして、埋め込み情報には、例えば、以下の情報を含むことができる。
・原稿の部数番号
・原稿のページ番号
・原稿の出力を指示したユーザを特定するためユーザ情報
・原稿の出力をおこなった日時を特定するための日時情報
・原稿の出力をおこなったMFPを特定するための機器情報
【0016】
もちろん、埋め込み情報の内容はこれらに限るものでなく、たとえば、出力の種類情報(PCから送信された画像データの印刷なのか、原稿読取台を用いたコピーなのかといった情報)なども必要に応じて追加してもよい。また、原稿を出力したMFPを特定するための機器情報だけでなく、そのコンテンツを最初に出力した機器を特定するための情報を別途追加してもよい。ここで、部数番号とは、印刷または複写処理においてその原稿が何部目として出力されたかを示す情報である。また、ページ番号とは、印刷および複写処理においてその原稿が何ページ目として出力されたかを示す情報である。例えば、3ページから成る文書を2部印刷した場合、出力される6枚の印刷物に埋め込み情報として書き込まれる部数番号およびページ番号は以下のようになる。
・印刷物1:部数番号=1、ページ番号=1
・印刷物2:部数番号=1、ページ番号=2
・印刷物3:部数番号=1、ページ番号=3
・印刷物4:部数番号=2、ページ番号=1
・印刷物5:部数番号=2、ページ番号=2
・印刷物6:部数番号=2、ページ番号=3
【0017】
したがって、一回の印刷または複写において、出力される印刷物のうち部数番号とページ番号の組み合わせが同一になるものはない。なお、両面に印刷された印刷物の場合、各々の面に異なるページ番号が書き込まれる。
【0018】
以下に、MFPにおいて原稿をスキャンし、電子文書である画像ファイルを生成して送信する処理について説明する。なお、本実施例においては、メモリ104に格納されたアプリケーション(プログラム)がユーザの操作指示で起動し、CPU100がこれを実行することにより以下の各ステップが実行される。
【0019】
図4は、本実施例のMFPにおけるスキャン処理の流れを示すフローチャートである。ユーザがMFPの原稿読取台に原稿をセットし、不図示の送信指示ボタンを押下すると、ステップ401において、スキャン処理部202は、ページのカウントNを0にリセットする。ステップ402において、スキャン処理部202は、ページのカウントNを1だけ増加させる。ステップ403において、スキャン処理部202は、MFPの原稿読取台上にセットされた原稿をスキャナ部102にスキャンさせる。これにより第1のページの画像データが取得される。
【0020】
ステップ404において、コード検出部203は、取得した画像データから(登録商標)を検出する。すなわち、取得した画像データの上述した四隅の矩形領域を対象にQRコード(登録商標)の有無をチェックする。QRコード(登録商標)が検出されればステップ405に進む。ステップ405において、デコード部204は、検出された(登録商標)をデコードする。すなわち、QRコード(登録商標)を復号化して第1のページの埋め込み情報を抽出する処理を行う。このようにして取得した画像データ、並びに検出および抽出された埋め込み情報はスキャナ処理部202の内部、あるいは各種メモリ、大容量記憶部などいずれかの記憶部に格納される。
【0021】
図5は、デコード処理によって抽出された埋め込み情報の一例を示している。図5の例では、元原稿の印刷を指示したユーザのユーザ情報「Suzuki」、元原稿を出力した日時の日時情報「2008年1月30日9時53分13秒」、元原稿の部数番号「1」、元原稿のページ番号「2」が抽出されている。また、元原稿を出力したMFPの機器情報「MPF−0001」も抽出されている。
【0022】
ステップ406において、スキャン処理部202は、スキャナ部102に、MFPの原稿読取台上に次の原稿がセットされているかどうかを検出させる。原稿がセットされていればステップ402に進む。ステップ406において原稿がセットされていない状態が検出されるまで、ステップ403で第Nのページの画像データが取得され、ステップ405において第Nのページの埋め込み情報が抽出される。
【0023】
図6は、本実施例のMFPにおける送信ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。図4に示したフローチャートに沿って、MFPの原稿読取台にセットされた原稿から画像データを取得して埋め込み情報を抽出すると、ステップ601において、ファイル生成部206は、ページのカウントNを0にリセットする。ステップ602において、ファイル生成部206は、空の画像ファイルを生成する。本実施例において生成される画像ファイルはメタデータを格納できるファイル形式である。
【0024】
ステップ603において、ファイル生成部206は、ページのカウントNを1だけ増加させる。ステップ604において、ファイル生成部206は、スキャン処理部202に第Nのページの画像データを取得できるかどうか問い合わせる。画像データが取得できるとの応答があればステップ605に進む。ステップ605において、ファイル生成部206は、スキャン処理部202から第Nのページの画像データを取得する。
【0025】
ステップ606において、ファイル生成部206は、デコード部204に第Nのページの埋め込み情報が取得できるかどうか問い合わせる。埋め込み情報が取得できるとの応答があればステップ607に進む。ステップ607において、ファイル生成部206は、デコード部204から第Nのページの埋め込み情報を取得する。ステップ608において、ファイル生成部206は、ステップ605でスキャン処理部から取得した画像データからコード検出部203によって検出したQRコード(登録商標)を含む一定の領域を画像除去部205に除去させる。
【0026】
図7は、画像除去処理205によって画像データからQRコード(登録商標)を含む領域が除去されたイメージである。図3に示すようなイメージの原稿からQRコード302を除去する例として、図7ではQRコード(登録商標)を含む領域を黒で塗りつぶされた状態701を示している。本実施例では除去の方法として黒で塗りつぶしているが、白で塗りつぶす、周囲の地紋と同じパターンで塗りつぶすといった、除去が目立たない手法を選択することもできる。ステップ609において、ファイル生成部206は、ステップ608で画像除去した画像データをステップ602で生成した画像ファイルにマージする。ステップ610において、ファイル生成部206は、ステップ607で取得した埋め込み情報をステップ602で生成した画像ファイルにメタデータとして格納する。 ステップ611において、第Nページには埋め込み情報が検出されなかったので、ファイル生成部206は、ステップ605で取得した画像データをそのまま、ステップ602で生成した画像ファイルにマージする。ステップ612において、ファイル生成部206は、ページのカウントNを1だけ増加させる。
【0027】
ステップ613において、ファイル生成部206は、スキャン処理部202に第Nのページの画像データを取得できるかどうか問い合わせる。画像データが取得できるとの応答があればステップ614に進む。本実施例では、埋め込み情報が検出された最初のページのみ埋め込み情報の格納及びQRコード(登録商標)の除去を行うので、ステップ614においては先ず、ファイル生成部206は、スキャン処理部202から第Nのページの画像データを取得する。ステップ615において、ファイル生成部206は、ステップ614で取得した画像データをステップ602で生成した画像ファイルにマージする。ステップ615で第Nページの画像データをマージした後、ステップ612において、ファイル生成部206は、ページのカウントNを1だけ増加させる。以降、ステップ614及びステップ615の処理をスキャン処理部202から取得する画像データがなくなるまで繰り返し(S613)、処理を終了する。これにより、全ての原稿が処理され、メタデータを格納した電子文書である画像ファイルが完成する。なお、本実施例では、スキャナ処理部202が原稿をスキャンさせて一旦データを保持しておいて、ファイル生成部が保持されたデータをスキャナ部202あるいは他の記憶部から取得するが、これに限られない。すなわち、原稿から画像データを生成するにあたっては、スキャン処理部202が原稿のページをスキャンさせるごとに処理することもでき、この場合、ファイル生成部206や他の種々のモジュールが主体で処理させることもできる。
【0028】
図7は、画像除去処理によって画像データからQRコード(登録商標)を含む領域が除去された原稿のイメージを示す図である。図7を参照すると、状態701に示すように図3の原稿のイメージにおいてQRコード302が黒で塗りつぶされていることが理解できる。本実施例では除去の一例として、QRコード(登録商標)を含む領域を黒で塗りつぶしているが、これに限られず、白で塗りつぶす、周囲の地紋と同じパターンで塗りつぶすといった、塗りつぶしが目立たない除去方法を選択してもよい。
【0029】
以上、本実施例においてMFPは、1以上のページからなる原稿から画像データを取得する場合、すべてのページのうち最初に出現するQRコード(登録商標)を検出し、そのQRコード(登録商標)に含まれる埋め込み情報を抽出して最初に出現するQRコード(登録商標)の画像のみ除去する。したがって、2番目以降に出現するQRコード(登録商標)についてはQRコード(登録商標)の画像を除去しない。したがって、埋め込み情報をメタデータとして格納した画像ファイルを、ファイル出力として生成し、データ送受信部201の指示でネットワークインターフェース106から画像ファイルを送信することができる。
【0030】
なお、本実施例においてはデコード部204における埋め込み情報の抽出が図4に示すフローチャートのスキャン処理中で行われているがこれに限られない。すなわち、画像データ内のコード検出と埋め込み情報の抽出を、図6に示すフローチャートの送信ファイル生成処理中で行っても、同様の効果を得ることができる。
[実施例2] 本実施例は、MFPにより電子文書作成を指示する際に、利用者が電子文書を格納するファイルとして、QRコード(登録商標)等に組み込まれた読み取り情報を格納できないファイル形式の画像ファイルを指定した場合の処理である。すなわち、上述の実施例1では、スキャンして得られた画像データをメタデータ等、読み取り情報を格納できる画像ファイルを用いていたが、本実施例では読み取り情報を格納できないファイル形式の画像ファイルが指定された場合も含め処理を行う。図8は、実施例1のMFPにおいて原稿をスキャンして画像ファイルを生成して送信する処理において、利用者が生成するファイルの形式を選択変更する場合のMFPにおける送信ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。基本的に、読み取り情報を格納できる画像ファイルが指定されたときの処理は、本実施例も実施例1も同一であるため、図6のフローチャートのうち処理が同一のステップは同じ符号を付す。したがって、本実施例で異なる処理は、ステップ801及び802である。
【0031】
図8を参照すると、通常原稿を読み取る利用者は、読み取って生成される画像データが格納されるファイル形式を指定する場合があるので、ステップ801において、スキャン処理部202は先ず利用者が表示部101から指定したファイルの形式を読み取る。
【0032】
ステップ802において、ファイル生成部206は、ステップ801で読み取ったファイル形式が、JPEGやBMPといったメタデータの格納に制限があったりメタデータを格納できなかったりするファイル形式かどうかを判定する。そのようなファイル形式であれば、メタデータの格納ができないのでステップ612に進み、元の画像のQRコード(登録商標)の除去は行わず、スキャンしたままのイメージで画像ファイルを生成する。一方、そうでない、すなわちメタデータが格納できるようなファイル形式であれば、ステップ607に進み、上述の実施例1と同様の処理を行う。
【0033】
なお、本実施例では、複数のページを有する原稿の複数ページにQRコード(登録商標)が印刷されている場合を想定しているが、これに限られず、QRコード(登録商標)が1ページにのみ印刷されている場合や、1ページ原稿の場合にも適用することができる。すなわち、例えば1ページの原稿にQRコード(登録商標)が印刷されている場合、本実施例に従えば、利用者がメタデータが格納できないファイル形式を出力先に設定したときは、QRコード(登録商標)を除去することなく画像データを出力することとなる。
【0034】
以上の実施例の処理において、MFPが、利用者がメタデータの格納に制限があったりメタデータを格納できなかったりするファイル形式を選択してファイル送信を指示する場合がある。このような場合、本実施例により画像データからQRコード(登録商標)を含む領域を除去しないでファイルを生成して送信することができる。
【0035】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、本発明は、複数のプロセッサが連携して処理を行うことによっても実現できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取手段と、
前記読み取る原稿を電子文書として出力するファイル形式を設定手段と、
前記読取手段で読み取った原稿から1以上の特定の情報をコード化した画像を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した1以上の特定の情報をコード化した画像から埋め込み情報を抽出する埋め込み情報抽出手段と、
前記埋め込み情報抽出手段で抽出した埋め込み情報をメタデータとして画像ファイルに格納する格納手段と、
前記読み取り手段で読み取った画像データから、前記検出した特定の情報をコード化した画像を除去する画像除去手段と、
前記読み取った画像データを画像ファイルとして出力するファイル出力手段と
を備え、
前記ファイル出力手段は、前記設定手段で設定されたファイル形式がメタデータを格納できない場合、前記画像除去手段で特定の情報をコード化した画像を除去することなく、前記読み取り手段で読み取った原稿の画像データを出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数ページを含む原稿を読み取る読取手段と、
前記読み取る原稿を電子文書として出力するファイル形式を設定手段と、
前記読取手段で読み取った原稿から1以上の特定の情報をコード化した画像を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した1以上の特定の情報をコード化した画像から埋め込み情報を抽出する埋め込み情報抽出手段と、
前記埋め込み情報抽出手段で抽出した埋め込み情報をメタデータとして画像ファイルに格納する格納手段と、
前記読み取り手段で読み取った画像データから、前記検出した特定の情報をコード化した画像を除去する画像除去手段と、
前記読み取った画像データを画像ファイルとして出力するファイル出力手段と
を備え、
前記ファイル出力手段は、前記原稿のうち前記特定の情報をコード化した画像を有する最初のページのみ、前記抽出した埋め込み情報をメタデータとして画像ファイルに格納し、前記検出した特定の情報をコード化した画像を除去することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−102287(P2013−102287A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243833(P2011−243833)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】