説明

画像形成装置およびプロセスカートリッジ並びに画像形成方法

【課題】感光体に金属石鹸を塗布する際の金属石鹸の塗布量を安定させ、画像品質や信頼性品質に優れる画像形成装置及びプロセスカートリッジ並びに画像形成方法を提供すること。
【解決手段】感光体1と、帯電手段2と、露光手段と、トナーを用いて現像する現像手段4と、転写手段5,6と、前記感光体1上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング手段と、前記感光体1表面に滑剤12を供給する滑剤供給手段11とを備え、前記トナーは、ポリエステル樹脂と着色剤とを含有し、且つ平均円形度Eが0.960〜0.995、体積平均粒径が2〜6μmであり、前記クリーニング手段は、1つは不織布10を有する複数のクリーニング部材を具備し、該不織布10は、前記複数のクリーニング部材の中で最も上流に配置されず、且つ前記感光体1に当接配置されてなり、前記滑剤供給手段11は、前記不織布10より下流に配置されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系重合トナーを現像剤として用い、かつ、金属石鹸を含む滑剤を感光体に供給しながら画像形成を行う画像形成装置、及び該画像形成装置に対して着脱自在に備えられるプロセスカートリッジ並びに画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター等に広く使用されている電子写真方法に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)としては、安価、大量生産性、無公害性等の利点から、有機系の感光材料が汎用されてきている。しかしながら、有機感光体は無機感光体と比較して耐摩耗性が低く、耐久性の点で劣っていた。
さらに近年では、電子写真システムのフルカラー化、高速化が望まれるようになり、各色毎に感光体を備えたタンデム方式のフルカラー画像形成装置が実用化されている。このタンデム方式の画像形成装置を小型化するには感光体の小径化が必須であるが、小径化に伴って感光体の単位長さあたりの印刷枚数が増加するため、感光体の耐摩耗性を主とする機械的耐久性の向上がさらに強く要望されるようになってきた。
【0003】
有機感光体の耐摩耗性を向上させる方法として、金属あるいは金属酸化物からなるフィラーを含有する保護層を設けるものが、特許文献1(特開平1−170951号公報)に開示されている。
さらに、感光体表面に保護層を設けて感光体そのものの耐摩耗性を向上させる以外に、潤滑剤により感光体の表面エネルギーを低下させる方法が知られている。感光体への潤滑剤の供給方法としては、ブラシなどの塗布手段により固形の潤滑剤を塗布する(特許文献2:特開2000−162881号公報)、トナーに滑剤を外添し感光体に供給する(特許文献3:特許第2859646号公報)等の各種の方法が知られている。また、潤滑剤により感光体の表面エネルギーを低下させることで、感光体の摩耗を低減させるだけでなく、転写率を向上させたり、転写中抜け等の異常画像の発生を防止することもできる。
【0004】
また、電子写真方式の画像形成用のトナーとして主流となりつつある重合トナーにおいては、粒径を小さくそろえることが出来ること、外径形状を真球に近づけること、ポリエステル系重合トナーでは低温定着が可能なことなどの特徴がある。これらの特徴を画像形成装置で活かしきれると、従来よりも著しく高画質、省エネルギーに繋がることが知られている。
しかしながら、従来の技術では小粒径、球形トナーのクリーニングは難しく、特に、画像濃度、環境温度が通常とは異なった場合にクリーニング不良、他部材のトナー汚染などの不具合が発生してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
滑剤塗布機構により感光体表面に金属石鹸を塗布することで、感光体の表面エネルギーを低減し、さらにはコロナ帯電等の強烈な帯電負荷から感光体を保護し、摩耗を低減することは可能である。
ところが、金属石鹸を塗布する画像形成装置には以下の解決しなければならない不具合点のあることが判明した。
金属石鹸の塗布量は画像形成装置の使用初期から寿命時まで一定であることが望まれる。しかしながら、作像する画像面積率や使用環境の変化により、金属石鹸の塗布量や消費量は変動を来たし、転写時に生じる転写中抜けや転写率などの画像品質、感光体摩耗量や金属石鹸の交換頻度などの信頼性品質が低下するなどの不具合が発生することがあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、感光体に金属石鹸を塗布する際の金属石鹸の塗布量を安定させ、画像品質や信頼性品質に優れる画像形成装置およびプロセスカートリッジ、並びに画像形成方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは種々検討した結果、クリーニング手段でクリーニングしきれないトナーやトナー外添剤があると、それらは金属石鹸(滑剤)を供給する領域に進入し、金属石鹸の塗布量に大きな影響を与える。更に詳しく述べると、作像する画像面積率が変化した場合や画像形成装置の環境が変動した場合には、金属石鹸を供給(塗布)する領域の前のクリーニング手段の性能が変動し、クリーニング手段でとりきれないすり抜けトナー量やすり抜け外添剤量が変動する。これらは次に金属石鹸を供給する領域に進入するため、すり抜けトナー量が変動すると金属石鹸から供給できる金属石鹸量も変動する。
このすり抜けトナー量の変動を少なくすることが金属石鹸を含有する滑剤の供給手段からの供給量の変動を少なくすることに対して効果が大きいということを知見した。更には、すり抜けトナーやすり抜け外添剤の清掃には、ランダムに繊維が配列した不織布を当接した場合のクリーニング力が有効であるということを知見した。
【0008】
また、一般に球形トナー、小粒径トナーであるほどクリーニングが難しくなることが知られている。本発明者らは、円形度Eが0.960以上の球形で、かつ体積平均粒径が2〜6μmの範囲に入るトナーはクリーニングが非常に困難であること、特に高濃度画像や低温などのノイズが画像形成装置に加わったときに、著しくクリーニングが困難になることを知見した。更に、金属石鹸を滑剤として使用し、クリーニング性を確保しようと試みてもなお、円形度Eが0.960以上の球形で、かつ体積平均粒径が2〜6μmの範囲に入るトナーのクリーニング性を確保することが難しいことが判明した。
本発明者らは更に検討を進め、金属石鹸系滑剤を塗布する際に、クリーニング工程をすり抜けた球形トナー、微細トナー、外添剤が滑剤供給領域に進入することにより、前述の不具合を発生するということを知見した。
以上の知見をもとに、本発明者らは本発明を完成するに至った。
【0009】
しかして、上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジ、並びに画像形成方法は、具体的には下記記載の技術的特徴を有する。
【0010】
即ち、本発明に係る画像形成装置は、所定の回転方向に回転する感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記感光体から転写材に転写する転写手段と、該転写手段により前記トナー像が前記感光体に転写された後の当該感光体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング手段と、前記感光体表面に金属石鹸を含有する滑剤を供給する滑剤供給手段と、を備え、前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、前記クリーニング手段は、複数のクリーニング部材を具備し、前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布を有し、該不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体に当接配置されてなり、前記滑剤供給手段は、前記感光体の所定の回転方向に対して前記不織布より下流に配置されてなることを特徴とする。但し、前記感光体の所定の回転方向において、前記帯電手段の配置位置が最も上流であり、当該感光体が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。
【0011】
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、上記画像形成装置に対して着脱自在に備えられるプロセスカートリッジであって、少なくとも感光体と、前記感光体に当接配置されてなる不織布を有するクリーニング部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る画像形成方法は、所定の回転方向に回転する感光体を帯電させる帯電工程と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記感光体から転写材に転写する転写工程と、該転写工程により前記トナー像が前記感光体に転写された後の当該感光体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング工程と、前記感光体表面に金属石鹸を含有する滑剤を供給する滑剤供給工程と、を備え、前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、前記クリーニング工程は、複数のクリーニング部材で前記感光体上に残留したトナーをクリーニングし、前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布を有し、該不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体に当接配置されてなり、前記滑剤供給工程は、前記感光体の所定の回転方向に対して前記不織布より下流に配置されてなることを特徴とする。但し、前記感光体の所定の回転方向において、前記帯電手段の配置位置が最も上流であり、当該感光体が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安定して滑剤が感光体に供給され、転写中抜けや転写率などの画像品質、感光体摩耗量や金属石鹸の交換頻度などの信頼性品質が飛躍的に向上した画像形成装置がおよびプロセスカートリッジ、並びに画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第4の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
【図5】(a)不織布ローラ10の平面図である。(b)図5(a)に示すIIb−IIb断面線における不織布ローラ10の拡大断面図である。
【図6】実施例で作像した画像のパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、所定の回転方向に回転する感光体1と、該感光体1を帯電させる帯電手段2と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段4と、前記トナー像を前記感光体1から転写材に転写する転写手段5,6と、該転写手段5,6により前記トナー像が前記感光体1に転写された後の当該感光体1上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング手段9,10と、前記感光体1表面に金属石鹸を含有する滑剤12を供給する滑剤供給手段11と、を備え、前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、前記クリーニング手段9,10は、複数のクリーニング部材を具備し、前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布10を有し、該不織布10は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体1の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体1に当接配置されてなり、前記滑剤供給手段11は、前記感光体1の所定の回転方向に対して前記不織布10より下流に配置されてなることを特徴とする。但し、前記感光体1の所定の回転方向において、前記帯電手段2の配置位置が最も上流であり、当該感光体1が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。
【0016】
また、本発明に係る画像形成方法は、所定の回転方向に回転する感光体を帯電させる帯電工程と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記感光体から転写材に転写する転写工程と、該転写工程により前記トナー像が前記感光体に転写された後の当該感光体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング工程と、前記感光体表面に金属石鹸を含有する滑剤を供給する滑剤供給工程と、を備え、前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、前記クリーニング工程は、複数のクリーニング部材で前記感光体上に残留したトナーをクリーニングし、前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布を有し、該不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体に当接配置されてなり、前記滑剤供給工程は、前記感光体の所定の回転方向に対して前記不織布より下流に配置されてなることを特徴とする。但し、前記感光体の所定の回転方向において、前記帯電手段の配置位置が最も上流であり、当該感光体が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。
【0017】
次に、本発明に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジ、並びに画像形成方法についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
<画像形成装置、画像形成方法>
図1は本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
作像プロセスとしてはまず、所定の回転方向(図1中反時計回りの矢印方向)に回転する感光体1は帯電手段である帯電ローラ2により帯電される(帯電工程)。
次いで、不図示の露光手段より発せられる書き込み光3により感光体1が露光されて静電潜像が形成され(露光工程)、現像手段である現像ローラ4によって静電潜像をトナー像として現像する(現像工程)。
感光体1上のトナー像は転写手段である転写ローラ5によって中間転写体6上に転写され、さらに図示しない転写紙(転写材)上に再度転写される(転写工程)。
トナー像の載った転写紙は図示していない定着部へ搬送され、トナー像は転写紙上に固定され(定着工程)、画像が得られる。
【0019】
感光体1上から中間転写体6へ転写されなかった残留トナーは複数のクリーニング部材の中の1であるクリーニングブレード9で清掃される。次いで、複数のクリーニング部材の中の他の1である不織布10が感光体に当接配置されているので、クリーニングブレード9で清掃できなかった残留トナーやトナー外添剤が不織布10によってさらに清掃される(以上、クリーニング工程)。なお、図1に示す例では、クリーニングブレード9と不織布10とからなる2のクリーニング部材によりクリーニング手段が構成されている。
このようにして清掃された感光体1表面に、金属石鹸を含有する滑剤を保持した滑剤供給手段である滑剤塗布ブラシ11が感光体1に接触することにより、滑剤12を摺擦して当該感光体1表面には滑剤が供給される(滑剤供給工程)。
最後に感光体の残留電荷を除電手段であるQLランプ13の照射により取り除き(除電工程)、次の作像に備える。
【0020】
この画像形成プロセスにおいて滑剤は、感光体のトナークリーニング性を向上させる潤滑機能、帯電による負荷から感光体を保護する保護機能、感光体からのトナー転写性を向上させるためのトナー離型機能を併せ持つ物である。このため、滑剤は近年の高画質化の潮流の中にあって画像形成の際に非常に重要な役割を果たしている。
【0021】
図1に示す本発明に係る画像形成装置の構成においては、クリーニング工程の最後に不織布10が当接配置されているので、クリーニングブレード9をすり抜けてきたトナーやトナー外添剤を不織布10が取り除くことが出来る構成となっている。その結果、滑剤塗布ブラシ11はトナーやトナー外添剤で汚染されることが抑制され、滑剤12の消費量、感光体1への滑剤供給量、滑剤12の感光体1上での塗布状態や被覆率を安定させることが出来る構成となっている。作像したい原稿が著しく高画像濃度である、或いは低画像濃度であるなど、原稿の画像濃度が異なる場合や、画像形成装置の使用環境が低温でクリーニングブレードのゴム特性が変化する環境などで特にその効果を発揮することが出来る。
【0022】
なお、本発明における画像形成プロセスは、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、滑剤塗布、必要に応じて除電、の順で、当該画像形成プロセスが流れることが好ましい。従って、帯電ローラ2の配置位置が画像形成プロセスにおける最上流であり、画像形成プロセスにより感光体1が1周回転した際に、次の画像形成プロセスの最上流となる。即ち、帯電ローラ2の配置位置が最も上流であり、この最上流の位置から感光体1の回転方向に1周回転した位置の直前が最も下流である。
【0023】
図2は本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
クリーニング手段がクリーニングブラシ8、クリーニングブレード9、不織布ローラ10の3部材の構成となっている。
不織布ローラ10は、クリーニング手段の最終位置で且つ滑剤塗布ブラシ11の直前に配置されている。図2に示す画像形成装置の例において、不織布はローラ形態で感光体1に当接している。不織布がローラ形態である場合、不織布の感光体との接触可能な面積を板状形態よりも大きくすることが出来るため、そのクリーニング性能や耐久性能を向上させることが出来る。
不織布ローラ10は、φ5〜30mmの円柱状金属のシャフトの外周面を1〜30mm厚みの不織布で被覆したものが、感光体への押圧力やニップを調整することが容易になり、好適である。
【0024】
図3は本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
クリーニング手段はクリーニングブラシ8、クリーニングブレード9、不織布ベルト10の3部材による構成となっている。また、図3に示す画像形成装置の構成では、クリーニング手段を補助する目的で、PCLランプによりクリーニング前露光を行う。
不織布ベルト10は、クリーニング手段の最終位置で且つ滑剤塗布ローラ11の直前に配置されている。不織布ベルト10の構成では感光体1と接触させることが出来る面積が拡大でき、図2のローラ形態よりもクリーニング性能や耐久性能を向上させやすい。
【0025】
図2に示す不織布ローラ及び図3に示す不織布ベルトは回転体であり、その回転方向は感光体1に対して順方向であっても、感光体に対して逆方向であってもかまわないが、順方向の場合は感光体と周速差を設けることが好ましい。
【0026】
図4は本発明に係る画像形成装置の第4の実施の形態における構成を示す断面模式図である。
クリーニング手段はクリーニングブラシ8、クリーニングブレード9、不織布ブラシ10a、不織布ブラシ10bの4部材による構成となっている。
不織布ブラシ10bは、クリーニング手段の最終位置で且つ滑剤供給ローラ11の直前に配置されている。
【0027】
不織布ブラシが2段構成となっている場合、不織布ブラシ10aと不織布ブラシ10bの不織布の繊維材質は異なっていることが好ましい。例えば、感光体の最表層の結着樹脂がポリカーボネート樹脂であるとすると、不織布ブラシ10aにはポリメタクリル酸メチル、羊毛、ナイロンなどのポリカーボネートよりも帯電列が+側の繊維を用い、不織布ブラシ10bにはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、テフロン(登録商標)などのポリカーボネートよりも帯電列が−側の繊維を用いるとよい。このようにすれば残留トナー、残留外添剤の極性が異なっても、良好なクリーニング性能が得られる。
【0028】
〔不織布〕
次に、本発明に係わる不織布について説明する。
本発明に係わる不織布は、繊維シート、ウェブ又はバットであり、繊維が一方向またはランダムに配向してなり、交流、及び/又は融着、及び/又は接着によって繊維間が結合されたものである。なお、本発明においては縮絨(しゅくじゅう)フェルトも不織布としてみなす。
【0029】
不織布は、ポーラス(多孔質)構造であり、通気性・ろ過性・保温性などの基本的な特徴がある。加えてこの不織布は、目的や用途に合わせてこの特徴を引き出して機能を高めたり、多様な原料や製法の組み合わせによって布状・レザー状・綿状・紙状などさまざまな形状にしたり、しなやかなものから強靭なものまでつくることができる物である。つまり、必要に応じて機能と形状を自由自在に設計できることが最大の特徴である。
本発明においては、不織布の繊維の配列がランダムであることが、様々な繊維方向でトナーや外添剤を清掃することに効果を発揮している。
【0030】
本発明に係わる不織布に用いられる繊維材料としては綿、羊毛、麻、ケナフ、バンブー、バナナ、パルプ、絹、などの天然繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維などの化学繊維、ガラス繊維などが使用できる。
天然繊維、合成繊維をはじめガラス・金属・セラミックス・パルプ・炭素繊維など、およそ繊維と呼ばれるもののほとんどを原料にすることが可能で、一般的には、ポリエステルなどの合成繊維が多く使用される。
本発明においても、様々な繊維が使用可能である。
【0031】
さらに前述したように、感光体上に残留しているトナーや外添剤の帯電列に対して逆極性の帯電列から繊維を選定することが好ましい。
またさらに、不織布が2段構成となっていて、感光体の最表層の結着樹脂がポリカーボネート樹脂或いはそれに類似した樹脂が用いられる場合、一方の不織布にはポリメタクリル酸メチル、羊毛、ナイロンなどのポリカーボネートよりも帯電列が+側の繊維を用いたり、他方の不織布にはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、テフロン(登録商標)などのポリカーボネートよりも帯電列が−側の繊維を用いたりすることが出来る。このようにすれば残留トナー、残留外添剤の極性が異なっても、良好なクリーニング性能が得られる。
【0032】
不織布の製造工程には、(1)フリース形成と(2)繊維間結合の2工程がある。まず、フリースとよばれる繊維の集積層を形成し、次に繊維同士を結合させる。
【0033】
・(1)フリース形成
フリース形成には乾式法、湿式法、スパンボンド法の3つの形成方法がある。
乾式法は短繊維(15〜100mm)を、カードと呼ばれる機械やエアレイと呼ばれる空気流で一定方向またはランダムに並べて形成する。
湿式法は紙を作る場合と同じように、ガラス繊維やパルプ原料のようなごく短い繊維(6mm以下)を水中に分散し網状のネット上に漉き上げてフリースを形成する。この方式で形成すると厚さが均一で、目付け(単位面積当たりの質量)を自由に変えることが可能となる。
スパンボンド法は溶かした原料樹脂を直接ノズルの先から溶出・紡糸させ、連続した長い繊維でフリースを形成する方法である。広幅、高速生産などにも対応可能な特徴がある。
【0034】
・(2)繊維間結合
繊維間結合にはケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法の4つの方法がある。
ケミカルボンド法はエマルジョン系の接着樹脂を含浸あるいはスプレー等の方法でフリースに付着させ、加熱・乾燥させて繊維の交点を接着する方法であり、柔軟性とドレープ性に富む特徴がある。
サーマルボンド法は低融点の熱融着繊維を混合したフリースを、熱ロールの間を通して熱圧着する、または熱風を当て繊維同士を接着させる方法であり、接着剤を使用しないため、繊維の特徴が結合後も維持されやすい特徴がある。
ニードルパンチ法はフリースを、高速で上下するニードル(針)で繰り返し突き刺し、ニードルに刻まれたバーブという突起により繊維を絡ませる方法であり、バルク性に富み繊維間の剥離がない特徴がある。
水流絡合法はフリースに高圧の水流を柱状に噴射して繊維を絡ませる方法であり、柔軟でドレープ性に富み、毛羽立ちしない特徴がある。
【0035】
本発明においては、不織布の厚さの均一性、繊維単体の特徴が活かせることから、フリース形成には湿式法、繊維間結合にはサーマルボンド法が適している。
【0036】
本発明に係わる不織布に用いられる繊維の繊度は、以下の手順で求められる。
先ず、繊維フリースの任意部位10箇所からサンプリングした試験片の切断面が観察できるように蒸着して、走査型電子顕微鏡にて繊維軸を横切る方向にほぼ直角に切断されている任意の繊維10本について写真撮影する。次いで、各繊維の断面から直径を求め、それらの値を平均して繊維の直径を算出する。この直径と繊維の固形密度を用いて長さ10000mでの重量を算出し、繊度(dtex:デシテックス)を求めことが出来る。
【0037】
繊度は0.1〜20dtex(比重1.1g/cmの繊維の場合で繊維径3〜50μm)が好適である。繊度が0.1dtex未満では繊維の耐久性が低く、繰り返し使用によって不織布の摩耗が進行しやすく、不織布自身が発塵し画像形成装置にとって好ましくない。また、繊度が20dtexを超えると残留トナーや特にトナーに外添している10nm程度のシリカ等の外添剤の清掃性が低下し、本発明の効果が低くなる。
【0038】
図5を参照して、クリーニング部材としての不織布ローラ10について、より具体的に説明する。
図5(a)は不織布ローラ10の平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すIIb−IIb断面線における不織布ローラ10の拡大断面図である。
【0039】
図5(a)に示すように、不織布ローラ10は、芯材110と、その芯材110を被覆する被覆層120とによって構成されている。また、この被覆層120は、図5(b)に示すように、被覆層120の表面を構成する表面層120aと、その表面層120aと芯材110との間に形成されている下地層120bとによって構成されている。
尚、表面層120aと下地層120bとの間、および、芯材110と下地層120bとの間には、図示しない接着層が備えられている。また、芯材110は円柱状金属シャフトである。
【0040】
表面層120aは、感光体1の表面に接触し、感光体1の表面に付着している残留トナーや、トナーの流動性及び帯電性を制御する外添剤や、紙粉等の微粒子を掻き取り、捕獲するものであり、上述した不織布よって構成されている。
【0041】
また、表面層120aは、シート状の織布を下地層120bに巻回して構成されているので、表面層120aの表面には継ぎ目T1が形成されている。
継ぎ目が感光体に対して同時に当接されることが問題である場合は、不織布の裁断を細長い形態として、下地層120bにらせん状に巻いて、継ぎ目もらせん状になるように形成することも出来る。図5に示す例では、継ぎ目T1は直線状に形成されている。
【0042】
下地層120bは必要に応じ形成される物で、下地層の目的は、感光体に対する押圧力、ニップ、食い込み量などの調整が必要な場合に形成される。
図5に示す例では、下地層はクッション層として作用し、柔軟性を有するウレタン製である。具体的には、ポリイソシアネートとポリオール(ポリエーテル型またはポリエステル型のポリオール)とを反応させ、重合体生成反応と発泡反応とを同時に開始させたものであり、ポリエーテル系とポリエステル系とのいずれをも使用することができる。
尚、ポリイソシアネート、ポリオールとしては、その種類には特に制限されない。例えば、ポリイソシアネートとしては、TDI(トルエンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート)、TDIとMDIとの混合物等を使用できる。ポリオールとしては、アルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール、カルボン酸とグリコール等を重縮合して得られたポリエステルポリオール、開環重合により得られる付加重合型ポリエステルポリオール等を使用できる。
【0043】
〔金属石鹸〕
次に金属石鹸を含む滑剤を供給する工程について説明する。
本発明に係る画像形成方法では、滑剤塗布工程を備えている。図1に示すように、滑剤塗布ブラシ11は、感光体1と滑剤12に同時に接触してなり、感光体1回転時には感光体1と逆回転もしくは周速差をもって順方向に回転する。このようにすると、滑剤塗布ブラシ11によって滑剤12は掻き取られ、滑剤塗布ブラシ11上に保持され、次いで感光体1に滑剤12が供給される。滑剤12は、滑剤塗布ブラシ11に対して均一に、且つ、繰り返し使用によっても同じ圧力で当接されるべきものであるので、図1には記していないが、滑剤12には滑剤塗布ブラシ11と対向する側に板バネなどの押圧機構を有することが好ましい。
【0044】
本発明に係わる金属石鹸は、脂肪酸とアルカリ金属以外の金属との金属塩を指す。金属石鹸の性質は、構成する脂肪酸と金属の両者で決まり、脂肪酸分子間の疎水結合に関連する物性と金属間結合に関連する物性と化学的性質を併せ持っている。
本発明における金属石鹸の目的は、感光体への被覆による保護と感光体表面の低表面エネルギー化による離型性向上であるから、金属石鹸の脂肪酸の炭素数はC18以上の長鎖の物が好適であり、また、金属についてはBa、Al、Zn等の接触角が高い金属塩が好ましい。
【0045】
滑剤の塗布工程は以上の構成を採っているので、滑剤塗布ブラシは常時同じ状態であることが好ましい。即ち、滑剤の塗布領域(滑剤塗布ブラシ)に清掃しきれないトナーやトナー外添剤が混入することは、金属石鹸の掻き取り力や塗布能力に影響を与えるため、不織布が滑剤塗布ブラシの直前に存在する構成が特に有効である。
【0046】
本発明においては感光体、トナー、帯電用部材(帯電手段)、現像部材(現像手段)、転写部材(転写手段)、不織布以外のクリーニング部材(クリーニング手段)、除電部材(除電手段)などは従来から公知の技術が利用できる。
また、上述した画像形成装置は、少なくとも感光体と、該感光体に当接配置されてなる不織布を有するクリーニング部材と、を備えるプロセスカートリッジを、着脱自在に備える構成としてもよい。このプロセスカートリッジは、この他、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、滑剤供給手段、他のクリーニング部材(クリーニングブレード等)から選ばれる1以上をさらに備えても良い。
【0047】
〔トナー〕
次に、本発明に係わるトナーについて説明する。
本発明におけるトナーは、特定の形状と形状の分布を有することが重要であり、平均円形度Eが、0.960以上0.995以下であることが必要である。
平均円形度Eが0.960未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。
また平均円形度Eが0.995を超える場合、完全な球となり、本発明であってもクリーニング性の持続性が極めて難しくなるため、好ましくない。
【0048】
なお形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度Eである。
【0049】
装置は、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度Eとして計測できる。
平均円形度Eの具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。
試料を分散した懸濁液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって試料の平均円形度Eが得られる。
【0050】
本発明におけるトナーの体積平均粒径(Dv)は2μm以上6μm以下が画像上好ましく、本発明ではクリーニング可能なもっとも効果を発揮する領域である。
また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下、好ましくは1.10以上1.25以下である乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れる。とりわけこの分布のトナーをフルカラー複写機などに用いた場合、に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0051】
一般的には、トナーの体積平均粒径(Dv)は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。
また、トナーの体積平均粒径(Dv)が2μmよりも小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる。さらに、トナーの体積平均粒径(Dv)が2μmよりも小さい場合、一成分現像剤では現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
また、これらの現象は微粉の含有率が多いトナーにおいても同様である。
【0052】
逆に、トナーの体積平均粒径(Dv)が6μmよりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。
また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.25よりも大きい場合も同様である。
【0053】
本発明に係わるトナーはポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応および/または架橋反応により形成された粒子からなり、少なくともポリエステル樹脂と着色剤を含有するものである。
ここで、ポリエステル樹脂としては従来において周知慣用のものをそのまま用いることができ、ポリエステル、変性ポリエステル、結晶性ポリエステル等のいずれであっても良く、これらを複数用いても良い。
また、トナーには従来において周知慣用のものを適宜添加することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、磁性粉、無機微粒子、有機微粒子等を内添あるいは外添して用いる。
【0054】
一般にトナーには流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、例えば無機微粒子が用いられる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%である。
【0055】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が好ましく用いられる外添剤として挙げられる。
【0056】
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
【0058】
〔実施例1〕
繊度1dtex、繊維長51mmのナイロン繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け1000g/m、厚さ5mmの不織布を得た。
この不織布を幅10mm、長さ320mmに裁断してクリーニング部材を得た。
得られた不織布クリーニング部材を図1に示す構成の画像形成装置の不織布10として組み込み画像形成装置を得た。
【0059】
〔実施例2〕
繊度1dtex、繊維長51mmのナイロン繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け500g/m、厚さ2.5mmの不織布を得、この不織布を幅10mm、長さ800mmの長帯状に裁断した。
次にφ6mm、40mm長のステンレス製円筒芯材を準備し、この上に両面接着テープを貼った。
最後に、前述の長帯状の不織布をこの円筒芯材の上に隙間無く螺旋状に巻いて不織布ローラを得た。
得られた不織布ローラを図2に示す構成の画像形成装置の不織布ローラ10として組み込み画像形成装置を得た。
【0060】
〔実施例3〕
繊度1dtex、繊維長51mmのナイロン繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け600g/m、厚さ3mmの不織布を得、この不織布を幅320mm、長さ250mmにシート状に裁断した。
このシート状不織布の320mmの2辺を合わせて編みこみにより接合し、幅320、周長250mmの不織布ベルトを得た。
得られた不織布ベルトを図3に示す構成の画像形成装置の不織布ベルト10として組み込み画像形成装置を得た。
【0061】
〔実施例4〕
繊度0.05dtex、繊維長51mmのナイロン繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け500g/m、厚さ2.5mmの不織布を得、この不織布を幅10mm、長さ800mmの長帯状に裁断した。
次にφ6mm、40mm長のステンレス製円筒芯材を準備し、この上に両面接着テープを貼った。
最後に、前述の長帯状の不織布をこの円筒芯材の上に隙間無く螺旋状に巻いて不織布ローラを得た。
得られた不織布ローラを図2に示す構成の画像形成装置の不織布ローラ10として組み込み画像形成装置を得た。
【0062】
〔実施例5〕
繊度を0.1dtexに変更した以外は実施例4と同様にして、図2に示す構成の画像形成装置を得た。
【0063】
〔実施例6〕
繊度を5dtexに変更した以外は実施例4と同様にして、図2に示す構成の画像形成装置を得た。
【0064】
〔実施例7〕
繊度を20dtexに変更した以外は実施例4と同様にして、図2に示す構成の画像形成装置を得た。
【0065】
〔実施例8〕
繊維材質をナイロンからポリエステルに変えた以外は実施例2と同様にして図2に示す構成の画像形成装置を得た。
【0066】
〔実施例9〕
繊度1dtex、繊維長51mmのナイロン繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け500g/m、厚さ2.5mmの不織布を得、この不織布を幅10mm、長さ800mmの長帯状に裁断した。
次にφ6mm、40mm長のステンレス製円筒芯材を準備し、この上に両面接着テープを貼った。
最後に、前述の長帯状の不織布をこの円筒芯材の上に隙間無く螺旋状に巻いてナイロン繊維の不織布ローラを得た。
更に、繊度1dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維を湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け500g/m、厚さ2.5mmの不織布を得、この不織布を幅10mm、長さ800mmの長帯状に裁断した。
次にφ6mm、40mm長のステンレス製円筒芯材を準備し、この上に両面接着テープを貼った。
最後に、前述の長帯状の不織布をこの円筒芯材の上に隙間無く螺旋状に巻いてポリエステル繊維の不織布ローラを得た。
得られた不織布ローラを図4に示す構成の画像形成装置の不織布ローラ10aとしてナイロン繊維の不織布ローラ、不織布ローラ10bとしてポリエステル繊維の不織布ローラをそれぞれ組み込み図4に示す構成の画像形成装置を得た。
【0067】
〔実施例10〕
繊度1dtex、繊維長51mmのナイロン繊維50%と、繊度1dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維50%と、を混合・湿式法によりフリース形成し、次にサーマルボンド法で繊維間結合を行い、目付け500g/m、厚さ2.5mmの不織布を得た。さらに、この不織布を幅10mm、長さ800mmの長帯状に裁断した。
次にφ6mm、40mm長のステンレス製円筒芯材を準備し、この上に両面接着テープを貼った。
最後に、前述の長帯状の不織布をこの円筒芯材の上に隙間無く螺旋状に巻いてナイロン/ポリエステル繊維からなる不織布ローラを得た。
得られた不織布ローラを図2に示す構成の画像形成装置の不織布ローラ10として組み込み画像形成装置を得た。
【0068】
〔実施例11〕
実施例10のナイロン繊維を繊度約10の羊毛に、ポリエステル繊維を繊度5、繊維長5.1mmの塩化ビニルに変え、目付け量320g/m.厚さ3mmに変えた他は実施例10と同様にして図2に示す構成の画像形成装置をえた。
【0069】
〔比較例1〕
不織布ローラ10を組み込まない以外は実施例2と全く同様にして画像形成装置を得た。
【0070】
〔比較例2〕
実施例2の8クリーニングブラシと不織布ローラ10を入れ替えて取り付け、クリーニング工程の最初に不織布ローラ、最後にクリーニングブラシが配置された画像形成装置を得た。
【0071】
実施例および比較例で作成した画像形成装置の構成を表1に整理する。
【0072】
【表1】

【0073】
<実施例1〜7及び比較例1,2に用いられるトナーの作製>
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、110nmであった。
[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
【0074】
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。
これを[水相1]とする。
【0075】
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[低分子ポリエステル1]を得た。
[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
【0076】
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応させて[中間体ポリエステル1]を得た。
[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させ、[プレポリマー1]を得た。
[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0077】
(ケチミンの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
【0078】
(マスターバッチ(MB)の合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
【0079】
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。
次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0080】
(乳化→脱溶剤)
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
【0081】
(洗浄→乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
1:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
2:1の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
3:2の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
4:3の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
その後、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン1部をヘンシェルミキサーにて混合して[ポリエステル重合トナー]を得た。
【0082】
<実施例8〜11に用いられるトナーの作製>
実施例1〜7に用いられるトナーから、有機微粒子エマルション合成工程において、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を35部に変更し、更に、乳化→脱溶剤工程のTKホモミキサーの回転数13,000rpmから15,000回転に変更した以外は同様にして[ポリエステル重合トナー]を得た。
【0083】
以上の様にして得られた画像形成装置及びトナーを用いて複写試験を行った。試験モードは図6に示す画像を原稿として、矢印の方向に作像し感光体の長手方向手前側から奥側へ3段階で画像濃度が異なる加速劣化試験とし、1000枚のプリント試験を行った。
上述の実施例、比較例で記した以外の構成および試験条件は以下のようにした。
【0084】
(画像形成装置の構成と試験条件)
感光体:アルミニウム支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した有機感光体であり電荷輸送層のバインダーはポリカーボネート
帯電:AC帯電にDCを重畳した接触帯電方式
書き込み:780nmLD
現像:2成分現像方式
実施例1〜7及び比較例1,2で使用したトナー:ポリエステル重合トナー、体積平均粒径(Dv)4.7μm、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.15 平均円形度0.994、平均粒径20nmのシリカと長径が10nmの針状酸化チタンとを外添
実施例8〜11で使用したトナー:ポリエステル重合トナー、体積平均粒径(Dv)3.8μm、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.20 平均円形度0.989、平均粒径20nmのシリカと長径が10nmの針状酸化チタンとを外添
転写:ポリイミド製中間転写ベルト方式
クリーニングブラシがある場合:ポリエステル製ブラシ
クリーニングブラシ:ウレタンゴムブレード
滑剤塗布:ポリエステルブラシ
滑剤:ステアリン酸亜鉛8×8×320mmブロック形状
除電:波長660nmLED
システム線速:400mm/sec
プリント画像:A4サイズの図6画像パターン
プリント枚数:1000枚
プリント環境:15℃30%
【0085】
以上のプリント試験の評価は次のようにした。
虫食い転写:1000枚後に通常の文字画像をプリントし、文字の中抜けが発生しているか。
クリーニング性:1000枚のプリント試験後に画像形成装置から感光体を取り出して、クリーニング工程以降の部分の感光体上を観察し、クリーニング不良が発生しているか。
滑剤消費状況:1000枚のプリント試験後に滑剤を取り出し、その消費量(残存する滑剤厚み)にプリント画像濃度差に起因する長手方向で偏りがあるか。なお、やや偏りがあるという程度であれば実使用に耐えうるレベルである。
感光体偏摩耗:1000枚のプリント試験後に感光体を取り出し、感光層の摩耗(残存膜厚)に長手方向でプリント画像濃度差に起因する偏りがあるか。
【0086】
以上の評価結果を下記表2に記す
【0087】
【表2】

以上より明らかなように、本発明による実施例1〜11の画像形成装置は低温環境で、かつ画像濃度に著しい差が連続して与えられる過酷なクリーニング条件であっても、安定したクリーニング品質が保てるので、次工程の滑剤供給が安定し、そのため虫食い転写画像、クリーニング不良などの発生が起こりにくく良好な画像を示すものであることが分かる。画像濃度差に起因する滑剤の消費偏りや感光体の偏磨耗は抑制されるので、長期に渡った信頼性が確保できるものである。
また、不織布の繊度は0.1〜5dtexが良好であり、0.1〜20dtexの範囲が更に良好であることが判った。
更に、不織布の配置はクリーニング工程の最終位置で、滑剤塗布の直前に配置することが好ましく、クリーニングブラシ、クリーニングブレード、クリーニング不織布の順にクリーニング強度が次第にあがる様に配置することがクリーニング性、滑剤塗布をより安定させる方法であることが判る。
【符号の説明】
【0088】
1 感光体
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 書き込み光
4 現像ローラ(現像手段)
5 転写ローラ(転写手段の一部)
6 中間転写体(転写手段の一部)
7 PCLランプ
9 クリーニングブレード(クリーニング手段の一部)
10 不織布(クリーニング手段の一部)
11 滑剤塗布ブラシ(滑剤塗布手段)
12 滑剤
13 QLランプ(除電手段)
110 芯材
120 被覆層
120a 表面層
120b 下地層
T1 継ぎ目
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開平1−170951号公報
【特許文献2】特開2000−162881号公報
【特許文献3】特許第2859646号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の回転方向に回転する感光体と、
該感光体を帯電させる帯電手段と、
前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を前記感光体から転写材に転写する転写手段と、
該転写手段により前記トナー像が前記感光体に転写された後の当該感光体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング手段と、
前記感光体表面に金属石鹸を含有する滑剤を供給する滑剤供給手段と、を備え、
前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、
前記クリーニング手段は、複数のクリーニング部材を具備し、
前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布を有し、
該不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体に当接配置されてなり、
前記滑剤供給手段は、前記感光体の所定の回転方向に対して前記不織布より下流に配置されてなることを特徴とする画像形成装置。
但し、前記感光体の所定の回転方向において、前記帯電手段の配置位置が最も上流であり、当該感光体が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。
【請求項2】
前記不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も下流に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不織布は、繊度が0.1以上5以下dtexであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記不織布は、円柱状金属シャフトの外周面を不織布で覆った不織布ローラ部材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記不織布は、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がマイナス側にある繊維が主成分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記不織布は、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がプラス側にある繊維が主成分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数のクリーニング部材のうち2つのクリーニング部材は、いずれも不織布を有し前記感光体に当接配置されてなり、
一方が有する不織布は、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がプラス側である繊維が主成分であり、
他方が有する不織布は、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がマイナス側にある繊維が主成分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記不織布は、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がプラス側である繊維と、前記感光体表層を構成する樹脂との摩擦帯電列がマイナス側にある繊維と、の2種を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置に対して着脱自在に備えられるプロセスカートリッジであって、
少なくとも感光体と、前記感光体に当接配置されてなる不織布を有するクリーニング部材と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
所定の回転方向に回転する感光体を帯電させる帯電工程と、
前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を前記感光体から転写材に転写する転写工程と、
該転写工程により前記トナー像が前記感光体に転写された後の当該感光体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング工程と、
前記感光体表面に金属石鹸を含有する滑剤を供給する滑剤供給工程と、を備え、
前記トナーは、ポリエステル樹脂のプレポリマーを含むトナー組成物を溶解した有機溶媒の油滴を水系媒体中に分散させ、伸長反応及び/または架橋反応により形成されてなり、ポリエステル樹脂と、着色剤と、を含有し、且つ、平均円形度Eが0.960以上0.995以下、体積平均粒径が2μm以上6μm以下であり、
前記クリーニング工程は、複数のクリーニング部材で前記感光体上に残留したトナーをクリーニングし、
前記複数のクリーニング部材の中の少なくとも1は、不織布を有し、
該不織布は、前記複数のクリーニング部材の中で前記感光体の所定の回転方向に対して最も上流に配置されず、且つ、前記感光体に当接配置されてなり、
前記滑剤供給工程は、前記感光体の所定の回転方向に対して前記不織布より下流に配置されてなることを特徴とする画像形成方法。
但し、前記感光体の所定の回転方向において、前記帯電手段の配置位置が最も上流であり、当該感光体が最も上流から1周分回転する直前の位置が最も下流である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−20013(P2013−20013A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152077(P2011−152077)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】