説明

画像形成装置の入力表示装置

【課題】 傾きを検知可能な入力表示パネルと画像形成装置との接続、分離時に入力表示パネルへの表示を状況に合わせて変更することで、操作性向上を高めるようにする。また、入力表示パネルと画像形成装置の接続時にそれぞれが扱うデータを利用させることにより、画像形成装置使用時の操作性を高めるようにする。
【解決手段】 本体1000と入力表示制御内容を相互に通信する通信手段と、記憶手段と記憶手段に予め記憶されたプログラムに応じて入力表示を制御する入力表示手段を有する入力表示パネル3000であり、本体1000への入力表示パネル3000の着脱状態を検知する着脱検知手段を有し、入力表示パネル3000が本体1000に装着された事を検知手段で検知した場合、検知した入力表示装置の操作表示方向に応じて外部装置の制御を前記入力表示手段で行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の入力表示装置、制御方法、及び、プログラムに関するもので、特に画像形成装置から分離して使用できる入力表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置には、画像形成装置(以下、本体)と一体となった入力表示パネルが接続されているのが一般的であった。また、入力表示パネル3000では本体がエラー修復や調整を必要とする際にその手順を表示可能であった。
【0003】
また、本体にフィニッシャー等各種排紙処理が装備された大型機ではこの入力表示パネルを本体から着脱にする事で、操作箇所で表示された操作手順を見る事も可能である
また、近年3次元加速度センサーを備えた小型のコンピュータでは、装置の傾きを検知して画面の表示を縦方向と横方向に切り替える機能を備えている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力表示パネルを着脱な画像形成装置では、操作者が入力表示パネル見ながら設定を行うことができるが、あくまで入力表示パネルが本体から脱着できるだけであり更なる操作性の向上という課題がある。
【0006】
また、着脱可能な入力表示パネルでは、本体との接続、分離のタイミングがわかりにくく、使用しにくいという課題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、傾きを検知可能な入力表示パネルと画像形成装置の接続を行いやすくすること、入力表示パネルと画像形成装置の接続時にそれぞれが扱うデータの操作性をより高めた画像形成装置の入力表示パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成する為、
外部装置と入力表示制御内容を相互に通信する通信手段と、記憶手段と記憶手段に予め記憶されたプログラムに応じて入力表示を制御する入力表示手段を有する入力表示装置であって、
外部装置への前記入力表示装置の着脱状態を検知する着脱検知手段を有し、
入力表示装置が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、検知した入力表示装置の操作表示方向に応じて外部装置の制御を前記入力表示手段で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、傾きセンサーを備えた入力表示パネルによる画像形成装置の操作性を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【図2】本体、ホームポジション、入力表示パネルの制御構成を示すブロック図である。
【図3】入力表示パネルの処理の概略を示すブロック図である。
【図4】入力表示パネルの処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS301の入力検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS402のタッチパネル検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図4のステップS302の表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】入力表示パネルの表示レイアウトを示す図である。
【図9】図4のステップS303の本体検出、通信管理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図4のステップS304の本体情報管理処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】入力表示パネルと本体とデータ処理を示すシーケンス図である。
【図12】入力表示パネルの画面フローを示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS1201の起動フローの詳細を示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS1308のメイン画面を示す図である。
【図15】コピー画面を示す図である。
【図16】送信画面を示す図である。
【図17】送信機能の宛先指定画面を示す図である。
【図18】ボックス画面を示す図である。
【図19】ボックス画面を示す図である。
【図20】図12のステップS1203の終了フローの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0012】
本実施例では、画像形成装置(画像処理装置)を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
[実施例]
≪概略図≫
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【0014】
本実施例の画像形成装置(画像処理装置)は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷・製本要求に応えるものである。
【0015】
図1記載の画像形成装置(画像処理装置)は、画像形成装置本体(以下、本体)1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャー7000を組み合わせた例を示している。
【0016】
本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000と接続されている。パーソナルコンピュータ9000では、一つ一つのページの作成・編集から、製本、裁断、折加工などの設定といった、印刷ジョブの生成が行われる。生成された印刷ジョブは、LAN8000を介して、本体1000に送られる。
【0017】
また、図1では、本発明の特徴である着脱可能な入力表示パネル3000が、本体1000上に実装されたホームポジション2000に装着されている様子を示している。
【0018】
着脱可能な入力表示パネル3000は、ホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000から供給される電力により充電されるように構成されている。
【0019】
なお、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャー7000などのオプションは、本発明に直接関係がないので、詳細な説明は割愛する。
【0020】
≪ブロック図≫
図2は、本体1000、ホームポジション2000、入力表示パネル3000の制御構成を示すブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、入力表示パネル3000のそれぞれを構成するモジュールについて説明する。
【0021】
まず、本体1000について説明する。
【0022】
図2に示すように、本体1000は、主に、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500から構成される。それぞれのデバイスは、電源モジュール1500によって供給される電力によって動作する。
【0023】
コントローラボード1100は、CPU1101、FLASH ROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。デバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介して接続されている。
【0024】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、FLASH ROM1102及びHDD1400に記憶された、制御プログラムとしてのファームウェアモジュールを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして機能する。
【0025】
NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や、他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、ファームウェアモジュールを格納するだけでなく、画像の一時記憶場所としても使用される。
【0026】
本体1000に組み付けられたスキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100上に実装されたSIF1108及びスキャナ1300上に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるファームウェアモジュールに基づいて制御される。その結果として、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0027】
本体1000に内蔵されたプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200上に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるファームウェアモジュールに基づいて制御される。その結果として、用紙上に印刷要求に応じた画像を形成する。
【0028】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、本発明の特徴である着脱可能な入力表示パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0029】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0030】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200から構成される。
【0031】
ホームポジション2000を構成するメインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、信号・電源コントローラ2103から構成される。
【0032】
IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、入力表示パネル3000との無線通信を仲介する。
【0033】
また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、入力表示パネル3000との赤外線通信を仲介する。
【0034】
信号・電源コントローラ2103は、コントローラボード1100、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103経由で電力の供給を受ける。また、信号・電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、入力表示パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、入力表示パネルにも電力を供給する。加えて、信号・電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000と入力表示パネル3000とが装着状態にあるか否かを検出し、コントローラボード1100に伝達する。また、信号線を介してコントローラボード1100との通信を行う。
【0035】
≪入力表示パネル≫
次に、入力表示パネル3000について説明する。
【0036】
図2に示すように、着脱可能な入力表示パネル3000は、主にメインボード3100、LCD3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500から構成される。
【0037】
メインボード3100は、主にCPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、信号・電源コントローラ3104、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、FLASH ROM3107、RAM3108から構成される。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。
【0038】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、FLASH ROM3107に記憶された、制御プログラムとしてのファームウェアモジュールを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、および、LCD3200に表示するビデオイメージ用エリアとして機能する。
【0039】
《3次元センサー》
CPU3101は3次元加速度センサー3111と3次元ジャイロセンサー3112を用いて入力表示パネル3000の姿勢及び動きを認識する事が出来る。3次元加速度センサー3111、は半導体のチップ内に可動部分があり、外から加わる加速度によって、可動部分のフィンが移動し、非可動部分のフィンとの間隔が変化して、静電容量が変化する。又、3次元ジャイロセンサー3112はコリオリの力を利用した方式の半導体素子である。
【0040】
両者センサーの出力を、重力の影響を考慮した上で信号処理することで、例えば入力表示パネル3000が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、更には前後、左右、上下の3次元的なその動きと位置を精度良く検出する。
【0041】
尚、3次元加速度センサー3111には他にピエゾ抵抗型や熱検知型等が公知であるが、本発明はこれら公知の全ての方式を用いて実施できる。又、電源投入時入力表示パネル3000がホームポジション2000等で立面に置かれた場合には、先に説明した3次元加速度センサー3111及び3次元ジャイロセンサー3112に頼らず、3軸傾きセンサー3113によって、縦置きか横置きかは認識出来る。
【0042】
これら各種のセンサーを用いて装置の方向及び姿勢を検知する技術は公知であり、本発明ではこれらの技術全てが入力表示パネル3000に搭載可能な為、更なる詳細な説明は省く。
【0043】
ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオイメージをLCD3200へ転送するとともに、LCD3200を制御する。結果として、LCD3200上にイメージが表示される。
【0044】
パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じて、タッチパネル3300およびボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたキーコードなどが、CPU3101に返送される。
【0045】
メモリコントローラ3114は、CPU3101の制御によって、外部メモリ用コネクタ3115を介してSDメモリなどの外部メモリ3116にアクセスする。外部メモリ3116内部のデータを読み出して、DISPC3105を介してLCDにデータ表示できる。また、CPU3101、IEEE802.11b3102を介して、本体1000との間でデータの送受信を行う。
【0046】
信号・電源コントローラ3104は、コネクタ3500と接続され、ホームポジション2000のコネクタ2200が接触状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された充電池(不図示)を充電しながら、且つ、入力表示パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、充電池からの電力を入力表示パネル3000全体に供給する。
【0047】
また、同時にコネクタ3500を介して信号線が接続されており、本体1000との通信を行う。
【0048】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0049】
irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0050】
≪無線通信≫
ここで、本実施例におけるメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0051】
図2の説明で少し触れたように、本実施例では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく書くと、本実施例のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、入力表示パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0052】
電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、入力表示パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちのひとつを選択できるように構成されている。
【0053】
アソシエーションによって通信相手が確立した後、本実施例の入力表示パネル3000は、画面転送方式のシンクライアントとして動作する。すなわち、実処理やビデオイメージ生成のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。出来上がったビデオイメージは、予め定められたプロトコルで、本体1000から入力表示パネル3000に無線で送られる。ビデオイメージを受け取った入力表示パネル3000のCPU3101は、送られてきたビデオイメージをRAM3108に展開しながら、DISPC3105制御してLCD3200上にビデオイメージを表示させる。
【0054】
一方、入力表示パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報も、予め定められたプロトコルで、入力表示パネル3000から本体1000に無線で送られる。操作に関連する情報は、例えばタッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたキーコードなどに当たる。操作に関連する情報を受け取った本体1000のCPU1101は、送られてきた情報に基づいて個々の動作を制御する。必要に応じてビデオイメージを更新し、先に説明したようにビデオイメージを入力表示パネル3000に送る。
【0055】
以上のように、本実施例のシステムは、本体1000と入力表示パネル3000とが無線通信可能なシステムである。
【0056】
《入力表示パネル処理概略ブロック図》
図3は、入力表示パネル3000の処理の概略を示すブロック図である。
【0057】
入力表示内のプログラムは主にS300からS304により構成される。
【0058】
S300は、プログラム全体を制御する制御部である。電源起動後にFLASH ROM3107に記憶された制御プログラムとしてのファームウェアモジュールを実行する。その後、S301からS304の各処理に応じて制御プログラムの実行、処理を制御する。
【0059】
S301は、入力検出処理であり、入力表示パネルの傾き検出、タッチパネルの入力検出、キーの入力を検出する。詳細を図4、図5を用いて説明する。
【0060】
S302は、表示制御処理でありLCD3200の表示制御を行う。また、S301の入力検出ルーチンで検出された結果や、本体との通信情報に基づいて入力表示パネルの表示を制御する。
【0061】
S303は、本体検出・通信管理処理であり、本体1000の検出と通信開始処理、通信開始後の確認処理などを行う。
【0062】
S304は、本体情報管理処理であり、本体1000に冠する装置情報、実行ジョブの制御情報、画面情報を制御する処理である。本体1000との通信中には、逐次情報を更新し、本体1000との通信が切れた場合にも、これらの情報をもとに入力表示パネル3000の処理を継続することができる。
【0063】
《入力表示パネルフローチャート》
図4は入力表示パネル3000の処理を示すフローチャートである。
【0064】
入力表示パネル3000の電源入力後、CPU3101はFLASHROM3107に格納されたファームウェアモジュールを実行して起動し、図4のフローに移行する。図4のS301からS304は図3のS301からS304に該当する。
【0065】
S301は入力検出ルーチンであり、入力表示パネルの傾きの検出、タッチパネルの入力検出、キーの入力を検出する。
【0066】
S302は表示制御ルーチンであり、FLASH ROM3107に格納されるプログラム処理や本体1000から送付される表示画面データに基づいてLCD3200の表示制御を行う。
【0067】
S303は本体検出・通信管理処理であり、本体1000の接続を検知し、接続後には通信管理を行い、入力表示装置3000と本体1000間の通信を行う。
【0068】
S304は、本体情報管理処理であり、本体1000の情報を管理する。
【0069】
接続される装置の装置情報や、ジョブの実行、実行状況を指示、把握するジョブ制御、さらに画面データの制御を行う。本体1000との通信中は逐次情報を更新し、本体1000との通信が切れた場合にも、最新の情報をもとに、入力表示パネル3000の制御を行う。
【0070】
《入力検出》
図5は図4ステップS301の入力検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【0071】
S501は入力表示パネル3000の傾き検出、動き検出を行う。CPU3101は3次元加速度センサー3111、3次元ジャイロセンサー、3軸傾きセンサー3113の検知データを用いて、入力表示パネルが立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、さらに前後、左右、上下の3次元的な動きと位置を精度良く検出する。
【0072】
S502はTTP検出ルーチンであり、タッチパネル3300の入力を検出する。タッチパネル3300に対する1点入力から多点の同時入力、各入力点の移動を検出することができる。
【0073】
S503はボタン検出ルーチンであり、入力表示パネル3000に備えるボタンデバイス3400が押下されたかを検出する。また、押下された場合には、押下されたボタンに応じたコードをPANELC3106を介してCPU3101に通知する。
【0074】
S504はデバイス検出ルーチンであり、入力表示パネル3000が備える外部メモリ用コネクタ33115へのメモリ装着を検出する。メモリコントローラ3114を介してメモリへのデータの書き込み、読み出しを行うことができる。
【0075】
《タッチパネル検出フロー》
図6は図5ステップS502のタッチパネル検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【0076】
まず、S601において、タッチパネル3300が押下されたかを検出する。S601において、タッチパネル3300に対する入力が検出された場合、S602のジェスチャー検出に処理を進める。
【0077】
ステップS602のジェスチャー検出は、タッチパネル3300への入力操作から処理内容を検出するものであり、下記のような処理として検出する。
【0078】
・1点を触った場合・・・選択、実行
・1点を触ったまま動かした場合・・・移動
・2点を触ったまま、2点間の距離を短くした場合・・・縮小
・2点を触ったまま、2点間の距離を大きくした場合・・・拡大
・2点を触ったまま、回転させた場合・・・回転
上記以外の処理についてもプログラムを変更することにより対応することができる。
【0079】
S602ジェスチャー検出結果に応じて、プログラムを実行し、PANELC3106を制御して、LCD3200に表示するデータの制御を行う。
【0080】
また、S601において、タッチパネル3300の押下が検出されない場合にはNOが選択され、処理を終了する。
【0081】
《表示制御》図面名変更
図7は、図4ステップS302の表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【0082】
図7のS701において、画像表示処理の実行を判断する。
【0083】
画像表示の変更は、入力検出ルーチンS301により操作者による操作が検出された場合、実行中のプログラムの動作による場合がある。
【0084】
操作者による操作の場合、例えば、入力表示パネル3000を90度傾けると傾きにあわせて表示データを回転させる。ただし、傾き変化が少ないと判断した場合には、画像データの変更を行わない。また、LCD3200に表示されたプログラム実行を示すマーク画像(アイコン)以外を触った場合にも無効入力であると判断し処理を行わない。
【0085】
また、実行中のプログラムの動作によるものとしては、例えば本体1000との接続が検知された場合、本体情報が更新された場合がある。
【0086】
S702で表示制御の変更を行う場合には、表示データの変更処理S703を実行する。
【0087】
LCD3105に表示するデータは、FLASH ROM3107に格納されたデータや、本体1000から送付されるデータであり、処理状況に応じて逐次更新される。
【0088】
《表示制御》図面名変更
図8は、入力表示パネル3000のLCD3200に表示される表示データのレイアウトである。図8では入力表示パネル3000にデータのページ全体が表示される。
【0089】
図8では、入力表示パネルの向き(タテ置き、ヨコ置き)と表示ページ向き(たて、ヨコ)の組み合わせで4種類を示す。
【0090】
図8−aは入力表示パネルの向きがタテ、表示ページがタテ向きの組み合わせの場合の表示を示す。
【0091】
図8−bは入力表示パネルの向きがタテ、表示ページがヨコ向きの組み合わせの場合の表示である。
【0092】
入力表示パネルの向きがヨコの場合には図8−cあるいは図8−dとなり、表示ページがタテの場合には、図8−cのように表示され、表示ページがヨコの場合には図8−dのように表示される。
【0093】
表示データがタテである場合、入力表示パネルがタテ向きの場合には、図8−aのように表示される。この状態から入力表示パネルをヨコ向きにすると図8−cのように縮小されてページ全体が表示される。入力表示パネルをタテ向きにすると図8−aの表示に戻る。
【0094】
同様に、表示データがヨコである場合、入力表示パネルが横向きの場合には、図8−dのように、入力表示パネル全体にフィットして表示される。
【0095】
入力表示パネルをタテ向きにすると、そのままの倍率ではページ全体が表示できないため縮小して、図8−bのように表示を行う。
【0096】
《本体検出・通信管理》
図9は図4ステップS303の入力表示パネル3000による本体検出、通信管理を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS901は接続検出処理であり、入力表示パネル3000がデジタル複合機本体1000を検出したかを示す。接続が検出された場合にステップS902に移行する。接続が検出されない場合には処理を終了する。
【0098】
ステップS902は、入力表示パネル3000と本体1000がすでに接続済みであるかの確認を行う。接続済みでない場合には、ステップS903に進む。接続済みである場合には、本体1000との通信確認を行う(ステップS910)。
【0099】
ステップS903は接続手段毎の詳細接続処理への分岐である。入力表示パネル3000と本体1000の接続方法としては、コネクタ3500を介した有線接続S904、irDAモジュール2102を介した赤外線センサーによる接続S905、IEEE802.11bを利用した無線接続S906がある。検出された接続方法による接続を行う。
【0100】
S907は接続時の通信装置の確認である。入力表示パネル3000のFLASH ROM3107のデータを読み出し、すでに登録された本体であるかの確認を行う。
【0101】
S908において、登録確認の結果に応じて登録済みであれば、通信確認を行って終了する(S910)。登録済みでない場合には、操作者に新規登録の確認を行い、登録を行う場合には接続情報をFLASH ROM3107に格納して登録を行う。登録を行わない場合にはそのまま終了する。
【0102】
《本体情報管理、本体通信》
図10、図11を用いて入力表示パネル3000と本体1000間のデータ処理を説明する。
【0103】
図10は、入力表示パネル3000の図4ステップS304の本体情報管理の詳細を示すフローチャートである。
【0104】
図11は入力表示パネル3000と本体1000間のデータ処理を示す。
【0105】
図11のSQ1において、本体1000との接続検知、通信状態を確認する。非接続状態では接続を検知し、接続中には接続が継続しているかの確認を行う。
【0106】
図11のSQ2、図10ステップS1001は本体情報管理であり、本体1000の装置情報を入手、管理する。
【0107】
図11のSQ3、図10のステップS1002はジョブ制御表示であり、本体1000へのジョブ実行の指示、ジョブ実行状況を入手、管理する。
【0108】
ジョブの実行指示の内容とジョブの実行に必要なデータを受信し、応答処理を戻す。本体1000は受信したジョブ指示に従い、ジョブの実行を行う。
【0109】
図11のSQ4、図10ステップS1003は画面情報処理であり、入力表示パネル3000に表示するデータを本体1000から入手する場合に使用する。
【0110】
《表示画面フロー》
これまで説明した構成を用いて、具体的な入力表示パネル3000の画面フローを説明する。
【0111】
図12は、入力表示パネル3000の表示画面のフローを示すフローチャートである。
【0112】
入力表示パネル3000と本体1000の通信が開始され、終了するまでの入力表示パネル3000の画面フローを示す。
【0113】
S1201で、本体1000の操作を示す入力表示パネル3000の画面が起動する。
【0114】
起動画面は、起動時の条件によって変更できるように構成されている。
【0115】
S1202は、画面起動後、操作者によりコピー、データの送信、データの格納などの各種の処理における画面表示を示す。操作者による指示に応じて、入力表示パネル3000に表示する画面データを制御する。本体1000、入力表示パネル3000でのS1203は、操作画面の終了時の画面処理を示す。操作者により画面の終了が指定されたり、入力表示パネル3000の電源がオフされたり、本体1000との通信が切れる場合などがある。
【0116】
《起動フロー》
図13は図12のS1201起動フローの詳細を示すフローチャートである。
【0117】
S1301,S1302では画面の起動条件の確認を行う。
【0118】
S1301で、入力表示パネル3000の本体1000の操作を指定する起動アイコン(マーク)が押下されるとプログラムが実行されS1303へ移行する。起動アイコンが押下されない場合にはS1302へ移る。
【0119】
S1302では、入力表示パネル3000と本体1000との接続が検出された場合にS1303へ移行する。S1302の処理は図9本体検出通信管理処理に相当するものであり、入力表示パネル3000のFLASH ROM3107に登録された装置情報と接続先の情報が一致した場合と装置情報が登録された場合にS1303へ移行する。
【0120】
S1303では、入力表示パネル3000と本体1000の接続が、開始されるのか、すでに開始されており再接続であるかの判断を行う。再接続であれば、図14のS1408で設定される接続モードが解除される(S1304)。再接続でない場合には、S1305へ移行する。
【0121】
S1305では、入力表示パネル3000の情報を入手し、表示する画面情報を判断する。入力表示パネルの向きがタテかヨコかの情報、外部メモリが装着されているかの情報などがある。
【0122】
S1306では、本体1000の情報を入手し、表示する画面情報を判断する。例えば、本体1000のスキャナ1300に原稿がおかれている、手差しトレー(不図示)に紙が置かれているなどがある。
【0123】
S1307ではS1305、S1306から特徴画面を表示する場合にはS1309へ移行し、特徴画面ではなくメイン画面を表示する場合にはメイン画面表示S1308へ移行する。
【0124】
図14に、メイン画面の表示を示した。コピー141、送信142、ボックス143の各処理が表示され、操作者により選択されると各処理に移行する。接続状態表示145は本体1000との接続状態を示す。本体1000との通信中には接続中の文字を表示し、接続が切れると非接続を表示する。終了処理144は処理を終了する場合に使用する。
【0125】
また、特徴画面表示S1309は、図13のS1305、S1306、S1308により特徴画面表示が選択された場合、操作者の画面選定の手間を省くために、メイン画面を表示するのではなく、検出された特徴から画面を表示する。
【0126】
例えば、S1306の本体情報で本体1000のスキャナ1300に原稿がおかれている、あるいは、手差しトレー(不図示)に紙が置かれている情報を入手した場合には、コピー処理を行う画面を表示する。
【0127】
図15は、コピー処理の指定を行う画面である。図14のメイン画面でコピー機能を選択したとき、特徴画面表示で直接、コピー画面を表示する場合に表示される。
【0128】
続いて、図12のS1202各種処理画面の特徴的な処理について説明を行う。特に、本体1000に保存された情報と入力表示パネル3000に保存された情報の両方の使用について説明を行う。
【0129】
図14メイン画面でコピー機能141が選択されると、図15のコピー画面が表示され、コピー処理に関する設定処理、実行処理を指定することができる。画面内のメインキー151は各処理からメイン画面に戻る場合に使用するためのキーである。152は本体1000との通信状態表示であり、通信状態に応じて接続中あるいは非接続が表示される。
【0130】
登録キー(本体)153は本体1000に登録されるショートカットキーであり、登録キー(操作ユニット)14は入力表示パネル3000に登録されるショートカットキーである。良く使用される機能や、複雑な設定を記録しておき、ショートカットキーを押下すると設定をメモリから呼び出すことができる。それぞれのデータは本体1000、入力表示パネル3000内のメモリに保存される。
【0131】
図14のメイン画面で送信機能142が選択されると、図16の送信画面が表示される。スキャナ1300で読み取られる原稿データを任意の宛先に送付する機能である。データの送付先は宛先表検索161キーで選択できる。宛先表検索161が押下されると、図17の宛先表検索画面に移行する。171は本体1000のメモリに格納された宛先表であり、172は入力表示パネル3000に格納された宛先表である。図17に示すように本体1000と入力表示パネル3000のデータの両方から選択することができる。
【0132】
また、図16の登録キー162を押下すると、宛先表を登録する画面に移行し、本体1000と入力表示パネル3000に宛先表を登録することができる。
【0133】
図14のメイン画面でボックス機能143が選択されると、図18のボックス画面が表示される。保存されたデータを活用する機能である。図18は本体1000のHDD1400に格納されたデータの状況を示す画面である。ユーザボックス操作ユニット181キーが押下されると図19の画面に移行する。
【0134】
図19は入力表示パネル3000のメモリに格納されたデータの情報を表示する。FLASH ROM3107に格納された画像データ、外部メモリ3116に格納された画像データが表示される。図19のユーザボックス本体キー191が押下されると図18の画面に戻る。
【0135】
図14メイン画面でボックス機能143が選択されると、
本体1000に保存された情報は本体1000との通信時に使用することができ、また入力表示パネル3000に保存された情報は、本体1000が異なる本体で変わったとしても、入力表示パネル3000を使用する場合には利用することができる。
【0136】
《終了フロー》
図20は、図12の終了フローS1203の詳細を示すフローチャートである。
【0137】
まず、S1401で入力表示パネル3000が、ホームポジション2000からの取り外しが検知された場合には、S1405に移行する。取り外しが検知されない場合にはS1402に進む。
【0138】
次に、S1402において、図14のメイン画面で終了キー144が押下された場合には、S1405に移行する。
【0139】
また、S1403において、入力表示パネル3000の電源がオフされた場合、あるいはS1404において、本体1000と入力表示パネル3000との通信が一定時間途切れた場合に、S1405に移行する。
【0140】
S1405、S1406では、操作者に対して終了処理の確認を表示する。操作者が終了を確認した場合、あるいは、操作者が処理を行わず一定時間経過した場合に終了処理(S1407)を行う。
【0141】
S1403で電源オフされた場合には、入力表示パネル3000の電源をオフする処理を進める。その他の場合には、図12の起動フローS1201が起動する前の画面に戻る、あるいは、入力表示パネルの基本画面に移行する。
【0142】
S1406において操作者により終了処理を行われない場合には、非接続モードS1408へ移行する。非接続モードS1408は、本体1000との通信が切れた状態で入力表示パネルの操作を行うモードである。画面の接続状態(図14の145など)が非接続の表示となる。
【0143】
以上説明したように、本発明によれば、入力表示パネル3000と本体1000との接続、分離のタイミングがわかりやすくなり、入力表示パネル3000を単独で使用する場合、本体1000と通信して使用する場合の両方の操作性を向上させることができる。また、傾きを検知可能な入力表示パネル3000と本体1000の接続時にそれぞれが扱うデータの両方を使用することができるようになり、操作性をより高めることができる。
【符号の説明】
【0144】
1000 画像形成装置本体
3000 入力表示パネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と入力表示制御内容を相互に通信する通信手段(3102、3103、3104)と、記憶手段(3107)と記憶手段に予め記憶されたプログラムに応じて入力表示を制御する入力表示手段(3105、3200)を有する入力表示装置(3000)であって、
外部装置への前記入力表示装置の着脱状態を検知する着脱検知手段(3500)を有し、前記入力表示装置が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、検知した入力表示装置(3200)の操作表示方向に応じて外部装置の制御を前記入力表示手段(3105,3200)で行うことを特徴とする入力表示装置。
【請求項2】
記憶手段に記憶された情報によって、予め登録された外部装置か否かの登録確認手段(S907)を有し、
登録された外部装置に前記入力表示装置が装着された事を前記検知手段で検知した場合、外部装置の制御を前記入力表示手段(3105、3200)で行うことを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置(3000)。
【請求項3】
前記入力表示装置(3000)が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、外部装置の初期制御画面を前記入力表示手段(3105、3200)で表示することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項4】
前記入力表示手段が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、前記入力表示を制御して記憶手段(3107、3116)に記憶された情報を外部装置でプリントすることを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項5】
前記入力表示手段が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、前記入力表示を制御して記憶手段(3107、3116)に原稿を読み取った情報を記憶保持することを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項6】
前記入力表示手段が外部装置に装着された事を前記検知手段で検知した場合、前記入力表示を制御して原稿を読み取った情報の伝送を記憶手段(3107)に記憶保持された宛先の中から宛先設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の入力表示装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−155213(P2012−155213A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15598(P2011−15598)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】