説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】ユーザ個々のデータに対応した製本印刷を手軽に行う。
【解決手段】印刷指示命令を送信する情報処理装置とネットワークを介して接続され、複数種類の画像データが予め蓄積された記憶手段と、印刷指示命令に基づいて画像データを印刷する画像印刷手段とを含む画像形成装置であって、情報処理装置によって複数種類の画像データのそれぞれの内容に関連して付加されたタグ情報を受信する受信手段と、タグ情報と複数種類の画像データとを互いに紐付けて保持する保持手段と、を備え、画像印刷手段は、情報処理装置から送信される印刷指示命令と、印刷指示命令と共に送信されるタグ情報とに基づいて、タグ情報に紐付けられた複数種類の画像データを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ等の事務機器の機能を1つの筺体に収めたデジタル複合機(画像形成装置)(以下、MFP(Multi Function Products)という。)に対して、ユーザが任意の画像を蓄積する仕組み、及び当該蓄積された画像を選択して製本印刷を行う仕組みが既に知られている。
【0003】
ここで製本印刷とは、通常の集約印刷(1枚の紙に複数ページの印刷情報を割り付けて印刷する機能)を応用した機能であり、各ページに割り付ける印刷情報の順番を制御することにより、全ページを束ね真ん中で折り畳んだ際に週刊誌形式やミニ本形式で印刷を行う機能である。
【0004】
具体的には、8ページの原稿を週刊誌印刷する場合、1ページ目表側には印刷原稿のページ1とページ8とを、1ページ目裏側にはページ2とページ7とを、2ページ目表側にはページ3とページ6とを、2ページ目裏側にはページ4とページ5とを割り付けて印刷することになる。
【0005】
ところで、特許文献1には、手軽に写真と文書をレイアウトできる製本システムとして、作製者が、製本パターンに従ったレイアウト例を予め作成しておき、固有の識別番号、写真表示位置を表記したシール、及び写真と共に表記される文章が書き込まれる領域を備えた注文用紙を販売し、注文者が当該レイアウト例に従って本の各ページの写真を選択し、写真表示位置に対応するシールを選択された写真の背面等に貼着し、写真と共に表記される文章を創作して当該注文用紙に書き込み、写真と共に製本者に送ることにより、写真と文章のレイアウトを手軽に指定可能な製本システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これまで行われてきたユーザによって蓄積された画像を選択し製本印刷を行う仕組みでは、ユーザが一枚一枚製本印刷に使用したいと希望する画像を選択してから製本印刷を行っていたことから、一人のユーザが複数種類の製本を行いたいときや、複数のユーザがそれぞれ異なる種類の製本を行いたいとき等に非常に手間がかかるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1には、簡単な手続きを行うのみで、注文者が主人公であって、注文者にとって独自の記念本を作成する技術が開示されているが、注文者が、複数種類の記念本を製作したい場合や、注文者が複数存在し、それぞれが異なる記念本を製作したい場合等、複数種類の製本を行いたいときに非常に手間がかかるという問題は依然として解消されていない。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、依頼者個々のデータに対応した製本印刷を手軽に行うことができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像形成装置は、印刷指示命令を送信する情報処理装置とネットワークを介して接続され、複数種類の画像データが予め蓄積された記憶手段と、前記印刷指示命令に基づいて前記画像データを印刷する画像印刷手段とを含む画像形成装置であって、前記情報処理装置によって前記複数種類の画像データのそれぞれの内容に関連して付加されたタグ情報を受信する受信手段と、前記タグ情報と前記複数種類の画像データとを互いに紐付けて保持する保持手段と、を備え、前記画像印刷手段は、前記情報処理装置から送信される前記印刷指示命令と、前記印刷指示命令と共に送信される前記タグ情報とに基づいて、前記タグ情報に紐付けられた前記複数種類の画像データを印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製本対象の画像データに関連するタグ情報を解釈し、製本印刷に反映させる仕組みを画像形成システム内に搭載しているため、製本対象の画像データに関連するタグ情報を印刷コマンドと共にMFPに送信することにより、ユーザ個々の画像データに対応した製本印刷を手軽に行うことができる画像形成装置及び画像形成システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの概略構成について説明するシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置(デジタル複合機)のソフトウェア構成について説明する概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図9】本発明の第6の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図10】本発明の第7の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の(a)ハードディスクドライブ(HDD)に予め蓄積されている画像データファイルの一覧を示す図、(b)画像データファイルに対して人物名(タグ情報)を記載した一覧を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置に対して製本印刷コマンドと共に送信される個人情報ファイルの内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
【0013】
本発明は、画像形成システムを利用するユーザが、MFP内のHDD(Hard Disk Drive)内に予め蓄積されている画像と個人情報との紐付けを行うことにより、製本印刷を行う場合に、蓄積されている画像等の製本に関する情報が格納されたデータファイルを、当該データファイルと関連するタグ情報と紐付けて保存し、製本依頼と共にMFPに送信されるタグ情報に基づいて当該紐付けされたデータファイルを検索することにより、製本印刷を実行することが特徴となっている。この本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
【0014】
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成について説明する概略ブロック図である。図1において、画像データを印刷する印刷手段を有するMFP100は、複数の画像データが格納されているHDD120を内蔵している。
【0015】
一方、MFP100に対して印刷指示コマンドを送信するパーソナルコンピュータ(情報処理装置)PC(Personal Computer)200は、ユーザによって操作され、印刷指示コマンドが送信されると、MFP100の印刷手段を駆動するプためのプリンタドライバ210を内蔵している。
【0016】
そして、PC200とMFP100とは、ネットワーク(NW:Network)300を介して互いに接続されている。なお、このネットワーク(NW)300は、如何なる形態、方式の通信網であっても良いことは勿論のことである。
【0017】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置(MFP)について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るMFPのソフトウェア構成について説明する概略ブロック図である。図2において、MFP100のソフトウェア構成は、ユーザインタフェース層101、コントローラ層102、アプリケーション層103、デバイス層104、及びクロスカット層105で構成されている。
【0018】
ユーザインタフェース層101は、機器外部からの指示を受け付けるために用いられ、通信サーバ106及びローカルユーザインタフェース(UI:User Interface)107とから成り、通信サーバ106は、ネットワーク(NW)300を経由して指示を受け付けるブロックであり、ローカルUI107は、機器に付属されている操作部の操作による指示を受け付けるブロックである。
【0019】
コントローラ層102は、ユーザインタフェース層101からの指示を格納し、ユーザの要求にしたがって適切なアプリケーションの選択を行うために用いられ、パラメータ108、及びアクティビティ109から成る。パラメータ108は、ユーザからの要求を一旦格納するためのブロックであり、アクティビティ109は、パラメータ108に格納された値を元に、適切なアプリケーションを選択するためのブロックである。
【0020】
アプリケーション層103は、ユーザからの指示を実現するための機能群であり、図2には、一例として、入力処理110、加工処理111、出力処理112、保管処理113、及びデータ送受信114が図示されているが、MFP100のユーザによっては、その他の機能が追加される場合もある。アプリケーション層103では、アクティビティ109からの要求を、上記の各処理の組み合わせによって実現するために、各機能ブロック毎の処理が行われる。
【0021】
デバイス層104は、アプリケーション層103の各機能ブロック毎の処理を実際に行うために必要なハードウェアの制御コンポーネント群である。MFP100によっては、ネットワーク(NW)300や電話回線、スキャナ等、接続されているデバイスの制御を行う。デバイス層104は、ユーザの設定情報や印刷により複製された情報を一時的に格納するためのハードディスク等が含まれている。
【0022】
クロスカット層105は、全てのブロック層から共通に使用される機能ブロックである。図2には、一例として履歴116、アクセス制御117、及び課金118が図示されている。例えば、課金118は、課金による制限を受ける全てのブロック層からアクセスされ、課金情報を元に処理を行う。
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図3において、まず、MFP100は、内蔵するHDD120に蓄積されている画像一覧(画像データファイル.xls)を、PC200のユーザにエクスポートする(ステップ(以下、「S」という。)301)。
【0024】
ここで、MFP100に内蔵されているHDD120に蓄積されている画像一覧について図11(a)を用いて説明する。図11(a)は、本発明の実施形態に係るMFP100のHDD120に予め蓄積されている画像データファイルの一覧を示す図である。図11(a)に示すように、HDD120には、複数種類の画像データが予め蓄積されており、各画像データには、タグ(1)から(5)欄が設けられており、ここに、当該画像データに関連する付加情報(タグ情報)を付加することができる。
【0025】
次に、PC200のユーザは、受け取った画像一覧(画像データファイル.xls)に対して、当該画像データに掲載されている人物名を付加情報(タグ情報)としてタグ(1)から(5)欄に記載する(S302)。ここで、画像データのそれぞれに対して人物名が付加される点について図11(b)を用いて説明する。図11(b)は、画像データファイルに対して人物名を付加情報(タグ情報)として記載した一覧を示す図である。
【0026】
図11(b)に示すように、画像データのそれぞれに対して、関連する人物名がタグ(1)から(5)欄に記載される。画像データによっては、関連する人物名(タグ情報)が一人の物もあれば複数人の物も存在する。そして、PC200のユーザは、MFP100に対して当該付加情報(タグ情報)が付加された画像一覧(画像データファイル.xls)を送り返す(S303)。最後に、MFP100は、受信した画像一覧(画像データファイル.xls)を内部管理し保持する(S304)。
【0027】
このように、画像生成システムを利用する場合には、本システムを利用する前準備として、まず始めに、PC200が、HDD120内に予め蓄積されている画像の一覧(図11(a))をデータ送受信114(図1)を通して取得する。続いて、取得した画像一覧において、一枚一枚の画像に掲載されている人物名(タグ情報)を画像データファイルに対して記載し(図11(b))、PC200からMFP100に対して送信する。
【0028】
MFP100は、受け取った画像データファイルを元に情報を更新し、HDD120内に蓄積されている画像と掲載されている人物名(タグ情報)の紐付けを行い、HDD120内に蓄積される画像情報として保持するのである。
【0029】
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図4において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、PC200では、MFP100に対して製本印刷コマンドと共に送信される個人情報ファイル(図12)における検索列(N)に初期値“1”が設定される(S401)。図12は、本発明の実施形態に係る画像形成装置に対して製本印刷コマンドと共に送信される個人情報ファイルの内容を示す図である。
【0030】
次に、MFP100において、PC200から送信される印刷指示が製本印刷コマンドであるか否かが判断される(S402)。印刷指示が製本印刷指示でない場合(S402:No)は、S408の処理へ移行し、所謂通常の印刷を実施して処理を終了する。一方、PC200から送信される印刷コマンドが製本印刷処理である場合(S402:Yes)は、S403の処理へ移行し、PC200において図12に示す個人情報ファイルの有無が判断される。
【0031】
S403の処理において、図12に示す個人情報ファイルがない場合(S403:No)は、S409へ移行し、通常の製本印刷を実施して処理を終了する。他方、S403の処理において、図12に示す個人情報ファイルが存在する場合(S403:Yes)は、S404の処理へ移行し、PC200において図12に示す個人情報ファイルのN列目に、製本印刷の対象となる人物名が記載されているか否かが判断される。
【0032】
S404の処理において、製本印刷の対象となる人物名が図12に示す個人情報ファイルのN列目に記載がある場合(S404:Yes)は、S405の処理へ移行し、PC200は、図2に示す個人情報ファイルのN列目に記載の名前で、MFP100内の画像を検索する。
【0033】
続いてS406の処理において、PC200によりMFP100内の画像検索が終了したか否かが判断され、MFP100内の画像検索が終了していないと判断された場合(S406:No)は、S405の処理へ戻る。他方、PC200によりMFP100内の画像検索が終了したと判断された場合(S406:Yes)には、S407の処理へ移行する。
【0034】
S407の処理では、図12に示す個人情報ファイルのN列目をインクリメントし、S404の処理へ移行し、再度、製本印刷の対象となる人物名が図12に示す個人情報ファイルのN+1列目に記載があるか否かが判断され、S405→S406→S407→S404の各処理を経由することにより、図12に示す個人情報ファイルのすべての列に記載されている人物名の画像が検索されていく。
【0035】
そして、図12に示す個人情報ファイルのN列目、N+1列目、N+2列目、・・・、と順にインクリメントし、図12に示す個人情報ファイルのすべての列を検索し終えると、S404の処理は“No”となるので、S410の処理へ移行し、図12に示す個人情報ファイルのすべての人物名に対する画像を、PC200においてサムネイルを取得してプレビュー表示し(S410)、ユーザによって選択された画像を元にMFP100により製本印刷が実施される(S411)。
【0036】
このように、ユーザはPC200上からプリンタドライバ210を通してHDD120内に蓄積されている画像のうち、どの人物の画像を印刷に利用するかを記載した図12に示す個人情報ファイル(個人情報.xls)を製本印刷コマンドと共に送る必要がある。
【0037】
MFP100は、製本印刷コマンドと共に図12に示す個人情報ファイルを、データ送受信114(図1)を通して受信すると、図12に示す個人情報ファイル内の、予め決められた列を上から順番に検索していき、図12に示す個人情報ファイルに記載されている人物名と、HDD120内に蓄積されている画像データに紐付けて保存されている人物名(図11(b))との比較を行い、画像データの検索を行う。
【0038】
これを図12に示す個人情報ファイルにおける末尾まで行い、検索の結果得られた画像データを製本印刷に利用する。なお、印刷を実行する際には、仕上がりイメージを確認するためのプレビュー画像をデータ送受信114(図1)を通してPC200に再度送り返すことにより、PC200上でプレビュー表示を実施することが可能であり、ユーザが自分の目で確認することができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図5において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S501からS507までの処理、及び508、S509の各処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS407までの処理、及びS408、S409の各処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0040】
図5のS504の処理において、図12に示す個人情報ファイルのN列目、N+1列目、N+2列目、・・・、と順にインクリメントし、図12に示す個人情報ファイルのすべての列を検索し、製本印刷の対象となるすべての人物名を検索した結果、S504の処理は“No”となるので、S510の処理へ移行し、図12に示す個人ファイルの中の個人情報の印刷を実施するか否かが判断される。S510の処理において、個人情報の印刷を実施しない場合(S510:No)は、S512の処理へ移行し、S512及びS513の処理、すなわち、上述したS410及びS411の処理を行う。
【0041】
他方、S510の処理において、個人情報の印刷を実施する場合(S510:Yes)は、S511の処理へ移行し、製本する本の表紙の裏面に個人情報が印刷され、S512及びS513の処理が実行される。
【0042】
本実施形態では、さらに、印刷する人物の個人情報の印刷も行いたい場合は、図12に示す個人情報ファイルの中の“個人情報の印刷を行う”の欄に予め○印を記入しておき、当該○印が記入された人物の名前や住所、趣味等を記載した個人情報ファイルをMFP100に対して送信することにより実現が可能となる。
【0043】
このように、本実施形態では、個人情報ファイルに、人物名情報だけではなく、生年月日や趣味等の個々の個人情報を付加することで、それらの情報を個々の製本時に所定の場所に印字することにより、個々の本に対して個別に印刷内容を指示する必要がなく、各人の情報をそれぞれの本において自動的に印刷することができる。
【0044】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図6において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S601からS607までの処理、及び608、S609の各処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS407までの処理、及びS408、S409の各処理と同一であり、S610、S611、S614、及びS615の各処理は、第2の実施形態に係る図5におけるS510、S511、S512、及びS513の各処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0045】
図6のS611の処理において、製本する本の表紙の裏面に個人情報が印刷されると、S612の処理へ移行し、図12に示す個人情報ファイルにフレームの指定があるか否かが判断される。個人情報ファイルにフレームの指定がある場合(S612:Yes)は、S613の処理へ移行し、製本する本の全ページに指定されたフレームが印刷され、S614、S615の処理が実行される。
【0046】
他方、個人情報ファイルにフレームの指定がない場合(S612:No)は、フレームの印刷がなされることなく、S614、S615の処理が実行される。
【0047】
本実施形態では、製本印刷を行う各ページに対してフレームを付けた印刷を行いたい場合は、図12に示す個人情報ファイルの中に“フレームを付けた印刷を行う”旨の設定を予めしておき、印刷したいフレームのサンプルを付加した個人情報ファイルをMFP100に対して送信することにより実現が可能となる。
【0048】
このように、本実施形態では、各ページに付ける写真フレームとして利用したい画像をMFP100内に保持する仕組みと、個人情報ファイルに写真フレームデータのファイル名を記載し、ユーザが好きな写真フレームを使用して製本印刷を行うことにより、個々の本に対して個別に印刷フレームを指示する必要がなく、各人の希望に沿ったフレームをそれぞれの本に自動的に印刷することができる。
【0049】
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図7において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S701からS707までの処理、及び708、S709の各処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS407までの処理、及びS408、S409の各処理と同一であり、S710、S711、S714からS717の各処理は、第3の実施形態に係る図6におけるS610からS615の各処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0050】
図7のS712の処理において、図12に示す個人情報ファイルに表紙データの指定があるか否かが判断される。個人情報ファイルに表紙データの指定がある場合(S712:Yes)は、S713の処理へ移行し、製本する本の表紙ページに指定された表紙データが印刷され、S714の処理へ移行する。
【0051】
他方、個人情報に表紙データの指定がない場合(S712:No)は、表紙データの印刷がなされることなく、S714以降の処理が実行される。
【0052】
本実施形態では、さらに、ユーザが特別な表紙や裏表紙等を付けたい場合は、図12に示す個人情報ファイルの中に“表紙を付けた印刷を行う”旨の設定を予めしておき、使用したい表紙のサンプルを付加した個人情報ファイルをMFP100に対して送信することにより実現が可能となる。
【0053】
このように、本実施形態では、本の表紙として使用したい画像をMFP100内に保持する仕組みと、個人情報ファイルに表紙データのファイル名を記載し、ユーザが個々で作成した表紙データを使用して製本印刷を行うことにより、個々の本に対して個別に表紙内容を指示する必要がなく、各人の希望に沿った表紙をそれぞれの本に自動的に印刷することができる。
【0054】
次に、本発明の第5の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図8は、本発明の第5の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図8において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S801からS807までの処理、及び808、S809の各処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS407までの処理、及びS408、S409の各処理と同一であり、S811からS818までの処理は、第4の実施形態に係る図7におけるS710からS717までの処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0055】
図8のS810の処理において、図12に示す個人情報ファイルのユーザ数毎の画像枚数による間引きが実施される。すなわち、図12に示す個人情報ファイルから、複数の人物名で検索した結果、検索により得られた画像の枚数について個々の人物によって大きな差異が存在する場合は、適当な閾値を設けることにより、多く得られた特定の人物の画像に対して間引きを行い、全体的にバランスの取れた製本印刷を行うこととしている。この間引き処理を終えると、S811以降の処理を実行する。
【0056】
このように、本実施形態では、写真選択の仕組みに追加して、図12に示す個人情報ファイルの人物名それぞれの枚数を予め算出する仕組みと、その算出枚数の平均値等から適当な閾値を設ける仕組みと、その閾値に合わせて、印刷に使用する画像数を調整する仕組みを備えることにより、個々の写真データを調べて使用する写真データを指示する必要がなく、自動的に全員の本の写真枚数のバランスを取ることができる。
【0057】
次に、本発明の第6の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図9は、本発明の第6の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図9において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S901からS907までの処理、及び908、S909の各処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS407までの処理、及びS408、S409の各処理と同一であり、S910からS916までの処理は、第5の実施形態に係る図8におけるS810からS816までの処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0058】
図9のS917の処理において、写真内に掲載されている人数に伴うバランス印刷を実行するか否かが判断される。バランス印刷を実施する場合(S917:Yes)は、S918へ移行し、サムネイルを取得してプレビュー表示を行い、S919の処理において、掲載人数に伴う写真サイズを変更して製本印刷が実行される。
【0059】
他方、バランス印刷を実施しない場合(S917:No)は、S920へ移行し、サムネイルを取得してプレビュー表示を行い、S921の処理において、選択された画像を元に製本印刷が実行される。
【0060】
本実施形態では、画像に掲載されている人数の多寡により、用紙に配置する画像のサイズ等を自由に調節することにより、メリハリのある製本印刷を行うことも可能であり、各画像に掲載されている人数については、図11(a)に示す画像データファイルを作成する際にユーザが入力した人数により判断が可能となる。
【0061】
このように、本実施形態では、さらに画像データファイルの搭載人数を基に写真のサイズを決定する仕組みを備え、大人数の写真は大きく印刷する等、メリハリのある本を作成する仕組みを備えたことにより、個々の写真データを調べてレイアウトを指示する必要がなく、自動的に全体的な写真レイアウトを整えることができる。
【0062】
次に、本発明の第7の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。図10は、本発明の第7の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明するフロー図である。図10において、本システムを用いた製本印刷を行う場合、S201からS204までの処理、及びS206からS209までの処理は、第1の実施形態に係る図4におけるS401からS404までの処理、及びS406からS409までの処理と同一であり、S210からS221までの処理は、第6の実施形態に係る図9におけるS910からS921までの処理と同一であるので、これらの処理についての説明は省略する。
【0063】
図10のS205の処理において、PC200は、図2に示す個人情報ファイルのN列目に記載の人物名と顔写真から、MFP100内の画像を検索する。すなわち、本実施形態では、本画像形成システムを利用する際に、HDD120内に蓄積されている画像と人物名とが紐付けられた図11(b)に示す画像データファイルを予め作成することなく、図12に示す個人情報ファイルの中に顔写真のサンプル画像のファイル名を付加しておき、MFP100内で当該サンプル画像のファイル名とHDD100内の図11(a)に示す画像とを照合することにより、当該サンプル画像内に掲載されている人物を自動的に検索し、製本印刷することが可能となる。
【0064】
このように、本実施形態では、図12に示す個人情報ファイルに顔写真のサンプル画像のファイル名を記載すると共に、当該顔写真のサンプル画像をMFP100内に保持する仕組みを備えることにより、図11(a)に示す画像データファイルに図11(b)に示すような掲載人物名情報が記載されていなくても、図11(a)に示す画像データと、顔写真のサンプル画像との合致を検出する仕組みを備え、自動的にユーザの搭載写真を選択して製本印刷を行うことにより、個々の写真データに対して個別に掲載人物名を指定する必要がなく、自動的に顔を判別することにより写真データ情報を入力することなく、個別に本人掲載の写真を集めた本を作成することができる。
【0065】
以上説明したように、本発明では、画像形成システムを利用するユーザが、MFP内のHDD内に予め蓄積されている画像と個人情報との紐付けを行うことにより、製本印刷を行う場合に、蓄積されている画像等の製本に関する情報が格納されたデータファイルを、当該データファイルと関連するタグ情報と紐付けて保存し、製本依頼と共にMFPに送信されるタグ情報に基づいて当該紐付けされたデータファイルを検索することにより製本印刷を実行するので、特に、ユーザ個々のデータに対応した製本印刷を手軽に行うことができる画像形成装置及び画像形成システムを得ることが可能となる。
【0066】
なお、上記実施形態において説明してきた各動作をそれぞれ実行するために、画像形成システムを構成する情報処理装置(PC)及び画像形成装置(MFP)の各動作を制御する制御部(図示せず)が、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータにより読み取り可能なプログラムに基づいて実行するように構成されていることはいうまでもない。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 MFP(画像形成装置)
101 ユーザインタフェース層
102 コントローラ層
103 アプリケーション層
104 デバイス層
105 クロスカット
106 通信サーバ
107 ローカルユーザインタフェース(UI)
108 パラメータ
109 アクティビティ
110 入力処理
111 加工処理
112 出力処理
113 保管処理
114 データ送受信
115 デバイス
116 履歴
117 アクセス制御
118 課金
120 ハードディスク(HDD)
200 パーソナルコンピュータ(PC)
210 プリンタドライバ
300 ネットワーク(NW)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2005−284866号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示命令を送信する情報処理装置とネットワークを介して接続され、複数種類の画像データが予め蓄積された記憶手段と、前記印刷指示命令に基づいて前記画像データを印刷する画像印刷手段とを含む画像形成装置であって、
前記情報処理装置によって前記複数種類の画像データのそれぞれの内容に関連して付加されたタグ情報を受信する受信手段と、
前記タグ情報と前記複数種類の画像データとを互いに紐付けて保持する保持手段と、を備え、
前記画像印刷手段は、前記情報処理装置から送信される前記印刷指示命令と、前記印刷指示命令と共に送信される前記タグ情報とに基づいて、前記タグ情報に紐付けられた前記複数種類の画像データを印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記タグ情報は、複数存在することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
印刷指示命令を送信する情報処理装置とネットワークを介して接続され、複数種類の画像データが予め蓄積された記憶手段と、前記印刷指示命令に基づいて前記画像データを印刷する画像印刷手段とを含む画像形成装置であって、
前記情報処理装置から前記複数種類の画像データのそれぞれを識別するためのサンプル画像のファイル名を受信する受信手段と、
前記サンプル画像のファイル名に基づいて、前記記憶手段に蓄積されている前記複数種類の画像データを識別する識別手段と、
前記複数種類の画像データの中から前記サンプル画像のファイル名と一致する画像データを選択する選択手段と、
を備え、
前記画像印刷手段は、前記情報処理装置から送信される前記印刷指示命令に基づいて、前記選択手段により選択された前記複数種類の画像データを印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記画像印刷手段は、前記複数種類の画像データの印刷を開始する前に、前記複数種類の画像データのプレビュー画像を、前記情報処理装置に向けてサムネイル表示させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記タグ情報は、前記画像データの内容に関連する個人情報であり、前記個人情報は、個人を特定するための情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像印刷手段は、前記印刷指示命令と共に送信される前記タグ情報として、前記個人を特定するための情報が含まれているとき、前記画像データに前記個人を特定するための情報を付加して印刷することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像印刷手段は、前記タグ情報に紐付けられた前記複数種類の画像データが、特定種類の画像データに偏在しているときは、前記画像データの種類の均一化を図ることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数種類の画像データが予め格納された記憶手段と、前記画像データを印刷する画像印刷手段とを含む画像形成装置と、前記画像印刷手段に印刷指示命令を送信する情報処理装置と、がネットワークを介して接続された画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記記憶手段に格納された前記複数種類の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記取得された前記複数種類の画像データのそれぞれに対して、前記複数種類の画像データのそれぞれの内容に関連する複数のタグ情報を付加するタグ情報付加手段と、
前記複数のタグ情報が付加された前記複数種類の画像データを前記画像形成装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記画像形成装置は、
前記複数のタグ情報が付加された前記複数種類の画像データを受信する受信手段と、
前記複数のタグ情報と前記複数種類の画像データとを互いに紐付けて保持する保持手段と、を備え、
前記画像印刷手段は、前記情報処理装置から送信される前記印刷指示命令と、前記印刷指示命令と共に送信される前記複数のタグ情報とに基づいて、前記複数のタグ情報に紐付けられた前記複数種類の画像データを印刷することを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−84172(P2013−84172A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224577(P2011−224577)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】