画像形成装置及び画像形成方法
【課題】ローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する感光体と、第1スクイーズローラー(13Y)及び第2スクイーズローラー(13Y’)を回転させる駆動力を発生させる駆動モーター(141Y)で発生した第1歯車、第2歯車、前記第2スクイーズローラー(13Y’)へ前記駆動モーター(141Y)で発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、を有することを特徴とする。
【解決手段】画像形成装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する感光体と、第1スクイーズローラー(13Y)及び第2スクイーズローラー(13Y’)を回転させる駆動力を発生させる駆動モーター(141Y)で発生した第1歯車、第2歯車、前記第2スクイーズローラー(13Y’)へ前記駆動モーター(141Y)で発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像した後、現像像から余剰キャリアを除去するためにスクイーズし、スクイーズされた現像像をさらに記録媒体に転写して、転写されたトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置では、転写効率を向上させるために、感光体などの像担持体上のトナー像の余剰キャリアを回収するスクイーズローラーを設けることが行われる。スクイーズローラーは、現像が進行している像担持体に直接接触しつつ、キャリアを除去するので、スクイーズローラーの回転速度の制御が重要なポイントとなり、このための技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2002−287517号公報)には、スクイーズローラーが像担持体に対して当離接可能に構成され、モーターから歯車を介して回転駆動され、スクイーズローラーの端部に設けられた歯車にはワンウエイクラッチが設けられ、スクイーズローラーの表面速度が像担持体表面速度より遅くなった場合に駆動力を伝達する技術が開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2(特開2006−301162号公報)には、2つのスクイーズローラー(スイープローラー)のそれぞれに駆動部を設けて、感光体上のキャリア量を光沢度センサーで測定し、スクイーズローラーの速度を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−287517号公報
【特許文献2】特開2006−301162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように液体現像剤を用いた画像形成装置では、像担持体上での現像後の余剰キャリアとかぶりトナー除去を目的として、スクイーズローラーが設けられる。このようなスクイーズローラーによれば、キャリアはスクイーズローラーと像担持体のニップ出口で、両方にほぼ同量ずつ泣き別れて除去されるため、1回のスクイーズで半分のキャリアしか除去することができない。このため、キャリア除去能力を高めたい場合は2本のスクイーズローラーによりキャリア除去が行われる。スクイーズローラーで除去したキャリアはスクイーズローラーに当接するブレードでかきとって、現像装置に戻される。
【0007】
スクイーズローラーは、特許文献1や特許文献2記載の発明に示されるように、モーター等の駆動源から歯車を介して駆動される。スクイーズローラーが2本設けられる場合には、それぞれのスクイーズローラーに対してモーターなどの駆動源を設けて駆動される。
しかし、この場合、駆動源が2つ必要となり装置が大型化しコスト高になるという問題がある。また、それぞれのスクイーズローラーを独立に速度制御する必要があり、制御が複雑になるという問題がある。
【0008】
そこで、1つのモーターで歯車を介して2本のスクイーズローラーに対して駆動力を付与し、これらを同時に駆動する構成が考えられる。しかし、2の本スクイーズローラーには製造工程で生じる微小な直径差があることが多く、2本のスクイーズローラーの周速度に差が生じてしまうことがある。この速度差により、感光体上の画像が乱れたり、スクイーズローラーを駆動するモーターのトルクが増大してモーターが脱調したりするといった問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る画像形成装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して回転する第1ローラーと、前記像担持体と当接して回転する第2ローラーと、前記第1ローラー及び前記第2ローラーを回転させる駆動力を発生させる駆動モーター、前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第1歯車、前記第1ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第2歯車、前記第2ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも速いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも小さくする。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも遅いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも大きくする。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1ローラーは前記像担持体をスクイーズする第1スクイーズローラーであり、前記第2ローラーは前記第1スクイーズローラーでスクイーズされた前記像担持体をスクイーズする第2スクイーズローラーである。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1ローラーは前記液体現像剤で前記像担持体を現像する現像ローラーであり、前記第2ローラーは前記現像ローラーで現像された前記像担持体をスクイーズするスクイーズローラーである。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は平歯車を用いて構成される。
【0016】
また、本発明に係る画像形成方法は、駆動モーターで発生した駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車に伝達した駆動力を差動部に伝達し、前記差動部に伝達した駆動力をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と当接して回転する第1ローラーの回転速度及び前記像担持体と当接して回転する第2ローラーの回転速度の差に応じて前記第1ローラーに駆動力を伝達する第2歯車及び第2ローラーに駆動力を伝達する第3歯車に駆動力を分配することを特徴とする。
【0017】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの当離接機構を説明する図である。
【図4】従来の画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる差動歯車の要部を抜き出して示した図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0021】
画像形成部は、像担持体である感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、不図示の露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0022】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ
ー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0023】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0024】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0025】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0026】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0028】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、(第1)感光体スクイーズローラー13Y、(第2)感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0029】
そして、現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間塗布ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。中間塗布ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0030】
中間塗布ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに中間塗布ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす中間塗布ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0031】
液体現像剤容器31Yの中にオーガ34Yが収容されており、このオーガ34Yによっ
て液体現像剤容器31Y内の液体現像剤を攪拌しつつ、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給するようになっている。
【0032】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置され、その移動方向下流側に転写ベルトスクイーズローラー53Y、バックアップローラー54Y、転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード55Yからなる転写ベルトスクイーズ装置52Yが配置されている。
【0033】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0034】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0035】
現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Y、及び、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yが設けられている。
【0036】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0037】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに供給する中間塗布ローラー16Yと、この中間塗布ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0038】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0039】
アニロックスローラー32Yは、中間塗布ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し
、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する中間塗布ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって中間塗布ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0040】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当設し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送される液体現像剤の量を規制している。また、アニロックスローラー32Yの回転速度を調整することで、中間塗布ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整することもできる。
【0041】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0042】
中間塗布ローラー16Yも、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。
【0043】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0044】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。
【0045】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤(主として、キャリア成分)を除去・回収するものであり、表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する摺動ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを除去・回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。一次転写前の感光体スクイーズ装置として、本実施形態では複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を設けているが、1つの感光体スクイーズローラーによって構成しても良い。
【0046】
本発明に係る画像形成装置においては、上記のような感光体スクイーズローラー13Y
、13Y’は、感光体10Yに対し当接したり、離間したりするように構成されている。このための機構を、本明細書においては当離接機構(或いは当離接駆動部)と称する。以下、第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の当離接機構の動作について説明する。
【0047】
図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの当離接機構を説明する図である。図3(A)は第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yに対して当接している状態を示す図であり、図3(B)は第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yに対して離間している状態を示す図である。
【0048】
第1感光体スクイーズローラー13Yは第1スクイーズローラー軸131Yを中心として回動可能に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yに固定されている。また、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yは、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し所定の当接圧が確保されるような状態で、第1スクイーズローラー固定フレーム130Yに固定されている。
【0049】
また、第1スクイーズローラー固定フレーム130Yは、第1フレーム固定軸132Yを中心として回動可能とされていると共に、その一端が第1バネ部材135Yによって張架されるようになっており、このような構造により第1感光体スクイーズローラー13Yが所定の当接圧をもって感光体10Yに当接することができるようになっている。
【0050】
なお、第2感光体スクイーズローラー13Y’に関連する当離接機構も、第1感光体スクイーズローラー13Yに関連するそれと同様のものであるので詳細な説明を省略する。
【0051】
上記のように構成される当離接機構には不図示のアクチュエーターやロータリーソレノイドなどの電磁機構部が設けられており、その駆動によって図3(A)の状態においてはPの方向に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yや第2スクイーズローラー固定フレーム130Y’を駆動して図3(B)の離間状態とすることができるようになっている。
【0052】
また、同様に、前記電磁機構部の駆動によって、図3(B)の状態においてはQの方向に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yや第2スクイーズローラー固定フレーム130Y’を駆動して図3(A)の当接状態とすることができるようになっている。
【0053】
再び、図2に戻り、一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0054】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。
【0055】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、一次転写部50Yの下流側に配置され、転写ベルト40上から余剰なキャリア液を除去し、顕像内のトナー粒子比率を上げる処理を行うものである。
【0056】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、感光体スクイーズ装置と同様、表面に弾性体を被覆して感光体40に摺接して回転する摺動ローラー部材から成る転写ベルトスクイーズローラー53Yと、感光体40を挟んで転写ベルトスクイーズローラー53Yと対向配置さ
れるバックアップローラー54Yと、転写ベルトスクイーズローラー53Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55Yとから構成され、転写ベルト40に一次転写された現像剤から余剰なキャリアを除去・回収する機能を有する。
【0057】
ここで、あらためて従来の画像形成装置における第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動について説明する。図4は従来の画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【0058】
図4に示すように従来の画像形成装置においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0059】
駆動モーター141Yからは、歯車G1、歯車G2、歯車G3、歯車G4、歯車G5、歯車G6、歯車G7からなる歯車群144Yを介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力が付与される。
【0060】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、時計回りに回転する。これにより歯車G1と噛合する歯車G2は反時計回りに回転し、歯車G2と噛合する歯車G3は時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は反時計回りに回転する。歯車G4の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを回転駆動するようになっている。
【0061】
また、駆動モーター141Yの回転と共に歯車G1が時計回りに回転すると、歯車G1と噛合する歯車G5は反時計回りに回転し、歯車G5と噛合する歯車G6は時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は反時計回りに回転する。
【0062】
歯車G7の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を回転駆動するようになっている。
【0063】
図4に示すような画像形成装置においては、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。しかしながら、2の本スクイーズローラーには製造工程で生じる微小な直径差があることが多く、2本のスクイーズローラーの周速度に差が生じてしまうことがあるため、この速度差により、感光体上の画像が乱れたり、スクイーズローラーを駆動するモーターのトルクが増大してモーターが脱調したりするといった新たな問題点が生じることとなる。
【0064】
なお、2つのローラーの速度とは、ローラー周面の速度であるものとする。
【0065】
次に、本発明に係る画像形成装置における第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動についてより詳しく説明する。図5は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図であり、図6は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図5における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。
【0066】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター141Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0067】
本発明に係る画像形成装置においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0068】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに第2感光体スクイーズローラー13Y’対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、より詳細にはこの差動歯車G2は、歯車G2−1乃至歯車G2−7、フレーム部材Fから構成されている。このような差動歯車G2においては、歯車G2−6と歯車G2−7との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。
【0069】
歯車G2−1とフレーム部材Fは一体的に構成されており、フレーム部材F内には、傘歯車G2−2乃至G2−5が図に示すように噛み合いで取り付けられている。歯車G2−2の軸はフレーム部材Fから取り出され、貫通孔Hを挿通され、歯車G2−7に取り付けられる。一方、歯車G2−5の軸はフレーム部材Fから取り出され、歯車G2−6に取り付けられている。また、歯車G2−3と歯車G2−4とは、共通の軸によってフレーム部材Fに取り付けられている。
【0070】
このような差動歯車G2において、歯車G2−6と歯車G2−7とが同じ速度で回転しているときには、歯車G2−3と歯車G2−4とは回転することなく、フレーム部材F内の歯車は互いに噛み合うだけの状態を維持する。歯車G2−6と歯車G2−7とが異なる速度で回転すると、歯車G2−3と歯車G2−4とは回転することによって、速度の差を吸収する。
【0071】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−6と歯車G2−7とに出力され、時計回りに回転する。
【0072】
これにより歯車G2−6と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0073】
また、歯車G2−7と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0074】
上記のような、本発明の画像形成装置は、差動歯車G2(差動部)によって2本のローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0075】
ところで、以上のような構成において、第1感光体スクイーズローラー13Yの回転のために入力される第1トルク値としては、第1感光体スクイーズローラー13Yが感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第1駆動モーター141Yで回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第1感光体スクイーズローラー13Yが回転しない上限の値が設定される。
【0076】
第1感光体スクイーズローラー13Yには、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yが当接しているが、これは第1感光体スクイーズローラー13Yの回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第1トルク値は、ちょうどこの第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yの当接によって第1感光体スクイーズローラー13Yの回転を阻害するトルクと同値である。
【0077】
また、同様に、第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転のために入力される第2トルク値としては、第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第2駆動モーター140Y’で回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第2感光体スクイーズローラー13Y’が回転しない上限の値が設定される。
【0078】
第2感光体スクイーズローラー13Y’には、第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’が当接しているが、これは第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第2トルク値は、ちょうどこの第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’の当接によって第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転を阻害するトルクと同値である。
【0079】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0080】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0081】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図であり、図8は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図7における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。先の実施形態においては、差動歯車G2として傘歯車が用いられていたが、本実施形態においては差動歯車G2として、平歯車のみが用いられる。
【0082】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター141Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0083】
本実施形態においても、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0084】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに第2感光体スクイーズローラー13Y’対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、より詳細にはこの差動歯車G2は、歯車G2−1乃至歯車G2−11から構成されている。このような差動歯車G2においては、歯車G2−9と歯車G2−11との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。
【0085】
図9は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる差動歯車の要部を抜き出して示した図である。図9(A)は一方の面から差動歯車G2をみた図であり、図9(B)は差動歯車G2の要部展開図であり、図9(C)は他方の面から差動歯車G2をみた図である。
【0086】
歯車G2−1の一方の面には歯車取り付け軸が設けられており、この歯車取り付け軸には、歯車G2−6と歯車G2−7とが回転自在に取り付けられている。また、歯車G2−6と歯車G2−7のそれぞれに噛合するように、歯車G2−3と歯車G2−6が設けられている。また、歯車G2−1には、一方の面から他方の面に抜ける貫通孔H1及びH2が設けられており、歯車G2−3の軸は貫通孔H1を挿通され、他方の面において歯車G2−2に取り付けられる。また、歯車G2−5の軸は貫通孔H2を挿通され、他方の面において歯車G2−4に取り付けられる。
【0087】
歯車G2−6と歯車G2−7とは共に歯車G2−10に噛合するようになっており、また、歯車G2−2と歯車G2−4とは共に歯車G2−8に噛合するようになっている。歯車G2−10は、差動歯車の一方の出力となる歯車G2−11と一体的に構成され、歯車G2−8は、差動歯車の他方の出力となる歯車G2−9と一体的に構成される。
【0088】
上記のような差動歯車G2において、歯車G2−9と歯車G2−11とが同じ速度で回転しているときには、一方の面における歯車G2−3、歯車G2−5、歯車G2−6、歯車G2−7の各歯車、及び、他方の面における歯車G2−2、歯車G2−4は公転するのみで、自転しない。したがって、歯車G2−1内のこれらの歯車は互いに噛み合うだけの状態を維持する。
【0089】
一方、歯車G2−9と歯車G2−11とが異なる速度で回転すると、一方の面における歯車G2−3、歯車G2−5、歯車G2−6、歯車G2−7の各歯車、及び、他方の面における歯車G2−2、歯車G2−4は公転に加えて、自転することによって、速度の差を吸収する。
【0090】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−9と歯車G2−11とに出力され、時計回りに回転する。
【0091】
これにより歯車G2−9と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0092】
また、歯車G2−11と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0093】
上記のような、本発明の画像形成装置は、差動歯車G2(差動部)によって2本のローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0094】
ところで、以上のような構成において、第1感光体スクイーズローラー13Yの回転の
ために入力される第1トルク値としては、第1感光体スクイーズローラー13Yが感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第1駆動モーター141Yで回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第1感光体スクイーズローラー13Yが回転しない上限の値が設定される。
【0095】
第1感光体スクイーズローラー13Yには、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yが当接しているが、これは第1感光体スクイーズローラー13Yの回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第1トルク値は、ちょうどこの第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yの当接によって第1感光体スクイーズローラー13Yの回転を阻害するトルクと同値である。
【0096】
また、同様に、第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転のために入力される第2トルク値としては、第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第2駆動モーター140Y’で回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第2感光体スクイーズローラー13Y’が回転しない上限の値が設定される。
【0097】
第2感光体スクイーズローラー13Y’には、第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’が当接しているが、これは第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第2トルク値は、ちょうどこの第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’の当接によって第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転を阻害するトルクと同値である。
【0098】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0099】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0100】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図10は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列を示す図であり、図11は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図10における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。先の実施形態においては、1つの駆動モーター141Yによって、2つの感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を回転駆動する例について説明したが、本実施形態においては、1つの駆動モーター141Yによって、1つの感光体スクイーズローラー13Yと現像ローラー20Yを回転駆動する例について説明する。感光体10Y上の現像像から多くのキャリアを除去する必要がない場合には、一本の感光体スクイーズローラー13Yで十分なことがある。本実施形態は、このような画像形成装置の適用に好適なものであり、1つの駆動モーター141Yによって、スクイーズローラーと現像ローラーの双方を駆動するものである。なお、本実施形態における差動歯車G2としては、傘歯車が用いられるもの、平歯車のみが用いられるもののいずれも利用することが可能であるが、以下平歯車のみが用いられる差動歯車G2を例に説明する。
【0101】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター1
41Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0102】
本実施形態においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、現像ローラー20Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0103】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに現像ローラー20Y対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、このような差動歯車G2によって、歯車G2−9と歯車G2−11との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。差動歯車G2の構成及び動作は先の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0104】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−9と歯車G2−11とに出力され、時計回りに回転する。
【0105】
これにより歯車G2−9と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0106】
また、歯車G2−11と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は現像ローラー20Yに入力され、現像ローラー20Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0107】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラー(スクイーズローラー13Y、現像ローラー20Y)を駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0108】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラー(スクイーズローラー13Y、現像ローラー20Y)の速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0109】
以下、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法についても付記しておく。以下のような参考実施形態によっても、本発明と同様の効果を享受することができる。
【0110】
本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターから駆動力を伝達される第1歯車と、前記第1歯車から駆動力を伝達される差動部と、前記差動部から駆動力を伝達される第2歯車と、前記差動部から駆動力を伝達される第3歯車と、前記第2歯車から駆動力を伝達される第1ローラーと、前記第3歯車から駆動力を伝達される第2ローラーと、前記第1ローラーと前記第2ローラーと当接し、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する像担持体と、を有することを特徴とする。
【0111】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記第1ローラー及び前記第2ロ
ーラーが前記像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズローラーである。
【0112】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記第1ローラーが前記像担持体に対してトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像を行う現像ローラーであり、前記第2ローラーが前記像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズローラーである。
【0113】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記差動部は傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される。
【0114】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記差動部は平歯車を用いて構成される。
【0115】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記駆動モーターの出力が一定のトルクとなるように制御される。
【0116】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成方法は、1つの駆動モーターから駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車から駆動力を差動部に伝達し、前記差動部から駆動力を第2歯車及び第3歯車に伝達し、前記第2歯車から駆動力を第1ローラーに伝達し、前記第3歯車から駆動力を第2ローラーに伝達し、前記第1ローラー及び前記第2ローラーによって、像担持体からキャリア液を除去することを特徴とする。
【0117】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成方法は、1つの駆動モーターから駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車から駆動力を差動部に伝達し、前記差動部から駆動力を第2歯車及び第3歯車に伝達し、前記第2歯車から駆動力を第1ローラーに伝達し、前記第3歯車から駆動力を第2ローラーに伝達し、前記第1ローラーによって像担持体に対してトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像を行い、前記第2ローラーによって、前記像担持体から前記キャリア液を除去することを特徴とする。
【符号の説明】
【0118】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’ ・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y・
・・第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード、14Y’ ・・・第2感光体
スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・中間塗布ローラー、17Y・・・中間塗布ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、52Y、52M、52C、52K・・・転写ベルトスクイーズ装置、53Y・・・転写ベルトスクイーズローラー、54Y・・・転写ベルトスクイーズバックアップローラー、55Y・・・転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、70Y、71Y、72Y、73Y、74Y、76Y・・・(クリーニング)ブレード保持部材、75Y・・・規制ブレード保持部材、90・・・定着ユニット、130Y・・・第1スクイーズローラー固定フレーム、130Y’・・・第2スクイ
ーズローラー固定フレーム、131Y・・・第1スクイーズローラー軸、131Y’・・・第2スクイーズローラー軸、132Y・・・第1フレーム固定軸、132Y’・・・第2フレーム固定軸、135Y・・・第1バネ部材、135Y’・・・第2バネ部材、141Y・・・駆動モーター、144Y・・・歯車群、200・・・カウンター、201・・・温度センサー、210Y・・・制御部、211Y・・・演算部、220Y・・・記憶部、221Y・・・プログラム記憶部、222Y・・・トルク情報記憶部、223Y・・・テーブル記憶部、224Y・・・温度記憶部、225Y・・・カウント記憶部、230Y・・・当離接機構、231Y・・・(第1)ドライバー、231Y’・・・(第2)ドライバー、232Y・・・(第1)モーター、232Y’・・・(第2)モーター、233Y・・・(第1)回転周期検出センサー、233Y’・・・(第2)回転周期検出センサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像した後、現像像から余剰キャリアを除去するためにスクイーズし、スクイーズされた現像像をさらに記録媒体に転写して、転写されたトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置では、転写効率を向上させるために、感光体などの像担持体上のトナー像の余剰キャリアを回収するスクイーズローラーを設けることが行われる。スクイーズローラーは、現像が進行している像担持体に直接接触しつつ、キャリアを除去するので、スクイーズローラーの回転速度の制御が重要なポイントとなり、このための技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2002−287517号公報)には、スクイーズローラーが像担持体に対して当離接可能に構成され、モーターから歯車を介して回転駆動され、スクイーズローラーの端部に設けられた歯車にはワンウエイクラッチが設けられ、スクイーズローラーの表面速度が像担持体表面速度より遅くなった場合に駆動力を伝達する技術が開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2(特開2006−301162号公報)には、2つのスクイーズローラー(スイープローラー)のそれぞれに駆動部を設けて、感光体上のキャリア量を光沢度センサーで測定し、スクイーズローラーの速度を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−287517号公報
【特許文献2】特開2006−301162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように液体現像剤を用いた画像形成装置では、像担持体上での現像後の余剰キャリアとかぶりトナー除去を目的として、スクイーズローラーが設けられる。このようなスクイーズローラーによれば、キャリアはスクイーズローラーと像担持体のニップ出口で、両方にほぼ同量ずつ泣き別れて除去されるため、1回のスクイーズで半分のキャリアしか除去することができない。このため、キャリア除去能力を高めたい場合は2本のスクイーズローラーによりキャリア除去が行われる。スクイーズローラーで除去したキャリアはスクイーズローラーに当接するブレードでかきとって、現像装置に戻される。
【0007】
スクイーズローラーは、特許文献1や特許文献2記載の発明に示されるように、モーター等の駆動源から歯車を介して駆動される。スクイーズローラーが2本設けられる場合には、それぞれのスクイーズローラーに対してモーターなどの駆動源を設けて駆動される。
しかし、この場合、駆動源が2つ必要となり装置が大型化しコスト高になるという問題がある。また、それぞれのスクイーズローラーを独立に速度制御する必要があり、制御が複雑になるという問題がある。
【0008】
そこで、1つのモーターで歯車を介して2本のスクイーズローラーに対して駆動力を付与し、これらを同時に駆動する構成が考えられる。しかし、2の本スクイーズローラーには製造工程で生じる微小な直径差があることが多く、2本のスクイーズローラーの周速度に差が生じてしまうことがある。この速度差により、感光体上の画像が乱れたり、スクイーズローラーを駆動するモーターのトルクが増大してモーターが脱調したりするといった問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る画像形成装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して回転する第1ローラーと、前記像担持体と当接して回転する第2ローラーと、前記第1ローラー及び前記第2ローラーを回転させる駆動力を発生させる駆動モーター、前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第1歯車、前記第1ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第2歯車、前記第2ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも速いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも小さくする。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも遅いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも大きくする。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1ローラーは前記像担持体をスクイーズする第1スクイーズローラーであり、前記第2ローラーは前記第1スクイーズローラーでスクイーズされた前記像担持体をスクイーズする第2スクイーズローラーである。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1ローラーは前記液体現像剤で前記像担持体を現像する現像ローラーであり、前記第2ローラーは前記現像ローラーで現像された前記像担持体をスクイーズするスクイーズローラーである。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は、傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記差動部は平歯車を用いて構成される。
【0016】
また、本発明に係る画像形成方法は、駆動モーターで発生した駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車に伝達した駆動力を差動部に伝達し、前記差動部に伝達した駆動力をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と当接して回転する第1ローラーの回転速度及び前記像担持体と当接して回転する第2ローラーの回転速度の差に応じて前記第1ローラーに駆動力を伝達する第2歯車及び第2ローラーに駆動力を伝達する第3歯車に駆動力を分配することを特徴とする。
【0017】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの当離接機構を説明する図である。
【図4】従来の画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる差動歯車の要部を抜き出して示した図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0021】
画像形成部は、像担持体である感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、不図示の露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0022】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ
ー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0023】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0024】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0025】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0026】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0028】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、(第1)感光体スクイーズローラー13Y、(第2)感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0029】
そして、現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間塗布ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。中間塗布ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0030】
中間塗布ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに中間塗布ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす中間塗布ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0031】
液体現像剤容器31Yの中にオーガ34Yが収容されており、このオーガ34Yによっ
て液体現像剤容器31Y内の液体現像剤を攪拌しつつ、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給するようになっている。
【0032】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置され、その移動方向下流側に転写ベルトスクイーズローラー53Y、バックアップローラー54Y、転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード55Yからなる転写ベルトスクイーズ装置52Yが配置されている。
【0033】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0034】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0035】
現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Y、及び、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yが設けられている。
【0036】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0037】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに供給する中間塗布ローラー16Yと、この中間塗布ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0038】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0039】
アニロックスローラー32Yは、中間塗布ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し
、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する中間塗布ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって中間塗布ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0040】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当設し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送される液体現像剤の量を規制している。また、アニロックスローラー32Yの回転速度を調整することで、中間塗布ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整することもできる。
【0041】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0042】
中間塗布ローラー16Yも、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。
【0043】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0044】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。
【0045】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤(主として、キャリア成分)を除去・回収するものであり、表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する摺動ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを除去・回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。一次転写前の感光体スクイーズ装置として、本実施形態では複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を設けているが、1つの感光体スクイーズローラーによって構成しても良い。
【0046】
本発明に係る画像形成装置においては、上記のような感光体スクイーズローラー13Y
、13Y’は、感光体10Yに対し当接したり、離間したりするように構成されている。このための機構を、本明細書においては当離接機構(或いは当離接駆動部)と称する。以下、第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の当離接機構の動作について説明する。
【0047】
図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの当離接機構を説明する図である。図3(A)は第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yに対して当接している状態を示す図であり、図3(B)は第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yに対して離間している状態を示す図である。
【0048】
第1感光体スクイーズローラー13Yは第1スクイーズローラー軸131Yを中心として回動可能に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yに固定されている。また、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yは、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し所定の当接圧が確保されるような状態で、第1スクイーズローラー固定フレーム130Yに固定されている。
【0049】
また、第1スクイーズローラー固定フレーム130Yは、第1フレーム固定軸132Yを中心として回動可能とされていると共に、その一端が第1バネ部材135Yによって張架されるようになっており、このような構造により第1感光体スクイーズローラー13Yが所定の当接圧をもって感光体10Yに当接することができるようになっている。
【0050】
なお、第2感光体スクイーズローラー13Y’に関連する当離接機構も、第1感光体スクイーズローラー13Yに関連するそれと同様のものであるので詳細な説明を省略する。
【0051】
上記のように構成される当離接機構には不図示のアクチュエーターやロータリーソレノイドなどの電磁機構部が設けられており、その駆動によって図3(A)の状態においてはPの方向に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yや第2スクイーズローラー固定フレーム130Y’を駆動して図3(B)の離間状態とすることができるようになっている。
【0052】
また、同様に、前記電磁機構部の駆動によって、図3(B)の状態においてはQの方向に第1スクイーズローラー固定フレーム130Yや第2スクイーズローラー固定フレーム130Y’を駆動して図3(A)の当接状態とすることができるようになっている。
【0053】
再び、図2に戻り、一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0054】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。
【0055】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、一次転写部50Yの下流側に配置され、転写ベルト40上から余剰なキャリア液を除去し、顕像内のトナー粒子比率を上げる処理を行うものである。
【0056】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、感光体スクイーズ装置と同様、表面に弾性体を被覆して感光体40に摺接して回転する摺動ローラー部材から成る転写ベルトスクイーズローラー53Yと、感光体40を挟んで転写ベルトスクイーズローラー53Yと対向配置さ
れるバックアップローラー54Yと、転写ベルトスクイーズローラー53Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55Yとから構成され、転写ベルト40に一次転写された現像剤から余剰なキャリアを除去・回収する機能を有する。
【0057】
ここで、あらためて従来の画像形成装置における第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動について説明する。図4は従来の画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図である。
【0058】
図4に示すように従来の画像形成装置においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0059】
駆動モーター141Yからは、歯車G1、歯車G2、歯車G3、歯車G4、歯車G5、歯車G6、歯車G7からなる歯車群144Yを介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力が付与される。
【0060】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、時計回りに回転する。これにより歯車G1と噛合する歯車G2は反時計回りに回転し、歯車G2と噛合する歯車G3は時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は反時計回りに回転する。歯車G4の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを回転駆動するようになっている。
【0061】
また、駆動モーター141Yの回転と共に歯車G1が時計回りに回転すると、歯車G1と噛合する歯車G5は反時計回りに回転し、歯車G5と噛合する歯車G6は時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は反時計回りに回転する。
【0062】
歯車G7の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を回転駆動するようになっている。
【0063】
図4に示すような画像形成装置においては、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。しかしながら、2の本スクイーズローラーには製造工程で生じる微小な直径差があることが多く、2本のスクイーズローラーの周速度に差が生じてしまうことがあるため、この速度差により、感光体上の画像が乱れたり、スクイーズローラーを駆動するモーターのトルクが増大してモーターが脱調したりするといった新たな問題点が生じることとなる。
【0064】
なお、2つのローラーの速度とは、ローラー周面の速度であるものとする。
【0065】
次に、本発明に係る画像形成装置における第1感光体スクイーズローラー13Y及び第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動についてより詳しく説明する。図5は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図であり、図6は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図5における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。
【0066】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター141Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0067】
本発明に係る画像形成装置においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0068】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに第2感光体スクイーズローラー13Y’対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、より詳細にはこの差動歯車G2は、歯車G2−1乃至歯車G2−7、フレーム部材Fから構成されている。このような差動歯車G2においては、歯車G2−6と歯車G2−7との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。
【0069】
歯車G2−1とフレーム部材Fは一体的に構成されており、フレーム部材F内には、傘歯車G2−2乃至G2−5が図に示すように噛み合いで取り付けられている。歯車G2−2の軸はフレーム部材Fから取り出され、貫通孔Hを挿通され、歯車G2−7に取り付けられる。一方、歯車G2−5の軸はフレーム部材Fから取り出され、歯車G2−6に取り付けられている。また、歯車G2−3と歯車G2−4とは、共通の軸によってフレーム部材Fに取り付けられている。
【0070】
このような差動歯車G2において、歯車G2−6と歯車G2−7とが同じ速度で回転しているときには、歯車G2−3と歯車G2−4とは回転することなく、フレーム部材F内の歯車は互いに噛み合うだけの状態を維持する。歯車G2−6と歯車G2−7とが異なる速度で回転すると、歯車G2−3と歯車G2−4とは回転することによって、速度の差を吸収する。
【0071】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−6と歯車G2−7とに出力され、時計回りに回転する。
【0072】
これにより歯車G2−6と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0073】
また、歯車G2−7と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0074】
上記のような、本発明の画像形成装置は、差動歯車G2(差動部)によって2本のローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0075】
ところで、以上のような構成において、第1感光体スクイーズローラー13Yの回転のために入力される第1トルク値としては、第1感光体スクイーズローラー13Yが感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第1駆動モーター141Yで回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第1感光体スクイーズローラー13Yが回転しない上限の値が設定される。
【0076】
第1感光体スクイーズローラー13Yには、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yが当接しているが、これは第1感光体スクイーズローラー13Yの回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第1トルク値は、ちょうどこの第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yの当接によって第1感光体スクイーズローラー13Yの回転を阻害するトルクと同値である。
【0077】
また、同様に、第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転のために入力される第2トルク値としては、第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第2駆動モーター140Y’で回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第2感光体スクイーズローラー13Y’が回転しない上限の値が設定される。
【0078】
第2感光体スクイーズローラー13Y’には、第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’が当接しているが、これは第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第2トルク値は、ちょうどこの第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’の当接によって第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転を阻害するトルクと同値である。
【0079】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0080】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0081】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列を示す図であり、図8は本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図7における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。先の実施形態においては、差動歯車G2として傘歯車が用いられていたが、本実施形態においては差動歯車G2として、平歯車のみが用いられる。
【0082】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター141Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0083】
本実施形態においても、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、第2感光体スクイーズローラー13Y’に対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0084】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに第2感光体スクイーズローラー13Y’対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、より詳細にはこの差動歯車G2は、歯車G2−1乃至歯車G2−11から構成されている。このような差動歯車G2においては、歯車G2−9と歯車G2−11との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。
【0085】
図9は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる差動歯車の要部を抜き出して示した図である。図9(A)は一方の面から差動歯車G2をみた図であり、図9(B)は差動歯車G2の要部展開図であり、図9(C)は他方の面から差動歯車G2をみた図である。
【0086】
歯車G2−1の一方の面には歯車取り付け軸が設けられており、この歯車取り付け軸には、歯車G2−6と歯車G2−7とが回転自在に取り付けられている。また、歯車G2−6と歯車G2−7のそれぞれに噛合するように、歯車G2−3と歯車G2−6が設けられている。また、歯車G2−1には、一方の面から他方の面に抜ける貫通孔H1及びH2が設けられており、歯車G2−3の軸は貫通孔H1を挿通され、他方の面において歯車G2−2に取り付けられる。また、歯車G2−5の軸は貫通孔H2を挿通され、他方の面において歯車G2−4に取り付けられる。
【0087】
歯車G2−6と歯車G2−7とは共に歯車G2−10に噛合するようになっており、また、歯車G2−2と歯車G2−4とは共に歯車G2−8に噛合するようになっている。歯車G2−10は、差動歯車の一方の出力となる歯車G2−11と一体的に構成され、歯車G2−8は、差動歯車の他方の出力となる歯車G2−9と一体的に構成される。
【0088】
上記のような差動歯車G2において、歯車G2−9と歯車G2−11とが同じ速度で回転しているときには、一方の面における歯車G2−3、歯車G2−5、歯車G2−6、歯車G2−7の各歯車、及び、他方の面における歯車G2−2、歯車G2−4は公転するのみで、自転しない。したがって、歯車G2−1内のこれらの歯車は互いに噛み合うだけの状態を維持する。
【0089】
一方、歯車G2−9と歯車G2−11とが異なる速度で回転すると、一方の面における歯車G2−3、歯車G2−5、歯車G2−6、歯車G2−7の各歯車、及び、他方の面における歯車G2−2、歯車G2−4は公転に加えて、自転することによって、速度の差を吸収する。
【0090】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−9と歯車G2−11とに出力され、時計回りに回転する。
【0091】
これにより歯車G2−9と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0092】
また、歯車G2−11と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は第2感光体スクイーズローラー13Y’に入力され、第2感光体スクイーズローラー13Y’を、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0093】
上記のような、本発明の画像形成装置は、差動歯車G2(差動部)によって2本のローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0094】
ところで、以上のような構成において、第1感光体スクイーズローラー13Yの回転の
ために入力される第1トルク値としては、第1感光体スクイーズローラー13Yが感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第1駆動モーター141Yで回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第1感光体スクイーズローラー13Yが回転しない上限の値が設定される。
【0095】
第1感光体スクイーズローラー13Yには、第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yが当接しているが、これは第1感光体スクイーズローラー13Yの回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第1トルク値は、ちょうどこの第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Yの当接によって第1感光体スクイーズローラー13Yの回転を阻害するトルクと同値である。
【0096】
また、同様に、第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転のために入力される第2トルク値としては、第2感光体スクイーズローラー13Y’が感光体10Yと離間しているとき(図3(B)の状態にあるとき)に、第2駆動モーター140Y’で回転駆動力が入力されているにもかかわらず、第2感光体スクイーズローラー13Y’が回転しない上限の値が設定される。
【0097】
第2感光体スクイーズローラー13Y’には、第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’が当接しているが、これは第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転駆動力に抵抗するような作用を及ぼす。第2トルク値は、ちょうどこの第2感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y’の当接によって第2感光体スクイーズローラー13Y’の回転を阻害するトルクと同値である。
【0098】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラーを駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0099】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラーの速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0100】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図10は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列を示す図であり、図11は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置におけるスクイーズローラー・現像ローラーの駆動輪列の展開図である。なお、図10における矢印は、それぞれの構成の回転方向を示している。先の実施形態においては、1つの駆動モーター141Yによって、2つの感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を回転駆動する例について説明したが、本実施形態においては、1つの駆動モーター141Yによって、1つの感光体スクイーズローラー13Yと現像ローラー20Yを回転駆動する例について説明する。感光体10Y上の現像像から多くのキャリアを除去する必要がない場合には、一本の感光体スクイーズローラー13Yで十分なことがある。本実施形態は、このような画像形成装置の適用に好適なものであり、1つの駆動モーター141Yによって、スクイーズローラーと現像ローラーの双方を駆動するものである。なお、本実施形態における差動歯車G2としては、傘歯車が用いられるもの、平歯車のみが用いられるもののいずれも利用することが可能であるが、以下平歯車のみが用いられる差動歯車G2を例に説明する。
【0101】
感光体10Yは、不図示の感光体駆動モーター(像担持体駆動モーター)からの駆動力を得て、一定(若しくは略一定)の周速で回転駆動されるように構成されている。一方、本実施形態においては、スクイーズローラー13Y、13Y’を駆動する駆動モーター1
41Yの出力は、トルクが一定(若しくは略一定)となるように制御されている。
【0102】
本実施形態においては、第1感光体スクイーズローラー13Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターと、現像ローラー20Yに対し回転駆動力を付与するためのモーターとを共用する構成となっている。
【0103】
駆動モーター141Yからは、歯車G1乃至歯車G8からなる歯車群を介して、第1感光体スクイーズローラー13Y及びに現像ローラー20Y対し回転駆動力が付与される。前記歯車群のうち、歯車G2は差動歯車(差動部)であり、このような差動歯車G2によって、歯車G2−9と歯車G2−11との間に速度差がある場合に、速度差を吸収する動作を行う。差動歯車G2の構成及び動作は先の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0104】
歯車G1は駆動モーター141Yの回転軸に取り付けられており、当該回転軸と同軸的に、反時計回りに回転する。これにより、歯車G1と噛合する、差動歯車G2の歯車G2−1に駆動力が伝達され、時計回りに回転する。上記のような差動歯車G2に入力された駆動力は、歯車G2−9と歯車G2−11とに出力され、時計回りに回転する。
【0105】
これにより歯車G2−9と噛合する歯車G3は反時計回りに回転し、歯車G3と噛合する歯車G4は時計回りに回転し、歯車G4と噛合する歯車G5は反時計回りに回転する。歯車G5の回転駆動力は第1感光体スクイーズローラー13Yに入力され、第1感光体スクイーズローラー13Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0106】
また、歯車G2−11と噛合する歯車G6は反時計回りに回転し、歯車G6と噛合する歯車G7は時計回りに回転し、歯車G7と噛合する歯車G8は反時計回りに回転する。歯車G8の回転駆動力は現像ローラー20Yに入力され、現像ローラー20Yを、反時計回りに回転駆動するようになっている。
【0107】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、1つの駆動モーターによって2つのローラー(スクイーズローラー13Y、現像ローラー20Y)を駆動するため、装置の大型化やコスト高を避けることができ、2つのローラーを独立的に速度制御する必要がなく、制御が容易となる。
【0108】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、差動部によってローラー(スクイーズローラー13Y、現像ローラー20Y)の速度差を吸収する構成となっているので、2本のローラーの速度差によって、像担持体上の画像が乱れたり、駆動モーターのトルクが増大してモーターが脱調したりすることを防止することができる。
【0109】
以下、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法についても付記しておく。以下のような参考実施形態によっても、本発明と同様の効果を享受することができる。
【0110】
本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターから駆動力を伝達される第1歯車と、前記第1歯車から駆動力を伝達される差動部と、前記差動部から駆動力を伝達される第2歯車と、前記差動部から駆動力を伝達される第3歯車と、前記第2歯車から駆動力を伝達される第1ローラーと、前記第3歯車から駆動力を伝達される第2ローラーと、前記第1ローラーと前記第2ローラーと当接し、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を担持する像担持体と、を有することを特徴とする。
【0111】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記第1ローラー及び前記第2ロ
ーラーが前記像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズローラーである。
【0112】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記第1ローラーが前記像担持体に対してトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像を行う現像ローラーであり、前記第2ローラーが前記像担持体から前記キャリア液を除去するスクイーズローラーである。
【0113】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記差動部は傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される。
【0114】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記差動部は平歯車を用いて構成される。
【0115】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成装置は、前記駆動モーターの出力が一定のトルクとなるように制御される。
【0116】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成方法は、1つの駆動モーターから駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車から駆動力を差動部に伝達し、前記差動部から駆動力を第2歯車及び第3歯車に伝達し、前記第2歯車から駆動力を第1ローラーに伝達し、前記第3歯車から駆動力を第2ローラーに伝達し、前記第1ローラー及び前記第2ローラーによって、像担持体からキャリア液を除去することを特徴とする。
【0117】
また、本発明の参考実施形態に係る画像形成方法は、1つの駆動モーターから駆動力を第1歯車に伝達し、前記第1歯車から駆動力を差動部に伝達し、前記差動部から駆動力を第2歯車及び第3歯車に伝達し、前記第2歯車から駆動力を第1ローラーに伝達し、前記第3歯車から駆動力を第2ローラーに伝達し、前記第1ローラーによって像担持体に対してトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像を行い、前記第2ローラーによって、前記像担持体から前記キャリア液を除去することを特徴とする。
【符号の説明】
【0118】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’ ・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y・
・・第1感光体スクイーズローラークリーニングブレード、14Y’ ・・・第2感光体
スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・中間塗布ローラー、17Y・・・中間塗布ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、52Y、52M、52C、52K・・・転写ベルトスクイーズ装置、53Y・・・転写ベルトスクイーズローラー、54Y・・・転写ベルトスクイーズバックアップローラー、55Y・・・転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、70Y、71Y、72Y、73Y、74Y、76Y・・・(クリーニング)ブレード保持部材、75Y・・・規制ブレード保持部材、90・・・定着ユニット、130Y・・・第1スクイーズローラー固定フレーム、130Y’・・・第2スクイ
ーズローラー固定フレーム、131Y・・・第1スクイーズローラー軸、131Y’・・・第2スクイーズローラー軸、132Y・・・第1フレーム固定軸、132Y’・・・第2フレーム固定軸、135Y・・・第1バネ部材、135Y’・・・第2バネ部材、141Y・・・駆動モーター、144Y・・・歯車群、200・・・カウンター、201・・・温度センサー、210Y・・・制御部、211Y・・・演算部、220Y・・・記憶部、221Y・・・プログラム記憶部、222Y・・・トルク情報記憶部、223Y・・・テーブル記憶部、224Y・・・温度記憶部、225Y・・・カウント記憶部、230Y・・・当離接機構、231Y・・・(第1)ドライバー、231Y’・・・(第2)ドライバー、232Y・・・(第1)モーター、232Y’・・・(第2)モーター、233Y・・・(第1)回転周期検出センサー、233Y’・・・(第2)回転周期検出センサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と、
前記像担持体と当接して回転する第1ローラーと、
前記像担持体と当接して回転する第2ローラーと、
前記第1ローラー及び前記第2ローラーを回転させる駆動力を発生させる駆動モーター、前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第1歯車、前記第1ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第2歯車、前記第2ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも速いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも小さくする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも遅いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも大きくする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ローラーは前記像担持体をスクイーズする第1スクイーズローラーであり、
前記第2ローラーは前記第1スクイーズローラーでスクイーズされた前記像担持体をスクイーズする第2スクイーズローラーである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1ローラーは前記液体現像剤で前記像担持体を現像する現像ローラーであり、
前記第2ローラーは前記現像ローラーで現像された前記像担持体をスクイーズするスクイーズローラーである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記差動部は、傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記差動部は平歯車を用いて構成される請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
駆動モーターで発生した駆動力を第1歯車に伝達し、
前記第1歯車に伝達した駆動力を差動部に伝達し、
前記差動部に伝達した駆動力をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と当接して回転する第1ローラーの回転速度及び前記像担持体と当接して回転する第2ローラーの回転速度の差に応じて前記第1ローラーに駆動力を伝達する第2歯車及び第2ローラーに駆動力を伝達する第3歯車に駆動力を分配することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と、
前記像担持体と当接して回転する第1ローラーと、
前記像担持体と当接して回転する第2ローラーと、
前記第1ローラー及び前記第2ローラーを回転させる駆動力を発生させる駆動モーター、前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第1歯車、前記第1ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第2歯車、前記第2ローラーへ前記駆動モーターで発生した駆動力を伝達する第3歯車、及び前記第1歯車に伝達された駆動力を前記第1ローラーと前記第2ローラーの速度差に応じて前記第2歯車及び前記第3歯車に伝達する駆動力を分配する差動部を有する駆動部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも速いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも小さくする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記差動部は、前記第1のローラーの回転速度が前記第2ローラーの回転速度よりも遅いとき、前記第2歯車に伝達する駆動力を前記第3歯車に伝達する駆動力よりも大きくする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ローラーは前記像担持体をスクイーズする第1スクイーズローラーであり、
前記第2ローラーは前記第1スクイーズローラーでスクイーズされた前記像担持体をスクイーズする第2スクイーズローラーである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1ローラーは前記液体現像剤で前記像担持体を現像する現像ローラーであり、
前記第2ローラーは前記現像ローラーで現像された前記像担持体をスクイーズするスクイーズローラーである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記差動部は、傘歯車を用いた歯車ボックスで構成される請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記差動部は平歯車を用いて構成される請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
駆動モーターで発生した駆動力を第1歯車に伝達し、
前記第1歯車に伝達した駆動力を差動部に伝達し、
前記差動部に伝達した駆動力をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体と当接して回転する第1ローラーの回転速度及び前記像担持体と当接して回転する第2ローラーの回転速度の差に応じて前記第1ローラーに駆動力を伝達する第2歯車及び第2ローラーに駆動力を伝達する第3歯車に駆動力を分配することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93514(P2012−93514A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240001(P2010−240001)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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