説明

画像形成装置

【課題】 簡易な装置構成で且つ低エネルギーで多色記録可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像担持体1と、前記画像担持体1の移動面に沿って配置された複数の単色像形成手段5、13とを備え、各単色像形成手段5、13から転移させられた顕画剤画像25を前記画像担持体1上で重ね合わせることによって多色画像を形成する画像形成装置であって、前記単色像形成手段5、13は、少なくとも感熱性粘着剤と着色剤とを含む顕画剤4を格納し、その顕画剤4を担持して前記画像担持体1へ供給する顕画剤担持体7を有する顕画剤供給手段5と、前記顕画剤担持体1上の顕画剤に対して、画像情報に応じて選択的に粘性を付与する粘性付与手段13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱性粘着剤を含有する顕画剤を用いる顕画剤供給装置(現像装置)を備えた、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に広く知られている電子写真方式の複写機やプリンタの画像形成装置は、感光体を用い、感光体を帯電、光書き込みによる露光、現像して、現像された像を記録紙に転写、定着して画像を形成している。また、感光体を使用しない画像形成装置としては、インクジェット方式プリンタや孔版印刷装置が知られている。
【0003】
その他の画像形成装置として、例えば、特許文献1には、耐熱光透過性シートに記録紙を重ね、耐熱光透過性シートの他方の面から原稿画像に応じた光ビームを照射してトナーを昇温溶融させて記録紙に熱転写する熱転写画像形成装置が提案されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、周面にトナー層を形成したローラに記録紙を接触させ、この記録紙の裏面からサーマルヘッドにより原稿画像に応じた熱像を与えて記録紙にトナー像を熱転写する熱転写画像形成装置が提案されている。
【0005】
さらに、例えば、特許文献3には、画像担持体の裏面側から画像信号に応じた熱像を与えて画像担持体に顕画剤画像を仮固着させて記録紙に熱転写する熱転写画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開昭64−69357号公報
【特許文献2】特開平7−314746号公報
【特許文献3】特開平11−91147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電潜像を形成するために感光体を用いる電子写真方式の複写機やレーザプリンタは、画像を作像するための工程数が多く、そのために記録装置(感光体とその周囲の電子写真プロセス手段)が大きく、複雑であるという問題がある。
【0007】
また、感光体の感光特性が経時的に劣化あるいは変化する問題や、帯電、転写、除電工程で用いられているコロナ放電を生ぜしめる高電圧発生装置によるオゾン発生の問題がある。
【0008】
インクジェット方式のプリンタは、画像形成の記録速度が遅いという問題点が、そして孔版印刷装置にあっては、マスタを製版しなければならない煩雑さや解像力に問題がある。
【0009】
前述したトナー像を記録紙に熱転写する熱転写画像形成装置では、記録紙にトナーを溶融転写させるのに充分な高い熱エネルギーを有する光ビームまたはサーマルヘッドを必要とする問題がある。
【0010】
これに対し、特許文献3に示されるような、画像担持体の裏面側から画像信号に応じた熱像を与えて画像担持体に顕画剤画像を仮固着させて記録紙に熱転写する熱転写画像形成装置では、感光体を有さないために感光体に関する経時劣化の問題が発生せず、小型で、電子写真並みの記録速度を達成することができる。
【0011】
しかしその反面、特許文献3に示される画像記録方式では、顕画剤担持体の移動方向に顕画剤供給手段を複数配設して、カラー画像を形成することが困難であるという大きな問題がある。その理由は以下のとおりである。
【0012】
(1)顕画剤受領部の裏面側から画像情報に応じた熱像を与える方式であるため、1色目の顕画剤がフィルム上に存在する場合に2色目の顕画剤に熱像を与えようとすると、1色目の顕画剤越しに熱を与えなければならない。その結果、1色目と2色目の顕画剤がともに形成される位置では2色目の顕画剤に充分な熱量を与えることができず、2色目の画像にムラができる。あるいは、2色目の顕画剤に充分な熱量を与えようとすると多量のエネルギーが必要となる。
【0013】
(2)1色目の顕画剤越しに熱を与えると、フィルム上に仮固着された1色目の顕画剤が溶解し、2色目の顕画剤供給手段に混入する恐れがある。この結果、1色目画像の画像抜けや、2色目以降の顕画剤供給手段での混色の問題が発生する。レーザ光で熱を与える場合には1色目の顕画剤を透過して2色目の顕画剤を加熱するような波長を選択すれば理論的にはこの問題を回避できるが、実際にはそのような材料の選択は困難である。
【0014】
また、この他、特許文献3に示される方式では、画像担持体に経時にわたり光透過性を保持させ、且つ耐熱性を付与する必要があるが、地肌部にも顕画剤が形成されることが多いカラー画像の場合には困難である。
【0015】
本発明は、簡易な装置構成で且つ低エネルギーで多色記録可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、画像担持体と、前記画像担持体の移動面に沿って配置された複数の単色像形成手段とを備え、各単色像形成手段から転移させられた顕画剤画像を前記画像担持体上で重ね合わせることによって多色画像を形成する画像形成装置であって、前記単色像形成手段は、少なくとも感熱性粘着剤と着色剤とを含む顕画剤を格納する顕画剤格納手段と、その顕画剤を担持して前記画像担持体へ供給する顕画剤担持体を有する顕画剤供給手段と、前記顕画剤担持体上の顕画剤に対して、画像情報に応じて選択的に粘性を付与する粘性付与手段とを有する画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記粘性付与手段は、前記顕画剤担持体上に担持された顕画剤に対してレーザ光を照射することにより粘性を付与するレーザ光走査装置であり、レーザ光の照射位置は、前記顕画剤担持体の移動方向において、前記画像担持体と前記顕画剤担持体との当接部より上流側であり、且つ前記顕画剤格納手段に格納された顕画剤を前記顕画剤担持体に供給する位置の下流側である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記顕画剤担持体の表面層は前記レーザ光を実質的に吸収しないように構成されている画像形成装置を主要な特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど粘着力が強い画像形成装置を主要な特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中の感熱性粘着剤の含有量が多い画像形成装置を主要な特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中に存在する粘着付与剤の含有量が多い画像形成装置を主要な特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中に存在する熱可融性物質の含有量が少ない画像形成装置を主要な特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、顕画剤中に含まれる固体可塑剤の表面を無機化合物あるいはコロイド粒子で保護し、無機化合物あるいはコロイド粒子の含有量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段で供給される前記顕画剤ほど少ない画像形成装置を主要な特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、顕画剤中に光熱変換材料を含有し、光熱変換材料の含有量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段で供給される前記顕画剤ほど多い画像形成装置を主要な特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、顕画剤中に光熱変換材料を含有し、前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の波長は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど、光熱変換材料の光熱変換効率の高い波長である画像形成装置を主要な特徴とする。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の光量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど大きい画像形成装置を主要な特徴とする。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の光照射時間は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど長い画像形成装置を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1記載の発明は、多色記録可能な画像形成装置を簡易な装置構成で且つ低エネルギーで実現できる。
【0029】
請求項2記載の発明は、レーザ光の透過が既に形成した顕画剤画像によって阻害されること、および画像担持体による熱効率の損失により、カラーバランスが崩れることや濃度低下を抑えた高品位な画像を形成することができる。
【0030】
請求項3記載の発明は、地汚れを防止した、高品位な画像を形成することができる。
【0031】
請求項4記載の発明は、多色記録において、既に画像担持体上に形成した顕画剤像の逆転移を抑制した高品位な画像を形成することができる。
【0032】
請求項5〜12記載の発明は、粘着力の異なる顕画剤を簡易な技術で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における記録装置(画像担持体とその周囲のユニット)の構成図である。
【0034】
図1において、符号1はフィルム状の無端の画像担持体である。画像担持体1はローラ2と3との間に掛け渡わたされており、ローラ2がモータなどの駆動手段により矢印の向き(反時計回り方向)に回転駆動されることにより、矢印aの向きに移動する。本実施形態においては画像担持体1として厚さ0.02〜0.2mmのポリカーボネイトが採用されている。
【0035】
画像担持体1の下面には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kをそれぞれ格納した顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kが配置されている。各顕画剤供給装置は同一構造であり、この構造を図2に基いて詳細に説明する。
【0036】
なお以下においては、特定の色に限定されない限り、顕画剤一般について説明する場合はこれを符号4と記す。同様に、特定の色に限定されない顕画剤供給装置一般について説明する場合にはこれを符号5と記す。
【0037】
図2において、顕画剤供給装置5は、顕画剤4を収容するケース6、顕画剤4を担持しつつ画像担持体1との対向部まで搬送する顕画剤担持体としての顕画剤担持ローラ7、顕画剤担持ローラ7にケース6内の顕画剤4を補給する補給ローラ8、顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4の層厚を均一化するブレード9から主に構成される。各ローラ7、8は、それぞれ矢印の向き(時計回り方向)に回転駆動される。顕画剤供給装置5内には、周面にクリーニングブレード11の先端縁を当接させた顕画剤除去手段としての顕画剤除去ローラ12が配置されている。
【0038】
顕画剤4は、顕画剤担持ローラ7の上に汲み上げられ、ブレード9によって規制されることにより、適正量が画像担持体1と顕画剤担持ローラ7との対向部に導かれる。顕画剤4を顕画剤担持ローラ7の上に汲み上げる方法として本実施形態では静電的な付着力を利用する。
【0039】
すなわち顕画剤担持ローラ7と補給ローラ8とがその対向部において速度差を有しつつ接触するようにすることで顕画剤4を摩擦帯電(本実施形態では負帯電)させ、かつ顕画剤担持ローラ7に、補給ローラ8に対してプラスの電位となる電圧を印加することによって顕画剤4を汲み上げる。なお、顕画剤4を顕画剤担持ローラ7に汲み上げる方法としては本実施形態の方法には限定されず、磁力などの非静電的付着力を利用して汲み上げてもよい。
【0040】
顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kそれぞれの顕画剤担持ローラ7の上に担持された顕画剤4に粘性を付与する粘性付与手段として、図1に示すレーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kが存在する。各レーザ光走査装置は同一構造であるので一つのレーザ光走査装置についてその構造を説明する。なお以下においては、特定の色に限定されないレーザ光走査装置一般について説明する場合にはこれを符号13と記す。
【0041】
レーザ光走査装置13は、レーザ光源、コリメータレンズ(共に図示されず)ポリゴンミラー14、fθレンズ15、画像担持体1の幅と略同じ長さの短冊形反射鏡16で主に構成されており、顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4に画像信号に応じた熱像をレーザ光Lで与える。
【0042】
すなわち本実施形態ではレーザ光による熱によって、顕画剤担持ローラ7上に担持された顕画剤4のうち画像部に相当する位置に存在する顕画剤4に対して選択的に粘性を付与する。なおここでいう「粘性を付与する」とは、もともと粘性がなかった物質に粘性を帯びさせる場合のみならず、もともと粘性があった物質の粘性を画像担持体1に付着転移する程度まで高める場合を含む。
【0043】
なお、本実施形態では、各顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kと各レーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kとで単色像形成手段を構成している。すなわちC、M、Y、Kの4つの単色像形成手段が並列に配置されている。
【0044】
ローラ2には、画像担持体1を介して熱溶着転写手段としての熱ローラ17が接離自在に対向して配置されており、この熱ローラ17は、これとローラ2との間に記録材18がレジストローラ対19によって送り込まれたときに、画像担持体1を介してローラ2に圧接するようになっている。
【0045】
ローラ3の近傍には、画像担持体1を介してローラ3にクリーニングローラ21を当接させたクリーニング装置22が配置されている。クリーニングローラ21にはブレード23が当接している。
【0046】
次に、顕画剤4について詳細に説明する。顕画剤4は、少なくとも着色剤と感熱性粘着剤を含む。また、レーザ走査による熱吸収を起こさせるために、顕画剤4は、光熱変換材料を含有し、または表面層に光熱変換層を設ける。着色剤としては、一般のトナーに用いられている、カーボンブラックや、染料、顔料を用いることができる。
【0047】
感熱性粘着剤は固体可塑剤または液体可塑剤と熱可塑性樹脂を必須成分とし、これらの成分に必要に応じて、粘着付与剤を混合したものである。感熱性粘着材料の粘着層表面は、常温では全く粘着性を示さないが、加熱および外的負荷により粘着性が発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであり、加熱によりまず固体可塑剤が溶融し、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶融することにより粘着性が発現する。
【0048】
すなわち、粘着性の発現とは、固体可塑剤が熱溶融して熱可塑性樹脂に相溶し、熱可塑性樹脂を可塑化させることで粘着力を生じさせるメカニズムである。また、液体可塑剤は一般的にマイクロカプセルに内包されており、加熱によりそのマイクロカプセルのシェルが破壊され、前記同様に熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶融することにより粘着性が発現する。
【0049】
以下、顕画剤4の各要素についてさらに詳細に説明するが、本発明の顕画剤4に用いられる粘着剤は、粘性を発現させる材料構成であれば、特にこの構成に限定するものではない。
【0050】
本発明の感熱性粘着材料に用いられる熱可塑性樹脂としては、従来公知の各種のものを用いることができる。その具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。これらの共重合体は、いずれも従来からよく知られているものである。
【0051】
本発明の感熱性粘着材料に用いられる固体可塑剤としては、従来公知の各種のものを用いることができる。その具体例としては、例えば、ヒンダ−ドフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、芳香族スルホンアミド化合物、フタル酸化合物等が挙げられる。
【0052】
本発明の感熱性粘着材料において、必要に応じ、その粘着力を向上させるために、粘着付与剤を含有させることができる。その粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。
【0053】
本発明の感熱性粘着材料において、必要に応じ、その粘着力を調整するために、熱可融性物質を含有させることができる。その熱可融性物質の具体例としては、動植物性ワックス、合成ワックス等のワックス類や、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物等がある。
【0054】
その具体例を示すと、ワックスとしては、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバろう、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンステアリン酸アミド等が、高級脂肪族アニリドとしては、ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、アセトトルイジド等が挙げられる。
【0055】
本発明の感熱性粘着材料において、必要に応じ、その粘着力を調整するために、無機化合物を含有させることができる。その具体例としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0056】
レーザ書き込みにおいて、顕画剤4にレーザ光の波長の熱吸収を起こさせ、粘着性を発現させるために、光熱変換材料を含有させる。光熱変換機能を付与することができる材料としては、一般的に、染料として、500〜550nmに極大吸収を持ち、且つ360〜420nmにおいては光透過率が10%以上で光熱変換機能を付与することができる、一般的に染料として存在する直接染料(アゾ染料)、酸性染料(アゾ染料、アントラキノン染料、金属錯体アゾ染料)、塩基性染料(アゾ染料、トリフェニルメタン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、キサンテン染料)、建染染料(アントラキノン染料)、油溶染料(アントラキノン染料、アゾ染料、金属錯体染料)、分散染料(アゾ染料、アントラキノン染料)等が挙げられる。
【0057】
780〜850nmに極大吸収を持ち、且つ360〜420nmにおいては、光透過率が10%以上である光熱変換機能を付与することができる材料としては、一般的に染料として存在するシアニン系化合物(ポリメチン系化合物)、フタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、金属錯体化合物、ジインモニウム化合物、アルミニウム塩化合物等が挙げられる。
【0058】
本発明の画像形成装置に適用することができる感熱性粘着材料を用いた顕画剤4としては、着色剤の表面に感熱性粘着層を構成したもの、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、着色剤を混合した粒子の表面に固体可塑剤を付着させたもの、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、固体可塑剤、着色剤を混合した粒子を構成したものが考えられる。
【0059】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。まず、レーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kからシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの画像信号に応じたレーザ光が顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kにおけるそれぞれの顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4に照射される。顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4は、ブレード9で所定の層厚に規制された状態で顕画剤担持ローラ7に担持されている。
【0060】
顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4に与えられるレーザ光の熱エネルギーは、顕画剤4が顕画剤担持ローラ7上から画像担持体1の表面に付着転移する程度までレーザ光を照射された顕画剤の粘性を高める程度のエネルギーである。レーザ光を照射された顕画剤4は昇温して粘性を帯び、画像担持体1に顕画剤画像25(図2参照)として仮固着する。
【0061】
ここで顕画剤担持体ローラ7の表面層は、レーザ光を実質的に吸収しない材質または層で構成する。このように構成する理由は以下のとおりである。理想的には顕画剤担持体ローラ7上に一様に顕画剤4が存在し、その結果としてレーザ光は全て顕画剤4に吸収される。
【0062】
しかし瞬間的な変動によって顕画剤担持体ローラ7上に顕画剤4が担持されない領域が発生した場合、その領域部分にレーザ光が照射されて光熱変換による発熱反応が起ると、画像担持体1上に仮固着された顕画剤4がその領域部分から熱を受けて溶解し、この結果仮固着されていた顕画剤4が顕画剤担持体ローラ7に付着して地汚れや逆転移が発生する恐れがある。このような現象を抑制するため、顕画剤担持体ローラ7の表面層はレーザ光を実質的に吸収しないように構成されていることが望ましい。
【0063】
ここで「顕画剤担持体ローラ7がレーザ光を実質的に吸収しない」とは、顕画剤担持体ローラ7にレーザ光が直接照射された場合にも、すでに画像担持体1上に仮固着されている顕画剤4が顕画剤担持体ローラ7に付着しない程度に昇温が抑えられることを意味する。したがって状況によって「実質的に吸収された」か否かは変わるため、これを数値で明確化することは難しいが、一般的にはレーザ光の波長に対して光吸収率が10%以下であれば上記のような不具合を抑制することができる。
【0064】
仮固着工程後における画像担持体1の非画像部の顕画剤4は、プラスの電圧を印加された顕画剤除去ローラ12の静電的吸引力で取り除かれる。この顕画剤除去ローラ12は、本来仮固着されるべき顕画剤4以外の顕画剤4が非画像部に付着(いわゆる「地汚れ」)した場合にそれを除去するために設けられており、顕画剤除去ローラ12の吸引力は、顕画剤4の画像担持体1に対する仮固着力よりも弱く定められる。なお非画像部に付着する顕画剤4の量が充分少なければ顕画剤除去ローラ12を設けなくてもよい。
【0065】
レーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kからのレーザ光は、画像担持体1上でシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック4色の画像がオリジナルのカラー画像を再現するようなタイミングで照射され、画像担持体1上ではまず顕画剤供給装置5Cからシアン色の顕画剤4Cが仮固着され、次に顕画剤供給装置5Mからマゼンタ色の顕画剤4Mが仮固着され、次いで顕画剤供給装置5Yからイエロー色の顕画剤4Yが仮固着され、最後に顕画剤供給装置5Kからブラック色の顕画剤4Kが仮固着され、これらが重なってフルカラーの顕画剤画像25を形成する。
【0066】
画像担持体1と熱ローラ17との対向部において、顕画剤画像25は熱ローラ17により記録材18に熱溶着により転写され定着される。記録材18は、給紙装置(図示されず)から給紙されレジストローラ対19によって画像担持体1の画像部と同期的に熱ローラ17に送り込まれ、その裏側から加熱されることにより顕画剤画像25が転写定着される。
【0067】
顕画剤画像25を転写定着された熱溶着転写工程後の画像担持体1は、クリーニングローラ21によりクリーニングされ一連の記録工程を終え、顕画剤画像仮固着工程から始まる次の記録工程に備える。クリーニングローラ21上の顕画剤4を含む塵埃はブレード23で掻き落とされる。
【0068】
本実施形態においては、レーザ光を、画像担持体1を介さずに顕画剤担持ローラ7に照射している。カラー画像を形成する場合には、下流側の顕画剤供給装置5においてレーザ光を照射する際に、上流側の顕画剤供給装置5によって画像担持体1上に仮固着された顕画剤画像25がレーザ光の通過を阻害して充分な加熱を行うことができない恐れがある。
【0069】
充分な加熱が行なわれないと下流側に配置された色の濃度が不安定化したり低下したりし、カラ−バランスが崩れてしまう。そこでカラー画像を形成する場合には、画像担持体1に最初に仮固着を行う顕画剤供給装置5C以外の顕画剤供給装置5については、レーザ光は画像担持体1を介さずに顕画剤担持ローラ7に照射することが好ましい。
【0070】
なお画像担持体1に最初に仮固着を行う顕画剤供給装置5Cについても実施形態では、画像担持体1を介さずに顕画剤担持ローラ7にレーザ光が照射されている。しかし、顕画剤供給装置5Cは画像担持体1を介して、つまり、画像担持体1の裏側からレーザ光が照射されるようになっていてもよい。
【0071】
本実施形態の画像形成装置においては、顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kから画像担持体1表面に供給される顕画剤4の仮固着時の粘着力は、画像担持体1に最初に仮固着される顕画剤4の粘着力が最も強く、下流に行くに従って粘着力が弱くなるように設定されている。
【0072】
つまりシアン色の顕画剤4Cが仮固着時の粘着力が最も強く、マゼンタ色の顕画剤4Mが仮固着時の粘着力が2番目に強く、イエロー色の顕画剤4Yが仮固着時の粘着力が3番目に強く、ブラック色の顕画剤4Kが仮固着時の粘着力が最も弱い。
【0073】
この理由は、2色目以降の仮固着時に画像担持体1に既に仮固着されている顕画剤4が顕画剤供給装置5側に逆転移することを抑制するためである。例えば、粘着力が付与された2色目の顕画剤4Mが画像担持体1と接触する場合には、画像担持体1または画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cと接触すると同時に、顕画剤担持ローラ7または顕画剤担持ローラ7上に担持された他の2色目の顕画剤4Mとも接触する。
【0074】
以下において、画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cと、顕画剤担持ローラ7上の2色目の顕画剤4Mとの間の付着力をF1(力の大きさであるスカラー量を表わす。以下F2、F3なども同じ。)と記す。また画像担持体1と、画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cとの間の付着力をF2と記す。また画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cと接触している2色目の顕画剤4Mに作用する、該2色目の顕画剤4Mを画像担持体1側に引き寄せる力(他の2色目顕画剤4Mとの間に働く粘着力や、静電的吸引力など他の力の総和)をF3と記す。
【0075】
このときF1がF2よりも大きく、かつF3がF2よりも大きければ、画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cは顕画剤担持ローラ7側に転移して、画像抜けおよび2色目の顕画剤供給装置5Mにおける混色を起こす可能性が高い。画像担持体1上に仮固着された1色目の顕画剤4Cを顕画剤担持ローラ7側に転移させることなく2色目の顕画剤4Mを1色目の顕画剤4Cに重ねて画像担持体1側に転移させるためには、F1およびF2をF3よりも大きくする必要がある。
【0076】
一方、画像担持体1上に1色目の顕画剤4Cが仮固着されておらず2色目の顕画剤4Mが直接画像担持体1に接触する場合には、画像担持体1と、画像担持体1に接触する2色目の顕画剤4Mとの間の付着力をF4と記すと、F3がF4よりも大きければ2色目の顕画剤4Mは画像担持体1に仮固着することができない。安定した画像形成のためにはF4はF3よりも大きい必要がある。
【0077】
同様に、3色目以降の場合には、画像担持体1側に転移すべき3色目の顕画剤4Yがきちんと転移し、画像担持体1側で既に仮固着されている顕画剤4が顕画剤担持ローラ7側に転移しない力の関係を設定する必要がある。
【0078】
本発明者はこの点について検討を重ねた結果、以下の結論に至った。すなわち、(1)転移すべき顕画剤4の粘着力は、画像担持体1側の面における粘着力が顕画剤担持ローラ7側の面における粘着力よりも大きいことが必要である。転移すべき顕画剤4において、画像担持体1側の面における粘着力が顕画剤担持ローラ7側の面における粘着力よりも大きくなるようにすることにより、顕画剤4が画像担持体1側に転移する確率が向上する。
【0079】
(2)また、画像担持体1に先に付着する顕画剤4の粘着力は、後に付着する顕画剤4の粘着力よりも大きいことが望ましい。ここで「先に付着する」「後に付着する」というのは、同じ一枚の多色画像を形成する際に画像担持体1に付着する順序を意味する。本実施形態の場合には、顕画剤4の粘着力を大きい順にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックと設定することにより、既に画像担持体1上に仮固着された顕画剤4が下流側の顕画剤担持ローラ7に逆転移することが効果的に抑制できる。
【0080】
実際には、画像担持体1上や顕画剤担持ローラ7上に存在する顕画剤4の分布状態によってそれぞれの顕画剤4が対象物と接触する面積が異なるため、顕画剤4に働く力が上記F1等の条件を満たすように設定することは困難であり、100%逆転移等を防止することはできない。しかし上記(1)および(2)の条件に注意することにより、画像形成の安定性を大きく増すことができる。(1)および(2)の条件を満たす具体的な手段は実施例として後述する。
【0081】
ところで、画像担持体1に最初に仮固着される顕画剤4の粘着力が最も強く、下流に行くに従って付着力が弱くなるように設定すると、画像担持体1上の顕画剤画像25を記録材18に転移させることが困難となる。そこで本実施形態では、記録材18を介して熱ローラ17を画像担持体1に対向させ、熱ローラ17からの加熱によって記録材18と接触する顕画剤4の粘着力を強めている。このように、画像担持体1上の顕画剤4の、記録材18と接触する側を加熱することにより、記録材18への転移時に一部の顕画剤4が転移しないことによって生じる画像抜けを抑制することができる。
【0082】
また熱ローラ17の画像担持体1に対する加圧力を高めることによって、顕画剤4間の間隔を圧縮して顕画剤4同士の熱の伝達効率を高め、さらに効果的に画像抜けを抑制することができる。本実施形態の画像形成装置の場合、面圧を1Kg重/cm2以上とすることにより画像抜けを実用に足る程度まで抑制できる。
【0083】
なお本実施形態では熱ローラ17内にヒータを設けたが、熱ローラ17内部にヒータを持つ代わりに、または熱ローラ17内部のヒータと併用して、最後に仮固着を行う顕画剤供給装置5Kの下流側であって画像担持体1と記録材18との接触部の上流側にヒータを設置するようにしてもよい。そのような構成によっても記録材18と顕画剤4との間の粘着力を強めることができるので、画像抜けを抑制することができる。
【0084】
図3は本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。第1の実施形態と同一個所については同じ符号を割り当ててある。
【0085】
図3において、符号31はフィルム状の無端の記録材搬送ベルトである。記録材搬送ベルト31は図示せぬ駆動手段により回転駆動されて矢印aの向きに移動する。本実施形態の記録材搬送ベルト31は、記録材18をその表面に静電的に付着して搬送させる。すなわち、給紙装置32から供給される記録用紙等の記録材18は吸着ローラ31aに電圧が印加されることで記録材搬送ベルト31に吸着させられて記録材搬送ベルト31上を移動し、移動中に顕画剤供給装置5K、5M、5C、5Yから顕画剤を供給される。
【0086】
記録材搬送ベルト31の材質は第1の実施形態の画像担持体と同じである。また記録材搬送ベルト31は画像を担持する記録材18をその表面に静電的に付着して搬送させるものであるから、間接的に画像担持体として機能する。
【0087】
第1の実施形態における熱ローラ17に対応する定着装置33は加熱ローラ33aおよび加圧ローラ33bを有し、この2つのローラで記録材18および記録材18上の顕画剤画像25(図1、図2)を挟みつつ加熱することで記録材18上に顕画材画像25を定着させる。
【0088】
記録材搬送ベルト31の側面には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4をそれぞれ格納した顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kが配置されている。各顕画剤供給装置5は同一構造であり、この構造を図4に基いて詳細に説明する。
【0089】
図4において、顕画剤供給装置5は、顕画剤4を収容するケース6、顕画剤4を担持しつつ記録材搬送ベルト31との対向部まで搬送する顕画剤担持体としての顕画剤担持ローラ7、顕画剤担持ローラ7にケース6内の顕画剤4を補給する補給ローラ8、顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4の層厚を均一化するブレード9から主に構成される。各ローラ7、8は、それぞれ矢印の向き(反時計回り方向)に回転駆動される。
【0090】
顕画剤4は、顕画剤担持ローラ7の上に汲み上げられ、ブレード9によって規制されることにより、適正量が記録材搬送ベルト31と顕画剤担持ローラ7との対向部に導かれる。顕画剤4を顕画剤担持ローラ7の上に汲み上げる方法として本実施形態では静電的な付着力を利用する。
【0091】
すなわち顕画剤担持ローラ7と補給ローラ8とがその対向部において速度差を有しつつ接触するようにすることで顕画剤4を摩擦帯電(本実施形態では負帯電)させ、かつ顕画剤担持ローラ7に補給ローラ8に対してプラスの電位となる電圧を印加することによって顕画剤4を汲み上げる。なお顕画剤4を顕画剤担持ローラ7に汲み上げる方法としては本実施例の方法には限定されず、磁力などの非静電的付着力を利用して汲み上げてもよい。
【0092】
顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kそれぞれの顕画剤担持ローラ7の上に担持された顕画剤4に粘性を付与する粘性付与手段として、実施の形態1と同様なレーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kが存在する。すなわち本実施形態ではレーザ光による熱によって、顕画剤担持ローラ7上に担持された顕画剤4のうち画像部に相当する位置に存在する顕画剤4に対して選択的に粘性を付与する。なおここでいう「粘性を付与する」とは、もともと粘性がなかった物質に粘性を帯びさせる場合のみならず、もともと粘性があった物質の粘性を記録材に付着転移する程度まで高める場合を含む。
【0093】
また記録材搬送ベルト31の近傍にはクリーニング装置22が配置されている。クリーニング装置22において、クリーニングローラ21にはブレード23が当接している。
【0094】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。給紙装置30から供給される記録用紙等の記録材18は吸着ローラ31aに電圧が印加されることで記録紙搬送ベルト31に吸着させられて記録紙搬送ベルト31上を移動し、顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kとの対向部に送られる。
【0095】
記録材18が顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kとの対向部に到達するのとタイミングを合わせ、レーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kからシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの画像信号に応じたレーザ光が顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kそれぞれの顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4に照射される。
【0096】
顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4はブレード9で所定の層厚に規制された状態で顕画剤担持ローラ7に担持されている。顕画剤担持ローラ7上の顕画剤4に与えられるレーザ光の熱エネルギーは、顕画剤4が顕画剤担持ローラ7上から記録材搬送ベルト31上に担持された記録材18の表面に付着転移する程度までレーザ光を照射された顕画剤4の粘性を高める程度のエネルギーである。レーザ光を照射された顕画剤4は昇温して粘性を帯び、記録材18に顕画剤画像25として仮固着する。
【0097】
レーザ光走査装置13C、13M、13Y、13Kからのレーザ光は、記録材18上でシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック4色の画像がオリジナルのカラー画像を再現するように重ね合わせられるタイミングで照射される。記録紙搬送ベルト31に担持された記録材18上では、まず顕画剤供給装置5Cからシアン色の顕画剤4Cが仮固着され、次に顕画剤供給装置5Mからマゼンタ色の顕画剤4Mが仮固着され、次いで顕画剤供給装置5Yからイエロー色の顕画剤4Yが仮固着され、最後に顕画剤供給装置5Kからブラック色の顕画剤4Kが仮固着され、これらが重なりフルカラーの顕画剤画像25を形成する。
【0098】
記録材18上に形成された顕画剤画像25は定着装置33により記録材18に熱と圧力を用いて定着される。記録材18を担持し終えた記録材搬送ベルト31は、クリーニングローラ21によりクリーニングされ一連の記録工程を終え、顕画剤画像仮固着工程から始まる次の記録工程に備える。クリーニングローラ21上の顕画剤4を含む塵埃はブレード23で掻き落とされる。
【0099】
なお画像形成動作において顕画剤4が直接に記録材搬送ベルト31に付着させられることはないものの、実際には非画像形成時に顕画剤4が記録材搬送ベルト31に付着することもあり、またプロセスコントロールのために記録材18を担持しない状態で記録材搬送ベルト31上に顕画剤画像25を形成して画像濃度を測定することもある。クリーニング装置22はかかる原因によって記録材搬送ベルト31に付着する顕画剤4を除去するためのものである。
本実施形態においても、実施の形態1と同様にレーザ光を、記録材搬送ベルト31を介さずに顕画剤担持ローラ7に照射しているのでカラ−バランスが崩れることを抑制できる。
【0100】
また本実施形態の画像形成装置においては、顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kから記録材18に供給される顕画剤4の仮固着時の粘着力は、記録材18に最初に仮固着される顕画剤4の粘着力が最も強く、下流に行くに従って粘着力が弱くなるように設定されている。つまりシアン色の顕画剤4Cが仮固着時の粘着力が最も強く、マゼンタ色の顕画剤4Mが仮固着時の粘着力が2番目に強く、イエロー色の顕画剤4Yが仮固着時の粘着力が3番目に強く、ブラック色の顕画剤4Kが仮固着時の粘着力が最も弱い。
【0101】
この理由は、第1の実施形態と同様、2色目以降の仮固着時に記録材搬送ベルト31に既に仮固着されている顕画剤4が顕画剤供給装置5側に逆転移することを抑制するためである。仮固着時の粘着力に差を設けることによって、画像抜けおよび混色を効果的に抑制することができる。
【0102】
なお第1の実施形態と異なり、本実施形態では顕画剤担持ローラ7上の顕画剤画像25を直接記録材18に供給している。したがって第1の実施形態異なり、顕画剤担持ローラ7から供給された顕画剤4を再び別の媒体に転移させる必要がないため、記録材18に最初に仮固着される顕画剤4の粘着力を最も強く、下流に行くに従って粘着力を弱くなるように設定することが容易にできる。
【0103】
本実施形態で用いる顕画剤4の構成は第1の実施形態のものと同様である。また記録材18に最初に仮固着される顕画剤4の粘着力を最も強く、下流に行くに従って粘着力を弱くなるように設定する手段としても第1の実施形態と同様な手段をとることができる。なお各実施の形態ではレーザ光による加熱を行ったが、サーマルヘッドを用いて顕画剤4を加熱して熱像を形成してもよい。
【0104】
以下、顕画剤4の粘着力をコントロールする方法について、具体的な実施例を説明する。転移すべき顕画剤4の粘着力を、画像担持体1(第2の実施形態の場合、記録材搬送ベルト31、以下、画像担持体1で代表する)側の面における粘着力が顕画剤担持ローラ7側の面における粘着力よりも大きくなるようにコントロールする方法については、顕画剤担持ローラ7上に存在する顕画剤4の熱の分布を、外側ほど高温となるようにすればよい。具体的には、各実施形態では顕画剤担持ローラ7の外側からレーザ光を照射することにより達成しているが、この他の加熱手段を用いてもよい。
【0105】
画像担持体1に先に付着する顕画剤4の粘着力が、後に付着する顕画剤4の粘着力よりも大きくなるようにコントロールする方法については、以下の方法が考えられる。
【実施例1】
【0106】
実施例1は感熱性粘着材料の付着量または膜厚を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど感熱性粘着材料の付着量を多くする、または先に仮固着する顕画剤4ほど感熱性粘着材料の膜厚を厚くする。
【0107】
以下に示す部および%のいずれも重量基準である。また、塗工量を示す値は断りのない限り、乾燥後の塗工量である。
【0108】
固体可塑剤としてベンゾトリアゾール化合物を100部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液[A液]を調製した。
【0109】
固体可塑剤分散液[A液]を400部に、熱可塑性樹脂として固形分50%のアクリル酸エステルエマルション(平均粒子径1.1μm/90%粒子径1.25μm、ガラス転移点10℃、平均分子量50万)100部と、粘着付与剤としてテルペンフェノール50%分散液50部とを混合して、感熱性粘着剤塗布液[B液]を調製した。
【0110】
感熱性粘着剤塗布液[B液]を90%、80%、70%に希釈した液、それぞれ、BM3液、BY3液、BK3液を製調した。結着樹脂としてポリエステル樹脂90部と着色剤としてシアン有機顔料10部との混合溶液から懸濁造粒により形成された微粒子を凝集により成長させたシアン色トナー粒子を得た。
【0111】
同様にして、結着樹脂としてポリエステル樹脂90部と着色剤としてマゼンタ有機顔料/イエロー有機顔料/カーボンブラック10部との混合溶液から懸濁造粒により形成された微粒子を凝集により成長させたマゼンタ色トナー粒子/イエロー色トナー粒子/ブラック色トナー粒子を得た。感熱性粘着剤塗布液[B液]をシアン色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、顕画剤4Cを得た。
【0112】
同様にして、感熱性粘着剤塗布液[BM3液]をマゼンタ色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[BY3液]をイエロー色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[BK3液]をブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、それぞれ顕画剤4M、顕画剤4Y、顕画剤4Kを得た。
【0113】
上記方法により、感熱性粘着剤の含有量の異なるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。
【実施例2】
【0114】
実施例2は粘着付与剤の添加量を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど粘着付与剤の添加量を多くする。
【0115】
実施例1に用いられた感熱性粘着剤塗布液[B液]に粘着付与剤として混合したテルペンフェノール50%分散液の混合量を、それぞれ45部、40部、35部に変更した、感熱性粘着剤塗布液[BM4液]、感熱性粘着剤塗布液[BY4液]、感熱性粘着剤塗布液[BK4液]を製調した。
【0116】
感熱性粘着剤塗布液[B液]を実施例1に用いられたシアン色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、顕画剤4Cを得た。
【0117】
同様にして、感熱性粘着剤塗布液[BM4液]を実施例1に用いられたマゼンタ色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[BY4液]をイエロー色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[BK4液]をブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、それぞれ顕画剤4M、顕画剤4Y、顕画剤4Kを得た。
【0118】
上記方法により、粘着付与剤の含有量の異なるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。
【実施例3】
【0119】
実施例3は感熱性粘着剤中に熱可融性物質を添加してその添加量を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど熱可塑性物質の添加量を少くする。
【0120】
実施例1に用いられた固体可塑剤分散液[A液]を400部に、熱可塑性樹脂として固形分50%のアクリル酸エステルエマルション(平均粒子径1.1μm/90%粒子径1.25μm、ガラス転移点10℃、平均分子量50万)100部と、粘着付与剤としてテルペンフェノール50%分散液50部と、ステアリン酸アミドエマルション40%分散液50部とを混合して、感熱性粘着剤塗布液[C液]を調製した。
【0121】
感熱性粘着剤塗布液[C液]に混合したステアリン酸アミドエマルション40%分散液の混合量を、それぞれ60部、70部、80部に変更した、感熱性粘着剤塗布液[CM5液]、感熱性粘着剤塗布液[CY5液]、感熱性粘着剤塗布液[CK5液]を製調した。感熱性粘着剤塗布液[C液]を実施例1に用いられたシアン色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、顕画剤4Cを得た。
【0122】
同様にして、感熱性粘着剤塗布液[CM5液]を実施例1に用いられたマゼンタ色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[CY5液]をイエロー色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[CK5液]をブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、それぞれ顕画剤4M、顕画剤4Y、顕画剤4Kを得た。
【0123】
上記方法により、熱可融性物質の含有量の異なるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。
【実施例4】
【0124】
実施例4は感熱性粘着剤中に無機化合物を添加してその添加量を調整する方法に関するものである。または、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護し、その保護する割合を調整することにより固体可塑剤の軟化の抑制を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど添加量や保護割合を少なくする。
【0125】
固体可塑剤としてベンゾトリアゾール化合物100部を加熱により表面を溶融させ、その表面に酸化マグネシウム30部を塗工した。この化合物に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液[D液]を調製した。
【0126】
また、上記の酸化マグネシウムの塗工量をそれぞれ40部、50部、60部に変更した、固体可塑剤分散液[DM6]、固体可塑剤分散液[DY6]、固体可塑剤分散液[DK6]を製調した。
【0127】
固体可塑剤分散液[D液]を400部に、熱可塑性樹脂として固形分50%のアクリル酸エステルエマルション(平均粒子径1.1μm/90%粒子径1.25μm、ガラス転移点10℃、平均分子量50万)100部と、粘着付与剤としてテルペンフェノール50%分散液50部とを混合して、感熱性粘着剤塗布液[E液]を調製した。
【0128】
また、上記の固体可塑剤分散液[D液]をそれぞれ固体可塑剤分散液[DM6]、固体可塑剤分散液[DY6]、固体可塑剤分散液[DK6]に変更した、感熱性粘着剤塗布液[EM6液]、感熱性粘着剤塗布液[EY6液]、感熱性粘着剤塗布液[EK6液]を製調した。感熱性粘着剤塗布液[E液]を実施例1に用いられたシアン色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、顕画剤4Cを得た。
【0129】
同様にして、感熱性粘着剤塗布液[EM6液]を実施例1に用いられたマゼンタ色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[EY6液]をイエロー色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[EK6液]をブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、それぞれ顕画剤4M、顕画剤4Y、顕画剤4Kを得た。
【0130】
上記方法により、無機化合物の含有量の異なるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。
【実施例5】
【0131】
実施例5は感熱性粘着材料に含有する光熱変換材料の添加量を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど光変換材料の添加量を多くする。
【0132】
実施例1に用いた感熱性粘着剤塗布液[B液]に、光熱変換材料としてIR−820B(シアニン系化合物:日本化薬製)をB液の固形分に対して、0.5%混合した感熱性粘着剤塗布液[F液]を製調した。
【0133】
感熱性粘着剤塗布液[F液]に光熱変換材料として混合したIR−820Bの混合量を、それぞれ0.4%、0.3%、0.2%に変更した、感熱性粘着剤塗布液[FM7液]、感熱性粘着剤塗布液[FY7液]、感熱性粘着剤塗布液[FK7液]を製調した。感熱性粘着剤塗布液[F液]を実施例1に用いられたシアン色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、顕画剤4Cを得た。
【0134】
同様にして、感熱性粘着剤塗布液[FM7液]を実施例1に用いられたマゼンタ色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[FY7液]をイエロー色トナー粒子に、感熱性粘着剤塗布液[FK7液]をブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、それぞれ顕画剤4M、顕画剤4Y、顕画剤4Kを得た。
【0135】
上記方法により、粘着付与剤の含有量の異なるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。
【実施例6】
【0136】
実施例6はレーザ書き込みの光の波長を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど、含有する光熱変換材料の光熱変換効率の高い波長でレーザ書き込みを行う。
【0137】
実施例5で製調した感熱性粘着剤塗布液[E液]を実施例1に用いられたシアン色トナー粒子、マゼンタ色トナー粒子、イエロー色トナー粒子、ブラック色トナー粒子にスプレーコートして乾燥させ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の顕画剤4C、4M、4Y、4Kを得た。この顕画剤4に含有する光熱変換材料の極大吸収波長は820nmである。
【0138】
得られた各色のトナーをそれぞれ図1に示す画像形成装置の顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kに格納した。
【0139】
粘着性付与手段としてのレーザ光走査装置13にはLD発光素子を用いた出力50mWのレーザ光を使用し、1000mm/sの速度で書き込みを行った。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の書き込み装置のレーザ光は、それぞれ821nm、812nm、806nm、802nmの波長のものを選別し、装着して書き込みを行った。
【実施例7】
【0140】
実施例7はレーザ書き込みの光量を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤ほど、照射されるレーザ光の光量を多くする。
【0141】
実施例5で得られた各色のトナーをそれぞれ図1に示す画像形成装置の顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kに格納した。
【0142】
粘着性付与手段としての各色のレーザ光走査装置13にはLD発光素子を用いた波長830nmのレーザ光を使用し、1000mm/sの速度で書き込みを行った。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の書き込み装置のレーザ光の出力は、それぞれ50mW、47mW、45mW、43mWに設定して書き込みを行った。
【実施例8】
【0143】
実施例8はレーザ書き込みの光を照射する時間を調整する方法に関するものである。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど、レーザ光が照射される時間を長くする。
【0144】
実施例5で得られた各色のトナーをそれぞれ図1に示す画像形成装置の顕画剤供給装置5C、5M、5Y、5Kに格納した。
【0145】
粘着性付与手段としてのレーザ光走査装置13にはLD発光素子を用いた波長830nm、出力50mWのレーザ光を使用し、1000mm/sの速度で書き込みを行った。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色の書き込み装置のレーザ光のデューティ設定は、それぞれ60%、57%、55%、53%に設定して書き込みを行った。
【0146】
その他、以下のような手段も取りうる。
(1)顕画剤1つあたりの、画像担持体1に対する接触面積が異なるように顕画剤4の形状を変える方法。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど画像担持体との接触面積が大きくなるようにする。この手段としては、先に仮固着する顕画剤4ほど大径化させる、あるいは扁平化させることが考えられる。
【0147】
(2)感熱性粘着材料に吸光度の異なる光熱変換材料を含有させる方法等が挙げられる。具体的には、先に仮固着する顕画剤4ほど、書き込みを行うレーザ光の波長における吸光度を高くする。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における記録装置(画像担持体とその周囲のユニット)の構成図である。
【図2】図1に示す顕画供給装置の詳細構成図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図4】図3に示す顕画供給装置の詳細構成図である。
【符号の説明】
【0149】
1 画像担持体
4 顕画剤
5 顕画剤供給装置(顕画剤供給手段、単色像形成手段構成要素)
7 顕画剤担持ローラ(顕画剤担持体)
12 顕画剤除去ローラ(顕画剤除去手段)
13 レーザ光走査装置(粘性付与手段、単色像形成手段構成要素)
17 熱ローラ(熱溶着転写手段)
18 記録材
25 顕画剤画像
33 定着装置(熱溶着転写手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像担持体と、前記画像担持体の移動面に沿って配置された複数の単色像形成手段とを備え、各単色像形成手段から転移させられた顕画剤画像を前記画像担持体上で重ね合わせることによって多色画像を形成する画像形成装置であって、
前記単色像形成手段は、
少なくとも感熱性粘着剤と着色剤とを含む顕画剤を格納する顕画剤格納手段と、
前記顕画剤を担持して前記画像担持体へ供給する顕画剤担持体を有する顕画剤供給手段と、
前記顕画剤担持体上の顕画剤に対して、画像情報に応じて選択的に粘性を付与する粘性付与手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記粘性付与手段は、前記顕画剤担持体上に担持された顕画剤に対してレーザ光を照射することにより粘性を付与するレーザ光走査装置であり、レーザ光の照射位置は、前記顕画剤担持体の移動方向において、前記画像担持体と前記顕画剤担持体との当接部より上流側であり、且つ前記顕画剤格納手段に格納された顕画剤を前記顕画剤担持体に供給する位置の下流側であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記顕画剤担持体の表面層は前記レーザ光を実質的に吸収しないように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど粘着力が強いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中の感熱性粘着剤の含有量が多いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中に存在する粘着付与剤の含有量が多いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画像担持体の移動方向において上流側に位置する前記単色像形成手段から供給された顕画剤ほど、顕画剤中に存在する熱可融性物質の含有量が少ないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4に記載の画像形成装置において、
顕画剤中に含まれる固体可塑剤の表面を無機化合物あるいはコロイド粒子で保護し、無機化合物あるいはコロイド粒子の含有量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段で供給される前記顕画剤ほど少ないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4に記載の画像形成装置において、
顕画剤中に光熱変換材料を含有し、光熱変換材料の含有量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段で供給される前記顕画剤ほど多いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項4に記載の画像形成装置において、顕画剤中に光熱変換材料を含有し、前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の波長は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど、光熱変換材料の光熱変換効率の高い波長であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の光量は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記顕画剤担持体を走査する前記レーザ光走査装置の光照射時間は、前記画像担持体に対して上流側の前記単色像形成手段の前記レーザ光走査装置ほど長いことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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