説明

画像形成装置

【課題】マガジンを収容部へ安定して搬入させ、マガジン側の駆動伝達部と収容部側の駆動部とを円滑に係合させる。
【解決手段】画像形成装置Aは、ペーパーPを収納すると共に該ペーパーPを外部へ排出する排出ローラ130を設けたマガジン100と、該マガジン100を収容するマガジン収容部200を有する装置本体と、該マガジン収容部200に設けられ該マガジン100の排出ローラ130を駆動する排出駆動部240と、該マガジン100の外部に露出して設けられ該マガジン100がマガジン収容部200内の所定の装着位置に装着されたときに該排出駆動部240の外側ギヤ241と係合することで該排出駆動部240からの駆動力を該排出ローラ130へ伝達する内側ギヤ130cとを備える。そして、マガジン100を所定の搬送方向Xに沿ってマガジン収容部200内へ駆動して装着位置に装着するマガジン装着機構500をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成媒体を収納する媒体収納体と、該媒体収納体を収容する収容部を有する装置本体とを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、写真の現像等に用いられる画像形成装置として、レーザービームにより画像形成媒体としてのペーパーに画像露光を行う装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る画像形成装置では、画像形成媒体としての長尺のペーパーがロール状に巻かれた状態で媒体収納体としてのマガジンに収納されており、このマガジンが装置本体の収容部に装着されている。そして、このマガジンからプリントが排出され、排出されたペーパーがペーパーサイズに応じてカッターで所定長さに切断され、この所定長さのペーパーに画像露光が行われる。
【0004】
このマガジンは、作業者によって、収容部に設けられたマガジン台又はスライドレール上に設置されると共に、マガジン台又はスライドレールに沿って収容部内部にスライドさせることで収容部の所定の装着位置に位置決めされて装着される。
【0005】
また、マガジンが重くて、作業者がマガジンを画像形成装置のところまで運び、そのマガジンを上記マガジン台等の上に載せ上げて設置することが困難な場合には、マガジンにキャスター等を設けて、該マガジンを作業者が押したり引いたりすることで該マガジンを運搬して装置本体に対して直接着脱できるようにする構成も考えられる。
【特許文献1】特開2004−302284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、マガジンにはマガジン内のペーパーを排出するための排出機構が設けられている。この排出機構は、装置本体の収容部に設けられてた駆動部から駆動力を受けて駆動される。ここで、マガジンは内部のペーパーが感光しないように遮光されて形成される必要があるため、ペーパーだけでなく排出機構もマガジン内部に収納され、該排出機構に駆動部からの駆動力を伝達する駆動伝達部だけがマガジンの外部に露出して設けられている。そして、マガジンを装置本体の収容部に装着するときに、該駆動伝達部が収容部に設けられた駆動部と係合することで、駆動部からの駆動力が排出機構へ伝達可能となるように構成されている。
【0007】
このような構成の場合、マガジンを勢いよく装着すると、マガジンの駆動伝達部と収容部の駆動部とが上手く係合しない場合がある。
【0008】
例えば、前述のような、マガジンをマガジン台やスライドレールに設置したり、キャスターで運搬したりして、人手によってマガジンを収容部に押し入れて装着位置に装着させる構成においては、マガジンの搬入速度を調整することが難しく、マガジンが勢いよく搬送されることがあるため、駆動伝達部と駆動部とが上手く係合しない場合も起こり得る。特に、マガジンが重くなると、慣性力が大きくなるため、搬入速度の調整がさらに難しくなる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マガジンを収容部へ安定して搬入させ、マガジン側の駆動伝達部と収容部側の駆動部とを円滑に係合させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、マガジン等の媒体収納体を、人手ではなく、自動的に収容部の装着位置へ搬入して装着する収納体装着手段を設けるようにしたものである。
【0011】
具体的には、本発明は、画像形成媒体を収納すると共に該画像形成媒体を外部へ排出する排出機構を設けた媒体収納体と、該媒体収納体を収容する収容部を有する装置本体と、該収容部に設けられ該媒体収納体の排出機構を駆動する排出駆動部と、該媒体収納体の外部に露出して設けられ該媒体収納体が該収容部内の所定の装着位置に装着されたときに該排出駆動部と係合することで該排出駆動部からの駆動力を該排出機構へ伝達する駆動伝達部とを備える画像形成装置であって、該媒体収納体を所定の搬送方向に沿って前記収容部内へ駆動して前記装着位置に装着する収納体装着手段をさらに備えるものである。
【0012】
前記の構成の場合、媒体収納体を、人手ではなく、収納体装着手段によって自動的に収容部へ駆動して装着位置に装着することによって、媒体収納体を収容部へ安定して搬入することができる。その結果、人手の場合のように媒体収納体の勢いが良すぎて駆動伝達部が駆動部へ上手く係合しないということがなく、該駆動伝達部を駆動部へ円滑に係合させることができる。
【0013】
また、前記収納体装着手段は、少なくとも、前記媒体収納体を積載する収納体積載台と、該収納体積載台を前記搬送方向に沿って駆動する積載台駆動手段と、該収納体積載台の位置を検出する検出手段と、該積載台駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記媒体収納体を前記収容部へ搬入するときに、前記検出手段によって検出される前記媒体収納体の位置が所定の位置となるまでの間は、該収納体積載台が所定の第1搬送速度で移動するように前記積載台駆動手段を制御し、前記検出手段によって検出される前記媒体収納体の位置が所定の位置から前記装着位置となるまでの間は、該収納体積載台が前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で移動するように前記積載台駆動手段を制御することが好ましい。
【0014】
前記の構成の場合、前記制御手段は媒体収納体が前記所定の位置から装着位置となるまでは、前記収納体積載台を相対的に遅い第2搬送速度で移動させる、即ち、前記媒体収納体を相対的に遅い第2搬送速度で搬入することによって、媒体収納体が装着位置に装着されるときには搬送速度が抑えられ、駆動伝達部と駆動部とを円滑に係合させることができる。また、収納体積載台及び媒体収納体をずっと第2搬送速度で搬送するのではなく、前記所定の位置までは相対的に速い第1搬送速度で搬入することによって、該所定の位置までは媒体収納体を迅速に搬入することができる。こうして、媒体収納体の搬送速度を前記のように制御することによって、媒体収納体の迅速な搬入と、駆動伝達部と駆動部との円滑な係合とを両立させることができる。
【0015】
さらに、前記積載台駆動手段は、駆動モータを有し、前記制御手段は、前記駆動モータを制御することによって前記媒体収納体の前記搬送方向への位置決めを行うことが好ましい。
【0016】
ここで、前記媒体収納体が収容部の装着位置に正確に装着されないと、媒体収納体から排出されて搬送されていく画像形成媒体が斜行して、該画像形成媒体にしわが生じたり、画像が傾いて形成されたりする。そこで、前記の構成では、前記積載台駆動手段として駆動モータを採用し、前記制御手段がこの駆動モータを制御することで、媒体収納体を収容部の装着位置において位置決めすることができ、画像形成媒体の斜行を防止することができる。また、前記積載台駆動手段を駆動する駆動モータを制御することによって媒体収納体の前記搬送方向への位置決めをすることができるため、媒体収納体を搬送方向へ位置決めする部材を別途設けることなく、部品点数を削減することができる。
【0017】
また、前記収容部には、前記媒体収納体を前記装着位置に位置決めするため収容部側位置決め部材が設けられる一方、前記媒体収納体には、該収容部側位置決め部材と当接することによって該媒体収納体を前記装着位置に位置決めする収納体側位置決め部材が設けられており、前記積載台駆動手段は、駆動モータと、該駆動モータに作用する負荷トルクが所定値を超えたときに該駆動モータから前記収納体積載台への駆動力の伝達を解除する駆動力伝達解除機構とを有するものとしてもよい。
【0018】
前記の構成の場合、収容部に設けられた収容部側位置決め部材と媒体収納体に設けられた収納体側位置決め部材とを当接させることによって、媒体収納体を装着位置において位置決めすることができる。こうすることで、前記積載台駆動手段としての駆動モータを制御することで位置決めを行う構成と比較して、制御手段や駆動モータを安価に構成することができコストを低減することができる。また、かかる構成の場合、前記収容部側位置決め部材と収納体側位置決め部材とが当接することで位置決めが行われるため、両部材の当接後も駆動モータが作動し続ける場合があるが、前記積載台駆動手段に前記駆動力伝達解除機構を設けることによって、駆動モータが破損することを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、前記媒体収納体を、人手ではなく、前記収納体装着手段によって自動的に収容部へ搬入して装着位置へ装着することによって、媒体収納体の搬入、装着を安定して行うことができ、媒体収納体に設けられた前記駆動伝達部材と収容部に設けられた前記駆動部とを円滑に係合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0021】
<写真処理システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Aを備えた写真処理システムの構成を示す部分断面図である。図1に示す写真処理システムは、画像データを取得し、この画像データに基づいて画像形成媒体としてのペーパーの乳剤面に画像を焼付露光し、写真プリントを作成する機能を備えている。
【0022】
さらに、この写真処理システムは、現像済みの写真フィルムに形成されているコマ画像をスキャニングして画像データを取得するためのフィルムスキャナー(図示省略)や、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体に格納されている画像データを読み取るためのメディア読取部(図示省略)を備えている。
【0023】
図1に示すように、上側のマガジン90及び下側のマガジン100は、長尺のペーパーPをロール状に巻いたペーパーロールRとしてそれぞれ収納するものである。下側のマガジン100は詳しくは後述するマガジン装着機構500によって画像形成装置A本体のマガジン収容部200に搬入され、マガジン収容部200内の装着位置において該画像形成装置A本体に対して着脱自在に装着される。なお、下側のマガジン100には、上側のマガジン90よりも幅広のペーパーPが収納されているものとする。また、上側のマガジン90も、下側のマガジン100と同様に図示省略のマガジン装着機構によって画像形成装置A本体のマガジン収容部200に搬入され、マガジン収容部200内の装着位置において該画像形成装置A本体に対して着脱自在に装着される。
【0024】
そして、前記画像形成装置A本体に取り付けられた上側又は下側のマガジン90、100のうち、一方のマガジンがプリントサイズ等に応じて選択され、該選択された方のマガジンから引き出されたペーパーPが、所定の搬送経路に沿って搬送されるようになっている。
【0025】
すなわち、上側又は下側のマガジン90、100のうち一方から引き出されたペーパーPは、アドバンスローラユニット4により方向変換され、ペーパーカッター5により、所定のプリントサイズに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって、下流側に位置する露光エンジン7へと搬送される。
【0026】
前記露光エンジン7には、上流側露光搬送ローラ9aと下流側露光搬送ローラ9bとを有する露光搬送ローラ9が設けられている。これらの露光搬送ローラ9a、9bの間には、ペーパーPをレーザー光によって露光処理するための露光位置が設定されている。露光搬送ローラ9の上流側には、ペーパー検出センサー10が設けられており、ペーパーPが送り込まれてくると、その先端(前端)部分を検出して信号を出力するようになっている。このペーパー検出センサー10は、赤外光を出力する発光素子と、これを受光する受光素子とにより構成される。このペーパー検出センサー10によってペーパーPの位置を検出することで、前記露光位置における露光開始タイミングを決めることができる。
【0027】
前記露光エンジン7は、公知の構造からなるもので、レーザー光源(レーザーダイオード等)から出力されるレーザー光を画像データに基づいて光変調し、この光変調されたレーザー光をペーパーPに照射することで、画像露光を行う。画像露光を行う際には、ペーパーPは、露光搬送ローラ9a、9bにより挟持された状態で、所定速度(一定速度)で搬送される。前記レーザー光は、ペーパーPの搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査されるため、ペーパーP上には1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
【0028】
そして、前述のような画像露光が行われながら、ペーパーPは、下流側の露光搬送ローラ9bによって露光位置よりも下流側へ送り出されていく。前記露光エンジン7の下流側には、第1搬送ユニット11が設けられている。
【0029】
前記第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯まわりに回転可能に設けられていて、下流側の露光搬送ローラ9bにより受け渡されたペーパーPを、さらに第2搬送ユニット12に受け渡す機能を備えている。
【0030】
前記第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿うように配置された複数の挟持搬送ローラ対12aと、搬送経路を形成するためのガイド板12bとを備えており、搬送ローラ対12aは図示しない駆動機構によって駆動されるように構成されており、第1搬送ユニット11から搬送されてきたペーパーPを現像処理部へ搬送する。
【0031】
また、前記第1搬送ユニット11と第2搬送ユニット12との間には、搬送されるペーパーPを一時的に収容するための収容空間部Sが設けられている。
【0032】
すなわち、露光位置から現像処理部までの距離よりもペーパーPの長さが長いと露光中に現像処理部に該ペーパーPが入ることになり、該現像処理部での処理によって発生する振動がペーパーPの露光部分に伝達されて露光ムラの原因となるため、露光処理後であって現像処理前には前記収容空間部S内にペーパーPを収容することで露光ムラの発生を防止するようにしている。
【0033】
前記収容空間部Sには、ペーパーPを巻き取るための巻き取りドラム20と、この巻き取りドラム20の外周面にペーパーPを圧着して保持するための圧着ローラ21とが配置されている。これらの巻き取りドラム20及び圧着ローラ21は、ペーパーPの搬送方向前端側を挟持するとともに、巻き取り機構としても機能する。
【0034】
搬送方向の長さが所定長さよりも長いペーパーPは、収容空間部S内において、この巻き取りドラム20等によって巻き取られながら収容される。
【0035】
前記収容空間部S内の巻き取りドラム20の下方には、前記収容空間部S内に収容されるペーパーPのたるみを検出するためのたるみ検出センサー22が設けられている。このたるみ検出センサー22は、発光素子22aと受光素子22bとによって構成されている。ここで、前記発光素子22aと受光素子22bとを結ぶラインは、水平線に対して傾斜するように設定されている。そして、発光素子22aから照射される光がペーパーPによって遮断されると、たるみ量が所定量よりも大きい状態であると判断され、前記巻き取りドラム20等によってペーパーPがさらに巻き取られる。
【0036】
尚、搬送方向の長さが所定長さ未満のペーパーPは、収容空間部S内に一旦収容されるだけで、巻き取りドラム20等に巻き取られることなく、前記第2搬送ユニット12に受け渡されて現像処理部へ搬送されていく。
【0037】
これらマガジン90、100、アドバンスローラユニット4、ペーパーカッター5、搬送ユニット6、露光エンジン7、第1搬送ユニット11、第2搬送ユニット12及び収容空間部Sは、遮光された筐体C内に配設されている。
【0038】
また、これらマガジン90、100、アドバンスローラユニット4、ペーパーカッター5、搬送ユニット6、露光エンジン7、第1、第2搬送ユニット11、12等は、作業者からの入力に従って、制御部8によって制御される。
【0039】
<マガジンの構成>
図2は下側のマガジン100の構成を示す側面図であり、図3は下側のマガジン100の構成を示す正面図であり、図4は下側のマガジン100の構成を示す背面図である。図2〜4に示すように、101はマガジン本体部であり、長尺のペーパーPをロール状に巻いたペーパーロールRを収納するものである。このマガジン本体部101には、作業者がペーパーロールRの脱着作業を行うための開口部が形成されており、この開口部を塞ぐようにマガジン蓋部102が取り付けられている。
【0040】
前記マガジン蓋部102は、後述する下部フレーム108に取り付けられたヒンジ116を介して前記マガジン本体部101に開閉自在に取り付けられている。このように、マガジン本体部101とマガジン蓋部102とを組み合わせることで、略直方体状のマガジン100の収納部が構成される。尚、ペーパーロールRは、そのロール軸部120がマガジン100の長手方向と一致する向きで、マガジン100内に設けられた軸受部(図示省略)に回動可能に支持された状態でマガジン100に収納されている。
【0041】
前記マガジン蓋部102の側面上部には、ロール軸方向の両端部にそれぞれゴム脚115(図3、4では1つだけ図示)が取り付けられている。このゴム脚115は、マガジン蓋部102を開いたときにマガジン蓋部102の側面上端部がマガジンが接地している接地面Fに直接接触することを防止するようになっており、マガジン蓋部102にキズがついたり破損したりすることを防止する上で有利となる。
【0042】
前記マガジン本体部101の上面には、前記マガジン蓋部102を係合自在に保持する係合具103が長手方向の両端部にそれぞれ設けられており、これら係合具103の係合により上記開口部を完全に閉塞して上記収納部内を遮光した状態に維持することができると共に、係合具103の係合を解除することで、マガジン蓋部102を回動させて上記開口部を開放状態にすることができるようになっている。
【0043】
前記マガジン本体部101の底面には、長手方向に延びる下部フレーム108が幅方向両端に配設されている。この下部フレーム108は、マガジン本体部101よりも長手方向一端側(図2の右側)に突出しており、この突出部分の下面には、両方の下部フレーム108、108を連結する連結フレーム109が取り付けられている。
【0044】
前記各下部フレーム108の下面には、マガジン100を移動可能とする2個のキャスター111、111が長手方向の両端部に設けられている。キャスター111は、両下部フレーム108、108に取り付けられているため、合計4個設けられている。このキャスター111、111、…によって、マガジン100は自在に方向転換をしつつ、所定の方向へ運搬可能に構成されている。
【0045】
また、前記マガジン本体部101の長手方向一端側の側面(図2における右側面、図3において正対する側面)には、3つの角パイプを接続して逆U字状に構成した取手110が前記下部フレーム108、108の突出部分に取り付けられている。この取手110は、作業者がマガジン100を移動させる際に把持するためのものである。マガジン100は、作業者がこの取手110を把持して押すことによって、長手方向他端側(図2の左側)を前側、長手方向一端側(図2の右側)を後側として運搬される。本実施形態においては、この取手110を押してマガジン100を搬送するときを基準として、この長手方向一端側を後側、長手方向他端側を前側とする。
【0046】
前記マガジン本体部101の前側の側面(図2における左側面)には、図4に示すように、マガジン100がマガジン収容部200内の装着位置に装着されたときに、マガジン収容部200内に設けられた後述する上側突出ピン220と当接する上側当接部材118が設けられている。この上側当接部材118は、マガジン本体部101の前側面の表面よりも後側に陥没して設けられていて、該上側当接部材118の前側面に上側突出ピン220が当接することによってマガジン100を装着位置においてマガジン100の長手方向(後述する搬送方向X)へ位置決めする。尚、上側当接部材118の前側面の中心には、後述する上側突出ピン220の案内ピン220aが挿嵌する案内孔118aが形成されている。
【0047】
また、前記マガジン100の底面には、マガジン100がマガジン収容部200内の装着位置に装着されたときに、マガジン収容部200内に設けられた後述する下側突出ピン230(図5参照)と当接する下側当接部材119が設けられている。この下側当接部材119はマガジン本体部101の底面に設けられたブロック部材であって、該下側当接部材119の前側面に下側突出ピン230が当接することによってマガジン100を装着位置においてマガジン100の長手方向(後述する搬送方向X)へ位置決めする。尚、下側当接部材119の前側面には、後述する下側突出ピン230の案内ピン230aが挿嵌する案内孔119aが形成されている。この下側当接部材119と前記上側当接部材118とが収納体側位置決め部材を構成する。
【0048】
また、マガジン100を長手方向に沿って後側から前側へ向かって見たときの、前記マガジン本体部101の左側面の上部には、図2に示すように、ペーパーロールRから引き出されたペーパーPをマガジン本体部101から外部に排出するためのペーパー排出口104が形成されている。このペーパー排出口104には、該ペーパー排出口104を閉塞するシャッター105が設けられており、マガジン100が画像形成装置A内に格納されていないときにはシャッター105が閉状態となっている。
【0049】
前記マガジン本体部101の後面には、前記シャッター105の開閉動作を制御するシャッター開閉スイッチ107が設けられている。このシャッター開閉スイッチ107は、作業者が押すことでシャッター105の開閉を行うことが可能である。また、マガジン100を画像形成装置A内に収容した後は、図示しない装置前面カバーの閉動作に連動して、装置前面カバーの内側に設けられた突起部により押されるようになっている。これにより、装置前面カバーを閉めるだけでシャッター105が開かれ、マガジン100から画像形成装置A内にペーパーPを送り出すことができる状態となる。
【0050】
前記マガジン100内部には、前記ペーパー排出口104からペーパーPを排出する排出機構としての一対の排出ローラ130が設けられている。この排出ローラ130は、該ペーパー排出口104と略同じ高さ位置に設けられ、軸芯がマガジン100の長手方向に延びるように設けられた駆動ローラ130aと、該駆動ローラ130aと対向して軸芯がマガジン100の長手方向に延びるように設けられた従動ローラ130bとを有する。この駆動ローラ130aが後述する駆動力を受けて回動することによって、ペーパーPを前記ペーパー排出口104からマガジン100外部へ排出する。
【0051】
前記駆動ローラ130aのマガジン後側端部には、マガジン本体部101の後面に設けられた調整ローラ106と連結されている。この調整ローラ106は、ペーパーロールRから引き出したペーパーPをペーパー排出口104に手動で送り出すためのものである。
【0052】
一方、マガジン本体部101の前面には、後述するマガジン収容部200内に設けられた排出駆動部240からの駆動力を前記駆動ローラ130aに伝達する駆動伝達部としての内側ギヤ130cが外部に露出して設けられている。この内側ギヤ130cは、外周面に外歯が形成された円筒形状をしており、前記駆動ローラ130aのマガジン前側端部に連結されている。
【0053】
マガジン100を長手方向に沿って後側から前側へ向かって見たときの、前記マガジン本体部101の右側面には、後述するマガジン収容部200に設けられた位置検出センサ530の検出対象となる遮光板140が側方に突出して水平方向に拡がって設けられている。
【0054】
<マガジン収容部の構成>
図5は画像形成装置におけるマガジン収容部200のうち前記マガジン100が収容される下側のマガジン収容部の構成を示す側面図であり、図6はマガジン収容部の構成を示す正面図である。このマガジン収容部200には、前記マガジン100が所定の搬送方向Xへ搬入される。この搬送方向Xは、画像形成装置Aにおけるペーパー搬送方向と直交し且つ水平な方向であり、マガジン100をその長手方向が搬送方向Xと一致するように搬入して装着位置に装着することで、マガジン100からのペーパーPの排出方向が画像形成装置Aにおけるペーパー搬送方向と一致するようになっている。尚、本明細書においては、この搬送方向Xと直交し且つ水平な方向Yを搬送幅方向Yとする。
【0055】
前記マガジン収容部200内には、マガジン100を装着位置まで搬送して装着する収納体装着手段としてのマガジン装着機構500が設けられている。このマガジン装着機構500は、マガジン100を積載するマガジン積載台510と、マガジン積載台510を搬送方向Xへ駆動する積載台駆動部520と、マガジン100の位置を検出する検出手段としての位置検出センサ530とを有する。このマガジン装着機構500においては、搬送方向Xに沿ってマガジン収容部200の奥側を前側、手前側を後側とする。尚、上側のマガジン収容部にも、マガジン90を装着するためのマガジン装着機構が設けられているが、その構成はこのマガジン装着機構500と同様であるため、その説明は省略する。
【0056】
前記マガジン積載台510は、上方が開口する略矩形箱状をしていて、マガジン100を積載可能な寸法で構成されている。このマガジン積載台510の前端部には、該マガジン積載台510に積載されたマガジン100を後方へ付勢する付勢機構511が搬送幅方向Yに並んで2個設けられている(図9参照)。
【0057】
詳しくは、この付勢機構511は、図7に示すように、マガジン積載台510の床部510aの前端部に設けられたスライドレール511c上を前後方向に移動可能に設けられた当接板511aと、この当接板511aを後方へ付勢するように該当接板511aとマガジン積載台510の前壁部510bとの間に設けられた付勢バネ511bと、マガジン100が積載されていないときに当接板511aが後方へ所定量以上移動することを規制する規制板511dとを有する。この付勢機構511によって、マガジン積載台510に積載されたマガジン100は後方に付勢され、取手110がマガジン積載台510の後壁部510cと当接してマガジン100がマガジン積載台510上で固定された状態となる(図5参照)。
【0058】
このマガジン積載台510は、マガジン収容部200の床面203において搬送方向Xへ平行に延びて設けられた一対のスライドレール512、512に対して取り付けられている。詳しくは、マガジン積載台510の床部510aは、搬送幅方向Yの中央部分が上方に凹んでおり、この凹んだ部分には前記一対ののスライドレール512、512に対して摺動可能に係合するスライダ513、513がマガジン積載台510の外側から設けられている。このスライダ513、513それぞれをスライドレール512、512に係合させることでマガジン積載台510が該スライドレール512、512に取り付けられる。そして、マガジン積載台510はこのスライダ513、513を介してスライドレール512、512に沿って搬送方向Xへ移動可能に構成されている。
【0059】
さらに、マガジン積載台510の両側壁部510d、510dには、搬送方向Xに沿って延びるラック514、514が設けられている。この各ラック514は、詳しくは後述する積載台駆動部520のピニオン522と噛合するように構成されている。
【0060】
前記積載台駆動部520、520は、マガジン収容部200の床面203の搬送方向Xの手前側端部において、マガジン積載台510を挟むようにして搬送幅方向Yに並んで2つ設けられている。この各積載台駆動部520は、駆動モータとしてのDCモータ521と、該DCモータ521によって回転駆動されるピニオン522と、該DCモータ521とピニオン522との間に介設されたトルクリミッタ523とを有する。前記DCモータ521は、前記ピニオン522を搬送幅方向Yに延びる軸回りに回転させるように構成されている。こうしてDCモータ521により回転駆動されるピニオン522には、前記マガジン積載台510のラック514が噛合している。したがって、DCモータ521、521を駆動することによって、マガジン積載台510を搬送方向Xに沿って前後に移動させることができる。尚、DCモータ521とピニオン522との間にはトルクリミッタ523が介設されており、DCモータ521に作用する負荷トルクが所定値以上になるとDCモータ521からピニオン522への駆動力の伝達を遮断するように構成されている。
【0061】
また、前記マガジン収容部200には、該マガジン収容部200内に搬入されるマガジン100が所定の位置に到達したか否かを検出する検出手段としての位置検出センサ530が設けられている。この位置検出センサ530は、マガジン収容部200内の搬送方向Xに沿って後側から前側へ向かって右側の右側面204に取付ブラケット531を介して取り付けられている。位置検出センサ530は前記マガジン100の遮光板140が通過するだけの間隔を上下方向に有した検出部が設けられていて、この検出部の間に光ビームを照射しているミラー反射型の光ビームセンサである。この検出部の間に照射されている光ビームを該遮光板140が通過して遮光することでマガジン100が所定の位置に到達したことを検出する。尚、詳しくは後述するが、所定の位置とは、マガジン100の内側ギヤ130cがマガジン収容部200に設けられた排出駆動部240の外側ギヤ241に嵌合し始める位置よりも手前側(後側)の位置であって、マガジン積載台510の移動速度、即ち、マガジン100の搬入速度を変化させる位置である。
【0062】
さらに、前記マガジン収容部200には、マガジン100を所定の装着位置において位置決めするための収容部側位置決め部材としての上側突出ピン220と下側突出ピン230とが設けられている。
【0063】
前記上側突出ピン220は、マガジン収容部200の搬送方向X奥側の奥側面205に設けられている。この上側突出ピン220は、奥側面205から搬送方向Xの手前側へ向かって突出していて、その手前側面が、マガジン100が装着位置へ装着されたときに、マガジン100の前記上側当接部材118と当接するようになっている。尚、上側突出ピン220の手前側面の中心にはさらに手前側へ突出する案内ピン220aが設けられており、この案内ピン220aがマガジン100の上側当接部材118に設けられた案内孔118aに挿嵌することで、マガジン100が若干浮き上がるようになっている。
【0064】
前記下側突出ピン230は、マガジン収容部200の床面203に設けられている。この下側突出ピン230は、断面L字形状の取付ブラケット231を介して所定の高さ位置において搬送方向Xの奥側から手前側に向かって延びるように設けられていて、その手前側面が、マガジン100が装着位置へ装着されたときに、マガジン100の前記下側当接部材119と当接するようになっている。尚、下側突出ピン230の手前側面の中心にはさらに手前側へ突出する案内ピン230aが設けられており、この案内ピン230aがマガジン100の下側当接部材119に設けられた案内孔119aに挿嵌することで、マガジン100が若干浮き上がるようになっている。
【0065】
尚、マガジン収容部200の床面203には、このように下側突出ピン230が設けられているため、マガジン積載台510の前壁部510b及び床部510aには、該マガジン積載台510が前記スライドレール512、512に沿って床面203上を移動するときに、下側突出ピン230と干渉しないように、搬送方向Xに延びる切欠部が形成されている。こうすることで、マガジン積載台510上に積載されたマガジン100の下側当接部材119とマガジン収容部200の床面203に設けられた下側突出ピン230とが当接することができる。
【0066】
こうして、マガジン100の上側当接部材118及び下側当接部材119の手前側面がそれぞれ、上側突出ピン220及び下側突出ピン230と当接することによってマガジン100が搬送方向Xへ位置決めされる。また同時に、マガジン100の上側当接部材118の案内孔118a及び下側当接部材119の案内孔119aにそれぞれ、上側突出ピン220の案内ピン220a及び下側突出ピン230の案内ピン230aが挿嵌することによってマガジン100が上下方向へ位置決めされる。
【0067】
また、前記マガジン収容部200の奥側面205には、マガジン100の前記排出ローラ130を駆動する排出駆動部240が前記上側突出ピン220に隣接して設けられている。この排出駆動部240は、図示省略の駆動モータと、この駆動モータによって回転駆動される外側ギヤ241とを有する。この外側ギヤ241は、内周面に内歯が形成された円筒形状をしており、マガジン100が装着位置に装着されたときに、マガジン100の前記内側ギヤ130cが嵌合して、それぞれの内歯と外歯とが噛合する。その状態で、駆動モータを駆動することによって、マガジン100の排出ローラ130を回転駆動し、ペーパーPをマガジン100から排出させる。
【0068】
また、マガジン収容部200の手前側には、図6に示すように、作業者がマガジン装着機構500を操作するためのスイッチ部540が設けられている。このスイッチ部540は、マガジン積載台510をマガジン収容部200から外側まで移動させる搬出スイッチ541と、マガジン積載台510をマガジン収容部200の内側へ移動させる搬入スイッチ542と、マガジン積載台510をマガジン収容部200内の装着位置において固定するための装着スイッチ543とを有する。
【0069】
このように構成されたマガジン装着機構500は、作業者によるスイッチ部540の操作を受けて、制御部8によって制御される。制御部8は、スイッチ部540及び位置検出センサ530からの入力信号を受けて、積載台駆動部520のDCモータ521を駆動することによってマガジン100をマガジン収容部200へ搬入して装着位置に装着する。
【0070】
まず、装置前面カバーが開状態において、作業者が搬出スイッチ541をオン操作することによって、制御部8は、マガジン積載台510を搬送方向Xに沿って奥側から手前側に移動させ、マガジン収容部200から完全に外に出た待機状態(図5参照)にさせる。
【0071】
この状態で、作業者はマガジン100をマガジン積載台510に載せ上げる。マガジン積載台510に積載されたマガジン100は前記付勢機構511によってマガジン積載台510の後壁部510cへ押し付けらて固定される。
【0072】
この後、作業者が搬入スイッチ542をオン操作することによって、マガジン積載台510が搬送方向Xに沿ってマガジン収容部200内へ搬入されていく。このとき、マガジン積載台510は所定の第1搬送速度で搬入されるように、制御部8がDCモータ521、521を制御する。
【0073】
マガジン積載台510がマガジン収容部200内へ搬入されていくと、やがて、マガジン100の遮光板140がマガジン収容部200内に設けられた位置検出センサ530に接近する。そして、位置検出センサ530によって遮光板140が検出されると、マガジン100が所定の位置まで到達したとして、制御部8はマガジン積載台510が前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で搬送されるようにDCモータ521を制御する。
【0074】
そして、マガジン積載台510がさらに搬送方向Xへ移動すると、マガジン100に設けられた内側ギヤ130cがマガジン収容部200に設けられた排出駆動部240の外側ギヤ241に噛合し始めると共に、マガジン収容部200に設けられた上側突出ピン220の案内ピン220a及び下側突出ピン230の案内ピン230aがそれぞれマガジン100に設けられた上側当接部材118の案内孔118a及び下側当接部材119の案内孔119aに挿嵌され始める。ここで、第2搬送速度は、前記内側ギヤ130cと外側ギヤ241とが円滑に噛合できる速度に設定されているため、内側ギヤ130cと外側ギヤ241との回転角度がずれていたとしても、一方又は両方のギヤが上手く回転して、それぞれの外歯と内歯とが円滑に噛合することができる。
【0075】
その後、図8、9(図9においては係合具103の図示を省略している)に示すように、マガジン100が装着位置に到達したときに、上側突出ピン220及び下側突出ピン230がそれぞれ上側当接部材118及び下側当接部材119と当接して、搬送方向Xへ位置決めされる。それと共に、案内ピン220a及び230aがそれぞれ案内孔118a、119aに挿嵌され、マガジン100が若干浮き上がり、上下方向及び搬送幅方向Yへ位置決めされる。これらが当接すると、マガジン積載台510はそれ以上搬送方向Xの奥側へ移動することができなくなる。こうして、マガジン100は装着位置に装着される。このとき、DCモータ521は作動し続けており、前記突出ピン220、230と当接部材118、119とが当接することで、DCモータ521に作用する負荷トルクが急激に増大していく。ここで、該負荷トルクが所定値を超えたところで各積載台駆動部520に設けられた前記トルクリミッタ523が、DCモータ521からピニオン522へ駆動力が伝達しないように機能する。こうすることで、DCモータ521は空回りするようになり、DCモータ521の破損が防止される。
【0076】
そして、マガジン100が装着位置に装着されると、作業者が装着スイッチ543をオン操作することで、制御部8がDCモータ521の駆動を停止する。詳しくは、DCモータ521に励磁して、マガジン積載台510が移動しないように固定しておく。
【0077】
こうして、マガジン100の搬入、装着が完了したときには、マガジン100の内側ギヤ130cとマガジン収容部200の外側ギヤ241との嵌合が完了しており、排出駆動部240を駆動すれば、その駆動力がマガジン100の排出ローラ130へ伝達する状態となっている。
【0078】
このように構成された画像形成装置Aよれば、マガジン100をマガジン装着機構500によって搬送速度を制御しながら自動的に装着位置へ搬入、装着するため、マガジン100が装着位置に勢いよく装着されることを防止することができ、マガジン100に設けられた内側ギヤ130cとマガジン収容部200に設けられた外側ギヤ241とを円滑に噛合させることができる。
【0079】
さらに詳しくは、マガジン100が所定の位置に到達するまではある程度速い第1搬送速度で搬入し、マガジン100をマガジン収容部200内に迅速に搬入することができる。また、マガジン100が所定の位置に到達すると、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度に切り替え、マガジン100をゆっくり搬送することで、内側ギヤ130cと外側ギヤ241とを円滑に噛合させることができる。
【0080】
また、前記上側突出ピン220及び下側突出ピン230をそれぞれ上側当接部材118及び下側当接部材119に当接させることによってマガジン100を搬送方向Xへ位置決めすることによって、積載台駆動部520を精細に制御しなくてもマガジン100の位置決めを行うことができ、すなわち、積載台駆動部520の駆動モータとしてステッピングモータ等の高価なモータではなく、DCモータを採用することができるためコストを抑制することができる。また、かかる構成においては、前記突出ピン220、230と当接部材118、119とが当接するとDCモータ521へ作用する負荷トルクが増大するが、DCモータ521とピニオン522の間にトルクリミッタ523を介設することによって該DCモータ521の破損を防止することができる。
【0081】
《その他の実施形態》
なお、本発明に係る画像形成装置Aの構成は、前述した実施形態に限定されることなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、積載台駆動部520の駆動モータとしてDCモータ521を採用し且つ、上側突出ピン220、下側突出ピン230、上側当接部材118及び下側当接部材119によってマガジン100の搬送方向Xへの位置決めを行っているが、これに限られるものではない。例えば、積載台駆動部520の駆動モータとしてステッピングモータを採用することができる。かかる構成によれば、ステッピングモータによってマガジン積載台510の搬送方向Xへの移動量を正確に制御することができ、つまり、ステッピングモータでマガジン100の搬送方向Xへの位置決めも行うことができる。その結果、前記上側突出ピン220、下側突出ピン230、上側当接部材118及び下側当接部材119が不要となり、部品点数を削減することができる。尚、ステッピングモータ以外にもサーボモータ等、マガジン積載台510の搬送方向Xへの移動量を正確に制御してマガジン100の位置決めを行うことができる駆動モータであれば任意の駆動モータを採用することができる。
【0082】
また、前記実施形態では、駆動伝達部として内側ギヤを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、排出ローラ130を駆動する駆動モータがマガジンに設けられている場合等は、マガジンに設けられたコネクタをマガジン収容部に設けられたコネクタに係合させることによって装置本体側からマガジン内の駆動モータに駆動力としての電力を供給するように構成してもよい。かかる場合は、マガジンに設けられたコネクタが駆動伝達部を構成することになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明における画像形成装置は、マガジンを安定して搬入、装着できるため、マガジンを装着位置に装着することで、マガジン収容部側に設けられた駆動部と、マガジン側に設けられマガジンのペーパー排出機構の駆動伝達部とを係合させる画像形成装置について特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を備えた写真処理システムの構成を示す部分断面図である。
【図2】下側のマガジンの構成を示す側面図である。
【図3】下側のマガジンの構成を示す正面図である。
【図4】下側のマガジンの構成を示す背面図である。
【図5】マガジン収容部の構成を示す側面図である。
【図6】マガジン収容部の構成を示す正面図である。
【図7】マガジン積載台の付勢機構を示す一部切欠側面図である。
【図8】マガジンが装着位置に装着された状態を示す側面図である。
【図9】マガジンが装着位置に装着された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0085】
A 画像形成装置
P ペーパー(画像形成媒体)
X 搬送方向
8 制御部(制御手段)
100 マガジン(媒体収納体)
118 上側当接部材(収納体側位置決め部材)
119 下側当接部材(収納体側位置決め部材)
130 排出ローラ(排出機構)
130c 内側ギヤ
200 マガジン収容部(収容部)
220 上側突出ピン(収容部側位置決め部材)
230 下側突出ピン(収容部側位置決め部材)
240 排出駆動部
500 マガジン装着機構(収納体装着手段)
510 マガジン積載台(収納体積載台)
520 積載台駆動部(積載台駆動手段)
521 DCモータ(駆動モータ)
523 トルクリミッタ(駆動力伝達解除機構)
530 位置検出センサ(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成媒体を収納すると共に該画像形成媒体を外部へ排出する排出機構を設けた媒体収納体と、該媒体収納体を収容する収容部を有する装置本体と、該収容部に設けられ該媒体収納体の排出機構を駆動する排出駆動部と、該媒体収納体の外部に露出して設けられ該媒体収納体が該収容部内の所定の装着位置に装着されたときに該排出駆動部と係合することで該排出駆動部からの駆動力を該排出機構へ伝達する駆動伝達部とを備える画像形成装置であって、
該媒体収納体を所定の搬送方向に沿って前記収容部内へ駆動して前記装着位置に装着する収納体装着手段をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記収納体着脱手段は、少なくとも、前記媒体収納体を積載する収納体積載台と、該収納体積載台を前記搬送方向に沿って駆動する積載台駆動手段と、該収納体積載台の位置を検出する検出手段と、該積載台駆動手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記媒体収納体を前記収容部へ搬入するときに、
前記検出手段によって検出される前記媒体収納体の位置が所定の位置となるまでの間は、該収納体積載台が所定の第1搬送速度で移動するように前記積載台駆動手段を制御し、
前記検出手段によって検出される前記媒体収納体の位置が所定の位置から前記装着位置となるまでの間は、該収納体積載台が前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で移動するように前記積載台駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記積載台駆動手段は、駆動モータを有し、
前記制御手段は、前記駆動モータを制御することによって前記媒体収納体の前記搬送方向への位置決めを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記収容部には、前記媒体収納体を前記装着位置に位置決めするため収容部側位置決め部材が設けられる一方、
前記媒体収納体には、該収容部側位置決め部材と当接することによって該媒体収納体を前記装着位置に位置決めする収納体側位置決め部材が設けられており、
前記積載台駆動手段は、駆動モータと、該駆動モータに作用する負荷トルクが所定値を超えたときに該駆動モータから前記収納体積載台への駆動力の伝達を解除する駆動力伝達解除機構とを有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−171292(P2007−171292A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365351(P2005−365351)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】