画像形成装置
【課題】部品点数の増加を抑制しながら、用紙を複数の方向に搬送することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】この昇華型プリンタ100(画像形成装置)は、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1に搬送するための用紙搬送手段(送りローラ8、給紙ローラ12およびステッピングモータ18)と、用紙搬送手段により搬送経路T1および搬送経路U1に搬送される用紙50をガイドする1つの上部用紙ガイド40とを備え、1つの上部用紙ガイド40は、用紙50の給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドするためのガイド部41と、用紙50が用紙搬送手段によって少なくとも給紙経路T1に搬送される際に、用紙50が接触することにより回転するローラ部42とを含む。
【解決手段】この昇華型プリンタ100(画像形成装置)は、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1に搬送するための用紙搬送手段(送りローラ8、給紙ローラ12およびステッピングモータ18)と、用紙搬送手段により搬送経路T1および搬送経路U1に搬送される用紙50をガイドする1つの上部用紙ガイド40とを備え、1つの上部用紙ガイド40は、用紙50の給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドするためのガイド部41と、用紙50が用紙搬送手段によって少なくとも給紙経路T1に搬送される際に、用紙50が接触することにより回転するローラ部42とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、用紙搬送手段を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙搬送手段を備えた画像形成装置などが知られている(たとえば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記特許文献1には、用紙を搬送するための搬送ローラ(用紙搬送手段)と、用紙を搬送方向および搬送方向とは逆方向に搬送するためのスイッチバックローラ(用紙搬送手段)とを備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、搬送方向と搬送方向とは逆方向とからなる両面記録路が設けられている。この両面記録路の分岐部には、外周面に多数の毛状体を有するブラシローラが配置されており、このブラシローラがブラシローラ回転用のモータによって回転される。これにより、用紙がスイッチバックローラによって搬送方向とは逆方向に搬送される際に、正しい両面記録路に搬送されるようにブラシローラによりガイドされるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、シート(用紙)を搬送方向に搬送する輸送ローラ(用紙搬送手段)と、シートに当接することにより回転可能に構成される案内素子と、案内素子を移動させて案内素子と輸送ローラとの位置関係を閉塞状態と開放状態とに切り換えるための活性手段とを備えるプリンタ(画像形成装置)が開示されている。このプリンタでは、輸送ローラと案内素子との位置関係が閉塞状態である場合には、シートは、輸送ローラが回転する方向に搬送される。これに対し、輸送ローラと案内素子との位置関係が開放状態である場合には、シートは、輸送ローラが回転する方向には搬送されず、輸送ローラとは別個に設けられる搬送手段によって、別方向に輸送される。
【0005】
また、上記特許文献3には、用紙に印画する画像形成部と、画像形成部に用紙を搬送するための動力となる搬送ローラ(用紙搬送手段)と、画像形成部に用紙を搬送するための経路である用紙搬送路と、用紙搬送路から分岐する反転路と、反転路を通過した用紙を両面印刷するために用紙を反転させる用紙反転手段とを備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置の用紙搬送路と反転路との分岐点には、反転路に搬送される用紙の面に沿った第1ガイド面と、反転路から用紙搬送路の方向に搬送される用紙の面に沿った第2ガイド面とを有する分岐爪が設けられている。この分岐爪は、用紙が反転路に搬送される際には、分岐爪の第2ガイド面が押し上げられるように構成されている。また、分岐爪は、用紙の搬送を確実にガイドするために、用紙の幅方向に所定の間隔を隔てて4つまたは5つ設けられている。
【0006】
また、上記特許文献4には、記録シート(用紙)を収納するための記録シート収納部と、用紙に印画を行う画像形成部と、記録シートを搬送するとともに、画像形成部側に設けられる第1搬送ローラ(用紙搬送手段)と、記録シートを搬送するとともに記録シート収納部側に設けられる第2搬送ローラ(用紙搬送手段)と、第2搬送ローラとともに記録シートを挟み込む押圧ローラとを備える記録装置(画像形成装置)が開示されている。この画像形成装置は、第2搬送ローラを移動させることにより記録シートを押圧ローラと挟み込む圧力を調整するリンク部材をさらに備えている。
【0007】
また、上記特許文献5には、記録紙に印画する記録ヘッドと、記録ヘッドに記録紙を送り込む搬送駆動ローラと、記録ヘッドによって印画された記録紙を記録ヘッドから排紙する排紙駆動ローラと、記録紙の両面を印刷する際に、記録ヘッドによって印画された記録紙を待避させる待避トレイと、記録が完了した記録紙が排紙される揺動部とを備える記録装置が開示されている。この記録装置における記録紙が搬送される経路は、待避トレイに向かう経路である待避経路と、揺動部に向かう方向で、かつ、待避経路とは異なる方向に向かう経路である排紙経路とを含む。また、待避経路と排紙経路との間には、双方向搬送駆動ローラが配置されている。そして、記録紙は、記録ヘッドによって記録された後、両面印刷される際には、待避経路を通って待避トレイに搬送される。また、記録紙の印刷が完了した際には、揺動部が双方向搬送駆動ローラの方向に揺動するように移動する。これにより、印刷が完了した記録紙は、双方向搬送駆動ローラによってガイドされながら、待避経路ではなく排紙経路の方向に搬送される。
【0008】
【特許文献1】特開2006−219239号公報
【特許文献2】特開2007−169065号公報
【特許文献3】特開2002−205861号公報
【特許文献4】特開2007−145466号公報
【特許文献5】特開2003−226053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1による画像形成装置では、用紙を2つの方向に搬送するために、用紙の2つの搬送方向の分岐部に設けられるブラシローラを回転させるためのモータが必要であるため、部品点数が増加するという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献2によるプリンタ(画像形成装置)では、シート(用紙)を複数の搬送方向に搬送するために、案内素子を移動させるための活性手段が必要であるため、その分、部品点数が増加するという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献3による画像形成装置では、用紙搬送路と反転路との分岐点に分岐爪が4つ以上設けられているため、部品点数が増加するという問題点がある。
【0012】
また、上記特許文献4による記録装置(画像形成装置)では、記録シート(用紙)の搬送方向は1つしか有していないため、記録シートの搬送方向を変更させることができないという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献5による画像形成装置では、明記されていないが、記録紙の搬送方向を待避経路と排紙経路とに分岐させるために、揺動部を揺動させるためのモータなどの部品が必要であると考えられるため、部品点数が増加するという問題点があると考えられる。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制しながら、用紙を複数の方向に搬送することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0015】
この発明の一の局面における画像形成装置は、用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、用紙搬送手段により第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする1つの用紙ガイド部材とを備え、1つの用紙ガイド部材は、用紙の第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部と、用紙が用紙搬送手段によって少なくとも第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部とを含む。
【0016】
この発明の一の局面による画像形成装置では、上記のように、用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、用紙搬送手段により第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする用紙ガイド部材とを設け、用紙ガイド部材に、用紙の第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部を設けることによって、用紙を用紙搬送手段によって第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される際に、用紙が誤った経路に搬送されることなく、第1搬送経路または第2搬送経路に搬送するように構成することができる。また、第1搬送経路および第2搬送経路のいずれか一方の経路に用紙を搬送するために、用紙ガイド部材を移動させるための部品を必要としないので、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、第1搬送経路および第2搬送経路のいずれか一方の経路に用紙を搬送するために、1つの用紙ガイド部材を設けるだけでよいので、複数の用紙ガイド部材を設ける場合と比較して、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、用紙が用紙搬送手段によって少なくとも第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部を設けることによって、用紙ガイド部材のローラ部に用紙が接触した際に、ローラ部が回転するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印刷面(表面)に接触する場合と異なり、用紙ガイド部材に用紙が接触することに起因する、用紙表面の損傷の発生を抑制することができる。また、ローラ部は、用紙が接触することによって回転するので、ローラ部を回転させるための駆動源となる部品を別途設ける必要がない。これにより、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。これらの結果、部品点数が増加するのを抑制しながら、用紙を複数の方向に搬送することができる。
【0017】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、第1搬送経路は、給紙経路であり、第2搬送経路は、排紙経路であり、用紙ガイド部材のガイド部は、用紙が用紙搬送手段により給紙経路を搬送される際にガイドする給紙ガイド部と、用紙が用紙搬送手段により排紙経路に搬送される際にガイドする排紙ガイド部と一体的にを含む。このように構成すれば、用紙ガイド部材の給紙ガイド部によって、用紙が給紙される際に、用紙搬送手段によって給紙経路に搬送される用紙を確実にガイドすることができる。また、用紙が排紙される際には、用紙ガイド部材の排紙ガイド部によって、用紙搬送手段によって排紙経路に搬送される用紙を確実にガイドすることができる。これにより、用紙を給紙および排紙する際に、用紙の搬送経路を誤ることなく確実に搬送させることができる。また、給紙ガイド部と排紙ガイド部とを一体的に設けることによって、部品点数の増加を抑制することができる。
【0018】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、用紙ガイド部材のガイド部は、断面が丸形形状の線材により形成されている。このように構成すれば、ローラ部ではなくガイド部に用紙の表面が接触した際にも、用紙の表面は、断面が丸形形状のガイド部に接触するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印刷面(表面)に接触する場合と異なり、ガイド部に用紙が接触した際の用紙の損傷を抑制することができる。
【0019】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、用紙ガイド部材は、ローラ部を回転可能に支持するための軸受部をさらに含み、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とは一体的に形成されている。このように構成すれば、ローラ部の軸受部とガイド部を別々に設ける場合と比較して、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0020】
上記用紙ガイド部材のガイド部が給紙ガイド部を含む画像形成装置において、好ましくは、用紙ガイド部材の給紙ガイド部は、用紙に対してローラ部が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けられるとともに、上下方向に揺動可能に取り付けられている。このように構成すれば、用紙に対して斜めに延びる給紙ガイド部に給紙経路に搬送される用紙が当接すると、用紙搬送手段により搬送される用紙の移動力によって用紙ガイド部材が上方に揺動される一方で、用紙が排紙経路に搬送される際には、用紙ガイド部材は上方には揺動されないので、1つの用紙ガイド部材により、用紙の搬送経路を給紙経路と排紙経路とに分岐させることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、用紙が用紙搬送手段により給紙経路に搬送される際に、用紙の先端部が給紙ガイド部に当接しながら移動することにより、給紙ガイド部が上方に押し上げられた後に用紙の表面がローラ部に接触するように構成されている。このように構成すれば、用紙の先端部が給紙ガイド部を押し上げることにより、下方に配置されるローラ部を上方に移動させて用紙の表面と当接させる位置まで移動させることができるので、用紙の表面が給紙ガイド部に接触する前に、ローラ部に接触させることができる。これにより、用紙ガイド部材に接触することに起因する用紙表面の損傷の発生をより抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの装置本体から給紙カセットを省略した状態を示した斜視図である。また、図3〜図8は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの詳細構成を示した図である。まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の構成について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である昇華型プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100は、図1に示すように、用紙50(図1参照)を収納する用紙カセット60を装着可能に構成される装置本体1と、筐体2と、筐体2の上面に配置される電源ボタン3と、筐体2の前面(矢印B方向側の側面)に、用紙カセット60を装着するように設けられた開口部2aをに対して開閉可能に取り付けられた蓋4とを備えている。また、図2に示すように、昇華型プリンタ100(図1参照)は、筐体2(図1参照)の内部に、金属製のシャーシ5と、印字を行うための印字ヘッド6と、印字ヘッド6に対向するように配置されたプラテンローラ7(図4参照)と、金属製の送りローラ8(図4参照)と、送りローラギア9と、送りローラ8に所定の押圧力で接触する金属製の押さえローラ10(図4参照)と、樹脂製の下部用紙ガイド11と、ゴム製の給紙ローラ12と、給紙ローラギア13と、ゴム製の排紙ローラ14と、排紙ローラギア15とをさらに備えている。また、昇華型プリンタ100(図1参照)は、さらに、インクシート巻取リール16と、板金製のモータブラケット17と、用紙50(図1参照)を搬送するためのステッピングモータ18と、印字ヘッド6を回動させるための駆動源となるステッピングモータ19と、揺動可能な揺動ギア20と、複数の中間ギア21〜24(図3参照)とを備えている。また、本実施形態による昇華型プリンタ100(図1参照)には、20枚の用紙50を印刷することが可能なインクシート71(図4参照)が収納されたインクシートカートリッジ70が着脱可能に装着されている。なお、送りローラ8、押さえローラ10、給紙ローラ12、排紙ローラ14およびステッピングモータ18は、本発明の「用紙搬送手段」の一例である。
【0025】
また、図2に示すように、金属製のシャーシ5は、一方側面5aと、他方側面5bと、一方側面5aと他方側面5bとを連結する底面5cとを有している。また、シャーシ5の一方側面5aには、上記した板金製のモータブラケット17が取り付けられている。また、シャーシ5の他方側面5bには、インクシートカートリッジ70を挿入するための挿入孔5dが設けられている。
【0026】
また、印字ヘッド6には、図4に示すように、支持軸6aと、アーム部6bと、ヘッド部6cと、ヘッド部6cの下面側から取り付けられる樹脂製の給紙ガイド部材6d(図4参照)とから構成されている。また、印字ヘッド6は、支持軸6aを中心として回動可能に取り付けられている。また、印字ヘッド6のヘッド部6cには、電圧パルスが印加されて発熱する発熱体6eが設けられている。
【0027】
また、図2に示すように、送りローラ8は、送りローラギア9に挿入される送りローラギア挿入部8aを有している。また、送りローラ8は、シャーシ5に取り付けられた送りローラ軸受(図示せず)に回転可能に支持されるとともに、用紙50が給紙される方向に直交する方向(矢印CおよびD方向)に回転軸が配置されている。また、送りローラ8は、図4に示すように、給紙ローラ12よりも用紙50の給紙方向(矢印A方向)側に配置されている。
【0028】
また、本実施形態では、図4に示すように、下部用紙ガイド11は、送りローラ8および押さえローラ10の近傍に設置されている。また、下部用紙ガイド11は、図5に示すように、中央に切欠11aが設けられるとともに給紙される用紙50を下方から支持する台座部11bと、台座部11bの下方に設けられる脚部11cと、左右に一対設けられ、給紙および排紙の際に用紙の搬送をガイドするガイド部11dと、脚部11cから上方向に突出するように設けられ、後述する上部用紙ガイド40取り付けられる取付孔11fを有する一対の取付部11eとを含んでいる。
【0029】
ここで、本実施形態では、図5に示すように、下部用紙ガイド11の取付部11eの取付孔11fには、上部用紙ガイド40が取り付けられている。なお、上部用紙ガイド40は、本発明の「用紙ガイド部材」の一例である。この上部用紙ガイド40は、図6に示すように、バネ性を有する断面が丸形形状の線材によって形成されるガイド部41と、ローラ部42とから構成されている。このローラ部42は、図6〜図8に示すように、用紙50(図4参照)の表面と接触する接触部42aと、回転軸となる軸部42bとを有している。また、上部用紙ガイド40のガイド部41は、図6〜図8に示すように、給紙方向の経路である給紙経路T1(図4参照)に搬送される用紙をガイドする一対の給紙ガイド部41aと、一対の給紙ガイド部41aを連結するとともに用紙50(図1参照)とは接触しない連結部41bと、排紙方向の経路である排紙経路U1(図13参照)に搬送される用紙をガイドする一対の排紙ガイド部41cとを有している。また、ガイド部41の給紙ガイド部41aの給紙方向側(矢印A方向側)端部および排紙ガイド部41cの給紙方向側(矢印A方向)の端部には、線材によってコイル状に形成された一対の軸受部41dが設けられている。このコイル状の軸受部41dの内径は、ローラ部42の軸部42bの外径よりも若干大きくなるように構成されている。これにより、軸受部41dによってローラ部42は回転可能に支持される。また、ガイド部41の給紙ガイド部41aと連結部41bと排紙ガイド部41cと軸受部41dとは、一体的に形成されている。
【0030】
また、本実施形態では、ガイド部41の排紙ガイド部41cは、図6〜図8に示すように、先端がフック状の取付部41eを有している。この取付部41eは、下部用紙ガイド11(図5参照)の取付部11eの取付孔11fに挿入されて係合されることによって取り付けられる。また、一対の排紙ガイド部41cは、平面的に見て、中央側に設けられる軸受部41dから両端に設けられる取付部41eに向かって広がるような形状を有している。これにより、用紙50(図1参照)の排紙時に、給紙ガイド部41cによって、用紙50の幅方向の全範囲に渡って、搬送をガイドすることが可能である。また、下部用紙ガイド11は、図4および図5に示すように、ローラ部42を下側にして給紙ガイド部41aおよび排紙ガイド部41cが排紙方向(矢印B方向)に向かって斜め上方向に延びるように取り付けられている。これにより、取付部41eを支点として上部用紙ガイド40は、上下方向に揺動可能に取り付けられる。また、図5に示すように、給紙時以外では、下部用紙ガイド11の台座部11bの中央部に設けられた切欠11aにローラ部42が下方に落ち込むように構成されている。
【0031】
また、給紙ローラ12は、図3に示すように、ステッピングモータ18を駆動源として回転されることにより、装置本体1(図1参照)に装着された用紙カセット60(図1参照)の用紙50(図1参照)を装置本体1の内部に供給する機能を有している。また、排紙ローラ14は、ステッピングモータ18を駆動源として回転されることにより、装置本体1(図1参照)の内部で印刷が行われた印刷済みの用紙50(図1参照)を装置本体1の外部へ排出する機能を有している。
【0032】
また、インクシート巻取リール16(図2参照)は、図4に示すように、インクシートカートリッジ70の巻取部70aの内部に回転可能に配置された巻取ボビン70bに係合することによって、インクシート71を巻取ボビン70bに巻き取るように構成されている。また、インクシート巻取リール16のギア部16aは、図3に示すように、揺動ギア20が揺動することによって揺動ギア20と係合することが可能なように配置されている。
【0033】
また、図3に示すように、モータブラケット17に取り付けられたステッピングモータ18の回転軸には、モータギア25が取り付けられている。また、ステッピングモータ18は、インクシート巻取リール16のギア部16aと、給紙ローラギア13と、排紙ローラギア15と、送りローラギア9とを駆動させるための駆動源としての機能を有する。また、ステッピングモータ19は、印字ヘッド6(図4参照)をプラテンローラ7(図4参照)に対して押圧するように、印字ヘッド6の上面を押圧する図示しない押圧部材などの駆動源としての機能を有している。
【0034】
また、インクシートカートリッジ70には、図4に示すように、インクシート71が巻き付けられた供給ボビン70cが回転可能に内部に配置された供給部70dが設けられている。また、インクシート71は、Y色(イエロー)印字シート、M色(マゼンダ)印字シートおよびC色(シアン)印字シートの3色のインクシートと、印刷された用紙50の印刷面を保護するための透明のOP(オーバコート)シートとが順に繋げられて構成されている。また、各色印字シート間、および、C色(シアン)印字シートとOP(オーバコート)シートとの接続部分には、それぞれ、印刷開始時にインクシート頭出しセンサ(図示せず)によって認識される印字シート頭出し識別部(図示せず)が設けられている。
【0035】
次に、図3、図4および図9〜図13を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の給紙動作および排紙動作について説明する。
【0036】
まず、印刷動作が開始されると、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動され、ステッピングモータ18の駆動に伴い、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印C3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印C1方向に回転する。そして、送りローラギア9が矢印C1方向に回転するのに伴って、中間ギア23および24を介して、給紙ローラギア13が矢印C4方向に回転する。これにより、図4に示すように、給紙ローラギア13の回転に伴って給紙ローラ12が矢印C4方向に回転するので、給紙ローラ18の下面側に接触する用紙50は、給紙経路T1への搬送が開始される。
【0037】
そして、図9に示すように、給紙ローラ18によって搬送された用紙50の先端部50aは、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aに接触し、さらに給紙経路T1に搬送されると、給紙ガイド部41aは矢印E1方向に押し上げられる。すなわち、上部用紙ガイド40は、用紙50の先端部50aによって押圧されることにより、排紙ガイド部41cの取付部41eを中心に矢印E1方向に回動される。また、図10に示すように、用紙50の先端部50aを含む両端部には、印字されない切取部50bが設けられている。これにより、用紙50の印字面50cには、給紙ガイド41c(図9参照)が接触されないように構成することが可能である。
【0038】
ここで、本実施形態では、用紙50が図11に示すような位置まで搬送された際には、用紙50の印字面50cが上部用紙ガイド40のローラ部42と接触する。この状態で用紙50がさらに搬送されると、ローラ部42と用紙50との接触によってローラ部42は矢印E2方向に回転される。これにより、ローラ部42と用紙50の印字面50cとの接触圧は、低減されることが可能である。
【0039】
そして、用紙50は送りローラ8がC1方向に回転することにより、図12に示すような印刷開始位置に搬送される。用紙50が印刷開始位置に到達されるとステッピングモータ19(図3参照)が駆動される。そして、ステッピングモータ19(図3参照)により図示しない押圧部材が回動されることによって、図4の状態から図12に示すように、印字ヘッド6のヘッド部6cがプラテンローラ7を押圧する方向に回動される。なお、揺動可能な揺動ギア20(図3参照)は、巻取リール16(図3参照)のギア16a(図3参照)に噛合しないので、巻取リール16(図3参照)のギア16a(図3参照)は回転しない。これにより、給紙時には、巻取ボビン70b(図4参照)および供給ボビン70c(図4参照)に巻き付けられたインクシート71(図4参照)は巻き取られない。
【0040】
また、本実施形態では、用紙50が図12に示すような印刷開始位置にまで到達すると、用紙50と印字面50cとは離間することになるので、矢印F1方向に回動し、図4および図12示すような元の状態に復帰する。
【0041】
次に、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印D3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印D1方向に回転する。これにより、送りローラ8は、矢印D1方向に回転する送りローラギア9の回転に伴って、図12の矢印D1方向に回転するので、用紙50は排紙経路U1に搬送される。
【0042】
この際、用紙50が排紙経路U1に搬送されるとともにインクシート71を巻き取りながら、印字ヘッド6の発熱体6eにより、Y色(イエロー)印字シート(図示せず)のインクが、用紙50に印刷(熱転写)が行われる。そして、Y色(イエロー)印字シートの印刷が終了すると、図13に示すように、用紙50は、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cに案内されながら、排紙ローラ14により搬送可能な位置まで搬送される。
【0043】
また、揺動可能な揺動ギア20は、図3に示すように、インクシート巻取リール16のギア部16aに係合する方向(矢印D2方向)に揺動されて、インクシート巻取リール16のギア部16aと係合する。これにより、図12に示すように、インクシート巻取リール16(図3参照)のギア部16a(図3参照)が矢印D4方向に回転するので、用紙50の搬送動作とともに、供給ボビン70cに巻き付けられたインクシート71が巻取ボビン70bに巻き取られる。
【0044】
また、上述したY色(イエロー)に関する印刷に継続される印刷動作(印刷処理)として、ステッピングモータ19(図3参照)により図示しない押圧部材が上方向に回動されると、印字ヘッド6(図4参照)のヘッド部6c(図4参照)がプラテンローラ7(図4参照)から離間する方向に回動される。また、インクシート頭出しセンサ(図示せず)によってM色(マゼンダ)印字シート(図示せず)の先頭部分にある印字シート頭出し識別部(図示せず)が認識される。これにより、M色(マゼンダ)印字シートの頭出しが行われる。そして、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印C3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印C1方向に回転する。これにより、図13に示すように、送りローラ8が矢印C1方向に回転するのに伴って、用紙50は、送りローラ8および押さえローラ10により印刷開始位置まで再び搬送される。
【0045】
その後、上記Y色(イエロー)およびM色(マゼンタ)の印刷時と同様の動作によって、C色(シアン)印字シート(図示せず)のインクが、用紙50に印刷(熱転写)される。
【0046】
そして、印刷された用紙50の表面を保護する目的で、透明のOP(オーバコート)シート(図示せず)のインクが用紙50に印刷(熱転写)される。そして、上記各色の印刷時の動作と同様の動作が行われることによって、OP(オーバコート)シート(図示せず)のインクが印刷されるとともに、用紙50への印刷動作が終了する。
【0047】
印刷が終了した用紙50は、図13に示すように、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cに案内されながら、排紙ローラ14により排紙される。この際、ステッピングモータ18(図4参照)および各種ギアは、印刷時に用紙50を排紙経路U1に搬送する場合と同様の動作が行われる。
【0048】
本実施形態では、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1に搬送するための用紙搬送手段(送りローラ8、給紙ローラ12およびステッピングモータ18)と、用紙搬送手段により給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドする上部用紙ガイド40とを備え、上部用紙ガイド40に、用紙50の給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドするためのガイド部41を設けることによって、用紙50を用紙搬送手段によって給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される際に、用紙50が誤った経路に搬送されることなく、給紙経路T1または排紙経路U1に搬送するように構成することができる。また、給紙経路T1および排紙経路U1に用紙50を分岐させて搬送するために、上部用紙ガイド40を移動させるための部品を必要としないので、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、給紙経路T1および排紙経路U1のいずれか一方の経路に用紙50を搬送するために、上部用紙ガイド40を1つ設けるだけどよいので、上部用紙ガイド40を複設ける場合と比較して、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、用紙50が用紙搬送手段によって少なくとも給紙経路T1に搬送される際に、用紙50が接触することにより回転するローラ部42を設けることによって、上部用紙ガイド40のローラ部42に用紙50が接触した際に、ローラ部42が回転するので、板状のガイド部の先端が用紙50の印字面50cに接触する場合と異なり、上部用紙ガイド40に用紙50が接触することに起因する、用紙50の印字面50cの損傷の発生を抑制することができる。また、ローラ部42は、用紙50が接触することによって回転するので、ローラ部42を回転させるための駆動源となる部品を設ける必要がない。これにより、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。その結果、部品点数が増加するのを抑制しながら、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1の2つの方向に正しく搬送することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40のガイド部41に、用紙50が用紙搬送手段により給紙経路T1を搬送される際にガイドする給紙ガイド部41aと、用紙50が用紙搬送手段により排紙経路U1に搬送される際にガイドする排紙ガイド部41cとを一体的に設ける。これによって、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aによって、用紙50を給紙する際に、用紙搬送手段によって給紙経路T1に搬送される用紙50を確実にガイドすることができる。また、用紙50を排紙する際には、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cによって、用紙50を排紙する際に、用紙搬送手段によって排紙経路U1に搬送される用紙50を確実にガイドすることができる。これらにより、用紙50を給紙および排紙する際に、用紙50の搬送経路を誤ることなく確実に搬送させることができる。また、給紙ガイド部41aと排紙ガイド部41cとを一体的に設けることによって、部品点数の増加を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40のガイド部41を、断面が丸形形状の線材により形成することによって、ローラ部42ではなくガイド部41に用紙50の表面が接触した際にも、用紙50の表面は、断面が丸形形状のガイド部41に接触するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印字面50cに接触する場合と異なり、ガイド部41に用紙50が接触した際の用紙50の損傷を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40に、ローラ部42を回転可能に支持するための軸受部41dをさらに設け、上部用紙ガイド40のガイド部41と軸受部41dとを一体的に形成する。これによって、ローラ部42の軸受部41dとガイド部41を別々に設ける場合と比較して、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aを、用紙50に対してローラ部42が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けるとともに、上下方向に揺動可能に取り付ける。これによって、用紙50に対して斜めに延びる給紙ガイド部41aに給紙経路T1に搬送される用紙50が当接すると、用紙搬送手段により搬送される用紙50の移動力によって上部用紙ガイド40が上方に揺動される一方で、用紙50が排紙経路U1に搬送される際には、上部用紙ガイド40は上方には揺されしないので、1つの上部用紙ガイド40によって用紙50の搬送経路を給紙経路T1と排紙経路U1とに分岐させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、用紙50が用紙搬送手段により給紙経路T1に搬送される際に、用紙50の先端部50aが給紙ガイド部41aに当接しながら移動することにより、給紙ガイド部41aが上方向に押し上げられた後に用紙50の表面がローラ部42に接触するように構成する。これによって、用紙50の先端部50aが給紙ガイド部41aを押し上げることにより、下方に配置されるローラ部42を上方に移動させて用紙50の印字面50cと当接させる位置まで移動させることができるので、用紙50の印字面50cが給紙ガイド部41aに接触する前に、ローラ部42に接触させることができる。これにより、上部用紙ガイド40に接触することに起因する用紙50の印字面50cの損傷の発生をより抑制することができる。
【0054】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例として昇華型プリンタを示したが、本発明はこれに限らず、用紙搬送手段と2つ以上の搬送経路とを備えた画像形成装置であれば、昇華型プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0056】
また、上記実施形態では、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とを一体的に形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、別々に設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とを線材によって形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、線材以外の材料によって形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの筐体の内部を示した斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタのステッピングモータおよび各種ギアの配置構成を示した側面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの内部構造を説明するための断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの下部用紙ガイドおよび上部用紙ガイドの構造を説明するための斜視図である。
【図6】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための斜視図である。
【図7】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための側面図である。
【図8】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための分解斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図10】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの用紙の構成を説明するための図である。
【図11】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図12】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図13】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0059】
8 送りローラ(用紙搬送手段)
12 給紙ローラ(用紙搬送手段)
18 ステッピングモータ(用紙搬送手段)
40 上部用紙ガイド(用紙ガイド部材)
41 ガイド部
41a 給紙ガイド部
41c 排紙ガイド部
41d 軸受部
42 ローラ部
50 用紙
50a 先端部
50c 印字面(表面)
100 昇華型プリンタ(画像形成装置)
T1 給紙経路
U1 排紙経路
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、用紙搬送手段を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙搬送手段を備えた画像形成装置などが知られている(たとえば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記特許文献1には、用紙を搬送するための搬送ローラ(用紙搬送手段)と、用紙を搬送方向および搬送方向とは逆方向に搬送するためのスイッチバックローラ(用紙搬送手段)とを備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、搬送方向と搬送方向とは逆方向とからなる両面記録路が設けられている。この両面記録路の分岐部には、外周面に多数の毛状体を有するブラシローラが配置されており、このブラシローラがブラシローラ回転用のモータによって回転される。これにより、用紙がスイッチバックローラによって搬送方向とは逆方向に搬送される際に、正しい両面記録路に搬送されるようにブラシローラによりガイドされるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、シート(用紙)を搬送方向に搬送する輸送ローラ(用紙搬送手段)と、シートに当接することにより回転可能に構成される案内素子と、案内素子を移動させて案内素子と輸送ローラとの位置関係を閉塞状態と開放状態とに切り換えるための活性手段とを備えるプリンタ(画像形成装置)が開示されている。このプリンタでは、輸送ローラと案内素子との位置関係が閉塞状態である場合には、シートは、輸送ローラが回転する方向に搬送される。これに対し、輸送ローラと案内素子との位置関係が開放状態である場合には、シートは、輸送ローラが回転する方向には搬送されず、輸送ローラとは別個に設けられる搬送手段によって、別方向に輸送される。
【0005】
また、上記特許文献3には、用紙に印画する画像形成部と、画像形成部に用紙を搬送するための動力となる搬送ローラ(用紙搬送手段)と、画像形成部に用紙を搬送するための経路である用紙搬送路と、用紙搬送路から分岐する反転路と、反転路を通過した用紙を両面印刷するために用紙を反転させる用紙反転手段とを備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置の用紙搬送路と反転路との分岐点には、反転路に搬送される用紙の面に沿った第1ガイド面と、反転路から用紙搬送路の方向に搬送される用紙の面に沿った第2ガイド面とを有する分岐爪が設けられている。この分岐爪は、用紙が反転路に搬送される際には、分岐爪の第2ガイド面が押し上げられるように構成されている。また、分岐爪は、用紙の搬送を確実にガイドするために、用紙の幅方向に所定の間隔を隔てて4つまたは5つ設けられている。
【0006】
また、上記特許文献4には、記録シート(用紙)を収納するための記録シート収納部と、用紙に印画を行う画像形成部と、記録シートを搬送するとともに、画像形成部側に設けられる第1搬送ローラ(用紙搬送手段)と、記録シートを搬送するとともに記録シート収納部側に設けられる第2搬送ローラ(用紙搬送手段)と、第2搬送ローラとともに記録シートを挟み込む押圧ローラとを備える記録装置(画像形成装置)が開示されている。この画像形成装置は、第2搬送ローラを移動させることにより記録シートを押圧ローラと挟み込む圧力を調整するリンク部材をさらに備えている。
【0007】
また、上記特許文献5には、記録紙に印画する記録ヘッドと、記録ヘッドに記録紙を送り込む搬送駆動ローラと、記録ヘッドによって印画された記録紙を記録ヘッドから排紙する排紙駆動ローラと、記録紙の両面を印刷する際に、記録ヘッドによって印画された記録紙を待避させる待避トレイと、記録が完了した記録紙が排紙される揺動部とを備える記録装置が開示されている。この記録装置における記録紙が搬送される経路は、待避トレイに向かう経路である待避経路と、揺動部に向かう方向で、かつ、待避経路とは異なる方向に向かう経路である排紙経路とを含む。また、待避経路と排紙経路との間には、双方向搬送駆動ローラが配置されている。そして、記録紙は、記録ヘッドによって記録された後、両面印刷される際には、待避経路を通って待避トレイに搬送される。また、記録紙の印刷が完了した際には、揺動部が双方向搬送駆動ローラの方向に揺動するように移動する。これにより、印刷が完了した記録紙は、双方向搬送駆動ローラによってガイドされながら、待避経路ではなく排紙経路の方向に搬送される。
【0008】
【特許文献1】特開2006−219239号公報
【特許文献2】特開2007−169065号公報
【特許文献3】特開2002−205861号公報
【特許文献4】特開2007−145466号公報
【特許文献5】特開2003−226053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1による画像形成装置では、用紙を2つの方向に搬送するために、用紙の2つの搬送方向の分岐部に設けられるブラシローラを回転させるためのモータが必要であるため、部品点数が増加するという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献2によるプリンタ(画像形成装置)では、シート(用紙)を複数の搬送方向に搬送するために、案内素子を移動させるための活性手段が必要であるため、その分、部品点数が増加するという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献3による画像形成装置では、用紙搬送路と反転路との分岐点に分岐爪が4つ以上設けられているため、部品点数が増加するという問題点がある。
【0012】
また、上記特許文献4による記録装置(画像形成装置)では、記録シート(用紙)の搬送方向は1つしか有していないため、記録シートの搬送方向を変更させることができないという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献5による画像形成装置では、明記されていないが、記録紙の搬送方向を待避経路と排紙経路とに分岐させるために、揺動部を揺動させるためのモータなどの部品が必要であると考えられるため、部品点数が増加するという問題点があると考えられる。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制しながら、用紙を複数の方向に搬送することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0015】
この発明の一の局面における画像形成装置は、用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、用紙搬送手段により第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする1つの用紙ガイド部材とを備え、1つの用紙ガイド部材は、用紙の第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部と、用紙が用紙搬送手段によって少なくとも第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部とを含む。
【0016】
この発明の一の局面による画像形成装置では、上記のように、用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、用紙搬送手段により第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする用紙ガイド部材とを設け、用紙ガイド部材に、用紙の第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部を設けることによって、用紙を用紙搬送手段によって第1搬送経路および第2搬送経路に搬送される際に、用紙が誤った経路に搬送されることなく、第1搬送経路または第2搬送経路に搬送するように構成することができる。また、第1搬送経路および第2搬送経路のいずれか一方の経路に用紙を搬送するために、用紙ガイド部材を移動させるための部品を必要としないので、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、第1搬送経路および第2搬送経路のいずれか一方の経路に用紙を搬送するために、1つの用紙ガイド部材を設けるだけでよいので、複数の用紙ガイド部材を設ける場合と比較して、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、用紙が用紙搬送手段によって少なくとも第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部を設けることによって、用紙ガイド部材のローラ部に用紙が接触した際に、ローラ部が回転するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印刷面(表面)に接触する場合と異なり、用紙ガイド部材に用紙が接触することに起因する、用紙表面の損傷の発生を抑制することができる。また、ローラ部は、用紙が接触することによって回転するので、ローラ部を回転させるための駆動源となる部品を別途設ける必要がない。これにより、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。これらの結果、部品点数が増加するのを抑制しながら、用紙を複数の方向に搬送することができる。
【0017】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、第1搬送経路は、給紙経路であり、第2搬送経路は、排紙経路であり、用紙ガイド部材のガイド部は、用紙が用紙搬送手段により給紙経路を搬送される際にガイドする給紙ガイド部と、用紙が用紙搬送手段により排紙経路に搬送される際にガイドする排紙ガイド部と一体的にを含む。このように構成すれば、用紙ガイド部材の給紙ガイド部によって、用紙が給紙される際に、用紙搬送手段によって給紙経路に搬送される用紙を確実にガイドすることができる。また、用紙が排紙される際には、用紙ガイド部材の排紙ガイド部によって、用紙搬送手段によって排紙経路に搬送される用紙を確実にガイドすることができる。これにより、用紙を給紙および排紙する際に、用紙の搬送経路を誤ることなく確実に搬送させることができる。また、給紙ガイド部と排紙ガイド部とを一体的に設けることによって、部品点数の増加を抑制することができる。
【0018】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、用紙ガイド部材のガイド部は、断面が丸形形状の線材により形成されている。このように構成すれば、ローラ部ではなくガイド部に用紙の表面が接触した際にも、用紙の表面は、断面が丸形形状のガイド部に接触するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印刷面(表面)に接触する場合と異なり、ガイド部に用紙が接触した際の用紙の損傷を抑制することができる。
【0019】
上記一の局面による画像形成装置では、好ましくは、用紙ガイド部材は、ローラ部を回転可能に支持するための軸受部をさらに含み、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とは一体的に形成されている。このように構成すれば、ローラ部の軸受部とガイド部を別々に設ける場合と比較して、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0020】
上記用紙ガイド部材のガイド部が給紙ガイド部を含む画像形成装置において、好ましくは、用紙ガイド部材の給紙ガイド部は、用紙に対してローラ部が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けられるとともに、上下方向に揺動可能に取り付けられている。このように構成すれば、用紙に対して斜めに延びる給紙ガイド部に給紙経路に搬送される用紙が当接すると、用紙搬送手段により搬送される用紙の移動力によって用紙ガイド部材が上方に揺動される一方で、用紙が排紙経路に搬送される際には、用紙ガイド部材は上方には揺動されないので、1つの用紙ガイド部材により、用紙の搬送経路を給紙経路と排紙経路とに分岐させることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、用紙が用紙搬送手段により給紙経路に搬送される際に、用紙の先端部が給紙ガイド部に当接しながら移動することにより、給紙ガイド部が上方に押し上げられた後に用紙の表面がローラ部に接触するように構成されている。このように構成すれば、用紙の先端部が給紙ガイド部を押し上げることにより、下方に配置されるローラ部を上方に移動させて用紙の表面と当接させる位置まで移動させることができるので、用紙の表面が給紙ガイド部に接触する前に、ローラ部に接触させることができる。これにより、用紙ガイド部材に接触することに起因する用紙表面の損傷の発生をより抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの装置本体から給紙カセットを省略した状態を示した斜視図である。また、図3〜図8は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの詳細構成を示した図である。まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の構成について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である昇華型プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100は、図1に示すように、用紙50(図1参照)を収納する用紙カセット60を装着可能に構成される装置本体1と、筐体2と、筐体2の上面に配置される電源ボタン3と、筐体2の前面(矢印B方向側の側面)に、用紙カセット60を装着するように設けられた開口部2aをに対して開閉可能に取り付けられた蓋4とを備えている。また、図2に示すように、昇華型プリンタ100(図1参照)は、筐体2(図1参照)の内部に、金属製のシャーシ5と、印字を行うための印字ヘッド6と、印字ヘッド6に対向するように配置されたプラテンローラ7(図4参照)と、金属製の送りローラ8(図4参照)と、送りローラギア9と、送りローラ8に所定の押圧力で接触する金属製の押さえローラ10(図4参照)と、樹脂製の下部用紙ガイド11と、ゴム製の給紙ローラ12と、給紙ローラギア13と、ゴム製の排紙ローラ14と、排紙ローラギア15とをさらに備えている。また、昇華型プリンタ100(図1参照)は、さらに、インクシート巻取リール16と、板金製のモータブラケット17と、用紙50(図1参照)を搬送するためのステッピングモータ18と、印字ヘッド6を回動させるための駆動源となるステッピングモータ19と、揺動可能な揺動ギア20と、複数の中間ギア21〜24(図3参照)とを備えている。また、本実施形態による昇華型プリンタ100(図1参照)には、20枚の用紙50を印刷することが可能なインクシート71(図4参照)が収納されたインクシートカートリッジ70が着脱可能に装着されている。なお、送りローラ8、押さえローラ10、給紙ローラ12、排紙ローラ14およびステッピングモータ18は、本発明の「用紙搬送手段」の一例である。
【0025】
また、図2に示すように、金属製のシャーシ5は、一方側面5aと、他方側面5bと、一方側面5aと他方側面5bとを連結する底面5cとを有している。また、シャーシ5の一方側面5aには、上記した板金製のモータブラケット17が取り付けられている。また、シャーシ5の他方側面5bには、インクシートカートリッジ70を挿入するための挿入孔5dが設けられている。
【0026】
また、印字ヘッド6には、図4に示すように、支持軸6aと、アーム部6bと、ヘッド部6cと、ヘッド部6cの下面側から取り付けられる樹脂製の給紙ガイド部材6d(図4参照)とから構成されている。また、印字ヘッド6は、支持軸6aを中心として回動可能に取り付けられている。また、印字ヘッド6のヘッド部6cには、電圧パルスが印加されて発熱する発熱体6eが設けられている。
【0027】
また、図2に示すように、送りローラ8は、送りローラギア9に挿入される送りローラギア挿入部8aを有している。また、送りローラ8は、シャーシ5に取り付けられた送りローラ軸受(図示せず)に回転可能に支持されるとともに、用紙50が給紙される方向に直交する方向(矢印CおよびD方向)に回転軸が配置されている。また、送りローラ8は、図4に示すように、給紙ローラ12よりも用紙50の給紙方向(矢印A方向)側に配置されている。
【0028】
また、本実施形態では、図4に示すように、下部用紙ガイド11は、送りローラ8および押さえローラ10の近傍に設置されている。また、下部用紙ガイド11は、図5に示すように、中央に切欠11aが設けられるとともに給紙される用紙50を下方から支持する台座部11bと、台座部11bの下方に設けられる脚部11cと、左右に一対設けられ、給紙および排紙の際に用紙の搬送をガイドするガイド部11dと、脚部11cから上方向に突出するように設けられ、後述する上部用紙ガイド40取り付けられる取付孔11fを有する一対の取付部11eとを含んでいる。
【0029】
ここで、本実施形態では、図5に示すように、下部用紙ガイド11の取付部11eの取付孔11fには、上部用紙ガイド40が取り付けられている。なお、上部用紙ガイド40は、本発明の「用紙ガイド部材」の一例である。この上部用紙ガイド40は、図6に示すように、バネ性を有する断面が丸形形状の線材によって形成されるガイド部41と、ローラ部42とから構成されている。このローラ部42は、図6〜図8に示すように、用紙50(図4参照)の表面と接触する接触部42aと、回転軸となる軸部42bとを有している。また、上部用紙ガイド40のガイド部41は、図6〜図8に示すように、給紙方向の経路である給紙経路T1(図4参照)に搬送される用紙をガイドする一対の給紙ガイド部41aと、一対の給紙ガイド部41aを連結するとともに用紙50(図1参照)とは接触しない連結部41bと、排紙方向の経路である排紙経路U1(図13参照)に搬送される用紙をガイドする一対の排紙ガイド部41cとを有している。また、ガイド部41の給紙ガイド部41aの給紙方向側(矢印A方向側)端部および排紙ガイド部41cの給紙方向側(矢印A方向)の端部には、線材によってコイル状に形成された一対の軸受部41dが設けられている。このコイル状の軸受部41dの内径は、ローラ部42の軸部42bの外径よりも若干大きくなるように構成されている。これにより、軸受部41dによってローラ部42は回転可能に支持される。また、ガイド部41の給紙ガイド部41aと連結部41bと排紙ガイド部41cと軸受部41dとは、一体的に形成されている。
【0030】
また、本実施形態では、ガイド部41の排紙ガイド部41cは、図6〜図8に示すように、先端がフック状の取付部41eを有している。この取付部41eは、下部用紙ガイド11(図5参照)の取付部11eの取付孔11fに挿入されて係合されることによって取り付けられる。また、一対の排紙ガイド部41cは、平面的に見て、中央側に設けられる軸受部41dから両端に設けられる取付部41eに向かって広がるような形状を有している。これにより、用紙50(図1参照)の排紙時に、給紙ガイド部41cによって、用紙50の幅方向の全範囲に渡って、搬送をガイドすることが可能である。また、下部用紙ガイド11は、図4および図5に示すように、ローラ部42を下側にして給紙ガイド部41aおよび排紙ガイド部41cが排紙方向(矢印B方向)に向かって斜め上方向に延びるように取り付けられている。これにより、取付部41eを支点として上部用紙ガイド40は、上下方向に揺動可能に取り付けられる。また、図5に示すように、給紙時以外では、下部用紙ガイド11の台座部11bの中央部に設けられた切欠11aにローラ部42が下方に落ち込むように構成されている。
【0031】
また、給紙ローラ12は、図3に示すように、ステッピングモータ18を駆動源として回転されることにより、装置本体1(図1参照)に装着された用紙カセット60(図1参照)の用紙50(図1参照)を装置本体1の内部に供給する機能を有している。また、排紙ローラ14は、ステッピングモータ18を駆動源として回転されることにより、装置本体1(図1参照)の内部で印刷が行われた印刷済みの用紙50(図1参照)を装置本体1の外部へ排出する機能を有している。
【0032】
また、インクシート巻取リール16(図2参照)は、図4に示すように、インクシートカートリッジ70の巻取部70aの内部に回転可能に配置された巻取ボビン70bに係合することによって、インクシート71を巻取ボビン70bに巻き取るように構成されている。また、インクシート巻取リール16のギア部16aは、図3に示すように、揺動ギア20が揺動することによって揺動ギア20と係合することが可能なように配置されている。
【0033】
また、図3に示すように、モータブラケット17に取り付けられたステッピングモータ18の回転軸には、モータギア25が取り付けられている。また、ステッピングモータ18は、インクシート巻取リール16のギア部16aと、給紙ローラギア13と、排紙ローラギア15と、送りローラギア9とを駆動させるための駆動源としての機能を有する。また、ステッピングモータ19は、印字ヘッド6(図4参照)をプラテンローラ7(図4参照)に対して押圧するように、印字ヘッド6の上面を押圧する図示しない押圧部材などの駆動源としての機能を有している。
【0034】
また、インクシートカートリッジ70には、図4に示すように、インクシート71が巻き付けられた供給ボビン70cが回転可能に内部に配置された供給部70dが設けられている。また、インクシート71は、Y色(イエロー)印字シート、M色(マゼンダ)印字シートおよびC色(シアン)印字シートの3色のインクシートと、印刷された用紙50の印刷面を保護するための透明のOP(オーバコート)シートとが順に繋げられて構成されている。また、各色印字シート間、および、C色(シアン)印字シートとOP(オーバコート)シートとの接続部分には、それぞれ、印刷開始時にインクシート頭出しセンサ(図示せず)によって認識される印字シート頭出し識別部(図示せず)が設けられている。
【0035】
次に、図3、図4および図9〜図13を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の給紙動作および排紙動作について説明する。
【0036】
まず、印刷動作が開始されると、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動され、ステッピングモータ18の駆動に伴い、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印C3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印C1方向に回転する。そして、送りローラギア9が矢印C1方向に回転するのに伴って、中間ギア23および24を介して、給紙ローラギア13が矢印C4方向に回転する。これにより、図4に示すように、給紙ローラギア13の回転に伴って給紙ローラ12が矢印C4方向に回転するので、給紙ローラ18の下面側に接触する用紙50は、給紙経路T1への搬送が開始される。
【0037】
そして、図9に示すように、給紙ローラ18によって搬送された用紙50の先端部50aは、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aに接触し、さらに給紙経路T1に搬送されると、給紙ガイド部41aは矢印E1方向に押し上げられる。すなわち、上部用紙ガイド40は、用紙50の先端部50aによって押圧されることにより、排紙ガイド部41cの取付部41eを中心に矢印E1方向に回動される。また、図10に示すように、用紙50の先端部50aを含む両端部には、印字されない切取部50bが設けられている。これにより、用紙50の印字面50cには、給紙ガイド41c(図9参照)が接触されないように構成することが可能である。
【0038】
ここで、本実施形態では、用紙50が図11に示すような位置まで搬送された際には、用紙50の印字面50cが上部用紙ガイド40のローラ部42と接触する。この状態で用紙50がさらに搬送されると、ローラ部42と用紙50との接触によってローラ部42は矢印E2方向に回転される。これにより、ローラ部42と用紙50の印字面50cとの接触圧は、低減されることが可能である。
【0039】
そして、用紙50は送りローラ8がC1方向に回転することにより、図12に示すような印刷開始位置に搬送される。用紙50が印刷開始位置に到達されるとステッピングモータ19(図3参照)が駆動される。そして、ステッピングモータ19(図3参照)により図示しない押圧部材が回動されることによって、図4の状態から図12に示すように、印字ヘッド6のヘッド部6cがプラテンローラ7を押圧する方向に回動される。なお、揺動可能な揺動ギア20(図3参照)は、巻取リール16(図3参照)のギア16a(図3参照)に噛合しないので、巻取リール16(図3参照)のギア16a(図3参照)は回転しない。これにより、給紙時には、巻取ボビン70b(図4参照)および供給ボビン70c(図4参照)に巻き付けられたインクシート71(図4参照)は巻き取られない。
【0040】
また、本実施形態では、用紙50が図12に示すような印刷開始位置にまで到達すると、用紙50と印字面50cとは離間することになるので、矢印F1方向に回動し、図4および図12示すような元の状態に復帰する。
【0041】
次に、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印D3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印D1方向に回転する。これにより、送りローラ8は、矢印D1方向に回転する送りローラギア9の回転に伴って、図12の矢印D1方向に回転するので、用紙50は排紙経路U1に搬送される。
【0042】
この際、用紙50が排紙経路U1に搬送されるとともにインクシート71を巻き取りながら、印字ヘッド6の発熱体6eにより、Y色(イエロー)印字シート(図示せず)のインクが、用紙50に印刷(熱転写)が行われる。そして、Y色(イエロー)印字シートの印刷が終了すると、図13に示すように、用紙50は、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cに案内されながら、排紙ローラ14により搬送可能な位置まで搬送される。
【0043】
また、揺動可能な揺動ギア20は、図3に示すように、インクシート巻取リール16のギア部16aに係合する方向(矢印D2方向)に揺動されて、インクシート巻取リール16のギア部16aと係合する。これにより、図12に示すように、インクシート巻取リール16(図3参照)のギア部16a(図3参照)が矢印D4方向に回転するので、用紙50の搬送動作とともに、供給ボビン70cに巻き付けられたインクシート71が巻取ボビン70bに巻き取られる。
【0044】
また、上述したY色(イエロー)に関する印刷に継続される印刷動作(印刷処理)として、ステッピングモータ19(図3参照)により図示しない押圧部材が上方向に回動されると、印字ヘッド6(図4参照)のヘッド部6c(図4参照)がプラテンローラ7(図4参照)から離間する方向に回動される。また、インクシート頭出しセンサ(図示せず)によってM色(マゼンダ)印字シート(図示せず)の先頭部分にある印字シート頭出し識別部(図示せず)が認識される。これにより、M色(マゼンダ)印字シートの頭出しが行われる。そして、図3に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア25が矢印C3方向に回転するとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア9が矢印C1方向に回転する。これにより、図13に示すように、送りローラ8が矢印C1方向に回転するのに伴って、用紙50は、送りローラ8および押さえローラ10により印刷開始位置まで再び搬送される。
【0045】
その後、上記Y色(イエロー)およびM色(マゼンタ)の印刷時と同様の動作によって、C色(シアン)印字シート(図示せず)のインクが、用紙50に印刷(熱転写)される。
【0046】
そして、印刷された用紙50の表面を保護する目的で、透明のOP(オーバコート)シート(図示せず)のインクが用紙50に印刷(熱転写)される。そして、上記各色の印刷時の動作と同様の動作が行われることによって、OP(オーバコート)シート(図示せず)のインクが印刷されるとともに、用紙50への印刷動作が終了する。
【0047】
印刷が終了した用紙50は、図13に示すように、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cに案内されながら、排紙ローラ14により排紙される。この際、ステッピングモータ18(図4参照)および各種ギアは、印刷時に用紙50を排紙経路U1に搬送する場合と同様の動作が行われる。
【0048】
本実施形態では、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1に搬送するための用紙搬送手段(送りローラ8、給紙ローラ12およびステッピングモータ18)と、用紙搬送手段により給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドする上部用紙ガイド40とを備え、上部用紙ガイド40に、用紙50の給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される用紙50をガイドするためのガイド部41を設けることによって、用紙50を用紙搬送手段によって給紙経路T1および排紙経路U1に搬送される際に、用紙50が誤った経路に搬送されることなく、給紙経路T1または排紙経路U1に搬送するように構成することができる。また、給紙経路T1および排紙経路U1に用紙50を分岐させて搬送するために、上部用紙ガイド40を移動させるための部品を必要としないので、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、給紙経路T1および排紙経路U1のいずれか一方の経路に用紙50を搬送するために、上部用紙ガイド40を1つ設けるだけどよいので、上部用紙ガイド40を複設ける場合と比較して、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、用紙50が用紙搬送手段によって少なくとも給紙経路T1に搬送される際に、用紙50が接触することにより回転するローラ部42を設けることによって、上部用紙ガイド40のローラ部42に用紙50が接触した際に、ローラ部42が回転するので、板状のガイド部の先端が用紙50の印字面50cに接触する場合と異なり、上部用紙ガイド40に用紙50が接触することに起因する、用紙50の印字面50cの損傷の発生を抑制することができる。また、ローラ部42は、用紙50が接触することによって回転するので、ローラ部42を回転させるための駆動源となる部品を設ける必要がない。これにより、その分、部品点数が増加するのを抑制することができる。その結果、部品点数が増加するのを抑制しながら、用紙50を給紙経路T1および排紙経路U1の2つの方向に正しく搬送することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40のガイド部41に、用紙50が用紙搬送手段により給紙経路T1を搬送される際にガイドする給紙ガイド部41aと、用紙50が用紙搬送手段により排紙経路U1に搬送される際にガイドする排紙ガイド部41cとを一体的に設ける。これによって、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aによって、用紙50を給紙する際に、用紙搬送手段によって給紙経路T1に搬送される用紙50を確実にガイドすることができる。また、用紙50を排紙する際には、上部用紙ガイド40の排紙ガイド部41cによって、用紙50を排紙する際に、用紙搬送手段によって排紙経路U1に搬送される用紙50を確実にガイドすることができる。これらにより、用紙50を給紙および排紙する際に、用紙50の搬送経路を誤ることなく確実に搬送させることができる。また、給紙ガイド部41aと排紙ガイド部41cとを一体的に設けることによって、部品点数の増加を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40のガイド部41を、断面が丸形形状の線材により形成することによって、ローラ部42ではなくガイド部41に用紙50の表面が接触した際にも、用紙50の表面は、断面が丸形形状のガイド部41に接触するので、板状のガイド部の先端部が用紙の印字面50cに接触する場合と異なり、ガイド部41に用紙50が接触した際の用紙50の損傷を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40に、ローラ部42を回転可能に支持するための軸受部41dをさらに設け、上部用紙ガイド40のガイド部41と軸受部41dとを一体的に形成する。これによって、ローラ部42の軸受部41dとガイド部41を別々に設ける場合と比較して、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上部用紙ガイド40の給紙ガイド部41aを、用紙50に対してローラ部42が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けるとともに、上下方向に揺動可能に取り付ける。これによって、用紙50に対して斜めに延びる給紙ガイド部41aに給紙経路T1に搬送される用紙50が当接すると、用紙搬送手段により搬送される用紙50の移動力によって上部用紙ガイド40が上方に揺動される一方で、用紙50が排紙経路U1に搬送される際には、上部用紙ガイド40は上方には揺されしないので、1つの上部用紙ガイド40によって用紙50の搬送経路を給紙経路T1と排紙経路U1とに分岐させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、用紙50が用紙搬送手段により給紙経路T1に搬送される際に、用紙50の先端部50aが給紙ガイド部41aに当接しながら移動することにより、給紙ガイド部41aが上方向に押し上げられた後に用紙50の表面がローラ部42に接触するように構成する。これによって、用紙50の先端部50aが給紙ガイド部41aを押し上げることにより、下方に配置されるローラ部42を上方に移動させて用紙50の印字面50cと当接させる位置まで移動させることができるので、用紙50の印字面50cが給紙ガイド部41aに接触する前に、ローラ部42に接触させることができる。これにより、上部用紙ガイド40に接触することに起因する用紙50の印字面50cの損傷の発生をより抑制することができる。
【0054】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0055】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例として昇華型プリンタを示したが、本発明はこれに限らず、用紙搬送手段と2つ以上の搬送経路とを備えた画像形成装置であれば、昇華型プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0056】
また、上記実施形態では、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とを一体的に形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、別々に設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とを線材によって形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、線材以外の材料によって形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの筐体の内部を示した斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタのステッピングモータおよび各種ギアの配置構成を示した側面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの内部構造を説明するための断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの下部用紙ガイドおよび上部用紙ガイドの構造を説明するための斜視図である。
【図6】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための斜視図である。
【図7】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための側面図である。
【図8】図5に示した一実施形態による上部用紙ガイドの詳細構造を説明するための分解斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図10】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの用紙の構成を説明するための図である。
【図11】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図12】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【図13】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの給紙動作および排紙動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0059】
8 送りローラ(用紙搬送手段)
12 給紙ローラ(用紙搬送手段)
18 ステッピングモータ(用紙搬送手段)
40 上部用紙ガイド(用紙ガイド部材)
41 ガイド部
41a 給紙ガイド部
41c 排紙ガイド部
41d 軸受部
42 ローラ部
50 用紙
50a 先端部
50c 印字面(表面)
100 昇華型プリンタ(画像形成装置)
T1 給紙経路
U1 排紙経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段により前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする1つの用紙ガイド部材とを備え、
前記1つの用紙ガイド部材は、
前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部と、
用紙が前記用紙搬送手段によって少なくとも前記第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1搬送経路は、給紙経路であり、
前記第2搬送経路は、排紙経路であり、
前記用紙ガイド部材のガイド部は、用紙が前記用紙搬送手段により前記給紙経路に搬送される際にガイドする給紙ガイド部と、用紙が前記用紙搬送手段により前記排紙経路に搬送される際にガイドする排紙ガイド部とを一体的に含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙ガイド部材のガイド部は、断面が丸形形状の線材により形成されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙ガイド部材は、前記ローラ部を回転可能に支持するための軸受部をさらに含み、
前記用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とは一体的に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙ガイド部材の給紙ガイド部は、用紙に対して前記ローラ部が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けられるとともに、上下方向に揺動可能に取り付けられている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙ガイド部材は、用紙が前記用紙搬送手段により前記給紙経路に搬送される際に、用紙の先端部が前記給紙ガイド部に当接しながら移動することにより、前記給紙ガイド部が上方向に押し上げられた後に用紙の表面が前記ローラ部に接触するように構成されている、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
用紙を第1搬送経路および第2搬送経路に搬送するための用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段により前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に搬送される用紙をガイドする1つの用紙ガイド部材とを備え、
前記1つの用紙ガイド部材は、
前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に搬送される用紙をガイドするためのガイド部と、
用紙が前記用紙搬送手段によって少なくとも前記第1搬送経路に搬送される際に、用紙が接触することにより回転するローラ部とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1搬送経路は、給紙経路であり、
前記第2搬送経路は、排紙経路であり、
前記用紙ガイド部材のガイド部は、用紙が前記用紙搬送手段により前記給紙経路に搬送される際にガイドする給紙ガイド部と、用紙が前記用紙搬送手段により前記排紙経路に搬送される際にガイドする排紙ガイド部とを一体的に含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙ガイド部材のガイド部は、断面が丸形形状の線材により形成されている、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙ガイド部材は、前記ローラ部を回転可能に支持するための軸受部をさらに含み、
前記用紙ガイド部材のガイド部と軸受部とは一体的に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙ガイド部材の給紙ガイド部は、用紙に対して前記ローラ部が下方に位置するように斜め方向に延びるように設けられるとともに、上下方向に揺動可能に取り付けられている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙ガイド部材は、用紙が前記用紙搬送手段により前記給紙経路に搬送される際に、用紙の先端部が前記給紙ガイド部に当接しながら移動することにより、前記給紙ガイド部が上方向に押し上げられた後に用紙の表面が前記ローラ部に接触するように構成されている、請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−120307(P2009−120307A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295056(P2007−295056)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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