説明

画像形成装置

【課題】定着部のクリーニングを行う際に使用される用紙の最適化を図り、低コスト化及び高作業性化の向上を図る。
【解決手段】予め設定された種類毎に用紙が格納された複数の給紙トレイ41と、トナー像が形成された前記用紙に当該トナー像を定着させる定着部44と、給紙トレイから用紙を給紙して定着部のクリーニングを実行する制御部と、を備え、制御部は、クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、クリーニングに使用する用紙を制限する画像形成装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、用紙上に転写されたトナー像を熱溶解させて固着させる定着部を備えた複写機やプリンタ等の画像形成装置がある。この画像形成装置は、ジャム(紙詰まり)発生時に定着部のニップ部に用紙が挟持されている場合には、ニップ部に挟持されている用紙を取り除くジャム処理を行う。そしてプリント再開前に、画像未形成の用紙を通紙して、定着部が有する回転定着部材の表面に付着した残留トナーを当該用紙に転写させて除去するクリーニング処理が行われる。
【0003】
クリーニング処理の技術としては、例えば、ジャムを検知し、かつ、定着部に用紙が挟持されている場合、定着部の再起動をさせ、ジャム検出前と同じ排紙トレイに用紙を出力する前に、定着部のクリーニングを目的とした用紙を搬送させ、当該用紙上にはトナー像を形成させずに定着部に当該用紙を挟持搬送させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−154192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の技術では、定着部の回転定着部材をクリーニングする為の用紙を任意に選択することを可能としているため、高価な用紙や他のジョブ専用の用紙等のクリーニングに適さない用紙が選択されてしまう恐れがある。
【0005】
例えば、割込ジョブの実行中にジャムが発生し、割込まれたジョブにおいて使用される用紙がマーク等が形成された用紙や排紙順番に意味を持つ用紙である場合、当該用紙が格納されている給紙トレイが選択され、当該用紙がクリーニングに使用されてしまう恐れがある。この場合、割込まれたジョブの実行が再開された場合、当該ジョブの実行内容と用紙との対応関係にズレが生じ、ユーザが所望するプリント物を出力することができず、再度、実行し直さなくてはならず、用紙の無駄が生じ、ユーザにとって煩雑な作業となる。
【0006】
また、ジャムが発生したジョブの実行終了後に実行される予約ジョブがある場合、予約ジョブが使用する用紙が選択され、当該用紙がクリーニングに使用されてしまう恐れがある。この場合、予約ジョブを実行する際に当該予約ジョブ用に設定された用紙が不足してジョブを継続できなくなる恐れがあり、作業性の低下を招く。
【0007】
使用している用紙が無くなった場合、同じサイズの用紙に切り替えてジョブを継続させる機能(自動給紙トレイ切替機能)を停止しているジョブの実行中にジャムが発生した場合、他の用紙が選択されてしまう恐れがある。
【0008】
更に、タブ紙に画像形成を行うジョブ実行中にジャムが発生した場合、インターシートモードのジョブ実行中にジャムが発生した場合、又は、OHPモードのジョブ実行中にジャムが発生した場合等、用紙が任意に選択可能であるとクリーニングに使用するには高価な用紙(タブ紙、挿入紙、OHP用紙等)が使用されてしまう恐れがある。
【0009】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、定着部のクリーニングを行う際に使用される用紙の最適化を図り、低コスト化及び高作業性化の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、予め設定された種類毎に用紙が格納された複数の給紙トレイと、トナー像が形成された前記用紙に当該トナー像を定着させる定着部と、前記給紙トレイから用紙を供給して前記定着部のクリーニングを実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、前記クリーニングに使用する用紙を制限する画像形成装置が提供される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像形成装置において、前記クリーニング時に使用する用紙の選択指示を受け付け、当該選択指示に基づく用紙選択信号を前記制御部に出力する入力部を備え、前記制御部は、前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、前記入力部から入力される前記用紙選択信号を有効又は無効にする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記クリーニング時に前記複数の給紙トレイのそれぞれに格納されている用紙を示す情報を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示を受け付け可能な用紙を示す情報を前記表示部に表示させる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記給紙トレイに格納された用紙を示す情報を一覧表示する画面を前記表示部に表示させ、かつ、当該画面において前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示の受け付けが制限される用紙を示す情報と、選択指示の受け付けが制限されない用紙を示す情報とを互いに異なる表現で表示させる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成ジョブの状態が他のジョブの実行を一時的に停止させて割り込んで実行する割込ジョブの状態である場合、前記表示部に表示される当該割込ジョブによって割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けを制限する表現で表示させる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成ジョブの状態が当該画像形成ジョブの実行終了後に実行される予約ジョブがある状態である場合、前記表示部に表示される当該予約ジョブに設定されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けを制限する表現で表示させる。
【0016】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用している用紙が格納されている給紙トレイ内に当該用紙が無くなった際には当該用紙と同一サイズの用紙が格納されている給紙トレイから用紙を給紙してジョブの実行を継続させる機能が停止されている状態である場合、前記表示部に表示される前記画像形成ジョブにおいて使用中の用紙を示す情報のみを選択指示の受け付けが制限されない表現で表示させる。
【0017】
請求項8に記載の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成ジョブの状態が、予め設定されている給紙トレイに格納されている用紙を画像形成済みの用紙に挿入する挿入モードが設定されている状態である場合、前記表示部に表示される前記予め設定されている給紙トレイに格納されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示させる。
【0018】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4又は8に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用される用紙が特殊用紙である場合、前記表示部に表示される前記特殊用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示させる。
【0019】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の画像形成装置において、前記特殊用紙は、タブ紙、OHP紙のいずれかである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成ジョブの状態に基づいて、クリーニング時に使用する用紙を制限することができるため、ジャム発生後の定着部のクリーニング時に使用される用紙の最適化を図ると共に低コスト化及び高作業性化の向上を図ることができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、画像形成ジョブの状態に応じて、クリーニング時に使用する用紙の選択指示信号を有効又は無効にすることができるため、画像形成ジョブの状態に応じたクリーニング時に通紙に使用される用紙の最適化を図ることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示を受け付け可能な用紙を示す情報を表示させることができるため、定着部のクリーニングを行う際に使用される用紙の最適化を図ることができると共に作業性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3と同様の効果を得られるのは勿論のこと、画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示の受け付けが制限される用紙を示す情報と、選択指示の受け付けが制限されない用紙を示す情報とが互いに異なる表現で表示された画面を表示することができるため、定着部のクリーニングを行う際に使用される用紙の最適化を図ることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4と同様の効果を得られるのは勿論のこと、割込ジョブの実行中にジャムが発生した場合、割り込まれたジョブにおいて使用される用紙が、マーク等が形成された用紙や排紙順番に意味を持つ用紙であっても、当該割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報が選択指示の受け付けを制限する表現で表示されることから、当該用紙が選択されない。従って、割り込まれたジョブの実行が再開された場合、当該割り込まれたジョブの実行内容と用紙との対応関係にズレは生じず、ユーザが所望するプリント物を出力することができるため、実行し直しによる用紙の無駄が無くなり、作業性を向上できる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ジャムが発生したジョブの実行終了後に実行され、使用される用紙が設定されている予約ジョブがある場合であっても、予約ジョブが使用する用紙を示す情報を選択指示の受け付けを制限する表現で表示させることができるため、当該用紙が選択されない。従って、予約ジョブを実行する際に当該予約ジョブ用に設定された用紙がクリーニングに使用されることにより不足してジョブを継続できなくなる恐れが無くなり、作業性の低下を防止できる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4と同様の効果を得られるのは勿論のこと、使用している用紙が格納されている給紙トレイ内に当該用紙が無くなった際には当該用紙と同一サイズの用紙が格納されている給紙トレイから用紙を給紙してジョブの実行を継続させる機能が停止されているジョブの実行中にジャムが発生した場合であっても、画像形成ジョブにおいて使用中の用紙のみが選択されることとなり、他の用紙が選択されてしまう事を防止できる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項4と同様の効果を得られるのは勿論のこと、挿入モードが設定されている場合、挿入する用紙が高価な用紙であっても、当該用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示されることから、当該用紙が定着部のクリーニングに使用されてしまう恐れが無くなり、クリーニングに使用される用紙の低コスト化を図ることができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4又は8と同様の効果を得られるのは勿論のこと、特殊用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示されることから、殊用紙が定着部のクリーニングに使用されてしまう恐れが無くなるため、クリーニングに使用される用紙の低コスト化を図ることができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9と同様の効果を得られるのは勿論のこと、特殊用紙として、タブ紙、OHP紙のいずれかを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略断面構成図を示す。
【0031】
図1に示すように、画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成して出力するコピー機能や、外部装置等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等を含むジョブを受信し、受信したジョブに基づいて画像を用紙P上に形成して出力するプリント機能等を備えている。図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取部20、プリント部40等を備えて構成される。
【0032】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部21と読取部22とを備える。自動原稿送り部21の原稿トレイT1に載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)22aにより原稿dの画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0033】
画像読取部20により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する画像制御基板の読取処理部140に出力され、読取処理部140においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0034】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部41、給紙搬送部42、画像形成部43、定着部44、搬出部45を備えて構成される。
【0035】
給紙部41は、複数の給紙トレイ41a、給紙手段41b、手差しトレイT2等を備える。給紙トレイ41aは、給紙トレイ41a毎に用紙の斤量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙や特殊用紙、差込用紙等の用紙Pが予め設定された種類毎に格納されており、給紙手段41bによって用紙Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部42に向けて搬送する。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の用紙Pを積載可能な給紙トレイであり、給紙ローラによって積載された用紙Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部42に向けて搬送する。
【0036】
特殊用紙としては、例えば、所定の順序で配列されて1セットの特殊用紙群を構成するもの(タブ紙やカラーシート等)、OHP紙、写真画像等の高画質な画像を形成させる専用紙(光沢紙)等を挙げることができる。差込用紙とは、予め画像が形成された用紙やユーザが任意に設定した用紙である。なお、本実施の形態においては、規格用紙、特殊用紙、差込用紙を総称して用紙と呼ぶ。
【0037】
給紙搬送部42は、給紙トレイ41a又は手差しトレイT2から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ42a等を経て二次転写ローラ42bへと搬送する。また、給紙搬送部42は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの用紙Pを両面搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ42aを経て二次転写ローラ42bへと搬送する。この二次転写ローラ42bにより、後述する中間転写ベルト43bに転写されたトナー画像が用紙P上に一括転写される。
【0038】
画像形成部43は、最大4色(イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像を形成する際に、夫々異なる色のトナーを充填可能な色毎の画像形成部43Y、43M、43C、43Kと、クリーニング部43aと、中間転写ベルト43bとを備えて構成されている。
【0039】
例えば、画像形成部43Yは、感光体ドラムの周囲に配置された帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置を備え、イエロー(Y)の画像を形成する。
【0040】
具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに、露光装置からイエロー(Y)の画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したイエロー(Y)のトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置によりトナーが付着された感光体ドラムは、一次転写ローラが配置された転写位置へ一定速度で回転されながら後述する中間転写ベルト43bに転写される。中間転写ベルト43bにトナーが転写された後、クリーニング装置が、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等を除去する。
【0041】
画像形成部43M、43C、43Kは、画像形成部43Yと同様の構成を備え、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像をそれぞれ形成する。
【0042】
中間転写ベルト43bは、複数のローラに懸架され回転可能に支持された半導電性エンドレスベルトであり、ローラの回転に伴って回転駆動される。
この中間転写ベルト43bは、各画像形成部43Y、43M、43C、43Kの一次転写ローラによりそれぞれの感光体ドラムに圧着される。これにより各感光体ドラムの表面に現像された各トナーは、各一次転写ローラによる転写位置で中間転写ベルト43bに転写され、二次転写ローラ42bによる転写位置で用紙Pにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが順次重ねて転写される。そして、中間転写ベルト43bは、二次転写ローラ42bにより用紙Pにトナー画像を転写した後、用紙Pを曲率及び静電的に分離して、クリーニング部43aにより残留トナーが除去される。
【0043】
定着部44は、熱源を有する回転定着部材44aと、当該回転定着部材44aに圧接してニップ部Nを形成する加圧ローラ44bとを備え、用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する。回転定着部材44aとしては、加熱ローラ、加熱ベルト等を挙げることができる。
【0044】
トナー像が定着された用紙Pは、搬出部45の排紙ローラに挟持されて搬出口から排紙トレイT3へ搬出される。
【0045】
図2に、画像形成装置1の制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラ1bから構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置2と相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0046】
本体部1aは、画像読取部20、LCD(Liquid Crystal Display)31とタッチパネル32を有する操作表示部30、プリント部40、画像制御基板100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
画像制御基板100は、制御部110、不揮発メモリ120、RAM(Random Access Memory)130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、伸長IC180、書込処理部190から構成される。
【0048】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM130に展開し、RAM130に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
例えば、操作表示部30や外部装置2から入力される指示信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、複写、プリント、画像データの読取等の制御を行う。
【0049】
制御部110は、不揮発メモリ120から本実施の形態に係るクリーニング用紙設定処理を実行するためのプログラムと当該プログラムに必要な各種データを読み出して、当該プログラム及び各種データとの協働により、定着部44の回転定着部材44aに付着した残留トナーを用紙に転写させて除去するクリーニング処理に使用される用紙の選択指示を受け付ける際、ジャムが発生した際に実行されていた画像形成ジョブに基づいて、クリーニング処理に使用する用紙を制限する。
【0050】
制御部110は、クリーニング処理に使用する用紙の制限としては、給紙トレイに格納された用紙を示す情報としての給紙トレイ釦を一覧表示する画面(後述する給紙トレイ選択画面)を操作表示部30のLCD31上に表示させ、かつ、選択指示の受け付けが制限される用紙を示す情報としての給紙トレイ釦と、選択指示の受け付けが制限されない用紙を示す情報としての給紙トレイ釦とを互いに異なる表現で表示させる。また、制御部110は、画像形成ジョブの状態に応じて、操作表示部30から入力される用紙選択信号を有効又は無効にする。
【0051】
クリーニング用紙設定処理は、画像形成ジョブの状態が他のジョブの実行を一時的に停止させて割り込んで実行する割込ジョブの状態である場合、LCD31に表示される給紙トレイ選択画面において、当該割込ジョブによって割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦を選択指示を受け付けを制限する表現(選択不能状態)として表示する。また、画像形成ジョブの状態が当該画像形成ジョブの実行終了後に実行される予約ジョブがある状態である場合、LCD31に表示される給紙トレイ選択画面において、当該予約ジョブに設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦を選択指示の受け付けを制限する表現(選択不能状態)として表示する。
即ち、ジャムが解消された後、画像形成ジョブに設定されている給紙トレイとは異なる用紙が設定された他のジョブがある場合、当該他のジョブに設定されている用紙に対応する給紙トレイ釦の表示状態を選択不能状態とする。
【0052】
また、本実施の形態における画像形成装置1は、画像形成ジョブの実行中において、使用されている用紙が格納されている給紙トレイ41a内に当該用紙が無くなった際に、当該用紙と同一サイズの用紙が格納されている給紙トレイ41aから用紙を給紙して画像形成ジョブの実行を継続させる機能(以下、自動給紙トレイ切替機能)を備え、当該自動給紙トレイ切替機能の実行又は停止をユーザがジョブ毎に任意に設定できる装置とする。
クリーニング用紙設定処理は、画像形成ジョブが自動給紙トレイ切替機能の停止が設定されている状態である場合、LCD31に表示される給紙トレイ選択画面において、画像形成ジョブにおいて使用中の用紙を示す情報としての給紙トレイ釦のみを選択指示の受け付けが制限されない表現(選択可状態)として表示する。
【0053】
更に、クリーニング用紙設定処理は、画像形成ジョブの状態が予め設定されている用紙を画像形成済みの用紙に挿入する挿入モード(インターシートモードとも言う)が設定されている状態である場合、LCD31に表示される給紙トレイ選択画面において、予め設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦を選択指示の受け付けが制限される表現(選択不可状態)として表示する。また、画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用される用紙が特殊用紙である場合、LCD31に表示される給紙トレイ選択画面において、特殊用紙を示す情報としての給紙トレイ釦を選択指示の受け付けが制限される表現(選択不可状態)として表示する。
【0054】
不揮発メモリ120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態に係るクリーニング用紙設定処理のプログラム、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、各給紙トレイに収容されている用紙の種類の名称、用紙サイズ(例えば、A4、A3、B5等)、紙の重さ等の各種情報を記憶する。
【0055】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータ、ジョブを構成する各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0056】
読取処理部140は、画像読取部20の画像読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0057】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0058】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸長IC180による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。例えば、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存が指示されると、読取処理部140から入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC180により伸長処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0059】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とページメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力用の画像データ(プリントデータ)を一時的に格納するためのメモリである。
【0060】
伸長IC180は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0061】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された画像データに基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部40に出力する。
【0062】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)31、LCD31を覆うように設けられたタッチパネル32、操作表示制御部300、その他図示しないテンキー等の操作キー群から構成される。操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種設定画面や図6、7に示すようなクリーニング選択画面G1、給紙トレイ選択画面G2や各種処理結果等をLCD31に表示させる。また、操作表示制御部300は、操作キー群又はタッチパネル32が押下されることにより選択指示が受け付けられ、当該選択指示に基づく操作信号を制御部110に出力する。
【0063】
プリント部40は、図1に示した画像形成部43や定着部44等のプリント出力に係る各部やプリント制御部400を備えて構成される。プリント制御部400は、制御部110からの指示に従って画像形成部43や定着部44等のプリント部40の各部の動作を制御し、書込処理部190から入力されたプリントデータに基づいて用紙Pに画像形成を行わせる。
【0064】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。プリンタコントローラ1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成装置1に入力されるジョブの管理及び制御を行うものであり、外部装置2からプリント対象のデータを受信し、当該データをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0065】
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリ13、LANIF14から構成される。
【0066】
コントローラ制御部11は、プリンタコントローラ1b各部の動作を統括的に制御し、LANIF14を介して、外部装置2から入力されるデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0067】
DRAM制御IC12は、LANIF14により受信されたデータの画像メモリ13への格納や、画像メモリ13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0068】
画像メモリ13は、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0069】
LANIF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0070】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図3、4、5に、本実施の形態におけるクリーニング用紙設定処理のフローチャートを示す。図3、4、5に示す各フローチャートは、制御部110によって実行される処理である。
【0071】
まず、図3に示すフローチャートを参照して、画像形成ジョブの状態が割込ジョブか否か、予約ジョブが有るか否かに基づいて給紙トレイ選択画面における各用紙に対応する給紙トレイ釦の表示状態を制御するクリーニング用紙設定処理を説明する。
【0072】
まず、画像形成装置1において、ジャムが発生した後、ユーザによってジャム発生の要因となった用紙が取り除かれ、ジャムが解消される。ジャムが解消されると、制御部110は、定着部44に画像が形成されていない用紙を通紙して回転定着部材44aに付着した残留トナーを用紙に転写させて除去するクリーニング処理を行うか否かの選択指示を受け付けるクリーニング選択画面をLCD31に表示させる。
【0073】
図6に、クリーニング選択画面G1の例を示す。
図6に示すように、クリーニング選択画面G1は、クリーニング処理を行うか否かのメッセージを表示するメッセージ表示エリアM1と、クリーニング処理を行う指示を受け付ける「はい」釦B11と、クリーニング処理を行わない指示を受け付ける「いいえ」釦B12とを備える。
【0074】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「いいえ」釦B12の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS1;No)、クリーニング処理を実行せず、待機中のジョブの実行処理に戻る。
【0075】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「はい」釦B11の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS1;Yes)、ジャムが発生した際に実行されていた画像形成ジョブの状態は、割込ジョブか否かを判別する(ステップS2)。
【0076】
制御部110は、画像形成ジョブの状態が割込ジョブである場合(ステップS2;Yes)、当該割込ジョブである画像形成ジョブに設定されている用紙と、当該画像形成ジョブによって割り込まれたジョブに設定されている用紙とは、同一用紙か否かがを判別する(ステップS3)。
【0077】
なお、本実施の形態においては、種類毎に用紙が給紙トレイに格納されており、給紙トレイと給紙トレイ釦とが対応関係にあるものであるから、画像形成ジョブと当該画像形成ジョブと比較対象となるジョブ(例えば、割り込まれたジョブ)とにそれぞれ設定されている給紙トレイが同一か否かを判別することにより、当該画像形成ジョブに設定されている用紙と、比較対象となるジョブに設定されている用紙とが同一用紙か否かがを判別することとする。
【0078】
制御部110は、割込ジョブである画像形成ジョブと割り込まれたジョブとが同一給紙トレイでない場合(ステップS3;No)、割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択不能状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS4)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS5)。
【0079】
図7に、給紙トレイ選択画面G2の例を示す。
図7に示すように、給紙トレイ選択画面G2は、クリーニング処理を実行する際に定着部44に通紙する用紙の枚数を設定する通紙枚数設定部B21と、画像形成装置1が備える各給紙トレイ41aそれぞれに対応する複数の給紙トレイ釦B22a〜B22cと、OK釦B23と、キャンセル釦B24とを備える。また、給紙トレイ釦B22a〜B22cにより、給紙トレイに格納されている用紙を示す情報が一覧表示される。
【0080】
各給紙トレイ釦B22a〜B22cの表示状態は、設定された表示状態に基づいて表示されている。例えば、「トレイ3」に対応する給紙トレイ釦22cが選択不可能状態に設定されている場合、選択不能状態として網掛け表示され、ユーザにより選択指示を受け付けても、当該選択指示に基づく用紙選択信号は無効となる。一方、「トレイ1」、「トレイ2」に対応する給紙トレイ釦B22a、B22bが選択可状態に設定されている場合、選択可状態として網掛け表示されず、ユーザにより選択指示を受け付けた場合には、当該選択指示に基づく用紙選択信号が有効となり、当該用紙選択信号を含む操作信号が制御部110に出力される。
【0081】
なお、本実施の形態においては、選択不可状態に設定された給紙トレイ釦の表示状態として、網掛け表示とするが、非表示としてもよく、これに限らない。また、本実施の形態においては、特に設定されていない場合の給紙トレイ釦の表示状態を選択可状態とし、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を有効として設定する。
【0082】
したがって、給紙トレイ選択画面G2を表示するLCD31は、各給紙トレイに格納された用紙を示す情報として当該用紙が格納されている複数の給紙トレイ41aにそれぞれ対応する給紙トレイ釦B22a〜B22cを一覧表示する画面(給紙トレイ選択画面G2)を表示する表示部として機能する。また、当該給紙トレイ選択画面G2の給紙トレイ釦B22a〜B22cのうちいずれか一つが押下されることにより選択指示を受け付け、当該選択指示に基づく用紙選択信号を含む操作信号を制御部110に出力するタッチパネル32は、入力部として機能する。
【0083】
制御部110は、OK釦B23が押下された操作信号が入力されると、通紙枚数設定部B21により設定された通紙枚数と、複数の給紙トレイ釦B22a〜B22cのうちいずれか一つの給紙トレイ釦が押下されることにより選択指示された給紙トレイを示す用紙選択信号とを含む操作信号に基づいて、給紙トレイから用紙を通紙枚数分だけ搬送させ、クリーニング処理を実行させる。制御部110は、キャンセル釦B24が押下された操作信号が入力されると、クリーニング選択画面G1に戻す。
【0084】
制御部110は、画像形成ジョブの状態が割込ジョブでない場合(ステップS2;No)、当該画像形成ジョブの状態が当該画像形成ジョブの実行終了後に実行される予約ジョブがある状態であるか否かを判別する(ステップS6)。
【0085】
制御部110は、画像形成ジョブの状態が予約ジョブのある状態である場合(ステップS6;Yes)、当該画像形成ジョブに設定されている給紙トレイと、予約ジョブに設定されている給紙トレイとは、同一給紙トレイか、即ち、画像形成ジョブと予約ジョブとにそれぞれ設定されている用紙の種類が同一か否かを判別する(ステップS7)。
【0086】
制御部110は、画像形成ジョブと予約ジョブとが同一給紙トレイでない場合(ステップS7;No)、予約ジョブに設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択不能状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS8)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS5)。
【0087】
制御部110は、割込ジョブである画像形成ジョブと割り込まれたジョブとが同一給紙トレイである場合(ステップS3;Yes)、画像形成ジョブの状態が予約ジョブのない状態である場合(ステップS6;No)、又は、画像形成ジョブと予約ジョブとは同一給紙トレイである場合(ステップS7;Yes)、全ての給紙トレイ釦の表示状態を選択可状態に設定し(ステップS9)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS5)。
【0088】
このように、割込ジョブの実行中にジャムが発生した場合、割り込まれたジョブにおいて使用される用紙が、マーク等が形成された用紙や排紙順番に意味を持つ用紙であっても、当該割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦が選択不能状態に表示されることから、当該用紙の選択指示の受け付けがされない。従って、割り込まれたジョブの実行が再開された場合、当該割り込まれたジョブの実行内容と用紙との対応関係にズレは生じず、ユーザが所望するプリント物を出力することができるため、実行し直しによる用紙の無駄が無くなり、作業性を向上できる。
【0089】
また、ジャムが発生したジョブの実行終了後に実行され、使用される用紙が設定されている予約ジョブがある場合であっても、予約ジョブが使用する用紙を示す情報としての給紙トレイ釦が選択不能状態に表示され、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号が無効であることから、当該給紙トレイの選択指示の受け付けを防止できる。従って、予約ジョブを実行する際に当該予約ジョブ用に設定された用紙がクリーニングに使用されることにより不足してジョブを継続できなくなる恐れが無くなり、作業性の低下を防止できる。
【0090】
図4に示すフローチャートを参照して、画像形成ジョブの状態が自動給紙トレイ切替機能が停止されているか否かに基づいて、給紙トレイ選択画面における給紙トレイに対応する給紙トレイ釦の表示状態を制御するクリーニング用紙設定処理を説明する。
なお、ステップS11以前の動作は、図3に示すステップS1と同様であるため、説明は省略する。
【0091】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「いいえ」釦B12の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS11;No)、クリーニング処理を実行せず、待機中のジョブの実行処理に戻る。
【0092】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「はい」釦B11の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS11;Yes)、画像形成ジョブの状態が自動給紙トレイ切替機能の停止に設定されているか否かを判別する(ステップS12)。
【0093】
制御部110は、画像形成ジョブの状態が自動給紙トレイ切替機能の停止に設定されている場合(ステップS12;Yes)、ジャムが発生する前に画像形成ジョブにおいて使用されていた用紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択可状態に設定し、他の給紙トレイの給紙トレイ釦の表示状態を選択不能状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS13)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS14)。
【0094】
ステップS14において表示される給紙トレイ選択画面は、図3に示すステップS5において表示される給紙トレイ選択画面と略同様であるため、説明は省略する。
【0095】
制御部110は、画像形成ジョブの状態が自動給紙トレイ切替機能の停止に設定されていない場合(ステップS12;No)、即ち、自動給紙トレイ切替機能が有効である場合には、全ての給紙トレイ釦の表示状態を選択可状態に設定し(ステップS15)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS14)。
【0096】
このように、自動給紙トレイ切替機能が停止されているジョブの実行中にジャムが発生した場合であっても、画像形成ジョブにおいて使用中の用紙を示す情報としての給紙トレイ釦のみが選択されることとなり、他の用紙が選択されてしまう事を防止できる。
【0097】
図5に示すフローチャートを参照して、画像形成ジョブの状態がインターシートモードに設定されている場合や使用される用紙が特殊用紙(本実施の形態においては、タブ紙及びOHP紙)であるか否かに基づいて、給紙トレイ選択画面における給紙トレイに対応する給紙トレイ釦の表示状態を制御するクリーニング用紙設定処理を説明する。なお、ステップS21以前の動作は、図3に示すステップS1と同様であるため、説明は省略する。
【0098】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「いいえ」釦B12の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS21;No)、クリーニング処理を実行せず、待機中のジョブの実行処理に戻る。
【0099】
制御部110は、クリーニング選択画面G1において「はい」釦B11の選択指示を受け付けた操作信号が入力された場合(ステップS21;Yes)、画像形成ジョブの状態が予め設定されている給紙トレイに格納されている挿入頁の用紙を画像形成済みの本文頁の用紙と用紙の間に挿入するインターシートモード(挿入モード)が設定されている状態であるか否かを判別する(ステップS22)。
【0100】
制御部110は、画像形成ジョブの状態がインターシートモードが設定されている状態である場合(ステップS22;Yes)、挿入頁と本文頁とは同一給紙トレイに設定されているか否か、即ち、挿入頁と本文頁とは同一用紙か否かを判別する(ステップS23)。
【0101】
制御部110は、挿入頁と本文頁とは同一給紙トレイに設定されていない場合(ステップS23;No)、挿入頁に設定されている用紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択不可状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS24)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS25)。
【0102】
ステップS25において表示される給紙トレイ選択画面は、図3に示すステップS5において表示される給紙トレイ選択画面と略同様であるため、説明は省略する。
【0103】
制御部110は、画像形成ジョブの状態がインターシートモードが設定されていない状態である場合(ステップS22;No)、画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用される用紙がタブ紙であるか否か、例えば、当該画像形成ジョブの状態がタブ紙に画像形成を行うタブ紙プリントモードであるか否かを判別する(ステップS26)。
【0104】
制御部110は、画像形成ジョブにおいて使用される用紙がタブ紙である場合(ステップS26;Yes)、タブ紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択不可状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS27)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS25)。
【0105】
制御部110は、画像形成ジョブにおいて使用される用紙がタブ紙でない場合(ステップS26;No)、画像形成ジョブの状態が当該画像形成ジョブにおいて使用される用紙がOHP紙であるか否か、例えば、当該画像形成ジョブの状態がOHP紙に画像形成を行うOHPプリントモードであるか否かを判別する(ステップS28)。
【0106】
制御部110は、画像形成ジョブにおいて使用される用紙がOHP紙である場合(ステップS28;Yes)、OHP紙を示す情報としての給紙トレイ釦の表示状態を選択不可状態に設定し、また、当該給紙トレイ釦の選択指示に基づく用紙選択信号を無効に設定し(ステップS29)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS25)。
【0107】
制御部110は、挿入頁と本文頁とが同一給紙トレイに設定されている場合(ステップS23;Yes)又は、画像形成ジョブにおいて使用される用紙がOHP紙でない場合(ステップS28;No)、全ての給紙トレイ釦の表示状態を選択可状態に設定し(ステップS30)、当該設定に基づいて給紙トレイ選択画面を表示させる(ステップS25)。
【0108】
このように、インターシートモードが設定されている場合、挿入頁の用紙が高価な用紙であっても、当該用紙を示す情報としての給紙トレイ釦が選択不能状態に表示されることから、当該用紙が定着部のクリーニングに使用されてしまう恐れが無くなるため、クリーニングに使用される用紙の低コスト化を図ることができる。
【0109】
また、特殊用紙としてタブ紙やOHP紙を示す情報としての給紙トレイ釦が選択不能状態に表示されることから、当該特殊用紙が定着部のクリーニングに使用されてしまう恐れが無くなるため、クリーニングに使用される用紙の低コスト化を図ることができる。
【0110】
なお、図3、4、5に示すフローチャートを適宜組み合したクリーニング用紙設定処理であってもよい。
【0111】
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成ジョブの状態に基づいて、給紙トレイ選択画面G2の給紙トレイ釦B22a〜B22cの表示状態を制御することができるため、定着部のクリーニングを目的とした用紙が格納されている給紙トレイの選択指示の受け付けを制限して定着部のクリーニングを行う際に使用される用紙の最適化を図ると共に低コスト化及び高作業性化の向上を図ることができる。
【0112】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本実施の形態における画像形成装置の概略断面構成図である。
【図2】画像形成装置の制御ブロック図である。
【図3】クリーニング用紙設定処理のフローチャートである。
【図4】クリーニング用紙設定処理のフローチャートである。
【図5】クリーニング用紙設定処理のフローチャートである。
【図6】クリーニング選択画面の例である。
【図7】給紙トレイ選択画面の例である。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラ
2 外部装置
3 ネットワーク
11 コントローラ制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリ
14 LANIF
20 画像読取部
21 自動原稿送り部
22 読取部
22a CCD
30 操作表示部
31 LCD
32 タッチパネル
40 プリント部
41 給紙部
41a 給紙トレイ
41b 給紙手段
42 給紙搬送部
42a レジストローラ
42b 二次転写ローラ
43、43Y、43M、43C、43K 画像形成部
43a クリーニング部
43b 中間転写ベルト
44 定着部
44a 回転定着部材
44b 加圧ローラ
45 搬出部
100 画像制御基板
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 RAM
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸長IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 操作表示制御部
400 プリント制御部
B11 「はい」釦
B12 「いいえ」釦
B21 通紙枚数設定部
B22a〜B22c 給紙トレイ釦
B23 OK釦
B24 キャンセル釦
d 原稿
G1 クリーニング選択画面
G2 給紙トレイ選択画面
N ニップ部
M1 メッセージ表示エリア
T1 原稿トレイ
T2 手差しトレイ
T3 排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された種類毎に用紙が格納された複数の給紙トレイと、
トナー像が形成された前記用紙に当該トナー像を定着させる定着部と、
前記給紙トレイから用紙を供給して前記定着部のクリーニングを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、前記クリーニングに使用する用紙を制限する画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング時に使用する用紙の選択指示を受け付け、当該選択指示に基づく用紙選択信号を前記制御部に出力する入力部を備え、
前記制御部は、
前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、前記入力部から入力される前記用紙選択信号を有効又は無効にする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニング時に前記複数の給紙トレイのそれぞれに格納されている用紙を示す情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、
前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示を受け付け可能な用紙を示す情報を前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記給紙トレイに格納された用紙を示す情報を一覧表示する画面を前記表示部に表示させ、かつ、当該画面において前記クリーニング時における画像形成ジョブの状態に応じて、選択指示の受け付けが制限される用紙を示す情報と、選択指示の受け付けが制限されない用紙を示す情報とを互いに異なる表現で表示させる、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記画像形成ジョブの状態が他のジョブの実行を一時的に停止させて割り込んで実行する割込ジョブの状態である場合、
前記表示部に表示される当該割込ジョブによって割り込まれたジョブに設定されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けを制限する表現で表示させる、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像形成ジョブの状態が当該画像形成ジョブの実行終了後に実行される予約ジョブがある状態である場合、
前記表示部に表示される当該予約ジョブに設定されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けを制限する表現で表示させる、
請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用している用紙が格納されている給紙トレイ内に当該用紙が無くなった際には当該用紙と同一サイズの用紙が格納されている給紙トレイから用紙を給紙してジョブの実行を継続させる機能が停止されている状態である場合、
前記表示部に表示される前記画像形成ジョブにおいて使用中の用紙を示す情報のみを選択指示の受け付けが制限されない表現で表示させる、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記画像形成ジョブの状態が、予め設定されている給紙トレイに格納されている用紙を画像形成済みの用紙に挿入する挿入モードが設定されている状態である場合、
前記表示部に表示される前記予め設定されている給紙トレイに格納されている用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示させる、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記画像形成ジョブの状態が、当該画像形成ジョブにおいて使用される用紙が特殊用紙である場合、
前記表示部に表示される前記特殊用紙を示す情報を選択指示の受け付けが制限される表現で表示させる、
請求項4又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記特殊用紙は、タブ紙、OHP紙のいずれかである、
請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−47724(P2009−47724A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210817(P2007−210817)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】