説明

画像形成装置

【課題】旧デバイスから新デバイスにライセンス情報を転送する期間中は新旧デバイスの両方で同時にデバイスの機能を使用できるようにする。
【解決手段】ネットワーク2500に接続されたユーザ端末2000とライセンス情報発行サーバ3000を含むライセンス発行システムと、ライセンス情報発行サーバ3000によって発行されたライセンス情報がインストール済の転送元デバイス1000と、前記転送元デバイス1000にインストールされたライセンス情報を引き継ぎたい転送先デバイス1010において、前記ユーザ端末2000は、転送元デバイス1000と転送先デバイス1010の情報と転送元デバイス1000と転送先デバイス1010で同時に使用できるライセンス期間を、前記ライセンス情報発行サーバ3000に送信し、前記ライセンス情報発行サーバ3000は、転送元デバイス1000に対しては時間制限のライセンス情報を発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成機能を有する画像形成装置、及び、該装置を含むシステムに関する。特に画像形成装置のライセンス情報の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デバイスにインストールするソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理システムが存在する。このようなシステムでは、インストール対象となるデバイス固有の情報(シリアルナンバーなど)と引き替えにライセンスを発行することにより、インストール対象となるデバイス以外のデバイスへのソフトウェアのライセンスでの権限外での利用を防止することが行われていた。
【0003】
また、エンドユーザがデバイスを買い換えた場合などに、旧デバイスで利用していたソフトウェアを新デバイスでも引き続き利用できるようにしたいというニーズがある。これを実現するには、ソフトウェアのライセンス情報を旧デバイスから新デバイスに転送することが必要になる。しかし、従来のライセンス管理システムでは、ソフトウェアのライセンスでの権限外での利用を防止しながらデバイス間においてライセンス情報の転送を実現するには機能・構造が不十分な面があった。
【0004】
このような課題に課題に対応するために、特許文献1が提案されている。この特許文献1においては、転送元のライセンスを確実に無効化できるようにするとともに、旧デバイスから新デバイスにライセンス情報を転送できるようにし、更に、デバイスのライセンスの授受をサーバ装置で一元管理することが可能となっている。
【特許文献1】特開2006−107468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によって、ライセンスを旧デバイスから新デバイスへ移行することが可能となった。しかし、必ず旧デバイスのライセンスを確実に無効化してから、新デバイスのライセンスを有効化するため、新旧デバイスの両方でライセンスが無効化されている期間が生じる。
【0006】
これに対し、移行期間中には新旧デバイスの両方でライセンスが有効化され、アプリケーションを使用したいというニーズがある。例えば、新旧デバイスの両方にファイルサーバとして動作するためのアプリケーション(以下、ファイルサーバAP)が存在し、そのアプリケーションはライセンスによって、有効化されるものとする。このとき、ライセンスが一つしかなく、どちらか片方でしか有効化できないといった場合には、新旧いずれかのデバイスにおけるファイルサーバAPが動作できず、旧デバイスのファイルを新デバイスへ移行することが不可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、下記ライセンス発行システムを提供する。
【0008】
情報処理装置に接続され、与えられたライセンス情報に基づいて有効化及び無効化される機能を有する画像形成装置であって、指定された機能のライセンスを転送先装置に移動させるための転送用ライセンス情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けた前記転送用ライセンス情報に基づいて前記転送先装置において機能を有効化するための有効化ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、前記ライセンス情報生成手段により生成した前記有効化ライセンス情報を前記情報処理装置に提供する提供手段と、前記転送用ライセンス情報の有効期限が切れた際には、前記転送用ライセンス情報に対応する機能を無効化する期限管理手段とを有することを特徴とする画像形成装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の手段により、転送期間中には新旧デバイスの両方でライセンスが有効化され、必要なアプリケーションを使用したいというニーズを満たすことが可能となる。また、これまでも可能であったデバイスのライセンスの授受をサーバ装置で一元管理するといった従来技術の利点は損なわない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明を適用可能なライセンス発行システムとしてのシステム構成の全体図である。現在ライセンスが有効になっている旧デバイス1000とこれからライセンスを有効化する新デバイス1010とが、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)1500を介して接続されている。さらにLAN1500を介して、デバイス1000、1010はPC/WS2000と接続されている。PC/WS2000はインターネット2500を介して、発行サーバ3000と接続されている。
【0011】
このような構成において、PC/WS2000は、ライセンス情報発行サーバ3000からライセンス情報を受け取り、ライセンス情報をデバイス1000、1010にインストールする。デバイス1000、1010は直接ライセンス情報発行サーバ3000とユーザの指示に基づいてライセンス情報のやり取りを行っても良いが、本構成においては、デバイスとライセンス情報発行サーバとの間に情報処理装置であるPC/WS2000を位置づける。これにより、PC/WS2000上で動作するWebブラウザを利用し、デバイス1000、1010、ライセンス情報発行サーバ3000とライセンス情報のやり取りを行うこととする。ここでPC/WSは、PC(パーソナルコンピュータ)やWS(ワークステーション)に限定されるものではなく、情報処理装置として同様の機能が実現可能なものであればどういったものでも良い。
【0012】
図2は本実施形態における画像形成装置の一例である複合機におけるスキャナ部100、プリンタ部200及び後処理装置300の各機構部の構成を示す断面図である。スキャナ部100の原稿給送ユニット101は挿入された原稿を先頭から順に1枚ずつプラテンガラス102上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス102上の原稿を排出トレイ103に排出する。原稿がプラテンガラス102上に給送されると、ランプ104が点灯し、そして光学ユニット105の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー106、107、108及びレンズ109によってCCDイメージセンサ(以下、CCDという)110へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD110によって読み取られる。CCD110から出力される画像データは、所定の処理が施された後、プリンタ部200へ転送される。なお、複合機は画像形成装置の一例であり、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ等の単機能の印刷装置や画像入力装置であってもよい。
【0013】
次にプリンタ部200の各部の構成を動作と共に詳述する。プリンタ部200におけるレーザドライバ221は、レーザ発光部201を駆動するものであり、複合機本体から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部201に発光させる。該レーザ光は感光ドラム202に照射され、感光ドラム202にはレーザ光に応じた潜像が形成される。該感光ドラム202に形成された潜像の部分には、現像器203によって現像剤が付着される。
【0014】
プリンタ部200は用紙格納部として、それぞれ引き出し上の形状をしたカセット204、カセット205、カセット206、カセット207、そして、機外に露出しているトレイ上の手差し給紙段208を備えている。従来では手差し給紙段208を除き、カセットを引き出し、そのカセットに用紙を補給し、カセットを閉めることによって用紙補給を行っている。レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット204、カセット205、カセット206、カセット207、手差し給紙段208のいずれかから記録紙を給紙する。給紙された記録紙は、搬送路210によって転写部209へ搬送され、感光ドラム202に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の載った記録紙は搬送ベルト211によって、定着部212に搬送され、定着部212の熱と圧力により現像剤は記録紙に定着される。その後、定着部212を通過した記録紙は搬送路213、搬送路214を通り、排出される。あるいは、印字面を反転して排出する場合には、搬送路215、搬送路216まで導かれ、そこから記録紙を逆方向に搬送し、搬送路217、搬送路214を通る。
【0015】
また、両面記録が設定されている場合は、定着部212を通過したあと、搬送路215からフラッパ218によって、搬送路219に記録紙は導かれ、その後記録紙を逆方向に搬送し、フラッパ218によって、搬送路216、再給紙搬送路219へ導かれる。再給紙搬送路219へ導かれた記録紙は上述したタイミングで搬送路210を通り、転写部209へ給紙される。そして、搬送路214より排出された記録紙は後処理装置300へと搬送される。後処理装置300にはプリント部200の搬送路214から排出された用紙を、搬送路301を経由して、エスケープトレイと呼ばれる排出ビン302に出力する経路と、搬送路303を経由して、本トレイと呼ばれる排出ビン304が存在する。通常は本トレイである排出ビン304に、記録紙を積載する。しかし本トレイと分けて積載したい記録紙は、エスケープトレイと呼ばれる排出ビン302へ出力する。たとえばコピーの出力結果は本トレイに、ファックスなどの出力結果はエスケープトレイに出力するといった使い方が一般的である。これら後処理装置300は後述する後処理装置制御部310によって制御される。
【0016】
続いて図3を用いて、本実施形態における、デバイス1000,1010、PC/WS2000、ライセンス情報発行サーバ3000の内部構成の詳細を説明する。デバイス1000、1010はDeviceSerial格納部(1001)、共通鍵格納部(1002)、機能格納部(1003)、画像データ生成部(1004)、機能有効期間格納部(1005)、機能有効無効設定値格納部(1006)を備える。
【0017】
DeviceSerial格納部(1001)には装置固有の情報すなわち各デバイスにそれぞれ割り振られているユニークな識別子が格納されている。ここではデバイス1000のDeviceSerial格納部(1001)には、「1000」という値が、デバイス1010のDeviceSerial格納部(1001)には、「1010」という値が格納されているものとする。これにより固有情報保持手段としての機能を有する。共通鍵格納部(1002)は、PC/WS2000を介して、デバイス1000、1010とライセンス情報発行サーバ3000との間でやり取りするライセンス情報を暗号化するための共通鍵である。つまり、デバイス1000、1010とライセンス情報発行サーバ3000には情報の安全性等のために暗号化及び復号化するための鍵情報が必要となり、その鍵情報である共通鍵を共通鍵格納部(1002)に格納して保持する。これにより、鍵保持手段の機能を有することとなる。機能格納部(1003)はデバイス1000、1010上で動作する機能を実現するためのプログラムを格納した領域である。機能格納部には一つの機能だけではなく、複数の機能を実現するためのプログラムが格納されている。これにより機能保持手段としての機能を有することとなる。画像データ生成部(1004)はPC/WS2000に表示する画像データを生成する部分である。一般的にHTMLファイルなどを生成し、そのHTMLファイルはHTTPを利用して、PC/WS2000のWebブラウザ上に表示される。機能有効無効設定値格納部(1006)は機能格納部(1003)に格納されているプログラムのうち、どのプログラムの機能が有効になっているか、または無効になっているかを示す設定値を格納している領域である。この情報を基に機能の有効及び無効を管理する。これにより、有効無効管理手段を実現している。
【0018】
機能有効期間格納部(1005)は、機能格納部(1003)に格納されているプログラムと、機能有効無効設定値格納部(1006)に格納されている有効化情報とをもとにして、有効期限が設定されている機能の種類と、その有効期間の情報を格納する領域である。この情報を基に機能の有効期限を管理する。
【0019】
PC/WS2000には、表示部(2001)と入力部(2002)から構成されている。表示部(2001)は前述したWebブラウザの表示を行うディスプレイを指す。入力部(2002)はキーボードやマウスを指す。ライセンス情報発行サーバ(3000)は、画像データ生成部(3001)、共通鍵格納部(3002)、ライセンスキー発行部(3003)、ライセンス管理情報格納部(3100)を備える。画像データ生成部(3001)はPC/WS2000に表示する画像データを生成する部分である。一般的にHTMLファイルなどを生成し、そのHTMLファイルはHTTPを用いて、PC/WS2000上のWebブラウザ上に表示される。
【0020】
共通鍵格納部(3002)は、PC/WS2000を介して、デバイス1000、1010とライセンス情報発行サーバ3000との間でやり取りするライセンス情報を暗号化するための共通鍵である。つまり、デバイス1000、1010と同様に、ライセンス情報発行サーバ3000にも鍵情報が必要となり、その鍵情報である共通鍵を共通鍵格納部(3002)に格納する。これにより、鍵保持手段の機能を有することとなる。ライセンスキー発行部(3003)は、ライセンス管理情報格納部(3100)とPC/WS2000から入力された情報を元に発行するライセンス情報生成を行い、発行処理を行う部分である。ライセンス管理情報格納部(3100)は、どのデバイスに対して、どのようなライセンス情報を過去に発行したかを管理する管理領域である。この管理領域内の内部構成を図4、図5、図6を用いて説明する。ライセンス情報を以下、ライセンスキーとする。
【0021】
<ライセンス情報管理サーバにおけるデータ構造>
次に図4を用いて、ライセンス管理情報格納部(3100)内のデータ構造について説明する。
【0022】
ライセンス管理情報格納部(3100)は、デバイス管理テーブル(3110)、機能管理テーブル(3120)、有効ライセンスキーテーブル(3130)、無効ライセンスキーテーブル(3140)、転送用ライセンスキーテーブル(3150)で構成されている。デバイス管理テーブル(3110)は、DeviceSerialNo(3111)カラム、搭載機能一覧(3112)カラム、発行済ライセンスキー(3113)カラムから構成されている。
【0023】
DeviceSerialNo(3111)カラムには装置固有の情報、つまりデバイスごとに割り振られているユニークな識別子を格納する。搭載機能一覧(3112)カラムは、機能管理テーブル(3120)と関連付けられ、デバイスごとに搭載されている機能の一覧を管理している。発行済みライセンスキー(3113)カラムは、有効ライセンスキーテーブル(3130)、無効ライセンスキーテーブル(3140)、転送用ライセンスキーテーブル(3150)と関連付けられている。そして各デバイスに対して、過去発行したライセンスキーの一覧を管理している。
【0024】
機能管理テーブル(3120)は、DeviceSerialNo(3121)カラム、機能(3122)カラム、有効/無効(3123)カラム、有効期限(3124)カラムから構成されている。DeviceSerialNo(3121)カラムは、デバイス管理テーブル(3100)のDeviceSerialNo(3111)と関連付けられている。機能(3122)カラムは、このデバイスが搭載している機能の情報を示す。有効/無効(3123)カラムは、このデバイスが搭載している機能が有効になっているか、あるいは無効になっているかを示す。有効期限(3124)カラムは、このデバイスで有効になっている機能の有効期限を示す。有効ライセンスキーテーブル(3130)は、ライセンスキー発行日時(3131)カラム、DeviceSerialNo(3132)カラム、有効機能(3133)カラムから構成されている。ライセンスキー発行日時(3131)カラムは、このライセンスが発行された日時を示す。
【0025】
DeviceSerialNo(3132)カラムは、デバイス管理テーブル(3100)のDeviceSerialNo(3111)と関連付けられている。有効機能(3133)カラムは、この有効ライセンスキーで有効化した機能を示す。無効ライセンスキーテーブル(3140)は、ライセンスキー発行日時(3141)カラム、DeviceSerialNo(3142)カラム、無効機能(3143)カラムから構成されている。ライセンスキー発行日時(3141)カラムは、このライセンスが発行された日時を示す。DeviceSerialNo(3142)カラムは、デバイス管理テーブル(3100)のDeviceSerialNo(3111)と関連付けられている。無効機能(3143)カラムは、この無効ライセンスキーで無効化した機能を示す。転送用ライセンスキーテーブル(3150)は、ライセンスキー発行日時(3151)カラム、転送元DeviceSerialNo(3152)カラム、転送先DeviceSerialNo(3153)カラム、転送機能(3154)カラム、転送元Device機能有効期間(3155)から構成されている。ライセンスキー発行日時(3151)カラムは、このライセンスが発行された日時を示す。
【0026】
転送元DeviceSerialNo(3152)カラムは、デバイス管理テーブル(3100)のDeviceSerialNo(3111)と関連付けられている。転送先DeviceSerialNo(3153)カラムは、この転送用ライセンスキーによって、ライセンス情報が転送されるデバイスのDeviceSerialNoが格納されている。転送機能(3154)カラムは、この転送用ライセンスキーで転送した機能を示す。転送元Device機能有効期間(3155)カラムは、この転送用ライセンスキーで、有効化が可能となる転送元Deviceにおける機能の有効期間を示す。
【0027】
次に図5、図6を用いて、具体的なライセンス管理情報格納部(3100)内のデバイス1000、1010における管理情報について説明する。図5は、デバイス1000のライセンス管理情報を管理している場合の、ライセンス情報発行サーバ3000におけるライセンス管理情報格納部(3100)の保持データを示している。デバイス管理テーブル(3110)において、デバイス1000を示すDeviceSerialNoである1000の値のレコードが登録されている。
【0028】
また、機能管理テーブル(3120)には、
機能A:無効
機能B:有効 有効期限:無期限
機能C:有効 有効期限:2008/12/31
の内容のレコードが登録されている。つまりデバイス1000は機能A、B、Cが搭載されており、現在有効化されている機能はB及びCで、機能Cは2008/12/31まで有効であることを示している。さらに、有効ライセンスキーテーブル(3130)には、
2007/01/01に機能Aを有効
2007/01/01に機能Bを有効
2007/01/01に機能Cを有効
を示すレコードが登録されている。さらに、無効ライセンスキーテーブル(3140)には、
2008/01/01に機能Aを無効
を示すレコードが登録されている。さらに、転送用ライセンスキーテーブル(3150)には、
2008/10/01に機能Cのライセンスキーをデバイス1000からデバイス1010へ転送し、転送用ライセンスキーによるデバイス1000における機能Cの有効期限は2008/12/31
を示すレコードが登録されている。
【0029】
上記で述べた図5の有効ライセンスキーテーブル(3130)と無効ライセンスキーテーブル(3140)及び転送用ライセンスキーテーブル(3150)を用いることによって、デバイス1000に対して発行されたライセンスキーの履歴管理ができる。すなわち、
2007/01/01に機能A、B、Cを有効にし、
2008/01/01に機能Aを無効にし、
2008/10/01に機能Cを転送(デバイス1000自体の機能Cは2008/12/31まで有効)した結果、
デバイス1000は現在有効化されている機能はB、Cで、デバイス1000における機能Cは2008/12/31まで有効であることがレコードから導くことができる。この結果は図5における機能管理テーブル(3120)上の管理テーブルの値と一致する。
【0030】
図6は、デバイス1010のライセンス管理情報を管理している場合の、ライセンス情報発行サーバ3000におけるライセンス管理情報格納部(3100)の保持データを示している。
【0031】
デバイス管理テーブル(3110)において、デバイス1010を示すDeviceSerialNoである1010の値のレコードが登録されている。また、機能管理テーブル(3120)には、
機能A:無効
機能B:無効
機能C:有効 有効期限は無期限
機能D:無効
を示すレコードが登録されている。つまりデバイス1010は機能A、B、C、Dが搭載されており、現在有効化されている機能はCであり、機能Cは無期限で有効であることを示している。さらに、有効ライセンスキーテーブル(3130)は、
2008/10/01に機能Cを有効
を示すレコードが登録されている。さらに、無効ライセンスキーテーブル(3140)には、レコードが登録されていない。さらに転送用ライセンスキーテーブル(3150)には、レコードが登録されていない。
【0032】
上記で述べた図6の有効ライセンスキーテーブル(3130)と無効ライセンスキーテーブル(3140)及び転送用ライセンスキーテーブル(3150)を用いることによって、デバイス1010に対して発行されたライセンスキーの履歴管理ができる。すなわち、2008/10/01に機能Cを有効にした結果、デバイス1010において現在有効化されている機能はCのみで、機能Cは無期限で有効であることを示している。この結果は図6における機能管理テーブル(3120)上の管理テーブルの値と一致する。
【0033】
<ライセンスキーのデータ構造>
図7は、ライセンス情報発行サーバ3000のライセンスキー発行部(3003)、またはデバイス1000、1010で生成するライセンスキーのデータ構造を示したものである。本実施形態において、ライセンスキーを転送元デバイスから転送先デバイスへ転送する際に、両デバイスで機能を有効化するために利用する転送用ライセンス情報の一例が転送用ライセンスキー7000である。転送用ライセンスキーは一定期間の有効期限を設け、転送元デバイスにインストールし、その期間において両デバイスでの機能を有効活用するものである。転送用ライセンスキー7000は、Type(7001)、転送元DeviceSerialNo(7002)、転送先DeviceSerialNo(7003)、転送機能(7004)、転送元Device機能有効期間(7005)、ハッシュ(7006)の項目を有する。
【0034】
Type(7001)は、このライセンスキーのTypeを示す情報が格納される。ここでは、「転送用ライセンスキー」であることを示す情報が格納される。ちなみに、Typeには、「有効ライセンスキー」「無効ライセンスキー」「転送用ライセンスキー」の3種類が存在し、いずれかが格納される。転送元DeviceSerialNo(7002)は転送元デバイスのDeviceSerialNoが格納されている。転送先DeviceSerialNo(7003)は転送先デバイスのDeviceSerialNoが格納されている。転送機能(7004)は転送元デバイスから転送先デバイスへ転送する機能の種類が格納されている。転送元Device機能有効期間(7005)は、転送元のDeviceで転送機能(7004)で示した機能の有効期間を示す情報を格納している。ハッシュ(7006)は、先に述べたType(7001)、転送元DeviceSerialNo(7002)、転送先DeviceSerialNo(7003)、転送機能(7004)、転送元Device機能有効期間(7005)におけるハッシュの合計値が格納されている。このハッシュ値の値を元にライセンスキーのデータが壊れていないかの判定を行う。
【0035】
有効化/無効化ライセンスキー7500は、Type(7501)、DeviceSerialNo(7502)、有効/無効機能(7503)、ハッシュ(7504)の項目を有する。Type(7501)は、このライセンスキーのTypeが、「有効ライセンスキー」あるいは、「無効ライセンスキー」のいずれかであることを示す。DeviceSerialNo(7502)はこのライセンスキーが適用されるデバイスのDeviceSerialNoが格納されている。
【0036】
有効/無効機能(7503)はDeviceSerialNo(7502)で示したデバイスで有効にする機能、あるいは無効にする機能の種類が格納される。Type(7501)が「有効ライセンスキー」である場合には、有効にする機能を、Type(7501)が「無効ライセンスキー」である場合には、無効にする機能を示す。ハッシュ(7504)は、Type(7501)、DeviceSerialNo(7502)、有効/無効機能(7503)のハッシュの合計値が格納されている。このハッシュ値を元にライセンスキーのデータが壊れていないかの判定を行う。この有効化/無効化ライセンスキー7500を用いて、有効化ライセンス情報及び無効化ライセンス情報の送受信を行うことができる。
【0037】
<ライセンス設定のためのユーザインタフェース例>
次に、図8、図9、図10、図11、図12、図13を用いて、転送用のライセンスキーを発行する流れを説明する。ここで提示する画面は、ライセンス情報発行サーバ3000の画像データ生成部(3001)で生成された画像データをPC/WS2000の表示部(2001)で表示された画面の一例である。ここで述べる画面を用いてユーザは必要な情報の入力及び指示を行う。また、ライセンス情報管理サーバ及びデバイスは入力された情報及び指示の受付手段として、本画面を提供する。
【0038】
まず、PC/WS2000からライセンス情報発行サーバ3000にアクセスする。図8は、ユーザがPC/WS2000から、Webブラウザを用いてライセンス情報発行サーバ3000にアクセスした際に表示される画面の一例である。ユーザは本画面から求めるライセンスを選択し、サーバに発行依頼を行う。ユーザはは「機能の有効化(8001)」、「機能の無効化(8002)」、「機能の転送(8003)」のボタンを押下することで、発行したいライセンスの種類を選択する。図9は、図8の画面においてユーザが「機能の転送(8003)」のボタンを押下した際に、ライセンス情報発行サーバ3000の画像データ生成部(3001)が生成した画像データの一例で、それを表示したものである。
【0039】
図9では、転送したい機能を有する転送元デバイスのDeviceSerialNoを入力する項目(9001)が存在し、ここでは、デバイス1000のDeviceSerialNo「1000」を入力している。
【0040】
図10は、転送したい機能の転送先デバイスを指定する画面の一例であり、転送先デバイスのDeviceSerialNoを入力する項目(10001)が存在する。ここでは、デバイス1010を示すDeviceSerialNo「1010」を入力している。
【0041】
図11は、転送元デバイスから転送先デバイスへ転送したい機能の種類を選択するための画面の一例である。転送元デバイスで有効になっている機能の種類、かつ、転送先デバイスで無効になっている機能種類が表示される。ここでは、機能B選択ボタン(11001)及び、機能C選択ボタン(11002)が表示されている。ここでは、機能C選択ボタン(11002)を押下する。図12は、転送元デバイスにおける機能Cを転送用のライセンスで限定的に有効にするための有効期限を入力する画面の一例である。ここでは、2008/12/31を入力している。
【0042】
図13は、発行したライセンスキーを表示する画面である。ライセンスキー発行部(3003)で発行されたライセンスキーを共通鍵格納部(3003)に格納してある共通鍵で暗号化した内容を表示する。ここでは転送用ライセンスキーとして、「XXXX−XXXX−XXXX−XXXX」が表示されている。
【0043】
次に、図14、15を用いて、転送用ライセンスキーの登録の流れについて説明する。図で提示した画面は、デバイス1000の画像データ生成部(1004)で生成された画像データの一例であり、PC/WS2000の表示部(2001)で表示されたものである。まず、ユーザは、PC/WS2000のWebブラウザを用いてデバイス1000にアクセスする。
【0044】
図14は、デバイス1000に対して、ライセンス情報発行サーバ3000から発行された転送用ライセンスキーを入力するための画面の一例である。ここでは、ライセンスキー入力項目(14001)に、図13で表示された転送用ライセンスキー「XXXX−XXXX−XXXX−XXXX」を入力している。
【0045】
図15は、デバイス1000が図14で入力された転送用ライセンスキーを処理した結果、デバイス1010に入力する有効化ライセンスキーを表示する画面の一例である。ここでは、転送先デバイスに登録する有効化ライセンスキーとして「YYYY−YYYY−YYYY−YYYY」(15001)を表示している。更に転送用ライセンスキーにて定義されているデバイス1000上の機能Cの有効期限も表示している。
【0046】
次に、図16、17を用いて、有効化ライセンスキーの登録の流れについて説明する。図で提示した画面は、デバイス1010の画像データ生成部(1004)で生成された画像データの一例であり、をPC/WS2000の表示部(2001)で表示されたものである。まず、ユーザはPC/WS2000のWebブラウザを利用してデバイス1010にアクセスする。
【0047】
図16は、デバイス1010に対して、デバイス1000から発行された有効化ライセンスキーを入力するための画面の一例である。ここでは、ライセンスキー入力項目(16001)に、図15で表示された有効化ライセンスキー「YYYY−YYYY−YYYY−YYYY」を入力している。
【0048】
図17は、デバイス1010が図16で入力された有効化ライセンスキーを処理した結果を表示する画面の一例である。ここでは、有効化ライセンスキーによってデバイス1010で有効化された機能は機能Cであることを表示している。
【0049】
<転送用ライセンスキー発行処理>
次に、図18を用いて、ライセンス情報発行サーバ3000の転送用ライセンスキー発行処理について説明する。
【0050】
ステップS18001において、ライセンス情報発行サーバ3000は転送用ライセンスキー発行処理を開始する。ここでの処理の開始タイミングはPC/WS2000上のWebブラウザからユーザがライセンス情報発行サーバ3000にアクセスした際が考えられる。
【0051】
ステップS18002において、ライセンス情報発行サーバ3000は画像データ生成部(3001)でライセンス発行処理機能選択画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図8の画面に相当する。ステップS18003において、図8におけるPC/WS2000で表示した画面からユーザが入力したライセンス発行処理の種類をライセンス情報発行サーバは受信する。ステップS18004において、ライセンス情報発行サーバ3000は画像データ生成部(3001)で転送元のデバイス入力画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図9の画面に相当する。
【0052】
ステップS18005において、図9におけるPC/WS2000で表示した画面からユーザが入力した転送元デバイスのDeviceSerialNoを受信する。ステップS18006において、ステップS18005で受信した転送元デバイスのDeviceSerialNoに相当するデバイスが、ライセンス情報発行サーバ(3000)のライセンス管理情報格納部(3100)のデバイス管理テーブル3110のレコードに存在するかを判定する。存在すると判定された場合には、ステップS18007へ進み、存在しないと判定された場合にはステップS18010へ進む ステップ18010へ進んだ場合には、エラーとして処理を終了する。ステップS18007において、ライセンス情報発行サーバ3000は画像データ生成部(3001)で転送先のデバイス入力画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面を形成するための情報は、図10の画面表示に相当する。ステップS18008において、図10におけるPC/WS2000で表示した画面からユーザが入力した転送先デバイスのDeviceSerialNoを受信する。ステップS18009において、ステップS18008で受信した転送先デバイスのDeviceSerialNoに相当するデバイスがライセンス情報発行サーバ(3000)のライセンス管理情報格納部(3100)のデバイス管理テーブル3110のレコードに存在するかを判定する。存在すると判定された場合には、ステップS18011へ進み、存在しないと判定された場合にはステップS18010に進む。ステップ18010へ進んだ場合には、エラーとして処理を終了する。
【0053】
ステップS18011において、ライセンス情報発行サーバ3000はライセンス管理情報格納部(3100)の情報から転送元デバイスで有効化している機能、かつ、転送先デバイスで無効化している機能を選択する。つまり、本実施形態の例において、転送元デバイスの管理情報では、転送元デバイスで現在有効化されている機能はB及びCであり、転送先デバイスの管理情報では、転送先デバイスで現在無効化されている機能はAとBとC及びDとする。すると、ここでの転送対象となる機能は、機能B及びCがその候補として挙げられる。ちなみに、図5、図6では、転送用ライセンスキーが処理された結果を表現しているので、既に転送元デバイスでは、機能Cが有効期限付きで有効化されており、転送先デバイスでは、機能Cが有効化されている。ステップS18012において、ライセンス情報発行サーバ3000は画像データ生成部(3001)で転送機能選択画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図11の画面に相当する。ステップS18013において、図11におけるPC/WS2000で表示した画面からユーザが選択した転送機能を受信して受け付ける。ステップS18014において、ライセンス情報発行サーバ3000は画像データ生成部(3001)で機能有効期間入力画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図12の画面に相当する。
【0054】
ステップS18015において、図12におけるPC/WS2000で表示した画面からユーザが入力した機能有効期間を受信する。ステップS18016において、ライセンス情報発行サーバ3000はライセンスキー発行部(3003)にて図7で示す転送用ライセンスキー(7000)を発行する。そして発行と共にライセンス管理情報格納部(3100)の情報を、図5、図6の内容に変更する。ステップS18017において、ライセンス情報発行サーバ3000はライセンスキー発行部(3003)で発行された転送用ライセンスキー(7000)を、共通鍵格納部(3002)に格納された共通鍵で暗号化する。
【0055】
ステップS18018において、ライセンス情報発行サーバ3000はステップS18017で暗号化された転送用ライセンスキーを元に、画像データ生成部(3001)で転送用ライセンスキー表示画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図13の画面に相当する。ステップS18019において、ライセンス情報発行サーバ3000は転送ライセンス発行処理を正常終了する。
【0056】
<機能有効化/無効化処理>
次に、図19を用いて、デバイス1000及び1010の機能有効化/無効化処理について説明する。ここでは、便宜的にデバイス1000を転送元デバイスとし、デバイス1010を転送先デバイスとする。ステップS19001において、転送元デバイス1000及び転送先1010は機能有効化/無効化処理を開始する。ここでの処理の開始タイミングはPC/WS2000上のWebブラウザからユーザがデバイス1000、1010にアクセスした際が考えられる。
【0057】
ステップS19002において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010の画像データ生成部(1004)はライセンスキー入力画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図14または16の画面に相当する。ステップS19003において、図14、16におけるPC/WS2000にて表示した画面から、ユーザが入力した暗号化されたライセンスキーを転送元デバイス1000または転送先デバイス1010は受信する。ステップS19004において、ステップS19003で受信した暗号化されたライセンスキーを転送元デバイス1000または転送先デバイス1010の共通鍵格納部(1002)に格納された共通鍵を用いて復号化する。ステップS19005において、ライセンスキーのType(7001、7501)をチェックし、ライセンスキーの種類を判定する。前述したように、ライセンスキーの種類には「有効化ライセンスキー」「無効化ライセンスキー」「転送用ライセンスキー」の3つが存在する。ここでは、「有効化ライセンスキー」「無効化ライセンスキー」であると判定された場合にはステップS19006へ進み、「転送用ライセンスキー」であると判定された場合にはステップS19013へ進む。
【0058】
ステップS19006において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010内のDeviceSerial格納部(1001)とライセンスキーのDeviceSerialNo(7502)とが一致するかを判定する。一致すると判定された場合にはステップS19007へ進み、一致しないと判定された場合には、ステップS19012へ進む。ステップS1902へ進んだ場合には、エラーとして処理を終了する。
【0059】
ステップS19007において、再度ライセンスキーの種類を判定する。すでにステップS19005において、「有効化ライセンスキー」「無効化ライセンスキー」の2種類に絞り込まれている。「有効化ライセンスキー」として判定された場合にはステップS19010へ進み、「無効化ライセンスキー」として判定された場合にはステップS19008へ進む。ステップS19008において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010内の機能有効無効設定値格納部(1006)のうち、ライセンスキーの有効/無効機能(7503)に相当する値を無効にする。
【0060】
ステップS19009において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010内の画像データ生成部(1004)は機能無効画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図15の画面に相当する。ステップS19010において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010内の機能有効無効設定値格納部(1006)のうち、ライセンスキーの有効/無効機能(7503)に相当する値を有効にする。ステップS19011において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010内の画像データ生成部(1004)は機能有効画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図17の画面に相当する。
【0061】
ステップS19013において、転送元デバイス1000内のDeviceSerial格納部(1001)と転送用ライセンスキー(7000)の転送元DeviceSerialNo(7002)とが一致するかを判定する。一致すると判定された場合にはステップS19014へ進み、一致しないと判定された場合には、ステップS19012へ進む。ステップS19013へ進んだ場合には、エラーとして処理を終了する。ステップS19014において、デバイス1000、1010内の機能有効期限格納部(1005)に、転送用ライセンスキー(7000)に含まれる転送元Device機能有効期間(7005)と転送機能(7004)を格納する。ステップS19015において、転送元デバイス1000は転送先デバイスに対する有効化ライセンスキーを生成する。つまり転送用ライセンスキー(7000)に含まれる転送先DeviceSeralNo(7003)の値を有効化ライセンスキー(7500)に含まれるDeviceSerialNo(7502)の値にコピーする。更に転送用ライセンスキーに含まれる転送機能(7004)の値を有効化ライセンスキーに含まれる有効/無効機能(7503)の値にコピーする。
【0062】
ステップS19016において、転送元デバイス1000はステップS19015で生成した転送先デバイス用の有効化ライセンスキーを共通鍵格納部(1002)に格納された共通鍵を用いて暗号化する。ステップS19017において、転送元デバイス1000内の画像データ生成部(1004)は機能有効期限画面を形成するための情報を生成し、PC/WS2000へ送信する。この画面は図15の画面に相当する。ステップS19018において、転送元デバイス1000または転送先デバイス1010は機能有効/無効化処理を正常終了する。
【0063】
<有効期限管理処理>
次に、図20を用いて、デバイス1000、1010の有効期限管理処理について説明する。本処理は、ライセンスキーの有効期限が切れた際に、そのライセンスキーに対応する機能を無効化する処理を実施する。ステップS20001において、デバイス1000、1010は有効期限管理処理を開始する。ここでの開始タイミングは定期的なバッチ処理などが考えられる。
【0064】
ステップS20002において、デバイス1000、1010はデバイス1000、1010内の機能有効無効設定値格納部(1006)にて保持する有効期限と、現在の日時とを比較し、期限に達しているかを判定する。達していると判定された場合にはステップS20003へ進み、達していないと判定された場合には、再度ステップS20002に戻る。ステップS20002の処理は定期的に実施する。
【0065】
ステップS20003において、デバイス1000、1010は、デバイス1000、1010内の機能有効無効設定値格納部(1006)が保持する有効化されている機能のうち、機能有効期限格納部(1005)にて保持する有効として設定された機能を無効化する。ステップS20004において、デバイス1000、1010は、デバイス1000、1010内の機能有効期限格納部(1005)に設定された有効期限及び機能の値をクリアする。ステップS20005において、デバイス1000、1010は有効期限管理処理を正常終了する。
【0066】
本実施形態により、ライセンスキーの転送期間中には新旧デバイスの両方でライセンスが有効化され、いずれのデバイスにおいても、アプリケーションを使用したいというニーズを満たすことが可能となる。つまり、新旧デバイスの両方にファイルサーバ・APが存在し、そのアプリケーションはライセンスによって有効化されるものだった場合でも、転送期間中には、旧デバイスのファイルを、新デバイスへ転送することが可能となる。また旧デバイスから新デバイスにライセンス情報を転送できるようにし、更に、デバイスのライセンスの授受をサーバ装置で一元管理することが可能となる従来技術の利点は損なわない。
【0067】
本実施形態は、例えば、機能としての種々のアプリケーションを搭載した複合機に好適である。例えば、ある複合機において、ドキュメント管理アプリケーションをユーザが使用し、電子的なドキュメントを登録していたとする。そして、そのドキュメント管理アプリケーションを別の複合機に移行して使用したい場合が生じたとする。すると、所定期間内に、そのドキュメント管理アプリケーションを移行元と移行先の両方で使用できるようにすることで、その間、ユーザは、ドキュメントのコピーを移行元と移行先の複合機の間で行なう必要がある。このような場合に、有効期限付で、ライセンス制限を緩和して、一時的に複数の複合機で利用できるようにすることが出来るメリットがある。また、その他の適用可能な機能として、バリアブル印刷の言語や、その他のプリンタ言語を処理する機能が実装されたハードウェア拡張ボードのオプションの機能も考えられる。また、機能の一例として、紙をスキャンして電子化された電子データを、ネットワークを介して他のPC等へ送信する機能がある。この機能等様々な機能を持つネットワーク機能の拡張ボードも考えられる。これらの機能は、画像形成装置に対して搭載される機能であり、ライセンス情報により無効化及び有効化される機能である限り、本実施形態の範疇である。
【0068】
また、ライセンス情報発行サーバ3000で管理するデバイスはここで挙げられているものに制限するわけではなく、また、その管理期間についても制限するものではない。
【0069】
<備考>
なお本実施形態は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0070】
また本発明の目的は、前述の実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出された実行可能なプログラム自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体およびプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0071】
ちなみに、プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、本発明には、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた場合についても、本発明は適用される。その場合、書き込まれたプログラムの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0072】
また、発明の実施形態は、本発明を中核として構成される装置又は方法を説明している。このため本実施形態には本発明の本質的部分を加えて付加的な構成要件も記載されている。すなわち発明の実施の形態において説明した装置又は方法の構成要件を備えることは、本発明を成立させるための十分条件ではあるものの、必要条件ではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明本実施形態を適用可能なシステムの全体構成図の例である。
【図2】本発明本実施形態を適用可能な画像形成装置複合機の内部構成を示す概略断面図の例である。
【図3】本発明本実施形態を適用可能なシステムの全体構成の詳細図の例である。
【図4】本実施形態における、ライセンス情報発行サーバ内のライセンス管理情報格納部の構成図である。
【図5】本実施形態における、ライセンス情報発行サーバ内のライセンス管理情報格納部にて管理するデバイスのデータ構成の例図である。
【図6】本実施形態における、ライセンス情報発行サーバ内のライセンス管理情報格納部にて管理するデバイスのデータ構成の例図である。
【図7】本発明本実施形態を適用可能なライセンスキーのデータ構造の例である。
【図8】ライセンス情報発行サーバにて生成されたライセンス発行処理機能選択画面の一例である。
【図9】ライセンス情報発行サーバにて生成された転送元デバイス入力画面の一例である。
【図10】ライセンス情報発行サーバにて生成された転送先デバイス入力画面の一例である。
【図11】ライセンス情報発行サーバにて生成された転送機能選択画面の一例である。
【図12】ライセンス情報発行サーバにて生成された転送元デバイスでの機能有効期間入力画面の一例である。
【図13】ライセンス情報発行サーバにて生成された転送用ライセンスキー表示画面の一例である。
【図14】デバイスにて生成されたライセンスキー入力画面の一例である。
【図15】デバイスにて生成された機能有効期限画面の一例である。
【図16】デバイスにて生成されたライセンスキー入力画面の一例である。
【図17】デバイス生成された機能有効画面の一例である。
【図18】ライセンス情報発行サーバにおける、転送ライセンス発行処理のフローチャートである。
【図19】転送元デバイスまたは転送先デバイスにおける機能有効化/無効化処理のフローチャートである。
【図20】デバイスにおける有効期限管理処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1000 デバイス
1001 DeviceSerial格納部
1002 共通鍵格納部
1003 機能格納部
1004 画像データ生成部
1005 機能有効期限格納部
1006 機能有効無効設定値格納部
1500 LAN
2000 PC/WS
2001 表示部
2002 入力部
2500 インターネット
3000 ライセンス情報発行サーバ
3001 画像データ生成部
3002 共通鍵格納部
3003 ライセンスキー発行部
3004 ライセンス管理情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に接続され、与えられたライセンス情報に基づいて有効化及び無効化される機能を有する画像形成装置であって、
指定された機能のライセンスを転送先装置に移動させるための転送用ライセンス情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた前記転送用ライセンス情報に基づいて前記転送先装置において機能を有効化するための有効化ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、
前記ライセンス情報生成手段により生成した前記有効化ライセンス情報を前記情報処理装置に提供する提供手段と、
前記転送用ライセンス情報の有効期限が切れた際には、前記転送用ライセンス情報に対応する機能を無効化する期限管理手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ライセンス情報生成手段は、ユーザから前記ライセンス情報の転送先として指定された画像形成装置の機能のみ有効化が可能である前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ライセンス情報生成手段は、他の画像形成装置の機能を有効化及び無効化することが可能であり、さらに有効とする際には有効期限を無期限とする前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置
【請求項4】
ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置とライセンス発行装置とを有するライセンス発行システムであって、
前記画像形成装置は、指定された機能のライセンスを転送先装置に移動させるための転送用ライセンス情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた前記転送用ライセンス情報に基づいて前記転送先装置において機能を有効化するための有効化ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、
前記ライセンス情報生成手段により生成した前記有効化ライセンス情報を前記情報処理装置に提供する提供手段と、
前記転送用ライセンス情報の有効期限が切れた際には、前記転送用ライセンス情報に対応する機能を無効化する期限管理手段と
を有することを特徴とするライセンス発行システム。
【請求項5】
ライセンス情報及びライセンス情報を生成するための指示を前記画像装置及び前記ライセンス発行装置に提供するための情報処理装置を、さらに備えることを特徴とする請求項4に記載のライセンス発行システム。
【請求項6】
情報処理装置に接続され、与えられたライセンス情報に基づいて有する機能を有効化及び無効化できる画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置の受付手段が、指定された機能のライセンスを転送先装置に移動させるための転送用ライセンス情報を受け付ける受付工程と、
前記画像形成装置のライセンス情報生成手段が、前記受付工程により受け付けた前記転送用ライセンス情報に基づいて前記転送先装置において機能を有効化するための有効化ライセンス情報を生成するライセンス情報生成工程と、
前記画像形成装置の提供手段が、前記ライセンス情報生成工程により生成した前記有効化ライセンス情報を前記情報処理装置に提供する提供工程と、
前記画像形成装置の期限管理手段が、前記転送用ライセンス情報の有効期限が切れた際には、前記転送用ライセンス情報に対応する機能を無効化する期限管理工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
画像形成装置を、
指定された機能のライセンスを転送先装置に移動させるための転送用ライセンス情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた前記転送用ライセンス情報に基づいて前記転送先装置において機能を有効化するための有効化ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、
前記ライセンス情報生成手段により生成した前記有効化ライセンス情報を前記情報処理装置に提供する提供手段と、
前記転送用ライセンス情報の有効期限が切れた際には、前記転送用ライセンス情報に対応する機能を無効化する期限管理手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−146302(P2010−146302A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322957(P2008−322957)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】