説明

画像形成装置

【課題】 無線タグなどの情報読取り手段なしにあるいは少数の情報読取り手段を用いて、画像形成時の高いセキュリティを達成する。
【解決手段】 作像手段PTR;印刷済用紙に管理情報を付加する情報付加手段118;汎用トレイ104,ステープラ106および特別トレイ110を備えて、画像を印刷した用紙を、ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ100;印刷指示手段2/PC);印刷済報知手段1,4,5;および、印刷指示があった画像の管理情報に機密情報がないと印刷済用紙を汎用トレイ104に送出し、機密情報があると印刷済用紙に管理情報を付加しステープラ106で綴じて特別トレイ110に送出して、ユーザ端末に印刷済を報知する、作像制御手段1;を備える。複写の場合には、機密情報がある原稿に、ユーザIDおよび複写ジョブを付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作像した用紙に管理情報を付加する画像形成装置に関し、特に、出力書画の、該管理情報を用いるセキュリティ管理に関する。本発明の画像形成装置は例えば、不揮発メモリにかぎらず、マーク,磁気記録,すかし,ドットなどを、管理情報媒体として添付した用紙を用いる、プリンタ,複写機あるいはファクシミリ装置に実施できる。
【背景技術】
【0002】
昨今、セキュリティの意識の高まりにより、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置などのOA機器の出力書画に対して、より一層安全性が高い管理を求められている。また、近年、物流や在庫管理の簡素化を目的として商品に、ICチップ,タグ,IDメモリなどと呼ばれる、電波を介して非接触読み書きが可能な不揮発性メモリを添付することが増えてきた。
【0003】
電子写真方式を用いた画像形成装置においても、ユーザやサービス担当者が消耗品や寿命部品を容易に交換できるようにカートリッジ方式が広く用いられている。近年では前記カートリッジの情報やリサイクルや消耗品の残量を管理するためIDメモリを搭載したものも使用されるようになってきた。IDメモリにはカートリッジの使用時間やトナー等の消耗品の残量データ等を記憶しカートリッジの交換時期の判断に使用されている。
【0004】
また、パンフレット,プリント用紙などの印刷物に管理又は電子的な付加情報伝達のためのマーク,磁気記録,すかし,ドットなどを付加あるいは組込みすることも行われている。
【0005】
特許文献1は、原稿に搭載されたIDチップの情報を読取って使用者IDデータと比較して、同一でないと、禁止メッセージを表示し操作を禁止する画像形成装置を記載している。特許文献2は、使用済用紙の裏面を利用する作像による表面画像の漏洩を防止するために、作像用紙のICタグの情報を読んでそれが使用禁止であると該用紙への作像を禁止する画像形成装置を記載している。特許文献3は、印刷を終えたシートにユーザIDを記録したIDタグを貼り付けてトレイに排出し、リード回路が排出シートのIDタグを読んで、一定時間のうちにシートがなくならないと警告を出力する画像形成装置を記載している。また、無線IDタグの構成を図4に開示している。特許文献4は、印刷を終えた印刷物上に、タグメモリが付いた仕切り板を載置し、所定時間以上仕切り板の回収がないと、印刷ジョブ発行元に、印刷物の回収催告を通知する画像形成装置を記載している。特許文献5は、排紙トレイのIDリーダによって用紙の最後に排出された合紙のIDを読取り、それがなくならないまま所定時間が経過するとユーザ端末に対して放置状態を警告する画像形成装置を記載している。特許文献6は、排紙トレイに配設したIDリーダが、印刷物の長時間の残留を検知すると利用者に通知する画像形成装置を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
排紙トレイにIDリーダを装備するとコストアップになる。また、1つのIDリーダで1つ又は複数の排紙トレイ上の全印刷物のIDタグから転写紙情報を取得するのは困難、もしくは読み取り時間が長くなり、これを改善するには、複数のIDリーダが必要になる。また、印刷ジョブが複数枚の印刷物となる場合、一部の取り残しを生じ、機密書画が漏洩しやすい。
【0007】
本発明は、情報読取り手段なしにあるいは少数の情報読取り手段を用いて、画像形成時の高いセキュリティを達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)画像を用紙上に印刷する作像手段(PTR);
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段(118);
汎用トレイ(104),ステープラ(106)および特別トレイ(110)を備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ(100);
画像の印刷を指示する印刷指示手段(2/PC1);
印刷済を報知する印刷済報知手段(1,4,5);および、
前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報がないと、前記印刷指示手段により該画像を前記作像手段で印刷し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイ(104)に送出し、
前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があると該画像を前記作像手段で印刷し、前記情報付加手段(118)で該画像を印刷する用紙に該画像の管理情報を付加し、印刷済の用紙を、前記フィニッシャの前記ステープラ(106)で綴じて前記特別トレイ(110)に送出して、前記印刷済報知手段(1,4,5)を用いて印刷済を報知する、作像制御手段(1);
を備える画像形成装置。
【0009】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【発明の効果】
【0010】
印刷する画像の管理情報に機密情報がある場合、印刷済の用紙をフィニッシャのステープラで綴じて特別トレイ(110)に送出するので、機密情報のない一般の印刷物との混載がなく、機密書画の選別が簡潔で、漏洩防止効果が高い。特別トレイ(110)には機密情報を読取る情報読取り手段を要しないので、情報読取り手段を少数にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1実施例の画像形成装置である複合機能プリンタMF1を接続したネットワークを示すブロック図である。
【図2】図1に示す複合機能プリンタMF1の外観を示す正面図である。
【図3】図2に示す複合機能プリンタMF1の機構概要を示す縦断面図である。
【図4】図2に示すスキャナ210およびADF230の機構概要を示す縦断面図である。
【図5】図2に示す複合機能プリンタMF1の電装系統のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示すシステムコントローラ1の画像処理制御の概要を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す「コピー」(s10)の内容の一部を示すフローチャートである。
【図8】図6に示す「コピー」(s10)の内容の残部を示すフローチャートである。
【図9】図6に示す「印刷」(s14)の内容の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(2)画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段(2/PC1/118);および、前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該画像の印刷許可/不許可かを認証する認証手段(1);を備え、
前記作像制御手段(1)は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の前記作像手段による印刷は拒絶し、
前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により印刷指示があった画像を前記作像手段で印刷する;上記(1)に記載の画像形成装置。
【0013】
これによれば、印刷する画像の管理情報に機密情報がある場合、その印刷権限があるユーザIDの入力が無いと印刷を拒絶するので、機密画像の漏洩防止に更に効果がある。
【0014】
(3)前記作像制御手段は、印刷する画像の管理情報に機密情報がある場合、前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDおよび印刷ジョブの情報を付加する;上記(2)に記載の画像形成装置。これによれば、機密情報がある画像の管理情報に、該画像を印刷したユーザIDおよび印刷ジョブが付加されるので、該画像の印刷履歴を容易に検索できる。
【0015】
(4)前記ユーザID入力手段は、前記ユーザIDの端末(PC1)を含む;上記(2)又は(3)に記載の画像形成装置。
【0016】
(5)原稿の画像を読取る画像読取り手段(210,230);
前記原稿の管理情報を読取る管理情報読取り手段(253,254);
画像を用紙上に印刷する作像手段(PTR);
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段(118);
汎用トレイ(104),ステープラ(106)および特別トレイ(110)を備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ(100);
画像の印刷を指示する印刷指示手段(2);
印刷済を報知する印刷済報知手段(1,2);および、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報がないと、前記画像読取り手段で原稿の画像を読取り、該画像を前記作像手段で用紙上に印刷する複写を実行し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイ(104)に送出し、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報があると該原稿の前記複写を実行し、前記情報付加手段(118)で該複写の用紙に該原稿の管理情報を付加し、印刷済の用紙を前記フィニッシャの前記ステープラ(106)で綴じて前記特別トレイ(110)に送出して、前記印刷済報知手段(1,2)を用いて印刷済を報知する、作像制御手段(1);
を備える画像形成装置。
【0017】
これによれば、複写する原稿に機密情報がある場合、印刷済の用紙をフィニッシャのステープラで綴じて特別トレイ(110)に送出するので、機密情報のない一般の印刷物との混載がなく、機密書画の選別が簡潔で、漏洩防止効果が高い。
【0018】
(6)画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段(2/118);および、前記管理情報読取り手段が読取った管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該機密情報がある原稿の印刷許可/不許可かを認証する認証手段(1);を備え、
前記作像制御手段(1)は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の複写は拒絶し、前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の前記複写を実行する;上記(5)に記載の画像形成装置。
【0019】
これによれば、複写する原稿に機密情報がある場合、その印刷権限があるユーザIDの入力が無いと複写印刷を拒絶するので、機密画像の漏洩防止に効果がある。
【0020】
(7)原稿の画像を読取る画像読取り手段(210,230);
前記原稿の管理情報を読取る管理情報読取り手段(253,254);
画像を用紙上に印刷する作像手段(PTR);
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段(118);
汎用トレイ(104),ステープラ(106)および特別トレイ(110)を備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ(100);
印刷モード又は複写モードの画像の印刷を指示する印刷指示手段(2/PC1);
印刷済を報知する印刷済報知手段(1,2,4,5);および、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報がないと、前記画像読取り手段で原稿の画像を読取り、該画像を前記作像手段で用紙上に印刷する複写を実行し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイ(104)に送出し、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報があると該原稿の前記複写を実行し、前記情報付加手段(118)で該複写の用紙に該原稿の管理情報を付加し、印刷済の用紙を前記フィニッシャの前記ステープラ(106)で綴じて前記特別トレイ(110)に送出して、前記印刷済報知手段(1,2,4,5)を用いて印刷済を報知する、作像制御手段(1);
を備える画像形成装置。
【0021】
(8)画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段(2/PC1/118);および、印刷モードでは、該印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該画像の印刷許可/不許可かを認証し、複写モードでは、前記管理情報読取り手段が読取った管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該機密情報がある原稿の印刷許可/不許可かを認証する、認証手段(1);を備え、
前記作像制御手段(1)は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の複写は拒絶し、前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の前記複写を実行する;上記(7)に記載の画像形成装置。
【0022】
(9)前記作像制御手段(1)は、前記特別トレイ(110)に印刷済の用紙を送出するとき、印刷済を、画像形成装置の操作パネル(2)に表示する;上記(5)乃至(8)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0023】
(10)前記管理情報読取り手段(253,254)は管理情報書き込み機能を持ち;前記作像制御手段は、該管理情報読取り手段(253,254)が読取った原稿の管理情報に機密情報がある場合、該管理情報読取り手段によって、前記原稿の管理情報に、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDおよび印刷ジョブの情報を付加する;上記(5)乃至(8)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0024】
これによれば、機密情報がある原稿の管理情報に、該画像を印刷したユーザIDおよび印刷ジョブが付加されるので、該画像の印刷履歴を容易に検索できる。
【0025】
(11)前記画像読取り手段(210,230)は、原稿トレイ(241)の原稿束の各原稿を読取り位置に順次送る自動原稿送給手段(230)を含み;前記作像制御手段(1)は、前記自動原稿送給手段から送られる原稿束の原稿に対しては、前記原稿の管理情報への前記ユーザID入ユーザIDおよび印刷ジョブの情報の付加は、原稿束から送り出され、最初に機密情報が検出された1枚の原稿にのみ、実行する;上記(10)に記載の画像形成装置。
【0026】
(12)画像形成装置は更に、ネットワークを介して外部端末と通信する通信手段(4,5,6,16);および、該通信手段を介して受信した印刷ジョブの書画を前記作像手段による印刷に適する画像に変換して前記作像手段に与える画像処理手段(1,8);を備え、前記作像制御手段(1)は、前記通信手段を介して受信した印刷ジョブの印刷済の用紙を、前記フィニッシャの前記ステープラ(106)で綴じて前記特別トレイ(110)に送出して、前記印刷済報知手段(1,4,5)を用いて前記印刷ジョブを与えた外部端末に印刷済を報知する;上記(1),(2),(3),(4),(7)又は(8)に記載の画像形成装置。
【0027】
(13)画像形成装置は、前記特別トレイから印刷済の用紙を取り出す開口を開閉するカバー(115);および、該カバーを施錠/解錠するオートロック(116);を備え、前記作像制御手段(1)は、前記ユーザID入力手段(2/PC1/118)より、前記特別トレイに用紙を送出した印刷を指示したユーザIDが入力されると、前記オートロック(116)を解錠する;上記(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
(14)前記情報付加手段(118)はIDカード上の管理情報媒体のユーザID読取り機能を持ち;
前記作像制御手段(1)は、前記情報付加手段(118)が読取ったユーザIDが、前記特別トレイに用紙を送出した印刷を指示したユーザIDに符合すると、前記オートロック(116)を解錠する;上記(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0029】
これによれば、特別トレイを、カバー(115)があるオートロック付きケース内に収めることにより、機密印刷物の識別が容易になりしかも漏洩防止効果がより高くなる。
【0030】
(15)前記ユーザID入力手段は、画像形成装置の操作パネル(2)を含む;上記(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0031】
(16)前記情報付加手段(118)はIDカード上の管理情報媒体のユーザID読取り機能を持ち;前記ユーザID入力手段は、該情報付加手段(118)を含む;上記(1)乃至(15)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0032】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例】
【0033】
図1に、本発明の第1実施例のフルカラー複合機能プリンタMF1を接続したネットワークを示す。複合機能プリンタMF1はLAN(Local Area Network)に接続されている。該LANには、ユーザ端末であるパソコンPC1〜PC3ならびに他の複合機能プリンタMF2,MF3も接続されている。複合機能プリンタMF2,MF3の機能は、MF1と同一もしくは類似である。LANはルータを介してインターネットに接続しているので、LAN接続の各機器PC1〜PC3,MF1〜MF3は相互に通信して制御情報および書画情報をやり取りすることができるばかりでなく、インターネットを介して、LANネットワーク外の、他の機器やサーバと通信して制御情報および書画情報をやり取りすることができる。
【0034】
パソコンPC1〜PC3には、複合機能プリンタMF1〜MF3を使用するアプリケーションソフト(プログラム)およびプリンタドライバがインストールされており、パソコンPC1〜PC3は、複合機能プリンタMF1〜MF3の操作パネル2と同様な入出力手段として、複合機能プリンタMF1〜MF3の、画像読取り,画像蓄積,印刷,複写およびファクシミリ等の画像処理機能を使用することができる。
【0035】
各機器PC1〜PC3,MF1〜MF3は、IPアドレスを持ち、複合機能プリンタMF1〜3は、URLを持つサイト(サーバ)でもあって、ネットワーク(LAN又はインターネット)を介してアクセスがあると複合機能を遠隔で使用するためのメニュー画面であるトップページ(ホームページ)を返送する。たとえばPC1がMF1にアクセスすると、MF1がトップページをPC1に送信し、PC1がそれに接続したディスプレイ(ユーザディスプレイ)に該トップページを表示する。トップページには、メニュー項目の他に、ユーザ(PC1ユーザ)IDおよびパスワードを入力するブロックがあり、そこにユーザが、MF1に登録したIDおよびパスワードを入力してキーボードのEnterキーを操作すると、或いはトップページ上のログインボタンをクリックすると、PC1が該操作を表わす情報をMF1に送信する。これに応答して、MF1がトップページのメニュー項目を選択可にする表示制御情報をPC1に送信し、これによりトップページのメニュー項目がアクティブ(入力受け入れ可)になる。
【0036】
このように図1に示すシステムでは、例えば、MF1がPC1に表示情報を提示(送信)し、PC1がユーザディスプレイに該表示情報を表示し、表示画面に対するユーザ入力をPC1がMF1に送信し、これに応答してMF1が次のタスクを決定する。例えば表示画面を変更する情報をPC1に送信する。すなわち、MF1がユーザデイスプレイの表示を変更し、表示画面に対するユーザ入力に応じてタスクを決定する。
【0037】
図2に、図1に示す複合機能プリンタMF1の外観を示す。このプリンタMF1は、大略で、画像読取り手段であるカラースキャナ210および自動原稿送給装置であるADF230と、ユーザID入力手段および印刷指示手段である操作パネル2と、作像手段であるカラープリンタPTRと、そしてフィニッシャ100、の各ユニットで構成されている。なお、操作パネル2,ADF230付きのカラースキャナ210およびフィニッシャ100は、プリンタPTRから分離可能なユニットであり、カラースキャナ210は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、エンジンコントローラ8(図5)と通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。ユーザ端末およびユーザID入力手段であるパソコンPC1〜PC3は、LAN(Local Area Network)を介して複写機MF1〜MF3に接続されている。ファクシミリコントロールユニットFCU(図5)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。カラープリンタPTRのプリント済の用紙は、フィニッシャ100に排出される。
【0038】
図3に、カラープリンタPTRの機構を示す。この実施例のカラープリンタPTRは、レーザプリンタである。1色のトナー像を形成する、感光体37および現像器42ならびに図示を省略したチャージャ,クリーニング装置および転写器の組体(作像ユニット)は、Bk(黒),C(シアン),M(マゼンタ)およびY(イエロー)のそれぞれの作像用に一組、合せて4組があり、搬送ベルト38に沿ってタンデムに配列されており、それらによって形成された各色トナー像が順次に一枚の転写紙上に重ねて転写される。
【0039】
第1トレイ30,第2トレイ31および第3トレイ32に積載された転写紙は、各々第1給紙装置33,第2給紙装置34および第3給紙装置35によって給紙され、縦搬送ユニット36によって感光体37に当接する位置まで搬送される。スキャナ210にて読み込まれた画像データは、書込ユニット43からのレーザー露光によって、図示を省略したチャージャによって均一に荷電した感光体37に書込まれこれにより静電潜像を形成する。この静電潜像が現像ユニット42を通過することによって感光体37上にトナー像が現れる。転写紙が感光体37の回転と等速で搬送ベルト38によって搬送されながら、感光体37上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット39にて画像を定着させ、排紙ユニット40によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
【0040】
図3に示す後処理装置のフィニシャ100は、本体の排紙ユニット40によって搬送された転写紙を、通常排紙ローラ103方向と、ステープル処理部方向へ導く事ができる。切り替え板101を上に切り替える事により、搬送ローラ103を経由して、汎用トレイである通常排紙トレイ104側に排紙する事ができる。
【0041】
通常排紙トレイ104は、前後(図3紙面と垂直な方向)に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0042】
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ30〜32から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えの為の分岐爪41を下向きに廻す事で、一旦反転ユニット112に導き、そして両面給紙ユニット111にストックする。その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び感光体37に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えの為の分岐爪41を図示水平に戻し、排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に、反転ユニット112および両面給紙ユニット111が使用される。
【0043】
感光体37,搬送ベルト38,定着ユニット39,排紙ユニット40および現像ユニット42は、図示を省略したメインモータによって駆動され、各給紙装置33〜35はメインモータの駆動を、やはり図示を省略した各給紙クラッチによって伝達することにより駆動される。縦搬送ユニット36は、メインモータの駆動を図示を省略した中間クラッチによって伝達することにより駆動される。
【0044】
切り替え板101を下方向に切り替える事で、搬送ローラ105,107を経由して、ステープル台108に搬送する事ができる。ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、特別トレイであるステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0045】
ステープル完了排紙トレイ110から転写紙群を取り出すためには、ボックスカバー115を開けなければならないが、該カバー115はオートロック116でロック(施錠)/アンロック(解錠)が行われる。アンロックするためにはユーザは、自己ID(ユーザID)を書き込んだ無線タグであるIDタグを装備するIDカードを、カードスロット117に挿入しなければならない。カードスロット117の内方には、IDカードの無線タグに書き込まれたデータ(タグ情報)を読取り、また、プリンタPTRから送り込まれる転写紙(印刷済の用紙:印刷物)の、管理情報媒体である無線タグに対して管理情報を読み書きする、情報付加手段およびユーザID入力手段であるタグリード/ライタ118がある。
【0046】
図4に、スキャナ210およびそれに装着したADF230の、原稿画像読み取り機構を示す。このスキャナ210のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、図4上で左から右への方向である副走査方向に定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、第2キャリッジには第2および第3ミラー234,235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される。第1および第2キャリッジは、電気モータ238を駆動源として、y方向に往(フォワード;原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ210は、コンタクトガラス231上の原稿をランプ232およびミラー233で走査して原稿画像をCCD207に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナであるが、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジがホームポジション(待機位置)HPで停止しているときの第1ミラー233の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス240があり、このガラス240の上方に自動原稿供給装置(ADF)230が装着されており、ADF230の搬送ドラム(プラテン)244がガラス240に対向している。
【0047】
原稿トレイ241上に原稿があるか否かを原稿センサ223が検出し、また、該原稿にある管理情報媒体である無線タグに対して、管理情報読取り手段であるタグリード/ライタ254が管理情報の読み書きを行う。
【0048】
ADF230の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。この搬送系は、電気モータ224で駆動される。読み取りガラス240の近くには、第1キャリッジを検出する基点センサ(ホームポジションセンサHPS)249がある。
【0049】
原稿の表面の画像は、原稿読取窓である読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。
【0050】
ADF230の基体248は、奥側(図4紙面の裏側)でスキャナ210の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体248の手前側(図4紙面の表側)の取っ手250mを持ってADF230の基体248引き上げることにより、ADF230を、コンタクトガラス231に略60度をなす起立姿勢まで起こすことができる。ADF230の基体248の奥側には、圧板開度検出スイッチ252がある。ADF230の、コンタクトガラス231に対向する圧板250pがADF230の底面部に装着されており、ADF230の開度が0度のとき、圧板250pの下面が、図4に示すように、コンタクトガラス231の上面に密着する。
【0051】
圧板250pは、コンタクトガラス231上の読取り位置に載せられた原稿にある管理情報媒体である無線タグに対して、管理情報を読み書きする、管理情報読取り手段であるタグリード/ライタ253を、装備している。
【0052】
図5に、図1に示す複合機能プリンタMF1の電装系統のシステム構成を示す。電装システムは、作像制御手段であって画像形成装置の全体制御を行うシステムコントローラ1、該コントローラ1に接続された、画像形成装置の操作パネル2、画像データを記憶するHDD3、アナログ回線を使用して外部との通信を行う通信コントロール装置インターフェースボード4、LANインターフェースボード5、汎用PICバスに接続された、FAXのコントロールユニットFCU6、IEEE1394ボード,無線LANボード,USBボード等7と、PCIバスでコントローラに接続されたエンジンコントローラ8、エンジンコントローラ8に接続された、画像形成装置のI/Oを制御するI/Oボード9、及び、コピー原稿(画像)を読込むスキャナーボード(SBU:Sensor Board Unit)11、及び画像データが表わす画像光を感光体上に投射する(光書込みする)LDB(レーザダイオードボード)12等で構成される。インターフェースボード4,5,FCU6および通信コントロール装置16は、外部端末と通信する通信手段である。
【0053】
スキャナ210のCCD13は、3ラインカラーCCDであり、EVENch(偶数画素チャンネル)/ODDch(奇数画素チャンネル)のR、G、B画像信号を生成し、SBUボードのアナログASIC(Application Specific IC)に入力する。SBUボード11にはアナログASIC及び,CCD,アナログASICの駆動タイミングを発生する回路を備えている。CCD13の出力は、アナログASIC内部のサンプルホールド回路により、サンプルホールドされその後、A/D変換され、R,G,Bの画像データに変換し、且つシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェース)14で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)に送出する。
【0054】
IPPは、画像処理を行うプログラマブルな演算処理手段であり、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行う。SBUからIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正されフレームメモリ15に書込まれる。複写の場合には、IPPでプリンタガンマ変換および階調処理した画像データが、プリンタPTRのLDB12に送出される。
【0055】
システムコントローラ1には、CPU及びシステムコントローラボードの制御を行うROM、CPUが使用する作業用メモリであるRAM,リチウム電池を内蔵し、SRAMのバックアップと時計を内臓したNV−RAM18及び、システムコントローラボードのシステバス制御、フレームメモリ制御、FIFO等のCPU周辺を制御するASIC及びそのインターフェース回路等が搭載されている。
【0056】
システムコントローラ1は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。操作パネル2の入力を解読して本システムの設定とその状態内容を操作ボードの表示部に表示する。システムコントローラ1はまた、外部端末例えばPC1から印刷ジョブを受けると、印刷対象書画をビットイメージ画像に変換してフレームメモリ15に展開し、エンジンコントローラ8のIPPでプリンタPTRでの作像に適する画像データに補正してプリンタPTRに出力する。
【0057】
PCIバスには多くのユニットが接続されており、画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドが時分割で転送される。
【0058】
通信コントロール装置インターフェースボード4は、通信コントロール装置と、コントローラ1との通信インターフェースボードである。コントローラ1との通信は、全二重非同期シリアル通信で接続されている。通信コントロール装置16とは、RS−485インターフェース規格により、マルチドロップ接続されている。遠隔の管理システムとの通信は、この通信コントローラ装置インターフェースボード4を経由して実施される。
【0059】
LANインターフェースボード5は、社内LANに接続されている。社内LANとコントローラ1との通信インターフェースボードであり、PHYチップを搭載している。LANインターフェースボード5とコントローラ1とは、PHYチップI/F及びI2CバスI/Fの標準的な通信インターフェースで接続されている。外部機器との通信はこのLANインターフェースボード5を経由して実施される。
【0060】
HDD3は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ、作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読取り画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。物理インターフェース、電気的インターフェース共に、ATA/ATAPI−4に準拠したインターフェースでコントローラに接続されている。
【0061】
操作パネル2には、CPU及びROM,RAM、液晶タッチパネル及びキー入力を制御するASICが搭載されている。ROMには操作パネル2の入力読込み、及び表示出力を制御する、操作パネル2の制御プログラムが書き込まれている。RAMは、CPUで使用する作業用メモリである。システムコントローラ1との通信により、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力と、使用者にシステムの設定内容,状態を表示する、表示および入力の制御を行っている。
【0062】
システムコントローラ1のワークメモリから出力されたブラック(K)、イエロー(Y)、マデンタ(M)シアン(C)、の各色の書き込み信号は、LDB(Laser Diode control Board)のK,Y,M,CのLD(Laser Diode)書き込み回路に入力される。LD書込み回路でLD電流制御(変調制御)が行われ、各LDに出力される。
【0063】
エンジンコントローラ8は、画像形成の作像作成制御を主として行い、CPU17及び、画像処理を行うIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なRAM、及びNV−RAM18を搭載している。NV−RAM18にはSRAMと、電源OFFを検知して、EEPROMにストアするメモリを搭載している。また、他の制御を行なうCPUとの信号の送受信を行なう、シリアルインターフェースも備えているI/O ASICは、エンジン制御ボードが実装された、近くのI/O(カウンター、ファン、ソレノイド、モータ等)を制御するASICである。I/O制御ボード9とエンジンコントローラ8とは同期シリアルインターフェース接続されている。
【0064】
I/O制御ボード9には、サブCPU19を搭載しており、該CPU19は、A/Dコンバータ20を装備し、Pセンサ、温,湿度センサ,濃度センサ等各種センサ21のアナログ電圧をデジタル変換して読み込む。該CPU19はまた、用紙センサの検出信号を参照するジャム検出,用紙搬送制御も含む画像形成装置のI/O制御を行っている。インターフェース回路22は、各種センサ,アクチュエータ(モータ、クラッチ、ソレノイド)とのインターフェース回路である。
【0065】
I/O制御ボード9のCPU19は、エンジンコントローラ8からの指示に応じて上述の読み込み,検出,制御を行い、読み込みデータ,検出データ,制御状態データをエンジンコントローラ8のCPU17に送信する。該CPU17は、CPU19が送ってくるデータに基づいて作像プロセスの進行状態および正常/異常をチェックし、作像プロセスの起動,作像シーケンスの進行又は停止を行う。すなわち、作像エンジンを制御する。
【0066】
タグリード/ライタ118,253,254の送受信データは、I/O制御ボード9およびエンジンコントローラ8を介してシステムコントローラ1に送受信される。すなわち、システムコントローラ1が、I/O制御ボード9およびエンジンコントローラ8を介して、タグリード/ライタ118,253,254に対するデータ読み書きを制御する。
【0067】
図2および図5に示す操作パネル2には、液晶タッチパネルのほかに、テンキー,クリア/ストップキー,スタートキー,初期設定キー,モードクリアキー,テスト印刷キーがある。テスト印刷キーは、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。初期設定キーを押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−が操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「パスワード登録」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択ボタンが表示される。「初期値設定」機能を用いて、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等も選択する事、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定や、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定する事が可能である。
【0068】
液晶タッチパネルには、各種機能キー及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル79には、「コピー」機能,「スキャナ」(スキャナ配信)機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能選択用および実行中を表わす機能選択キーが表示される。なお、「蓄積」機能は、原稿スキャナ210で読み取った原稿の画像データ,ファクシミリ受信データおよびPCからの書画をHDDの蓄積領域に記憶する機能である。「登録」機能は、HDDの登録領域に記憶する機能であり、HDDの蓄積領域に記憶した書画のうち、多くのユーザが使用する共通性が高い書画や、長期保存したい書画や、特別な管理を設定したい書画をHDDの登録領域に記憶する機能である。
【0069】
液晶タッチパネルには、機能選択キーで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。オペレータが液晶タッチパネルに表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが灰色に反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
【0070】
図6に、図5に示すシステムコントローラ1(のCPU)の、プログラムROMに格納されRAMに展開されるプログラムに基づいた画像処理制御、すなわち操作パネル2に対するユーザの操作またはPC1〜PC3からのコマンドに応答して実行するシステム制御の概要を示す。
【0071】
動作電圧が加わるとシステムコントローラ1は、出力ポートのクリア,内部メモリ,レジスタの初期化等を行い(s1,s2)、そして各部の状態読み取りを行う(s3)。異常個所があるとそれを操作パネル2のディスプレイで報知し、正常に変わるのを待つ(s5)。正常であると、「入力読み取り」(s6)で、操作パネル2に対するユーザの操作あるいはPC又はFAXからのコマンド又は受信要求があるのを待つ。
【0072】
ここで、操作パネル2上の「初期設定」キーが操作されると、操作パネル2(にあるCPU)は、「初期設定」(s8)を実行する。この「初期設定」(s8)において操作パネル2は、その液晶タッチパネル(LCD)に、初期設定のメニュー画面を表示する。該メニュー画面にはユーザ登録の項目があり、該ユーザ登録をオペレータが指定すると、管理者パスワードの入力画面を表示する。オペレータが管理者パスワードを入力すると、操作パネル2は、ユーザ登録入力画面を表示する。この画面上にユーザ名とパスワードを入力して、ユーザ登録することができる。ユーザ登録情報(ユーザ名&パスワード)は、システムコントローラ1のNV−RAMに書き込まれる。すなわちシステムコントローラ1に登録される。
操作パネル2の液晶タッチパネルに表示された機能選択キー群の中の「コピー」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、コピーモードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザのコピー用入力操作に応答する「コピー」(s10)を実行する。
【0073】
機能選択キー群の中の「読み取り」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、原稿画像「読み取り」モードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザの読み取り用入力操作に応答する「読み取り」(s12)を実行する。機能選択キー群の中の「印刷」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、蓄積画像の「印刷」モードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザの蓄積画像印刷のための入力操作に応答する「印刷」(s14)を実行する。機能選択キー群の中の「ファクシミリ」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、スキャナ210に配置した原稿の「ファクシミリ(送信)」モードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザのファクシミリ送信のための入力操作に応答する「ファクシミリ」(s16)を実行する。機能選択キー群の中の「蓄積」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、スキャナ210に配置した原稿の画像をHDD5に蓄積(登録)する「蓄積」モードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザの蓄積のための入力操作に応答する「蓄積」(s18)を実行する。機能選択キー群の中の「編集」にユーザがタッチすると、液晶タッチパネルの表示は、HDD5に蓄積した画像を読み出して編集する「編集」モードの入力画面となり、システムコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザの編集のための入力操作に応答する「編集」(s20)を実行する。
【0074】
複合機能プリンタMF1にLANを介して接続されるPC(パソコン)PC1〜PC3には、該PCを操作パネル2と同等の操作端末とししかもPCに接続されたディスプレイに、操作パネル2のディスプレイと同様に読み取り画像を表示するアプリケーションプログラムがインストールされており、ユーザはPCを用いて、操作パネル2を使用するのと同等に、プリンタMF1を使用することができる。ただし、操作パネル2のディスプレイである液晶タッチパネルはタッチ入力方式と2次元カーソル操作入力方式の併用であるが、これらの入力方式にかえてPCでは、キーボードのキー入力及びマウスが採用されている。PCのアプリケーションプログラムを起動することにより、操作パネル2の液晶タッチパネルに表示される操作ボード入力画面と同様な入力画面がPCのディスプレイに表示され、該入力画面上の入力ボタンにカーソルをおいてダブルクリックするか、あるいはEnterキーを押すことにより、該入力ボタンに対する入力操作をPCが認識する。PCに対する入力操作に応答して、PCからプリンタMF1のシステムコントローラ1にコマンドが送られてくると、システムコントローラ1は、操作パネル2に対して入力操作があった場合と同様に、コマンド対応の制御に進む(s22)。
【0075】
図7に、「コピー」(s10)の内容を示す。「コピー」(s10)に進むと操作パネル2の液晶タッチパネル(又はPCの使用による場合はPCのディスプレイ)にコピー入力画面を表示し(s31)、表示上にユーザID入力画面を表示してユーザID入力を促す。これに応じてオペレータが、操作パネル2にユーザIDを入力し、あるいはフィニッシャ100のスロット117にユーザIDカード(ユーザIDを含むユーザ管理情報を書き込んだ無線タグ付きのIDカード)を挿入し、操作パネル2が読み込んだ、又は、タグリード/ライタ118が読み込んだユーザIDが、NV−RAMに登録されたものであると、該ユーザIDをレジスタ(SRAMの1領域;以下同様)に書込み(保持し:セーブし;s51)、システムコントローラ1は、コピー入力画面に対するオペレータの入力の読み込みと入力対応の複写条件を設定する(s32〜s35,s49〜s51)。オペレータは原稿をADF230(あるいはコンタクトガラス231上)にセットし、所望するコピーモード等の設定とコピー開始(スタート)のキー入力を操作パネル2(又はPC)に行う(以下ではPCの場合の記述を省略する)。なお、スタートキーの操作がなく、他のモード(画像読込み,印刷,蓄積,・・・)を指定するキー入力があると、該指定のモードの入力画面に切り換える(s36)。
【0076】
スタートキーの押下があると、すなわちスタート指示があると、操作パネル2はオペレータが入力した情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはシステムコントローラ1に通知される。システムコントローラ1はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行う。
【0077】
まず、原稿センサ223が原稿を検出していると、ADF230のタグリード/ライタ254を用いて原稿トレイ上の原稿のタグ読取りを行い、原稿センサ223が原稿を検出していないと、圧板250pのタグリード/ライタ253を用いてコンタクトガラス231上の原稿のタグ読取りを行う(s38)。有効な管理情報を読取ると、該管理情報をレジスタに保持する(s40)。
【0078】
そして該管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があるが、レジスタにユーザIDを保持していないと(ユーザID入力なしのスタート指示であると)、機密情報印刷の権限のない複写指示であるので、「入力読み込み」(s32)に戻る。すなわち複写は実行しない。つまり複写を禁止する。レジスタにユーザIDを保持していても、該ユーザIDが、上記機密情報がある原稿の複写が不許可であるときも、「入力読み込み」(s32)に戻る(s42,s32)。すなわち複写を禁止する。
【0079】
レジスタにユーザIDを保持し、しかも該ユーザIDが、上記機密情報がある原稿の複写が許可されたものであるときは、タグリード/ライタ254又は253で読取っている無線タグに、レジスタに保持するユーザIDと現在設定中の印刷ジョブ(ここでは複写条件)を追記する(s43,44)。そして複写(原稿読み取りs45,s46)を行う。
【0080】
なお、上記追記は、原稿センサ223が原稿を検出しているADF使用の場合は、原稿トレイ241上の原稿群のなかの、最初に機密情報を読取った原稿(第1枚目の原稿)のみに行う。これは、原稿トレイ241上の原稿群の多数の原稿の無線タグ書き込みによる原稿送りの遅れ(原稿群の読み取り速度低下)を防止するためである。
【0081】
原稿に無線タグがない場合,無線タグがあっても管理情報の書き込みが無い場合、ならびに、管理情報があっても機密情報がない場合には、上記追記の処理(s40〜s44)は行わず、複写(原稿読み取りs45,s46)を行う。この複写では、ADF230による原稿送給の場合には、原稿トレイ241上の原稿群の全ての原稿の読み込みが終わってから、指定部数の印刷を行う。コンタクトガラス231上の原稿を読取る複写では、ステープルが指定されていると操作パネル2からの読込み終了キー入力があるまで複数回の原稿読取りを繰り返し、読込み終了キー入力があると読み込んだ画像の印刷を開始するが、ステープルの指定が無い場合には、原稿の一枚ごとに、原稿読取りおよび印刷を行う。
【0082】
ステープルの指定が無い場合は、ADF230からの原稿送給か、コンタクトガラス231上の原稿読取りかにかかわらず、レジスタに管理情報を保持していないか保持していても管理情報に機密情報がない場合には、ステープルの指定がないと、1枚の印刷(プリントアウト)のたびに、転写済紙(画像を形成した用紙)を、フィニッシャ100の汎用トレイ104に送出する。ステープルの指定があるとステープル台に送りステープルしてから特別トイレ110に送る(s47,s48)。
【0083】
しかし、レジスタに管理情報を保持し該管理情報に機密情報があると、各転写済紙の無線タグに、レジスタに保持する管理情報にレジスタに保持するIDと現在実行中の印刷ジョブ(複写ジョブ)の情報を付加した管理情報を、タグリード/ライタ118で書込み(s52)、フィニッシャ100のステープル台108に収容する。印刷ジョブ情報としては、ジョブ発行元情報,MF1識別情報,印刷枚数情報,印刷堆積順情報,印刷実行時刻情報,ジョブ完了情報などがある。
【0084】
次に図8を参照する。ADF230による原稿送給の場合には、原稿トレイ241上の原稿群の全ての原稿の読み込みが終わってから、指定部数の印刷を行う。各部の印刷が終わるたびに、ステープラ106で、ステープル台108上の転写済紙の束(1部)を一体に綴じて(s53)、特別トレイ110に送る。部数が2以上であると、これを繰り返す。ADF230を使用しない複写の場合すなわちコンタクトガラス231に手差しで原稿を載置する複写の場合には、操作パネルでステープルが指定されていないと、転写済紙の1枚ごと、ステープルせずに特別トレイ110に送るが、ステープルが指定されていると、操作パネル2からの読込み終了キー入力があるまで複数回の原稿読取りを繰り返して原稿画像を複合機能プリンタMF1内に蓄積し、読込み終了キー入力があると、上記複数回の原稿読取りの画像を1部として印刷を実行してステープル台108に収容してステープラ106で綴じてから特別トレイ110に送る。これを指定部数まで繰り返す(s53,s54)。
【0085】
上記印刷ジョブを終了するとシステムコントローラ1は、オートロック116にロック(施錠)を指示し(s55)、複写完了を操作パネル2に表示する(s56)。すなわちジョブ完了を報知する。この場合は、「コピーはボックスにあります。ユーザIDを入力してください。」と表示する。そしてTa時限のタイマTaをスタートして(s57)、ユーザIDの入力を待つ。ユーザIDの入力がなく、タイマTaがタイムオーバ(時限Taの計時を完了)すると、再度ジョブ完了を報知する(s56)。操作パネル2にレジスタに保持するユーザIDの入力があると、又は、スロット117にユーザIDカードが挿入され、タグリーダ/ライタ118が該IDカードの無線タグのユーザを読み込み、これがレジスタに保持するユーザIDと合致すると(s58〜s62)、システムコントローラ1は、オートロック116にアンロック(解錠)を指示する。そしてTb時限のタイマTbをスタートして(s64)、カバー115の開閉検出スイッチの信号を監視し(s65)、カバー115が開けられると、図7のコピー入力画面の表示(s31)に戻る。
【0086】
カバー115が開けられないでタイマTbがタイムオーバするとシステムコントローラ1は、オートロック116に再度ロック(施錠)を指示して(s66,s67)、ジョブ完了を報知する(s56)。これにより、ユーザがカバー115を開けてボックス内の特別トレイ110上のコピー(転写済紙)を取り出さないと、システムコントローラ1は、複写を指示したユーザIDの入力待ちおよびボックスカバー115の開き待ちに留まり、「入力読み込み」(s32)には戻らず、つぎの複写等の指示は受け付けない。
【0087】
図9に、図6に示す「印刷」(s14)の内容を示す。「印刷」(s14)に進むとシステムコントローラ1は、操作パネル2の液晶タッチパネル(又はPCの使用による場合はPCのディスプレイ)に印刷入力画面を表示し(s71)、表示上にユーザID入力画面を表示してユーザID入力を促す。これに応じてオペレータが、操作パネル2にユーザIDを入力し、あるいはフィニッシャ100のスロット117にユーザIDカードを挿入し、操作パネル2が読み込んだ、又は、タグリード/ライタ118が読み込んだユーザIDが、NV−RAMに登録されたものであると、該ユーザIDをレジスタに書込み(保持し:セーブし;s88)、システムコントローラ1は、印刷入力画面に対するオペレータの入力の読み込みと入力対応の印刷条件(印刷ジョブ)を設定する(s72〜s75,s86〜s88)。その中でオペレータは、HDD3に蓄積している書画ファイルを印刷ファイルに指定する(s75,s75)。そしてスタートキーを押す。なお、スタートキーの操作がなく、他のモード(複写,画像読込み,蓄積,・・・)を指定するキー入力があると、該指定のモードの入力画面に切り換える(s76)。
【0088】
スタートキーが押されると、システムコントローラ1は、印刷ファイルの管理情報をレジスタに保持し(s78)、そして該管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があるが、レジスタにユーザIDを保持していないと(ユーザID入力なしのスタート指示であると)(s80)、機密情報印刷の権限のない複写指示であるので、「入力読み込み」(s72)に戻る。すなわち印刷は実行しない。つまり印刷を禁止する。レジスタにユーザIDを保持していても、該ユーザIDが、上記機密情報がある書画ファイルの印刷が不許可であるときも(s81)、「入力読み込み」(s72)に戻る。すなわち印刷を禁止する。
【0089】
レジスタにユーザIDを保持し、しかも該ユーザIDが、上記機密情報がある書画ファイルの印刷が許可されたものであるときは、印刷対象の書画ファイル(印刷ファイル)に、レジスタに保持するユーザIDと現在設定中の印刷ジョブを追記する(s82)。そして印刷を行う(s83)。
【0090】
印刷ファイルに管理情報の書き込みが無い場合、ならびに、管理情報があっても機密情報がない場合には、上記追記の処理(s80〜s82)は行わず、印刷(s83)を行う。レジスタに管理情報を保持していないか保持していても管理情報に機密情報がない場合には、ステープルの指定が無いと、転写済紙(画像を形成した用紙)を、フィニッシャ100の汎用トレイ104に送出する。ステープルの指定があるとステープル台に送りステープルしてから特別トイレ110に送る(s84,s85)。
【0091】
しかし、レジスタに管理情報を保持し該管理情報に機密情報があると、各転写済紙の無線タグに、レジスタに保持する管理情報にレジスタに保持するユーザIDと現在実行中の印刷ジョブの情報を付加した管理情報を、タグリード/ライタ118で書込み(s89)、フィニッシャ100のステープル台108に収容する。印刷ジョブ情報としては、ジョブ発行元情報,MF1識別情報,印刷枚数情報,印刷堆積順情報,印刷実行時刻情報,ジョブ完了情報などがある。
【0092】
ステープル台108に収容した転写済紙の綴じ(ステープル)以降の処理は、図8に示す印刷後の処理と同一である。
【0093】
上記「印刷」(s14)は、オペレータが操作パネル2又はPC(PC1〜PC3)を用いて、HDD3に蓄積している書画ファイルを選択して印刷指示した場合のものである。PCから印刷指示する場合には、印刷指示のユーザIDはPCのキーボードから入力する。
【0094】
HDD3に蓄積している書画ファイルではなく、PC上に蓄積又は表示展開している書画ファイルの、複合機能プリンタMF1による印刷の場合には、オペレータの印刷指示に応答してPCがMF1に書画ファイルとともに印刷コマンドを送信すると、プリンタMF1のシステムコントローラ1は、この印刷コマンドを受信すると、ユーザID入力および印刷ジョブ(条件)入力を促す表示情報を送信し、PC1がユーザディスプレイに該表示情報を表示し、表示画面に対するユーザ入力をPC1がMF1に送信し、MF1のシステムコントローラ1が、上述の「入力読み込み」(s72)以下の処理(s72〜s89,s53〜s67)を、複写の場合(s32〜s52,s53〜s67)と同様に実行する。
【0095】
ただし、「ジョブ完了報知」(s56:図8)では、システムコントローラ1は、「コピーはボックスにあります。ユーザIDを入力してください。」を操作パネル2に表示するとともに、これにユーザIDの入力催告を加えた催告画面を、PCのディスプレイに表示する。そして、PCからユーザIDの送信があると、あるいは、操作パネル2にレジスタに保持するユーザIDの入力があると、もしくは、スロット117にユーザIDカードが挿入され、タグリーダ/ライタ118が該IDカードの無線タグのユーザを読み込み、これがレジスタに保持するユーザIDと合致すると(s58〜s62)、システムコントローラ1は、オートロック116にアンロック(解錠)を指示する。
【符号の説明】
【0096】
30:第1トレイ
31:第2トレイ 32:第3トレイ
33:第1給紙装置 34:第2給紙装置
35:第3給紙装置 36:縦搬送ユニット
37:感光体 38:搬送ベルト
39:定着ユニット 40:排紙ユニット
41:分岐爪 42:現像器
43:書込ユニット100:フィニシャ
101:切り替え板 103:排紙ローラ
104:排紙トレイ 105:搬送ローラ
106:ステープラ 107:搬送ローラ
108:ステープル台
109:ジョガー 110:排紙トレイ
111:両面給紙ユニット
112:反転ユニット
115:ボックスカバー
116:オートロック
117:カードスロット
118:タグリード/ライタ
207:イメージセンサ
221,225:ロータリエンコーダ
223:原稿センサ 224:ステッピングモータ
231:原稿台ガラス
232:照明ランプ 233:第1ミラー
234:第2ミラー 235:第3ミラー
236:レンズ 238:ステッピングモータ
240:コンタクトガラス
241:原稿トレイ 242:ピックアップローラ
243:レジストローラ対
244:搬送ドラム 245:押さえローラ
246,247:排紙ローラ
248:排紙トレイ兼用の圧板
249:基点センサ 251:スケール
252:圧板開度検出スイッチ
253:タグリード/ライタ
254:タグリード/ライタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2007− 67919号公報
【特許文献2】特開2007− 76130号公報
【特許文献3】特開2005− 35145号公報
【特許文献4】特開2005− 41608号公報
【特許文献5】特開2005−178191号公報
【特許文献6】特開2006−103283号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を用紙上に印刷する作像手段;
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段;
汎用トレイ,ステープラおよび特別トレイを備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ;
画像の印刷を指示する印刷指示手段;
印刷済を報知する印刷済報知手段;および、
前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報がないと、前記印刷指示手段により該画像を前記作像手段で印刷し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイに送出し、
前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があると該画像を前記作像手段で印刷し、前記情報付加手段で該画像を印刷する用紙に該画像の管理情報を付加し、印刷済の用紙を、前記フィニッシャの前記ステープラで綴じて前記特別トレイに送出して、前記印刷済報知手段を用いて印刷済を報知する、作像制御手段;
を備える画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段(2/PC1/118);および、前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該画像の印刷許可/不許可かを認証する認証手段;を備え、
前記作像制御手段は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の前記作像手段による印刷は拒絶し、前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により印刷指示があった画像を前記作像手段で印刷する;請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記作像制御手段は、印刷する画像の管理情報に機密情報がある場合、前記印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDおよび印刷ジョブの情報を付加する;請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザID入力手段は、前記ユーザIDの端末を含む;請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿の画像を読取る画像読取り手段;
前記原稿の管理情報を読取る管理情報読取り手段;
画像を用紙上に印刷する作像手段;
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段;
汎用トレイ,ステープラおよび特別トレイを備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ;
画像の印刷を指示する印刷指示手段;
印刷済を報知する印刷済報知手段;および、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報がないと、前記画像読取り手段で原稿の画像を読取り、該画像を前記作像手段で用紙上に印刷する複写を実行し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイに送出し、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報があると該原稿の前記複写を実行し、前記情報付加手段で該複写の用紙に該原稿の管理情報を付加し、印刷済の用紙を前記フィニッシャの前記ステープラで綴じて前記特別トレイに送出して、前記印刷済報知手段を用いて印刷済を報知する、作像制御手段;
を備える画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段;および、前記管理情報読取り手段が読取った管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該機密情報がある原稿の印刷許可/不許可かを認証する認証手段;を備え、
前記作像制御手段は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の複写は拒絶し、前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の前記複写を実行する;請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
原稿の画像を読取る画像読取り手段;
前記原稿の管理情報を読取る管理情報読取り手段;
画像を用紙上に印刷する作像手段;
該作像手段が画像を印刷する用紙に管理情報を付加する情報付加手段;
汎用トレイ,ステープラおよび特別トレイを備えて、前記作像手段が画像を印刷した用紙を、前記ステープラで選択的に綴じて汎用トレイと特別トレイに選択的に送出するフィニッシャ;
印刷モード又は複写モードの画像の印刷を指示する印刷指示手段;
印刷済を報知する印刷済報知手段;および、
前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿に機密情報がないと、前記画像読取り手段で原稿の画像を読取り、該画像を前記作像手段で用紙上に印刷する複写を実行し印刷済の用紙を前記フィニッシャの汎用トレイに送出し、
前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の前記複写を実行し、前記情報付加手段で該複写の用紙に該原稿の管理情報を付加し、印刷済の用紙を前記フィニッシャの前記ステープラで綴じて前記特別トレイに送出して、前記印刷済報知手段を用いて印刷済を報知する、作像制御手段;
を備える画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置はさらに、ユーザID入力手段;および、印刷モードでは、該印刷指示手段により印刷指示があった画像の管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該画像の印刷許可/不許可かを認証し、複写モードでは、前記管理情報読取り手段が読取った管理情報に機密情報があるか検索し、機密情報があると、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDが、該機密情報がある原稿の印刷許可/不許可かを認証する、認証手段;を備え、
作像制御手段は、前記認証が「不許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の複写は拒絶し、前記認証が「許可」であると前記印刷指示手段により複写印刷の指示があった原稿の前記複写を実行する;請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記作像制御手段は、前記特別トレイに印刷済の用紙を送出するとき、印刷済を、画像形成装置の操作パネルに表示する;請求項5乃至8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記管理情報読取り手段は管理情報書き込み機能を持ち;前記作像制御手段は、該管理情報読取り手段が読取った原稿の管理情報に機密情報がある場合、該管理情報読取り手段によって、前記原稿の管理情報に、前記ユーザID入力手段により入力されたユーザIDおよび印刷ジョブの情報を付加する;請求項5乃至8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像読取り手段は、原稿トレイの原稿束の各原稿を読取り位置に順次送る自動原稿送給手段を含み;前記作像制御手段は、前記自動原稿送給手段から送られる原稿束の原稿に対しては、前記原稿の管理情報への前記ユーザIDおよび印刷ジョブの情報の付加は、原稿束から送り出され、最初に機密情報が検出された1枚の原稿にのみ、実行する;請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置は更に、ネットワークを介して外部端末と通信する通信手段;および、該通信手段を介して受信した印刷ジョブの書画を前記作像手段による印刷に適する画像に変換して前記作像手段に与える画像処理手段;を備え、前記作像制御手段は、前記通信手段を介して受信した印刷ジョブの印刷済の用紙を、前記フィニッシャの前記ステープラで綴じて前記特別トレイに送出して、前記印刷済報知手段を用いて前記印刷ジョブを与えた外部端末に印刷済を報知する;請求項1,2,3,4,7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置は、前記特別トレイから印刷済の用紙を取り出す開口を開閉するカバー;および、該カバーを施錠/解錠するオートロック;を備え、前記作像制御手段は、前記ユーザID入力手段より、前記特別トレイに用紙を送出した印刷を指示したユーザIDが入力されると、前記オートロックを解錠する;請求項1乃至12のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記情報付加手段はIDカード上の管理情報媒体のユーザID読取り機能を持ち;
前記作像制御手段は、前記情報付加手段が読取ったユーザIDが、前記特別トレイに用紙を送出した印刷を指示したユーザIDに符合すると、前記オートロックを解錠する;請求項1乃至12のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記ユーザID入力手段は、画像形成装置の操作パネルを含む;請求項1乃至14のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記情報付加手段はIDカード上の管理情報媒体のユーザID読取り機能を持ち;前記ユーザID入力手段は、該情報付加手段を含む;請求項1乃至15のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−186012(P2010−186012A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29589(P2009−29589)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】