説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置本体から突出することなく、かつ手前側から容易に冊子の取り出しができるものとする。
【解決手段】装置本体1の側面部のうち手前側面部112を奥側側面部111より内側に位置するものとして段差部110を形成し、手前側部分に冊子保持部材120を配置し、冊子保持部材120は、手前側面部112から突出配置される突出部121と、突出部121の先端から上側に向け立設配置される立設部側面122からなり、弾性を持つ素材で全体略L字形状に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、特に冊子配置用の配置部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等には取扱説明書など装置の使用時に参照する冊子等などが付属していることが多い。ここで冊子等には前記取扱説明書の他、ドライバソフトを格納したコンパクトディスク、保証書等が含まれる。このような冊子等は画像形成装置の使用場所で参照されることが多く、画像形成装置の近傍に配置することが望ましい。そのため画像形成装置本体に取扱説明書を配置するポケットなどを配置することが従来から行われている。
【0003】
特許文献1には、凹み部と蓋部材とで、冊子用のポケット部材を筐体の側面などに取り付けたものが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、画像形成装置の側部に突設された複数の差し込み突起に係合する縁部を備え着脱自在な収納部材を備えたものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上述した特許文献1及び特許文献2に記載のものは、ポケット部材が筐体から出っ張ってしまい、狭いスペースなどの設置する時に邪魔となったり、ポケット部材や収納部材が筐体から出っ張っていると、人の身体やものが当たったりポケットが破損する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、画像形成装置本体から突出することなく、かつ手前側から容易に冊子の取り出しができる収納部材を備えた画像形成装置を提供することである

【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、装置本体の側面部のうち手前側面部を奥側面部より内側に位置するものとし、この手前側側面部に冊子保持部材を配置したコを徒特徴とする画像形成装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記冊子保持部材は、側面部から突出配置される突出部と、この突出部の先端から上側に向け立設配置される立設部側面とで全体略L字形状に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記冊子保持部は、前記奥側面部より内側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記冊子保持部は、装置本体の左側及び右側の少なくとも一方の側面部に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記冊子保持部は、弾性を持つ材質で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、冊子保持部材が画像形成装置本体から突出することないので画像形成装置の配置の自由度が増すと共に破損のおそれが無く、かつ冊子を容易に視認できると共に冊子を手前側から容易に取り出しができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像画形成装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
【図3】画像形成装置の機構部の要部平面説明図である。
【図4】実施例に係る画像形成装置における冊子保持部材の取付部を下方から見た斜視図である。
【図5】実施例に係る画像形成装置の斜視図である。
【図6】実施例に係る画像形成装置に冊子を配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では、画像形成装置の装置本体の側面部のうち手前側面部を奥側面部より内側に位置するものとして段部を形成し、この手前側面部に冊子保持部材を配置している。冊子保持部材は、弾性を持つ素材で前記手前側面部から突出配置される突出部と、この突出部の先端から上側に向け立設配置される立設部とで全体略L字形状に構成されている。そして、冊子保持部は、前記奥側面部より内側に配置され、冊子保持部は、装置本体の左側及び右側の少なくとも一方の側面部に配置されている。
【実施例】
【0015】
以下実施例に係る画像形成装置であるインクジェット記録装置について説明する。図1は実施例に係る画像形成装置の外観を示す斜視図、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
【0016】
実施例に係るインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前カバー4の一端部側には、前カバー4から前方側に突き出したカートリッジ装填部6を有し、このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ装填部6には、液体補充手段としての液体保管用タンクであるメインタンク(以下、「インクカートリッジ」という。)10が交換可能に装着され、また、開閉可能なインクカートリッジカバー8を有している。この装置本体1の内部には、キャリッジ13等を備える印字機構が配置されている。
【0017】
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド11とステー12とでキャリッジ13を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向に移動走査する。このキャリッジ13には、インクの液滴を吐出するためのインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0018】
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドである独立した4個の液体吐出ヘッド14y、14m、14c、14k(以下では「記録ヘッド14」は色を区別しない場合の用語とする。)を用いているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
【0019】
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0020】
また、キャリッジ13には、記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各色の液体容器であるサブタンク15を搭載している。このサブタンク15にはインク供給チューブ16を介して前述した各色のメインタンク(インクカートリッジ)10からインクが補充供給される。ここで、メインタンク10は、それぞれ各色に対応してシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクを収容している。また、サブタンク15には内部に収容しているインク(記録液)が所定量以下になったこと(インクエンドになったこと)を検知するための検知電極を用いたインクエンドセンサを設け、サブタンク15内がインクエンドになったときには対応するインクカートリッジ10から当該色の記録液を補充供給し、インクカートリッジ10からの補充供給動作を行ったにもかかわらず、サブタンク15内のインクエンド状態が解消されないときには、インクカートリッジ10もインクエンドになったものとして所要の処理を行う。本発明における「記録液がない」状態とはインクカートリッジ10がインクエンドになった状態に対応する。また、インクエンドの状態はインクニアーエンドの状態を含むものとする。
【0021】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)21上に積載した用紙22を給紙するための給紙部として、用紙積載部21から用紙22を1枚ずつ分離給送する給紙コロ23に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド24を備え、この分離パッド24は給紙コロ23側に付勢されている。
【0022】
そして、この給紙部から給紙された用紙22を記録ヘッド14の下方側で搬送するための搬送部として、用紙22を静電吸着して搬送するための搬送ベルト31と、給紙部からガイド25を介して送られる用紙22を搬送ベルト31との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ32と、略鉛直上方に送られる用紙22を略90°方向転換させて搬送ベルト31上に倣わせるための搬送ガイド33と、押さえ部材34で搬送ベルト31側に付勢された先端加圧コロ35とを備えている。また、搬送ベルト31表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ36を備えている。
【0023】
ここで、搬送ベルト31は、無端状ベルトであり、搬送ローラ37とテンションローラ38との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ36は、搬送ベルト31の表層に接触し、搬送ベルト31の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。また、搬送ベルト31の裏側には、記録ヘッド14による印写領域に対応してガイド部材41を配置している。
【0024】
また、記録ヘッド14で記録された用紙22を排紙するための排紙部として、搬送ベルト31から用紙22を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53とを備え、排紙ローラ52の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ52と排紙コロ53との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0025】
また、装置本体1の背面部には両面給紙ユニット61が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット61は搬送ベルト31の逆方向回転で戻される用紙22を取り込んで反転させて再度カウンタローラ32と搬送ベルト17との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット61の上面には手差し給紙部62を設けている。
【0026】
さらに、図3に示すように、キャリッジ13の走査方向の一方の非印字領域には、記録ヘッド14のノズルの状態を維持し、回復するための信頼性維持手段である維持回復機構71を配置し、他方の非印字領域には空吐出受け部材81を配置している。維持回復機構71には、記録ヘッド14のノズル面をキャピングするためのキャッピング手段であるキャップ部材72a、72b、72c、72dと、ノズル面をワイピングするためのワイピング手段であるワイパーブレード73などを備えている。
【0027】
そして、この維持回復機構71の下側には、維持回復機構71による維持、回復動作によって生じる廃インクの貯蔵手段である廃液タンク9(図2参照)を配設し、この廃液タンク9の入口部に吸引ポンプのチューブの排出側を臨ませている。この例では、廃液タンク9はインクカートリッジカバー8を開状態とすることにより、全面から取り外すことができるようにしている。
【0028】
そして、本例に係るインクジェット記録装置には取扱説明書等の冊子等を保持する冊子保持部材を配置している。図4は実施例に係る画像形成装置における冊子保持部材の取付部を下方から見た斜視図、図5は実施例に係る画像形成装置の斜視図、図6は実施例に係る画像形成装置に冊子を配置した状態を示す斜視図である。
【0029】
本例では、インクジェット記録装置の装置本体1の左側部には段差部110を形成して、冊子保持部材120を配置している。即ち、装置本体1の左側面部のうち奥側に位置する奥側面部111は、手前側に位置する手前側面部112より寸法dだけ外側に位置するように形成され、奥側面部111と手前側面部112との間には張出面部113が形成され段差部110を構成している。
【0030】
また、冊子保持部材120は、全体略L字形状で、装置本体1の手前側面部112の下方から突出配置できる突出部121と、この突出部121の先端から上側に向け立設配置される立設部122とで構成されている。ここで、冊子保持部材120を手前側面部112に取り付けた状態で突出部121の手前側面部112からの突出寸法Dは前記寸法d以下としている。また、本例では、冊子保持部材120は、弾力製のある合成樹脂で一体に形成されており、手前側面部112の下部に形成された取付部114に挿入され、係合爪等公知の係止機構で固定される。
【0031】
従って本実施例に係るインクジェット記録装置は、図6に示すように、装置本体1に冊子保持部材120を取り付けた状態で冊子保持部材120の立設部側面122と装置本体1の手前側面部112との間に冊子130等を配置することができる。このとき、冊子保持部材120は、奥側面部111より内側に配置されるので、装置本体1の奥側面部111を壁などに隙間無く寄せて設置できインクジェット記録装置の設置スペースを小さいものとすることができる。また、装置本体1からの冊子保持部材120が突出しないので、冊子保持部材120が破損することを防止できる他、冊子130を前面から容易に視認でき、冊子130の取り出し、収納も容易となる。
【0032】
尚、前記例では、冊子保持部材は、左側に配置するものとして説明したが、冊子保持部材は、左右いずれに配置してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 装置本体
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 前カバー
6 カートリッジ装填部
7 操作部
8 インクカートリッジカバー
9 廃液タンク
10 インクカートリッジ
11 ガイドロッド
12 ステー
13 キャリッジ
14 記録ヘッド
14y、14m、14c、14k 液体吐出ヘッド
15 サブタンク
16 インク供給チューブ
17 搬送ベルト
21 用紙積載部(圧板)
22 用紙
23 給紙コロ
24 分離パッド
25 ガイド
31 搬送ベルト
32 カウンタローラ
33 搬送ガイド
34 押さえ部材
35 先端加圧コロ
36 帯電ローラ
37 搬送ローラ
38 テンションローラ
41 ガイド部材
51 分離爪
52 排紙ローラ
53 排紙コロ
61 両面給紙ユニット
62 給紙部
71 維持回復機構
72a、72b、72c、72d キャップ部材
73 ワイパーブレード
81 空吐出受け部材
110 段差部
111 奥側面部
112 手前側面部
113 張出面部
114 取付部
120 冊子保持部材
121 突出部
122 立設部側面
130 冊子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2001−38985号公報
【特許文献2】特許3980963号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の側面部のうち手前側面部を奥側面部より内側に位置するものとし、この手前側側面部に冊子保持部材を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冊子保持部材は、側面部から突出配置される突出部と、この突出部の先端から上側に向け立設配置される立設部側面とで全体略L字形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記冊子保持部は、前記奥側面部より内側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記冊子保持部は、装置本体の左側及び右側の少なくとも一方の側面部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記冊子保持部は、弾性を持つ材質で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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