画像形成装置
【課題】印刷装置に装着される交換部材が純正品であるか非純正品であるかを識別可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部は、トナーカートリッジに内蔵されているメモリタグから社名情報を読み出し(S502)、読み出した社名情報と、予め記憶している社名情報とを比較し(S503)、一致する場合には、装着されているトナーカートリッジは純正品であると判定して表示部に社名情報を表示し(S504)、画像濃度補正動作を実行する(S505)。これに対して、一致しない場合には、装着されているトナーカートリッジは非純正品であると判定し(S503)、表示部には、社名情報を表示せず、かつ、画像濃度補正動作を実行しない旨を表示する(S506)。
【解決手段】制御部は、トナーカートリッジに内蔵されているメモリタグから社名情報を読み出し(S502)、読み出した社名情報と、予め記憶している社名情報とを比較し(S503)、一致する場合には、装着されているトナーカートリッジは純正品であると判定して表示部に社名情報を表示し(S504)、画像濃度補正動作を実行する(S505)。これに対して、一致しない場合には、装着されているトナーカートリッジは非純正品であると判定し(S503)、表示部には、社名情報を表示せず、かつ、画像濃度補正動作を実行しない旨を表示する(S506)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換部材が着脱自在に実装される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の印刷装置においては、印字品位を保持するために、画像の濃度調整等の補正動作を実施する。この画像濃度補正動作は、トナーにより画像濃度検出用のパターンを搬送ベルト上に作成し、画像濃度検出手段により検出することにより実施される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−258281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置においては、トナーを供給するトナーカートリッジは着脱可能であり、ユーザは、トナーがなくなるとトナーカートリッジを新品に交換することによりトナーを補給する。このとき、印刷装置の製造メーカが性能を保証する純正品のトナーカートリッジに交換されるのが望ましい。しかし、印刷装置に用いられるトナーカートリッジ等の消耗品には、その印刷装置の製造メーカが供給する純正品の他に、その製造メーカとは異なる他のメーカが供給する非純正品も含まれるため、ユーザは、非純正品のトナーカートリッジを入手し使用する場合がある。ところが、純正品のトナーカートリッジの場合、画像の濃度調整等の補正動作は適切にフィードバックされることが保証されるが、非純正品のトナーカートリッジの場合、該補正動作が適切にフィードバックされることを期待できるものではない。したがって、印刷装置に対しては純正品のトナーカートリッジを使用することが望ましいが、一般的に純正品と非純正品とを見分けることは非常に困難であるため、ユーザは意に反して、非純正品を使用してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、印刷装置に装着される交換部材が純正品か否かをユーザが簡単に識別可能であり、さらに、交換部材が純正品であるか否かに応じて制御動作を決定可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の制御動作を行う画像形成装置において、所定の情報を保持した記憶手段を有する着脱自在な交換部材と、記憶手段から所定の情報を読み取る情報読取部と、情報読取部において読み取られた所定の情報に基づいて、交換部材が純正品か非純正品かを判定する判定部と、所定の情報を表示可能な表示部と、判定部の判定に応じて、制御動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着されている交換部材が純正品か否かに関する情報をユーザに提示する機能を有するため、ユーザは、トナーカートリッジが純正品であるか否かを簡単に把握できる。これにより、ユーザに対しては純正品のトナーカートリッジの使用を促すことができる。また、本発明によれば、装着されている交換部材が純正品か否かに応じて制御動作を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略的な側方断面図である。
【図2】情報読取部の構成例を示すブロック図である。
【図3】メモリタグの構成例を示すブロック図である。
【図4】制御部等の全体構成例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】メモリタグ内の不揮発性メモリのメモリエリア構造の一例を示す図である。
【図7】表示部に社名情報を表示しているカラープリンタの概略図である。
【図8】表示部に表示される文字の例を示す図である。
【図9】搬送ベルト表面に作成される画像検出用の特殊なパターンを示す図である。
【図10】実施の形態1における画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【図11】画像濃度補正動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2における簡易モード1の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2における簡易モード1の画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【図15】実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態3における簡易モード2の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3における簡易モード2の画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略的な側方断面図である。図1を用いて、実施の形態1に係るカラープリンタの構成例を説明する。カラープリンタは、本体部1と、開閉可能なトップカバー部2とを備える。
まず、本体部1の構成例を説明する。
【0010】
本体部1は、記録媒体3と、記録媒体格納部4と、給紙ローラ5と、IN1センサ6と、第1のレジストローラ7と、IN2センサ8と、第2のレジストローラ9と、WRセンサ10と、搬送ベルト11と、LEDヘッド12(12−C(シアン)、12−M(マゼンタ、12−Y(イエロー)、12−K(ブラック))と、交換部材であるトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)と、感光ドラム14(14−C、14−M、14−Y、14−K)と、転写ローラ15(15−C、15−M、15−Y、15−K)と、定着部16と、EXITセンサ17と、排出スタッカ部18と、濃度センサ19と、高圧電源部20と、情報読取部22と、送受信アンテナ23(23−C、23−M、23−Y、23−K)と、メモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)と、現像ローラ30(30−C、30−M、30−Y、30−K)と、制御部(図示せず)とを備える。
【0011】
記録媒体3は、カラープリンタにより画像等が印刷される用紙等である。記録媒体格納部4は、記録媒体3を格納するユニットであり、複数枚の記録媒体を格納できる。給紙ローラ5は、記録媒体格納部4から記録媒体3を1枚ずつ給紙するローラである。第1のレジストローラ7及び第2のレジストローラ9は、記録媒体格納部4から給紙ローラ5により給紙された記録媒体3を、感光ドラム14等からなる画像形成部の位置に搬送する搬送ローラである。IN1センサ6は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第1のレジストローラ7の前段に位置する。IN2センサ8は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第2のレジストローラ9の前段に位置する。WRセンサ10は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第2のレジストローラ9の後段に位置する。搬送ベルト11は、記録媒体格納部4から給紙された記録媒体3を画像形成部の下流側へ搬送する搬送ベルトである。
【0012】
LEDヘッド12は、ホストコンピュータ(図示せず)から受け取った印刷データにしたがって、感光ドラム14に向けて光を照射する露光部である。4個のLEDヘッド12は、各々、YCMK各色に対応し、開閉可能なトップカバー部2に設けられたホルダに支持される。トップカバー2が閉じられると、4個のLEDヘッド12は、各々、4個の感光ドラム14の表面に近接するため、感光ドラム14に対して露光できる状態になる。各LEDヘッド12は、ケーブルを介してカラープリンタの本体部1に接続される。
【0013】
トナーカートリッジ13は、現像剤であるトナーを収納する。4個のトナーカートリッジ13は、各々、YMCK各色に対応する。トナーが無くなると当該トナーを収納するカートリッジを交換する必要があるため、トナーカートリッジは、カラープリンタから着脱可能な構造をとる。4個のトナーカートリッジ13には、各々、メモリタグ24が内蔵されている。メモリタグ24の詳細については、後述する。
【0014】
感光ドラム14の表面には、印刷データに対応する静電潜像が静電気力により形成される。次いで、トナーカートリッジ13から現像剤が供給されることにより、感光ドラム14の表面にトナー像が形成される。感光ドラム14は、YMCK各色に対応して備わる。転写ローラ15は、搬送ベルト11を挟んで、感光ドラム14と対向して存在する。転写ローラ15は、感光ドラム14の表面に形成されたトナー像を記録媒体3の表面に転写する。転写ローラ15は、YMCK各色に対応して備わる。高圧電源部20は、感光ドラム14及び転写ローラ15に印加する高圧電圧を発生する。高圧電源部20が感光ドラム14及び転写ローラ15に対して高圧電圧を印加すると、感光ドラム14及び転写ローラ15において、静電気的に帯電/現像/転写等の電子写真プロセスが実行される。定着部16は、記録媒体3の表面に転写されたトナー像に対して熱と圧力を加えることによってトナー像を記録媒体3の表面に定着させる。EXITセンサ17は、記録媒体3を検知する走行系センサであり、定着部16の後段に位置する。EXITセンサ17は、定着部16から記録媒体3が排出されたことを検知する。排出スタッカ部18には、画像等が印刷された記録媒体3が排出される。
【0015】
濃度センサ19は、転写ベルトに作成される特殊なパターン(画像濃度検出用パターン)を読み取る光学式センサであり、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理のために用いられる。画像濃度補正動作の詳細については、後述する。
【0016】
上述の各走行系センサ(IN1センサ6、IN2センサ8、WRセンサ10及びEXITセンサ17)及び濃度センサ19は、ケーブルを介して制御部に接続される。また、各ローラ(給紙ローラ5、第1のレジストローラ7、第2のレジストローラ9、感光ドラム14、転写ローラ15、定着部16)は、アクチュエータ(図示せず)により機械的に駆動され、記録媒体3を搬送路の下流方向へ搬送する。
【0017】
次いで、トップカバー部2の構成例を説明する。
トップカバー部2は、表示部21を備える。表示部21は、液晶表示パネル及びスイッチ等を備え、ケーブルを介して本体部1の制御部に接続される。表示部21は、カラープリンタの状態を表示し及びユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェース機能を提供する。液晶表示パネルは、例えば、24文字×2行のキャラクタ(文字)を表示可能である。
【0018】
次に、本体部1内の情報読取部22の構成例を説明する。
図2は、情報読取部22の構成例を示すブロック図である。
情報読取部22は、RF制御部25と、変調回路部26と、出力増幅部27と、受信アンプ28と、検波回路部29とを備える。情報読取部22は、ケーブルを介して送受信アンテナ23に接続される。また、情報読取部22は、ケーブルを介して本体部1から制御信号及び電力の供給を受ける。RF制御部25は、本体部1の制御部に相当するCPU36との間のデータ入出力の制御を行う。さらに、RF制御部25は、トナーカートリッジ13に内蔵しているメモリタグ24との間のデータ読み出し/データ書き込み等に関する通信を制御する。
【0019】
変調回路部26は、生成された変調データを振幅の異なる搬送波とASK変調し、ASK変調された信号を出力増幅部27へ送る。出力増幅部27は、ASK変調された信号を増幅して、それを送受信アンテナ23へ送る。送受信アンテナ23は、増幅されたASK変調波をメモリタグ24に送信する。送受信アンテナ23は、さらに、メモリタグ24が送信する信号を受信し、受信アンプ28に送る。受信アンプ28は、受信した信号を増幅し、検波回路部29へ送り、検波回路部29は、受信した信号を2値信号に復調してRF制御部25へ送る。
【0020】
次いで、トナーカートリッジ13に搭載されるメモリタグ24の構成例を説明する。
図3は、メモリタグ24の構成例を示すブロック図である。
メモリタグ24は、送受信アンテナ30と、整流部31と、検波回路部32と、変調データ生成部33と、受信データ判定部34と、不揮発性メモリ35とを備える。
【0021】
送受信アンテナ30は、情報読取部22が送信するASK変調波を受信する。整流部31は、送受信アンテナ30が受信した交番磁界を整流することによってメモリタグ24に電力を供給する。検波回路部32は、送受信アンテナ30が受信したASK変調波を2値信号に復調し、受信データ判定部34に送る。受信データ判定部34は、復調された信号より受信信号の抽出、受信データ命令のデコード及びキャリア信号の検出を行い、変調データ生成部33に受信データ命令の応答及びキャリア信号検出を出力する。また、受信データ命令のデコード結果がメモリデータの読み出し/書き込みの場合、受信データ判定部34は、不揮発性メモリ35にアクセスして、不揮発性メモリ35に対してデータの読み出し/書き込みを行う。
【0022】
次いで、本体部1内の制御部と、当該制御部とデータの入出力を行う各部とを含む構成例を説明する。
図4は、制御部等の全体構成例を示すブロック図である。
制御部は、カラープリンタ全体を制御する機能を有するCPU36等に相当する。以下の説明では、CPU36等を制御部36という。
【0023】
制御部36は、装置全体を制御するためのプログラムに従って各種処理を実行する。制御部36には、入出力ポートを介し、濃度センサ19と、高圧電源部20と、表示部21と、情報読取部22と、記憶部41と、比較部42、判定部43と、各走行系センサ44と、アクチュエータ45とが接続され、それらは制御部36にデータを供給し、又は、制御部36による制御を受ける。
【0024】
記憶部41は、EEPROM等の不揮発性メモリにより構成される。記憶部41には、トナーカートリッジ13が純正品か否かを識別するために必要な所定の情報が記憶されている。本実施形態では、記憶部41に記憶されている情報と、装着されているトナーカートリッジ13に内蔵しているメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した情報とを照合することによって、装着されているトナーカートリッジ13が純正品であるか否かを識別する。比較部42は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した情報と、記憶部41に記憶されている情報とを比較する。判定部42は、比較部42による比較結果に基づいて、トナーカートリッジ13が純正品であるか否かを判定する。
【0025】
次いで、図1と図4を参照して、カラープリンタの基本動作を以下に説明する。
カラープリンタがPC等のホストコンピュータから印刷指示を受けると、制御部36は、内蔵する制御プログラムにしたがって、当該印刷指示に対応する印刷動作を制御する。制御部36は、モータ等の各アクチュエータを制御し、給紙ローラ5、第1のレジストローラ7、第2のレジストローラ9を駆動することにより、記録媒体格納部4から画像形成部に記録媒体3を搬送する。
【0026】
制御部36は、搬送される記録媒体3の位置に基づいて、給紙ローラ5、第1のレジストローラ7及び第2のレジストローラ9の駆動タイミングを決定する。すなわち、制御部36は、IN1センサ6、IN2センサ8及びWRセンサ10等の走行系センサが検知した記録媒体3の位置に基づいて給紙ローラ5等の駆動タイミングを決定する。
【0027】
WRセンサ10が記録媒体3の先端を検知すると、制御部36は、印刷プロセス動作を開始する。
【0028】
制御部36は、高圧電源部20を制御し、所望の条件に対応した帯電用及び現像用の電圧が感光ドラム14に印加されるようにして、感光ドラム14の表面を帯電させる。
【0029】
制御部36は、ホストコンピュータから受け取った印刷指示にしたがって、LEDヘッド12に感光ドラム14の表面に光を照射させることによって感光ドラム14を露光する。露光された感光ドラム14の表面には、印刷データが静電潜像として形成される。このとき、制御部36は、感光ドラム14及び転写ローラ15によって記録媒体3が装置内の下流方向へ搬送されるようにアクチュエータ45を駆動制御する。
【0030】
感光ドラムに形成された静電潜像に対して、現像電圧による電気的な力によって、トナーカートリッジ13から感光ドラム14に形成された静電潜像にトナーが供給されると、感光ドラム14の表面にトナー像が形成される。
【0031】
制御部36による制御の下、高圧電源部20が転写ローラ15に対して所望の条件に応じた電圧を印加すると、転写ローラ15は、感光ドラム14の表面に形成されたトナー像を搬送中の記録媒体3の表面に転写する。印刷データがカラー画像データの場合、YMCKの各色のプロセス動作が実行され、記録媒体3の表面にカラー画像が形成される。その後、記録媒体3は定着部16に搬送され、定着部16は、熱と圧力を用いて、記録媒体3の表面に転写された画像をその表面に定着する。定着部16はハロゲン等の発熱体を内蔵したローラを2つ有する。制御部36は、サーミスタ等の温度検出素子検知した定着温度に基づいて、転写された画像が適切な温度で記録媒体3の表面に定着されるように定着部16を制御する。上記の印刷プロセスを経た記録媒体3は、EXITセンサ17を経由して排出スタッカ18に排出される。
【0032】
図5は、実施の形態1に係る処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS501において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0033】
ステップS502において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0034】
ここで、図2と図3を用いて、本体部1内の情報読取部22がメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から社名情報を読み出す手順を以下に説明する。
【0035】
情報読取部22内のRF制御部25は、接続ケーブルを介して制御部36から命令コマンド(制御信号)を受け取ると、その命令コマンドを解読して2値の信号データを生成する。生成された信号データは、変調回路部26に出力される。変調回路部26は、入力された信号データと搬送波とを合成し、2つの振幅の異なる波形を組み合わせてASK変調を行う。ASK変調された信号は、出力増幅部27で増幅された後、送受信アンテナ23より電波として送信される。送受信アンテナ23より送信されたASK変調波は、メモリタグ24内の送受信アンテナ30により受信される。電波を受信することによって送受信アンテナ30の両端に発生する誘導電圧は、整流部31で整流され、メモリタグ24内に電力として供給される。検波回路部32は、受信されたASK変調データを2値のデータに復調し、受信データ判定部34に出力する。受信データ判定部34は、復調されたデータから受信データの抽出、デコード及びキャリア信号の検出を行い、変調データ生成部33に出力する。さらに、受信データ判定部34は、不揮発性メモリ35にアクセスして、不揮発メモリ35に記憶されている社名情報を読み出す。
【0036】
図6は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35のメモリエリア構造の一例を示す図である。
図6に示すように、不揮発性メモリ35は、アドレス毎に所定の情報を記憶する。不揮発性メモリ35に記憶されている複数情報のうちの1つが社名情報である。図6に示す例では、アドレス6に社名情報が記憶されている。各情報は、受信データ判定部34でデコードされた結果に応じて読み出される。ここで、社名情報はASCIIコードによりデジタル表現されているものとする。不揮発性メモリ35から読み出された社名情報は、変調データ生成部33において変調され、送受信アンテナ30から情報読取部22に送信される。メモリタグ24から送信された社名情報は、情報読取部22の送受信アンテナ23で受信され、受信アンプ部28で増幅された後、検波回路部29において2値信号に復調される。RF制御部25は、復調された2値信号を制御部36に送る。
【0037】
ステップS503において、制御部36は、ステップS502でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品であると判定した場合、制御部36は、ステップS504の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS506の処理に進む。具体的には、次の処理を行う。
【0038】
図3と図4を参照すると、制御部36は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報と、本体部1内の記憶部41に予め記憶されている社名情報とを比較部42に出力する。比較部42は、受け取った2つの社名情報を比較し、比較結果を制御部36に出力する。比較結果を受けた制御部36は、2つの社名情報が一致する場合には、装着されているトナーカートリッジは純正品であると判定し、一致しない場合には、装着されているトナーカートリッジは非純正品であると判定する。例えば、本体部1内の記憶部37に予め記憶されている社名情報が「Oki Data Corporation」であって、装着されている全てのトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)内のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)から読み出された社名情報がいずれも「Oki Data Corporation」である場合、制御部36は、トナーカートリッジは純正品と判定する。これに対して、いずれかのトナーカートリッジのメモリタグ24から読み出された社名情報が「Oki Data Corporation」でない場合、制御部36は、トナーカートリッジは非純正品と判定する。また、制御部36は、メモリタグ24から社名情報を読み出せなかった場合にも、トナーカートリッジは非純正品と判定する。
【0039】
ステップS503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS504において、制御部36は、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。
【0040】
ここで、図を用いて、表示部21に社名情報を表示しているカラープリンタの一例を説明する。
【0041】
図7は、表示部22に社名情報を表示しているカラープリンタの概略図である。
図7に示すように、表示部21は、液晶パネルで構成され、例えば、24文宇×2行のキャラクタ(文字)を表示する。
【0042】
図8は、表示部21に表示される文字の例を示す図である。
図8に示すように、トナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、表示部21の上段にカラープリンタの状態(待機状態、印刷動作状態)を、例えば「オンライン」、「インサツチュウ」として表示し、下段には、社名情報として、例えば「Oki Data Corporation」を表示する。トナーカートリッジが純正品と判定された場合、表示部21は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。これに対して、トナーカートリッジが非純正品と判定された場合、制御部36は、表示部21の上段にカラープリンタの状態を表示する一方、下段には、例えば、「ホセイドウサ ムコウ」(補正動作無効)と表示する。「補正動作無効」とは、後述する通り、「画像濃度補正動作を実行しない」ことを意味する。
【0043】
ステップS503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS505において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数の印刷時(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。画像濃度補正動作の詳細については後述する。
【0044】
ステップS503にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS506において、制御部36は、前述の通り、表示部21の下段に社名情報を表示しないで、例えば、「ホセイドウサ ムコウ」(補正動作無効)の表示をし、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行せずにステップS507の処理に進む。トナーカートリッジが非純正品と判定された場合には画像濃度補正動作を実行しない理由を以下に述べる。
【0045】
純正品のトナーカートリッジに対しては印字品位保持処理の制御が十分になされるような設計がされているため、経時あるいは環境変化等があっても印字品位が保たれる効果が得られる。しかし、非純正品のトナーカートリッジに対しては、そのような設計がされていないため、上記の効果を十分に得ることはできない。そのため、非純正品のトナーカートリッジに対して印字品位保持処理を行うと、かえって印字品位や装置に対して好ましくない影響をもたらす可能性がある。したがって、トナーカートリッジが非純正品の場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行しないのが望ましい。
【0046】
ステップS507において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受信を待っている状態)、あるいは、「印刷状態」(印刷データを既に受信している状態)となる。
【0047】
次に、ステップS505における画像濃度補正動作について詳細に説明する。
画像濃度補正動作においては、例えば、以下に示す処理が制御部36により実行される。
【0048】
制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン。以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成する。
【0049】
濃度センサ19は、搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンを読み取り濃度を検出する処理(以下、「画像濃度検出処理」という。)を実行する。次いで、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、図10に示すように、濃度センサ19による検出値(画像濃度検出用パターンの濃度値)が、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線に近づくように画像濃度を調整する。すなわち、図10に示すように、制御部36は、検出値が基準画像濃度曲線上の対応する基準値よりも低ければ画像濃度が薄いと判定し、画像濃度が濃くなるように画像濃度を調整する。すなわち、制御部36は、基準画像濃度曲線上の基準値に検出値が近づくように、画像濃度を濃くする又は薄くするといった画像濃度補正動作を実行する。補正値は、上限値及び下限値の間であれば細かく調整可能である。搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンは濃度センサ19の位置を通過後、搬送ベルト11表面の残トナーを取り除く機構(図示せず)により消される。
【0050】
図11は、画像濃度補正動作の流れを示すフローチャートである。
画像濃度補正動作が開始されると、ステップS1101において、制御部36は、現時点で画像記録に使用する現像ローラ30の現像電圧値(現在値)と、LEDへツド12の発光量(現在値)を設定する。
【0051】
ステップS1102において、制御部36は、設定された現像電圧値及びLED発光量に基づいて、図9に示す画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、当該画像濃度検出用パターンに対して画像濃度検出処理を実行し、検出された画像濃度を画像濃度検出結果として出力する。
【0052】
ステップS1102での画像濃度検出処理が終了すると、制御部36は、S1103において、画像濃度を基準値に近づけるため、画像濃度検出結果に基づいて、現像電圧値の補正量ΔDBを算出する。例えば、100%Duty画像濃度検出用パターン、50%Duty画像濃度検出用パターン、25%Duty画像濃度検出用パターンの基準画像濃度がDt100、Dt50、Dt25であり、ステップS1102での画像濃度検出処理により検出された画像濃度がDs100、Ds50、Ds25であるとする。この場合、制御部36は、現像電圧値の補正量ΔDBを次式にしたがって算出する。
【数1】
ここで、a、b、cは、各画像濃度の画像濃度誤差から平均画像濃度誤差を算出するための重み付け係数である。この重み付け係数a、b、cの値は、予め測定した現像電圧の変化に対する画像濃度の変化量の標準的な値に基づいて決定される。また、DAは、上記の平均画像濃度誤差を基準画像濃度に調整するために必要な現像電圧の単位調整量である。
【0053】
ステップS1104において、制御部36は、ステップS1103で算出された現像電圧値の補正量ΔDBを用いて現像電圧値を再設定する。すなわち、制御部36は、現像ローラ30の現像電圧値(現在値)を“現像電圧値(現在値)+ΔDB”(補正後の現像電圧値)に変更する。このとき、LEDへツド12の発光量は補正しないで現在値を使用する。
【0054】
現像電圧値の再設定後、ステップS1105において、制御部36は、再度、前回と同じ画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、画像濃度検出処理を実行する。
【0055】
ステップS1105での画像濃度検出処理により検出された画像濃度がDs100’、Ds50’、Ds25’であるとする。この場合、ステップS1106において、制御部36は、次式にしたがって、LEDへツド12の発光量の調整量ΔEを算出する。
【数2】
ここで、a’、b’、c’は、各画像濃度の画像濃度誤差から平均画像濃度誤差を算出するための重み付け係数である。この重み付け係数a、b、cの値は、予め測定した現像電圧の変化に対する画像濃度の変化量の標準的な値に基づいて決定される。また、DEは、平均画像濃度誤差を基準画像濃度に調整するために必要なLEDへツド12の発光量の単位調整量である。
【0056】
ステップS1107において、制御部36は、ステップS1106で算出された発光量の補正量ΔEを用いて発光量を再設定する。すなわち、制御部36は、LEDへツド12の発光量(現在値)を“発光量(現在値)+ΔE”(補正後の光量)に変更する。
【0057】
発光量の再設定後、ステップS1108において、制御部36は、上記処理により再設定された現像電圧及びLED発光量に基づいて、再度、画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、画像濃度検出処理を実行する。
【0058】
ステップS1109において、制御部36は、ステップS1108の画像濃度検出処理において検出された画像濃度が基準画像濃度に近い値(正常値の範囲内)に調整されているか否かを判定し、調整されていると判定した場合には画像濃度補正動作を終了し、調整されていないと判定した場合にはステップS1110の処理に進む。
【0059】
ステップS1110において、制御部36は、エラー処理を実行する。具体的には、制御部36は、補正後の現像電圧値及び補正後の光量を補正前の値に戻すと共に画像濃度補正が正常に実行されなかったことを表示部21に表示し、画像濃度補正動作を終了する。
【0060】
実施の形態1では、制御部36は、装着されているトナーカートリッジが純正品である場合には表示部21に社名情報を表示し、装着されているトナーカートリッジが非純正品である場合には社名情報を表示しない。したがって、実施の形態1によれば、ユーザは、表示部21を見ることにより、装着されているトナーカートリッジが純正品であるか否かを直ちに把握できる。
【0061】
また、実施の形態1では、非純正品のトナーカートリッジが装着されている場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を一切行わないことにしているため、印字品位が低下することがある。したがって、ユーザは、非純正品のトナーカートリッジを用いると印字品位が保証されないことを確認できるため、実施の形態1によれば、ユーザに対して、印字品位が保証されない非純正品のトナーカートリッジの使用を躊躇させ、純正品のトナーカートリッジの使用を促すことができる。
【0062】
尚、実施の形態1では、トナーカートリッジが非純正品である場合、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を行わないこととしているが、印刷動作は継続する構成をとっている。しかし、この構成に限らず、実施の形態1では、トナーカートリッジが非純正品である場合、印刷動作を直ちに停止し、又は、所定枚数(例えば、100枚)を印刷した後に停止する構成をとってもよい。ユーザが非純正品のトナーカートリッジの継続使用を望まない場合もあるからである。
【0063】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャートである。
実施の形態1では、トナーカートリッジが純正品であると判定された場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行する一方、非純正品であると判定された場合には画像濃度補正動作を一切実行しない。これに対して、実施の形態2は、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合でも簡易な画像濃度補正動作を実行する点で実施の形態1とは異なる。
【0064】
ステップS1201において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0065】
ステップS1202において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0066】
ステップS1203において、制御部36は、ステップS1202でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品と判定した場合、制御部36は、ステップS1204の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS1206の処理に進む。
【0067】
ステップS1203にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1204において、制御部36は、図7に示すように、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。装着されているトナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。
【0068】
ステップS1203にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1208において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、実施の形態1と同様に、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数を印刷(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。
【0069】
ステップS1203にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS1206において、制御部36は、表示部21の下段に社名情報を表示せず、かつ、簡易な画像濃度補正動作を行うモード(簡易モード1)を設定し、ステップS1207において、簡易モード1の画像濃度補正動作を実行する。
【0070】
図13は、簡易モード1の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1301において、制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン:以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成し、濃度センサ19を用いて、そのパターンを読み取り濃度を検出する処理(画像濃度検出処理)を実行する。
【0071】
ステップS1302において、制御部36は、濃度センサ19の検出値(検出濃度)と、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の対応する基準値(基準濃度)とを比較し、検出値が基準値よりも高い場合にはステップS1303の処理に進み、検出値が基準値よりも低い場合には、後述する理由により何もせずに簡易モード1の処理を終了する。
【0072】
ステップS1303において、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、画像濃度を補正する。すなわち、制御部36は、図14に示すような簡易な画像濃度補正動作を行うことによって、検出値が基準値より低くなるようにする。例えば、制御部36は、LEDへツド12における露光時間を短くし露光量を少なくすることによって画像濃度値を下げる。この簡易な画像濃度補正動作は、検出値が基準値よりも低くなるまで繰り返し実行される。
【0073】
図12に戻ると、ステップS1208において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受け付けが可能な状態)、あるいは、ホストコンピュータより印刷データを既に受信している場合には「印刷状態」となる。
【0074】
ここで、ステップS1302において検出値が基準値よりも低い場合には何もせずに簡易モード1の処理を終了する理由を説明する。
【0075】
濃度センサ19は、搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンを読み取る。次いで、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、濃度センサ19による検出値(各画像濃度パターンに対応した濃度値)が、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線(純正品のトナーに基づいて生成された画像濃度曲線)に近づくように画像濃度を補正する。この画像濃度の補正動作においては、装着されているトナーを用いて作成した画像濃度検出用パターンの画像濃度値を検出し、その画像濃度値をフィードバックして、現像電圧やLED発光量を補正する。このため、純正品のトナーに対しては補正の効果が期待できるが、非純正品のトナーに対しては補正の効果が期待できない。極端な例を挙げると、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の基準値と検出値(画像濃度値)とを比較した結果、検出値が基準値よりも低いと判定された場合、すなわち、検出された画像濃度が基準の画像濃度よりも薄いと判定された場合であっても、実際の画像濃度は基準の画像濃度よりも濃いかもしれない。このような場合に画像濃度補正動作が実行すると、さらに画像濃度は基準の画像濃度よりも濃くなってしまう。この状態で、印刷Dutyの高い画像を薄い記録媒体に印刷しようとすると、溶着状態のトナーを媒介として、定着部16内部のローラに記録媒体が巻きついてしまう。この場合、定着部16はハロゲン等の発熱体を有し、熱制御されているので、装置が故障する事態を招きかねない。従って、トナーカートリッジが非純正品であると判定され、かつ、濃度センサ19による検出値が基準値よりも低い場合には、制御部36は、画像濃度補正を一切行わない。これに対して、検出値が基準値よりも高い場合には、制御部36は、図14に示すように、画像濃度が画像濃度補正範囲の下限の値(低濃度)になるように一律に制御して、画像濃度を極端に薄くする。
【0076】
実施の形態2によれば、検出値が基準値よりも高い場合に簡易に検出値を基準値よりも低くすることができる。したがって、実施の形態2によれば、実施の形態1により得られる効果に加えて、非純正品のトナーカートリッジが用いられていた場合に、著しく濃い濃度で印字されることによる印字のにじみ等の発生を防止でき、さらに、そのことによる装置の故障等の発生を防止することができる。
【0077】
実施の形態3.
図15は、実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャートである。
実施の形態2では、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合に簡易モード1の画像濃度補正動作が実行される。これに対して、実施の形態3は、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合に、簡易モード1とは異なる簡易モード2の画像濃度補正動作を実行する点で実施の形態2とは異なる。
【0078】
ステップS1501において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0079】
ステップS1502において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0080】
ステップS1503において、制御部36は、ステップS1502でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品であると判定した場合、制御部36は、ステップS1504の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS1506の処理に進む。
【0081】
ステップS1503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1504において、制御部36は、図7に示すように、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。装着されているトナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。
【0082】
ステップS1503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1508において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、実施の形態1と同様に、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数を印刷(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。
【0083】
ステップS1503にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS1506において、制御部36は、表示部21の下段に社名情報を表示せず、かつ、簡易な画像濃度補正動作を行うモード(簡易モード2)を設定し、ステップS1507において、簡易モード2の画像濃度補正動作を実行する。
【0084】
図16は、簡易モード2の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1601において、制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン:以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成し、濃度センサ19を用いて、そのパターンを読み取り濃度を検出する処理(画像濃度検出処理)を実行する。
【0085】
ステップS1602において、制御部36は、濃度センサ19の検出値(検出濃度)と、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の対応する基準値(基準濃度)とを比較し、基準値が検出値よりも高い場合にはステップS1603の処理に進み、基準値が検出値よりも低い場合には、何もせずに簡易モード2の処理を終了する。
【0086】
ステップS1603において、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、画像濃度を補正する。すなわち、制御部36は、図17に示すような簡易な画像濃度補正動作を行うことによって、検出値が基準値より高くなるようにする。例えば、制御部36は、LEDへツド12における露光時間を長くし露光量を多くすることによって画像濃度値を上げる。この簡易な画像濃度補正動作は、検出値が基準値よりも高くなるまで繰り返し実行される。
【0087】
図15に戻ると、ステップS1508において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受け付けが可能な状態)、あるいは、ホストコンピュータより印刷データを既に受信している場合には「印刷状態」となる。
【0088】
実施の形態3によれば、検出値が基準値よりも低い場合に簡易に検出値を基準値よりも高くすることができる。したがって、実施の形態3によれば、実施の形態1により得られる効果に加えて、非純正品のトナーカートリッジが用いられていた場合に、著しく低い濃度で印字されることによる印字のかすれ等の発生を防止できる。
【0089】
上記の各実施形態では、トナーカートリッジが純正品であるか否かを判定するために社名情報を用いたが、製品名あるいは登録商標を用いてもよい。また、各実施形態では、印字品位保持処理として濃度センサ19を用いた画像濃度補正動作を例として挙げたが、色ずれセンサを用いた例であってもよい。あるいは、画像濃度補正動作及び色ずれ補正動作の2つを用いた例であってもよい。色ずれ補正動作もまた、搬送ベルト11に色ずれ検出用の特殊なパターンをトナーにより作成し、光学式センサにて、その反射率を検出することにより補正を行うものである。したがって、色ずれ補正動作もまた、非純正トナーでは保証されるものではない。
【0090】
また、上記の各実施形態では、交換部材がトナーカートリッジである例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トナーカートリッジ以外の交換部材(例えば、インクカートリッジ)についても、適用可能である。
【0091】
また、上記の各実施形態は、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品であるか否かを判定し、その判定結果に応じて制御を決定する構成であるが、非純正品のトナーカートリッジが含まれている場合にその個数に応じて制御を決定する構成を更に加えてもよい。また、複数のトナーカートリッジの内のどの色のカートリッジが非純正品であるかを識別し、その識別結果に応じて制御を決定する構成を更に加えてもよい。
【0092】
また、上記の各実施形態ではタンデム方式の画像形成装置に適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ等の印刷機能を有するMFP等であってもよい。また、上記の各実施形態ではカラー画像形成装置に関して説明したが、モノクロ画像形成装置であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
16 定着部、 19 温度センサ、 20 高圧電源部、 21 表示部、 22 情報読み取り部、 23 アンテナ、 24 メモリタグ、 36 CPU、 41 記憶部、 42 比較部、 43 判定部、 44 走行系センサ、 45 アクチュエータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換部材が着脱自在に実装される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の印刷装置においては、印字品位を保持するために、画像の濃度調整等の補正動作を実施する。この画像濃度補正動作は、トナーにより画像濃度検出用のパターンを搬送ベルト上に作成し、画像濃度検出手段により検出することにより実施される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−258281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置においては、トナーを供給するトナーカートリッジは着脱可能であり、ユーザは、トナーがなくなるとトナーカートリッジを新品に交換することによりトナーを補給する。このとき、印刷装置の製造メーカが性能を保証する純正品のトナーカートリッジに交換されるのが望ましい。しかし、印刷装置に用いられるトナーカートリッジ等の消耗品には、その印刷装置の製造メーカが供給する純正品の他に、その製造メーカとは異なる他のメーカが供給する非純正品も含まれるため、ユーザは、非純正品のトナーカートリッジを入手し使用する場合がある。ところが、純正品のトナーカートリッジの場合、画像の濃度調整等の補正動作は適切にフィードバックされることが保証されるが、非純正品のトナーカートリッジの場合、該補正動作が適切にフィードバックされることを期待できるものではない。したがって、印刷装置に対しては純正品のトナーカートリッジを使用することが望ましいが、一般的に純正品と非純正品とを見分けることは非常に困難であるため、ユーザは意に反して、非純正品を使用してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、印刷装置に装着される交換部材が純正品か否かをユーザが簡単に識別可能であり、さらに、交換部材が純正品であるか否かに応じて制御動作を決定可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の制御動作を行う画像形成装置において、所定の情報を保持した記憶手段を有する着脱自在な交換部材と、記憶手段から所定の情報を読み取る情報読取部と、情報読取部において読み取られた所定の情報に基づいて、交換部材が純正品か非純正品かを判定する判定部と、所定の情報を表示可能な表示部と、判定部の判定に応じて、制御動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着されている交換部材が純正品か否かに関する情報をユーザに提示する機能を有するため、ユーザは、トナーカートリッジが純正品であるか否かを簡単に把握できる。これにより、ユーザに対しては純正品のトナーカートリッジの使用を促すことができる。また、本発明によれば、装着されている交換部材が純正品か否かに応じて制御動作を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略的な側方断面図である。
【図2】情報読取部の構成例を示すブロック図である。
【図3】メモリタグの構成例を示すブロック図である。
【図4】制御部等の全体構成例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】メモリタグ内の不揮発性メモリのメモリエリア構造の一例を示す図である。
【図7】表示部に社名情報を表示しているカラープリンタの概略図である。
【図8】表示部に表示される文字の例を示す図である。
【図9】搬送ベルト表面に作成される画像検出用の特殊なパターンを示す図である。
【図10】実施の形態1における画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【図11】画像濃度補正動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2における簡易モード1の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2における簡易モード1の画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【図15】実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態3における簡易モード2の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3における簡易モード2の画像濃度補正動作の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略的な側方断面図である。図1を用いて、実施の形態1に係るカラープリンタの構成例を説明する。カラープリンタは、本体部1と、開閉可能なトップカバー部2とを備える。
まず、本体部1の構成例を説明する。
【0010】
本体部1は、記録媒体3と、記録媒体格納部4と、給紙ローラ5と、IN1センサ6と、第1のレジストローラ7と、IN2センサ8と、第2のレジストローラ9と、WRセンサ10と、搬送ベルト11と、LEDヘッド12(12−C(シアン)、12−M(マゼンタ、12−Y(イエロー)、12−K(ブラック))と、交換部材であるトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)と、感光ドラム14(14−C、14−M、14−Y、14−K)と、転写ローラ15(15−C、15−M、15−Y、15−K)と、定着部16と、EXITセンサ17と、排出スタッカ部18と、濃度センサ19と、高圧電源部20と、情報読取部22と、送受信アンテナ23(23−C、23−M、23−Y、23−K)と、メモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)と、現像ローラ30(30−C、30−M、30−Y、30−K)と、制御部(図示せず)とを備える。
【0011】
記録媒体3は、カラープリンタにより画像等が印刷される用紙等である。記録媒体格納部4は、記録媒体3を格納するユニットであり、複数枚の記録媒体を格納できる。給紙ローラ5は、記録媒体格納部4から記録媒体3を1枚ずつ給紙するローラである。第1のレジストローラ7及び第2のレジストローラ9は、記録媒体格納部4から給紙ローラ5により給紙された記録媒体3を、感光ドラム14等からなる画像形成部の位置に搬送する搬送ローラである。IN1センサ6は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第1のレジストローラ7の前段に位置する。IN2センサ8は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第2のレジストローラ9の前段に位置する。WRセンサ10は、記録媒体3が当該センサの位置に到達したことを検知する走行系センサであり、第2のレジストローラ9の後段に位置する。搬送ベルト11は、記録媒体格納部4から給紙された記録媒体3を画像形成部の下流側へ搬送する搬送ベルトである。
【0012】
LEDヘッド12は、ホストコンピュータ(図示せず)から受け取った印刷データにしたがって、感光ドラム14に向けて光を照射する露光部である。4個のLEDヘッド12は、各々、YCMK各色に対応し、開閉可能なトップカバー部2に設けられたホルダに支持される。トップカバー2が閉じられると、4個のLEDヘッド12は、各々、4個の感光ドラム14の表面に近接するため、感光ドラム14に対して露光できる状態になる。各LEDヘッド12は、ケーブルを介してカラープリンタの本体部1に接続される。
【0013】
トナーカートリッジ13は、現像剤であるトナーを収納する。4個のトナーカートリッジ13は、各々、YMCK各色に対応する。トナーが無くなると当該トナーを収納するカートリッジを交換する必要があるため、トナーカートリッジは、カラープリンタから着脱可能な構造をとる。4個のトナーカートリッジ13には、各々、メモリタグ24が内蔵されている。メモリタグ24の詳細については、後述する。
【0014】
感光ドラム14の表面には、印刷データに対応する静電潜像が静電気力により形成される。次いで、トナーカートリッジ13から現像剤が供給されることにより、感光ドラム14の表面にトナー像が形成される。感光ドラム14は、YMCK各色に対応して備わる。転写ローラ15は、搬送ベルト11を挟んで、感光ドラム14と対向して存在する。転写ローラ15は、感光ドラム14の表面に形成されたトナー像を記録媒体3の表面に転写する。転写ローラ15は、YMCK各色に対応して備わる。高圧電源部20は、感光ドラム14及び転写ローラ15に印加する高圧電圧を発生する。高圧電源部20が感光ドラム14及び転写ローラ15に対して高圧電圧を印加すると、感光ドラム14及び転写ローラ15において、静電気的に帯電/現像/転写等の電子写真プロセスが実行される。定着部16は、記録媒体3の表面に転写されたトナー像に対して熱と圧力を加えることによってトナー像を記録媒体3の表面に定着させる。EXITセンサ17は、記録媒体3を検知する走行系センサであり、定着部16の後段に位置する。EXITセンサ17は、定着部16から記録媒体3が排出されたことを検知する。排出スタッカ部18には、画像等が印刷された記録媒体3が排出される。
【0015】
濃度センサ19は、転写ベルトに作成される特殊なパターン(画像濃度検出用パターン)を読み取る光学式センサであり、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理のために用いられる。画像濃度補正動作の詳細については、後述する。
【0016】
上述の各走行系センサ(IN1センサ6、IN2センサ8、WRセンサ10及びEXITセンサ17)及び濃度センサ19は、ケーブルを介して制御部に接続される。また、各ローラ(給紙ローラ5、第1のレジストローラ7、第2のレジストローラ9、感光ドラム14、転写ローラ15、定着部16)は、アクチュエータ(図示せず)により機械的に駆動され、記録媒体3を搬送路の下流方向へ搬送する。
【0017】
次いで、トップカバー部2の構成例を説明する。
トップカバー部2は、表示部21を備える。表示部21は、液晶表示パネル及びスイッチ等を備え、ケーブルを介して本体部1の制御部に接続される。表示部21は、カラープリンタの状態を表示し及びユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェース機能を提供する。液晶表示パネルは、例えば、24文字×2行のキャラクタ(文字)を表示可能である。
【0018】
次に、本体部1内の情報読取部22の構成例を説明する。
図2は、情報読取部22の構成例を示すブロック図である。
情報読取部22は、RF制御部25と、変調回路部26と、出力増幅部27と、受信アンプ28と、検波回路部29とを備える。情報読取部22は、ケーブルを介して送受信アンテナ23に接続される。また、情報読取部22は、ケーブルを介して本体部1から制御信号及び電力の供給を受ける。RF制御部25は、本体部1の制御部に相当するCPU36との間のデータ入出力の制御を行う。さらに、RF制御部25は、トナーカートリッジ13に内蔵しているメモリタグ24との間のデータ読み出し/データ書き込み等に関する通信を制御する。
【0019】
変調回路部26は、生成された変調データを振幅の異なる搬送波とASK変調し、ASK変調された信号を出力増幅部27へ送る。出力増幅部27は、ASK変調された信号を増幅して、それを送受信アンテナ23へ送る。送受信アンテナ23は、増幅されたASK変調波をメモリタグ24に送信する。送受信アンテナ23は、さらに、メモリタグ24が送信する信号を受信し、受信アンプ28に送る。受信アンプ28は、受信した信号を増幅し、検波回路部29へ送り、検波回路部29は、受信した信号を2値信号に復調してRF制御部25へ送る。
【0020】
次いで、トナーカートリッジ13に搭載されるメモリタグ24の構成例を説明する。
図3は、メモリタグ24の構成例を示すブロック図である。
メモリタグ24は、送受信アンテナ30と、整流部31と、検波回路部32と、変調データ生成部33と、受信データ判定部34と、不揮発性メモリ35とを備える。
【0021】
送受信アンテナ30は、情報読取部22が送信するASK変調波を受信する。整流部31は、送受信アンテナ30が受信した交番磁界を整流することによってメモリタグ24に電力を供給する。検波回路部32は、送受信アンテナ30が受信したASK変調波を2値信号に復調し、受信データ判定部34に送る。受信データ判定部34は、復調された信号より受信信号の抽出、受信データ命令のデコード及びキャリア信号の検出を行い、変調データ生成部33に受信データ命令の応答及びキャリア信号検出を出力する。また、受信データ命令のデコード結果がメモリデータの読み出し/書き込みの場合、受信データ判定部34は、不揮発性メモリ35にアクセスして、不揮発性メモリ35に対してデータの読み出し/書き込みを行う。
【0022】
次いで、本体部1内の制御部と、当該制御部とデータの入出力を行う各部とを含む構成例を説明する。
図4は、制御部等の全体構成例を示すブロック図である。
制御部は、カラープリンタ全体を制御する機能を有するCPU36等に相当する。以下の説明では、CPU36等を制御部36という。
【0023】
制御部36は、装置全体を制御するためのプログラムに従って各種処理を実行する。制御部36には、入出力ポートを介し、濃度センサ19と、高圧電源部20と、表示部21と、情報読取部22と、記憶部41と、比較部42、判定部43と、各走行系センサ44と、アクチュエータ45とが接続され、それらは制御部36にデータを供給し、又は、制御部36による制御を受ける。
【0024】
記憶部41は、EEPROM等の不揮発性メモリにより構成される。記憶部41には、トナーカートリッジ13が純正品か否かを識別するために必要な所定の情報が記憶されている。本実施形態では、記憶部41に記憶されている情報と、装着されているトナーカートリッジ13に内蔵しているメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した情報とを照合することによって、装着されているトナーカートリッジ13が純正品であるか否かを識別する。比較部42は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した情報と、記憶部41に記憶されている情報とを比較する。判定部42は、比較部42による比較結果に基づいて、トナーカートリッジ13が純正品であるか否かを判定する。
【0025】
次いで、図1と図4を参照して、カラープリンタの基本動作を以下に説明する。
カラープリンタがPC等のホストコンピュータから印刷指示を受けると、制御部36は、内蔵する制御プログラムにしたがって、当該印刷指示に対応する印刷動作を制御する。制御部36は、モータ等の各アクチュエータを制御し、給紙ローラ5、第1のレジストローラ7、第2のレジストローラ9を駆動することにより、記録媒体格納部4から画像形成部に記録媒体3を搬送する。
【0026】
制御部36は、搬送される記録媒体3の位置に基づいて、給紙ローラ5、第1のレジストローラ7及び第2のレジストローラ9の駆動タイミングを決定する。すなわち、制御部36は、IN1センサ6、IN2センサ8及びWRセンサ10等の走行系センサが検知した記録媒体3の位置に基づいて給紙ローラ5等の駆動タイミングを決定する。
【0027】
WRセンサ10が記録媒体3の先端を検知すると、制御部36は、印刷プロセス動作を開始する。
【0028】
制御部36は、高圧電源部20を制御し、所望の条件に対応した帯電用及び現像用の電圧が感光ドラム14に印加されるようにして、感光ドラム14の表面を帯電させる。
【0029】
制御部36は、ホストコンピュータから受け取った印刷指示にしたがって、LEDヘッド12に感光ドラム14の表面に光を照射させることによって感光ドラム14を露光する。露光された感光ドラム14の表面には、印刷データが静電潜像として形成される。このとき、制御部36は、感光ドラム14及び転写ローラ15によって記録媒体3が装置内の下流方向へ搬送されるようにアクチュエータ45を駆動制御する。
【0030】
感光ドラムに形成された静電潜像に対して、現像電圧による電気的な力によって、トナーカートリッジ13から感光ドラム14に形成された静電潜像にトナーが供給されると、感光ドラム14の表面にトナー像が形成される。
【0031】
制御部36による制御の下、高圧電源部20が転写ローラ15に対して所望の条件に応じた電圧を印加すると、転写ローラ15は、感光ドラム14の表面に形成されたトナー像を搬送中の記録媒体3の表面に転写する。印刷データがカラー画像データの場合、YMCKの各色のプロセス動作が実行され、記録媒体3の表面にカラー画像が形成される。その後、記録媒体3は定着部16に搬送され、定着部16は、熱と圧力を用いて、記録媒体3の表面に転写された画像をその表面に定着する。定着部16はハロゲン等の発熱体を内蔵したローラを2つ有する。制御部36は、サーミスタ等の温度検出素子検知した定着温度に基づいて、転写された画像が適切な温度で記録媒体3の表面に定着されるように定着部16を制御する。上記の印刷プロセスを経た記録媒体3は、EXITセンサ17を経由して排出スタッカ18に排出される。
【0032】
図5は、実施の形態1に係る処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS501において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0033】
ステップS502において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0034】
ここで、図2と図3を用いて、本体部1内の情報読取部22がメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から社名情報を読み出す手順を以下に説明する。
【0035】
情報読取部22内のRF制御部25は、接続ケーブルを介して制御部36から命令コマンド(制御信号)を受け取ると、その命令コマンドを解読して2値の信号データを生成する。生成された信号データは、変調回路部26に出力される。変調回路部26は、入力された信号データと搬送波とを合成し、2つの振幅の異なる波形を組み合わせてASK変調を行う。ASK変調された信号は、出力増幅部27で増幅された後、送受信アンテナ23より電波として送信される。送受信アンテナ23より送信されたASK変調波は、メモリタグ24内の送受信アンテナ30により受信される。電波を受信することによって送受信アンテナ30の両端に発生する誘導電圧は、整流部31で整流され、メモリタグ24内に電力として供給される。検波回路部32は、受信されたASK変調データを2値のデータに復調し、受信データ判定部34に出力する。受信データ判定部34は、復調されたデータから受信データの抽出、デコード及びキャリア信号の検出を行い、変調データ生成部33に出力する。さらに、受信データ判定部34は、不揮発性メモリ35にアクセスして、不揮発メモリ35に記憶されている社名情報を読み出す。
【0036】
図6は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35のメモリエリア構造の一例を示す図である。
図6に示すように、不揮発性メモリ35は、アドレス毎に所定の情報を記憶する。不揮発性メモリ35に記憶されている複数情報のうちの1つが社名情報である。図6に示す例では、アドレス6に社名情報が記憶されている。各情報は、受信データ判定部34でデコードされた結果に応じて読み出される。ここで、社名情報はASCIIコードによりデジタル表現されているものとする。不揮発性メモリ35から読み出された社名情報は、変調データ生成部33において変調され、送受信アンテナ30から情報読取部22に送信される。メモリタグ24から送信された社名情報は、情報読取部22の送受信アンテナ23で受信され、受信アンプ部28で増幅された後、検波回路部29において2値信号に復調される。RF制御部25は、復調された2値信号を制御部36に送る。
【0037】
ステップS503において、制御部36は、ステップS502でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品であると判定した場合、制御部36は、ステップS504の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS506の処理に進む。具体的には、次の処理を行う。
【0038】
図3と図4を参照すると、制御部36は、メモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報と、本体部1内の記憶部41に予め記憶されている社名情報とを比較部42に出力する。比較部42は、受け取った2つの社名情報を比較し、比較結果を制御部36に出力する。比較結果を受けた制御部36は、2つの社名情報が一致する場合には、装着されているトナーカートリッジは純正品であると判定し、一致しない場合には、装着されているトナーカートリッジは非純正品であると判定する。例えば、本体部1内の記憶部37に予め記憶されている社名情報が「Oki Data Corporation」であって、装着されている全てのトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)内のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)から読み出された社名情報がいずれも「Oki Data Corporation」である場合、制御部36は、トナーカートリッジは純正品と判定する。これに対して、いずれかのトナーカートリッジのメモリタグ24から読み出された社名情報が「Oki Data Corporation」でない場合、制御部36は、トナーカートリッジは非純正品と判定する。また、制御部36は、メモリタグ24から社名情報を読み出せなかった場合にも、トナーカートリッジは非純正品と判定する。
【0039】
ステップS503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS504において、制御部36は、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。
【0040】
ここで、図を用いて、表示部21に社名情報を表示しているカラープリンタの一例を説明する。
【0041】
図7は、表示部22に社名情報を表示しているカラープリンタの概略図である。
図7に示すように、表示部21は、液晶パネルで構成され、例えば、24文宇×2行のキャラクタ(文字)を表示する。
【0042】
図8は、表示部21に表示される文字の例を示す図である。
図8に示すように、トナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、表示部21の上段にカラープリンタの状態(待機状態、印刷動作状態)を、例えば「オンライン」、「インサツチュウ」として表示し、下段には、社名情報として、例えば「Oki Data Corporation」を表示する。トナーカートリッジが純正品と判定された場合、表示部21は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。これに対して、トナーカートリッジが非純正品と判定された場合、制御部36は、表示部21の上段にカラープリンタの状態を表示する一方、下段には、例えば、「ホセイドウサ ムコウ」(補正動作無効)と表示する。「補正動作無効」とは、後述する通り、「画像濃度補正動作を実行しない」ことを意味する。
【0043】
ステップS503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS505において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数の印刷時(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。画像濃度補正動作の詳細については後述する。
【0044】
ステップS503にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS506において、制御部36は、前述の通り、表示部21の下段に社名情報を表示しないで、例えば、「ホセイドウサ ムコウ」(補正動作無効)の表示をし、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行せずにステップS507の処理に進む。トナーカートリッジが非純正品と判定された場合には画像濃度補正動作を実行しない理由を以下に述べる。
【0045】
純正品のトナーカートリッジに対しては印字品位保持処理の制御が十分になされるような設計がされているため、経時あるいは環境変化等があっても印字品位が保たれる効果が得られる。しかし、非純正品のトナーカートリッジに対しては、そのような設計がされていないため、上記の効果を十分に得ることはできない。そのため、非純正品のトナーカートリッジに対して印字品位保持処理を行うと、かえって印字品位や装置に対して好ましくない影響をもたらす可能性がある。したがって、トナーカートリッジが非純正品の場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行しないのが望ましい。
【0046】
ステップS507において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受信を待っている状態)、あるいは、「印刷状態」(印刷データを既に受信している状態)となる。
【0047】
次に、ステップS505における画像濃度補正動作について詳細に説明する。
画像濃度補正動作においては、例えば、以下に示す処理が制御部36により実行される。
【0048】
制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン。以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成する。
【0049】
濃度センサ19は、搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンを読み取り濃度を検出する処理(以下、「画像濃度検出処理」という。)を実行する。次いで、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、図10に示すように、濃度センサ19による検出値(画像濃度検出用パターンの濃度値)が、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線に近づくように画像濃度を調整する。すなわち、図10に示すように、制御部36は、検出値が基準画像濃度曲線上の対応する基準値よりも低ければ画像濃度が薄いと判定し、画像濃度が濃くなるように画像濃度を調整する。すなわち、制御部36は、基準画像濃度曲線上の基準値に検出値が近づくように、画像濃度を濃くする又は薄くするといった画像濃度補正動作を実行する。補正値は、上限値及び下限値の間であれば細かく調整可能である。搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンは濃度センサ19の位置を通過後、搬送ベルト11表面の残トナーを取り除く機構(図示せず)により消される。
【0050】
図11は、画像濃度補正動作の流れを示すフローチャートである。
画像濃度補正動作が開始されると、ステップS1101において、制御部36は、現時点で画像記録に使用する現像ローラ30の現像電圧値(現在値)と、LEDへツド12の発光量(現在値)を設定する。
【0051】
ステップS1102において、制御部36は、設定された現像電圧値及びLED発光量に基づいて、図9に示す画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、当該画像濃度検出用パターンに対して画像濃度検出処理を実行し、検出された画像濃度を画像濃度検出結果として出力する。
【0052】
ステップS1102での画像濃度検出処理が終了すると、制御部36は、S1103において、画像濃度を基準値に近づけるため、画像濃度検出結果に基づいて、現像電圧値の補正量ΔDBを算出する。例えば、100%Duty画像濃度検出用パターン、50%Duty画像濃度検出用パターン、25%Duty画像濃度検出用パターンの基準画像濃度がDt100、Dt50、Dt25であり、ステップS1102での画像濃度検出処理により検出された画像濃度がDs100、Ds50、Ds25であるとする。この場合、制御部36は、現像電圧値の補正量ΔDBを次式にしたがって算出する。
【数1】
ここで、a、b、cは、各画像濃度の画像濃度誤差から平均画像濃度誤差を算出するための重み付け係数である。この重み付け係数a、b、cの値は、予め測定した現像電圧の変化に対する画像濃度の変化量の標準的な値に基づいて決定される。また、DAは、上記の平均画像濃度誤差を基準画像濃度に調整するために必要な現像電圧の単位調整量である。
【0053】
ステップS1104において、制御部36は、ステップS1103で算出された現像電圧値の補正量ΔDBを用いて現像電圧値を再設定する。すなわち、制御部36は、現像ローラ30の現像電圧値(現在値)を“現像電圧値(現在値)+ΔDB”(補正後の現像電圧値)に変更する。このとき、LEDへツド12の発光量は補正しないで現在値を使用する。
【0054】
現像電圧値の再設定後、ステップS1105において、制御部36は、再度、前回と同じ画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、画像濃度検出処理を実行する。
【0055】
ステップS1105での画像濃度検出処理により検出された画像濃度がDs100’、Ds50’、Ds25’であるとする。この場合、ステップS1106において、制御部36は、次式にしたがって、LEDへツド12の発光量の調整量ΔEを算出する。
【数2】
ここで、a’、b’、c’は、各画像濃度の画像濃度誤差から平均画像濃度誤差を算出するための重み付け係数である。この重み付け係数a、b、cの値は、予め測定した現像電圧の変化に対する画像濃度の変化量の標準的な値に基づいて決定される。また、DEは、平均画像濃度誤差を基準画像濃度に調整するために必要なLEDへツド12の発光量の単位調整量である。
【0056】
ステップS1107において、制御部36は、ステップS1106で算出された発光量の補正量ΔEを用いて発光量を再設定する。すなわち、制御部36は、LEDへツド12の発光量(現在値)を“発光量(現在値)+ΔE”(補正後の光量)に変更する。
【0057】
発光量の再設定後、ステップS1108において、制御部36は、上記処理により再設定された現像電圧及びLED発光量に基づいて、再度、画像濃度検出用パターンを搬送ベルト11表面に作成し、画像濃度検出処理を実行する。
【0058】
ステップS1109において、制御部36は、ステップS1108の画像濃度検出処理において検出された画像濃度が基準画像濃度に近い値(正常値の範囲内)に調整されているか否かを判定し、調整されていると判定した場合には画像濃度補正動作を終了し、調整されていないと判定した場合にはステップS1110の処理に進む。
【0059】
ステップS1110において、制御部36は、エラー処理を実行する。具体的には、制御部36は、補正後の現像電圧値及び補正後の光量を補正前の値に戻すと共に画像濃度補正が正常に実行されなかったことを表示部21に表示し、画像濃度補正動作を終了する。
【0060】
実施の形態1では、制御部36は、装着されているトナーカートリッジが純正品である場合には表示部21に社名情報を表示し、装着されているトナーカートリッジが非純正品である場合には社名情報を表示しない。したがって、実施の形態1によれば、ユーザは、表示部21を見ることにより、装着されているトナーカートリッジが純正品であるか否かを直ちに把握できる。
【0061】
また、実施の形態1では、非純正品のトナーカートリッジが装着されている場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を一切行わないことにしているため、印字品位が低下することがある。したがって、ユーザは、非純正品のトナーカートリッジを用いると印字品位が保証されないことを確認できるため、実施の形態1によれば、ユーザに対して、印字品位が保証されない非純正品のトナーカートリッジの使用を躊躇させ、純正品のトナーカートリッジの使用を促すことができる。
【0062】
尚、実施の形態1では、トナーカートリッジが非純正品である場合、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を行わないこととしているが、印刷動作は継続する構成をとっている。しかし、この構成に限らず、実施の形態1では、トナーカートリッジが非純正品である場合、印刷動作を直ちに停止し、又は、所定枚数(例えば、100枚)を印刷した後に停止する構成をとってもよい。ユーザが非純正品のトナーカートリッジの継続使用を望まない場合もあるからである。
【0063】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャートである。
実施の形態1では、トナーカートリッジが純正品であると判定された場合には画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を実行する一方、非純正品であると判定された場合には画像濃度補正動作を一切実行しない。これに対して、実施の形態2は、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合でも簡易な画像濃度補正動作を実行する点で実施の形態1とは異なる。
【0064】
ステップS1201において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0065】
ステップS1202において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0066】
ステップS1203において、制御部36は、ステップS1202でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品と判定した場合、制御部36は、ステップS1204の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS1206の処理に進む。
【0067】
ステップS1203にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1204において、制御部36は、図7に示すように、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。装着されているトナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。
【0068】
ステップS1203にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1208において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、実施の形態1と同様に、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数を印刷(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。
【0069】
ステップS1203にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS1206において、制御部36は、表示部21の下段に社名情報を表示せず、かつ、簡易な画像濃度補正動作を行うモード(簡易モード1)を設定し、ステップS1207において、簡易モード1の画像濃度補正動作を実行する。
【0070】
図13は、簡易モード1の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1301において、制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン:以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成し、濃度センサ19を用いて、そのパターンを読み取り濃度を検出する処理(画像濃度検出処理)を実行する。
【0071】
ステップS1302において、制御部36は、濃度センサ19の検出値(検出濃度)と、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の対応する基準値(基準濃度)とを比較し、検出値が基準値よりも高い場合にはステップS1303の処理に進み、検出値が基準値よりも低い場合には、後述する理由により何もせずに簡易モード1の処理を終了する。
【0072】
ステップS1303において、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、画像濃度を補正する。すなわち、制御部36は、図14に示すような簡易な画像濃度補正動作を行うことによって、検出値が基準値より低くなるようにする。例えば、制御部36は、LEDへツド12における露光時間を短くし露光量を少なくすることによって画像濃度値を下げる。この簡易な画像濃度補正動作は、検出値が基準値よりも低くなるまで繰り返し実行される。
【0073】
図12に戻ると、ステップS1208において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受け付けが可能な状態)、あるいは、ホストコンピュータより印刷データを既に受信している場合には「印刷状態」となる。
【0074】
ここで、ステップS1302において検出値が基準値よりも低い場合には何もせずに簡易モード1の処理を終了する理由を説明する。
【0075】
濃度センサ19は、搬送ベルト11表面に作成された画像濃度検出用パターンを読み取る。次いで、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、濃度センサ19による検出値(各画像濃度パターンに対応した濃度値)が、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線(純正品のトナーに基づいて生成された画像濃度曲線)に近づくように画像濃度を補正する。この画像濃度の補正動作においては、装着されているトナーを用いて作成した画像濃度検出用パターンの画像濃度値を検出し、その画像濃度値をフィードバックして、現像電圧やLED発光量を補正する。このため、純正品のトナーに対しては補正の効果が期待できるが、非純正品のトナーに対しては補正の効果が期待できない。極端な例を挙げると、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の基準値と検出値(画像濃度値)とを比較した結果、検出値が基準値よりも低いと判定された場合、すなわち、検出された画像濃度が基準の画像濃度よりも薄いと判定された場合であっても、実際の画像濃度は基準の画像濃度よりも濃いかもしれない。このような場合に画像濃度補正動作が実行すると、さらに画像濃度は基準の画像濃度よりも濃くなってしまう。この状態で、印刷Dutyの高い画像を薄い記録媒体に印刷しようとすると、溶着状態のトナーを媒介として、定着部16内部のローラに記録媒体が巻きついてしまう。この場合、定着部16はハロゲン等の発熱体を有し、熱制御されているので、装置が故障する事態を招きかねない。従って、トナーカートリッジが非純正品であると判定され、かつ、濃度センサ19による検出値が基準値よりも低い場合には、制御部36は、画像濃度補正を一切行わない。これに対して、検出値が基準値よりも高い場合には、制御部36は、図14に示すように、画像濃度が画像濃度補正範囲の下限の値(低濃度)になるように一律に制御して、画像濃度を極端に薄くする。
【0076】
実施の形態2によれば、検出値が基準値よりも高い場合に簡易に検出値を基準値よりも低くすることができる。したがって、実施の形態2によれば、実施の形態1により得られる効果に加えて、非純正品のトナーカートリッジが用いられていた場合に、著しく濃い濃度で印字されることによる印字のにじみ等の発生を防止でき、さらに、そのことによる装置の故障等の発生を防止することができる。
【0077】
実施の形態3.
図15は、実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャートである。
実施の形態2では、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合に簡易モード1の画像濃度補正動作が実行される。これに対して、実施の形態3は、トナーカートリッジが非純正品であると判定された場合に、簡易モード1とは異なる簡易モード2の画像濃度補正動作を実行する点で実施の形態2とは異なる。
【0078】
ステップS1501において、制御部36は、カラープリンタ内部にトナーカートリッジ13が装着され又はトナーカートリッジが交換される可能性がある電源投入(電源ON)が行われたこと、又は、トップカバー2が開閉(OPEN/CLOSE)されたことを検知する。
【0079】
ステップS1502において、制御部36は、情報読取部22を制御して、トナーカートリッジ13に内蔵されているメモリタグ24との間でRF通信を実行し、全て(4個)のトナーカートリッジ13(13−C、13−M、13−Y、13−K)のメモリタグ24(24−C、24−M、24−Y、24−K)内の不揮発性メモリ35から所定の情報を読み出す。不揮発性メモリ35には、所定の情報として社名情報(トナーカートリッジ13の製造メーカの名称)が記憶されている。
【0080】
ステップS1503において、制御部36は、ステップS1502でメモリタグ24内の不揮発性メモリ35から読み出した社名情報に基づいて、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品か否かを判定する。そして、全てのトナーカートリッジが純正品であると判定した場合、制御部36は、ステップS1504の処理に進み、非純正品のカートリッジが含まれていると判定した場合、ステップS1506の処理に進む。
【0081】
ステップS1503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1504において、制御部36は、図7に示すように、カラープリンタの表示部21に社名情報を表示する。装着されているトナーカートリッジが純正品と判定された場合、制御部36は、電源がOFFされるまで社名情報を表示する。
【0082】
ステップS1503にてトナーカートリッジが純正品であると判定された場合、ステップS1508において、制御部36は、経時あるいは環境等の変化による印字劣化を防止するために、実施の形態1と同様に、画像濃度補正動作等の印字品位保持処理を、カラープリンタの電源ON時、又は、所定枚数を印刷(例えば、印刷枚数が500枚に達した時)等に実行する。
【0083】
ステップS1503にてトナーカートリッジが非純正品であると判定された場合、ステップS1506において、制御部36は、表示部21の下段に社名情報を表示せず、かつ、簡易な画像濃度補正動作を行うモード(簡易モード2)を設定し、ステップS1507において、簡易モード2の画像濃度補正動作を実行する。
【0084】
図16は、簡易モード2の画像濃度補正動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1601において、制御部36は、図9に示す画像濃度検出用の特殊なパターン(濃度100%、50%、25%の連続したパターン:以下、画像濃度検出用パターンという。)を搬送ベルト11表面に作成し、濃度センサ19を用いて、そのパターンを読み取り濃度を検出する処理(画像濃度検出処理)を実行する。
【0085】
ステップS1602において、制御部36は、濃度センサ19の検出値(検出濃度)と、制御部36に予め記憶されている基準画像濃度曲線上の対応する基準値(基準濃度)とを比較し、基準値が検出値よりも高い場合にはステップS1603の処理に進み、基準値が検出値よりも低い場合には、何もせずに簡易モード2の処理を終了する。
【0086】
ステップS1603において、制御部36は、感光ドラム14に印加される現像電圧値及びLEDヘッド12から照射されるLED発光量を調整することによって、画像濃度を補正する。すなわち、制御部36は、図17に示すような簡易な画像濃度補正動作を行うことによって、検出値が基準値より高くなるようにする。例えば、制御部36は、LEDへツド12における露光時間を長くし露光量を多くすることによって画像濃度値を上げる。この簡易な画像濃度補正動作は、検出値が基準値よりも高くなるまで繰り返し実行される。
【0087】
図15に戻ると、ステップS1508において、カラープリンタは「待機状態」(印刷データの受け付けが可能な状態)、あるいは、ホストコンピュータより印刷データを既に受信している場合には「印刷状態」となる。
【0088】
実施の形態3によれば、検出値が基準値よりも低い場合に簡易に検出値を基準値よりも高くすることができる。したがって、実施の形態3によれば、実施の形態1により得られる効果に加えて、非純正品のトナーカートリッジが用いられていた場合に、著しく低い濃度で印字されることによる印字のかすれ等の発生を防止できる。
【0089】
上記の各実施形態では、トナーカートリッジが純正品であるか否かを判定するために社名情報を用いたが、製品名あるいは登録商標を用いてもよい。また、各実施形態では、印字品位保持処理として濃度センサ19を用いた画像濃度補正動作を例として挙げたが、色ずれセンサを用いた例であってもよい。あるいは、画像濃度補正動作及び色ずれ補正動作の2つを用いた例であってもよい。色ずれ補正動作もまた、搬送ベルト11に色ずれ検出用の特殊なパターンをトナーにより作成し、光学式センサにて、その反射率を検出することにより補正を行うものである。したがって、色ずれ補正動作もまた、非純正トナーでは保証されるものではない。
【0090】
また、上記の各実施形態では、交換部材がトナーカートリッジである例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トナーカートリッジ以外の交換部材(例えば、インクカートリッジ)についても、適用可能である。
【0091】
また、上記の各実施形態は、装着されている全てのトナーカートリッジが純正品であるか否かを判定し、その判定結果に応じて制御を決定する構成であるが、非純正品のトナーカートリッジが含まれている場合にその個数に応じて制御を決定する構成を更に加えてもよい。また、複数のトナーカートリッジの内のどの色のカートリッジが非純正品であるかを識別し、その識別結果に応じて制御を決定する構成を更に加えてもよい。
【0092】
また、上記の各実施形態ではタンデム方式の画像形成装置に適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ等の印刷機能を有するMFP等であってもよい。また、上記の各実施形態ではカラー画像形成装置に関して説明したが、モノクロ画像形成装置であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
16 定着部、 19 温度センサ、 20 高圧電源部、 21 表示部、 22 情報読み取り部、 23 アンテナ、 24 メモリタグ、 36 CPU、 41 記憶部、 42 比較部、 43 判定部、 44 走行系センサ、 45 アクチュエータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御動作を行う画像形成装置において、
所定の情報を保持した記憶手段を有する着脱自在な交換部材と、
前記記憶手段から前記所定の情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部において読み取られた前記情報に基づいて、前記交換部材が純正品か非純正品かを判定する判定部と、
前記所定の情報を表示可能な表示部と、
前記判定部の判定に応じて、前記制御動作を決定する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を純正品と判定したとき、前記表示部に前記所定の情報を表示することを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、前記表示部に前記所定の情報を表示しないことを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の情報は社名であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定の情報は商標であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の情報は製品名であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を実施することを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を実施しないことを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を簡易モードで実施することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であり、
前記簡易モードによる動作は、画像濃度が基準濃度よりも高い場合には当該画像濃度を当該基準濃度よりも低くすることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であり、
前記簡易モードによる動作は、画像濃度が基準濃度よりも低い場合には当該画像濃度を当該基準濃度よりも高くすることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数の制御動作を行う画像形成装置において、
所定の情報を保持した記憶手段を有する着脱自在な交換部材と、
前記記憶手段から前記所定の情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部において読み取られた前記情報に基づいて、前記交換部材が純正品か非純正品かを判定する判定部と、
前記所定の情報を表示可能な表示部と、
前記判定部の判定に応じて、前記制御動作を決定する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を純正品と判定したとき、前記表示部に前記所定の情報を表示することを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、前記表示部に前記所定の情報を表示しないことを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の情報は社名であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定の情報は商標であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の情報は製品名であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を実施することを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御動作は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を実施しないことを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記判定部が前記交換部材を非純正品と判定したとき、印字品位を保つための動作を簡易モードで実施することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であり、
前記簡易モードによる動作は、画像濃度が基準濃度よりも高い場合には当該画像濃度を当該基準濃度よりも低くすることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記印字品位を保つための動作は画像濃度補正であり、
前記簡易モードによる動作は、画像濃度が基準濃度よりも低い場合には当該画像濃度を当該基準濃度よりも高くすることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−266588(P2010−266588A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116515(P2009−116515)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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