説明

画像形成装置

【課題】ユーザに各種機能の操作を確実に実行させるとともに、操作手順を容易に習得させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ガイド出力制御部92は、個人識別情報取得部2を介して取得したユーザの個人識別情報、および操作履歴記憶部6に記憶された各ユーザの過去の操作履歴を示す操作履歴情報に基づき、ユーザの操作により指定された機能に対するユーザの習熟度および使用頻度を判断し、その結果に基づき、表示/入力パネル31の動画表示部によるガイド動画、音声出力部4によるガイド音声、および入力キー制御部91による入力キー部32のガイド用点滅光の出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿等の画像を印刷用紙上に印刷出力する画像形成装置に係り、特に、ユーザの操作をガイドする機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ装置、プリンタ装置、あるいはそれらの複合装置等の画像形成装置において、ユーザが装置を初めて使用する際や、装置のある機能を初めて使用する際などに、適切な操作方法が分からず、操作を誤ったり、手順書で操作方法を調べたりして、目的の機能を実行するのに長時間を要することがある。
【0003】
また、複雑な操作を要する機能や、頻繁には使用しない機能では、ユーザがすぐには操作方法を習得することができず、その機能を使用しようとすると手順書を読む必要等が生じて煩雑なため、便利な機能が使用されないことがあった。
【0004】
そこで、装置が有する各種機能を実行する際のユーザの操作をガイドする機能に関する技術が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、音声ガイドに従ってタッチパネルにより装置を操作するユーザの操作速度を検出し、検出結果に基づいて、タッチパネルに表示する表示画面の切り替え速度や、表示文字の大きさ、色、明るさ等を制御することにより、ユーザに応じた操作性を提供する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、装置のユーザを個人認識し、装置に備えられている各種機能のガイダンス説明、あるいは各種操作のガイダンス説明の内容を、ユーザの装置への精通レベルに応じて選択的に表示設定することによって、装置の操作性を向上させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−77033号公報
【特許文献2】特開平6−75728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に記載の技術によれば、個々のユーザに対して装置の操作性を向上させることができるが、より適切な操作ガイドを行い、ユーザに各種機能の操作を確実に実行させるとともに、操作手順を容易に習得させることができるような技術が要望されていた。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、ユーザに各種機能の操作を確実に実行させるとともに、操作手順を容易に習得させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る画像形成装置は、ユーザ固有の個人識別情報を取得する個人識別情報取得部と、ユーザごとに本画像形成装置が有する各種機能の操作を行った日時を示す操作日時情報と、各種機能の各操作時において機能ごとに設定されている標準作業時間内に操作が終了したか否かを示す時間内成否情報と、各種機能の各操作時において操作ミスがあったか否かを示す操作ミス情報とを含む操作履歴情報を、前記個人識別情報と対応させて記憶する操作履歴記憶部と、ユーザ操作による機能の指定を受け付ける機能指定部と、前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするガイド手段と、前記個人識別情報取得部で取得した前記個人識別情報、および前記操作履歴情報に基づき、前記機能指定部で指定された機能に対するユーザの習熟度および使用頻度を判断し、その結果に基づき、前記ガイド手段を出力するか、あるいは出力を省略するように制御するガイド出力制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ガイド手段は、前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド動画を出力する動画表示部と、前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド音声を出力する音声出力部と、ユーザにより押圧操作される各種の操作キーと前記操作キーを内部から照明する光源とを有する入力キー部の前記光源を駆動制御して、前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの前記操作キーの操作をガイドするガイド用点滅光を出力させる入力キー制御部と、のうちの2つ以上からなり、前記ガイド出力制御部は、前記個人識別情報取得部で取得した前記個人識別情報、および前記操作履歴情報に基づき、前記機能指定部で指定された機能に対するユーザの習熟度および使用頻度を判断し、その結果に基づき、前記ガイド手段のうちの少なくとも1つを出力するか、あるいはすべての出力を省略するように制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部で指定された機能に対する前記時間内成否情報および前記操作ミス情報に基づいて前記習熟度が所定レベル以上であるか否かを判断し、前記習熟度が所定レベル未満である場合は、前記ガイド手段のすべてを出力させ、前記習熟度が所定レベル以上である場合は、前記使用頻度に基づき、前記ガイド手段のうちの少なくともいずれか1つを出力するか、あるいはすべての出力を省略するように制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記機能指定部は、操作のガイドが不要であることを指示可能とされ、前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部により操作のガイドが不要であることを指示された場合、前記ガイド手段のすべての出力を省略するように制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る画像形成装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部で指定された機能が、本画像形成装置における基本的な機能として予め定められた基本機能であり、かつ当該基本機能の操作を過去に所定回数以上行っている場合、前記ガイド手段のすべての出力を省略するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザに各種機能の操作を確実に実行させるとともに、操作手順を容易に習得させることができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の画像形成装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態に係る画像形成装置1は、個人識別情報取得部2と、操作パネル部3と、音声出力部4と、計時部5と、操作履歴記憶部6と、原稿読取部7と、印刷部8と、制御部9とを備える。
【0017】
個人識別情報取得部2は、ICカードリーダからなり、ユーザを識別するための個人識別情報であるユーザ固有のユーザIDが記憶されたICカードからユーザIDを取得する。
【0018】
操作パネル部3は、図2に示すように、表示/入力パネル31と、入力キー部32とを備える。
【0019】
表示/入力パネル31は、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネル(図示せず)と、このタッチパネルの裏面に配置された液晶表示パネル(図示せず)とを有している。ユーザは、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで入力操作を行うことができる。
【0020】
表示/入力パネル31は、画像形成装置1が有する各種機能をユーザに選択指定させるための機能ボタン33を表示し、ユーザ操作による機能の指定を受け付ける機能指定部として機能する。
【0021】
また、表示/入力パネル31は、ユーザ操作により指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド動画を出力する動画表示部34を有している。また、表示/入力パネル31は、操作のガイドが不要であることをユーザに指示させるための「ガイドなし」ボタン35を表示する。
【0022】
入力キー部32は、印刷枚数等を入力するためのテンキー36、印刷動作等を開始させるためのスタートキー37、印刷動作等を停止させるためのストップキー38等の、ユーザにより押圧操作される各種操作キーを備える。
【0023】
テンキー36、スタートキー37、ストップキー38等の操作キーは、透光性を有する樹脂等からなり、各操作キーには、入力機能を示す数字や文字等が印刷等によって記されている。そして、各操作キーの裏側には、発光ダイオード等からなる光源(図示せず)がそれぞれ配置され、ユーザの操作をガイドするためのガイド用点滅光を出力し、各操作キーを操作パネル部3の内部から透過照明するように構成されている。
【0024】
また、操作パネル部3は、操作の手順を文章で説明するためのメッセージを表示するメッセージ表示部39と、ユーザによるテンキー36の操作により入力された印刷枚数を表示する印刷枚数表示部40とを有している。
【0025】
音声出力部4は、スピーカ(図示せず)を有し、ユーザ操作により指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド音声を出力する。
【0026】
計時部5は、時刻を計時し、現在の日時を示す時刻情報を制御部9に出力する。
【0027】
操作履歴記憶部6は、各ユーザの過去の操作履歴を示す操作履歴情報を、各ユーザのユーザIDと対応させて記憶する。
【0028】
図3は、操作履歴情報の内容を示す図である。図3に示すように、操作履歴情報は、ユーザごとに画像形成装置1が有する各種機能の操作を開始した日時を示す操作日時情報と、各種機能の各操作時において機能ごとに設定されている標準作業時間内に操作が終了したか否かを示す時間内成否情報と、各種機能の各操作時において操作ミスがあったか否かを示す操作ミス情報とを含んでいる。図3は、ユーザIDが「101」のユーザの操作履歴情報を示しており、各ユーザについて同様の内容がユーザIDと対応させて操作履歴記憶部6に記憶されている。
【0029】
また、操作履歴情報は、各機能に対するガイド情報を含んでいる。本実施の形態では、後述するように、各機能に対するユーザの習熟度および使用頻度に基づいて、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光の3つのうちの1つ以上を組み合わせてユーザに操作ガイドを提供するが、ガイド情報は、各機能において、前回の操作時にガイド動画、ガイド音声、およびガイド用点滅光のうちのどれを組み合わせて操作ガイドを行ったかを示す情報である。また、ガイド情報には、その組み合わせを最初に用いた日時を示す情報も含まれている。
【0030】
図3に示す例では、機能Aに対しては操作キーのガイド用点滅光、機能Bに対してはガイド動画と操作キーのガイド用点滅光、機能Cに対してはガイド動画とガイド音声と操作キーのガイド用点滅光とによる操作ガイドを前回の操作時に行ったことを示している。
【0031】
原稿読取部7は、被複写物である原稿を光学的に読み取るものであり、原稿を載置するガラス台と、画像読み取り用の光学系(いずれも図示せず)とを備える。ガラス台の周囲には、発光ダイオード等からなる複数の光源(図示せず)が配列されている。なお、原稿読取部7には、原稿を自動的に読み取る自動原稿送り装置(図示せず)を設けてもよい。この自動原稿送り装置に原稿をセットするための原稿受け台(図示せず)には、発光ダイオード等からなる複数の光源(図示せず)が配列されている。
【0032】
印刷部8は、インクジェット方式等の印刷機構を有し、原稿読取部7で読み取った原稿の画像を印刷用紙に印刷する。
【0033】
制御部9は、各種の演算処理やデータの入出力等の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等からなり、図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶された制御プログラムに応じた処理を行うことによって、画像形成装置1全体の動作を制御するものである。
【0034】
また、制御部9は、表示/入力パネル31で指定された機能を実行するためにユーザが操作すべき入力キー部32の操作キーに対応する光源を駆動してユーザの操作をガイドするガイド用点滅光を出力させるようになっており、入力キー制御部91としての機能を有する。入力キー制御部91は、動画表示部34、音声出力部4とともにガイド手段を構成する。
【0035】
また、制御部9は、表示/入力パネル31の動画表示部34によるガイド動画、音声出力部4によるガイド音声、および入力キー制御部91によるガイド用点滅光の出力を制御するようになっており、ガイド出力制御部92としての機能を有する。
【0036】
また、画像形成装置1には、印刷済みの印刷用紙に対してステープル処理、穴あけ処理等のフィニッシング処理を行うフィニッシャ装置(図示せず)が接続されており、制御部9は、フィニッシャ装置の駆動を制御する。
【0037】
次に、画像形成装置1の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】
画像形成装置1を使用しようとするユーザが、自身に固有のユーザIDが記憶されたICカードを個人識別情報取得部2にセットすると、ステップS10において、個人識別情報取得部2は、ICカードからユーザIDを取得し、このユーザIDを制御部9に出力する。
【0039】
次いで、ステップS20において、制御部9は、各種機能の機能ボタン33を表示した画面を操作パネル部3の表示/入力パネル31に表示させる。この際、個人識別情報取得部2から受け取ったユーザIDに基づいて操作履歴記憶部6に記憶された操作履歴情報を参照し、当該ユーザの使用頻度が高い機能、例えば、過去に所定回数以上使用している機能に対応する機能ボタン33を、他の機能ボタン33と区別できるように異なる色で表示する。図2に示す例では、「片面コピー」、「両面コピー」、「AFコピー」、「ステープル右上」に対応する機能ボタン33が、使用頻度の高い機能として異なる色で表示されていることを示している。
【0040】
次に、ユーザが表示/入力パネル31により使用する機能を指定する操作を行うと、ステップS30において、制御部9は、ユーザにより指定された機能が応用機能であるか否かを判断する。
【0041】
ここで、応用機能とは、画像形成装置1における基本的な機能として予め定められた基本機能以外の機能である。基本機能としては、例えば、片面コピー、両面コピー等の、比較的簡単な操作で実行され、頻繁に使用される機能が挙げられる。応用機能としては、フィニッシャ装置を用いるステープル機能や穴あけ機能等が挙げられる。応用機能が指定された場合(ステップS30:YES)、ステップS40に進み、基本機能が指定された場合(ステップS30:NO)、ステップS50に進む。
【0042】
ステップS40では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報の時間内成否情報および操作ミス情報に基づいて、指定された機能に対するユーザの習熟度が所定レベル以上であるか否かを判断する。例えば、直近の3回の操作で連続して標準作業時間内に操作が終了し、かつ操作ミスがなかった場合、習熟度が所定レベル以上であると判断する。所定レベル以上である場合(ステップS40:YES)、ステップS60に進み、所定レベル未満である場合(ステップS40:NO)、ステップS80に進む。
【0043】
ステップS50では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報の操作日時情報を参照し、ユーザにより指定された機能を当該ユーザが過去に所定回数(例えば5回)以上使用したか否かを判断する。所定回数以上使用していない場合(ステップS50:NO)、ステップS80に進み、所定回数以上使用した場合(ステップS50:YES)、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のいずれによってもガイドを行わずにステップS90に進む。
【0044】
ステップS60では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報のガイド情報を参照し、指定された機能の前回の操作時において、ガイド動画とガイド音声と操作キーのガイド用点滅光との3つによるガイドを行ったか否かを判断する。上記3つによるガイドを行った場合(ステップS60:YES)、ステップS70に進み、上記3つによるガイドを行わなかった場合(ステップS60:NO)、ステップS110に進む。
【0045】
ステップS70では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報の操作日時情報を参照し、指定された機能の使用頻度が所定レベル以上であるか否かを判断する。例えば、指定された機能を、直前の第1の所定期間(例えば1ヶ月間)内に所定回数(例えば10回)以上使用した場合、使用頻度が所定レベル以上であると判断する。使用頻度が所定レベル未満である場合(ステップS70:NO)、ステップS80に進み、使用頻度が所定レベル以上である場合(ステップS70:YES)、ステップS100に進む。
【0046】
ステップS80では、ガイド出力制御部92は、表示/入力パネル31の動画表示部34にガイド動画を出力させ、音声出力部4にガイド音声を出力させ、入力キー制御部91によりガイド用点滅光を出力させることにより、ユーザの操作をガイドする。
【0047】
ここで、ガイド動画とガイド音声と操作キーのガイド用点滅光とを用いたガイドの手順の一例として、片面コピー機能がユーザに指定された場合について、図5〜図7を参照して説明する。
【0048】
片面コピー機能が指定されると、ガイド出力制御部92は、図5に示すように、片面コピーの機能ボタン33の色を変えて表示させ、原稿をセットする動作を示す動画を動画表示部34に表示させる。これと同期して、「原稿をセットしてください」という音声を音声出力部4に出力させ、音声と同様のメッセージをメッセージ表示部39に表示させる。また、この際、原稿のセット位置をユーザに知らせるために、ガイド出力制御部92は、原稿読取部7のガラス台の周囲に配列された光源を点滅させる。自動原稿送り装置を用いる場合は、自動原稿送り装置の原稿受け台に設けられた光源を点滅させる。
【0049】
ユーザにより原稿がセットされると、ガイド出力制御部92は、図6に示すように、印刷枚数をテンキー36により入力する動作を示す動画を動画表示部34に表示させるとともに、入力キー制御部91によりテンキー36の光源を点滅させ、「印刷枚数を入力してください」という音声を音声出力部4に出力させ、音声と同様のメッセージをメッセージ表示部39に表示させる。
【0050】
ユーザにより印刷枚数が入力されると、ガイド出力制御部92は、図7に示すように、入力された印刷枚数を印刷枚数表示部40に表示させる。そして、ガイド出力制御部92は、印刷を開始させるためにスタートキー37を押下する動作を示す動画を動画表示部34に表示させるとともに、入力キー制御部91によりスタートキー37の光源を点滅させ、「スタートキーを押してください」という音声を音声出力部4に出力させ、音声と同様のメッセージをメッセージ表示部39に表示させる。
【0051】
ガイドに従ってユーザによる一連の操作が行われると、ステップS90において、制御部9は、指定された機能を実行するように各部を制御する。上記片面コピーの例では、ユーザによりスタートキー37が押下されると、制御部9は、原稿読取部7により原稿の画像を読み取らせ、この読み取った画像を印刷部8により印刷用紙に印刷させる。
【0052】
ステップS100では、ガイド出力制御部92は、表示/入力パネル31の動画表示部34にガイド動画を出力させ、入力キー制御部91によりガイド用点滅光を出力させることにより、ユーザの操作をガイドする。音声出力部4によるガイド音声の出力は取りやめる。その後、ステップS90に進み、指定された機能が実行される。
【0053】
ステップS110では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報のガイド情報を参照し、指定された機能の前回の操作時において、ガイド動画と操作キーのガイド用点滅光との2つによるガイドを行ったか否かを判断する。上記2つによるガイドを行った場合(ステップS110:YES)、ステップS120に進み、上記2つによるガイドを行わなかった場合(ステップS110:NO)、ステップS140に進む。
【0054】
ステップS120では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報の操作日時情報およびガイド情報を参照し、ガイド音声の出力を取りやめてガイド動画と操作キーのガイド用点滅光とによるガイドを行うようになった時点以降において、指定された機能の使用頻度が所定レベル以上であるか否かを判断する。
【0055】
例えば、指定された機能を、ガイド音声の出力を取りやめるようになった時点以降において、直前の第2の所定期間(例えば2週間)内に所定回数(例えば10回)以上使用した場合、使用頻度が所定レベル以上であると判断する。使用頻度が所定レベル未満である場合(ステップS120:NO)、ステップS100に進み、使用頻度が所定レベル以上である場合(ステップS120:YES)、ステップS130に進む。
【0056】
ステップS130では、ガイド出力制御部92は、入力キー制御部91によりガイド用点滅光を出力させることにより、ユーザの操作をガイドする。動画表示部34によるガイド動画の出力、および音声出力部4によるガイド音声の出力は行わない。その後、ステップS90に進み、指定された機能が実行される。
【0057】
ステップS140では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報のガイド情報を参照し、指定された機能の前回の操作時において、ガイド用点滅光のみによるガイドを行ったか否かを判断する。ガイド用点滅光のみによるガイドを行った場合(ステップS140:YES)、ステップS150に進み、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のいずれによってもガイドを行わなかった場合(ステップS140:NO)、今回もガイドを行わずにステップS90に進み、指定された機能が実行される。
【0058】
ステップS150では、ガイド出力制御部92は、操作履歴情報の操作日時情報およびガイド情報を参照し、ガイド音声に続いてガイド動画の出力を取りやめて操作キーのガイド用点滅光のみによるガイドを行うようになった時点以降において、指定された機能の使用頻度が所定レベル以上であるか否かを判断する。
【0059】
例えば、指定された機能を、ガイド音声に続いてガイド動画の出力を取りやめるようになった時点以降において、直前の第2の所定期間(例えば2週間)内に所定回数(例えば10回)以上使用した場合、使用頻度が所定レベル以上であると判断する。使用頻度が所定レベル未満である場合(ステップS150:NO)、ステップS130に進み、使用頻度が所定レベル以上である場合(ステップS150:YES)、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のいずれによってもガイドを行わずにステップS90に進み、指定された機能が実行される。
【0060】
上記のような処理により、画像形成装置1では、応用機能の場合、その機能に対するユーザの習熟度が所定レベル未満である場合は、ガイド動画、ガイド音声、およびガイド用点滅光のすべてによりガイドを行い、習熟度が所定レベル以上である場合、その機能の使用頻度に基づいて段階的にガイド音声、ガイド動画、ガイド用点滅光の出力を省略していく。基本機能の場合は、最初の所定回数(例えば5回)の使用までは、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のすべてを用いてガイドを行い、それ以降は、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のいずれによってもガイドを行わない。
【0061】
なお、ユーザによる機能の指定後、「ガイドなし」ボタン35が操作された場合、ガイド出力制御部92は、習熟度等にかかわらず、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光のすべての出力を取りやめるように制御する。
【0062】
上述のステップS80,S100,S130におけるガイドに従ったユーザの操作時において、制御部9は、操作開始時の時刻情報を計時部5から取得し、取得した時刻情報を操作日時情報として操作履歴記憶部6の操作履歴情報に追加して記憶する。
【0063】
また、制御部9は、ユーザの操作時において、機能ごとに予め設定されている標準作業時間内に一連の操作が終了したか否かを判断し、その結果を時間内成否情報として操作履歴情報に追加するとともに、一連の操作中に誤った操作キーを押下する等の操作ミスがあったか否かを判断し、その結果を操作ミス情報として操作履歴情報に追加して記憶する。
【0064】
また、制御部9は、今回の操作において、ガイド動画、ガイド音声、および操作キーのガイド用点滅光の3つのうちのどれを組み合わせてガイドに用いたかをガイド情報として操作履歴情報に記憶する。また、このガイド手段の組み合わせを前回の操作時から変更した場合は、今回の操作日時を、そのガイド手段の組み合わせを最初に用いた日時を示す情報として記憶する。以上のようにして、操作履歴情報が更新され、次回の画像形成装置1の操作時に参照される。
【0065】
上記説明のように本実施の形態によれば、ユーザの操作履歴情報を記憶し、この操作履歴情報から判断されるユーザの機能に対する習熟度および使用頻度に基づき、段階的にガイド音声、ガイド動画、ガイド用点滅光の出力を省略していくので、ユーザに適切な操作ガイドを行い、各種機能の操作を確実に実行させるとともに、操作手順を容易に習得させることができる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、ガイド動画、ガイド音声、およびガイド用点滅光の3つを用いたガイドから、ユーザの使用頻度が進むにつれて、ガイド音声、ガイド動画、ガイド用点滅光の順で省略していく例を示したが、省略する順番は上記の例に限らない。
【0067】
また、上記実施の形態では、ガイド手段として、動画表示部34と音声出力部4と入力キー制御部91とを有する場合を示したが、このうちの1つを省略してもよい。例えば音声出力部4を省略した場合、画像形成装置1では、応用機能が指定されたとき、その機能に対するユーザの習熟度が所定レベル未満である場合は、ガイド動画およびガイド用点滅光によりガイドを行い、習熟度が所定レベル以上である場合、その機能の使用頻度に基づいて段階的にガイド動画、ガイド用点滅光の出力を省略していく。基本機能が指定されたときは、最初の所定回数の使用までは、ガイド動画および操作キーのガイド用点滅光を用いてガイドを行い、それ以降は、ガイド動画および操作キーのガイド用点滅光のいずれによってもガイドを行わない。
【0068】
また、個人識別情報取得部2はICカードリーダに限らず、ユーザを識別するための情報を取得する機能を有する他の構成に置き換えてもよい。例えば、個人識別情報取得部2として指紋認証システムを用い、個人識別情報として指紋認証システムで取得した指紋情報を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の操作パネル部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作履歴記憶部に記憶される操作履歴情報の内容を示す図である。
【図4】図1に示す画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】操作ガイド時における操作パネル部の状態を示す図である。
【図6】操作ガイド時における操作パネル部の状態を示す図である。
【図7】操作ガイド時における操作パネル部の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 個人識別情報取得部
3 操作パネル部
4 音声出力部
5 計時部
6 操作履歴記憶部
7 原稿読取部
8 印刷部
9 制御部
31 表示/入力パネル
32 入力キー部
34 動画表示部
91 入力キー制御部
92 ガイド出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ固有の個人識別情報を取得する個人識別情報取得部と、
ユーザごとに本画像形成装置が有する各種機能の操作を行った日時を示す操作日時情報と、各種機能の各操作時において機能ごとに設定されている標準作業時間内に操作が終了したか否かを示す時間内成否情報と、各種機能の各操作時において操作ミスがあったか否かを示す操作ミス情報とを含む操作履歴情報を、前記個人識別情報と対応させて記憶する操作履歴記憶部と、
ユーザ操作による機能の指定を受け付ける機能指定部と、
前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするガイド手段と、
前記個人識別情報取得部で取得した前記個人識別情報、および前記操作履歴情報に基づき、前記機能指定部で指定された機能に対するユーザの習熟度および使用頻度を判断し、その結果に基づき、前記ガイド手段を出力するか、あるいは出力を省略するように制御するガイド出力制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド手段は、
前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド動画を出力する動画表示部と、
前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの操作をガイドするためのガイド音声を出力する音声出力部と、
ユーザにより押圧操作される各種の操作キーと前記操作キーを内部から照明する光源とを有する入力キー部の前記光源を駆動制御して、前記機能指定部で指定された機能を実行するためのユーザの前記操作キーの操作をガイドするガイド用点滅光を出力させる入力キー制御部と、
のうちの2つ以上からなり、
前記ガイド出力制御部は、前記個人識別情報取得部で取得した前記個人識別情報、および前記操作履歴情報に基づき、前記機能指定部で指定された機能に対するユーザの習熟度および使用頻度を判断し、その結果に基づき、前記ガイド手段のうちの少なくとも1つを出力するか、あるいはすべての出力を省略するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部で指定された機能に対する前記時間内成否情報および前記操作ミス情報に基づいて前記習熟度が所定レベル以上であるか否かを判断し、前記習熟度が所定レベル未満である場合は、前記ガイド手段のすべてを出力させ、前記習熟度が所定レベル以上である場合は、前記使用頻度に基づき、前記ガイド手段のうちの少なくともいずれか1つを出力するか、あるいはすべての出力を省略するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記機能指定部は、操作のガイドが不要であることを指示可能とされ、
前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部により操作のガイドが不要であることを指示された場合、前記ガイド手段のすべての出力を省略するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド出力制御部は、前記機能指定部で指定された機能が、本画像形成装置における基本的な機能として予め定められた基本機能であり、かつ当該基本機能の操作を過去に所定回数以上行っている場合、前記ガイド手段のすべての出力を省略するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−78717(P2010−78717A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244831(P2008−244831)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】