画像形成装置
【課題】インクミストによるリニアエンコーダシートの汚染を防ぐ。
【解決手段】空間容器11の内部にはキャリッジ1、キャリッジ1の位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7が少なくとも内部に配置されている。そして、空間容器内の圧力が少なくとも負圧状態にならないように、空間容器11の内圧を調整する内圧調整手段であるファン14−1、14−2が空間容器11の外装部材に設けられている。
【解決手段】空間容器11の内部にはキャリッジ1、キャリッジ1の位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7が少なくとも内部に配置されている。そして、空間容器内の圧力が少なくとも負圧状態にならないように、空間容器11の内圧を調整する内圧調整手段であるファン14−1、14−2が空間容器11の外装部材に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。シリアル方式のインクジェット記録装置は、印字ヘッドを用紙の搬送方向(以下副走査方向と称す)と直交する方向(以下主走査方向と称す)に走査しながら、印字ヘッドのノズルからインクを用紙上に吐出することで印字を行う記録装置である。このようなシリアル式のインクジェット記録装置では、印刷媒体に対して正確な印字を行うため上記印字ヘッドを搭載するキャリッジの位置や移動量を検出する検出機構が必要である。この検出機構には一般的にリニアエンコーダシートを用いた機構が知られている。以下、リニアエンコーダシートを用いた検出機構を有する従来のシリアル方式のインクジェット記録装置の構成について図面を用いて説明する。
【0003】
図15は従来のシリアル式のインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。同図において、キャリッジ1にはインクを吐出する複数の印字ヘッド2が搭載されている。また、キャリッジ1には無端状のタイミングベルト4が取り付けられ、このタイミングベルト4がモータ3によって回転駆動されることによってキャリッジ1はガイドロッド5に沿って主走査方向に移動する。その際に、キャリッジ1に設けられたエンコーダセンサ7は、キャリッジ1の主走査方向の少なくとも走査範囲に設置されたリニアエンコーダシート6のカウントを読み取ることによってキャリッジ1の走査位置を検知することができる。そして、用紙8が搬送機構9によって副走査方向に一定距離搬送される毎にキャリッジ1が走査されながら印字ヘッド2からインクを吐出して用紙8上に画像を形成する。以上のように、リニアエンコーダシート6は、上記エンコーダセンサ7が読み取り可能であるキャリッジ1の近傍に設けられている。また、リニアエンコーダシート6はキャリッジ1の走査範囲上に沿って剥き出しになって設けられている。
【0004】
上述したように、シリアル式のインクジェット記録装置では、印字ヘッドのノズルからのインク滴の吐出に伴って発生するインクミストと呼ばれる霧状の微小なインク滴が発生する。このインクミストは全てが用紙に着弾するわけではなく、キャリッジの走査等によって起こる気流や静電引力等によって、装置の各部に付着して装置を汚してしまう。特に、長期間使用していると、インクミストが剥き出しているリニアエンコーダシートの表面に付着し汚染してしまうため、エンコーダセンサがリニアエンコーダシートのカウンタを読み取りできず検出不良を起こすという問題があった。そのキャリッジ位置の検知不良は画像に影響するだけでなく、キャリッジが制御できなくなり、高速で稼動するキャリッジが衝突して内部の機械が破損してしまい、信頼性や耐久性に影響が出る場合もある。
【0005】
これらの問題を解決するための提案が従来よりいくつかなされている。その一つである特許文献1には、リニアエンコーダシートにインクミストが付着することを防ぐ目的で、リニアエンコーダシート及びエンコーダセンサを筒状の容器内に配置している。なお、エンコーダセンサの部位にはマグネットが設けられ、エンコーダセンサ側のキャリッジの側面にもマグネットが設けられている。2つのマグネットが筒状の容器の部材を介して磁気的に結合することで、キャリッジの移動に伴ってエンコーダセンサが移動するようにしてキャリッジの位置を検出している。
【0006】
また、特許文献2のインクジェット記録装置には、キャリッジの移動範囲に設置されて装置内の複数の吸気口と、該各吸気口を開閉する複数の弁と、該吸気口にインクミストを導く気流を発生させるファンとが設けられている。そして、ファンを駆動しかつ弁によって吸気口が開くことで、ファンと吸気口の間に気流が発生する。発生したインクミストは、当該気流に導かれて回収されることになる。よって、リニアエンコーダシートにインクミストが付着するのを防いでいる。
【0007】
更に、特許文献3には、送風手段による空気がリニアエンコーダシートの設置領域から印字ヘッドが搭載されたキャリッジへ流れ、印字ヘッドからのインクミストがリニアエンコーダシートへ流れることを防ぐ技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1はキャリッジとエンコーダセンサがそれぞれ分離されて配置されている構成を有しているので、図15に示すような、キャリッジにエンコーダセンサを搭載する一般的な構成には使用できず、汎用性が悪い。また、上述のように、エンコーダセンサとキャリッジはそれぞれに設けられたマグネットによる磁気的に結合されているため、上記各マグネットの磁力が低下した場合エンコーダセンサとキャリッジの間の位置ずれが生じ、その結果正確なキャリッジの位置検出が難しくなるという問題もあった。また、上記特許文献2によれば、リニアエンコーダシートがファンによる気流の流れの近傍にあるため、インクミスト回収の際にもリニアエンコーダシートにインクミストが付着してしまう場合があり、リニアエンコーダシートの汚染という問題は解消できていない。更に、上記特許文献3によれば、送風手段による気流がリニアエンコーダシートの設置領域からキャリッジ側へ流れるために、送風手段の気流が直接リニアエンコーダシートに外力を与えることになる。この外力でリニアエンコーダシートに歪み等が生じ、正確なキャリッジの位置検出が難しくなるという課題があった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、正確なキャリッジの位置検出ができ、かつリニアエンコーダシートへのインクミストの付着を低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、記録媒体に画像を形成するためのインクノズルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に走査するキャリッジと、該キャリッジの位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシートと、上記キャリッジに取り付けられ、該リニアエンコーダシートの上記カウンタを光学的に読み取りキャリッジの位置を検出するエンコーダセンサとを具備する画像形成装置において、少なくとも、上記キャリッジ、上記リニアエンコーダシート及びエンコーダセンサが内部に配置されている空間容器と、該空間容器の内部が少なくとも負圧にならないように上記空間容器内の内圧を調整する内圧調整手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記空間容器を構成する部材の一部には、上記印字ヘッドのインクノズルから吐出されたインクが通過する領域及び上記キャリッジの走査領域に相当する開口部が設けられていることを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段が、上記空間容器内に空気を供給するファンであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、上記キャリッジの走査に伴って上記空間容器の上記開口部のうち上記キャリッジの走査領域の上記開口部を遮蔽可能な遮蔽部材を有することを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、上記遮蔽部材は伸縮可能な蛇腹状の部材であることを特徴するものである。
また、請求項6の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、上記遮蔽部材は回転可能なシート状の部材であることを特徴するものである。
更に、請求項7の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段が上記キャリッジが走査する方向の上記空間容器の側面筺体のそれぞれに設けられ、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられた上記内圧調整手段を駆動することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1又は7に記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段を印字動作終了後の一定時間駆動することを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記空間容器に開閉カバーを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、上記開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、正確なキャリッジの位置検出ができ、かつインクミストによるリニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における空間容器内の内圧の様子を示す概略断面図である。
【図3】ファンの動作制御フローを示すフローチャートである。
【図4】ファンの別の動作制御フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図7】本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図9】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図10】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図11】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図12】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図14】本発明の画像形成装置の組立工程を示す平面図である。
【図15】従来のシリアル式のインクジェットプリンタの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において、「液体吐出方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0014】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は側面図である。同図において、図18と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、空間容器11の内部には、印字ヘッド2を搭載するキャリッジ1、ガイドロッド5、リニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7を有するキャリッジユニットが配置されている。また、上記空間容器11には印字ヘッド2の通過領域のみ開口部12が設けられている。この開口部12の大きさは、少なくとも、用紙の印字範囲の大きさ、かつ印字ヘッド2の維持を保護する維持回復部13の上面の大きさとなる。また、空間容器11の上部には、外部の空気を空間容器11内に取り込むためのファン14−1、14−2が設けられている。このファン14−1、14−2が外部の空気を取り込んで、空間容器11の内圧がすくなくとも負圧状態にならないように、空間容器11の内圧を調整している。
【0015】
なお、空間容器11には印字ヘッド2の通過領域のみ開口部が設けられ、他の箇所に大きな圧力を逃がすような開口部は設けられていない。圧力の逃げに相当しないような比較的小さい開口部、例えばガイド軸やリニアエンコーダシートの取り付けに必要な穴等はあっても良い。もしくは圧力を逃がすためではなく、圧力を高めるためのファンのように、空気を取り込むための部位には多少の開口部を設けられていても良い。また、空間容器11を独立した構成としているが、空間容器11はキャリッジユニットが密閉されていれば、外装の一部やフレーム部材の一部を利用した構造でも良い。更に、図1に示すようにファン14−1、14−2を空間容器11の上面部材に取り付けているが、側面部材に取り付けても良い。
【0016】
このような構成を有する第1の実施の形態によれば、上記キャリッジユニットを空間容器11内に入れて、更にファン14−1、14−2によって空気を取り入れることで空間容器11の内圧は外部よりも高くなる。そのため一部の開口部があっても印字ヘッド2から発生したインクミストは空間容器11内に入らなくなる。よって、空間容器内に配置されたリニアエンコーダシートへの汚染を防ぐことができる。また、空間容器11内の空間であれば、インクミストの汚染を防止できるため、エンコーダシートの位置など従来機と同様の部品レイアウトが可能となる。更に、気流でインクミストを吹き飛ばすのではなく、密閉空間内の圧力差を設けるだけのため、ファンの数や力は気流を用いたときよりも小さくてすみ、気流をリニアエンコーダシートへ直接当てる必要もない。
【0017】
ここで、第1の実施の形態において、空気を送り込むファンの動作について概説する。図2は第1の実施の形態における空間容器内の内圧の様子を示す概略断面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図2に示すように、インクジェットプリンタのキャリッジ1は高速で主走査方向に動いているため、キャリッジ1が主走査方向に動くとキャリッジ1の後方、例えば図中の領域bにおける空間の内圧は下がる。よって、矢印Aで示すようにインクミストを舞い上がらせ、エンコーダシートにインクミストが開口部から空間容器11内に入り込んで付着しやすい状態になる。そこで、このような時には、図2に示すように、キャリッジ1が動く後方に位置するファン12−1を駆動させて、空気を取り込んで図中の領域bにおける空間の内圧の低下を抑え、インクミストが空間容器11内に入り込むことを防止できる。なお、キャリッジの動作の変化点(動作の反転の地点)や空間の端で気流の巻き上がりが発生しやすいので、ファンはキャリッジが動作する端にあった方が良い。そのため、ファンを空間容器11の両側面に取り付けることも有効である。
【0018】
次に、第1の実施の形態におけるファンの動作の一例について図1及びファンの動作制御フローチャートである図3に従って概説する。
先ず、図1のリニアエンコーダシート6とエンコーダセンサ7によりキャリッジ1の位置と移動方向は常に検知されている。そして、ファン14の位置を規定しておき、キャリッジ1の走査上の位置がファン14の近傍か否かを判定する(ステップS101)。判定した結果、キャリッジ1の走査上の位置がファン14の近傍であれば当該ファン14をオンにする(ステップS101;YES、ステップS102)。そして、次のキャリッジ1の移動があるか否かを判定し、なければ処理を終了し(ステップS103;NO)、次のキャリッジ1の移動があればステップS101に戻る(ステップS103;YES)。一方、ステップS101での判定結果、キャリッジ1の位置がファン14の近傍でなければ、キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向か離れる方向かを検知する(ステップS101;NO、ステップS104)。キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向でない場合は該当するファン14をオンにする(ステップS104;NO、ステップS102)。キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向である場合は該当するファン14をオフにする(ステップS104;YES、ステップS105)。このような動作を行うことにより、空間容器11内においてキャリッジ1の移動による負圧状態を解除でき、インクミストの侵入を防ぐことができる。また、常に複数のファンを動作させる必要がないため、より効率的にファンを動作させることができる。
【0019】
また、インクミストは印字動作が終了してキャリッジ1の動作が止まった後も画像形成装置内に漂って存在することが知られている。そのためキャリッジの動きが止まっても、つまり印字の動作が終わった後も、図4に示す別の動作フローのステップS207に示すように、ファン14を停止せずに一定時間駆動し続ける。これにより、画像形成装置内に漂って存在するインクミストが空間容器11内に入らないようにする。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は透視正面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、キャリッジ1の各側面と空間容器11の各側面をつなぐように、蛇腹状に形成された可撓性の遮蔽部材21が空間容器11の開口部12の上方に取り付けられている。キャリッジ1の各側面に遮蔽部材21の一方の端部がそれぞれ取り付けられ、遮蔽部材21の他方の端部がそれぞれ空間容器11の内側の側面部材に取り付けられている。この遮蔽部材21はキャリッジ1の主走査方向の移動に合わせて伸縮することが可能となっている。そのため、キャリッジ1が移動しても空間容器11の開口部12を常に覆うことができ、当該開口部からの空間容器11内へインクミストの侵入を防ぐことができる。また、既存の装置にも取り付けられ、汎用性に富む。なお、遮蔽部材21は蛇腹状をなしているが、伸縮性の高いゴム材のようなものでも良い。
【0021】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の別の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は透視正面図である。同図において、図5と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、キャリッジ1の各側面に、回転動作可能なシート状の遮蔽部材31の端部がそれぞれ取り付けられている。また、シート状の遮蔽部材31は、空間容器11の内側の側面部材に各側面に2本ずつ回動可能に設けられたコロ32を経由して、キャリッジ1の上方を通るように副走査方向からみてリング状に取り付けられている。シート状の遮蔽部材31はキャリッジ1の主走査方向の移動に伴って回転運動することが可能である。そのため、キャリッジ1が移動しても空間容器11の開口部12を常に覆うことができ、当該開口部からの空間容器11内へインクミストの侵入を防ぐことができる。
【0022】
図7は本発明の画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は装置全体の斜視図であり、同図の(b)は開閉カバーを開けたときの透視斜視図である。同図に示す本実施の形態の画像形成装置は、空間容器11に開閉カバー41を設けたものである。シリアル式のインクジェットプリンタとして、キャリッジ1が印字範囲を走査するため、折れ曲がった用紙が搬送されたときなどにおいてジャムが発生してしまう場合がある。また、キャリッジ1に搭載された印字ヘッドやインクカートリッジの交換等で、キャリッジ1には用意にアクセス可能にできる構成が望ましい。そこで、図7の(b)に示すように、空間容器11自体に設けられた開閉カバー41を開けて交換操作等が簡単に行うことができる。
【0023】
なお、図8に示すように外装カバー51にはファンの経路をふさがずに外気を取り込むようにできる通風孔52があった方が望ましい。また、図9に示すように、外装カバー51を有する装置内部には7に示した開閉カバー41が設けられた空間容器11が配置されてもよい。更に、図10に示すように、空間容器11の天面にはメンテナンス用の開口部61が設けられ、この開口部61を塞ぐためのカバーを装置本体の筐体カバー62で代用している。そして、図10の(c)に示すように、筐体カバー62が閉じた際には、筐体カバー62の裏面に設けられている弾性部材63によって開口部61が塞がれ、空間容器11内の密閉状態を確保できる。この構成により、空間容器11自体に開閉カバーを設けなくてもよくなり、部品点数が減る。
【0024】
次に、本発明の画像形成装置の組立工程を図面に従って説明する。
図11〜図13は本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。先ず、図11に示すように、装置本体ベース部71に搬送ユニット9を取り付け、搬送機構9の上から、2分割したキャリッジユニットを覆う主走査ユニットケース下部材72をネジで取り付ける。主走査ユニットケース下部材72には、印字ヘッドの可動範囲に開口部12が設けられている。図12の(a)に示すように、フレーム部材73を取り付ける。なお、このフレーム部材73の取り付けは搬送機構9を装着する前でも良い。そして、図12の(b)に示すように、キャリッジユニットを左右のフレーム部材73に取り付ける。次に、図13に示すように、主走査ユニットケース上部材74を取り付ける。
【0025】
この組立工程では、搬送機構とキャリッジユニットとの距離が重要であるため、搬送機構に対するキャリッジユニットの位置を調整可能になるように組む工夫がされている。本発明である主走査ユニットケースは従来の方式をなるべく変えないように、組立の自由度を持った形で取り付けるものとする。そのために、主走査ユニットケースを2分割し、先ず主走査ユニットケース下部材72を搬送機構に固定するようにし、さらに主走査ユニットケース上部材74にはキャリッジユニットとフレーム部材73との接続部には逃げ部を設けておく。そして、キャリッジの位置が決まった後で、主走査ユニットケース上部材74を組むことができるようにしてある。主走査ユニットケースとキャリッジの位置が別々に決まっているため、キャリッジの位置はフレーム部材73の取り付け位置の調整が可能となっている。ここで、主走査ユニットケースを後から組み付けできるように逃げ部を設けた分、密閉空間が開口してしまうため、本例では左右のフレーム部材73に主走査ユニットケースが密着するようにしてある。これにより、上記のような逃げ部を設けてもフレーム部材73で覆われるため、密閉状態には問題ない。
【0026】
更に、キャリッジには印字ヘッドを制御するためのハーネスやインクチューブが、本体から出されて接続される場合がある。図14に示すように、キャリッジ1のインクヘッドに接続されたインクチューブ81、そしてキャリッジ1の印字ヘッド2に接続されたハーネス82は、フレーム部材73の後方からフレーム部73の外に配線されて制御基板(図示せず)やインク供給ユニット(図示せず)に接続されている。主走査ユニットケースを背面や左右側面のフレーム部材73に密着するように構成することで、開口部12はフレーム部材によって覆われている。そのため、インクミストの存在する用紙搬送部と主走査ユニットケース内とを切り離したまま、インクチューブ81やハーネス82をキャリッジ1に接続することができる。
【0027】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、図1に示すように、空間容器の内部には、少なくとも、キャリッジ1、リニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7が配置されている。また、キャリッジ1の走査によって空間容器内に負圧になる領域が発生し、その負圧に伴いインクミストが空間容器内に侵入してしまう。そこで、空間容器11内の内圧を調整する内圧調整手段であるファン14−1、14−2を上記空間容器11を形成する外装部材の一部に設けている。この内圧調整手段であるファン14−1、14−2は、空間容器11の内圧が少なくとも負圧状態にならないように上記空間容器内に空気を強制的に送り込む。よって、上記空間容器の内部は常に少なくとも負圧状態とならないので、インクミストが空間容器内に侵入せず、インクミストによるリニアエンコーダシート6の汚染を防ぐことができる。また、本実施の形態の構成によれば、走査されるキャリッジ1に搭載されたエンコーダセンサ7はリニアエンコーダシート6の近傍に沿って移動するため、正確なキャリッジの位置検出が可能である。
【0028】
また、第2の実施の形態によれば、空間容器に設けられた開口部12のうち少なくともキャリッジ1の走査に伴って可変するキャリッジの走査領域の開口部に、図5の伸縮可能な蛇腹状の遮蔽部材21や、図6の回転可能なシート状の遮蔽可能な遮蔽部材31が設けられている。よって、キャリッジ1が走査しても開口部は遮蔽状態となっており、インクミストの侵入を防ぐことができ、リニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【0029】
更に、図2に示すように、走査する上記キャリッジの後方の空間容器内における領域が負圧状態になってその負圧状態となった領域にインクミストが侵入してくる。そこで、内圧調整手段であるファン14−1、14−2を上記空間容器11の側面筺体のそれぞれに設け、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられたファンを駆動して空気を取り込んで負圧状態を解除している。よって、キャリッジの走査による空間容器内が負圧状態となることを防ぐことができ、インクミストの侵入を防ぐことができ、リニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【0030】
また、印字動作終了後も装置内ではインクミストが浮遊しているので、内圧調整手段であるファンは印字動作終了後の一定時間駆動させておき、印字動作後浮遊しているインクミストの空間容器内への侵入を防いでいる。
【0031】
更に、印字ヘッドやインクヘッドの交換等のメンテナンスのために空間容器に開閉カバーを設けることが好ましい。また、この開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられて、部品手数を削減することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換、応用が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 キャリッジ
2 印字ヘッド
3 モータ
4 タイミングベルト
5 ガイドロッド
6 リニアエンコーダシート
7 エンコーダセンサ
8 用紙
9 搬送機構
11 空間容器
12 開口部
13 維持回復部
14−1、14−2 ファン
21、31 遮蔽部材
32 コロ
41 開閉カバー
51 外装カバー
61 開口部
62 筐体カバー
63 弾性部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2007−326257号公報
【特許文献2】特開2008−260154号公報
【特許文献3】特開2001−191604号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。シリアル方式のインクジェット記録装置は、印字ヘッドを用紙の搬送方向(以下副走査方向と称す)と直交する方向(以下主走査方向と称す)に走査しながら、印字ヘッドのノズルからインクを用紙上に吐出することで印字を行う記録装置である。このようなシリアル式のインクジェット記録装置では、印刷媒体に対して正確な印字を行うため上記印字ヘッドを搭載するキャリッジの位置や移動量を検出する検出機構が必要である。この検出機構には一般的にリニアエンコーダシートを用いた機構が知られている。以下、リニアエンコーダシートを用いた検出機構を有する従来のシリアル方式のインクジェット記録装置の構成について図面を用いて説明する。
【0003】
図15は従来のシリアル式のインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。同図において、キャリッジ1にはインクを吐出する複数の印字ヘッド2が搭載されている。また、キャリッジ1には無端状のタイミングベルト4が取り付けられ、このタイミングベルト4がモータ3によって回転駆動されることによってキャリッジ1はガイドロッド5に沿って主走査方向に移動する。その際に、キャリッジ1に設けられたエンコーダセンサ7は、キャリッジ1の主走査方向の少なくとも走査範囲に設置されたリニアエンコーダシート6のカウントを読み取ることによってキャリッジ1の走査位置を検知することができる。そして、用紙8が搬送機構9によって副走査方向に一定距離搬送される毎にキャリッジ1が走査されながら印字ヘッド2からインクを吐出して用紙8上に画像を形成する。以上のように、リニアエンコーダシート6は、上記エンコーダセンサ7が読み取り可能であるキャリッジ1の近傍に設けられている。また、リニアエンコーダシート6はキャリッジ1の走査範囲上に沿って剥き出しになって設けられている。
【0004】
上述したように、シリアル式のインクジェット記録装置では、印字ヘッドのノズルからのインク滴の吐出に伴って発生するインクミストと呼ばれる霧状の微小なインク滴が発生する。このインクミストは全てが用紙に着弾するわけではなく、キャリッジの走査等によって起こる気流や静電引力等によって、装置の各部に付着して装置を汚してしまう。特に、長期間使用していると、インクミストが剥き出しているリニアエンコーダシートの表面に付着し汚染してしまうため、エンコーダセンサがリニアエンコーダシートのカウンタを読み取りできず検出不良を起こすという問題があった。そのキャリッジ位置の検知不良は画像に影響するだけでなく、キャリッジが制御できなくなり、高速で稼動するキャリッジが衝突して内部の機械が破損してしまい、信頼性や耐久性に影響が出る場合もある。
【0005】
これらの問題を解決するための提案が従来よりいくつかなされている。その一つである特許文献1には、リニアエンコーダシートにインクミストが付着することを防ぐ目的で、リニアエンコーダシート及びエンコーダセンサを筒状の容器内に配置している。なお、エンコーダセンサの部位にはマグネットが設けられ、エンコーダセンサ側のキャリッジの側面にもマグネットが設けられている。2つのマグネットが筒状の容器の部材を介して磁気的に結合することで、キャリッジの移動に伴ってエンコーダセンサが移動するようにしてキャリッジの位置を検出している。
【0006】
また、特許文献2のインクジェット記録装置には、キャリッジの移動範囲に設置されて装置内の複数の吸気口と、該各吸気口を開閉する複数の弁と、該吸気口にインクミストを導く気流を発生させるファンとが設けられている。そして、ファンを駆動しかつ弁によって吸気口が開くことで、ファンと吸気口の間に気流が発生する。発生したインクミストは、当該気流に導かれて回収されることになる。よって、リニアエンコーダシートにインクミストが付着するのを防いでいる。
【0007】
更に、特許文献3には、送風手段による空気がリニアエンコーダシートの設置領域から印字ヘッドが搭載されたキャリッジへ流れ、印字ヘッドからのインクミストがリニアエンコーダシートへ流れることを防ぐ技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1はキャリッジとエンコーダセンサがそれぞれ分離されて配置されている構成を有しているので、図15に示すような、キャリッジにエンコーダセンサを搭載する一般的な構成には使用できず、汎用性が悪い。また、上述のように、エンコーダセンサとキャリッジはそれぞれに設けられたマグネットによる磁気的に結合されているため、上記各マグネットの磁力が低下した場合エンコーダセンサとキャリッジの間の位置ずれが生じ、その結果正確なキャリッジの位置検出が難しくなるという問題もあった。また、上記特許文献2によれば、リニアエンコーダシートがファンによる気流の流れの近傍にあるため、インクミスト回収の際にもリニアエンコーダシートにインクミストが付着してしまう場合があり、リニアエンコーダシートの汚染という問題は解消できていない。更に、上記特許文献3によれば、送風手段による気流がリニアエンコーダシートの設置領域からキャリッジ側へ流れるために、送風手段の気流が直接リニアエンコーダシートに外力を与えることになる。この外力でリニアエンコーダシートに歪み等が生じ、正確なキャリッジの位置検出が難しくなるという課題があった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、正確なキャリッジの位置検出ができ、かつリニアエンコーダシートへのインクミストの付着を低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、記録媒体に画像を形成するためのインクノズルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に走査するキャリッジと、該キャリッジの位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシートと、上記キャリッジに取り付けられ、該リニアエンコーダシートの上記カウンタを光学的に読み取りキャリッジの位置を検出するエンコーダセンサとを具備する画像形成装置において、少なくとも、上記キャリッジ、上記リニアエンコーダシート及びエンコーダセンサが内部に配置されている空間容器と、該空間容器の内部が少なくとも負圧にならないように上記空間容器内の内圧を調整する内圧調整手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記空間容器を構成する部材の一部には、上記印字ヘッドのインクノズルから吐出されたインクが通過する領域及び上記キャリッジの走査領域に相当する開口部が設けられていることを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段が、上記空間容器内に空気を供給するファンであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、上記キャリッジの走査に伴って上記空間容器の上記開口部のうち上記キャリッジの走査領域の上記開口部を遮蔽可能な遮蔽部材を有することを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、上記遮蔽部材は伸縮可能な蛇腹状の部材であることを特徴するものである。
また、請求項6の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、上記遮蔽部材は回転可能なシート状の部材であることを特徴するものである。
更に、請求項7の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段が上記キャリッジが走査する方向の上記空間容器の側面筺体のそれぞれに設けられ、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられた上記内圧調整手段を駆動することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1又は7に記載の画像形成装置において、上記内圧調整手段を印字動作終了後の一定時間駆動することを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記空間容器に開閉カバーを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、上記開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、正確なキャリッジの位置検出ができ、かつインクミストによるリニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における空間容器内の内圧の様子を示す概略断面図である。
【図3】ファンの動作制御フローを示すフローチャートである。
【図4】ファンの別の動作制御フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図7】本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図9】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図10】本発明の画像形成装置の別の構成を示す図である。
【図11】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図12】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。
【図14】本発明の画像形成装置の組立工程を示す平面図である。
【図15】従来のシリアル式のインクジェットプリンタの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において、「液体吐出方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0014】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は側面図である。同図において、図18と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、空間容器11の内部には、印字ヘッド2を搭載するキャリッジ1、ガイドロッド5、リニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7を有するキャリッジユニットが配置されている。また、上記空間容器11には印字ヘッド2の通過領域のみ開口部12が設けられている。この開口部12の大きさは、少なくとも、用紙の印字範囲の大きさ、かつ印字ヘッド2の維持を保護する維持回復部13の上面の大きさとなる。また、空間容器11の上部には、外部の空気を空間容器11内に取り込むためのファン14−1、14−2が設けられている。このファン14−1、14−2が外部の空気を取り込んで、空間容器11の内圧がすくなくとも負圧状態にならないように、空間容器11の内圧を調整している。
【0015】
なお、空間容器11には印字ヘッド2の通過領域のみ開口部が設けられ、他の箇所に大きな圧力を逃がすような開口部は設けられていない。圧力の逃げに相当しないような比較的小さい開口部、例えばガイド軸やリニアエンコーダシートの取り付けに必要な穴等はあっても良い。もしくは圧力を逃がすためではなく、圧力を高めるためのファンのように、空気を取り込むための部位には多少の開口部を設けられていても良い。また、空間容器11を独立した構成としているが、空間容器11はキャリッジユニットが密閉されていれば、外装の一部やフレーム部材の一部を利用した構造でも良い。更に、図1に示すようにファン14−1、14−2を空間容器11の上面部材に取り付けているが、側面部材に取り付けても良い。
【0016】
このような構成を有する第1の実施の形態によれば、上記キャリッジユニットを空間容器11内に入れて、更にファン14−1、14−2によって空気を取り入れることで空間容器11の内圧は外部よりも高くなる。そのため一部の開口部があっても印字ヘッド2から発生したインクミストは空間容器11内に入らなくなる。よって、空間容器内に配置されたリニアエンコーダシートへの汚染を防ぐことができる。また、空間容器11内の空間であれば、インクミストの汚染を防止できるため、エンコーダシートの位置など従来機と同様の部品レイアウトが可能となる。更に、気流でインクミストを吹き飛ばすのではなく、密閉空間内の圧力差を設けるだけのため、ファンの数や力は気流を用いたときよりも小さくてすみ、気流をリニアエンコーダシートへ直接当てる必要もない。
【0017】
ここで、第1の実施の形態において、空気を送り込むファンの動作について概説する。図2は第1の実施の形態における空間容器内の内圧の様子を示す概略断面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図2に示すように、インクジェットプリンタのキャリッジ1は高速で主走査方向に動いているため、キャリッジ1が主走査方向に動くとキャリッジ1の後方、例えば図中の領域bにおける空間の内圧は下がる。よって、矢印Aで示すようにインクミストを舞い上がらせ、エンコーダシートにインクミストが開口部から空間容器11内に入り込んで付着しやすい状態になる。そこで、このような時には、図2に示すように、キャリッジ1が動く後方に位置するファン12−1を駆動させて、空気を取り込んで図中の領域bにおける空間の内圧の低下を抑え、インクミストが空間容器11内に入り込むことを防止できる。なお、キャリッジの動作の変化点(動作の反転の地点)や空間の端で気流の巻き上がりが発生しやすいので、ファンはキャリッジが動作する端にあった方が良い。そのため、ファンを空間容器11の両側面に取り付けることも有効である。
【0018】
次に、第1の実施の形態におけるファンの動作の一例について図1及びファンの動作制御フローチャートである図3に従って概説する。
先ず、図1のリニアエンコーダシート6とエンコーダセンサ7によりキャリッジ1の位置と移動方向は常に検知されている。そして、ファン14の位置を規定しておき、キャリッジ1の走査上の位置がファン14の近傍か否かを判定する(ステップS101)。判定した結果、キャリッジ1の走査上の位置がファン14の近傍であれば当該ファン14をオンにする(ステップS101;YES、ステップS102)。そして、次のキャリッジ1の移動があるか否かを判定し、なければ処理を終了し(ステップS103;NO)、次のキャリッジ1の移動があればステップS101に戻る(ステップS103;YES)。一方、ステップS101での判定結果、キャリッジ1の位置がファン14の近傍でなければ、キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向か離れる方向かを検知する(ステップS101;NO、ステップS104)。キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向でない場合は該当するファン14をオンにする(ステップS104;NO、ステップS102)。キャリッジ1の移動の方向がファン14に近づく方向である場合は該当するファン14をオフにする(ステップS104;YES、ステップS105)。このような動作を行うことにより、空間容器11内においてキャリッジ1の移動による負圧状態を解除でき、インクミストの侵入を防ぐことができる。また、常に複数のファンを動作させる必要がないため、より効率的にファンを動作させることができる。
【0019】
また、インクミストは印字動作が終了してキャリッジ1の動作が止まった後も画像形成装置内に漂って存在することが知られている。そのためキャリッジの動きが止まっても、つまり印字の動作が終わった後も、図4に示す別の動作フローのステップS207に示すように、ファン14を停止せずに一定時間駆動し続ける。これにより、画像形成装置内に漂って存在するインクミストが空間容器11内に入らないようにする。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は透視正面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、キャリッジ1の各側面と空間容器11の各側面をつなぐように、蛇腹状に形成された可撓性の遮蔽部材21が空間容器11の開口部12の上方に取り付けられている。キャリッジ1の各側面に遮蔽部材21の一方の端部がそれぞれ取り付けられ、遮蔽部材21の他方の端部がそれぞれ空間容器11の内側の側面部材に取り付けられている。この遮蔽部材21はキャリッジ1の主走査方向の移動に合わせて伸縮することが可能となっている。そのため、キャリッジ1が移動しても空間容器11の開口部12を常に覆うことができ、当該開口部からの空間容器11内へインクミストの侵入を防ぐことができる。また、既存の装置にも取り付けられ、汎用性に富む。なお、遮蔽部材21は蛇腹状をなしているが、伸縮性の高いゴム材のようなものでも良い。
【0021】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の別の構成を示す図である。同図の(a)は透視斜視図であり、同図の(b)は透視正面図である。同図において、図5と同じ参照符号は同じ構成要件を示す。本実施の形態の画像形成装置によれば、キャリッジ1の各側面に、回転動作可能なシート状の遮蔽部材31の端部がそれぞれ取り付けられている。また、シート状の遮蔽部材31は、空間容器11の内側の側面部材に各側面に2本ずつ回動可能に設けられたコロ32を経由して、キャリッジ1の上方を通るように副走査方向からみてリング状に取り付けられている。シート状の遮蔽部材31はキャリッジ1の主走査方向の移動に伴って回転運動することが可能である。そのため、キャリッジ1が移動しても空間容器11の開口部12を常に覆うことができ、当該開口部からの空間容器11内へインクミストの侵入を防ぐことができる。
【0022】
図7は本発明の画像形成装置の構成を示す図である。同図の(a)は装置全体の斜視図であり、同図の(b)は開閉カバーを開けたときの透視斜視図である。同図に示す本実施の形態の画像形成装置は、空間容器11に開閉カバー41を設けたものである。シリアル式のインクジェットプリンタとして、キャリッジ1が印字範囲を走査するため、折れ曲がった用紙が搬送されたときなどにおいてジャムが発生してしまう場合がある。また、キャリッジ1に搭載された印字ヘッドやインクカートリッジの交換等で、キャリッジ1には用意にアクセス可能にできる構成が望ましい。そこで、図7の(b)に示すように、空間容器11自体に設けられた開閉カバー41を開けて交換操作等が簡単に行うことができる。
【0023】
なお、図8に示すように外装カバー51にはファンの経路をふさがずに外気を取り込むようにできる通風孔52があった方が望ましい。また、図9に示すように、外装カバー51を有する装置内部には7に示した開閉カバー41が設けられた空間容器11が配置されてもよい。更に、図10に示すように、空間容器11の天面にはメンテナンス用の開口部61が設けられ、この開口部61を塞ぐためのカバーを装置本体の筐体カバー62で代用している。そして、図10の(c)に示すように、筐体カバー62が閉じた際には、筐体カバー62の裏面に設けられている弾性部材63によって開口部61が塞がれ、空間容器11内の密閉状態を確保できる。この構成により、空間容器11自体に開閉カバーを設けなくてもよくなり、部品点数が減る。
【0024】
次に、本発明の画像形成装置の組立工程を図面に従って説明する。
図11〜図13は本発明の画像形成装置の組立工程を示す斜視図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。先ず、図11に示すように、装置本体ベース部71に搬送ユニット9を取り付け、搬送機構9の上から、2分割したキャリッジユニットを覆う主走査ユニットケース下部材72をネジで取り付ける。主走査ユニットケース下部材72には、印字ヘッドの可動範囲に開口部12が設けられている。図12の(a)に示すように、フレーム部材73を取り付ける。なお、このフレーム部材73の取り付けは搬送機構9を装着する前でも良い。そして、図12の(b)に示すように、キャリッジユニットを左右のフレーム部材73に取り付ける。次に、図13に示すように、主走査ユニットケース上部材74を取り付ける。
【0025】
この組立工程では、搬送機構とキャリッジユニットとの距離が重要であるため、搬送機構に対するキャリッジユニットの位置を調整可能になるように組む工夫がされている。本発明である主走査ユニットケースは従来の方式をなるべく変えないように、組立の自由度を持った形で取り付けるものとする。そのために、主走査ユニットケースを2分割し、先ず主走査ユニットケース下部材72を搬送機構に固定するようにし、さらに主走査ユニットケース上部材74にはキャリッジユニットとフレーム部材73との接続部には逃げ部を設けておく。そして、キャリッジの位置が決まった後で、主走査ユニットケース上部材74を組むことができるようにしてある。主走査ユニットケースとキャリッジの位置が別々に決まっているため、キャリッジの位置はフレーム部材73の取り付け位置の調整が可能となっている。ここで、主走査ユニットケースを後から組み付けできるように逃げ部を設けた分、密閉空間が開口してしまうため、本例では左右のフレーム部材73に主走査ユニットケースが密着するようにしてある。これにより、上記のような逃げ部を設けてもフレーム部材73で覆われるため、密閉状態には問題ない。
【0026】
更に、キャリッジには印字ヘッドを制御するためのハーネスやインクチューブが、本体から出されて接続される場合がある。図14に示すように、キャリッジ1のインクヘッドに接続されたインクチューブ81、そしてキャリッジ1の印字ヘッド2に接続されたハーネス82は、フレーム部材73の後方からフレーム部73の外に配線されて制御基板(図示せず)やインク供給ユニット(図示せず)に接続されている。主走査ユニットケースを背面や左右側面のフレーム部材73に密着するように構成することで、開口部12はフレーム部材によって覆われている。そのため、インクミストの存在する用紙搬送部と主走査ユニットケース内とを切り離したまま、インクチューブ81やハーネス82をキャリッジ1に接続することができる。
【0027】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、図1に示すように、空間容器の内部には、少なくとも、キャリッジ1、リニアエンコーダシート6及びエンコーダセンサ7が配置されている。また、キャリッジ1の走査によって空間容器内に負圧になる領域が発生し、その負圧に伴いインクミストが空間容器内に侵入してしまう。そこで、空間容器11内の内圧を調整する内圧調整手段であるファン14−1、14−2を上記空間容器11を形成する外装部材の一部に設けている。この内圧調整手段であるファン14−1、14−2は、空間容器11の内圧が少なくとも負圧状態にならないように上記空間容器内に空気を強制的に送り込む。よって、上記空間容器の内部は常に少なくとも負圧状態とならないので、インクミストが空間容器内に侵入せず、インクミストによるリニアエンコーダシート6の汚染を防ぐことができる。また、本実施の形態の構成によれば、走査されるキャリッジ1に搭載されたエンコーダセンサ7はリニアエンコーダシート6の近傍に沿って移動するため、正確なキャリッジの位置検出が可能である。
【0028】
また、第2の実施の形態によれば、空間容器に設けられた開口部12のうち少なくともキャリッジ1の走査に伴って可変するキャリッジの走査領域の開口部に、図5の伸縮可能な蛇腹状の遮蔽部材21や、図6の回転可能なシート状の遮蔽可能な遮蔽部材31が設けられている。よって、キャリッジ1が走査しても開口部は遮蔽状態となっており、インクミストの侵入を防ぐことができ、リニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【0029】
更に、図2に示すように、走査する上記キャリッジの後方の空間容器内における領域が負圧状態になってその負圧状態となった領域にインクミストが侵入してくる。そこで、内圧調整手段であるファン14−1、14−2を上記空間容器11の側面筺体のそれぞれに設け、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられたファンを駆動して空気を取り込んで負圧状態を解除している。よって、キャリッジの走査による空間容器内が負圧状態となることを防ぐことができ、インクミストの侵入を防ぐことができ、リニアエンコーダシートの汚染を防ぐことができる。
【0030】
また、印字動作終了後も装置内ではインクミストが浮遊しているので、内圧調整手段であるファンは印字動作終了後の一定時間駆動させておき、印字動作後浮遊しているインクミストの空間容器内への侵入を防いでいる。
【0031】
更に、印字ヘッドやインクヘッドの交換等のメンテナンスのために空間容器に開閉カバーを設けることが好ましい。また、この開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられて、部品手数を削減することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換、応用が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 キャリッジ
2 印字ヘッド
3 モータ
4 タイミングベルト
5 ガイドロッド
6 リニアエンコーダシート
7 エンコーダセンサ
8 用紙
9 搬送機構
11 空間容器
12 開口部
13 維持回復部
14−1、14−2 ファン
21、31 遮蔽部材
32 コロ
41 開閉カバー
51 外装カバー
61 開口部
62 筐体カバー
63 弾性部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2007−326257号公報
【特許文献2】特開2008−260154号公報
【特許文献3】特開2001−191604号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成するためのインクノズルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に走査するキャリッジと、該キャリッジの位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシートと、上記キャリッジに取り付けられ、該リニアエンコーダシートの上記カウンタを光学的に読み取りキャリッジの位置を検出するエンコーダセンサとを具備する画像形成装置において、
少なくとも、上記キャリッジ、上記リニアエンコーダシート及び上記エンコーダセンサが内部に配置されている空間容器と、
該空間容器の内部が少なくとも負圧にならないように上記空間容器内の内圧を調整する内圧調整手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記空間容器を構成する部材の一部には、上記印字ヘッドのインクノズルから吐出されたインクが通過する領域及び上記キャリッジの走査領域に相当する開口部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段が、上記空間容器内に空気を供給するファンであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、
上記キャリッジの走査に伴って上記空間容器の上記開口部のうち上記キャリッジの走査領域の上記開口部を遮蔽可能な遮蔽部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
上記遮蔽部材は伸縮可能な蛇腹状の部材であることを特徴する画像形成装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像形成装置において、
上記遮蔽部材は回転可能なシート状の部材であることを特徴する画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段が上記キャリッジが走査する方向の上記空間容器の側面筺体のそれぞれに設けられ、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられた上記内圧調整手段を駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1又は7に記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段を印字動作終了後の一定時間駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記空間容器に開閉カバーを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
上記開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体に画像を形成するためのインクノズルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に走査するキャリッジと、該キャリッジの位置を検知するためのカウンタが付されているリニアエンコーダシートと、上記キャリッジに取り付けられ、該リニアエンコーダシートの上記カウンタを光学的に読み取りキャリッジの位置を検出するエンコーダセンサとを具備する画像形成装置において、
少なくとも、上記キャリッジ、上記リニアエンコーダシート及び上記エンコーダセンサが内部に配置されている空間容器と、
該空間容器の内部が少なくとも負圧にならないように上記空間容器内の内圧を調整する内圧調整手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記空間容器を構成する部材の一部には、上記印字ヘッドのインクノズルから吐出されたインクが通過する領域及び上記キャリッジの走査領域に相当する開口部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段が、上記空間容器内に空気を供給するファンであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、
上記キャリッジの走査に伴って上記空間容器の上記開口部のうち上記キャリッジの走査領域の上記開口部を遮蔽可能な遮蔽部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
上記遮蔽部材は伸縮可能な蛇腹状の部材であることを特徴する画像形成装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像形成装置において、
上記遮蔽部材は回転可能なシート状の部材であることを特徴する画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段が上記キャリッジが走査する方向の上記空間容器の側面筺体のそれぞれに設けられ、上記キャリッジが走査する方向の後方側となる上記空間容器の側面筺体に設けられた上記内圧調整手段を駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1又は7に記載の画像形成装置において、
上記内圧調整手段を印字動作終了後の一定時間駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記空間容器に開閉カバーを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
上記開閉カバーは、装置の外装部材の一部を併用して設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−189702(P2011−189702A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59798(P2010−59798)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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