説明

画像形成装置

【課題】複数の記録媒体の並行処理が可能であると共に、この複数のカードを短時間に処理する。
【解決手段】記録媒体を搬入する搬入部Aと、記録媒体の表裏面に画像形成する画像形成部Bと、搬入部から記録媒体を画像形成部に移送する搬入経路Dと、画像形成部から記録媒体を搬出部に移送する搬出経路Eと、搬入経路と搬出経路に配置された媒体搬送手段(15、16、17、18)を制御する制御部Hとを備える。そして上記画像形成部の上流側と下流側に、第1の反転ユニットFと第2の反転ユニットGを配置し、この第1第2の反転ユニットは画像形成部から送られた記録媒体を表裏反転した後、再び画像形成部に向けて返送可能に構成する。そして制御部Hには、第1第2の反転ユニットのビジー状態を監視する監視手段H1と、この監視手段による監視結果に応じて画像形成部から記録媒体を第1、第2反転ユニットの何れに移送するか判別する判断手段H2を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックカード、厚紙カードなどの記録媒体に印字・画像などを形成する画像形成装置に係わり、特に記録媒体の表裏面に画像形成する媒体搬送機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の画像形成装置は、各種証明用カード、決済用カードなどに使用されるカード類に情報記録する装置として広く知られている。そしてカードの表裏面に磁気記録情報、IC記録情報と共に顔写真、氏名、名称などの画像データを形成する装置として、カード発行システムの端末装置として用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、カード供給スタッカから装置内にカードを1枚ずつ給送し、このカードの表裏面に画像データを印刷する装置が開示されている。そして印刷方法としてはインクジェット印刷、熱転写印刷、転写フィルム印刷、などが知られている。このような装置では記録媒体がプラスチック、厚紙など容易に変形しないカードであるため、印刷部の近くに反転ユニットを配置し、この反転ユニットで記録媒体を表裏反転或いは搬送方向を偏向させている。文献1には印刷部の上流側に反転ユニットが配置され、この反転ユニットはカードを支持するローラ対と、このローラ対を所定角度(例えば180度)回転する旋回フレームで構成されている。
【0004】
そして同公報にはホッパから送られたカードを反転ユニットで方向変換して印刷部に移送し、印刷部で片面印刷したカードを上流側の反転ユニットにスイッチバックさせて表裏反転し、再び印刷部でカード裏面に印刷して排紙する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3625206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように容易に変形しないカード類を印刷部で、その表裏面に画像記録する場合に、従来は例えば印刷部の上流側に配置した反転ユニットで表裏反転している。そして、この印刷部の上流側にカードに磁気情報、IC情報などを記録する磁気記録部、IC記録部を配置することも例えば前掲特許文献1などで知られている。
【0007】
そして従来の装置は、供給スタッカから印刷部に向けて1枚のカード、或いは所定間隔で前後複数のカードを操出し、印刷部で順次印刷処理している。この場合にカードの片面のみに印刷する場合には印刷の処理時間に合わせてカードを所定間隔で連続的に供給すれば良い。ところがカードの表裏両面に印刷する場合には、先行するカードの両面印刷が終了するまで後続するカードを待機させるか、両面印刷した後に後続するカードを繰り出さなければならない。
【0008】
このように先行するカードの処理を待って、後続するカードを給送する制御では処理効率が悪いことは既に知られている。特に印刷部の上流側に磁気・ICなどの記録部を、印刷部の下流側にコーティング処理部を配置するシステム構成においては、1枚のカードの処理が全て終了した後に後続するカードを供給する制御では、大量のカードを短時間に処理することが出来ない問題がある。
【0009】
そこで本発明者は印刷部の上流側と下流側にそれぞれ反転ユニットを配置し、先行するカードの後処理時間と、後続するカードの前処理時間を監視し、印刷部から待機状態(ビジーでない状態)の反転ユニットでカードを表裏反転させるとの着想に至った。これにより装置内で複数の記録媒体の並行処理が可能であると共に最も短い処理時間で処理することが可能となる。
【0010】
本発明は、カードなど記録媒体の表裏面に画像形成する際に、複数の記録媒体の並行処理が可能であると共に、この複数のカードを短時間に処理することが可能な画像形成装置の提供をその課題としている。更に、本発明は記録媒体に表裏面の画像印刷と同時に磁気、電気的に情報記録する複数情報の記録を連続的に短時間で処理することが可能な画像形成装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
なお、本発明にあって、「第1第2の反転ユニットのビジー状態」とは、反転ユニットにカードが存在する状態、若しくは反転ユニットで片面印刷したカードを表裏反転する動作より先にこの反転ユニットに後続カード又は先行カードが到達する程度に接近している状態を云う。
【0012】
上記課題を達成するため本発明は、画像形成部の上流側に第1の反転ユニットを、下流側に第2の反転ユニットを配置し、この第1第2の反転ユニットそれぞれのビジー状態を監視する監視手段の監視結果に応じて前記画像形成部から記録媒体を第1の反転ユニットに移送するか、第2の反転ユニットに移送するか判別する判断手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
更に、具体的構成を詳述すると、順次記録媒体を搬入する搬入部Aと、搬入部から送られた記録媒体の表裏面に画像形成する画像形成部Bと、画像形成部からの記録媒体を収容スタッカに搬出する搬出部Cと、搬入部から記録媒体を画像形成部に移送する搬入経路Dと、画像形成部から記録媒体を搬出部に移送する搬出経路Eと、搬入経路と搬出経路に配置された媒体搬送手段(15、16、17、18)を制御する制御部Hとを備える。
【0014】
上記画像形成部の上流側と下流側には、搬入経路に記録媒体を表裏反転する第1の反転ユニットFを、搬出経路に記録媒体を表裏反転する第2の反転ユニットGをそれぞれ配置し、この第1第2の反転ユニットは画像形成部から送られた記録媒体を表裏反転した後、再び画像形成部に向けて返送可能に構成する。そして、制御部Hには、第1第2の反転ユニットそれぞれのビジー状態を監視する監視手段H1と、この監視手段による監視結果に応じて画像形成部から記録媒体を第1の反転ユニットに移送するか、第2の反転ユニットに移送するか判別する判断手段H2とを設ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、記録媒体の表裏面に画像形成する画像形成部の上流側に第1の反転ユニットを、下流側に第2の反転ユニットを配置し、この第1第2の反転ユニットそれぞれのビジー状態を監視する監視手段の監視結果に応じて画像形成部から記録媒体を第1の反転ユニットに移送するか、第2の反転ユニットに移送するか判別するようにしたものであるから、以下の効果を奏する。
【0016】
画像形成部で片面に画像形成した記録媒体を、上流側に位置する第1の反転ユニットが後続する媒体の処理のためにビジー状態であるときには下流側に位置する第2の反転ユニットに給送し、このユニットで表裏反転した後に画像形成部で裏面印刷する。これと逆に下流側に位置する反転ユニットが先行する媒体の処理のためにビジー状態であるときには上流側に位置する第1の反転ユニットに給送して表裏反転した後に裏面印刷を実行することとなる。従って所定間隔で装置内に供給した複数の記録媒体の前処理と後処理を同時に処理することが可能であり、その処理時間を短縮することが可能である。
【0017】
また、第1第2の反転ユニットのビジー状態であるか否かは各ユニットに記録媒体が存在しているか又は接近している情報で判別することによって、例えば記録媒体の経路に記録媒体を検出する検出センサを配置しその検出信号で判別する構成の採用によって比較的簡単な構成で記録媒体のビジー状態を判別することが出来る。
【0018】
更に本発明は、第1の反転ユニットの上流側に記録媒体にデータ記録するデータ記録部を、第2の反転ユニットの下流側に記録媒体に後処理を施す後処理部を配置する装置構成において、監視手段を、データ記録部で後続する記録媒体のデータ記録時間と、後処理部で先行する記録媒体の後処理時間に基づいてビジー状態を監視するように構成する。これによって、反転ユニットに記録媒体が存在するか接近するかの位置情報に加えて、反転ユニットの動作時間情報からビジー状態を判別することとなり、より短時間で効率的に複数の記録媒体を同時に並行処理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像形成装置の概念構成を示す説明図。
【図2】図1の画像形成装置の制御構成を示す説明図。
【図3】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す説明図。
【図4】図3の装置におけるカード搬送フローを示すフローチャート。
【図5】図3の装置におけるカード搬送状態の動作説明図であり、(a)〜(d)は1枚目のカードの処理状態の説明図。
【図6】図3の装置におけるカード搬送状態の動作説明図であり、(a)〜(d)は1枚目と2枚目のカードの処理状態の説明図。
【図7】図3の装置におけるカード搬送状態の動作説明図であり、(a)〜(c)は2枚目と3枚目と4枚目のカードの処理状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図示の好適な実施形態に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像形成装置の概念構成図を示す。本発明は記録媒体(以下「カード」という)を搬入する搬入部Aと、カードの表裏面に画像形成する画像形成部Bと、画像形成されたカードを収容スタッカに搬出する搬出部Cとを備える。この搬入部Aから画像形成部Bにカード移送する搬入経路Dと、画像形成部Bから搬出部Cにカードを移送する搬出経路Eを設ける。
【0021】
上記搬入経路Dにはカードを表裏反転する第1反転ユニットFを、搬出経路Eには第2反転ユニットGを配置する。また搬入経路Dと搬出経路Eには、それぞれカードを搬送する媒体搬送手段(図1にはローラ対で示す)を配置する。そしてこの各媒体搬送手段を制御する制御部Hを設け、この制御部Hに第1反転ユニットFと第2反転ユニットGのビジー状態を監視する監視手段H1と、この監視手段H1の監視結果(ビジー状態であるか否か)に応じて画像形成部Bで片面に画像形成したカードをビジーでない状態の第1反転ユニットFに送るか、第2反転ユニットGに送るか判別する判断手段H2を設ける。そして制御部Hは第1第2いずれかの反転ユニットF、Gでカードの表裏を反転し再び画像形成部Bで裏面に画像形成した後、このカードを搬出部Cに搬出する。
【0022】
図1の装置は、搬入経路Dにカードに形成されている磁気記録部にデータ入力する磁気記録部Iと、カードに形成されているIC記録部にデータ入力するIC記録手段(非接触型)Jなどのデータ記録部が設けられている。また、搬出経路Eには画像形成したカード表面にオーバコートシート(ホログラムフィルム、ラミネートフィルムなど)を貼着する後処理部Kが設けられている。
【0023】
更に搬入経路Dには移送中のカードを待機させる搬入待機部Lが、搬出経路Eには搬出待機部Mが配置されている。尚図1に示すNはリジェクトスタッカであり、第1反転ユニットFから記録ミスしたカードを搬出収納するように構成され、また図示Oは接触式IC記録手段であり、非接触式IC記録手段Jと選択的にデータ記録するように構成されている。
【0024】
このような構成において、第1第2反転ユニットF、Gの「ビジー状態」を監視する監視手段H1と判断手段H2について説明する。上記搬入経路Dにはカードを検知するカードセンサSe1、Se2、Se3が図示位置に配置されている。またデータ記録部(I、J、O)にはカードセンサSe6、Se7、Se8が図示位置に配置され、リジェクトスタッカNにはカードセンサSe9が配置されている。また搬出経路Eには、カードセンサSe4、Se5が配置され、後処理部KにカードセンサSe10が配置されている。尚図1に示すSe11は後述する転写フィルムの検知センサであり、Se12はコートフィルムの検知センサである。
【0025】
そこで監視手段H1は、第1反転ユニットFと第2反転ユニットGにカードが存在しているか、接近しているか否かの情報を監視するように構成する(後述する制御CPU参照)。第1反転ユニットFにカードが存在しているか否かの監視は、図示センサSe1、Se2、Se6、Se7の状態信号でビジー状態を監視する。この全てのセンサがOFF(カード無し検知)のときにはユニットFは「ビジーではない状態」とする。いずれか1つのセンサがON(カードあり検知)のときにはユニットFは「ビジー状態」とする。
【0026】
上述のセンサのON・OFF情報の監視と共に、図示の装置では磁気記録部Iでカードにデータ書込みしているときには、カードセンサSe7はOFF状態であるが、カードは磁気記録部Iに存在し、反転ユニットFに接近している。そこで監視手段H1は磁気記録部Iでデータ入力中(動作中)には、磁気記憶手段のジョブ動作信号を監視して、そのジョブ信号の受信中は「カードが接近している」と判断する。
【0027】
この場合に図示の装置ではIC記録手段J、Oでカードにデータ入力しているときには、カードセンサSe6、Se8はON(カード有り)状態であり、このセンサ情報のみから第1反転ユニットFのビジー状態を監視できるが、IC記録手段J、Oのレイアウト構成(第1反転ユニットFから離れた位置に配置されている場合)によってはそのジョブ動作信号で「カードが接近している」と判断するため、磁気記録部Iと同様にジョブ動作信号を監視する。
【0028】
次に第2反転ユニットGにカードが存在しているか否かは、図示カードセンサSe4、Se5、Se10の状態信号で判断する。この全てのセンサがOFF(カード無し検知)のときには第2反転ユニットFはビジー状態ではないと判断する。また後処理部(オーバコート部)Kでカードにフィルムをコーティングしているジョブ動作信号を受信しているときには「カードが接近している」と判断する。
【0029】
前述の第1反転ユニットFと第2反転ユニットGにおける「カードの接近」は、画像形成部Bでカードの片面に画像形成した段階で先行カード又は後続カードが到達する動作時間と、片面印刷したカードを反転ユニットで表裏反転する動作時間とを比較する。そしてこの動作時間が、前者が後者より短いときビジー状態として、カードの接近を監視する。つまり片面印刷したカードより先行カード又は後続カードが反転ユニットに先に到達するときには、ビジー状態とする。
【0030】
このため、第1第2反転ユニットのカード移送方向上流側にカートを検出するセンサ又は、カードにデータ入力、後処理などの処理を施すジョブ信号でカードの接近を検出する。後述する装置ではジョブ信号を受信して「カードの処理動作中はカードの接近状態と判断」している。このセンサ及びジョブ動作位置は上述した表裏反転動作より先行カード又は後続カードが先に到達する位置に配置されている。
【0031】
尚、図示の装置では搬入経路Dには、カードを一時的に待機させる搬入待機部Lが設けられている。図1に示すように磁気記録部Iには磁気記録手段と、これにカードを移送する搬送手段(ローラ対)が設けられカードを移動しながら磁気記録するように構成されている。また、同様に搬出経路Eにも、カードを一時的に待機させる搬出待機部Mが設けられている。後処理部Kにはコーティング手段(ヒートローラなど)と、これにカードを移送する搬送手段(ローラ対)が設けられカードを移動しながらコーティング処理するように構成されている。
【0032】
そこで、後述する制御部Hは、第1反転ユニットFと第2反転ユニットGが共にビジー状態のときには、搬入待機部Lに後続するカードを一時的に待機させ、同様に搬出待機部Mにカードを一時的に待機させる。このカードの待機は待機部に配置されているカード搬送手段を停止状態に維持するように制御する。
【0033】
次に監視手段H1の監視結果に基づいて「片面印刷したカードを第1反転ユニットFに移送するか、第2反転ユニットGに移送するか判断する」判断手段H2について説明する。判別手段H2は画像形成部Bでカードの片面に画像形成したとき、監視手段H1の監視状態(ビジー状態か否か)に基づいて次のように判断する。
(1)第1反転ユニットFが「ビジー状態」で第2反転ユニットGが「ビジーでない状態」のときには、カードを第2反転ユニットGに移送する。
(2)第1反転ユニットFが「ビジーでない状態」で、第2反転ユニットGが「ビジー状態」のときには、カードを第1反転ユニットFに移送する。
(3)第1反転ユニットFと第2反転ユニットGが共に「ビジーでない状態」のときには、カードを下流側の第2反転ユニットGに移送する。
(4)第1反転ユニットFと第2反転ユニットGが共に「ビジー状態」のとき、このカードが前述の搬入待機部L又は搬出待機部Mで待機可能なとき(カードが反転ユニットに接近している)には待機部に待機させ、待機側に位置する反転ユニットにカードを移送する。
(5)第1反転ユニットFと第2反転ユニットGが共に「ビジー状態」のときには、データ記録部(J、I、O)におけるデータ記録時間と後処理部Kの後処理時間のいずれか早く終了する側の反転ユニットに(待機時間の後)、カードを移送する。この場合には、例えば第2の反転ユニットにカード存在しているか否かの一次判断と、第1の反転ユニットにカードが存在するか否かの二次判断を、一次判断の後に二次判断するループを繰り返す監視ルーチンで構成する。
【0034】
[制御構成]
図2に上述の監視手段H1と判断手段H2を備えた制御構成について説明する。制御部Hは、例えば制御CPU50で構成し、このCPU50にはROM51とRAM52が備えられている。そして制御CPU50には、データ入力制御部53と、画像形成制御部54と、後処理制御部55と、カード搬送制御部56が構成されている。そしてカード搬送制御部56は搬入経路Dと搬出経路Eに配置されているカード搬送手段(図1に示す搬送ローラ対)を制御するように図示しない駆動モータのドライブ回路にコマンド信号を送信する。このカード搬送制御部56は第1反転ユニットFと第2反転ユニットGの後述する旋回モータのドライブ回路にコマンド信号を送信する。
【0035】
上記カード搬送制御部56には、センサSe1〜Se10の状態信号を受信するようにそれぞれのセンサと電気的に接続されている。これと共に後述するデータ入力制御部53と後処理制御部55からジョブ信号を受信するように接続されている。
【0036】
上記データ入力制御部53は、磁気記録部Iに内蔵されているデータR/W用のIC53xに入力データの送受信を制御するコマンド信号を送信し、同様にIC記録部J、OのデータR/W用のIC53yにコマンド信号を送信するように構成されている。上記後処理制御部55は、後処理部Kのコーティング手段(後述するヒートローラ)を制御するように構成され、その詳細は後述する。上記画像形成制御部54は、画像形成部Bでカードの表裏面への画像形成を制御し、その詳細は後述する。
【0037】
そして上記RAM52には、データ入力部(磁気・IC記録部)でカード上にデータ入力する処理時間と、後処理部でカード表面にコーティング処理する後処理時間とが、例えばデータテーブルに記憶されている。
【0038】
そして、カード搬送制御部56には監視手段H1と判断手段H2が設けられ、いずれも制御CPU50の制御プログラムに組み込まれている。この監視手段H1は、上記センサSe1〜Se10の状態信号と、データ入力制御部53のジョブ信号と、後処理制御部55のジョブ信号を受信して、装置内に存在するカードの搬送状態を監視するように構成されている。
【0039】
また判断手段H2は、上記監視手段H1からの監視状態に基づいて、前述した(1)乃至(5)で説明した論理に基づいて片面印刷したカードを第1反転ユニットFに移送するか、第2反転ユニットGに移送するかを判断するようにCPU50の制御プログラムに組み込まれている。
【0040】
そしてこの判断手段H2に従って搬送動作制御部56は後述する第1反転ユニットFの旋回モータの制御回路(ドライブ回路)57と第2反転ユニットGの旋回モータの制御回路58と、搬入経路Dの搬送モータ制御回路59と、搬出経路の搬送モータの制御回路60を制御するように構成されている。
【0041】
[画像形成装置の具体的構成]
上述した画像形成装置1の具体的実施形態に図3に基づいて説明する。図3に示す装置は、装置ハウジング2に、カードカセット3(搬入部A)が着脱自在に装填可能に構成され、このカセット3からカードを1枚ずつ下流側に搬出する。図示19はキックローラ(操出ローラ)であり、26は分離キャップを形成する分離ローラである。図示14はカセット3から操出されたカード表面をクリーニングするクリーニングローラである。そしてカードカセット3(搬入部)下流側には、第1反転ユニットFが配置され、この反転ユニットは搬入部Aから送られたカードを所定角度方向に旋回可能に構成されている。
【0042】
第1反転ユニットFは装置フレーム(不図示)に旋回動可能に軸受け支持されたユニットフレームと、このフレームに支持された一対、或いは複数のローラ対で構成される。図示のものは距離を隔てて前後に配置された2つのローラ対20、21をユニットフレームに回転自在に軸支持されている。そしてユニットフレームは旋回モータ(パルスモータなど)で所定角度方向に旋回動し、これに取付けられているローラ対は搬送モータで正逆転方向に回転するように構成されている。この駆動機構は図示しないが、例えば1つのパルスモータでユニットフレームの旋回動と、ローラ対の回転をクラッチで切り換えるように構成する。
【0043】
従ってカードカセット3に準備されたカードはキックローラ19と分離ローラ26で1枚ずつ分離され下流側の第1反転ユニットFに送られる。そして第1反転ユニットFはカードをローラ対20、21でユニット内に搬入し、ローラ対でニップした状態で所定角度方向に姿勢偏向することとなる。
【0044】
上記第1反転ユニットFの旋回方向外周には、磁気記録ユニット24と、非接触式IC記録ユニット23及び接触式IC記録ユニット27と、リジェクトスタッカNが配置されている。尚図示28はバーコードリーダであり、例えば後述する画像形成部Bで印刷したバーコードを読み取って正誤判別(エラー判別)するためのユニットである。以下これらの記録ユニットをデータ記録ユニットという。
【0045】
従って第1反転ユニットFで所定の角度方向に姿勢偏向されたカードをローラ対20、21で記録ユニットに移送すると、カード上に磁気的若しくは電気的にデータ入力することが可能となる。またこれらのデータ入力ユニットで記録ミスが生じた場合にはリジェクトスタッカNに搬出する。
【0046】
上記第1反転ユニットFの下流側には画像形成部Bが設けられ、この画像形成部Bに搬入部(カードカセット3;以下同様)Aからカードを移送する搬入経路Dが設けられ、この経路Dに前述の第1反転ユニットFが配置されている。また、搬入経路Dにはカードを搬送する搬送ローラ(ベルトでも良い)15、16が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。この搬送ローラ15、16は正逆転切り換え可能に構成され、第1反転ユニットFから画像形成部Bにカードを搬送するのと同時に画像形成部Bからカードを反転ユニットFに搬送するようになっている。
【0047】
上記画像形成部Bの下流側には搬出部Cにカードを移送する搬出経路Eが設けられ、この経路Eに前述の第2反転ユニットGが配置されている。搬出経路Eにはカードを搬送する搬送ローラ(ベルトでも良い)17、18が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。この搬送ローラ17,18も第2反転ユニットGに画像形成部Bからカードを移送(前進)するのと同時に返送(後退)するようには正逆転切り換え可能に構成されている。
【0048】
尚、搬送ローラ17と搬送ローラ18の間にはディカールローラ36が配置され、搬送ローラ17、18間に保持されたカード中央部を押圧することによってカール矯正する。このためディカールローラ36は図示しない昇降機構で図3上下方向に位置移動可能に構成されている。
【0049】
上記第2反転ユニットGは前述した第1反転ユニットFと同一構成で構成されている。そして2つのローラ対40、41は第1反転ユニットFと同様に所定角度方向に旋回動するのと同時に上流側から送られたカードを下流側に搬送するように構成されている。また、第2反転ユニットGの下流側には後処理部Kとカード収容部Sが配置されている。
【0050】
そこで図3に従って「画像形成部B」「後処理部K」「収納部S」の順に説明する「画像形成部B」は、カードの表裏面に顔写真、文字データなど画像を形成する。図示の装置は昇華型インクリボンで画像形成する場合を示している。
【0051】
画像形成部Bにはサーマルヘッド9とインクリボン35が配置されている。インクリボン35はカードリッジ36に収納され、このカードリッジ36に操出ロール7と巻取りロール8が収容され、巻取りロール8には図示しないワインドモータMr1が連結されている。
【0052】
そしてプラテンローラ12に対向する位置にサーマルヘッド9が配置されている。このサーマルヘッド9にはヘッドコントロール用IC54x(図2参照)が連結され、サーマルヘッド9を熱制御するようになっている。このヘッドコントロール用IC54xは画像データに従ってサーマルヘッド9を加熱制御することによってインクリボン35を後述する転写フィルム37に画像形成する。このためサーマルヘッド9の熱制御と同期して巻取りロール8が回転し、インクリボン35を所定速度で巻き取るように構成されている。
【0053】
上記転写フィルム37は巻取りロール5と操出ロール6に巻回され、この転写フィルム37はプラテンローラ12と転写ローラ33に転写画像を移送するように巻装されている。図示13は転写フィルム37の移送ローラであり、その周面にピンチローラ32aと32bが配置され、この移送ローラ13には図示しない駆動モータに連結されている。そして転写フィルム37は、インクリボン35と同一速度で図3反時計方向に移動する。
【0054】
また、転写ローラ33には、搬入経路Dに配置されているプラテンローラ31に転写フィルム37を介して圧接離間するように昇降機構(不図示)が設けられている。この転写ローラ33は加熱ローラで構成され、内部に配置されている加熱手段で転写フィルム37上の画像をカード表面に転写する。尚図示Se11はインクリボン35の位置検出センサであり、図示Se13は転写フィルム37の有無検出センサである。
【0055】
「後処理部K」は、第2反転ユニットGの下流側に配置され、表面に画像形成されたカードにオーバコートフィルム(ホログラムフィルム、ラミネートフィルムなど)49を貼着する。この為、後処理部Kにはオーバコートフィルムのカードリッジ46と、このカードリッジに設けられた操出ロール47と巻取りロール48が設けられ、両ロール間にコートフィルム49が巻装されている。
【0056】
そしてオーバコートフィルム49は貼着部に設けられた熱貼着ローラ43とプラテンローラ42との間に嵌挿されている。また、この後処理部Kにはカードを移送する搬送ローラ44と45が配置され図示しない搬送モータに連結されている。
【0057】
このように構成された後処理部Kでは、第2反転ユニットGから送られたカードを搬送ローラ44、45で図3下方向に移送しながらその表面にオーバコートフィルム49を貼着し、その片面のコーティングが終了した後、このカードを第2反転ユニットGに送って表裏反転した後、再びカードを後処理部Kに搬入して裏面側にオーバコートフィルム49を貼着する。そして表裏のコーティングが終了した後、カードを第2反転ユニットGに送り、この反転ユニットから収容スタッカ30に収容する。
【0058】
この場合、オーバコートフィルム49としてホログラムフィルムを用いる場合には、片面のみをコーティング後、このカードを第2反転ユニットGに送って収容スタッカ30に収容することもある。
【0059】
「収容部S」は図3に示すように搬出部Cに配置され、第2反転ユニットGから送られたカードを収容スタッカ30に収容するように構成されている。このため収容部Sには第2反転ユニットGと段差を隔てて、収容スタッカ30が設けられている。このスタッカ30は図示しない昇降機構31とレベルセンサで、最上カードを検出し、昇降機構31で図3下側に下降移動するように構成されている。
【0060】
次に上述のように構成された画像形成装置のカード搬送制御を、図4に示す制御フローと、図5〜図7に示す動作状態図に従って説明する。図4においてカードの片面の画像形成が終了した(St01)したとき、制御CPU50は後処理モードが設定されているか否か判断する(St02)。この場合、後処理モードとは後処理部Kでカード表面にオーバコートフィルムを貼着する動作モードに設定されている動作状態をとする。
【0061】
[後処理モードに設定されていないとき]
後処理モードに設定されていない場合(no)には、制御CPU50は第2反転ユニットGがビジー状態か否か判断(St03)し、ビジーでない状態(no)のときには画像形成部Bからカードを第2反転ユニットGに向けて移送(St04)する。またビジー状態(yes)のときにはビジーでない状態(no)を待つ。この場合にはカードは画像形成部B(又は搬出経路E)に待機する。
【0062】
次に制御CPU50は、第2反転ユニットGでカードの表裏面を反転する(St05)。そしてこの反転されたカードを画像形成部Bに返送する(St06)。このカード返送は搬出経路Eの搬送ローラ17、18を逆方向回転させる。そして制御CPU50は画像形成部Bでカード裏面に画像形成(St16)した後、このカードを搬出経路Eから搬出部Cに送り、収容スタッカ30に収容する。
【0063】
[後処理モードに設定されているとき]
前述のステップSt02で後処理モードに設定されているときには、制御CPU50は第2反転ユニットGにカードが存在するか否か判断(St07)する。このときカードが存在しない状態(no)のときには、前述と同様に、第2反転ユニットGにカードを移送(St10)し、このユニットでカードを表裏反転(St11)した後、画像形成部Bに返送(St12)する。その後、画像形成部Bでカード裏面に画像形成(St16)した後、このカードを搬出経路Eから搬出部Cに送り、収容スタッカ30に収容する。
【0064】
また、第2反転ユニットGにカードが存在する状態(ステップSt07でyes)のときには、制御CPU50は第1反転ユニットFにカードが存在するか判断(St08)する。このときこのユニットFにカードが存在するときには、第1第2反転ユニット共にビジー状態として、そのいずれか早いほうがビジーでない状態に変化するのを待つ。このときカードは画像形成部Bに待機(St09)することとなる。つまり第2反転ユニットGにカードが存在するか一次判断し、次いで第1反転ユニットFにカードが存在するか二次判断し、この判断を繰り返す監視ルーチンが構成されている。
【0065】
そして第2反転ユニットGが先にビジーでない状態に変化したときには、前述と同様に第2反転ユニットGにカードを移送(St10)し、このユニットでカードを表裏反転(St11)した後、画像形成部Bに返送(St12)する。その後、画像形成部Bでカード裏面に画像形成(St16)した後、このカードを搬出経路Eから搬出部Cに送り、収容スタッカ30に収容する。
【0066】
また、第1反転ユニットFが先にビジーでない状態に変化したときには、制御CPU50は、画像形成部Bからカードを第1反転ユニットFに向けて移送(St13)する。このカード移送は搬入経路Dの搬送ローラ15、16を逆方向回転させる。そして制御CPU50は第1反転ユニットGでカードの表裏面を反転(St14)し、この反転されたカードを画像形成部Bに返送する(St15)。次に制御CPU50は画像形成部Bでカード裏面に画像形成(St16)した後、このカードを搬出経路Eから搬出部Cに送り、収容スタッカ30に収容する。
【0067】
上述の動作状態を図5〜図7に従って説明する。まず1枚目のカードCd1が搬入部Aから送られると、図5(a)に示すように第1反転ユニットFで、データ記録部(以下データ入力は磁気記録を例に説明する。)にカード姿勢を偏向して移送する。制御CPU50はこのデータ記録部でデータ入力した後、1枚目のカードCd1を画像形成部Bに移送し、同図(b)に示すように後続する2枚目のカードCd2をデータ記録部に移送する。そして1枚目のカードCd1の片面に画像形成し、同時に2枚目のカードCd2にデータ入力する。
【0068】
そこで制御CPU50は、第1第2反転ユニットF、Gがビジー状態か否か判断する。この場合には、第1反転ユニットFはビジー状態であり、第2反転ユニットGはビジーでない状態となる。そこで制御CPU50は同図(c)に示すように1枚目のカードCd1を第2反転ユニットGに送り。2枚目のカードCd2を第1反転ユニットFに送る。
【0069】
そして制御CPU50は同図(d)に示すように1枚目のカードCd1を第2反転ユニットGで表裏反転して画像形成部Bに返送してカードの裏面側に画像形成する。このとき2枚目のカードCd2は第1反転ユニットFで待機させる。
【0070】
次に制御CPU50は、図6(a)に示すように表裏面の画像形成を終了した1枚目のカードCd1を第2反転ユニットGから後処理部Kに送る。そして1枚目のカードCd1表面にコートフィルムを貼着する。これと同時に2枚目のカードCd2を画像形成部Bに送り、その片面に画像形成する。更に制御CPU50は3枚目のカードCd3をデータ記録部に送る。
【0071】
そこで、制御CPU50は、図6(b)に示すように2枚目のカードCd2の片面印刷を終了した状態で、第1第2反転ユニットF、Gがビジー状態か否か判断する。この場合には、第1反転ユニットFは3枚目のカードが接近した状態でビジーであり、第2反転ユニットGは1枚目のカードが存在する状態でビジーである。
【0072】
このとき制御CPU50はカードが接近した状態の3枚目のカードを搬入経路Dの待機部(図示の構成では磁気記録ユニット24)に待機させ、2枚目のカードCd2を第1反転ユニットFに送り、表裏反転する。これと同時に1枚目のカードCd1を第2反転ユニットGで表裏反転する。
【0073】
次に制御CPU50は、図6(c)に示すように2枚目のカードCd2を画像形成部Bに送り、その裏面に画像形成する。そして第1第2反転ユニットF、Gがビジー状態か否か判断する。このとき第1反転ユニットFには3枚目のカードが存在(待機)したビジー状態であり、第2反転ユニットGには1枚目のカードが接近した状態でビジー状態である。そこで制御CPU50は第1第2反転ユニットF、Gがビジーでない状態となるのを待つ。
【0074】
すると同図(d)に示すように1枚目のカードCd1は収容スタッカ30に収容され、
ビジーでない状態の第2反転ユニットGに2枚目のカードを移送する。これと同時に制御CPU50は、第1反転ユニットFに待機している3枚目のカードCd3を画像形成部Bに移送し、4枚目のカードCd4をデータ記録部に移送する。そして2枚目のカードを後処理部Kに送り、その片面にオーバコートフィルムを貼着する。また3枚目のカートの片面に画像形成する。
【0075】
次に制御CPU50は3枚目のカートの片面印刷が終了した段階で第1第2反転ユニットF、Gがビジー状態か否か判断する。このとき第1反転ユニットFには4枚目のカードが接近したビジー状態であり、第2反転ユニットGには2枚目のカードCd2が接近した状態でビジー状態である。
【0076】
そこで制御CPU50は図7(a)に示すように、2枚目のカードCd2を搬出経路Eの待機部(図示の構成では後処理部K)に待機させ、3枚目のカードCd3を第2反転ユニットGに送り表裏反転する。これと同時に4枚目のカードCd4を第1反転ユニットFに送って待機させる。
【0077】
そして制御CPU50は図7(b)に示すように、表裏反転した3枚目のカードCd3を画像形成部Bに移送し、その裏面に画像形成する。これと同時に後処理部Kに待機している2枚目のカードを第2反転ユニットGで表裏反転して後処理部Kで裏面側にオーバコートフィルムを貼着する。このとき4枚目のカードCd4を第1反転ユニットFに待機している。
【0078】
次に制御CPU50は3枚目のカードCd3の画像形成が終了した段階で第1第2反転ユニットF、Gがビジー状態か否か判断する。このとき第1反転ユニットFには4枚目のカードCd4が存在したビジー状態であり、第2反転ユニットGには2枚目のカードCd2が接近したビジー状態である。そこで制御CPU50は第1第2反転ユニットF、Gがビジーでない状態となるのを待つ。
【0079】
すると図7(c)に示すように、2枚目のカードCd2は第2反転ユニットGから収容スタッカ30に送られ、第2反転ユニットGはビジーでない状態となるが第1反転ユニットFには4枚目のカードCd4が待機している。
【0080】
そこで制御CPU50は3枚目のカードCd3を後処理部Kに送り、その片面にオーバコートフィルムを貼着する。これと同時に4枚目のカードCd43を画像形成部Bに送り、その片面に画像形成する。そして5枚目のカードCd5をデータ記録部に送る。以下同様に後続するカードを処理する。
【符号の説明】
【0081】
A 搬入部
B 画像形成部
C 搬出部
D 搬入経路
E 搬出経路
F 第1反転ユニット
G 第2反転ユニット
H1 監視手段
H2 判別手段
I 磁気記録部
K 後処理部
1 画像形成装置
24 磁気記録ユニット
30 収納スタッカ
50 制御CPU
53 データ入力制御部
54 画像形成制御部
55 後処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の表裏面に画像を形成する装置であって、
順次記録媒体を搬入する搬入部と、
前記搬入部から送られた記録媒体に画像形成する画像形成部と、
前記画像形成部からの記録媒体を収容スタッカに搬出する搬出部と、
前記搬入部から記録媒体を前記画像形成部に移送する搬入経路と、
前記画像形成部から記録媒体を前記搬出部に移送する搬出経路と、
前記搬入経路と搬出経路に配置された媒体搬送手段を制御する制御部と、
を備え、
前記画像形成部の上流側と下流側には、
前記搬入経路に記録媒体を表裏反転する第1の反転ユニットが、
前記搬出経路に記録媒体を表裏反転する第2の反転ユニットが、
配置され、
この第1第2の反転ユニットは画像形成部から送られた記録媒体を表裏反転した後、
再び画像形成部に向けて返送可能に構成され、
前記制御部には、
前記第1第2の反転ユニットそれぞれのビジー状態を監視する監視手段と、
この監視手段による監視結果に基づいて前記画像形成部から記録媒体を第1の反転ユニットに移送するか、第2の反転ユニットに移送するか判別する判断手段と、
が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、
前記監視手段による前記第1の反転ユニットと前記第2の反転ユニットの監視結果に基づいてビジーでない状態の反転ユニットに前記画像形成部から記録媒体を移送するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断手段は、
前記監視手段の監視結果が前記第1の反転ユニットと前記第2の反転ユニットいずれもビジーでない状態のときには、
前記画像形成部から記録媒体を前記第2の反転ユニットに移送するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記監視手段は、
前記第1の反転ユニットに後続する記録媒体が存在しているか又は接近しているか否かの情報、
前記第2の反転ユニットに先行する記録媒体が存在しているか又は接近しているか否かの情報、
によってビジー状態を監視し、
前記判断手段は、
反転ユニットに記録媒体が存在しているとき、及び反転ユニットで記録媒体を表裏反転する動作より先に接近した記録媒体がこの反転ユニットに到達するときビジー状態と判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記監視手段は、
前記第1第2の反転ユニットに記録媒体が存在しているか又は接近しているか否かの情報を、
前記搬入経路と前記搬出経路それぞれに配置された記録媒体の検出センサの検出信号から取得することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断手段は、
前記第2の反転ユニットに記録媒体が存在しているか否かの一次判断と、
前記第1の反転ユニットに記録媒体が存在しているか否かの二次判断と、
を、一次判断の後に二次判断を実行し、
この一次判断と二次判断でいずれか記録媒体が存在しない反転ユニットに前記画像形成部から記録媒体を移送するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記搬入経路には記録媒体にデータ入力するデータ記録部が、前記搬出経路には記録媒体に後処理を施す後処理部が配置され、
前記第1の反転ユニットは前記データ記録部に記録媒体を移送し、前記第2の反転ユニットは前記後処理部に記録媒体を移送するように構成され、
前記判断手段は、
前記第1の反転ユニットに存在又は接近している後続する記録媒体のデータ記録時間、
及び先行する記録媒体の後処理時間、
基づいてビジー状態を判断することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記データ記録部には、記録媒体に磁気的又は電気的に情報記録する記録手段が前記第1の反転ユニットの上流側に設けられ、
前記後処理部には、記録媒体の表面にオーバコートシートを貼着するコーティング手段が前記第2の反転ユニットの下流側に設けられ、
ていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断手段は、
前記監視手段の監視結果が前記第1の反転ユニットと前記第2の反転ユニットのいずれもビジー状態のときには、
前記記録手段のデータ記録時間と前記コーティング手段の後処理時間のいずれか早く終了する側の反転ユニットに待機時間の後、前記画像形成部から記録媒体を移送するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記搬入経路及び/又は前記搬出経路には前記搬入部から搬出部に向けて移送する記録媒体を一時的に待機させる待機部が設けられ、
前記制御部は、前記監視手段の監視結果に基づいて記録媒体をこの待機部に一時的に待機させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−209909(P2011−209909A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75829(P2010−75829)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】