説明

画像形成装置

【課題】感光体ドラム周りの構成を小型化でき、かつ感光体ドラム表面を帯電させるときに発生した窒素酸化物などの放電生成物を除去できるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、静電潜像が形成される円筒形の感光体ドラム3、感光体ドラム3を帯電させるコロナ帯電器、空気を機外に排出する排気装置401を備える。感光体ドラム3には、回転軸線周りの外周面における非画像領域に、感光体ドラム3の内部空間に周囲の空気を取り込むための吸気口309が形成され、回転軸線方向における一方の端面に、空気を排出するための排気口が形成され、吸気口309と排気口との間に、コロナ放電による放電生成物を捕捉するオゾンフィルター兼集塵フィルター307,308が設けられ、排気装置401は、吸気口309から、前記フィルタを経て前記排気口に至る空気の流れを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナ放電方式により感光体ドラムを帯電させる帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、静電潜像が形成される感光体を一様に帯電させる帯電手段として、コロナ放電方式の帯電装置が多用されている。この方式の帯電装置は、シールドケースと放電電極とを備え、シールドケースは感光体に対向する開口部を有し、放電電極は、シールドケース内部に配置され、放電面が線状、鋸歯状または針状となっている。
【0003】
上記コロナ放電方式の帯電装置としては、放電電極に高電圧を印加することでコロナ放電を発生させて、感光体を一様に帯電させる所謂コロトロン、および放電電極と感光体との間にグリッド電極を設け、このグリッド電極に所望の電圧を印加することで感光体を一様に帯電させる所謂スコロトロンが知られている。
【0004】
この種の帯電装置では、コロナ放電を発生させるため、窒素酸化物(NOx)などの放電生成物が生成される。具体的には、帯電装置から放出される電子の放電に伴うエネルギーによって、大気中に存在する窒素分子(N)が窒素原子(N)に解離し、それが酸素分子(O)と結合することで窒素酸化物(二酸化窒素:NO)が生成される。
【0005】
このようにして発生した窒素酸化物は、感光体にアンモニウム塩(硝酸アンモニウム)として付着し、異常画像の原因となる。特に、感光体として有機感光体(OPC)が用いられた場合、窒素酸化物によって、白抜けや像流れなどの画像欠陥が生じやすいという問題点がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、ゼオライトを含むブラシローラを、上方側から感光体に当接させる構成の画像形成装置が開示されている。さらに、特許文献1には、ゼオライトを含む板状部材を、上方側から感光体に対向して配置させる構成の画像形成装置が開示されている。
【0007】
特許文献1の開示によれば、ブラシローラおよび板状部材に含まれるゼオライトは、窒素酸化物や硝酸アンモニウムなどを吸着する性質を有している。したがって、感光体の表面に付着した硝酸アンモニウムをブラシローラで摺擦しながら吸着除去し、感光体近傍の空気中に浮遊する窒素酸化物などの放電生成物を板状部材で吸着し除去することができる。これによって、感光体に付着した硝酸アンモニウム、および感光体近傍の空気中に浮遊する窒素酸化物などの放電生成物に起因して画像欠陥が発生するのを抑制できるようにしている。
【0008】
また、特許文献2には、感光体ドラムの中に活性炭フィルターを内蔵し、複写機内で吸引した汚染空気を感光体ドラム内部へ導き、活性炭フィルターで浄化した後、機外へ排出する画像形成装置が開示されている。特許文献2の開示によれば、上記ような構成により、画像形成装置の小型化を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−122187号公報(平成15年4月25日公開)
【特許文献2】実開昭61−193461号公報(昭和61年12月02日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、ゼオライトを含むブラシローラが感光体に付着した硝酸アンモニウムを摺擦しながら吸着除去する。このため、感光体の表面に傷が発生するおそれがあり、この場合には、その傷による画像欠陥が発生することになる。さらに、特許文献1に開示される構成では、ゼオライトを含む板状部材が、感光体の上方側に配置されている。したがって、感光体の表面に沿って下方側に流動する放電生成物を除去することができない。このため、窒素酸化物などの放電生成物に起因する白抜けや像流れなどの画像欠陥が発生するのを充分に防止することができない。
【0011】
一方、特許文献2に開示される構成では、吸引した空気を感光体ドラム内へ導くダクトが必要となる。このため、感光体ドラム周りのプロセスユニットの小型化が難しいといった問題点を有している。
【0012】
また、コロナ放電方式の帯電装置のように、放電電極がシールドケースの内部に設けられた構成では、放電動作後において、シールドケースの内部空間に放電生成物が高濃度で滞留する。この放電生成物は、前述のように、感光体の表面に付着して異常画像の原因となる。そして、上記放電生成物を帯電装置の帯電性能を低下させることなく効率よく除去できる構成については、上記いずれの文献にも開示されていない。
【0013】
したがって、本発明は、感光体ドラム周りの構成の小型化が可能であり、また、感光体ドラムの表面を帯電させるときに発生した窒素酸化物などの放電生成物を、帯電装置の帯電性能を低下させることなく除去することができ、これによって放電生成物に起因する白抜けや像流れなどの画像欠陥の発生を防止することができる画像形成装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される円筒形の感光体ドラムと、この感光体ドラムをコロナ放電により帯電させるコロナ帯電器と、画像形成装置内部の空気を機外に排出する排気装置とを備えている画像形成装置において、前記感光体ドラムには、回転軸線周りの外周面における、前記静電潜像が形成されない非画像領域に、感光体ドラムの内部空間に感光体ドラム周囲の空気を取り込むための吸気口が形成され、回転軸線方向における一方の端面に、感光体ドラムの内部空間の空気を排出するための排気口が形成され、前記内部空間における前記吸気口と前記排気口との間に、空気中に含まれる、上記コロナ放電による放電生成物を捕捉するフィルタが設けられ、前記排気装置は、前記吸気口から、前記フィルタを経て前記排気口に至る空気の流れを形成することを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、排気装置が稼動すると、感光体ドラムの吸気口から感光体ドラム周りの空気が感光体ドラムの内部空間に取り込まれる。この空気は、感光体ドラムの内部空間に設けられたフィルタを通過して感光体ドラムの排気口から排出される。空気がフィルタを通過する際には、空気中に含まれる放電生成物や塵が補足される。
【0016】
上記のように、本発明では、放電生成物を空気中から除去するための構成が、排気装置を除いて、感光体ドラムに収納されている。たとえば、感光体ドラム周りの空気は、感光体ドラムの非画像領域に形成された吸気口から直接に感光体ドラムの内部に取り込むようになっている。したがって、吸気用のダクト等の感光体ドラム周りに付加する構成が不要であり、感光体ドラム周りの構成の小型化、さらには画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0017】
上記の画像形成装置において、前記感光体ドラムは、前記静電潜像が形成される画像領域の両側に前記非画像領域を有し、前記排気口から遠い方の非画像領域には、前記吸気口として第1の吸気口が形成され、前記排気口から近い方の非画像領域には、前記吸気口として第2の吸気口が形成され、前記感光体ドラムの回転軸線方向における中心点と前記第1の吸気口との間には、前記フィルタとして第1のフィルタが設けられ、前記中心点と前記第2の吸気口との間には、前記フィルタとして第2のフィルタが設けられ、前記排気口には、前記排気口から前記第2のフィルタを貫通して前記第2のフィルタ方向に延びるパイプ部材が接続されている構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、排気装置が稼動すると、感光体ドラムにおける画像領域の両側の非画像領域に形成された第1および第2の吸気口から、感光体ドラム周りの空気が感光体ドラムの内部空間に取り込まれる。第1および第2の吸気口から取り込まれた空気は、それぞれ第1のフィルタおよび第2のフィルタを通過し、さらにパイプ部材内を通過して感光体ドラムの排気口から排出される。したがって、第1および第2の吸気口から感光体ドラム周りの空気を効率よく感光体ドラムの内部に取り込むことができ、かつ第1および第2のフィルタによって空気中に含まれる放電生成物や塵を効率よく補足することができる。
【0019】
上記の画像形成装置において、前記パイプ部材の外周面には、放電生成物を吸着する吸着層が形成されている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、空気中に含まれる放電生成物がフィルタにて捕捉されなかった場合、その放電生成物は感光体ドラム内部におけるパイプ部材の外周面の吸着層に吸着され、空気中から除去される。したがって、小型化した構成であってもさらに効率よく放電生成物を除去することができる。
【0021】
上記の画像形成装置において、前記パイプ部材における前記第2のフィルタ方向の端部には、感光体ドラムの回転軸線方向に延びる複数の通気孔を有し、これら通気孔が回転軸線周りに並ぶように形成され、隣り合う通気孔の間にフィンが形成され、前記回転軸線方向における前記パイプ部材側とは反対側の端部が閉じた形状の円筒状フィン部材が接続され、前記円筒状フィン部材の外周面には前記吸着層が形成されている構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、空気中に含まれる放電生成物がフィルタにて捕捉されなかった場合、その放電生成物は感光体ドラム内部におけるパイプ部材および円筒状フィン部材の外周面の吸着層に吸着され、空気中から除去される。この場合、パイプ部材を経て排気口から排出される空気は、円筒状フィン部材の吸着層を有するフィンと接触した後、パイプ部材内に取り込まれる。したがって、小型化した構成であってもさらに効率よく放電生成物を除去することができる。
【0023】
上記の画像形成装置において、前記吸着層はゼオライトを含んでいる構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、ゼオライトは空気中に含まれる放電生成物としてのオゾンを効果的に分解することができるので、空気中に含まれる放電生成物としてのオゾンを除去する機能をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記のように、本発明では、放電生成物を空気中から除去するための構成が、排気装置を除いて、感光体ドラムに収納されている。たとえば、感光体ドラム周りの空気は、感光体ドラムの非画像領域に形成された吸気口から直接に感光体ドラムの内部に取り込むようになっている。したがって、吸気用のダクト等の感光体ドラム周りに付加する構成が不要であり、感光体ドラム周りの構成の小型化、さらには画像形成装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した感光体ドラムおよび帯電装置を示す斜視図である。
【図4】図1に示した感光体ドラムの内部構造を示す説明図である。
【図5】図1に示した感光体ドラムのドラムボス部と円筒状フィン部材とを示す斜視図である。
【図6】図1に示した帯電装置の具体的構成を、一部を破断して示す斜視図である。
【図7】図4に示した排気装置の稼動により発生する空気の流れを示す説明図である。
【図8】図5に示した、ゼオライトからなる吸着層による画像欠陥の防止機能について調べた実験結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置100の構成を示す縦断面図である。画像形成装置100は、たとえばスキャナとプリンタと周辺機器とを備えた複合機であり、外部から入力された画像データまたは原稿読取りによって得られた画像データに基づいて、記録用紙に対して多色または単色の画像を形成する装置である。
【0028】
画像形成装置100は、最上部に自動原稿搬送装置101を備え、その下方に順次、原稿読取部102、定着部103、画像形成部104、露光部105、手差し給紙部106および内部給紙部107を備えている。
【0029】
自動原稿搬送装置101は、原稿トレイ93上に配置された原稿を原稿載置台92の上に自動的に搬送する。自動原稿処理装置120は矢印M方向、すなわち後端部を中心に上下方向に回動自在に構成されている。これにより、原稿載置台92を開放可能であり、開放した原稿載置台92上に原稿を手で置けるようになっている。
【0030】
原稿読取装部102は、原稿が載置される透明ガラスからなる上記原稿載置台92を上面に有し、原稿載置台92上に載置された原稿の画像を読み取り、画像データを取得する。
【0031】
露光部105は、レーザ出射部、ポリゴンミラー、収束レンズおよび反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)からなる。レーザ出射部から出射されるレーザ光は、ポリゴンミラーにより偏向され、収束レンズにより収束され、反射ミラーにより反射されて、画像形成部104における感光体ドラム3に照射される。感光体ドラム3の表面は所定の電位および極性に帯電されており、レーザ光が照射されることにより、画像データに応じた静電潜像が形成される。なお、露光部105としては、前記レーザスキャニングユニット(LSU)の他、EL(Electro Luminescence)やLED(Light Emitting Diode)などの発光素子をアレイ状に並べた書込み装置(たとえば、書込みヘッド)を使用することもできる。
【0032】
画像形成部104は、ブラック(K)、ならびにカラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて画像形成を行う。このために、画像形成部104は、4つのトナー像形成部111および中間転写ユニット6を備えている。
【0033】
各トナー像形成部111は、上記の各色に対応して設けられ、中間転写ユニット6における中間転写ベルト61の移動方向(回転方向)に一列に配置されている。各トナー像形成部111は、それぞれ同様の構成であり、感光体ドラム3の周りに、現像ユニット2、クリーナユニット4および帯電装置5を有している。
【0034】
帯電装置5は、感光体ドラム3の回転軸線方向に沿って延びており、感光体ドラム3の表面から所定の間隙を有して離隔するように配置される。帯電装置5は、チャージャ型の装置であり、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
【0035】
現像ユニット2は、感光体ドラム3に対向しかつ圧接するように設けられ、感光体ドラム3の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像し、トナー像とする。このトナー像は、感光体ドラム3の表面から中間転写ベルト61上に転写される。
【0036】
クリーナユニット4は、現像、および中間転写ベルト61へのトナー像の転写後における感光体ドラム3の表面に残留したトナーを除去し、回収する。
【0037】
中間転写ユニット6は、各感光体ドラム3の上方に配置され、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、一次転写ローラ64、中間転写ベルトクリーニングユニット65および二次転写ローラ10備えている。
【0038】
中間転写ベルト61は、中間転写ベルト駆動ローラ62と中間転写ベルト従動ローラ63との間に張架されてループ状の移動経路を形成している無端状のベルト部材であり、その厚みは100μm〜150μm程度である。この中間転写ベルト61を挟んで感光体ドラム3に対向する位置に、一次転写ローラ64が配置されている。中間転写ベルト61が感光体ドラム3に対向する位置が一次転写位置である。
【0039】
一次転写ローラ64には、感光体ドラム3の表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム3に形成された各色相のトナー像は中間転写ベルト61の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト61の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。但し、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つのトナー像形成部111の各感光体ドラム3のうち、入力された画像データの色相に対応する一部のみにおいて静電潜像およびトナー像の形成が行われる。たとえば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム3のみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト61の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
【0040】
一次転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(たとえばステンレス)を素材とする軸の表面を導電性の弾性材(たとえば、EPDM:エチレンプロピレン共重合ゴム、発泡ウレタンなど)により被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト61に均一に高電圧を印加する。
【0041】
一次転写ローラ64によって中間転写ベルト61の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、二次転写ローラ10との対向位置である二次転写位置に搬送される。
【0042】
二次転写ローラ10は、画像形成時において、内周面が中間転写ベルト駆動ローラ62の周面に接触する中間転写ベルト61の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。二次転写ローラ10には、内部給紙部107または手差し給紙部106から給紙された記録用紙が二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間を通過する際に、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト61の外周面から記録用紙の表面にトナー像が転写される。また、二次転写位置において前記ニップ圧を定常的に得るために、二次転写ローラ10および中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方のローラが、金属などからなる硬質材料にて形成され、他方のローラが、弾性ゴムや発泡性樹脂などからなる軟質材料にて形成されている。
【0043】
感光体ドラム3の一部または全部から中間転写ベルト61に付着したトナーのうち記録用紙上に転写されずに中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程での混色を防止するために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去され、回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に当接してトナーを除去するクリーニングブレードが備えられている。
【0044】
定着部103は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を有する。二次転写位置においてトナー像が転写された記録用紙は、定着部103へ導かれ、ヒートローラ71と加圧ローラ72との間を通過することで加熱および加圧される。これによって、トナー像が記録用紙の表面に堅牢に定着する。なお、定着部103において、ヒートローラ71には外部からヒートローラ71を加熱する外部定着ベルト73が接触して設けられ、図示しない温度検出器によって検出される温度データに基づいて、ヒートローラ71が所定の定着温度となるように制御される。トナー像が定着した記録用紙は、搬送ローラ12bによって排紙トレイ91上へ排出される。
【0045】
画像形成装置100には、内部給紙部107および手差し給紙部106に収容されている記録用紙を二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間および定着部103を経由して排紙トレイ91へ送るための略垂直方向に延びる用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、およびレジストローラ13が配置されている。
【0046】
搬送ローラ12a〜12dは、記録用紙の搬送を促進しかつ補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、内部給紙部107の端部近傍に備えられ、内部給紙部107から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。また、ピックアップローラ11bは、手差し給紙部106の端部近傍に備えられ、手差し給紙部106から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0047】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持する。そして、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と記録用紙の先端とを合わせるタイミングにて、二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間に記録用紙を搬送する機能を有している。
【0048】
また、画像形成装置100において、記録用紙の両面に画像を形成する両面印字の場合には、片面印字が終了し定着部103を通過した記録用紙は、その後端が搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって搬送ローラ12c,12dに導かれる。搬送ローラ12c、12dに導かれた記録用紙は、レジストローラ13、二次転写ローラ10および定着部103を通過し、裏面の印字が行われて、排紙トレイ91に排出される。
【0049】
次に、画像形成装置100の電気的構成について説明する。図2は、画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0050】
図2に示すように、画像形成装置100は、装置制御部21、記憶装置22、演算部23、表示部24、入力部25、USB/LAN26、読取部27、画像処理部28、画像形成部104および周辺機器制御部29を備えている。
【0051】
装置制御部21は、画像形成装置100における画像形成動作を統括的に制御する。記憶装置22は、画像形成装置100の上面に配置される操作パネルを介して入力される印刷指令、画像形成装置100内部の各所に配置される各種センサなどからの検知結果、外部機器からUSB/LAN26を介して入力される画像情報、画像形成装置100内部の各ユニットの動作を制御するための各種設定値およびデータテーブル、並びに各種制御を実行するためのプログラムなどを記憶する。なお、上記操作パネルは、表示部24および入力部25を備えている。
【0052】
記憶装置22としては、たとえばリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)を使用できる。外部機器は、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気機器あるいは電子機器である。たとえば、コンピュータ、デジタルカメラなどが挙げられる。
【0053】
演算部23は、記憶装置22に記憶されている各種データ、たとえば印刷指令、検知結果および画像情報、並びに各種制御を実施するためのプログラムを取り出し、各種検知と各種判定との少なくとも一方を行う。装置制御部21は、演算部23における各種判定結果および演算結果などに応じて各部に制御信号を送信し、各部を制御する。
【0054】
装置制御部21および演算部23は、たとえば中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。
【0055】
周辺機器制御部29は、画像形成装置100に接続される周辺機器を制御する。周辺機器は、たとえば後処理装置としてのフィニッシャやソータである。
【0056】
次に、図1に示した感光体ドラム3および帯電装置5について説明する。図3は感光体ドラム3および帯電装置5を示す斜視図、図4は感光体ドラム3の内部構造を示す説明図、図5は感光体ドラム3のドラムボス部306と円筒状フィン部材312とを示す斜視図である。
【0057】
図3に示すように、感光体ドラム3は、円筒状のドラム形状を呈し、駆動装置(図示せず)によって回転軸線まわりに回転駆動される。感光体ドラム3は円筒状の導電性基体301を有し(図4参照)、導電性基体301の表面に感光層302(図3参照)を有する。この感光層302の表面は、静電潜像が形成される画像領域となっている。
【0058】
また、感光体ドラム3は、感光層302の両端部に隣接して円筒状のフランジ部303,304を有している。フランジ部303は感光層302の一端部に隣接し、フランジ部304は感光層302の他端部に隣接している。フランジ部303,304は、静電潜像が形成されない非画像領域に相当する部分である。
【0059】
さらに感光体ドラム3は、一方のフランジ部303の回転軸線方向外側に隣接して、感光体ドラム3を回転駆動するためのギア部305を有し、他方のフランジ部304の回転軸線方向外側に隣接してドラムボス部306を有する。各フランジ部303,304には、フランジ部303,304の周方向に複数個の吸気口309が形成されている。この吸気口309により、感光体ドラム3の内部空間と外部空間とが連通している。
【0060】
感光体ドラム3の導電性基体301内の空間における、両フランジ部303,304の近傍位置であって両フランジ部303よりも内方側の位置には、オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308が設けられている。オゾンフィルター兼集塵フィルター307は一方のフランジ部303の近傍位置に配置され、オゾンフィルター兼集塵フィルター308は他方のフランジ部304の近傍位置に配置されている。これらオゾンフィルター兼集塵フィルター307,308は、たとえば活性炭フィルターからなり、オゾンを含む放電生成物および塵を捕捉するものである。
【0061】
ドラムボス部306はボス部310およびパイプ部(パイプ部材)311を有している。ボス部310は、感光体ドラム3の回転軸線方向におけるフランジ部304側の外端部に位置している。パイプ部311は、ボス部310におけるフランジ部304側の面から反対側のギア部305方向へ、オゾンフィルター兼集塵フィルター308を貫通して、感光体ドラム3の回転軸線方向に沿って延びている。
【0062】
パイプ部311における感光体ドラム3の回転軸線方向の内方側の端部には、円筒状フィン部材312が設けられている。この円筒状フィン部材312は、パイプ部311における上記端部から反対側のギア部305方向へ、感光体ドラム3の回転軸線方向に沿って延びている。円筒状フィン部材312には、感光体ドラム3の回転軸線方向に延びる多数の通気孔315が、円筒状フィン部材312の周方向に並ぶように形成されている。通気孔315は、円筒状フィン部材312を貫通し、円筒状フィン部材312内部の気体流路(図示せず)と連通している。また、隣り合う通気孔315の間にはフィン316が形成されている。したがって、各フィン316は、円筒状フィン部材312の外周面において、感光体ドラム3の回転軸線方向に形成され、円筒状フィン部材312の半径方向に所定の高さを有している。さらに、円筒状フィン部材312は、前記回転軸線方向におけるパイプ部311側とは反対側の端部が閉じた形状となっている。
【0063】
ドラムボス部306のボス部310の中心部には、図5に示すように、感光体ドラム3の回転軸線方向に延びる排気口313が形成され、この排気口313は、パイプ部311内の気体流路314と連通している。さらに、この気体流路314は円筒状フィン部材312内の気体流路(図示せず)と連通している。なお、図5では、パイプ部311と円筒状フィン部材312とを切り離した状態を示している。
【0064】
パイプ部311および円筒状フィン部材312の外周面には、浮遊する窒素酸化物などの放電生成物を吸着する吸着層317が形成されている。放電生成物は、感光体ドラム3を帯電させるときの帯電装置5の放電動作により発生するものである。上記吸着層317は、パイプ部311および円筒状フィン部材312の表面に、たとえばゼオライトを塗布して形成したものである。
【0065】
吸着層317を形成する吸着剤としては、上記ゼオライトのほか、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、あるいは活性アルミナなどを使用可能であるものの、ゼオライトが好ましい。
【0066】
ゼオライトは、窒素酸化物などの放電生成物に対する吸着性能が優れた材料である。したがって、吸着層317としてゼオライトを使用すれば、放電生成物を吸着除去する効率を向上させることができる。ゼオライトは、TO四面体(T=Si,Al)が頂点の酸素(O)原子を共有した三次元ネットワークの構造をもち、構造を壊さずに脱着が可能なゼオライト水と交換可能な陽イオンとを含むアルミノケイ酸塩質の結晶材料であり、結晶中に微細な細孔を有する。
【0067】
ゼオライトからなる吸着層317をパイプ部311および円筒状フィン部材312に形成する方法としては、次の2つの方法を挙げることができる。第1の方法は、シリカ・アルミナゲルとテトラプロピルアンモニウム塩との混合水溶液を用い、高いpH領域で100〜200℃の水熱条件下で結晶を析出させることによって、吸着層521を形成するものである。第2の方法は、トリエチレングリコール(TEG)中にゼオライト粒子が分散されたペースト状の分散液を用い、塗布法によって吸着層521を形成するものである。
【0068】
ドラムボス部306側における感光体ドラム3の回転軸線方向の位置には、排気ファン402を備えた排気装置401が設けられている。この排気装置401は、感光体ドラム3の周囲から、感光体ドラム3の内部を通り、画像形成装置100の外部へ至る空気の流れを形成し、画像形成装置100内部の空気を上記の経路で画像形成装置100の外部に排気するものである。
【0069】
帯電装置5は、図3に示すように、感光体ドラム3の感光層302と所定の間隔をおいて対向するように配置されている。図6に示すように、帯電装置5は、放電電極512、保持部材515、放電電極512およびシールドケース511、およびグリッド電極514を備えている。図6は、図1に示した帯電装置5の具体的構成を、一部を破断して示す斜視図である。
【0070】
シールドケース511は、感光体ドラム3の回転軸線に平行な長手方向に沿って延び、感光体ドラム3との対向領域がシールド開口部511aとなっている。このシールドケース511は、たとえばステンレス鋼製であり、その外観形状が直方体で内部空間を有する。シールドケース511の底面には保持部材515が設けられ、この保持部材515に放電電極512がねじ516により固定されている。
【0071】
放電電極512は、感光体ドラム3の軸線方向に延びる平板部512aと、平板部512aの短手方向(感光体ドラム3の回転軸線方向に垂直な方向)の一端面から短手方向に突出するように形成される先鋭状突起部512bとを有し、板状に形成されている。放電電極512の材料としては、電圧の印加によってコロナ放電が可能であり、また先鋭状突起部512bの形成が可能であれば特に制限なく使用でき、たとえば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、鉄などが挙げられる。これらの中でも、ステンレス鋼が好ましい。グリッド電極514は、シールドケース511のシールド開口部511aに設けられ、感光体ドラム3表面の帯電電位を調整する。
【0072】
帯電装置5では、放電電極512に数kVの電圧が印加されてコロナ放電することにより、感光体ドラム3の表面を帯電させる。この場合、グリッド電極514に所定のグリッド電圧が印加されることによって感光体ドラム3の表面の帯電状態を均一にすることができる。
【0073】
上記の構成において、感光体ドラム3の表面を所定電位に帯電するために、帯電装置5においてコロナ放電が行われると、窒素酸化物やオゾンなどの放電生成物が生成される。この放電生成物は感光体ドラム3の周囲を漂い、特に窒素酸化物は感光体ドラム3に付着すると異常画像の原因となる。
【0074】
一方、排気装置401が稼動すると、感光体ドラム3内部の空気が吸引され、その空気は、ドラムボス部306の排気口313を介して感光体ドラム3の外部へ排出され、さらに画像形成装置100の外部へ排出される。これに伴い、感光体ドラム3周辺の空気は、感光体ドラム3内に取り込まれた後、上記の感光体ドラム3内部の空気と同様の経路にて画像形成装置100の外部に排出される。以下、この動作について詳細に説明する。
【0075】
図7は、排気装置401の稼動により発生する空気の流れを示す説明図である。排気装置401が稼動すると、感光体ドラム3の周囲の空気は、フランジ部303,304の吸気口309から感光体ドラム3の内部に取り込まれる(空気流F)。
【0076】
感光体ドラム3に取り込まれた空気は、オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308を通過して、両オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308の間の領域に取り込まれる(空気流F)。この際に、空気中に含まれるオゾンなどの放電生成物および塵は、オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308に捕捉され、空気中から除去される。
【0077】
次に、両オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308の間の領域に取り込まれた空気は、円筒状フィン部材312の通気孔315から円筒状フィン部材312内の空間に取り込まれ、さらにドラムボス部306におけるパイプ部311の気体流路314、およびボス部310の排気口313を経て、感光体ドラム3の外部に排出される。感光体ドラム3の外部に排出された空気は、さらに排気装置401によって画像形成装置100の外部に排出される。
【0078】
ここで、両オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308の間の領域に取り込まれた空気に含まれる放電生成物(両オゾンフィルター兼集塵フィルター307,308にて捕捉されなかったもの)は、パイプ部311の表面の吸着層317および円筒状フィン部材312のフィン316の表面の吸着層317に吸着される。この場合、パイプ部311を経て排気口313から排出される空気は、円筒状フィン部材312の吸着層317を有するフィン316と接触した後、パイプ部311内に取り込まれるので、効率よく放電生成物を除去することができる。したがって、帯電装置5のコロナ放電によって生じた放電生成物は、感光体ドラム3の感光層302に付着することがなく、また画像形成装置100の外部に排出されることがない。これにより、放電生成物が感光体ドラム3の感光層302に付着することに起因する画像の白抜けや像流れなどの画像欠陥を防止することができる。
【0079】
また、一酸化窒素(NO)の分子量は30.0g/molであり、二酸化窒素(NO2)の分子量は46.0g/molであり、空気の分子量は28.9g/molである。したがって、一酸化窒素や二酸化窒素からなる窒素酸化物などの放電生成物は空気より重い。そのため、帯電装置5が感光体ドラム3の表面を帯電させるときに発生する放電生成物は、感光体ドラム3の表面に沿って鉛直方向下方に流動することになる。
【0080】
すなわち、放電生成物は空気中に舞い上がることなく、感光体ドラム3の周囲から鉛直方向下方に流動するので、フランジ部303,304の吸気口309から感光体ドラム3内部への空気流によって感光体ドラム3の内部に取り込み、感光体ドラム3内部のオゾンフィルター兼集塵フィルター307,308および吸着層317によって効率よく除去することができる。
【0081】
また、空気中から放電生成物を除去するための構成のうち、空気流を生成する排気装置401以外の構成は、感光体ドラム3に収納できるようになっている。これにより、感光体ドラム3周りの構成、さらには画像形成装置の小型化が可能となっている。
【0082】
図8には、ゼオライトからなる吸着層317による画像欠陥の防止機能について調べた実験結果を示す。
【0083】
この実験での条件、測定項目は次のとおりである。
・感光体ドラム3のサンプル:吸着層317を設けない構成を含め、吸着層317の膜厚が異なる10種類(8つの実施例と2つの比較例)の感光体ドラム3のサンプルを作成し、画像形成装置100に搭載した。
・測定項目:各サンプルについて、50枚コピー後、1時間の放置状態を経て、(1)温度25℃、湿度5%の環境下での感光体円周長ピッチでの白抜けレベル(測定画像は中間画像)、(2)温度35℃、湿度85%の環境下での感光体表面における静電潜像流れレベル(測定画像は文字画像)について調べた。総コピー枚数は3000枚/月であり、上記(1)(2)については目視にて評価した。
・排気装置401:排気装置401が発生する空気流の風速は3m/secとし、排気装置401の稼動時間を印刷終了後60秒間とした。
【0084】
図8の評価結果における◎、○、△、×の意味は次の通りである。
◎:画像ピッチムラ無し/文字にじみ無し。
○:画像ピッチムラわずかに有り(画像横方向に幅10mmまでの淡い白すじ有り)/文字にじみわずかに有り(文字のにじみがわずかに有り)。
△:画像ピッチムラ有り(画像横方向に幅20mmまでの白すじ有り)/文字にじみ有り(文字のにじみがわずかに有り)。
×:画像ピッチムラ非常に有り(画像横方向に幅20mm超の白すじ有り)/文字認識不可。
【0085】
図8の結果から、ゼオライトからなる吸着層317の好ましい厚みの範囲は、40μm以上、150μm以下であることが分かった。また、放電生成物についての吸着能力とコスト面とを考慮した場合、さらに好ましい吸着層317の厚みの範囲は、50μm以上、100μm以下である。すなわち、吸着層317の厚みを150μmとした場合、放電生成物についての吸着能力は良好であるものの、層の厚みが厚くなる分、コストアップとなる。吸着層317を上記のような好ましい範囲とすれば、空気中の放電生成物を吸着して除去する吸着層317の能力を長期間にわたって維持できる。
【0086】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
3 感光体ドラム
5 帯電装置
100 画像形成装置
101 自動原稿搬送装置
102 原稿読取部
103 定着部
104 画像形成部
105 露光部
106 手差し給紙部
107 内部給紙部
111 トナー像形成部
302 感光層
303,304 フランジ部
305 ギア部
306 ドラムボス部
307,308 オゾンフィルター兼集塵フィルター
309 吸気口
310 ボス部
311 パイプ部
312 円筒状フィン部材
313 排気口
314 気体流路
315 通気孔
316 フィン
401 排気装置
402 排気ファン
511 シールドケース
512 放電電極
514 グリッド電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される円筒形の感光体ドラムと、
この感光体ドラムをコロナ放電により帯電させるコロナ帯電器と、
画像形成装置内部の空気を機外に排出する排気装置とを備えている画像形成装置において、
前記感光体ドラムには、回転軸線周りの外周面における、前記静電潜像が形成されない非画像領域に、感光体ドラムの内部空間に感光体ドラム周囲の空気を取り込むための吸気口が形成され、回転軸線方向における一方の端面に、感光体ドラムの内部空間の空気を排出するための排気口が形成され、前記内部空間における前記吸気口と前記排気口との間に、空気中に含まれる、上記コロナ放電による放電生成物を捕捉するフィルタが設けられ、
前記排気装置は、前記吸気口から、前記フィルタを経て前記排気口に至る空気の流れを形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ドラムは、前記静電潜像が形成される画像領域の両側に前記非画像領域を有し、前記排気口から遠い方の非画像領域には、前記吸気口として第1の吸気口が形成され、
前記排気口から近い方の非画像領域には、前記吸気口として第2の吸気口が形成され、
前記感光体ドラムの回転軸線方向における中心点と前記第1の吸気口との間には、前記フィルタとして第1のフィルタが設けられ、前記中心点と前記第2の吸気口との間には、前記フィルタとして第2のフィルタが設けられ、
前記排気口には、前記排気口から前記第2のフィルタを貫通して前記第1のフィルタ方向に延びるパイプ部材が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記パイプ部材の外周面には、放電生成物を吸着する吸着層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パイプ部材における前記第2のフィルタ方向の端部には、感光体ドラムの回転軸線方向に延びる複数の通気孔を有し、これら通気孔が回転軸線周りに並ぶように形成され、隣り合う通気孔の間にフィンが形成され、前記回転軸線方向における前記パイプ部材側とは反対側の端部が閉じた形状の円筒状フィン部材が接続され、前記円筒状フィン部材の外周面には前記吸着層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記吸着層はゼオライトを含んでいることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−248006(P2011−248006A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119608(P2010−119608)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】