説明

画像形成装置

【課題】 ベルト状の像保持部材に保持されたトナー像が記録媒体に適切に転写されると共に、この記録媒体がベルト部材により像保持部材から適切に離脱されて搬送されるようにする。
【解決手段】 回転駆動されるベルト状の像保持部材10からトナー像を記録媒体Sに転写させる転写位置に、像保持部材とベルト部材30を挟むようにして対向する第1及び第2の転写用ローラ11,31を設け、トナー像が転写された記録媒体を回転駆動されるベルト部材により像保持部材から離れる方向に搬送させにあたり、像保持部材とベルト部材とにそれぞれ弾性層10b,30bを設けると共に、第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線Lと、ベルト部材によって記録媒体を搬送させる方向Xとがなす像保持部材側の角度θを90°未満にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置に関するものである。特に、トナー像を保持して回転駆動されるベルト状の像保持部材と、この像保持部材に保持されたトナー像を記録媒体に転写させる転写位置からトナー像が転写された記録媒体を像保持部材から離れる方向に搬送させるベルト部材と、上記の転写位置において像保持部材とベルト部材と挟むようにして対向する第1及び第2の転写用ローラとを備えた画像形成装置において、像保持部材に保持されたトナー像が記録媒体に適切に転写されると共に、トナー像が転写された記録媒体が、ベルト部材により像保持部材から適切に離脱されて搬送されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置の一つとして、感光体に形成されたトナー像を一次転写ローラにより回転駆動される中間転写ベルトに転写させて保持させ、この中間転写ベルトに保持されたトナー像を二次転写ローラと対向する転写位置に導くと共に、この中間転写ベルトと二次転写ローラとの間に記録媒体を導いて、中間転写ベルトに保持されたトナー像を記録媒体に転写させ、このようにトナー像が転写された記録媒体を中間転写ベルトから離脱させて定着装置等に導くようにしたものが用いられている。
【0003】
ここで、このような画像形成装置において、上記の記録媒体に、薄い用紙や表面が平滑な用紙を用いると、上記のように中間転写ベルトと二次転写ローラとの間に記録媒体を導いて、中間転写ベルトに保持されたトナー像を記録媒体に転写させた場合に、この記録媒体が中間転写ベルトに張り付いて、中間転写ベルトから記録媒体が適切に離脱されずに残り、ジャムなどが発生して正常な画像形成が行えなくなるという問題があった。
【0004】
このため、近年においては、特許文献1,2等に示されるように、中間転写ベルトに保持されたトナー像を記録媒体に転写させる転写位置からトナー像が転写された記録媒体を中間転写ベルトから離れる方向に搬送させるベルト部材を設け、このベルト部材にトナー像が転写された記録媒体を張り付かせて、中間転写ベルトから記録媒体を適切に離脱させるようにした画像形成装置が提案されている。
【0005】
ここで、このような画像形成装置においては、一般に、上記の中間転写ベルトとして、ポリアミドやポリイミドで構成された耐久性に優れた樹脂ベルトを用いるようにしている。
【0006】
しかし、中間転写ベルトにこのような樹脂ベルトを用いると、感光体に形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写させる場合や、中間転写ベルトに保持されたトナー像を記録媒体に転写させる場合における転写性能が悪くなり、形成される画像に中抜け等が発生するという問題があった。
【0007】
また、上記の画像形成装置においては、上記のベルト部材に弾性ベルトを用いることが示されているが、ベルト部材に弾性ベルトを用いた場合においても、中間転写ベルトに保持されたトナー像を記録媒体に転写させる場合における転写性能を十分に改善することはできず、特に、記録媒体として表面に凹凸がある用紙を用いた場合には、転写性能が悪くなるいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−246011号公報
【特許文献2】特開2006−267704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、トナー像を保持して回転駆動されるベルト状の像保持部材に保持されたトナー像を転写位置において記録媒体に転写させ、このようにトナー像が転写された記録媒体をベルト部材により像保持部材から離れる方向に搬送させる場合において、像保持部材に保持されたトナー像が記録媒体に適切に転写されると共に、トナー像が転写された記録媒体が、ベルト部材により像保持部材から適切に離脱されて搬送されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置においては、上記のような課題を解決するため、トナー像を保持して回転駆動されるベルト状の像保持部材と、この像保持部材に保持されたトナー像を記録媒体に転写させる転写位置からトナー像が転写された記録媒体を像保持部材から離れる方向に搬送させるベルト部材と、上記の転写位置において像保持部材とベルト部材と挟むようにして対向する第1及び第2の転写用ローラとを備えた画像形成装置において、上記の像保持部材とベルト部材とにそれぞれ弾性層を設けると共に、上記の第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線Lと、上記のベルト部材によってトナー像が転写された記録媒体を搬送させる方向Xとがなす像保持部材側の角度θが90°未満になるようにした。
【0011】
ここで、上記のベルト状の像保持部材は、感光体からトナー像が転写される中間転写ベルトの他、無端ベルト状になったベルト感光体であってもよい。
【0012】
そして、上記のようにベルト状の像保持部材とベルト部材とにそれぞれ弾性層を設けると、ベルト部材によって搬送される記録媒体に、像保持部材に保持されたトナー像が適切に密着され、記録媒体に対してトナー像が適切に転写されるようになる。
【0013】
なお、このようにトナー像と記録媒体との密着性が高まると、電荷のやり取りが行われやすくなって、記録媒体と像保持部材との間の電気的吸着力が強くなり、記録媒体が像保持部材から分離されにくくなるが、本願発明のように、第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線Lと、ベルト部材によってトナー像が転写された記録媒体を搬送させる方向Xとがなす像保持部材側の角度θを90°未満にすると、記録媒体がベルト部材に引き付けられやすくなって、像保持部材から分離されやすくなる。
【0014】
また、上記のベルト状の像保持部材として、ベルト基材に少なくとも弾性層が積層されたものを用い、上記のベルト部材と対面するこの像保持部材の表面における表面硬度が、反対側の裏面における裏面硬度よりも小さくなるようにすると共に、像保持部材と対面するベルト部材の表面における表面硬度が、像保持部材における裏面硬度よりも小さくなるようにすると、像保持部材に保持されたトナー像が記録媒体に適切に密着されて、より転写性能が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明における画像形成装置においては、上記のようにベルト部材によって搬送される記録媒体に、像保持部材に保持されたトナー像が適切に密着されて、記録媒体にトナー像が適切に転写されるようになり、中抜け等のない良好な画像が得られるようになると共に、ベルト部材によって搬送される記録媒体が像保持部材から分離されやすくなり、記録媒体が像保持部材から適切に離脱されて、ジャムなどが発生するのが抑制され、正常な画像形成が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の部分概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の画像形成装置に用いる中間転写ベルトの部分説明図である。
【図3】本発明の一実施形態の画像形成装置に用いるベルト部材の部分説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の画像形成装置において、第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線と、ベルト部材によってトナー像が転写された記録媒体を搬送させる方向との関係を示した部分説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0018】
この実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、ベルト状の像保持部材10として、中間転写ベルト10を用いており、この中間転写ベルト10を第1の転写用ローラ11及び複数の回転ローラ12に架け渡して回転駆動させるようにしている。
【0019】
また、この画像形成装置においては、4つのイメージングユニット20A〜20Dを設け、各イメージングユニット20A〜20Dに収容させるトナーの色彩を変更させ、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容させると共に、各イメージングユニット20A〜20Dに設けられた各感光体21を、それぞれ上記の中間転写ベルト10を介して各一次転写ローラ22と対向するように設けている。
【0020】
また、中間転写ベルト10が架け渡された上記の第1の転写用ローラ11と対向する位置に第2の転写用ローラ31を設けると共に、この第2の転写用ローラ31よりも記録媒体Sを搬送させる側の位置に搬送ローラ32を設け、上記の第2の転写用ローラ31と搬送ローラ32とに無端ベルト状のベルト部材30を架け渡して、このベルト部材30を回転駆動させるようにしている。
【0021】
そして、このように回転駆動されるベルト部材30によって、トナー像が転写された記録媒体Sを中間転写ベルト10から離れるように搬送させて、定着装置40に導くようにしている。
【0022】
ここで、この画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各イメージングユニット20A〜20Dにおける各感光体21に、それぞれ画像情報に基づいて各色彩のトナー像を形成し、このように形成された各色彩のトナー像を、各感光体21から上記の一次転写ローラ22により中間転写ベルト10に順々に転写させて、この中間転写ベルト10の表面にフルカラーのトナー像を形成する。
【0023】
そして、このように形成されたフルカラーのトナー像を回転駆動される中間転写ベルト10によって上記の第1の転写用ローラ11の位置に導くと共に、この中間転写ベルト10と上記のベルト部材30との間に記録媒体Sを導き、第1の転写用ローラ11と第2の転写用ローラ31とが対向する転写位置において、中間転写ベルト10の表面に保持されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに転写させる。
【0024】
次いで、このようにフルカラーのトナー像が転写された記録媒体Sを、上記のように回転駆動されるベルト部材30によって中間転写ベルト10から離間させるようにして搬送し、この記録媒体Sを上記の定着装置40に導き、記録媒体Sに転写されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに定着させるようにする。
【0025】
ここで、この実施形態においては、上記の中間転写ベルト10として、図2に示すように、ポリイミド等で構成されたベルト基材10aの上に、NBR等の弾性材料で構成された弾性層10bと、フッ素粒子等を含有する樹脂等を塗布させた表面層10cとを設けたものを用い、また上記のベルト部材30としても、図3に示すように、中間転写ベルト10と同様に、ポリイミド等で構成されたベルト基材30aの上に、NBR等の弾性材料で構成された弾性層30bと、フッ素粒子等を含有する樹脂等を塗布させた表面層30cとを設けたものを用いるようにした。
【0026】
そして、第1の転写用ローラ11と第2の転写用ローラ31が対向する位置において、この中間転写ベルト10における表面層10cとベルト部材30における表面層30cとが対面するようにした。
【0027】
この場合、上記の中間転写ベルト10及びベルト部材30は、それぞれベルト基材10a,30aの表面側に弾性層10b,30bが設けられているため、中間転写ベルト10の表面における表面硬度が、その裏面における裏面硬度よりも小さくなっており、またベルト部材30の表面における表面硬度も、中間転写ベルト10の裏面における裏面硬度よりも小さくなっている。なお、この実施形態においては、ベルト部材30として、樹脂で構成されたベルト基材30aの上に、弾性層30bと表面層30cとを設けたものを用いるようにしたが、上記のベルト基材を用いずに、弾性材料で構成された弾性ベルトを用いるようにすることも可能である。
【0028】
そして、上記のように中間転写ベルト10とベルト部材30とが対面する表面側にそれぞれ弾性層10b,30bが設けられた中間転写ベルト10とベルト部材30とを用い、第1の転写用ローラ11と第2の転写用ローラ31とが対向する転写位置において、中間転写ベルト10の表面に保持されたトナー像を記録媒体Sに転写させるようにすると、中間転写ベルト10の表面に保持されたトナー像が、ベルト部材30によって搬送される記録媒体Sに適切に密着され、記録媒体Sに対してトナー像が適切に転写されるようになる。
【0029】
また、トナー像が転写された記録媒体Sを、上記のように回転駆動されるベルト部材30により、中間転写ベルト10から離間させるようにして搬送させるにあたっては、図4に示すように、第1の転写用ローラと第2の転写用ローラ31の中心を結んだ線Lと、上記のベルト部材30によってトナー像が転写された記録媒体Sを搬送させる方向Xとがなす中間転写ベルト側の角度θが90°未満になるようにした。
【0030】
このようにすると、記録媒体Sがベルト部材30に強く引き付けられて、中間転写ベルト10から分離されやすくなり、トナー像が転写された記録媒体Sが、中間転写ベルト10から適切に分離されて、回転駆動されるベルト部材30により、定着装置40に適切に搬送されるようになり、ジャムなどが発生するのが抑制されて、正常な画像形成が行えるようになる。
【0031】
なお、この実施形態においては、ベルト状の像保持部材として、中間転写ベルトを用いた場合について説明したが、ベルト状の像保持部材として、無端ベルト状になったベルト感光体を用いることもできる。
【0032】
次に、市販の複写機(コニカミノルタ社製:bizhub PRO C6501)を改造して、ベルト部材によって記録媒体を搬送させるようにしたものを用い、上記の中間転写ベルトの種類、ベルト部材の種類、及び第1の転写用ローラと第2の転写用ローラの中心を結んだ線Lと、ベルト部材によってトナー像が転写された記録媒体を搬送させる方向Xとがなす中間転写ベルト側の角度θを変更させた実験を行った。
【0033】
ここで、中間転写ベルトとしては、下記の2種類の中間転写ベルトA1,A2を用いるようにした。
【0034】
中間転写ベルトA1としては、導電材を配合させたポリイミドPIの樹脂ベルトの上に、導電材を配合させたNBRを塗布させて弾性層を形成し、この弾性層の上にフッ素粒子を含有させたウレタン樹脂を5μmの厚みにスプレー塗布させて表面層を形成したものを用いた。
【0035】
中間転写ベルトA2としては、導電材を配合させたポリイミドPIの樹脂ベルトだけで構成されたものを用いた。
【0036】
また、ベルト部材としては、上記の中間転写ベルトA1と同様にして得たベルト部材B1と、上記の中間転写ベルトA2と同様にして得たベルト部材B2と、導電材を配合させたポリビニリデンジフロライドイミドPVDFの樹脂ベルトだけで構成されたベルト部材B3とを用いるようにした。
【0037】
ここで、上記の中間転写ベルトA1,A2及びベルト部材B1〜B3の表面硬度と裏面硬度を、微小圧縮試験機(島津製作所社製:DUH−W201S)を使用し、評価速度0.4740mN/secで、変位10μmの時の試験力として測定した。
【0038】
この結果、上記の中間転写ベルトA1とベルト部材B1においては、表面硬度が7mN、裏面硬度が127mNであり、上記の中間転写ベルトA2とベルト部材B2においては、表面硬度及び裏面硬度が同じ127mNであり、上記の中ベルト部材B3においては、表面硬度及び裏面硬度が同じ95mNであった。
【0039】
そして、実施例1においては、上記の中間転写ベルトA1とベルト部材B1とを用い、上記の角度θを80°にした。
【0040】
実施例2においては、上記の中間転写ベルトA1とベルト部材B1とを用い、上記の角度θを85°にした。
【0041】
比較例1においては、上記の中間転写ベルトA2とベルト部材B3とを用い、上記の角度θを90°にした。
【0042】
比較例2においては、上記の中間転写ベルトA2とベルト部材B2とを用い、上記の角度θを90°にした。
【0043】
比較例3においては、上記の中間転写ベルトA1とベルト部材B1とを用い、上記の角度θを90°にした。
【0044】
比較例4においては、上記の中間転写ベルトA1とベルト部材B2とを用い、上記の角度θを90°にした。
【0045】
比較例5においては、上記の中間転写ベルトA2とベルト部材B1とを用い、上記の角度θを90°にした。
【0046】
そして、上記の実施例1,2及び比較例1〜5のものを用い、温度23℃、湿度65%の環境条件において、それぞれ転写性、中抜け、用紙対応性及び分離性の評価を行い、その結果を下記の表1に示した
【0047】
転写性の評価については、記録媒体にCFペーパー(コニカミノルタ社製)を用い、これにベタ画像を転写させて、十分な画像濃度が得られた場合を○、画像濃度が若干低い場合を△、画像濃度が低い場合を×として評価した。
【0048】
中抜けの評価については、記録媒体にCFペーパー(コニカミノルタ社製)を用い、幅が200μmのブルーの縦ライン画像を転写させ、中抜けが発生しなかった場合を○、中抜けが発生した場合を×として評価した。
【0049】
用紙対応性の評価については、記録媒体に凹凸紙(特殊東海製紙社製:レザック66)を用い、この凹凸紙にブルーのベタ画像を転写させ、凹んだ部分に十分にトナーが入っている場合を○、トナーが入っていない場合を×として評価した。
【0050】
分離性の評価については、記録媒体に60.2g/mのOK中質コート紙(王子製紙社製)に用い、この記録媒体に白ベタ画像(印字率0%の画像)を転写させて搬送させる際に、ジャムが発生しなかった場合を○、ジャムが発生した場合を×として評価した。
【0051】
【表1】

【0052】
この結果、弾性層を設けた中間転写ベルトA1と弾性層を設けたベルト部材B1とを用い、上記の角度θを90°未満にした実施例1,2のものにおいては、転写性能を示す転写性、中抜け及び用紙対応性が良好であると共に、記録媒体が中間転写ベルトに張り付いてジャムが発生するということもなかった。
【0053】
これに対して、弾性層を設けていない中間転写ベルトA2を用いた比較例1,2,5のものにおいては、記録媒体が中間転写ベルトに張り付いてジャムが発生するということはなかったが、転写性能を示す転写性、中抜け及び用紙対応性が大きく低下していた。
【0054】
また、弾性層を設けた中間転写ベルトA1と弾性層を設けたベルト部材B1とを用い、上記の角度θを90°にした比較例3のものにおいては、転写性能を示す転写性、中抜け及び用紙対応性は良好であったが、記録媒体に中間転写ベルトに張り付いてジャムが発生した。
【0055】
また、弾性層を設けた中間転写ベルトA1と弾性層を設けていないベルト部材B2とを用い、上記の角度θを90°にした比較例4のものにおいては、転写性が少し低下すると共に、記録媒体か中間転写ベルトに張り付いてジャムが発生した。
【符号の説明】
【0056】
10 中間転写ベルト(ベルト状の像保持部材)
10a ベルト基材
10b 弾性層
10c 表面層
11 第1の転写用ローラ
12 回転ローラ
20A〜20D イメージングユニット
21 感光体
22 一次転写ローラ
30 ベルト部材
30a ベルト基材
30b 弾性層
30c 表面層
31 第2の転写用ローラ
32 搬送ローラ
40 定着装置
S 記録媒体
L 第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線
X ベルト部材によって記録媒体を搬送させる方向
θ LとXとがなす中間転写ベルト側の角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を保持して回転駆動されるベルト状の像保持部材と、この像保持部材に保持されたトナー像を記録媒体に転写させる転写位置からトナー像が転写された記録媒体を像保持部材から離れる方向に搬送させるベルト部材と、上記の転写位置において像保持部材とベルト部材と挟むようにして対向する第1及び第2の転写用ローラとを備えた画像形成装置において、上記の像保持部材とベルト部材とにそれぞれ弾性層が設けられると共に、上記の第1と第2の転写用ローラの中心を結んだ線Lと、上記のベルト部材によってトナー像が転写された記録媒体を搬送させる方向Xとのなす像保持部材側の角度θが90°未満であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、上記のベルト状の像保持部材が感光体からトナー像が転写される中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、上記のベルト状の像保持部材として、ベルト基材に少なくとも弾性層が積層されたものを用い、上記のベルト部材と対面するこの像保持部材の表面における表面硬度が、反対側の裏面における裏面硬度よりも小さくなるようにすると共に、像保持部材と対面する上記のベルト部材の表面における表面硬度が、像保持部材における裏面硬度よりも小さくなるようにしたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−253114(P2011−253114A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128000(P2010−128000)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】