説明

画像形成装置

【課題】操作ボタン等の機能名称を言語等で表記したシートやプレートの交換作業が容易な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置Sは、複数の操作ボタンを有し、装置本体1に設けられたボタン配置面35と、操作ボタンの機能名称が表記され、ボタン配置面35上に取り替え可能に載置された第1プレート36と、周縁部45と、周縁部45から外方へ突設された突出片46とを有し、第1プレート36上に取り外し可能に積重され、第1プレート36の表記が視認可能な程度に透明な第2プレート37と、第1方向に回動して突出片46に当接することで、第1プレート36および第2プレート37をボタン配置面35に対して固定する固定姿勢と、第1方向とは反対の第2方向に回動して突出片46から離間することで、第1プレート36および第2プレート37の固定状態を解除する解除姿勢との間で姿勢変更可能な固定部材50とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成動作を指示するための複数の操作ボタンが設けられた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置は、通常そのフロント面にユーザの操作を受け付けるための操作パネルを備えている。操作パネルは、ユーザが画像形成装置の動作状態を設定し、所望の機能を活用して画像形成動作を行わせるための複数の操作ボタンを有する。
【0003】
操作ボタンの機能をユーザに伝える目的で、例えば特許文献1の画像形成装置では、操作ボタンの機能名称等を言語で表記した機能表示シートが用いられている。機能表示シートは、シート押さえ部材によって操作パネル上に固定されている。また、特許文献1では、シート押さえ部材を操作パネルから取り外すことにより、機能表示シートを交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−37753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、機能表示シートの操作パネルへの取付け作業を行うにあたり、まず、押さえ部材の下面に形成された複数のフックを、操作パネルのパネル本体に形成された対応する取付孔に挿入し、次に、押さえ部材をパネル本体に対して所定の方向にスライド移動させることで、フックをパネル本体の裏面側に係合させる必要がある。このように、特許文献1の画像形成装置では、機能表示シートは交換可能となっているものの、その取付け作業が煩雑である。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、操作ボタン等の機能名称を言語等で表記したシートやプレートの交換作業が容易な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成動作を行う装置本体と、前記画像形成動作に関する指示をユーザから受け付けるために配置された複数の操作ボタンを有し、前記装置本体に設けられたボタン配置面と、前記操作ボタンの機能名称が表記され、前記ボタン配置面上に取り替え可能に載置された第1プレートと、周縁部と、前記周縁部から外方へ突設された突出片とを有し、前記第1プレート上に取り外し可能に積重され、前記第1プレートの表記が視認可能な程度に透明な第2プレートと、前記装置本体に回動自在に設けられた固定部材であって、第1方向に回動して前記突出片に当接することで、前記第1プレートおよび前記第2プレートを前記ボタン配置面に対して固定する固定姿勢と、前記第1方向とは反対の第2方向に回動して前記突出片から離間することで、前記第1プレートおよび前記第2プレートの固定状態を解除する解除姿勢との間で姿勢変更可能な固定部材とを含む。
【0008】
本発明に係る画像形成装置によれば、固定部材は、第1方向に回動して第2プレートの突出片に当接することで、第1プレートおよび第2プレートをボタン配置面に対して固定する固定姿勢と、第2方向に回動して突出片から離間することで、第1プレートおよび第2プレートの固定状態を解除する解除姿勢との間で姿勢変更可能に構成されている。そのため、ユーザが固定部材を第2方向に回動させるだけで第1プレートをボタン配置面から取り外すことができ、そして固定部材を第1方向に回動させるだけで第1プレートをボタン配置面に取り付けることができる。このように、本発明に係る画像形成装置では、第1プレートの取り替えが容易である。
【0009】
前記固定部材は、好ましくは、前記第1方向および前記第2方向に回動可能な当接片であって、前記第1方向に回動したときに前記突出片に当接する当接面を有する当接片と、前記当接片を前記第1方向および前記第2方向に回動させる回動軸と、前記当接面が向く方向と略同一の方向に突出するように前記当接片に設けられた舌状部とを有する。そして、前記装置本体は、前記第2プレートの前記周縁部に沿って設けられ、前記当接片が前記第1方向に回動して前記当接面が前記突出片に当接した状態で前記舌状部を係止することが可能な係止部を有する。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、前記舌状部は、弾性を有し、前記係止部に接触しつつ弾性変形することで、前記係止部に係止される。
【0011】
この構成によれば、舌状部の弾性を利用して舌状部を係止部に係止することができるので、舌状部を係止部に係止するための特別な機構を必要としない。
【0012】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記当接片は、前記当接面が前記突出片に当接した状態では、前記第2プレートの前記周縁部に沿って延びる形状を有すると共に、その先端部が前記係止部に対向しており、前記当接片の前記先端部と前記係止部との間に指先を挿入することが可能な程度の隙間が形成されている。
【0013】
この構成によれば、ユーザは指先を隙間に挿入することで固定部材を容易に第2方向に回動させることができる。
【0014】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記固定部材が複数設けられている。この構成によれば、第1プレートおよび第2プレートをボタン配置面に対してより強固に固定することができる。
【0015】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記第1プレートは、前記操作ボタンの配置に応じて分割された複数の第1プレート部分を有し、前記第2プレートは、前記第1プレート部分と一致するように分割された複数の第2プレート部分を有し、前記第2プレート部分のそれぞれには、前記突出片が突設されており、前記固定部材のそれぞれは、対応する前記突出片に対して前記固定姿勢および前記解除姿勢を取ることが可能である。
【0016】
この構成によれば、第1プレート全体を取り替えることなく、ユーザが取り替えたい部分だけを取り替えることができる。
【0017】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記第1プレートおよび前記第2プレートは、前記操作ボタンを貫通させるための貫通孔を有している。
【0018】
この構成によれば、前記貫通孔に操作ボタンが嵌合された状態で、前記第1プレートおよび第2プレートがボタン配置面に取り付けられる。この場合、第1プレートおよび第2プレートに設けられている貫通孔が、自身の取り付けのための位置決め手段としても機能することになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、操作ボタン等の機能名称を言語等で表記したシートやプレートの交換作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観構造を示す斜視図である。
【図2】操作パネルの一例を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】操作パネルを、該操作パネルの前縁部側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材が固定姿勢を取っている状態を示す。
【図5】操作パネルを、該操作パネルの後縁部側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材が固定姿勢を取っている状態を示す。
【図6】操作パネルの部分側面図であり、固定部材が固定姿勢を取っている状態を示す。
【図7】操作パネルを、該操作パネルの前縁部側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材が解除姿勢を取っている状態を示す。
【図8】操作パネルを、該操作パネルの後縁部側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材が解除姿勢を取っている状態を示す。
【図9】操作パネルの部分側面図であり、固定部材が解除姿勢を取っている状態を示す。
【図10】固定部材の斜視図である。
【図11】操作パネルを、該操作パネルの後縁部側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材が取り外された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る複写機S(画像形成装置)の外観構造を示す斜視図である。複写機Sは、大略的に、略六面体の筐体構造を有する装置本体部1(装置本体)と、装置本体部1の上方部に配置された画像読み取り部2と、画像読み取り部2の前方側(ユーザが操作を行うフロント面)に取り付けられた操作パネル3とを備えて構成されている。
【0023】
装置本体部1は、画像形成用の用紙を貯留する用紙トレイ11を備えるほか、その内部に画像形成部、定着部、用紙搬送路などが備えられている。前記画像形成部は、用紙トレイ11から供給される所定の用紙にトナー像を転写して画像を形成するもので、静電潜像を担持する感光ドラム、この感光ドラムの表面を帯電させる帯電ユニット、原稿画像に対応する静電潜像を感光ドラムの表面にレーザビーム等によって形成する露光ユニット、形成された静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像ユニット、前記トナー像を用紙に転写する転写ローラ、トナー像転写後に感光ドラム表面を除電する除電ユニット、感光ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード等を備えて構成されている。また、定着部は、トナー像が転写された用紙を感光ドラムから分離して、当該用紙上にトナー像を定着させるための定着ローラ対を備えてなる。
【0024】
画像読み取り部2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るためのもので、自動原稿搬送装置21(ADF)とスキャナ部22を備えている。自動原稿搬送装置21は、読み取るべき原稿を、スキャナ部22へ自動給送するものである。スキャナ部22は、原稿が載置されるコンタクトガラス23,24(図2)、原稿に光照射する光源である露光ランプと原稿からの反射光を反射させるミラーとを一体化してなるミラーユニット、ミラーユニットからの反射光を絞るレンズ群、及び、レンズ群によって反射光が絞られ結像された光像を光電変換して画像データを得る撮像素子(CCD;charge Coupled Device)からなるCCDイメージセンサを備えている。
【0025】
装置本体部1と画像読み取り部2との間には、胴内排紙部12が備えられている。用紙トレイ11から送り出され、装置本体部1の前記画像形成部において画像読み取り部2で読み取られた原稿画像に応じたトナー像が転写され、前記定着部で前記トナー像が定着された用紙は、前記胴内排紙部12に排出される。
【0026】
操作パネル3は、複写機Sの画像形成動作に関する各種機能の操作ボタン類を有し、ユーザの操作ボタン類の押圧操作等による機能選択を受け付け、その選択された機能に応じて複写機Sに所定の画像形成動作を行わせるものである。なお、本発明において「操作ボタン類」とは、各種形状のプッシュボタン、可倒式ボタン、シーソー式ボタン、タッチボタン等の他、回転式摘み、回動式レバー、スライド式レバーの類も広く包含するものである。
【0027】
以下、操作パネル3について、まず図2および図3を参照しながら詳細に説明する。図2は、操作パネル3の一例を示す斜視図であり、図3は、図2のIII−III線に沿って切断した断面図である。操作パネル3は、扁平な箱形形状を呈するパネル本体部30を有する。パネル本体部30は、前縁部32、後縁部31、右縁部33および左縁部34を有する。前縁部32および後縁部31は、スキャナ部22の長手方向に沿って延びており、パネル本体部30は、後縁部31側でスキャナ部22に支持されている。右縁部33および左縁部34のそれぞれは、前縁部32および後縁部31を前後方向において連結している。
【0028】
操作パネル3は、前縁部32、後縁部31、右縁部33および左縁部34間で画定された凹部43を有する。凹部43における上方を向く面がボタン配置面35とされている。ボタン配置面35には、複数の操作ボタンからなるボタン群38,39,40、LCD表示部41、カーソル42等が配置されている。そして、ボタン配置面35上に、操作ボタン類の機能名称等が特定の言語で表記された機能表示プレート36(第1プレート)が載置されている。
【0029】
さらに、機能表示プレート36上に、該機能表示プレート36の機能名称が視認可能な程度に透明な意匠面プレート37(第2プレート)が積み重ねられている。
【0030】
機能表示プレート36および意匠面プレート37には、操作ボタン等を貫通させるための複数の貫通孔44(図4参照)が形成されている。貫通孔44に操作ボタンが嵌合された状態で、機能表示プレート36および意匠面プレート37がボタン配置面35に取り付けられる。この場合、機能表示プレート36および意匠面プレート37に設けられている貫通孔44が、自身の取り付けのための位置決め手段としても機能することになる。なお、機能表示プレート36は、例えば紙シートやプラスチックフィルムシートであり、言語だけでなく、機能名称を視覚的にユーザに認識させる絵記号が表記されていてもよい。また、意匠面プレート37は透明プラスチック材等からなる。
【0031】
機能表示プレート36には、ユーザが操作ボタンの用途に応じて記入することが可能なユーザ記入欄が設けられているため、機能表示プレート36は取り替え可能であると共に、意匠面プレート37は取り外し可能とされている。本実施形態では、ユーザが機能表示プレート36の取り替えを容易に行うことができるように固定部材50を用いている。
【0032】
固定部材50は、パネル本体部30に回動自在に設けられた部材であって、第1方向に回動して意匠面プレート37に上方から当接することで、機能表示プレート36および意匠面プレート37をボタン配置面35に固定する固定姿勢と、第1方向とは反対の第2方向に回動して意匠面プレート37から離間することで、機能表示プレート36および意匠面プレート37の固定状態を解除する解除姿勢との間で姿勢変更可能に構成されている。固定部材50は、パネル本体部30の後縁部31に複数(図2では3つ)配置されている。以下、固定部材50について、図4〜図11を参照しながら詳細に説明する。なお、複数の固定部材50は互いに同一の構成を有しているので、図4〜図11では、代表として左側の固定部材50についてのみ説明を行う。また、図の明確化のため、スキャナ部22を省略している。
【0033】
図4は、操作パネル3を、該操作パネル3の前縁部32側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材50が固定姿勢を取っている状態を示す。図5は、操作パネル3を、該操作パネル3の後縁部31側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材50が固定姿勢を取っている状態を示す。図6は、操作パネル3の部分側面図であり、固定部材50が固定姿勢を取っている状態を示す。図7は、操作パネル3を、該操作パネル3の前縁部32側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材50が解除姿勢を取っている状態を示す。図8は、操作パネル3を、該操作パネル3の後縁部31側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材50が解除姿勢を取っている状態を示す。図9は、操作パネル3の部分側面図であり、固定部材50が解除姿勢を取っている状態を示す。図10は、固定部材50の斜視図であり、図11は、操作パネル3を、該操作パネル3の後縁部31側から、かつ斜め上方から見た部分斜視図であり、固定部材50が取り外された状態を示す。
【0034】
パネル本体部30の後縁部31は、その延在方向において一部が切除されており、左右方向に対向する第1対向端部31aと第2対向端部31bとを有する。第1対向端部31aと第2対向端部31bとの間には、空間が形成されており、意匠面プレート37の周縁部45の一部が露出している。固定部材50は、第1対向端部31aと第2対向端部31bとの間に配置されており、当接片51と、回動軸52と、舌状部53とを有する。
【0035】
当接片51は、固定部材50が固定姿勢を取っている状態では第1対向端部31aと第2対向端部31bとの間で意匠面プレート37の周縁部45に沿って延びるものであって、一端部54と他端部55(先端部)とを有する。一端部54は、固定部材50が固定姿勢を取っている状態では下方に延長された延長部63を有しており、その延長部63に、回動軸52が一体に設けられている。
【0036】
回動軸52は、延長部63からパネル本体部30に向かって突設されており、パネル本体部30における後縁部31側の側面に形成された受入孔59(図11)に回転可能に支持されている。これにより、当接片51は、第1方向および第1方向とは反対の第2方向に回動可能となっている。固定部材50は、後述するように、当接片51が第1方向に回動することで固定姿勢を取ることができると共に、当接片51が第2方向に回動することで解除姿勢を取ることができる。
【0037】
ボタン配置面35には、パネル本体部30の後縁部31に向く縁部からパネル配置面よりも上方に突出する係合突起47が一体に形成されている。意匠面プレート37の周縁部45には、一対の突出片46が外方へ突設されている。一対の突出片46は、周縁部45から意匠面プレート37の表面に平行に延びている。意匠面プレート37は、一対の突出片46の間にボタン配置面35の係合突起47が位置するように機能表示プレート36を介してボタン配置面35上に載置されることで、該ボタン配置面35に対して位置決めされる。
【0038】
また、当接片51は、延長部63と後述する舌状部53との間で(つまり当接片51の上面とは反対側の裏面において一端部54と他端部55との間で)延びる当接面56(図7および図10)を有している。当接面56は、当接片51が第1方向、例えば図8に示す状態から反時計回りに回動したとき、意匠面プレート37の一対の突出片46に上方から当接して、意匠面プレート37および機能表示プレート36をボタン配置面35に対して上方から押し付ける面である。
【0039】
舌状部53は、当接片51の他端部55から当接面56が向く方向と略同一の方向に突出する、つまり、固定部材50が固定姿勢を取っているとき下方に延びた状態となるものであって、当接片51の他端部55から一体に延びる延出片57と、舌片58とを有する。舌片58は、延出片57に一体に形成され、当接片51の一端部54とは反対の方向に向いている。舌片58は、好ましくは、固定部材50が固定姿勢を取っている状態では後縁部31の第2対向端部31bに向かって斜め下方に延びるものである。固定部材50は樹脂等から形成され、舌状部53は弾性変形可能な程度にその厚さ寸法等が設定されている。
【0040】
パネル本体部30の後縁部31の第2対向端部31bには、係止部60が一体に形成されている。係止部60は、当接片51が第1方向に回動して(例えば図8に示す状態から反時計回りに回動して)当接面56が突出片46に当接した状態で舌状部53の舌片58を係止するものである。係止部60は、意匠面プレート37の周縁部45に沿って設けられていると共に、後縁部31の第1対向端部31a側に向かって斜め下方に所定の距離だけ延びている。そして、係止部60の先端部が舌片58を係止する係止片61とされている。
【0041】
また、係止部60と、該係止部60に対向する当接片51の他端部55との間には、隙間Gが形成されている。隙間Gの大きさは、ユーザが指先を挿入することが可能な程度に設定されている。
【0042】
以下、機能表示プレート36の取り外しおよび取り付けの手順について説明する。機能表示プレート36を操作パネル3から取り外す場合、つまり、図4〜図6に示す固定姿勢にある固定部材50を解除姿勢に変更する場合、まず、当接片51の他端部55と係止部60との間の隙間Gに指先を挿入し、当接片51を図5および図6に示す状態から時計回り(第2方向)に回動させるために他端部55を持ち上げる。すると、係止部60の係止片61に係止されている舌状部53の舌片58が係止片61に対して弾性変形して、舌片58と係止片61との係合が解除される。この後、他端部55をさらに持ち上げて当接片51を回動させると、当接片51の当接面56が意匠面プレート37の突出片46から離間する。これにより、固定部材50は図7〜図9に示す解除姿勢に変更され、ユーザは、意匠面プレート37を取り外した後、機能表示プレート36をボタン配置面35から取り外すことができる。なお、固定部材50の第2方向への回動動作は、当接片51が第1対向端部31aに接触することで規制される。
【0043】
次に、機能表示プレート36を操作パネル3に取り付ける場合、つまり、図7〜図9に示す解除姿勢にある固定部材50を固定姿勢に変更する場合、まず、機能表示プレート36をボタン配置面35上に載置し、意匠面プレート37の突出片46間に係合突起47を位置させた状態で意匠面プレート37を機能表示プレート36上に積重させる。そして、当接片51を図8および図9に示す状態から反時計回り(第1方向)に回動させて、舌片58を係止片61に接触させる。その状態から当接片51の他端部55を軽く押圧すると、舌片58は係止片61に対して弾性変形して係止片61に係止される。このとき、当接片51の当接面56は、意匠面プレート37の突出片46を上方から押圧する状態となる。これにより、固定部材50は、図4〜図6に示す固定姿勢に変更され、機能表示プレート36および意匠面プレート37はボタン配置面35に対して固定される。
【0044】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置では、固定部材50の姿勢は上述したように固定姿勢と解除姿勢との間で変更可能であり、ユーザは、固定部材50を第2方向に回動させるだけで機能表示プレート36をボタン配置面35から取り外すことができ、そして固定部材50を第1方向に回動させるだけで機能表示プレート36をボタン配置面35に取り付けることができる。このように、本実施形態に係る画像形成装置では、機能表示プレート36の取り替えが容易である。
【0045】
また、舌状部53の弾性を利用して舌状部53の舌片58を係止部60の係止片61に係止しているので、舌状部53を係止部60に係止するための特別な機構を必要としない。
【0046】
さらに、当接片51の他端部55と係止部60との間には、指先を挿入することが可能な程度の隙間Gが形成されているので、ユーザは指先を隙間Gに挿入することで固定部材50を容易に第2方向に回動させることができる。
【0047】
さらに、複数の固定部材50が設けられているので、機能表示プレート36および意匠面プレート37をボタン配置面35に対してより強固に固定することができる。
【0048】
上記の実施形態では、一枚の機能表示プレート36を用いた場合につき説明したが、機能表示プレート36は、操作ボタンの配置に応じて複数の第1プレート部分に分割してもよい。例えば、機能表示プレート36は、ボタン群に対応して破線Xで示すように分割された第1プレート部分と、ボタン群に対応して破線Wで示すように分割された第1プレート部分とを有することができる。その場合、意匠面プレート37は、第1プレート部分と一致するように複数の第2プレート部分に分割され、各第2プレート部分には、一対の突出片46が突設される。そして、複数の固定部材50のそれぞれを、第2プレート部分に対応して設けることで、機能表示プレート36全体を替えるのではなく、ユーザが取り替えたい第1プレート部分のみを取り替えることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 装置本体
3 操作パネル
30 パネル本体部
35 ボタン配置面
36 機能表示プレート(第1プレート)
37 意匠面プレート(第2プレート)
45 周縁部
46 突出片
47 係合突起
50 固定部材
51 当接片
52 回動軸
53 舌状部
60 係止部
61 係止片
G 隙間
S 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成動作を行う装置本体と、
前記画像形成動作に関する指示をユーザから受け付けるために配置された複数の操作ボタンを有し、前記装置本体に設けられたボタン配置面と、
前記操作ボタンの機能名称が表記され、前記ボタン配置面上に取り替え可能に載置された第1プレートと、
周縁部と、前記周縁部から外方へ突設された突出片とを有し、前記第1プレート上に取り外し可能に積重され、前記第1プレートの表記が視認可能な程度に透明な第2プレートと、
前記装置本体に回動自在に設けられた固定部材であって、第1方向に回動して前記突出片に当接することで、前記第1プレートおよび前記第2プレートを前記ボタン配置面に対して固定する固定姿勢と、前記第1方向とは反対の第2方向に回動して前記突出片から離間することで、前記第1プレートおよび前記第2プレートの固定状態を解除する解除姿勢との間で姿勢変更可能な固定部材と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記固定部材は、
前記第1方向および前記第2方向に回動可能な当接片であって、前記第1方向に回動したときに前記突出片に当接する当接面を有する当接片と、
前記当接片を前記第1方向および前記第2方向に回動させる回動軸と、
前記当接面が向く方向と略同一の方向に突出するように前記当接片に設けられた舌状部と、を有し、
前記装置本体は、前記第2プレートの前記周縁部に沿って設けられ、前記当接片が前記第1方向に回動して前記当接面が前記突出片に当接した状態で前記舌状部を係止することが可能な係止部を有する画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記舌状部は、弾性を有し、前記係止部に接触しつつ弾性変形することで、前記係止部に係止される画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像形成装置において、
前記当接片は、前記当接面が前記突出片に当接した状態では、前記第2プレートの前記周縁部に沿って延びる形状を有すると共に、その先端部が前記係止部に対向しており、
前記当接片の前記先端部と前記係止部との間に指先を挿入することが可能な程度の隙間が形成されている画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記固定部材が複数設けられている画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記第1プレートは、前記操作ボタンの配置に応じて分割された複数の第1プレート部分を有し、
前記第2プレートは、前記第1プレート部分と一致するように分割された複数の第2プレート部分を有し、
前記第2プレート部分のそれぞれには、前記突出片が突設されており、
前記固定部材のそれぞれは、対応する前記突出片に対して前記固定姿勢および前記解除姿勢を取ることが可能である画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、前記操作ボタンを貫通させるための貫通孔を有している画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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