説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置の樹脂製フレームに関し、特に画像形成装置にとって適切な構成を提供する
【解決手段】 第2ダクト部53の一部である第2ダクト本体53Aを構成するリブ壁として、第1フレーム21の上端側から下端側に拡がる壁状の第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを樹脂製の第1フレーム21に一体成形する。これにより、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dが第1フレーム21の補強部材として機能するので、補強専用の部材を設けることなく、第2ダクト部53の一部を構成する第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを補強部材と有効活用することにより、第1フレーム21の機械的強度を向上させることができるので、画像形成装置1にとって適切な構成を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成ユニットを挟んで水平方向において対向する位置に配設された一対のフレームを樹脂製としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−238252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に樹脂製のフレームは、金属製のフレームに比べて機械的強度(曲げ剛性)小さい。このため、特に、画像形成ユニットよりも下方側の部分には、画像形成ユニット等の自重による荷重が作用するので、樹脂製のフレームでは、下方側に歪みが発生し易い。そして、フレームに歪みが発生すると、画像形成ユニットにストレスが作用するので、画像形成に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、画像形成装置の樹脂製フレームに関し、特に画像形成装置にとって適切な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、用紙に画像を形成する画像形成装置であって、画像を形成するための画像形成ユニット(3)と、画像形成ユニット(3)を挟んで水平方向において対向して配設された一対のフレーム(20、30)と、装置内空間のうち画像形成ユニット(3)側の空間に連通する空気通路(50)を形成するダクト(53)と、ダクト(53)内に気流を発生させるファン(60)とを備え、一対のフレーム(20、30)のうち少なくとも一方のフレーム(20)は、下方側に配置された樹脂製の第1フレーム(21)及びこの第1フレーム(21)の上方側に配置された第2フレーム(22)を有して構成されており、さらに、第1フレーム(21)には、ダクト(53)の少なくとも一部を構成するとともに、第1フレーム(21)の上端側から下端側に拡がる壁状のリブ壁(53C、53D、53E)が一体成形されていることを特徴とする。
【0007】
ところで、画像形成ユニット(3)等の自重による荷重は上方側から下方側に向かう向きとなるが、本発明では、第1フレーム(21)には、第1フレーム(21)の上端側から下端側に拡がる壁状のリブ壁(53C、53D、53E)が一体成形されているので、このリブ壁(53C、53D、53E)が第1フレーム(21)の補強部材として機能する。
【0008】
したがって、本発明では、補強専用の部材を設けることなく、ダクト(53)の少なくとも一部を構成するリブ壁(53C、53D、53E)を補強部材として有効活用することにより、第1フレーム(21)の機械的強度を向上させることができるので、画像形成装置にとって適切な構成を得ることができる。
【0009】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の前後方向中央断面に相当する概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の左右方向中央断面に相当する概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のフレームユニット構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置のフレームユニット構成を示す概略図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置のフレームユニット構成を示す概略図である。
【図6】図4のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態は、本発明に係る画像形成装置を電子写真方式の画像形成装置に適用したものであり、以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.画像形成装置の概略構成
画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成部2及び給紙装置10等から構成されており、画像形成部2は、用紙やOHPシート等(以下、用紙という。)に画像を形成(印刷)する画像形成手段であり、給紙装置10は、画像形成部2に用紙を送り出す給紙手段である。
【0012】
また、画像形成部2は、プロセスカートリッジ3、露光器4及び定着器5等から構成されており、この画像形成部2は、複数個(本実施形態では、4個)のプロセスカートリッジ3K〜3Cが用紙の搬送方向に沿って離散的に配設され、かつ、複数種類の現像剤像を直接的に用紙に転写するダイレクトタンデム方式のものである。
【0013】
そして、各プロセスカートリッジ3K〜3Cには、現像剤像が担持される感光ドラム3A、及び感光ドラム3Aを帯電させる帯電器3B等が収納されている。なお、露光器4は、レーザビームを感光ドラム3Aの軸方向に走査するタイプの露光手段であり、帯電器3Bは、感光ドラム3Aの軸方向と平行な方向に延びる帯電ワイヤ(図示せず。)からのコロナ放電を利用したスコロトロン型の帯電手段である。
【0014】
また、給紙装置10は、給紙トレイ11の載置部11Aに積層された状態で載置されている複数枚の用紙のうち、積層方向端部(本実施形態では、上下方向最上端)に位置する用紙を1枚ずつ分離して画像形成部2側に搬送供給する装置である。因みに、給紙トレイ11は、画像形成部2等が組み付けられた装置本体(本体フレームや筐体)に対して着脱可能に装着されている。
【0015】
そして、給紙装置10は、載置部11Aに載置されている最上端に位置する用紙に接触して回転することにより用紙を送り出すピックアップローラ12、及びピックアップローラ12により送り出された複数枚の用紙を分離して画像形成部2に供給する分離機構13を備えている。
【0016】
因みに、分離機構13は、ピックアップローラ12により送り出された用紙に接触して用紙に所定の搬送抵抗を付与する分離パッド14、及び用紙を分離パッド14に押し付けながら回転することにより用紙に搬送力を付与する分離ローラ15等を有して構成されている。
【0017】
そして、給紙装置10から画像形成部2に向けて搬出された用紙は、画像形成部2の入口側に設けられた一対のレジストローラ(図示せず。)まで搬送され、この一対のレジストローラにて斜行が矯正された後、感光ドラム3Aに搬送される。
【0018】
一方、帯電した感光ドラム3Aは、露光器4にて露光されてその外周面に静電潜像が形成された後、現像剤(本実施形態では、粉体状のトナー)が感光ドラム3Aに供給されて感光ドラム3Aの外周面に現像剤像が担持(形成)される。
【0019】
このとき、搬送されてきた用紙を挟んで感光ドラム3Aと反対側に配設された転写ローラ6には、現像剤と逆極性を有する電荷が印加されているため、感光ドラム3Aに担持されている現像剤像が用紙に転写される。
【0020】
その後、用紙に転写された現像剤は、定着器5にて加熱されて用紙に定着し、画像形成が終了した用紙は、その搬送方向が上方側に転向された後、画像形成装置1の上端面側に設けられた排紙トレイ7に排出される。
【0021】
2.画像形成装置のフレーム構造
2.1.フレームユニットについて
本実施形態に係る画像形成装置1では、図1に示すように、プロセスカートリッジ3の上方側に露光器4が配設され、その下方側に給紙トレイ11(載置部11A)が設けられている。
【0022】
一方、プロセスカートリッジ3を挟んで水平方向(本実施形態では、画像形成装置1の左右方向)両側には、図2に示すように、水平方向において互いに対向する一対のフレームユニット20、30が配設されており、これら一対のフレームユニット20、30は、共に鉛直方向に拡がり、かつ、互いに略平行となる板状の強度部材である。
【0023】
なお、フレームユニット20、30は、画像形成装置1の外観意匠面を構成する樹脂製の筐体カバー8により覆われており、この筐体カバー8に操作パネル(図示せず。)や排紙トレイ7等が設けられている。
【0024】
また、フレームユニット20、30は、図3に示すように、その上端側及び下方側に設けられた梁状のブリッジ部材40、及び上端側に配設された天板部41等を介して連結されており、このブリッジ部材40、天板部41及びフレームユニット20、30によりラーメン構造のフレームが構成されている(図2参照)。
【0025】
なお、ブリッジ部材40は一対のフレームユニット20、30を連結する強度部材であるのに対して、天板部41は、一対のフレームユニット20、30を連結するとともに、露光器4を装着固定するための固定部材をなすものである。
【0026】
因みに、本実施形態では、天板部41及びブリッジ部材40とフレームユニット20、30とは、ネジ等の機械的締結手段により分離可能に連結・固定され、天板部41及びブリッジ部材40は共にSPCC等の金属にて構成されている。
【0027】
また、一対のフレームユニット20、30各々は、下方側に配置されたABS樹脂等の樹脂からなる第1フレーム21、31、及びこの第1フレーム21、31の上方側に配置されたSPCC等の金属からなる第2フレーム22、32を有して構成されている。
【0028】
そして、第1フレーム21、31と第2フレーム22、32とは、図4に示すように、複数箇所(本実施形態では、3箇所)において、ネジS1等の機械的締結手段により分離可能に連結・固定されている。
【0029】
ところで、4つのプロセスカートリッジ3C〜3K及び露光器4は、第2フレーム22、32により直接的又は間接的に保持されているため、第1フレーム21、31には、第2フレーム22、32を介して4つのプロセスカートリッジ3C〜3K及び露光器4等の自重による荷重(以下、この荷重を鉛直荷重という。)が常に作用している。
【0030】
そして、この鉛直荷重は、第1フレーム21、31と第2フレーム22、32とを連結するネジS1、及び第1フレーム21、31の長手方向(本実施形態では、画像形成装置1の前後方向)両端側に設けられた荷重受部21A、21Bを介して第1フレーム21、31に作用する。
【0031】
つまり、本実施形態では、第1フレーム21、31のうち荷重受部21A、21B及びネジS1が装着された部位が鉛直荷重を受ける荷重点となる。なお、図4では、フレームユニット20の第1フレーム21と第2フレーム22との連結構造のみを示しているが、フレームユニット30の第1フレーム31と第2フレーム32との連結構造もフレームユニット20と同様な構成である。
【0032】
2.2.送風用ダクト及び第1フレームの補強について
帯電器3Bは、前述したように、コロナ放電を利用したものであるのであるが、帯電ワイヤの周囲に多量の塵埃等が浮遊していると、帯電ワイヤに塵埃が付着して帯電ワイヤが汚れ、帯電(放電)能力が低下してしまうおそれがある。
【0033】
そこで、本実施形態では、一対のフレームユニット20、30にて囲まれた装置内空間のうちプロセスカートリッジ3(特に、帯電器3B)が配設された空間に空気を送風して帯電ワイヤの周囲に浮遊する塵埃等を吹き流すことにより、帯電ワイヤに塵埃が付着してしまうことを抑制している。
【0034】
具体的には、図3に示すように、帯電器3B(帯電ワイヤ)が配設された空間に連通する空気通路50を形成する送風ダクト51、及びこの送風ダクト51内に気流を発生させるファン60をフレームユニット20側に設けている。
【0035】
なお、本実施形態では、送風ダクト51から各プロセスカートリッジ3C〜3Kの帯電器3Bに送風されてきた空気は、帯電ワイヤに沿って帯電器3B内をフレームユニット20側からフレームユニット30側に向けて流通した後、装置内空間に排出される。
【0036】
因みに、本実施形態に係るファン60は、図4に示すように、空気が回転軸方向を通り抜ける軸流ファン(JIS B 0132番号1012等参照)にて構成されており、このファン60は、装置内空間の下方側から空気を吸引し、その空気をプロセスカートリッジ3側の装置内空間に送風している。
【0037】
また、送風ダクト51は、図3に示すように、第2フレーム22に組み付けられた略L字状に形成された第1ダクト部52、及び第1ダクト部52と連通する第2ダクト部53から構成されており、第1ダクト部52と第2ダクト部53とは、第1フレーム21の上端部に相当する部位にて連結されている。
【0038】
そして、第1ダクト部52は、図5に示すように、筐体カバー8側が開口するように断面形状が略コの字状に形成された第1ダクト本体52A、及び第1ダクト本体52Aの開口側を塞ぐように第1ダクト本体52Aを覆う薄膜状の第1ダクトカバー52B等から構成されている。
【0039】
なお、第1ダクト本体52Aは、ABS樹脂等の硬質な樹脂製であって第2フレーム22に組み付け固定されている。一方、第1ダクトカバー52Bはポリエチレンテレフタレート等の軟質な樹脂製であり、この第1ダクトカバー52Bは接着剤や両面テープ等にて第1ダクト本体52Aに接合されている。
【0040】
また、第2ダクト部53は、筐体カバー8側が開口するように断面形状が略コの字状に形成された第2ダクト本体53A、及び第2ダクト本体53Aの開口側を塞ぐように第2ダクト本体53Aを覆う第2ダクトカバー53B等から構成されている。
【0041】
そして、第2ダクト本体53Aは、図4及び図6に示すように、第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eから構成されている。すなわち、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dは、空気通路50を挟んで互いに対向しているとともに(図6参照)、荷重受部21A及びネジS1との間、つまり第1フレーム21の上端側のうち隣り合う荷重点の間の部位から下端側に壁状に拡がっている(図4参照)。
【0042】
また、フレーム壁53Eは、第1リブ壁53Cと第2リブ壁53Dとを繋ぐ壁面であり、このフレーム壁53E、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dは、第1フレーム21の成形と共に一体形成されている。そして、本実施形態では、第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eにより、図6に示すように、略コの字状の断面形状が構成されている。
【0043】
また、フレーム壁53Eは、図2に示すように、第2ダクトカバー53Bに対して給紙トレイ11(プロセスカートリッジ3)側に位置している。そして、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dのうち、フレーム壁53Eから筐体カバー8(第2ダクトカバー53B)側への突出寸法は、下方側の突出寸法D1が上方側の突出寸法D2より大きくなるように設定されている。因みに、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dの突出方向は、一対のフレームユニット20、30の対向方向と一致する。
【0044】
そして、本実施形態では、第1フレーム21、31に対応する部位に給紙トレイ11が配設されているので、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dのうち下方側の部位は、上方側の部位に比べて給紙トレイ11に近接した状態となる。
【0045】
また、第1リブ壁53Cと第2リブ壁53Dとの距離は、図4に示すように、下方側の距離W1が上方側の距離W2より大きくなるように設定されているため、第2ダクト部53により形成される空気通路50は、下方側に向かうほど通路断面積が大きくなる。そこで、本実施形態では、第2ダクト部53により形成される空気通路50内の下方側にファン60を配設している。
【0046】
そして、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dのうち互いに向かい合う内壁面であって、それぞれの下端側には、図5に示すように、その壁面から突出して壁面を形成するとともに、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dの突出方向(対向方向)延びる帯状の突条54が一体成形されており、ファン60は、2本の突条54により上下方向から挟まれるようにして第2ダクト部53内に保持されている。
【0047】
また、第2ダクトカバー53Bは、弾性変形を利用した係止手段(図示せず。)にて第2ダクト本体53Aに対して着脱自在に組み付けられており、第2ダクトカバー53Bが第2ダクト本体53Aに組み付けられた状態においては、図6に示すように、その一部が第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dに重なっている。
【0048】
つまり、ファン60は、突条54にて上下方向の変位が規制され、第2ダクト本体53Aの壁面及び第2ダクトカバー53Bの壁面にて水平方向の変位が規制された状態で、第2ダクト部53内に固定される。
【0049】
なお、本実施形態では、第2ダクトカバー53Bを第2ダクト本体53Aから取り外せば、ファン60を容易に第2ダクト部53から取り外すことができる。
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
プロセスカートリッジ3等の自重による鉛直荷重は、上方側から下方側に向かう向きとなるが、本実施形態では、第1フレーム21の上端側から下端側に拡がる壁状の第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dが第1フレーム21に一体成形されているので、この第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dが第1フレーム21の補強部材として機能する。
【0050】
したがって、本実施形態では、補強専用の部材を設けることなく、第2ダクト部53の一部を構成する第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを補強部材として有効活用することにより、第1フレーム21の機械的強度を向上させることができるので、画像形成装置1にとって適切な構成を得ることができる。
【0051】
因みに、第1ダクト部52は金属製の第2フレーム22に組み付けられているので、本実施形態では、第1ダクト部52に対して補強部材としての機能を期待していないが、第1ダクト部52を第2フレーム22の補強部材として機能させてもよい。
【0052】
なお、本実施形態では、フレームユニット30側に送風ダクト51が設けられていないので、送風ダクトの一部を兼ねるリブ壁が第1フレーム31に設けられていない構成となるが、第1フレーム31も第1フレーム21と同質の樹脂製であることから、本実施形態では、補強専用のリブ壁を第1フレーム31に設けている。
【0053】
また、本実施形態では、第2ダクト本体53Aは、空気通路50を挟んで対向する第1リブ壁53C及び第2リブ壁53D、並びに第1リブ壁53Cと第2リブ壁53Dとを繋ぐ壁面を形成するフレーム壁53Eを有して構成されている。
【0054】
このため、本実施形態では、上述したように、上方側から見ると、図6に示すように、第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eにより、コの字状断面形状が構成されるので、第1フレーム21の機械的強度を更に向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第1リブ壁53Cと第2リブ壁53Dとの距離のうち下方側の距離W1は、上方側の距離W2より大きく、さらに、ファン60は、空気通路50内の下方側に配設されているので、ファン60が第2ダクト部53内に収納された状態となり、第2ダクト部53内の空間(空気通路)を有効活用できる。
【0056】
ところで、フレームユニット20、30のうちプロセスカートリッジ3が装着される部位は、高い寸法精度を必要とするのに対して、フレームユニット20、30のうち給紙トレイ11は装着される部位の寸法精度は、プロセスカートリッジ3が装着される部位に比べて低い寸法精度であっても実用上ほとんど問題ない。
【0057】
したがって、本実施形態のごとく、プロセスカートリッジ3に向けて搬出される用紙が載置される載置部11A、つまり給紙トレイ11を装着する部位を第1フレーム21に対応する部位に設定すれば、実用上の問題が生じることなく、フレームユニット20、30の一部(第1フレーム21、31)を樹脂製とすることができる。
【0058】
つまり、第2フレーム22、32は、金属板にプレス加工等の金属加工を施すことにより形成されたものであるので、第2フレーム22、32の寸法精度は樹脂成形品である第1フレーム21、31に比べて高い寸法精度となる。一方、第2フレーム22、32は金属製であるので、樹脂成形品である第1フレーム21、31に比べて複雑な形状とすることが難しい。
【0059】
そして、本実施形態では、第1フレーム21、31を樹脂製として複雑な形状を容易に実現可能としつつ、第1リブ壁53C等を設けて第1フレーム21、31の機械的強度を補完し、一方、第2フレーム22、32を金属製として高い寸法精度と高い機械的強度を得ている。
【0060】
ところで、プロセスカートリッジ3は、用紙に画像を形成するためのものであるので、通常、その幅方向寸法は、用紙の幅寸法より大きい。一方、用紙が載置される載置部11A(給紙トレイ11)は、用紙を収納するに必要な大きさであれば十分であるので、その幅方向寸法は、通常、図2に示すように、プロセスカートリッジ3の幅方向寸法より小さい。なお、幅方向とは、一対のフレームユニット20、30が対向する方向と平行な方向をいう。
【0061】
一方、画像形成装置1全体としての幅方向寸法は、大きい寸法であるプロセスカートリッジ3の幅方向寸法によって決定されるので、装置内空間の下方側であって、第1フレーム21、31に対応する部位にはデットスペースが発生する。
【0062】
これに対して、本実施形態では、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dのうち対向方向と平行な部位の寸法であって、下方側の対向方向寸法(突出寸法D1)が、上方側の対向方向寸法(突出寸法D2)より大きいので、上記のデットスペースを第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを設けるための空間として有効活用することができる。
【0063】
つまり、仮に、第2フレーム22、32も樹脂製とすると、金属製の第2フレーム22、32と同等の機械的強度を得るためには、第2フレーム22、32の幅寸法を第1フレーム21、31と同等程度の幅寸法とする必要があるので、画像形成装置1全体としての幅方向寸法が、図2に示す状態よりも更に大きくなってしまう。
【0064】
これに対して、本実施形態のごとく、フレームユニット20、30のうちプロセスカートリッジ3等に対応する部位(第2フレーム22、32)を金属製とし、フレームユニット20、30のうち給紙トレイ11に対応する部位(第1フレーム21、31)を樹脂とすれば、上記のデットスペースを第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを設けるための空間として有効活用して第2フレーム22、32の機械的強度を確保しつつ、画像形成装置1の幅方向寸法が大きくなってしまうことを抑制できる。
【0065】
また、本実施形態では、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dには、その壁面から突出して壁面を形成する突条54が一体成形され、かつ、ファン60は、突条54により保持されているので、ファン60を保持するための突条54を第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dの補強部材として利用することができる。
【0066】
したがって、例えば、第1フレーム21の搬送時等において、第1リブ壁53C又は第2リブ壁53Dに何かが衝突して、第1リブ壁53C又は第2リブ壁53Dに外力が作用した場合であっても、第1リブ壁53C又は第2リブ壁53Dが損傷してしまうことを抑制できる。
【0067】
また、本実施形態では、図4に示すように、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dは、隣り合う荷重点、つまり荷重受部21A及びネジS1との間の部位から下端側に壁状に拡がっているので、隣り合う荷重点それぞれに作用する荷重を第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dにて受けることができる。したがって、第1リブ壁53C及び第2リブ壁53Dを効果的に補強部材として機能させることができる。
【0068】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、プロセスカートリッジ3が特許請求の範囲に記載された画像形成ユニットに相当し、第2ダクト本体53A(第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53E)が特許請求の範囲に記載されたリブ壁に相当する。
【0069】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明をダイレクトタンデム方式の画像形成装置に適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば中間転写方式の画像形成装置にも適用できる。
【0070】
また、上述の実施形態では、露光器4はレーザビームを走査するタイプであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば感光ドラム3Aの軸方向に多数個のLEDを並べたタイプの露光器であってもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、第2ダクト本体53Aが、第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1リブ壁53Cのみ、又は第2リブ壁53Dのみ、又はフレーム壁53Eのみ、又は第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eのうちいずれか2つの壁のみであってもよい。
【0072】
また、上述の実施形態では、上方側から見ると、第1リブ壁53C、第2リブ壁53D及びフレーム壁53Eにより、コの字状断面形状が構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばHの字状断面形状を構成してもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、送風ダクト51がフレームユニット20側のみ設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、フレームユニット30側にも送風ダクト51(第2ダクト部53)を設け、第2ダクト部53を構成するリブ壁を利用して第1フレーム31を補強してもよい。
【0074】
また、上述の実施形態は、第1フレーム21に対応する部位全体に載置部11A(給紙トレイ11)を設定・配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1フレーム21に対応する部位の一部に載置部11A(給紙トレイ11)が設定・配置してもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では、ファン60として軸流ファンを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ターボファンやシロッコファン等の遠心式多翼ファン(JIS B 0132番号1004等参照)又は横流ファン(JIS B 0132番号1017等参照)等を用いてもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では、ファン60からプロセスカートリッジ3側に空気を送り込むような気流を発生させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プロセスカートリッジ3側から空気を吸引するような気流を発生させてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では、カラーダイレクトタンデム型の電子写真方式に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0078】
1…画像形成装置、2…画像形成部、3…プロセスカートリッジ、
3A…感光ドラム、3B…帯電器、4…露光器、5…定着器、6…転写ローラ、
7…排紙トレイ、8…筐体カバー、10…給紙装置、11…給紙トレイ、
11A…載置部、12…ピックアップローラ、13…分離機構、14…分離パッド、
20…フレームユニット、21…第1フレーム、21A…荷重受部、
22…第2フレーム、30…フレームユニット、31…第1フレーム、
32…第2フレーム、40…ブリッジ部材、41…天板部、50…空気通路、
51…送風ダクト、52…第1ダクト部、52A…第1ダクト本体、
52B…第1ダクトカバー、53…第2ダクト部、53A…第2ダクト本体、
53B…第2ダクトカバー、53C…第1リブ壁、53D…第2リブ壁、
53E…フレーム壁、54…突条、60…ファン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
画像を形成するための画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットを挟んで水平方向において対向して配設された一対のフレームと、
装置内空間のうち前記画像形成ユニット側の空間に連通する空気通路を形成するダクトと、
前記ダクト内に気流を発生させるファンとを備え、
前記一対のフレームのうち少なくとも一方のフレームは、下方側に配置された樹脂製の第1フレーム及びこの第1フレームの上方側に配置された第2フレームを有して構成されており、
さらに、前記第1フレームには、前記ダクトの少なくとも一部を構成するとともに、前記第1フレームの上端側から下端側に拡がる壁状のリブ壁が一体成形されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記リブ壁は、前記空気通路を挟んで対向する第1リブ壁及び第2リブ壁、並びに前記第1リブ壁と前記第2リブ壁とを繋ぐ壁面を形成するフレーム壁を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1リブ壁と前記第2リブ壁との距離のうち下方側の距離は、上方側の距離より大きく、
さらに、前記ファンは、前記ダクト内の下方側に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成ユニットに向けて搬出される用紙が載置される載置部を備えており、
前記載置部は、前記装置内空間の下方側であって、前記第1フレームに対応する部位に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記一対のフレームが対向する方向を対向方向と呼ぶとき、
前記リブ壁のうち前記対向方向と平行な部位の寸法であって、下方側の対向方向寸法は、上方側の対向方向寸法より大きいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記リブ壁には、その壁面から突出して壁面を形成する突条が一体成形されており、
さらに、前記ファンは、前記突条により保持されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成ユニットは、前記第2フレームにより保持され、
前記第1フレームは、前記第2フレームからの荷重を複数箇所の荷重点にて受けており、
さらに、上方側から見て、前記リブ壁は、隣り合う前記荷重点の間に位置していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−33880(P2011−33880A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180762(P2009−180762)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】