説明

画像形成装置

【課題】感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくする。
【解決手段】画像形成装置は、感光層を有し、軸を中心に回転する感光体ドラムと、感光層を帯電させる帯電器と、画像データに基づき、帯電した感光層を露光し、静電潜像を形成する露光装置と、感光層上に形成された潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像装置と、感光層上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写ローラとを備える。露光装置は、転写ローラによる転写を経た感光体ドラムの感光層を、中央部より端部の露光量が小さくなるように、感光体の軸方向の幅にわたって露光することにより、感光層を除電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写のプロセスを経た後、感光体ドラム上に残った電位を除電する。特許文献1には、像担持体を除電する期間を短くするための技術が開示されている。特許文献2には、露光装置を用いて除電を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−80870号公報
【特許文献2】特開平6−3883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、感光層を有し、軸を中心に回転する感光体と、前記感光層を帯電させる帯電部と、画像データに応じた光を照射することにより、前記帯電した感光層を露光し、潜像を形成する露光部と、前記形成された潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像部と、前記形成されたトナー像を前記感光体から転写媒体に転写する転写部とを備え、前記露光部は、前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、中央部より端部の露光量が小さくなるように、当該感光体の軸方向の幅にわたって露光することにより、当該感光層を除電することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記露光部は、前記感光層を除電するときに、前記端部に近い領域ほど露光量が小さくなるように当該感光層を露光することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記感光体の回転数を計測する計測部と、前記計測部により計測された前記回転数が大きくなるにつれて、前記感光層を除電するときに用いられる前記中央部及び前記端部の露光量が小さくなるように、前記露光部を制御する露光制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の構成において、前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、前記軸方向の幅にわたって一の表面電位を有するように除電する除電部を備え、前記露光部は、前記感光層を除電するときに、前記端部以外の領域を露光することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、感光層を有し、軸を中心に回転する感光体と、前記感光層を帯電させる帯電部と、画像データに応じた光を照射することにより、前記帯電した感光層を露光し、潜像を形成する露光部と、前記形成された潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像部と、前記形成されたトナー像を前記感光体から転写媒体に転写する転写部と、前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、端部が中央部よりも前記帯電後の表面電位に近い表面電位を有するように除電する除電部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、感光体の中央部と端部とを同じ露光量で露光する構成に比べ、感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくすることができる。
請求項2に係る発明によれば、端部に近い領域ほど露光量を小さくしない構成に比べ、感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、感光体の回転数に応じて露光量を小さくしない場合に比べ、感光体の磨耗を軽減することができる。
請求項4に係る発明によれば、露光部が露光量を変更できない構成であっても、感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、感光体の中央部と端部とを同じ表面電位に除電する構成に比べ、感光体の磨耗によって生じる感光層の膜厚の差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置の構成を示す図。
【図2】画像形成部の構成を示す図。
【図3】感光体ドラムの感光層の膜厚の変化を示す図。
【図4】画像形成装置の動作を示すタイミングチャート。
【図5】感光体ドラムにおける除電時の露光量の分布を示す模式図。
【図6】感光体ドラムにおける除電後の表面電位を示す模式図。
【図7】変形例に係る画像形成装置の構成を示す図。
【図8】変形例に係る露光量の変化を示す図。
【図9】変形例に係る画像形成部の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。画像形成装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、電源14と、画像形成部15とを備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備える。CPUは、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する。通信部12は、通信回線を介して端末装置(図示せず)と通信を行う。記憶部13は、例えばハードディスクを有し、各種のデータを記憶する。電源14は、画像形成装置1の各部に電力を供給する。
【0013】
図2は、画像形成部15の構成を示す図である。画像形成部15は、感光体ドラム21を備える。感光体ドラム21(感光体の一例)は、感光層を有し、ドラムモータ(図示せず)により軸を中心に回転させられる。感光体ドラム21の周りには、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、転写ローラ25と、クリーニング装置26とが配置される。
【0014】
帯電器22(帯電部の一例)は、感光体ドラム21の感光層を均一に帯電させる。具体的には、帯電器22には、電源14からDC(Direct Current)電圧が印加される。これにより、帯電器22は、感光体ドラム21に負の電荷を帯びたイオンを供給する。露光装置23(露光部の一例)は、帯電した感光体ドラム21に光を照射して露光する。露光装置23は、静電潜像を形成する機能と、感光体ドラム21を除電する機能とを有する。静電潜像を形成する場合、露光装置23は、画像データに応じた光を照射することにより、感光体ドラム21の感光層を露光して、静電潜像を形成する。一方、感光体ドラム21を除電する場合、露光装置23は、感光体ドラム21の軸方向の幅にわたって感光層を露光することにより、感光層を除電する。
【0015】
現像装置24(現像部の一例)は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する。具体的には、現像装置24は、現像ローラ241を備え、トナーとキャリアを含む現像材を収容する。現像ローラ241は、現像モータ(図示せず)により軸を中心に回転させられることにより、現像装置24に収容されたトナーを感光体ドラム21と対向する現像位置に搬送する。現像ローラ241には、電源14から現像バイアスが印加される。これにより、感光体ドラム21と現像ローラ241との間に電位差が生じる。現像ローラ241により現像位置に搬送されたトナーは、この電位差により、感光体ドラム21に移動する。
【0016】
転写ローラ25(転写部の一例)は、現像装置24により形成されたトナー像を感光体ドラム21から記録媒体(転写媒体の一例)に転写する。具体的には、転写ローラ25には、電源14から転写バイアスが印加される。これにより、感光体ドラム21と転写ローラ25との間に電位差が生じる。感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、この電位差により、記録媒体に移動する。トナー像が転写される記録媒体は、例えば用紙である。定着器27は、熱と圧力を加えることにより、トナー像を記録媒体に定着させる。定着器27を通過した後、この記録媒体は画像形成装置1から排出される。
【0017】
クリーニング装置26は、トナー像が転写された後、感光体ドラム21上に残ったトナーを除去する。具体的には、クリーニング装置26は、クリーニングブレード261を備える。クリーニングブレード261は、感光体ドラム21の軸方向の幅以上の幅を有する。クリーニング装置26は、このクリーニングブレード261を感光体ドラム21の表面に押し当てることにより、感光体ドラム21からトナーを除去する。クリーニングブレード261は、支持部材262により支持される。支持部材262は、クリーニングブレード261の両端をねじ等の締結部品により固定する。感光体ドラム21の感光層は、クリーニングブレード261が接触することにより、徐々に削れて薄くなっていく。
【0018】
図3は、感光体ドラム21の感光層の膜厚の変化を示す図である。感光体ドラム21の感光層の膜厚は、サイクル数が大きくなるにつれて徐々に減っていく。このサイクル数とは、感光体ドラム21の回転数のことである。特に、感光体ドラム21の端部は、中央部に比べて、膜厚の減りが大きくなる。これは、以下のような理由による。上述したように、クリーニングブレード261は、支持部材262により両端が固定されている。この場合、クリーニングブレード261の端部の圧力は、中央部の圧力よりも大きくなる。これにより、感光体ドラム21の端部は、中央部よりも膜厚の減りが大きくなる。また、感光体ドラム21は、トナー像が転写されるときに、記録媒体に接触する。このとき、感光体ドラム21は、記録媒体の縁により、端部が削れてしまう。このように、感光体ドラム21の端部は、記録媒体との接触によっても膜厚が減少する。この場合、感光体ドラム21の中央部と端部とで膜厚に差が生じる。この膜厚の差が大きくなると、帯電電位にむらが生じ、画像欠陥が生じてしまう。
【0019】
図4は、画像形成装置1の動作を表すタイミングチャートである。画像形成装置1は、プリントジョブが入力されると、画像を形成する処理を開始する。プリントジョブとは、画像の形成を指示する情報である。このプリントジョブは、例えば端末装置(図示せず)から送られてくる。プリントジョブには、一つのまとまりとして処理される画像データが含まれる。この画像データは、例えば一つの文書に含まれるページの画像を表す。ここでは、1ページの画像を表す画像データがプリントジョブに含まれる場合を想定する。画像を形成する処理を開始する時刻T1より前において、感光体ドラム21の表面電位は、0Vになっている。また、ドラムモータ及び現像モータは、いずれもオンになっており、感光体ドラム21及び現像ローラ241は、それぞれ回転している。
【0020】
時刻T1において、制御部11は、帯電器22のDC電圧をオンにする。これにより、帯電器22は、感光体ドラム21の感光層を約−450Vの表面電位VHに帯電させる。この表面電位VHは、帯電後の表面電位である。また、制御部11は、現像バイアスをオンにする。これにより、現像ローラ241に現像バイアスが印加される。続いて、制御部11は、転写ローラ25の転写バイアスをオンにする。これにより、転写ローラ25に転写バイアスが印加される。続いて、露光装置23は、プリントジョブに含まれる画像データに応じた光を感光体ドラム21に照射し、静電潜像を形成する。露光装置23により光が照射された領域の表面電位VLは、約−250Vになる。感光体ドラム21上に形成された静電潜像は、現像装置24の現像バイアスにより、現像装置24に収容されたトナーで現像される。現像装置24により現像されたトナー像は、転写ローラ25の転写バイアスにより、感光体ドラム21から記録媒体に転写される。転写ローラ25を通過した後、感光体ドラム21の感光層は、帯電器22により再び約−450Vに帯電される。プリントジョブの処理が終了すると、制御部11は、転写バイアスをオフにする。
【0021】
時刻T2からT3までの間、露光装置23は、感光体ドラム21の軸方向の幅にわたって感光層を露光することにより、感光層を除電する。このとき、露光装置23は、感光体ドラム21の中央部と端部とで異なる照度の光を照射する。具体的には、露光装置23は、感光体ドラム21の端部に近い領域ほど、照射する光の照度を小さくする。図5は、感光体ドラム21における除電時の露光量の分布を示す模式図である。この露光量とは、露光装置23により照射される光の照度とその光の照射時間の積をいう。感光体ドラム21の中央部は、E1[nJ/mm]の露光量で露光される。一方、感光体ドラム21の端部は、E1[nJ/mm]よりも小さいE2[nJ/mm]の露光量で露光される。この場合、感光体ドラム21の中央部と端部における露光量の差は、(E1−E2)になる。また、感光体ドラム21の中央部と端部との間の領域は、E1[nJ/mm]より小さくE2[nJ/mm]より大きい露光量で露光される。感光体ドラム21の中央部と端部との間では、端部に近い領域ほど露光量が小さくなる。
【0022】
図6は、感光体ドラム21における除電後の表面電位の分布を示す模式図である。露光装置23により除電されると、感光体ドラム21の中央部の表面電位は、V1[V]になる。このV1[V]は、0Vに近い電位である。一方、感光体ドラム21の端部の表面電位は、V2[V]になる。このV2[V]は、V1[V]よりも帯電後の表面電位VHに近い電位である。この場合、感光体ドラム21の中央部の表面電位と端部の表面電位との差は、(V1−V2)になる。感光体ドラム21は、上述したクリーニングブレード261又は記録媒体との物理的な接触だけでなく、放電ストレスによっても磨耗する。上述したように、感光体ドラム21の端部の表面電位V2[V]は、中央部の表面電位V1[V]よりも帯電後の表面電位VHに近い。新たなプリントジョブが入力されると、再び感光体ドラム21の感光層の表面電位はVHに帯電される。この時、感光体ドラム21の端部は|VH−V2|、中央部は|VH−V1|の放電量がかかる。この場合、|VH−V2|<|VH−V1|となるため、感光体ドラム21の端部と帯電器22との間の放電量は、中央部と帯電器22との間の放電量に比べて少なくなる。これにより、感光体ドラム21の端部は、中央部に比べて、放電ストレスによる磨耗が軽減される。
【0023】
上述したように、感光体ドラム21の端部は、中央部に比べて、クリーニングブレード261又は記録媒体との物理的な接触による磨耗が大きい。しかしながら、感光体ドラム21の端部は、中央部に比べて、放電ストレスによる磨耗は軽減されるため、これにより、物理的な接触による磨耗の大きい分が相殺される。この場合、感光体ドラム21の端部の膜厚は、中央部の膜厚と同じように変化していく。これにより、感光体ドラム21の中央部と端部とで膜厚の差が小さくなる。
【0024】
除電が行われている時刻T2から時刻T3にかけて、帯電器22は、感光体ドラム21を1周分だけ帯電させる。感光体ドラム21が1周分帯電されると、制御部11は、帯電DCをオフにする。また、時刻T2からT3までの間、現像ローラ241には、現像バイアスが印加される。これは、現像バイアスが印加されていないと、現像装置24に収容されたキャリアが感光体ドラム21に移動してしまうからである。また、除電が行われている時刻T2と時刻T3との間において、制御部11は、現像モータをオフにする。現像モータをオフにすることによって、さらに現像装置24に収容されたキャリアの感光体ドラム21への移動を防ぐ事ができる。時刻T3において、除電が終了すると、制御部11は、現像バイアスをオフにする。
【0025】
除電が終了する時刻T3と時刻T4との間において、制御部11は、ドラムモータをオフにする。これにより、感光体ドラム21の回転が止まる。この後、新たなプリントジョブが入力されると、画像形成装置1は、再び現像モータ及びドラムモータをオンにして、上述と同様に画像を形成する処理を行う。
【0026】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、変形して実施されてもよい。以下、変形例をいくつか説明する。また、以下の変形例は、それぞれ組み合わせて実施されてもよい。
【0027】
(変形例1)
除電時の露光量は、サイクル数に応じて変更してもよい。図7は、この変形例に係る画像形成装置1Aの構成を示す図である。画像形成装置1Aは、上述した制御部11と、通信部12と、記憶部13と、電源14と、画像形成部15に加え、計測部16を備える。計測部16は、感光体ドラム21の表面に接触して、感光体ドラム21のサイクル数を計測する。図3に示したように、感光体ドラム21の感光層の膜厚は、サイクル数が大きくなるほど減っていく。感光層が薄くなると、同じ露光量で露光しても、放電量が大きくなり、放電ストレスによる磨耗が増える。また、感光層が薄くなると、除電に必要な露光量も減少する。そこで、制御部11(露光制御部の一例)は、図8に示すように、計測部16により計測されたサイクル数が大きくなるにつれて、除電時の露光量を小さくしていく。具体的には、制御部11は、除電時に露光装置23が照射する光の照度が小さくなるように制御することにより、露光量を減少させる。また、制御部11は、図8に示すように、感光体ドラム21の端部の露光量を、中央部の露光量よりも大きく減少させてもよい。
【0028】
(変形例2)
画像形成装置1は、除電器を備え、露光装置23に代えて、除電器が除電を行ってもよい。図9は、この変形例に係る画像形成部15Aの構成を示す図である。画像形成部15Aは、上述した感光体ドラム21、帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写ローラ25、クリーニング装置26、定着器27に加え、除電器28を備える。除電器28(除電部の一例)は、転写ローラ25を通過した感光体ドラム21の感光層を除電する。具体的には、除電器28は、感光体ドラム21の中央部が表面電位V1[V]を有し、端部が表面電位V2[V]を有するように、感光体ドラム21の表面を除電する。上述したように、この表面電位V2[V]は、V1[V]よりも帯電後の表面電位VHに近い表面電位である。また、除電器28は、感光体ドラム21の中央部と端部の間の領域については、V1[V]より小さくV2[V]より大きい表面電位を有し、且つ端部に近い領域ほど表面電位が小さくなるように除電してもよい。なお、除電器28は、光を用いて除電をしてもよいし、コロナチャージを用いて除電をしてもよい。
【0029】
また、実施形態では、プリントジョブの処理が完了するたびに除電を行っていたが、この変形例では、1つの画像の形成を完了するたびに除電を行ってもよい。例えば、プリントジョブに含まれる画像データが複数ページの画像を表すものである場合、各ページの画像を形成するたびに除電を行ってもよい。
【0030】
(変形例3)
図9に示す画像形成部15Aの構成において、露光装置23と除電器28とを両方用いて除電を行ってもよい。この場合、除電器28は、感光体ドラム21が軸方向の幅にわたって表面電位V2[V]を有するように、感光層を除電する。なお、除電後の感光体ドラム21の表面電位V2[V]は、軸方向の幅において誤差があってもよい。露光装置23は、感光体ドラム21の中央部を含むある範囲を有する領域だけを露光することにより、この領域が表面電位V1[V]を有するように除電する。なお、この中央部を含む領域は、端部を含まない。つまり、露光装置23は、感光層を除電するときに、感光体ドラム21の端部以外の領域を露光する。
【0031】
(変形例4)
感光体ドラム21の端部は、画像の形成に用いられない非画像領域であってもよい。これは、非画像領域については、画像の形成に用いられないため、残留電位があっても、あまり画質に影響しないためである。
【0032】
(変形例5)
感光体ドラム21における除電時の露光量の分布は、図5に示すものに限らない。露光装置23は、転写ローラ25を通過した感光体ドラム21の感光層を、中央部よりも端部の露光量が小さくなるように、感光体ドラム21の軸方向の幅にわたって露光すればよい。例えば、感光体ドラム21の感光層を、中央部を含む第1の領域と、端部を含む第2の領域とに分割し、第1の領域を露光量E1[nJ/mm]で露光し、第2の領域を露光量E2[nJ/mm]で露光してもよい。
【0033】
(変形例6)
制御部11は、露光装置23が照射する光の照射時間を制御することにより、感光体ドラム21の露光量を変えてもよい。
【0034】
(変形例7)
実施形態では、感光体ドラム21は、負の表面電位に帯電していたが、正の表面電位に帯電してもよい。この場合、帯電器22は、感光体ドラム21の表面に正の電荷を帯びたイオンを供給する。
【0035】
(変形例8)
画像形成装置1は、カラーの画像を形成するものであってもよい。この場合、画像形成装置1は、上述した感光体ドラム21、帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写ローラ25及びクリーニング装置26を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色毎に備える。
【0036】
(変形例9)
制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備えてもよい。この場合、制御部11の機能は、ASICにより実現されてもよいし、CPUとASICの両方で実現されてもよい。
【0037】
(変形例10)
制御部11の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、画像形成装置1にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…画像形成装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…電源、15…画像形成部、16…計測部、21…感光体ドラム、22…帯電器、23…露光装置、24…現像装置、25…転写ローラ、26…クリーニング装置、27…定着器、28…除電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光層を有し、軸を中心に回転する感光体と、
前記感光層を帯電させる帯電部と、
画像データに応じた光を照射することにより、前記帯電した感光層を露光し、潜像を形成する露光部と、
前記形成された潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像部と、
前記形成されたトナー像を前記感光体から転写媒体に転写する転写部とを備え、
前記露光部は、前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、中央部より端部の露光量が小さくなるように、当該感光体の軸方向の幅にわたって露光することにより、当該感光層を除電する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記露光部は、前記感光層を除電するときに、前記端部に近い領域ほど露光量が小さくなるように当該感光層を露光する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体の回転数を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記回転数が大きくなるにつれて、前記感光層を除電するときに用いられる前記中央部及び前記端部の露光量が小さくなるように、前記露光部を制御する露光制御部と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、前記軸方向の幅にわたって一の表面電位を有するように除電する除電部を備え、
前記露光部は、前記感光層を除電するときに、前記端部以外の領域を露光する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
感光層を有し、軸を中心に回転する感光体と、
前記感光層を帯電させる帯電部と、
画像データに応じた光を照射することにより、前記帯電した感光層を露光し、潜像を形成する露光部と、
前記形成された潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像部と、
前記形成されたトナー像を前記感光体から転写媒体に転写する転写部と、
前記転写部による転写を経た前記感光体の前記感光層を、端部が中央部よりも前記帯電後の表面電位に近い表面電位を有するように除電する除電部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−173723(P2012−173723A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38820(P2011−38820)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】