説明

画像形成装置

【課題】適切な時間(長さ)でクリーニング処理を実行することができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】各感光ドラム5に対応づけて、回収部材8が設けられている。感光ドラム5から用紙Pへのトナーの転写後、回収部材8により、感光ドラム5に付着している付着物が回収される。クリーニング処理がクリーニング時間にわたって実行されることにより、回収部材8に回収された付着物が感光ドラム5を経由して用紙搬送ベルト11に転移する。クリーニング時間を決定するために、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に複数の領域に分割されて、各領域におけるトナーの使用量が求められる。そして、各領域におけるトナーの使用量のうちの最大値に基づいて、クリーニング時間が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の一例では、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムが並列に配置されている。感光ドラムの表面には、トナー像が形成される。各感光ドラムと接触するように、無端状の搬送ベルトが設けられている。搬送ベルトにより、用紙が各感光ドラムと順次に接触するように搬送される。各感光ドラムと搬送ベルトを挟んで対向する位置には、転写ローラが配置されている。感光ドラムと転写ローラとの間を用紙が通過するときに、転写ローラに供給されている転写バイアスの作用により、感光ドラムから用紙にトナー像が転写される。そして、各色のトナー像が用紙に重ねて転写されることにより、その色重ねされたトナー像からなるカラー画像が用紙に形成される。
【0003】
感光ドラムの表面には、トナーが用紙に転写されずに残ることがある。そのため、各感光ドラムに対応づけて、感光ドラムの表面に残ったトナーを回収するための回収部材が設けられている。画像形成時に、回収部材には、回収バイアスが供給される。感光ドラムの表面に残ったトナーは、回収バイアスの作用により、回収部材に転移し、回収部材に一時的に保持される。
【0004】
所定のタイミングでトナー転移処理(クリーニング処理)が行われることにより、回収部材に保持されたトナーは、感光ドラムおよび搬送ベルトを経由して、クリーニングユニットに回収される。トナー転移処理では、回収部材に回収バイアスと正負反対のバイアスが供給される。また、各転写ローラに転写バイアスと正負同一のバイアスが供給される。回収部材に供給されるバイアスの作用により、回収部材に保持されたトナーが感光ドラムの表面に戻される。そして、各転写ローラに供給されるバイアスの作用により、感光ドラムの表面に戻されたトナーが搬送ベルトに転移する。搬送ベルトに転移したトナーは、クリーニングユニットと対向したときに、クリーニングユニットに回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−3377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各トナー転移処理において、回収部材および転写ローラにバイアスが供給される時間(トナー転移処理に要する時間)は一定である。そのため、回収部材に回収されているトナーの量が少ないにもかかわらず、トナー転移処理に長い時間が無駄に費やされたり、回収部材に回収されているトナーの量に対して、トナー転移処理の時間が短いために、回収部材および/または感光ドラムの表面にトナーが残ったりすることがあった。
【0007】
本発明の目的は、適切な時間(長さ)でクリーニング処理を実行することができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、第1の発明は、感光体とこの感光体に対向配置される転写ベルトとを用いて、感光体上に形成された画像をシートに転写する画像形成装置であって、各前記感光体に対応して設けられ、前記感光体上に残留しているに付着している付着物を回収する回収部材と、前記転写ベルトに付着している付着物を除去するベルトクリーナと、前記感光体、前記転写ベルトおよび前記回収部材を制御して、各前記回収部材から前記感光体を経由して前記転写ベルトに付着物を転移させるクリーニング処理を実行するクリーニング処理実行部と、シートに転写される現像剤像を主走査方向に複数の領域に分割して、各前記領域における現像剤の使用量を演算する使用量演算部と、前記使用量演算手段によって演算される各前記領域における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、前記クリーニング処理が実行される時間を決定するクリーニング時間決定部とを含むことを特徴としている。
【0009】
第2の発明は、感光体とこの感光体に対向配置される転写ベルトとを用いて、感光体上に形成された画像をシートに転写する画像形成装置であって、各前記感光体に対応して設けられ、現像剤像がシートに転写された後に前記感光体に付着している付着物を回収する回収部材と、前記転写ベルトに付着している付着物を除去するベルトクリーナと、前記感光体、前記転写ベルトおよび前記回収部材を制御して、各前記回収部材から前記感光体を経由して前記転写ベルトに付着物を転移させるクリーニング処理を実行するクリーニング処理実行部と、各前記感光体における現像剤の使用量を演算する使用量演算部と、前記使用量演算手段によって演算される各前記感光体における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、前記クリーニング処理が実行される時間を決定するクリーニング時間決定部とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、1つの感光体に現像剤像が形成され、その現像剤像がシートに転写されることにより、シートに単色の現像剤像(画像)が形成される。また、複数の感光体に現像剤像が形成され、それらの現像剤像がシートに重ねて転写されることにより、シートにカラーの現像剤像(画像)が形成される。
【0011】
各感光体に対応づけて、回収部材が設けられている。感光体からシートへの現像剤像の転写後、回収部材により、感光体に付着している付着物が回収される。クリーニング処理が実行されることにより、回収部材に回収された付着物が感光体を経由して転写ベルトに転移する。そして、その付着物は、ベルトクリーナにより、転写ベルト上から除去される。
【0012】
現像剤像の形成に使用される現像剤の量が多いほど、回収部材に回収される付着物の量が多い。回収部材に回収されている付着物の量が多いほど、付着物を回収部材から感光体を経由して転写ベルトに転移させるのに時間がかかる。
【0013】
そこで、クリーニング処理が実行される時間(クリーニング時間)を決定するために、シートに転写される現像剤像が主走査方向に複数の領域に分割されて、各領域における現像剤の使用量が求められる。そして、各領域における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、クリーニング時間が決定される。これにより、クリーニング時間を適切な時間、つまり回収部材における付着物が最も多量に付着している部分からその多量の付着物を転写ベルトに転移させるのに必要かつ十分な時間に決定することができる。
【0014】
よって、クリーニング処理に長い時間が無駄に費やされることを防止でき、クリーニング処理前の画像形成動作の終了からクリーニング処理後の画像形成動作の開始までの時間を短くすることができる。また、回収部材および/または感光体に付着物が残ることを防止できる。
【0015】
第2の発明によれば、1つの感光体に現像剤像が形成され、その現像剤像がシートに転写されることにより、シートに単色の現像剤像(画像)が形成される。また、複数の感光体に現像剤像が形成され、それらの現像剤像がシートに重ねて転写されることにより、シートにカラーの現像剤像(画像)が形成される。
【0016】
各感光体に対応づけて、回収部材が設けられている。感光体からシートへの現像剤像の転写後、回収部材により、感光体に付着している付着物が回収される。クリーニング処理が実行されることにより、回収部材に回収された付着物が感光体を経由して転写ベルトに転移する。そして、その付着物は、ベルトクリーナにより、転写ベルト上から除去される。
【0017】
現像剤像の形成に使用される現像剤の量が多いほど、回収部材に回収される付着物の量が多い。回収部材に回収されている付着物の量が多いほど、付着物を回収部材から感光体を経由して転写ベルトに転移させるのに時間がかかる。
【0018】
そこで、クリーニング処理が実行される時間(クリーニング時間)を決定するために、各感光体における現像剤の使用量が求められる。そして、各感光体における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、クリーニング時間が決定される。これにより、クリーニング時間を適切な時間、つまり付着物が最も多量に付着している回収部材からその多量の付着物を転写ベルトに転移させるのに必要かつ十分な時間に決定することができる。
【0019】
よって、クリーニング処理に長い時間が無駄に費やされることを防止でき、クリーニング処理前の画像形成動作の終了からクリーニング処理後の画像形成動作の開始までの時間を短くすることができる。また、回収部材および/または感光体に付着物が残ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタの模式的な断面図である。
【図2】図2は、カラープリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、画像が形成された用紙の平面図である。
【図4A】図4Aは、クリーニング処理の実行のための一連の処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図4B】図4Bは、クリーニング処理の実行のための一連の処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図4C】図4Cは、クリーニング処理の実行のための一連の処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.カラープリンタの全体構成
図1に示されるように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の正面には、カバーの一例としてのフロントカバー3が開口4を開閉可能に設けられている。
【0022】
なお、カラープリンタ1の正面側は、前後方向(紙面の左右方向)における前側(紙面右側)である。また、カラープリンタ1が平面上に載置された状態で、その平面に直交する方向が上下方向である。そして、平面上に載置されたカラープリンタ1を前側から見て、カラープリンタ1の左右を規定する。
【0023】
本体ケーシング2内には、4つの感光体の一例としての感光ドラム5が設けられている。各感光ドラム5は、その周面が左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なように設けられている。4つの感光ドラム5は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタおよびシアン用であり、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアン用の順に前後方向に等間隔で並列に配置されている。
【0024】
各感光ドラム5の周囲には、帯電器6、現像器7および回収部材8が設けられている。帯電器6は、感光ドラム5の後上方に配置されている。現像器7は、感光ドラム5の前上方に配置されている。回収部材8は、感光ドラム5の後方に配置されている。
【0025】
4つの感光ドラム5および各感光ドラム5の周囲の帯電器6、現像器7および回収部材8は、たとえば、共通のドロワフレーム9に保持されている。ドロワフレーム9は、フロントカバー3を開けた状態で、本体ケーシング2内の収容位置と本体ケーシング2外の引出位置との間で水平方向に移動可能に設けられている。これにより、ドロワフレーム9およびこれに保持された感光ドラム5、帯電器6、現像器7および回収部材8は、ドロワユニットとして、本体ケーシング2に対して開口4を介して着脱可能である。
【0026】
本体ケーシング2内の最上部には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器10が配置されている。
【0027】
画像形成時において、感光ドラム5は、左側から見て時計回りに回転される。感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、帯電器6からの放電により一様に帯電された後、露光器10からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器7からのトナーの供給により、現像剤像の一例としてのトナー像に現像される。
【0028】
また、本体ケーシング2内には、上下方向の中央より少し下方の位置に、用紙搬送ベルト11が設けられている。用紙搬送ベルト11は、2つのローラ12,13に巻回された無端状のベルトである。2つのローラ12,13は、上下方向において同じ位置に配置され、前後方向に間隔を空けて配置されている。これにより、用紙搬送ベルト11は、2つのローラ12,13の各上端間において、前後方向および左右方向に延びる平面状部分を有している。この平面状部分は、4つの感光ドラム5と接触している。
【0029】
用紙搬送ベルト11の平面状部分を挟んで各感光ドラム5と対向する位置には、転写ローラ14が配置されている。用紙搬送ベルト11および4つの転写ローラ14により、転写ベルトの一例が構成されている。
【0030】
本体ケーシング2の底部には、シートの一例としての用紙Pを収容する給紙カセット15が配置されている。給紙カセット15に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、用紙搬送ベルト11の平面状部分上に送り込まれる。そして、用紙Pは、用紙搬送ベルト11により、用紙搬送ベルト11と各感光ドラム5との間を通して後方に搬送される。
【0031】
画像形成時において、用紙搬送ベルト11は、左側から見て反時計回りに周回走行する。転写ローラ14には、転写バイアスが供給されている。用紙Pにモノクロ画像が形成されるときには、ブラックの感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。そして、そのトナー像は、転写バイアスの作用により、用紙搬送ベルト11によって搬送される用紙Pに転写される。これにより、用紙Pには、ブラックのトナー像からなるモノクロ画像が形成される。また、用紙Pにカラー画像が形成されるときには、2つ以上の感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。そして、それらのトナー像は、転写バイアスの作用により、用紙搬送ベルト11によって搬送される用紙Pに互いに重ね合わせて転写される。これにより、用紙Pには、各色のトナー像の重ね合わせによるカラー画像が形成される。
【0032】
感光ドラム5から用紙Pへのトナー像の転写後に、感光ドラム5の表面に残留するトナーなどの付着物は、回収部材8に供給されている回収バイアスの作用により、感光ドラム5の表面から回収部材8に回収される。回収部材8に回収された付着物は、回収部材8に回収バイアスが供給されている間、回収部材8に保持される。
【0033】
用紙搬送ベルト11の後方には、定着器16が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器16に搬送される。定着器16では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ17に排出される。
【0034】
また、用紙搬送ベルト11の下方には、ベルトクリーナ18が設けられている。ベルトクリーナ18は、1次クリーニングローラ19、2次クリーニングローラ20、スクレーパ21および貯留部22を備えている。
【0035】
1次クリーニングローラ19は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、用紙搬送ベルト11の下側部分にほぼ全幅にわたって接触している。2次クリーニングローラ20は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、1次クリーニングローラ19の周面にほぼ全幅にわたって接触している。
【0036】
用紙搬送ベルト11に付着している付着物は、ベルトクリーナ18により、用紙搬送ベルト11上から除去される。具体的には、1次クリーニングローラ19および2次クリーニングローラ20には、それぞれ1次クリーニングバイアスおよび2次クリーニングバイアスが印加される。用紙搬送ベルト11上の付着物は、1次クリーニングローラ19と対向したときに、1次クリーニングバイアスの作用により、1次クリーニングローラ19に転移する。1次クリーニングローラ19に転移した付着物は、1次クリーニングバイアスと2次クリーニングバイアスとの電位差により、2次クリーニングローラ20にさらに転移する。そして、2次クリーニングローラ20に転移した付着物は、スクレーパ21と対向したときに、スクレーパ21により、2次クリーニングローラ20上から掻き落とされる。その掻き落とされた付着物は、貯留部22に貯留される。
2.カラープリンタの電気的構成
カラープリンタ1は、図2に示されるように、CPU,RAMおよびROMなどを含むマイクロコンピュータからなる制御部31を備えている。
【0037】
制御部31には、開閉センサ32を含む各種センサからの信号が入力されるようになっている。開閉センサ32は、たとえば、マイクロスイッチまたは近接センサなどからなり、フロントカバー3(図1参照)の開閉状態に応じたレベルの信号を出力する。
【0038】
また、制御部31には、感光ドラム5、回収部材8、転写ベルトの一例を構成する用紙搬送ベルト11および4つの転写ローラ14、1次クリーニングローラ19ならびに2次クリーニングローラ20などが制御対象として接続されている。回収部材8、転写ローラ14、1次クリーニングローラ19および2次クリーニングローラ20は、それぞれバイアス回路33,34,35,36を介して、制御部31に接続されている。
【0039】
そして、制御部31は、クリーニング処理実行部37、使用量演算部38およびクリーニング時間決定部39を実質的に有している。クリーニング処理実行部37、使用量演算部38およびクリーニング時間決定部39は、CPUによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部である。
【0040】
クリーニング処理実行部37は、回収部材8から感光ドラム5を経由して用紙搬送ベルト11に付着物を転移させるクリーニング処理を実行する。具体的には、クリーニング処理実行部37により、感光ドラム5が制御されて、感光ドラム5が一定速度で回転される。また、クリーニング処理実行部37により、バイアス回路33が制御されて、バイアス回路33から回収部材8に回収バイアスと正負反対のバイアスが供給される。さらに、クリーニング処理実行部37により、バイアス回路34が制御されて、バイアス回路34から転写ローラ14に転写バイアスと同一のバイアスが供給される。
【0041】
回収部材8に供給されるバイアスの作用により、回収部材8に保持されている付着物が感光ドラム5の表面に戻される。そして、転写ローラ14に供給されるバイアスの作用により、感光ドラム5の表面に戻された付着物が用紙搬送ベルト11に転移する。
【0042】
用紙搬送ベルト11に転移した付着物は、ベルトクリーナ18と対向したときに、ベルトクリーナ18に回収される。
【0043】
使用量演算部38は、図3に示されるように、用紙Pに転写されるトナー像を主走査方向(左右方向)に3つの領域A1,A2,A3に分割して、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量を求め、それらの使用量を累積して加算する。具体的には、使用量演算部38により、用紙Pに形成される画像のデータに基づいて、各領域A1〜A3において、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色のトナーの使用量が求められ、その各色のトナーの使用量の合計値が求められる。より具体的には、各領域A1〜A3において、画像のドット数および各ドットにおけるRGB値に基づいて、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色のトナーの使用量が求められ、その各色のトナーの使用量の合計値が求められる。そして、各領域A1〜A3ごとに、その合計値が累積して加算される。
【0044】
クリーニング時間決定部39は、所定のタイミング(後述)で、使用量演算部38によって演算された各領域A1〜A3におけるトナーの使用量のうちの最大値に基づいて、クリーニング処理の実行時間(以下「クリーニング時間」という。)を決定する。クリーニング時間は、たとえば、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量のうちの最大値と予め定められた係数との乗算値に決定される。
3.クリーニング処理の実行のための一連の処理
図4A,4B,4Cに示される処理は、カラープリンタ1の電源がオンにされると開始され、カラープリンタ1の電源がオフにされると強制的に終了される。
【0045】
カラープリンタ1の電源がオンにされると、図4Aに示されるように、クリーニング時間が所定値に決定される(ステップS1)。クリーニング時間の最大値が予め定められており、所定値は、たとえば、その最大値に決定される。
【0046】
その後、クリーニング処理実行部37により、クリーニング処理が開始される(ステップS2)。クリーニング処理は、ステップS1で決定されたクリーニング時間にわたって実行される。すなわち、そのクリーニング時間にわたって、感光ドラム5が一定速度で回転されるとともに、回収部材8および転写ローラ14にバイアスが供給される。
【0047】
クリーニング処理が終了すると(ステップS3のYES)、トナー使用量累積カウンタのカウント値(TnrCnt)がクリアされる(ステップS4)。トナー使用量累積カウンタは、制御部31のRAMで構成されるカウンタである。
【0048】
また、印字枚数累積カウンタのカウント値(PageCnt)がクリアされる(ステップS5)。印字枚数累積カウンタは、制御部31のRAMで構成されるカウンタである。
【0049】
次いで、フロントカバー3が開かれたか否かが調べられる(ステップS6)。
【0050】
フロントカバー3が開かれていなければ(ステップS6のNO)、カラープリンタ1に接続されたパーソナルコンピュータなどからジョブ指令(印字命令)が入力されたか否かが調べられる(ステップS7)。
【0051】
ジョブ指令が入力されていなければ(ステップS7のNO)、フロントカバー3が開かれたか否かが再び調べられる(ステップS6)。すなわち、フロントカバー3が開かれるか、または、ジョブ指令が入力されるまで、フロントカバー3が開かれたか否かの判断およびジョブ指令が入力されたか否かの判断が繰り返される。
【0052】
ジョブ指令が入力されると(ステップS7のYES)、図4Bに示されるように、パーソナルコンピュータなどからジョブ指令に続いて送信されてくる画像データに基づいて、画像形成動作が実行され、用紙Pに画像が形成される(ステップS8:印字)。
【0053】
これと並行して、使用量演算部38により、用紙Pに転写されるトナー像の各領域A1〜A3ごとに、トナーの使用量が求められ、その求められた使用量が各領域A1〜A3に対応するトナー使用量累積カウンタのカウント値に累積して加算(カウントアップ)される(ステップS9)。すなわち、各領域A1〜A3に対応するトナー使用量累積カウンタを用いて、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量の累積値が求められる。
【0054】
また、1枚の用紙Pに画像が形成されるごとに、印字枚数累積カウンタのカウント値が1ずつカウントアップ(インクリメント)される(ステップS10)。
【0055】
さらに、1枚の用紙Pに画像が形成されるごとに、各領域A1〜A3に対応するトナー使用量累積カウンタのカウンタ値の最大値(TnrCnt_max)が検索される(ステップS11)。
【0056】
また、画像形成動作が実行されている間も、フロントカバー3が開かれたか否かが監視されている(ステップS12)。
【0057】
フロントカバー3が開かれていなければ(ステップS12のNO)、次の用紙Pへの画像の形成(印字)の有無が調べられる(ステップS13)。すなわち、次の用紙Pに形成される画像のデータをパーソナルコンピュータなどから受信しているか否かが調べられる。
【0058】
次の用紙Pに形成される画像のデータを受信済みであれば(ステップS13のYES)、トナー使用量累積カウンタのカウンタ値の最大値が所定値を超えているか否かが調べられる(ステップS14)。
【0059】
また、印字枚数累積カウンタのカウント値が所定枚数を超えているか否かが調べられる(ステップS15)。
【0060】
そして、トナー使用量累積カウンタのカウンタ値の最大値が所定値を超えておらず(ステップS14のNO)、かつ、印字枚数累積カウンタのカウント値が所定枚数を超えていなければ(ステップS15のNO)、画像形成動作が実行され、用紙Pに画像が形成される(ステップS8)。これ以降は、ステップS8〜S15の処理が実行される。
【0061】
画像形成動作が繰り返されるうちに、トナー使用量累積カウンタのカウンタ値の最大値が所定値を超えるか(ステップS14のYES)、または、印字枚数累積カウンタのカウント値が所定枚数を超えると(ステップS15のYES)、クリーニング時間決定部39により、クリーニング時間が決定される(ステップS16)。
【0062】
クリーニング時間が決定されると、ステップS2に戻り、クリーニング処理が開始される。クリーニング処理が終了すると(ステップS3のYES)、トナー使用量累積カウンタおよび印字枚数累積カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS4,S5)。このとき、ジョブ指令に応答して実行される一連の画像形成動作が完結していないので、フロントカバー3が開かれていなければ(ステップS6のNO)、画像形成動作が実行され、用紙Pに画像が形成される(ステップS8)。これ以降は、ステップS8〜S15の処理が実行される。
【0063】
また、トナー使用量累積カウンタのカウント値および印字枚数累積カウンタのカウント値がそれぞれ所定値および所定枚数を超える前に、ジョブ指令に応答して開始された一連の画像形成動作が完結し、次の用紙Pに形成されるべき画像データを受信していない場合には(ステップS13のNO)、クリーニング時間決定部39により、クリーニング時間が決定される(ステップS16)。そして、図4Aに示されるように、クリーニング時間が決定されると、ステップS2に戻り、クリーニング処理が開始される。クリーニング処理が終了すると(ステップS3のYES)、トナー使用量累積カウンタおよび印字枚数累積カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS4,S5)。その後は、フロントカバー3が開かれるか、または、ジョブ指令が入力されるまで、フロントカバー3が開かれたか否かの判断(ステップS6)およびジョブ指令が入力されたか否かの判断(ステップS7)が繰り返される。
【0064】
フロントカバー3が開かれると(ステップS6のYESまたはステップS12のYES)、図4Cに示されるように、カラープリンタ1の動作が停止される(ステップS17:エラー停止)。
【0065】
このエラー停止状態は、フロントカバー3が閉じられるまで継続される(ステップS18のNO)。
【0066】
フロントカバー3が閉じられると(ステップS18のYES)、すべてのトナー使用量累積カウンタのカウンタ値が零であるか否か(トナー使用量累積カウンタのカウンタ値の最大値が零か否か)が調べられる(ステップS19)。
【0067】
トナー使用量累積カウンタのカウンタ値が零である場合は、前回にフロントカバー3が開かれてから、画像形成動作が実行されることなく、フロントカバー3が再び開かれた場合である。この場合には、回収部材8に付着物が付着していないので、クリーニング処理を実行する必要がない。そこで、トナー使用量累積カウンタのカウンタ値が零である場合には(ステップS19のYES)、クリーニング処理が実行されることなく、図4Aに示されるステップS4に戻り、トナー使用量累積カウンタのカウント値がクリアされる。また、印字枚数累積カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS5)。その後は、フロントカバー3が開かれるか、または、ジョブ指令が入力されるまで、フロントカバー3が開かれたか否かの判断(ステップS6)およびジョブ指令が入力されたか否かの判断(ステップS7)が繰り返される。
【0068】
一方、トナー使用量累積カウンタのカウンタ値が零でない場合には、クリーニング時間決定部39により、クリーニング時間が決定される(ステップS20)。そして、図4Aに示されるように、クリーニング時間が決定されると、ステップS2に戻り、クリーニング処理が開始される。クリーニング処理が終了すると(ステップS3のYES)、トナー使用量累積カウンタおよび印字枚数累積カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS4,S5)。その後は、フロントカバー3が開かれるか、または、ジョブ指令が入力されるまで、フロントカバー3が開かれたか否かの判断(ステップS6)およびジョブ指令が入力されたか否かの判断(ステップS7)が繰り返される。
4.作用効果
4−1.作用効果1
以上のように、1つの感光ドラム5にトナー像が形成され、そのトナー像が用紙Pに転写されることにより、用紙Pに単色のトナー像(画像)が形成される。また、複数の感光ドラム5にトナー像が形成され、それらのトナー像が用紙Pに重ねて転写されることにより、用紙Pにカラーのトナー像(画像)が形成される。
【0069】
各感光ドラム5に対応づけて、回収部材8が設けられている。感光ドラム5から用紙Pへのトナーの転写後、回収部材8により、感光ドラム5に付着している付着物が回収される。クリーニング処理が実行されることにより、回収部材8に回収された付着物が感光ドラム5を経由して用紙搬送ベルト11に転移する。そして、その付着物は、ベルトクリーナ18により、用紙搬送ベルト11上から除去される。
【0070】
トナー像の形成に使用されるトナーの量が多いほど、回収部材8に回収される付着物の量が多い。回収部材8に回収されている付着物の量が多いほど、付着物を回収部材8から感光ドラム5を経由してベルトに転移させるのに時間がかかる。
【0071】
そこで、クリーニング処理が実行される時間(クリーニング時間)を決定するために、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に3つの領域A1〜A3に分割されて、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量が求められる。そして、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量のうちの最大値(TnrCnt_max)に基づいて、クリーニング時間が決定される。これにより、クリーニング時間を適切な時間、つまり回収部材8における付着物が最も多量に付着している部分からその多量の付着物を用紙搬送ベルト11に転移させるのに必要かつ十分な時間に決定することができる。
【0072】
よって、クリーニング処理に長い時間が無駄に費やされることを防止でき、クリーニング処理前の画像形成動作の終了からクリーニング処理後の画像形成動作の開始までの時間を短くすることができる。また、回収部材8および/または感光ドラム5に付着物が残ることを防止できる。
4−2.作用効果2
ジョブ指令に応答して開始されるトナー像の形成のための一連の動作を1ジョブとして、1ジョブが完結した後、クリーニング処理が実行される。これにより、1ジョブが完結するごとに、回収部材8に回収されている付着物を用紙搬送ベルト11に転移させることができ、回収部材8および感光ドラム5から付着物を除去することができる。
4−3.作用効果3
各領域A1〜A3におけるトナーの使用量は、1ジョブ内で累積して加算される。そして、1ジョブが完結する前であっても、各領域におけるトナーの使用量の累積値の最大値が所定値を超えると、それに応答して、クリーニング処理が実行される。これにより、1ジョブが長い場合(多数枚の用紙Pに画像を連続して形成する場合)であっても、回収部材8が付着物で満杯になる前に、回収部材8から付着物を除去することができる。
4−4.作用効果4
また、所定枚数の用紙Pへのトナー像の形成の実行ごとに、クリーニング処理が実行される。これにより、定期的に、回収部材8に回収されている付着物を用紙搬送ベルト11に転移させることができ、回収部材8および感光ドラム5から付着物を除去することができる。
4−5.作用効果5
所定枚数の用紙Pへのトナー像の形成が実行されている間、各領域におけるトナーの使用量が累積して加算される。そして、所定枚数の用紙Pへのトナー像の形成が完了する前であっても、各領域におけるトナーの使用量の累積値の最大値が所定値を超えると、それに応答して、クリーニング処理が実行される。これにより、多数枚の用紙Pに画像を連続して形成する場合であっても、回収部材8が付着物で満杯になる前に、回収部材8から付着物を除去することができる。
4−6.作用効果6
本体ケーシング2の開口4を開閉するフロントカバー3が開かれた後に閉じられると、それに応答して、クリーニング処理が実行される。これにより、フロントカバー3が開閉されるごとに、回収部材8に回収されている付着物を用紙搬送ベルト11に転移させることができ、回収部材8および感光ドラム5から付着物を除去することができる。
4−7.作用効果7
最後にフロントカバー3が閉じられてからフロントカバー3が開かれるまでの間、各領域におけるトナーの使用量が累積して加算される。そして、フロントカバー3が開かれたときに、各領域におけるトナーの使用量の累積値が所定値以下である場合には、フロントカバー3が閉じられた後のクリーニング処理の実行がキャンセルされる。これにより、回収部材8に付着物がほとんど回収されていないにもかかわらず、クリーニング処理が無駄に実行されることを防止できる。
5.他の実施形態
前述の実施形態では、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に複数の領域A1〜A3に分割されて、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量が求められ、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量のうちの最大値(TnrCnt_max)に基づいて、クリーニング処理が実行される時間(クリーニング時間)が決定される。
【0073】
これに限らず、たとえば、各感光ドラム5における現像剤の使用量が求められて、各感光ドラム5におけるトナーの使用量のうちの最大値に基づいて、クリーニング時間が決定されてもよい。これにより、クリーニング時間を適切な時間、つまり付着物が最も多量に付着している回収部材8からその多量の付着物を用紙搬送ベルト11に転移させるのに必要かつ十分な時間に決定することができる。
【0074】
よって、クリーニング処理に長い時間が無駄に費やされることを防止でき、クリーニング処理前の画像形成動作の終了からクリーニング処理後の画像形成動作の開始までの時間を短くすることができる。また、回収部材8および/または感光ドラム5に付着物が残ることを防止できる。
6.変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。
【0075】
第1の実施形態に係る手法において、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に3つの領域A1〜A3に分割されて、各領域A1〜A3におけるトナーの使用量が求められるとしたが、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に2つの領域に分割されて、各領域におけるトナーの使用量が求められてもよい。また、用紙Pに転写されるトナー像が主走査方向に4つ以上の領域に分割されて、各領域におけるトナーの使用量が求められてもよい。
【0076】
第1の実施形態に係る手法は、カラープリンタ1に限らず、モノクロのプリンタに適用することができる。
【0077】
第1の実施形態においては、直接転写方式のカラープリンタについて説明したが、本発明は、中間転写方式のカラープリンタに適用することもできる。この場合、転写ベルトとして、用紙搬送ベルト11の代わりに中間転写ベルトを使用することができる。中間転写ベルトを使用した場合は、中間転写ベルト上に形成された画像を最終的に用紙に転写する2次転写手段がさらに必要となる。
【0078】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
5 感光ドラム
8 回収部材
11 用紙搬送ベルト
18 ベルトクリーナ
37 クリーニング処理実行部
38 使用量演算部
39 クリーニング時間決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体とこの感光体に対向配置される転写ベルトとを用いて、感光体上に形成された画像をシートに転写する画像形成装置であって、
各前記感光体に対応して設けられ、前記感光体上に残留しているに付着している付着物を回収する回収部材と、
前記転写ベルトに付着している付着物を除去するベルトクリーナと、
前記感光体、前記転写ベルトおよび前記回収部材を制御して、各前記回収部材から前記感光体を経由して前記転写ベルトに付着物を転移させるクリーニング処理を実行するクリーニング処理実行部と、
シートに転写される現像剤像を主走査方向に複数の領域に分割して、各前記領域における現像剤の使用量を演算する使用量演算部と、
前記使用量演算手段によって演算される各前記領域における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、前記クリーニング処理が実行される時間を決定するクリーニング時間決定部とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング処理実行部は、ジョブ指令に応答して開始される現像剤像の形成のための一連の動作を1ジョブとして、1ジョブが完結した後、前記クリーニング処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記使用量演算部は、各前記領域における現像剤の使用量を1ジョブ内で累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記使用量演算部によって演算される各前記領域における現像剤の使用量の累積値の最大値が所定値を超えたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記クリーニング処理実行部は、所定枚数のシートへの現像剤像の形成の実行ごとに、前記クリーニング処理を実行する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用量演算部は、前記所定枚数のシートへの現像剤像の形成が実行されている間、各前記領域における現像剤の使用量を累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記使用量演算部によって演算される各前記領域における現像剤の使用量の累積値の最大値が所定値を超えたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の感光体、前記転写ベルト、前記回収部材および前記ベルトクリーナを収容し、内外を連通する開口が形成された本体ケーシングと、
前記開口を開閉するカバーとを備え、
前記クリーニング処理実行部は、前記カバーが開かれた後に閉じられたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記使用量演算部は、最後に前記カバーが閉じられてから前記カバーが開かれるまで、各前記領域における現像剤の使用量を累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記カバーが開かれたときに、前記使用量演算部によって演算される各前記領域における現像剤の使用量の累積値が所定値以下である場合、前記カバーが閉じられた後の前記クリーニング処理の実行をキャンセルする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
感光体とこの感光体に対向配置される転写ベルトとを用いて、感光体上に形成された画像をシートに転写する画像形成装置であって、
各前記感光体に対応して設けられ、現像剤像がシートに転写された後に前記感光体に付着している付着物を回収する回収部材と、
前記転写ベルトに付着している付着物を除去するベルトクリーナと、
前記感光体、前記転写ベルトおよび前記回収部材を制御して、各前記回収部材から前記感光体を経由して前記転写ベルトに付着物を転移させるクリーニング処理を実行するクリーニング処理実行部と、
各前記感光体における現像剤の使用量を演算する使用量演算部と、
前記使用量演算手段によって演算される各前記感光体における現像剤の使用量のうちの最大値に基づいて、前記クリーニング処理が実行される時間を決定するクリーニング時間決定部とを含む、画像形成装置。
【請求項9】
前記クリーニング処理実行部は、ジョブ指令に応答して開始される現像剤像の形成のための一連の動作を1ジョブとして、1ジョブが完結した後、前記クリーニング処理を実行する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記使用量演算部は、各領域における現像剤の使用量を1ジョブ内で累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記使用量演算部によって演算される各前記感光体における現像剤の使用量の累積値の最大値が所定値を超えたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記クリーニング処理実行部は、所定枚数のシートへの現像剤像の形成の実行ごとに、前記クリーニング処理を実行する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記使用量演算部は、前記所定枚数のシートへの現像剤像の形成が実行されている間、各前記感光体における現像剤の使用量を累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記使用量演算部によって演算される各前記感光体における現像剤の使用量の累積値の最大値が所定値を超えたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記複数の感光体、前記転写ベルト、前記回収部材および前記ベルトクリーナを収容し、内外を連通する開口が形成された本体ケーシングと、
前記開口を開閉するカバーとを備え、
前記クリーニング処理実行部は、前記カバーが開かれた後に閉じられたことに応答して、前記クリーニング処理を実行する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記使用量演算部は、最後に前記カバーが閉じられてから前記カバーが開かれるまで、各前記感光体における現像剤の使用量を累積して加算し、
前記クリーニング処理実行部は、前記カバーが開かれたときに、前記使用量演算部によって演算される各前記感光体における現像剤の使用量の累積値が所定値以下である場合、前記カバーが閉じられた後の前記クリーニング処理の実行をキャンセルする、請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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