説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置にロール紙を装着したときにロール紙の先端を任意の長さ分切断できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ロール状に巻かれた連続紙に印刷を行う画像形成装置において、装填された連続紙のロール部から引き出された連続紙を給送する給送手段と、前記給送手段によって給送された連続紙を切断する切断手段と、前記給送手段と前記切断手段を作動するように操作する操作手段と、を有し、前記操作手段は、連続紙に最初に印刷が行われる前に、任意の搬送量の連続紙の搬送を行ってから切断するように前記給送手段と前記切断手段を操作可能であることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特にロール紙への印刷を行なう画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙への印刷を行なう画像形成装置では、画像形成装置のロール紙装着部にロール紙を装着すると、ロール紙の先端を画像形成装置の搬送路を印刷開始位置まで搬送させる給紙動作を行なう。その後、接続されているホストパソコンなどの外部機器から入力した印刷ジョブを印刷する。
【0003】
このような画像形成装置では、印刷に使用するロール紙の先端部分が露出した状態で保管されることが多く、汚れている場合がある。また、オペレータがロール紙を装着するときに、ロール紙の先端部分に手などが触れて傷や指紋がついて汚れる場合がある。汚れた用紙に印刷を行なうと、印刷品質が低下してしまう問題がある。印刷ジョブを入力する前に、ロール紙が汚れていない位置まで搬送することにより、汚れていない部分から印刷を開始することは可能である。しかし、ロール紙の給紙動作を行なう前に印刷ジョブを入力した場合は、給紙動作が完了するとすぐに印刷を開始してしまうため、汚れている部分に印刷してしまうことになる。
【0004】
そのため、画像形成装置にロール紙を装着したときに、ロール紙の先端部分をカットするようにしたものが知られている(特許文献1参照。)。ロール紙の先端部分をカットすることにより、ロール紙の先端部分が汚れていてもその上に印刷を行なうことはなくなり、カットされた後の汚れていない部分から印刷をすることができ、印刷品質の低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−180055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置では以下の課題がある。ロール紙を装着したときに、ロール紙の先端が汚れているかどうかにかかわらず、常にロール紙の先端を所定の長さ分カットしてしまう。そのため、ロール紙が汚れていないときなど、オペレータの意図に反して用紙をムダに消費してしまう場合がある。
【0007】
本発明は、以上のような局面に鑑みてなされたもので、ロール紙の先端を印刷に使用するか否か、また印刷に使用しない場合はその長さをオペレータの判断により選択できるようにする。その結果、ロール紙の先端の状態に応じて最適なロール紙の取り扱いができるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のような課題を解決するための本発明の画像形成装置は、ロール状に巻かれた連続紙に印刷を行う画像形成装置において、装填された連続紙のロール部から引き出された連続紙を給送する給送手段と、前記給送手段によって給送された連続紙を切断する切断手段と、前記給送手段と前記切断手段を作動するように操作する操作手段と、を有し、前記操作手段は、連続紙に最初に印刷が行われる前に、任意の搬送量の連続紙の搬送を行ってから切断するように前記給送手段と前記切断手段を操作可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置にロール紙を装着したときにロール紙の先端を任意の長さ分切断でき、ロール紙の無駄な消費を減らし、印刷物の品質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の構成の概要を示す図。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置の構成の概要を示す図。
【図4】第1の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態の表示パネルの操作画面を示す図。
【図6】第2の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態の表示パネルの操作画面を示す図。
【図8】第3の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図9】第2、第3の実施形態の表示パネルの設定画面を示す図。
【図10】第2の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図11】ロール紙5の給紙処理の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の実施形態の画像形成装置を示す図である。同図において、1は画像形成装置であり、外部から入力した情報や、あらかじめ内部に保持している情報を元に印刷用紙に印刷を行なう。2はホストコンピュータ(以下ホストと表記)、3はネットワークハブである。複数のホスト2がネットワークハブ3及びネットワークケーブル4を介して画像形成装置1と接続され、画像形成装置1に印刷データや画像形成装置1を制御するための情報(以下印刷ジョブと表記)を転送する。5は連続する記録媒体(連続紙)がロール状に巻き取られたロール紙である。ロール紙は回転可能に支持する支持手段にセットされた状態で装填されている。6はメインカバーで、ロール紙を給紙するときや、後述する印字ヘッドやカッターユニットを交換するときに開ける。同図では閉まっている状態を示している。7はリリースレバーで、後述するローラをプラテンに押し付けてロール紙5を固定したり、プラテンから離してロール紙5を挿入可能とするためのレバーである。同図では閉じた状態を示している。8は操作キーで、画像形成装置1の動作に関するさまざまな設定を行なったり、画像形成装置1を単独で使用する場合に操作を行なうための部材である。9は表示パネルで、画像形成装置1の状態表示や、操作手段である操作キー8を用いて画像形成装置1の動作設定を行なう場合の設定内容の表示などを行なう。印刷する用紙の種類や印刷画質なども操作キー8及び表示パネル9で設定することができる。53はインクタンクカバーで、開けることにより後述するインクタンクの装着や交換を行なう。
【0012】
図1(b)は、画像形成装置1のメインカバー6を開けた状態及びリリースレバー7を解除した状態を示している。メインカバー6の内部にはキャリッジ10及びそれと一体となった切断手段であるかったーユニット11があり、左右方向に駆動して印刷及び用紙のカットを行なう。12はプラテンであり、プラテン12上を用紙が前後方向に搬送される。
【0013】
図2は、画像形成装置1の構成の概要を示した図である。同図において、画像形成装置1はコントローラ部13とエンジン部14から構成される。コントローラ部13はホスト2から印刷ジョブを入力し、印刷ジョブの解析などの処理を行なって、エンジン部14で印刷可能な形式の印刷データを生成する。また、操作キー8の入力を受け付け、画像形成装置1の動作環境の設定などを行なうとともに、表示パネル9に画像形成装置1の状態表示や使用者に対して操作キー8による操作を促すための表示などを行なう。また、ホスト2から入力した印刷データから作成したサムネイルも、表示パネル9に表示する。サムネイルは、ホスト2に転送して表示することもできる。エンジン部14は、用紙の給紙を行ない、コントローラ部13で生成された印刷データを印刷して排紙する。エンジン部14で用紙詰まりや用紙切れなどの異常が発生した場合はコントローラ部13に通知され、コントローラ部13は表示パネル9に異常が発生したことを表示したり、ホスト2への通知処理などを行なう。
【0014】
次に、コントローラ部13の内部構成について説明する。17はコントローラマイコン、18はシステムメモリ、19はインターフェース回路(以下I/F回路と表記)、20は受信バッファ、21は画像処理回路、22はコントローラメモリである。
【0015】
次に、図2のブロック図における動作について説明する。外部から入力された印刷ジョブの解析、画像処理、ビットマップへの変換処理などの全ての制御はコントローラマイコン17が司る。印刷データの流れは次のようになる。ホスト2から入力した印刷ジョブはI/F回路19を介して受信バッファ20に格納され、印刷ジョブを受信したことがI/F回路19からコントローラマイコン17に通知される。印刷ジョブには、画像データや、用紙のサイズや種類などのさまざまな設定情報が含まれる。コントローラマイコン17は受信した印刷ジョブを解析し、画像処理回路21やエンジン部14に指示する。受信バッファ20に格納された画像データは画像処理回路21により画像処理されてビットマップ形式となり、コントローラメモリ22に格納された後、エンジン部14へ送出される。
【0016】
印刷データに対応するサムネイルは、コントローラメモリ22に格納されたビットマップを縮小処理して、システムメモリ18に格納される。
【0017】
コントローラマイコン17には操作キー8の操作内容が入力され、入力された内容に応じて適切な処理を行なう。また、エンジン部14からは印刷の状況やエラーが発生した場合にはその内容がコントローラマイコン17に通知され、表示パネル9に表示したり、ホスト2に通知される。
【0018】
図3(a)はエンジン部14の内部構成を示す図であり、画像形成装置1を横から見た場合のイメージを示している。また、ロール紙5は給紙されていない状態、メインカバー6は開いた状態、リリースレバー7は解除された状態を示している。同図において、41はエンジンマイコン、42はエンジンメモリ、43はキャリッジモータ、44は画像形成部において連続紙に画像を印刷する記録ヘッド、45はヘッドドライバである。46は給送手段または給紙手段であるローラである。47はローラ46を駆動するLFモータである。48は搬送路の画像形成部の上流側において連続紙の有無を検知する給紙センサ、49は搬送路の画像形成部の下流側において連続紙の有無を検知する排紙センサである。50は切断手段であるカッターユニット11を駆動するカッターモータ、51はソレノイド、52はプログラムメモリ、53はインクタンクカバー、54はインクタンク、55はインクチューブである。本実施形態では、インクタンク54及びインクチューブ55は6色分あるものとする。56は用紙センサ、57は信号処理回路である。59はロール紙が装填されたことを検知する装填センサである。
【0019】
同図のようにメインカバー6が開いていてリリースレバー7が解除されている状態では、ローラ46やキャリッジ10の駆動は行なわれない。また、リリースレバー7の解除によりローラ46がプラテン12から離れた状態になっているため、ロール紙5から引き出された連続紙をプラテン12上に挿入することができ、その後メインカバー6及びリリースレバー7を閉じると給紙及び印刷動作を開始する。ロール紙5の給紙は、メインカバー6及びリリースレバー7を開閉せずに給紙することもできる。その場合は、ロール紙5の先端を装填センサ59で検知することにより、給紙制御を開始する。給紙制御については後述する。
【0020】
図3(b)は、ロール紙5の装填後にローラ46によって引き出された連続紙5a(以降はロール紙5のロールから引き出された部分を連続紙5a、支持手段によって支持されたロール状の部分をロール部5bと表現する場合もある)が給紙され、メインカバー6及びリリースレバー7を閉じた状態を示す図である。図3(b)のブロック図における動作について説明する。連続紙5aの給紙と排紙、印字ヘッド44の制御などの全ての制御は制御手段であるエンジンマイコン41が司る。コントローラ部13から送出されたビットマップはエンジンメモリ42に格納される。連続紙5aの給紙と排紙は、ユーザがロール部5bから引き出された連続紙の先端を給紙部に挿入後、LFモータ47を駆動してローラ46を回転させることにより行なう。給紙と排紙が正常に動作しているかどうかは、給紙センサ48と排紙センサ49により連続紙5aの有無を検知することにより判別する。用紙センサ56はキャリッジ10上に設けられており、用紙の有無や濃度、斜行を検知する。キャリッジ10を紙面及び印刷用紙の搬送方向に垂直な方向に往復運動を行ないながら用紙の有無を連続的に検知することにより、用紙の幅を検出する。また、用紙の濃度を連続的に検知することにより、用紙に印刷されているパターンを検出する。用紙センサ56で検出した信号は、信号処理回路57により増幅されてエンジンマイコン41に取り込まれる。連続紙5aの有無を検知する場合と濃度を検知する場合で増幅度を変化させることにより、精度よく信号を検出する。斜行の検知は、連続紙5aの引き出し量が異なる2点間における連続紙5aの左端位置のずれ量が所定範囲内かどうかを判定することにより行なう。
【0021】
記録ヘッド44はキャリッジ10と一体になっており、ヘッドドライバ45によりドライブされる。印字ヘッド44へは6色のインクがインクタンク54からインクチューブ55内を通って供給される。キャリッジ10はキャリッジモータ43により紙面及び印刷用紙の搬送方向に垂直な方向に往復運動を行なって、印字ヘッド44により連続紙5a上に画像の記録を行なう。画像形成が終了すると、キャリッジ10と一体となったカッターユニット11がカッターモータ50により降下し、紙面及び印刷用紙の搬送方向に垂直な方向にキャリッジ10を駆動することにより連続紙5aを切断する。連続紙5aの給紙及び印刷中はソレノイド51によりメインカバー6及びリリースレバー7が閉じた状態にロックされ、メインカバー6を開けたりリリースレバー7を解除することはできない。給紙センサ48と排紙センサ49により連続紙5aが詰まったことを検知した場合は印字を中止し、コントローラ部13に通知する。
【0022】
図4は本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2のシステムメモリ18及び図3(a)または(b)のプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41で処理されるプログラムフローを示すプログラム図である。コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41は協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0023】
図4のフローでは、ロール紙5の画像形成装置1への装填後の処理を示している。以下に、フローの各ステップに沿って説明する。
【0024】
S101でオペレータがロール紙5を装填すると、S102でロール紙5の給紙を行なう。ロール紙5の給紙処理の詳細を、図11のフローを用いて説明する。S501でロール紙5の装填を装填センサ59で検知すると、S502でロール部5bから引き出された連続紙5aを前方に送る。これは、LFモータ47を駆動してローラ46を回転させ、連続紙5aを繰り出す方向に搬送することにより行なう。S503で連続紙5aの先端を用紙センサ56で検知するまで送り、先端を検知したらS504でさらに連続紙5aを所定長さ送って停止する。S505で、用紙センサ56を用いて連続紙5aの繰り出し方向に向かって左端の位置を検知する。S506で連続紙5aを所定長さ戻して停止し、S507でS505と同じく連続紙5aの左端位置を検知する。S508で斜行検知をする。これは、S505で検知した連続紙5aの左端位置と、S507で検知した連続紙5aの左端位置のずれ量に基づいて行ない、ずれ量が所定範囲外であれば斜行したものと見なして、S509で連続紙5aを巻き戻す。そしてS510で斜行エラーを表示パネル9に表示し、連続紙5aの給紙処理を終了する。斜行していない場合は、S511で連続紙5aの先端を画像形成部のキャリッジ10の下方の所定位置まで搬送して停止し、連続紙5aの給紙処理を終了する。
【0025】
図4のフローに戻り、連続紙5aの給紙が完了したら、S103で図5に示す操作画面を表示する。この操作画面は表示パネル9に表示され、給紙処理後に最初に印刷が行われる前にオペレータの操作キー8の操作によりローラ46およびカッタユニット11を作動させることができる。ローラ46およびカッタユニット11によって連続紙5aを後方に戻すか、連続紙5aを前方に送るか、連続紙5aをカットするかのいずれかの作動を実行するように操作キー8を用いて操作可能である。S104で下キーが押されたと判断した場合は、S105で下キーが押されている間、給紙処理が終了して所定の位置に停止している連続紙5aを停止位置からロール部5bから繰り出す方向(排出方向)に搬送する。すなわち下キーが押し続けられた時間(操作量)に応じた搬送量の搬送がなされる。下キーを押し続ける時間はオペレータの任意であり、押し続ける時間によって任意の搬送量の搬送を行うことができる。S106で上キーが押されたと判断した場合は、S107で上キーが押されている間ロール部5bに巻き戻す方向(逆方向)に搬送する。ただし連続紙5aの先端が給紙処理終了時の所定位置まで搬送された場合はそこで停止する。S108で用紙カットキーが押されたと判断した場合は、S109で連続紙5aをカッターユニット11でカットして本フローチャートの処理を終了する。ただし連続紙5aが全く繰り出されていない場合はカットしない。S110で、図5の操作画面を表示中にホスト2から印刷ジョブを受信した場合はS111に進み、そうでない場合はS103に戻る。S111で、ロール紙9が繰り出されたがカットされていないと判断した場合はS112でロール紙9をカッターユニット11でカットし、S113で印刷ジョブを印刷し、完了したら本フローの処理を終了する。
【0026】
本フローでは、オペレータが画像形成装置1にロール紙5を装着すると、ロール紙5を給紙して、給紙完了後に連続紙5aを自由な位置まで送ったりカットすることができるようにしている。そのため、オペレータは連続紙5aの先端の汚れ具合を見て、印刷に使用したくない長さ分だけ送ってカットすることができ、カット後のきれいな連続紙5aを印刷に使用することができる。S103で表示する操作画面を表示中にホスト2から印刷ジョブを受信した場合は、操作画面表示を抜けて、印刷ジョブの印刷を行なうようにしている。そのため、操作画面が表示された状態で操作キー8の操作がされないまま放置されて印刷が行なえなくなってしまうことを防止できる。
【0027】
上記のように実施形態1ではロール紙5が装填されたときの処理である。自動的にロール紙の先端がキャリッジの位置まで搬送されてから、印刷ジョブを受信するまでの間にロール紙を前進及び後退させる操作キーの操作により、ロール紙の所望位置まで搬送し、カットキーの操作で切断を行う。
【0028】
(実施形態2)
図6は、本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2のシステムメモリ18及び図3(a)または(b)のプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41で処理されるプログラムフローを示すプログラム図である。コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41は協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0029】
図6のフローでは、印刷ジョブを連続紙5aに印刷中にロール部5bがなくなり、新しいロール紙5に交換したときの処理を示している。以下に、フローの各ステップに沿って説明する。
【0030】
S201でホスト2から受信した印刷ジョブを連続紙5aに印刷を開始する。ここでは印刷を開始する前にロール紙5の装着と給紙は完了しているものとする。S202で印刷が完了した場合は本フローの処理を終了するが、印刷が完了する前にS203でロール紙5がなくなった場合は、S204で印刷を一時停止する。S216までの間は印刷を保留するとともに、新たな印刷ジョブを受信した場合は、その印刷も保留する。S205でオペレータが新しいロール紙5を画像形成装置1に装着すると、S206で連続紙5aの給紙を行なう。連続紙5aの給紙処理は、実施形態1における図11のフローと同様である。連続紙5aの給紙が完了したら、S207で図7に示す操作画面を表示する。この操作画面は表示パネル9に表示され、オペレータの操作キー8の操作により、実施形態1における図5の操作に加え、直ちに印刷を開始するかのいずれかの操作を実行することができる。また、図7の操作画面には印刷を開始するまでの時間も表示する。これについては後述する。S208で下キーが押されたと判断した場合は、S209で下キーが押されている間連続紙5aを繰り出す方向に搬送する。S210で上キーが押されたと判断した場合は、S211で上キーが押されている間連続紙5aを繰り込む方向に搬送する。ただし連続紙5aの先端が所定位置まで搬送された場合はそこで停止する。S212で用紙カットキーが押されたと判断した場合は、S213で連続紙5aをカッターユニット11でカットしてS216に進む。ただし連続紙5aが繰り出されていない場合はカットしない。S214でOKキーが押されたと判断した場合は、S216に進む。S215で所定時間操作キー8の操作がされなかった場合は、S216に進むが、そうでない場合は印刷を留保した状態でS207に戻る。印刷を留保した状態の時間を計測し、所定時間経過したとS216で判断したら、S216では印刷の留保を解除して印刷を再開し、S202に戻って印刷が完了すれば本フローの処理を終了する。
【0031】
本フローでは、連続紙5aに印刷中に用紙切れになると、印刷を一時停止して新しいロール紙5に交換して給紙するが、給紙完了後はすぐに印刷を再開するのではなく、印刷を留保して連続紙5aを自由な位置まで送ったりカットすることができるようにしている。そのため、連続紙5aの先端が汚れているのに印刷してしまうことを防止できる。オペレータは連続紙5aの先端の汚れ具合を見て、印刷に使用したくない長さ分だけ送ってカットすることができ、カット後のきれいな連続紙5aに印刷を再開することができる。連続紙5aが汚れていない場合は、OKキーを押せば直ちに印刷を再開することができる。S207で表示する操作画面を表示したまま操作キー8の操作がされない状態が所定時間続いた場合、留保解除手段によって印刷の留保解除を行って印刷を再開するようにしている。そのため、操作画面が表示された状態で操作キー8の操作がされないまま放置されて印刷が行なえなくなってしまうことを防止できる。操作画面に印刷開始までの時間を表示するので、どのくらいの時間以内に操作キー8を操作しないと印刷を再開するかがオペレータにわかるようになっている。
【0032】
実施形態2は印刷中にロール紙5がなくなり、新しいロール紙5に交換したときの処理である。新たに装填されたロール紙5が給紙されてから所定時間が経過するまでの間に、ロール紙を前進及び後退させる操作キーの操作によりロール紙を所望の位置まで搬送し、カットキーの操作によってとカットを行うことができる。
【0033】
(実施形態3)
図8は、本発明の第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2のシステムメモリ18及び図3(a)または(b)のプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41で処理されるプログラムフローを示すプログラム図である。コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41は協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0034】
図8のフローでは、ロール紙5を画像形成装置1に装着したときの処理を示しており、給紙完了後に連続紙5aを送ってカットする長さを連続紙5aの給紙処理中に設定する例を示している。以下に、フローの各ステップに沿って説明する。
【0035】
S301でオペレータがロール紙5を装着すると、S302で連続紙5aの給紙を行なう。連続紙5aの給紙処理は、実施形態1における図11のフローと同様で、連続紙5aの先端が画像形成部のキャリッジの下方の所定の位置に到達するまで連続紙を搬送する。連続紙5aの給紙処理中に、S303で表示パネル9に搬送量の入力を促す表示を行う。オペレータは入力手段である操作キー8の操作により、給紙完了後に自動で連続紙5aを繰り出し方向に搬送する長さを入力する。この入力によって設定された内容は表示パネル9に表示され、図9の例では、給紙完了後に420mm繰り出し方向に搬送する設定となる。数字は左キーと右キーで桁を移動し、上キーとしたキーで数字を変更する。OKきーを押して設定が完了して給紙も完了すると、S304で、図9の設定画面で設定した長さ分、連続紙5aを繰り出し方向に搬送する。その後S305で連続紙5aをカットし、本フローの処理を終了する。
【0036】
本フローでは、連続紙5aの給紙時に、給紙完了後に送ってカットする長さを設定するようにしている。印刷に使用したくない連続紙5aの長さがわかっている場合は、その長さを設定することにより、実施形態1及び実施形態2の上キー、下キー、用紙カットキーを押して操作するよりも簡単な操作で連続紙5aを送ってカットすることができる。
【0037】
(実施形態4)
図10は、本発明の第4の実施形態の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2のシステムメモリ18及び図3(a)または(b)のプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41で処理されるプログラムフローを示すプログラム図である。コントローラマイコン17及びエンジンマイコン41は協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0038】
図10のフローでは、ロール紙5を画像形成装置1に装着する前に、あらかじめ給紙完了後に連続紙5aを送ってカットする長さを設定する例を示している。以下に、フローの各ステップに沿って説明する。
【0039】
S401では、オペレータがロール紙5を装着する前に、あらかじめ図9の設定画面で、給紙完了後に自動で連続紙5aを繰り出し方向に搬送する長さを設定しておく。この設定画面は、メニューキーを押して表示されるメニューから選択することにより表示される。S402でオペレータがロール紙5を装着すると、S403で連続紙5aの給紙を行なう。連続紙5aの給紙処理は、実施形態1における図11のフローと同様である。給紙完了後、S404で、図9の設定画面で設定した長さ分、連続紙5aを繰り出し方向に搬送する。その後S405で連続紙5aをカットし、本フローの処理を終了する。
【0040】
本フローでは、連続紙5aを装着する前に、あらかじめ給紙完了後に送ってカットする長さを設定するようにしている。S403の給紙動作はある程度時間がかかるが、オペレータはロール紙5を装着した時点で画像形成装置1から離れることができるため、別の作業をすることが可能となり、より使い勝手の良い画像形成装置を提供することが可能となる。
【0041】
上記各実施形態によれば、画像形成装置のロール紙を装着するときに、オペレータの判断によりロール紙の先端をカットするか否かを選択することができるようにした。また、カットする場合はカットするロール紙の長さをオペレータの操作により自由に指定することができるようにした。その結果、ロール紙の先端の汚れ具合に応じて最適なロール紙の取り扱いができるとともに、印刷品質の低下を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
5 ロール紙
8 操作キー
9 表示パネル
10 キャリッジ
11 カッターユニット
12 プラテン
13 コントローラ部
17 コントローラマイコン
43 キャリッジモータ
44 印字ヘッド
46 ローラ
47 LFモータ
48 給紙センサ
49 排紙センサ
50 カッターモータ
56 用紙センサ
59 装填センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙に印刷を行なう画像形成装置において、前記ロール紙を装填後に給紙する給紙手段と、オペレータが画像形成装置に対して操作を指示する操作手段と、前記操作手段の操作によりロール紙を操作量に応じて前方または後方に送る搬送手段と、前記操作手段の操作によりロール紙を切断する切断手段とを備え、ロール紙の装填後の給紙時に前記操作手段における操作を受け付け可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
印刷ジョブを受信する受信手段と、受信した印刷ジョブを印刷する印刷手段を備え、前記操作手段における操作を受け付け可能としている間に印刷ジョブを受信した場合は、印刷を開始するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
印刷ジョブを受信する受信手段と、受信した印刷ジョブを印刷する印刷手段を備え、前記受信手段により印刷ジョブを受信している状態でロール紙を装填して給紙し、前記操作手段における操作を受け付け可能としている間は、印刷を保留するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷を留保している時間を計測し、所定時間経過したら留保を解除して印刷を開始する留保解除手段と、留保を解除するまでの時間を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ロール紙に印刷を行なう画像形成装置において、前記ロール紙を装填後に給紙する給紙手段と、前記給紙手段によるロール紙の給紙時に給紙完了後に送る量を設定する設定手段と、給紙されたロール紙を切断する切断手段とを備え、ロール紙の給紙完了後、設定された長さを搬送してから切断するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
ロール紙に印刷を行なう画像形成装置において、前記ロール紙を装填後に給紙する給紙手段と、給紙されたロール紙を切断する切断手段と、前記給紙手段によるロール紙を装填した後の給紙完了後に送る量をあらかじめ設定する設定手段を備え、ロール紙の給紙完了後、前記設定手段によりあらかじめ設定された長さを搬送してから切断するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
ロール状に巻かれた連続紙に印刷を行う画像形成装置において、
装填された連続紙のロール部から引き出された連続紙を給送する給送手段と、
前記給送手段によって給送された連続紙を切断する切断手段と、
前記給送手段と前記切断手段を作動するように操作する操作手段と、を有し、
前記操作手段は、連続紙に最初に印刷が行われる前に、任意の搬送量の連続紙の搬送を行ってから切断するように前記給送手段と前記切断手段を操作可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記操作手段は前記連続紙を、ロール部から引き出す方向または逆方向に、任意の時間だけ搬送するように前記給送手段を操作することが可能である請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ロール部を支持する支持手段を有し、前記給送手段は前記支持手段に支持されたロール部から引き出された連続紙の先端を所定位置まで搬送し、前記操作手段は前記連続紙を前記所定位置から任意の搬送量の搬送を行うように前記給送手段を操作する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記操作手段は搬送量を入力する入力手段を有し、前記給送手段は前記所定位置から入力された搬送量の搬送を行う請求項9に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−22864(P2013−22864A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160911(P2011−160911)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】