画像形成装置
【課題】収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後に、この収容部に収容されるトナーの量を減らす。
【解決手段】画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kは、画像形成装置の調整に用いられる調整用の画像を感光体ドラム又は中間転写ベルト17にトナーを用いて形成する。回収容器37は、感光体ドラム又は中間転写ベルト17から除去されたトナーを収容する。制御部は、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値に到達する前よりも感光体ドラム又は中間転写ベルト17から除去され回収容器37に回収されるトナーの量が減少するように、調整用の画像の形成を制御する。
【解決手段】画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kは、画像形成装置の調整に用いられる調整用の画像を感光体ドラム又は中間転写ベルト17にトナーを用いて形成する。回収容器37は、感光体ドラム又は中間転写ベルト17から除去されたトナーを収容する。制御部は、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値に到達する前よりも感光体ドラム又は中間転写ベルト17から除去され回収容器37に回収されるトナーの量が減少するように、調整用の画像の形成を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像が用紙に転写された後、感光体ドラムの表面にトナーが残留することがある。この残留したトナーを感光体ドラムの表面から除去して、回収する技術が知られている。特許文献1には、廃トナー容器がフルになったことを検出した後、さらに印刷許容枚数に応じた画像の形成を許可する技術が記載されている。特許文献2には、センサにより廃トナー容器が満杯に近づいたことが検出されると、書き込み画素数の積算を開始し、この画素数の積算値により廃トナー容器が満杯になったか否かを判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−19915号公報
【特許文献2】特開2003−271023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後に、この収容部に収容されるトナーの量を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、自装置の調整に用いられる調整用の画像を像保持体にトナーを用いて形成する形成部と、前記像保持体から除去されたトナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、当該収容部に収容されたトナーの量が当該閾値に到達する前よりも前記像保持体から除去され前記収容部に収容されるトナーの量が減少するように、前記調整用の画像の形成を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、前記制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後に、前記画像の形成の制御を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像を形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記調整用の画像は、画像の位置ずれの補正に用いられる位置補正用の画像を含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記位置補正用の画像を形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項3又は4に記載の構成において、前記調整用の画像は、トナーバンドを含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記トナーバンドを形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1から5のいずれかに記載の構成において、前記調整用の画像は、複数の部分画像を含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記部分画像の数を減らすことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1から6のいずれかに記載の構成において、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像の面積を減少させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、調整用の画像の形成を制御しない場合に比べて、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後に、この収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
請求項2に係る発明によれば、検知部を用いない場合に比べて、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達したことを精度よく検知することができる。
請求項3に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさない場合に比べて、収容部に収容されるトナーの量を容易に減らすことができる。
請求項4に係る発明によれば、調整用の画像に含まれる位置補正用の画像以外の画像を形成する頻度を減らす必要がない。
請求項5に係る発明によれば、調整用の画像に含まれるトナーバンド以外の画像を形成する頻度を減らす必要がない。
請求項6に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
請求項7に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図
【図2】画像形成部の構成を示す模式図
【図3】画像形成エンジンの構成を示す図
【図4】濃度調整用のパターンの一例を示す図
【図5】位置補正用のパターンの一例を示す図
【図6】トナーバンドの一例を示す図
【図7】回収容器が満杯になったことを検知する処理を示すフローチャート
【図8】回収容器の容量を示す図
【図9】カラーレジコントロール用の制御テーブルの一例を示す図
【図10】保護用のトナーバンド用の制御テーブルの一例を示す図
【図11】必要容量及びマージン容量を説明する図
【図12】変形例に係る濃度調整用のパターンの一例を示す図
【図13】変形例に係るトナーバンドの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、電子写真方式のカラープリンタである。画像形成装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、UI(User Interface)部14と、画像形成部15とを備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備えている。CPUは、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する。通信部12は、通信回線に接続される通信インターフェースである。例えば、コンピュータ装置から画像データが送信されてくると、画像形成装置1は、通信部12によりこの画像データを受信する。記憶部13は、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶部13には、各種のデータが記憶される。UI部14は、例えばタッチスクリーンとキーとを備えている。UI部14は、画像形成装置1を操作するのに用いられる。画像形成部15は、画像データに応じた画像を用紙に形成する。
【0015】
図2は、画像形成部15の構成を示す模式図である。画像形成部15は、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16K(形成部の一例)と、中間転写ベルト17と、二次転写ローラ18と、定着器19と、クリーニング装置20とを備えている。画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナーを用いて画像を形成し、形成した画像を中間転写ベルト17に転写する。なお、以下の説明では、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kを区別する必要がない場合には、符号の末尾に付された「Y」、「M」、「C」、「K」という文字を省略して、「画像形成エンジン16」という。中間転写ベルト17は、図中の矢印A方向に回転し、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kによって転写された画像を二次転写ローラ18へと搬送する。つまり、中間転写ベルト17は、画像形成エンジン16によって形成された画像を保持する像保持体の一例である。二次転写ローラ18は、中間転写ベルト17によって搬送された画像を用紙に転写する。定着器19は、熱と圧力とを加えることにより、画像を用紙に定着させる。定着器19を通過した用紙は、画像形成装置1から排出される。
【0016】
クリーニング装置20は、二次転写ローラ18の下流側において、中間転写ベルト17の表面に残留したトナーを除去する。クリーニング装置20は、クリーニング部材31と、搬送部材32とを備えている。クリーニング部材31は、ブレード状の部材である。クリーニング装置20は、クリーニング部材31を中間転写ベルト17の表面に押し当てることにより、中間転写ベルト17の表面からトナーを除去する。クリーニング部材31によって除去されたトナーは、クリーニング装置20の筐体内に落下する。搬送部材32は、筐体内に設けられており、図示せぬ搬送モータによって回転させられる。搬送部材32が回転すると、筐体内のトナーは、搬送路36へと搬送される。そして、このトナーは、搬送路36を通じて回収容器37(収容部の一例)へと搬送され、回収容器37内に収容される。
【0017】
図3は、画像形成エンジン16の構成を示す図である。画像形成エンジン16は、感光体ドラム21を備えている。感光体ドラム21は、表面に光導電膜が形成された円筒状の部材である。感光体ドラム21の表面には、画像が形成される。つまり、感光体ドラム21は、形成された画像を保持する像保持体の一例である。感光体ドラム21は、ドラムモータ(図示せず)により軸を中心に回転させられる。感光体ドラム21の周りには、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、一次転写ローラ25と、クリーニング装置26とが設けられている。帯電器22は、感光体ドラム21の表面を均一に帯電させる。露光装置23は、帯電した感光体ドラム21に対し、画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成する。現像装置24は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーで現像する。一次転写ローラ25は、感光体ドラム21上に形成された画像を中間転写ベルト17に転写する。
【0018】
クリーニング装置26は、一次転写ローラ25の下流側において、感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去する。クリーニング装置26は、クリーニング部材33と、搬送部材34とを備えている。クリーニング部材33は、ブレード状の部材である。クリーニング装置26は、クリーニング部材33を感光体ドラム21の表面に押し当てることにより、感光体ドラム21の表面からトナーを除去する。クリーニング部材33によって除去されたトナーは、クリーニング装置26の筐体内に落下する。搬送部材34は、筐体内に設けられており、図示せぬ搬送モータによって回転させられる。搬送部材34が回転すると、筐体内のトナーは、搬送路36へと搬送される。そして、このトナーは、搬送路36を通じて回収容器37へと搬送され、回収容器37内に収容される。
【0019】
図2に示すように、回収容器37には検知部38が設けられている。検知部38は、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知し、検知信号を出力する。検知部38は、例えば光センサを用いてこの検知を行う。この光センサは、光を出す発光部と、光を受ける受光部(図示せず)とを備えている。この発光部と受光部とは、回収容器37を介して対向するように配置される。回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達するまでの間、発光部から出た光は、回収容器37の内部を通って受光部に照射されるようになっている。一方、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達すると、回収容器37内のトナーが発光部と受光部との間に入る。この場合、発光部から出た光がこのトナーによって遮られ、受光部の受光量が変化する。これにより、回収容器37内のトナー量が閾値K1に達したことが検知される。このように、本実施形態では、検知部38を用いて回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことを検知しているため、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことが精度よく検知される。
【0020】
画像形成装置1は、利用者の要求に応じて画像を形成する他に、良好な画像形成を行い、又は画像形成装置1を良好な状態に維持するために、プロセスコントロール、カラーレジストレーションコントロール(以下、「カラーレジコントロール」という)、及びトナーバンド45の形成を行う。プロセスコントロールでは、画像の濃度を調整するために、濃度調整用のパターン41が形成される。カラーレジコントロールでは、画像の位置ずれを補正するために、位置補正用のパターン43(位置補正用の画像の一例)が形成される。この濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45は、利用者の要求に応じて形成される画像(以下、「利用者の画像」という)ではなく、画像形成装置1の調整に用いられる画像である。したがって、以下の説明では、濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45を「調整用の画像」という。この調整用の画像は、用紙には転写されない。つまり、画像形成装置1の調整に用いられる画像とは、利用者の画像以外の画像をいい、具体的には、濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45のことである。
【0021】
図4は、濃度調整用のパターン41の一例を示す図である。この濃度調整用のパターン41には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色について、0%から100%までの10%間隔の濃度を有する10個のパッチ42が含まれている。この濃度調整用のパターン41は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写される。中間転写ベルト17の上には、濃度調整用のパターン41の濃度を測定するセンサ(図示せず)が設けられている。制御部11は、このセンサによって測定された濃度調整用のパターン41の濃度に応じて、画像の濃度を調整する処理を行う。センサによって濃度が測定された後、この濃度調整用のパターン41は、クリーニング装置20によって中間転写ベルト17の表面から除去される。
【0022】
図5は、位置補正用のパターン43の一例を示す図である。この位置補正用のパターン43には、複数のシェブロンパッチ44が含まれている。このシェブロンパッチ44は、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックのトナーを用いて形成される。この位置補正用のパターン43は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写される。中間転写ベルト17の上には、位置補正用のパターン43の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられている。制御部11は、このセンサによって検出された位置補正用のパターン43の位置に応じて、画像の位置ずれを補正する処理を行う。センサによって位置が検出された後、この位置補正用パターン43は、クリーニング装置20によって中間転写ベルト17の表面から除去される。
【0023】
トナーバンド45とは、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックのトナーを用いて感光体ドラム21上に形成される帯状の画像をいう。トナーバンド45は、現像装置24内のトナーを強制的に吐き出すために形成されるものと、クリーニング部材31又は33を保護するために形成されるものとがある。まず、前者の目的で形成されるトナーバンド45について説明する。現像装置24には、トナーが収容されている。このトナーは、現像装置24において、攪拌部材によって攪拌されている。しかし、例えば低濃度の画像の形成が続いた場合には、現像装置24内で長期間に亘ってトナーが攪拌されることにより、トナー粒子の表面が削れて、トナーが劣化する。そこで、劣化したトナーを強制的に吐き出して、新たなトナーに入れ替えるために、トナーバンド45の形成を行う。図6は、トナーバンド45の一例を示す図である。このトナーバンド45は、幅W1を有し、感光体ドラム21の表面において感光体ドラム21の軸方向の長さに亘って形成されている。トナーを吐き出した後、現像装置24には、トナー供給部から新たなトナーが供給される。これにより、現像装置24内の劣化したトナーが新たなトナーに入れ替えられる。感光体ドラム21上に形成されたトナーバンド45は、中間転写ベルト17に転写されずに感光体ドラム21の表面に残留し、クリーニング装置26によって感光体ドラム21の表面から除去される。
【0024】
次に、後者の目的で形成されるトナーバンド45について説明する。上述したように、クリーニング部材31又は33は、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21の表面に押し当てられている。そのため、クリーニング部材31又は33に到達するトナーの量が少なくなると、クリーニング部材33と中間転写ベルト17又は感光体ドラム21との間の摩擦により、クリーニング部材31又は33が磨耗してしまう。そこで、クリーニング部材31又は33を保護するために、図6に示すようなトナーバンド45の形成を行う。例えば、クリーニング部材33を保護するためにトナーバンド45を形成する場合、トナーバンド45は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写されず、そのまま感光体ドラム21の表面に残留する。したがって、感光体ドラム21上にトナーバンド45が形成された場合、このトナーバンド45はそのままクリーニング部材33に到達する。クリーニング部材33に到達すると、トナーバンド45はクリーニング部材33の潤滑剤として作用する。これにより、クリーニング部材33と感光体ドラム21との間の摩擦が減り、クリーニング部材33が保護される。
【0025】
利用者の画像は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17を介して用紙に転写され、出力される。そのため、利用者の画像が形成された場合には、感光体ドラム21の表面には少量のトナーしか残らず、回収容器37に回収されるトナーの量も少ない。一方、調整用の画像は、用紙には転写されないため、調整用の画像が形成された場合、この調整用の画像を形成するトナーがそのまま感光体ドラム21又は中間転写ベルト17の表面に残り、回収容器37に回収されることになる。そのため、調整用の画像が形成された場合には、利用者の画像が形成された場合に比べて、1回の画像形成において回収されるトナーの量が多くなる。
【0026】
制御部11は、回収容器37が満杯になったことを検知する処理を行う。図7は、この処理を示すフローチャートである。制御部11は、まず回収容器37が満杯に近い状態になったか否かを判断する(ステップS11)。図8は、回収容器37の容量を示す図である。画像の形成が行われるにつれて、回収容器37の内部にはトナーが蓄積されていく。回収容器37内のトナー量が閾値K1よりも少ない場合には、検知部38から検知信号は出力されない。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になっていないと判断する(ステップS11:NO)。一方、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達すると、検知部38から検知信号が出力される。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったと判断する(ステップS11:YES)。
【0027】
回収容器37が満杯に近い状態になると、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったことを利用者に通知する(ステップS12)。例えば、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったことを通知するメッセージをUI部14に表示させる。利用者は、この通知により、回収容器37が満杯に近い状態になったことを認識する。そして、利用者は、回収容器37を交換するために新たな回収容器を準備する。図8に示すように、回収容器37には、回収容器37が満杯に近い状態になってからある程度の期間(例えば1週間)、画像形成装置1が使用できるように、予備容量R1が確保されている。この予備容量R1は、例えば利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間と、その期間のプリント枚数とに応じて予め決められている。例えば、利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間が1週間であり、利用者の1週間のプリント枚数が800枚であると想定した場合、この予備容量R1は、800枚の画像を形成したときに回収されるトナー量を収容できるような容量に決められる。
【0028】
また、回収容器37が満杯に近い状態になると、制御部11は、画像形成装置1の使用状況に関する情報に基づいて、回収容器37が満杯になったか否かを判断する(ステップS13)。この使用状況に関する情報とは、例えばプリント枚数と画素数である。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になると、プリント枚数の計数及び画素数の計数を開始する。具体的には、制御部11は、画像を形成した枚数を計数し、計数した枚数を第1のプリント枚数としてメモリに記憶させる。また、制御部11は、露光装置23に供給する画像データの書き込み画素数、すなわち、感光体ドラム21上に形成される画像のドット数を計数し、計数した画素数をメモリに記憶させる。メモリに記憶された第1のプリント枚数及び画素数がいずれも閾値に到達していない場合、制御部11は、回収容器37が満杯になっていないと判断する(ステップS13:NO)。一方、メモリに記憶された第1のプリント枚数又は画素数の少なくとも一方が閾値に到達した場合には(ステップS13:YES)、回収容器37内のトナー量が上限K2に達したと推定される。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯になったと判断する(ステップS13:YES)。
【0029】
回収容器37が満杯になった後さらに回収容器37にトナーが送られると、回収容器37からトナーが溢れ出してしまう。これを防ぐために、制御部11は、回収容器37が満杯になったと判断すると、利用者によって回収容器37が交換されるまで、画像形成部15の動作を停止させる(ステップS14)。つまり、制御部11は、回収容器37に収容されたトナーの量が上限K2に達したときに、画像形成部15の動作を停止させる。
【0030】
また、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去され回収容器37に収容されるトナーの量が減るように、カラーレジコントロールを実施する頻度又はトナーバンド45を形成する頻度を制御する。例えば、制御部11は、制御テーブル51を用いて、カラーレジコントロールを実施する頻度を制御する。この制御テーブル51は、予め記憶部13に記憶されている。図9は、制御テーブル51の一例を示す図である。この制御テーブル51には、検知信号が出力される前と後における、カラーレジコントロールを実施するタイミングに関する情報が記述されている。このカラーレジコントロールを実施するタイミングとしては、画像形成装置1の電源がオンになったときと、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときとがある。この画像形成装置1内の温度及び湿度は、画像形成部15に設けられた温度センサ及び湿度センサ(図示せず)によって測定される。
【0031】
図9に示す制御テーブル51では、「検知信号出力前」の「電源オン」というタイミングに対して、「毎回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、画像形成装置1の電源がオンになると、カラーレジコントロールを毎回実施する。また、この制御テーブル51では、「検知信号出力前」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T1」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H1」が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T1を越えたとき、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H1を超えたときに、カラーレジコントロールを実施する。
【0032】
また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「電源オン」というタイミングに対して、「2回に1回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になり、検知部38により検知信号が出力された後は、画像形成装置1の電源がオンになったときに、カラーレジコントロールを2回に1回しか実施しない。また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T2」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H2」が記述されている。この閾値T2は上述した閾値T1よりも大きく、閾値H2は上述した閾値H1よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T2を超えるまで、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H2を超えるまでは、カラーレジコントロールを実施しない。これにより、検知部38により検知信号が出力された後は、カラーレジコントロールが実施される頻度、すなわち位置補正用のパターン43が形成される頻度が低くなる。
【0033】
また、制御部11は、制御テーブル52を用いて、クリーニング部材31の保護を目的とするトナーバンド45(以下、「保護用のトナーバンド45」という)を形成する頻度を制御する。この制御テーブル52は、予め記憶部13に記憶されている。図10は、制御テーブル52の一例を示す図である。この制御テーブル52には、検知信号が出力される前と後における、保護用のトナーバンド45を形成するタイミングに関する情報が記述されている。この保護用のトナーバンド45の形成を実施するタイミングとしては、画像形成装置1の電源がオンになったときと、前回トナーバンド45が形成されたときから計数されたプリント枚数が閾値を超えたときと、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときとがある。この場合、制御部11は、トナーバンド45が形成されると、画像を形成した枚数の計数を開始し、計数した枚数を第2のプリント枚数としてメモリに記憶させる。また、画像形成装置1内の温度及び湿度は、画像形成部15に設けられた温度センサ及び湿度センサ(図示せず)によって測定される。
【0034】
図10に示す制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「電源オン」というタイミングに対して、「毎回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、画像形成装置1の電源がオンになると、保護用のトナーバンド45の形成を毎回実施する。また、この制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「プリント枚数」の閾値として、「閾値N1」が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、メモリに記憶された第2のプリント枚数が閾値N1を越えたときに、保護用のトナーバンド45の形成を実施する。さらに、この制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T3」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H3」が記述されている。この場合、制御部11は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T3を越えたとき、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H3を超えたときに、保護用のトナーバンド45の形成を実施する。
【0035】
また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「電源オン」というタイミングに対して、「2回に1回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になり、検知部38により検知信号が出力された後は、画像形成装置1の電源がオンになったときに、保護用のトナーバンド45の形成を2回に1回しか実施しない。また、この制御テーブル52では、「検知信号出力後」の「プリント枚数」の閾値として、「閾値N2」が記述されている。この閾値N2は、上述した閾値N1よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、メモリに記憶された第2のプリント枚数が閾値N2を超えるまで保護用のトナーバンド45の形成を実施しない。さらに、この制御テーブル52では、「検知信号出力後」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T4」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H4」が記述されている。この閾値T4は上述した閾値T3よりも大きく、閾値H4は上述した閾値H3よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T4を超えるまで、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H4を超えるまでは、保護用のトナーバンド45の形成を実施しない。これにより、検知部38により検知信号が出力された後は、トナーバンド45が形成される頻度が低くなる。
【0036】
上述したように、調整用の画像が形成される場合には、利用者の画像が形成される場合に比べて、1回の画像形成において回収されるトナーの量が多い。したがって、本実施形態のように位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすと、検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナー量が少なくなる。
【0037】
また、位置補正用のパターン43又はトナーバンド45が形成される場合には、利用者の画像が形成される場合のように、予めプロセスコントロールが実施され、画像の濃度が調整されているわけではない。したがって、位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成するときには、画像の濃度変動が大きくなる。例えば、濃度10%の画像を形成するときに、実際には濃度11%の画像が形成されることがある。この場合、回収容器37に回収されるトナー量が予測よりも増えてしまう。このような場合であっても、回収容器37からトナーが溢れ出ないように、回収容器37の予備容量R1には、必要容量R11の他に、マージン容量R12が含まれている。
【0038】
図11は、必要容量R11及びマージン容量R12を説明する図である。必要容量R11は、回収容器37が満杯に近い状態になってから満杯になるまでの期間において、回収容器37に回収されることが予測されるトナーの量(以下、「トナーの予測回収量」という)に応じて予め決められた容量である。マージン容量R12は、トナーの予測回収量よりも実際に回収されたトナー量が多い場合に、予測回収量を上回った分のトナーを収容するための容量である。位置補正用のパターン34又はトナーバンド45を形成するときには、画像の濃度変動が大きくなるため、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが大きくなる。この場合、回収容器37には、必要容量R11に対して、マージン容量R12aを確保する必要がある。一方、本実施形態のように位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすと、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが小さくなる。この場合、回収容器37には、必要容量R11に対して、マージン容量R12aよりも少ないマージン容量R12を確保すればよい。このように、マージン容量をR12aからR12に減らすと、回収容器37の容量のうち予備容量R1を除いた容量R2が増える。この場合、回収容器37が満杯に近い状態になるまでの期間におけるプリント枚数が増える。あるいは、この容量R2を変えない場合には、マージン容量がR12aからR12に減った分だけ回収容器37自体のサイズが小さくなる。
【0039】
上述した実施形態によれば、調整用の画像の形成を制御しない場合に比べて、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に到達した後に、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去されるトナー量が減少するため、回収容器37に収容されるトナーの量が減少する。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
【0041】
(変形例1)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールを実施する頻度又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすことにより、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去され、回収容器37に収容されるトナーの量を減らしていた。しかしながら、回収容器37に収容されるトナーの量を減らす方法はこれに限らない。
【0042】
図4に示すように、濃度調整用のパターン41には、複数のパッチ42(部分画像の一例)が含まれている。制御部11は、この濃度調整用のパターン41に含まれるパッチ42の数を減らしてもよい。図12は、この変形例に係る濃度調整用のパターン41Aの一例を示す図である。この濃度調整用のパターン41Aには、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色について、0%から100%までの20%間隔の濃度を有する5個のパッチが含まれている。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、図4に示すイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックについてそれぞれ10個のパッチを含む濃度調整用のパターン41を画像形成部15に形成させる。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、図12に示すイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックについてそれぞれ5個のパッチを含む濃度調整用のパターン41Aを画像形成部15に形成させる。
【0043】
このように、濃度調整用のパターン41に含まれるパッチ42の数を減らすと、濃度調整用のパターン41の形成に用いられるトナー量が少なくなるため、検知部38によって検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナーの量も少なくなる。同様に、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後に、位置補正用のパターン43に含まれるシェブロンパッチ44(部分画像の一例)の数を減らしてもよい。また、例えば一度に複数のトナーバンド45が形成される場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後に、トナーバンド45の数を減らしてもよい。この場合、各々のトナーバンド45は、部分画像の一例として用いられる。
【0044】
また、制御部11は、トナーバンド45の幅を短くすることにより、トナーバンド45の面積を減少させてもよい。この幅とは、感光体ドラム21上に形成されたトナーバンド45において、感光体ドラム21の回転方向の長さをいう。図13は、この変形例に係るトナーバンド45Aの一例を示す図である。このトナーバンド45Aの幅W2は、図6に示すトナーバンド45の幅W1よりも短い。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、図6に示す幅W1を有するトナーバンド45の形成を行う。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、図13に示す幅W2を有するトナーバンド45Aの形成を行う。この場合、このトナーバンド45の形成に用いられるトナー量が少なくなるため、検知部38によって検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナーの量も少なくなる。同様に、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、位置補正用のパターン43又は濃度調整用のパターン41の面積を減少させてもよい。
【0045】
このように、制御部11は、検知信号が出力された後においては、調整用の画像を簡易なものに変更してもよい。この場合、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去されるトナー量が減少するため、回収容器37に収容されるトナーの量が減少する。また、制御部11は、上述した実施形態に係る調整用の画像を形成する頻度を減らす処理と、この変形例に係る調整用の画像を簡易なものに変更する処理とを併せて行ってもよい。
【0046】
(変形例2)
制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前と後とで、プロセスコントロール、カラーレジコントロール、トナーバンド45の形成を行う順番を変更してもよい。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、トナーバンド45の形成、カラーレジコントロール、プロセスコントロールという順番で処理を行う。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、プロセスコントロールをカラーレジコントロール又はトナーバンド45の形成よりも前に行う。例えば、制御部11は、カラーレジコントロールとプロセスコントロールの処理の順番を入れ替えて、トナーバンド45の形成、プロセスコントロール、カラーレジコントロールという順番で処理を行う。この場合、カラーレジコントロールを行う前に、予めプロセスコントロールが実施され、画像の濃度が調整されるようになる。したがって、位置補正用のパターン43を形成するときにも、画像の濃度変動が小さくなり、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが小さくなる。
【0047】
(変形例3)
トナーバンド45の長さは、図6に示すものに限らない。例えば、用紙サイズの小さい画像の形成が続くと、現像装置24内の一部の領域にあるトナーだけが入れ替わり、他の領域にあるトナーは入れ替わらないことがある。この場合、他の領域にあるトナーだけを入れ替えるために、他の領域に相当する長さを有するトナーバンド45の形成が行われてもよい。また、濃度調整用のパターン41の形状、数又は色は、図4に示すものに限らない。濃度調整用のパターン41は、画像の濃度調整に用いられる画像であればよい。同様に、位置補正用のパターン43の形状や数も、図5に示すものに限らない。位置補正用のパターン43は、画像の位置ずれの補正に用いられる画像であればよい。
【0048】
(変形例4)
上述した実施形態では、位置補正用のパターン43又は保護用のトナーバンド45が形成される頻度が制御されていた。しかしながら、調整用の画像に含まれる位置補正用のパターン43及び保護用のトナーバンド45以外の画像が形成される頻度が制御されてもよい。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、トナーを強制的に吐き出すことを目的としたトナーバンド(以下、「吐き出し用のトナーバンド」という)45を形成する頻度を減らしてもよい。また、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、プロセスコントロールを実施する頻度、すなわち濃度調整用のパターン41を形成する頻度を減らしてもよい。ただし、この場合には、検知部38によって検知信号が出力された後にプロセスコントロールが実施される頻度は、カラーレジコントロールが実施される頻度又はトナーバンド45が形成される頻度よりも高い方が好ましい。
【0049】
(変形例5)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールが実施される頻度と、保護用のトナーバンド45が形成される頻度とを両方とも減らしていたが、いずれか一方だけを減らしてもよい。例えば、カラーレジコントロールが実施される頻度だけを減らす場合には、位置補正用のパターン43以外の調整用の画像、すなわち濃度調整用のパターン41及びトナーバンド45を形成する頻度は減らす必要はない。一方、保護用のトナーバンド45が形成される頻度だけを減らす場合には、保護用のトナーバンド45以外の調整用の画像、すなわち濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及び吐き出し用のトナーバンドを形成する頻度は減らす必要はない。
【0050】
(変形例6)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールが実施される頻度を減らす場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに実施される頻度と、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度とを両方とも減らしていた。しかしながら、この場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに実施される頻度、又は、画像形成装置1内の温度若しくは湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度のいずれか一方だけを減らしてもよい。例えば、画像形成装置1の電源がオンになったときは、検知信号が出力される前と後のいずれにおいてもカラーレジコントロールを毎回行い、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度だけを、上述した実施形態のように減らしてもよい。同様に、保護用のトナーバンド45を形成する頻度を減らす場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに形成される頻度、前回トナーバンド45が形成されたときから計数されたプリント枚数が閾値を越えたときに形成される頻度、又は、画像形成装置1内の温度若しくは湿度の変化量が閾値を越えたときに実施される頻度の少なくとも1つだけを減らしてもよい。
【0051】
また、カラーレジコントロールが実施されるタイミング及び保護用のトナーバンド45が形成されるタイミングは、実施形態で説明したものに限らない。例えば、利用者の要求に応じて、カラーレジコントロールが実施され、又は保護用のトナーバンド45が形成されてもよい。
【0052】
(変形例7)
上述した実施形態では、検知部38は、光センサを用いて、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知していた。しかしながら、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知する方法は、光センサを用いた方法に限らない。例えば、検知部38は、磁気センサを用いて、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知してもよい。この場合、磁気センサは、回収容器37内の磁界の強度を測定し、測定した強度が閾値K1に応じて設定された値になると、検知信号を出力する。
【0053】
(変形例8)
上述した実施形態では、回収容器37が満杯になったか否かを判断するときに、プリント枚数と画素数とが両方とも使用されていた。しかしながら、プリント枚数と画素数のいずれか一方のみが使用されてもよい。また、上述した使用状況に関する情報は、プリント枚数と画素数に限らない。例えば、感光体ドラム21の回転数や搬送部材34の回転数であってもよい。
【0054】
(変形例9)
クリーニング部材31又は33は、ブレード状の部材に限らない。例えば、クリーニング部材31又は33は、ブラシであってもよい。この場合、クリーニング装置20又は26は、このブラシを回転させることにより、トナーを除去する。
【0055】
(変形例10)
上述した実施形態では、画像形成装置1は、感光体ドラム21と中間転写ベルト17の両方からトナーを除去する構成を備えていた。しかしながら、画像形成装置1は、感光体ドラム21又は中間転写ベルト17のいずれか一方だけからトナーを除去する構成を備えていてもよい。例えば、直接転写方式で画像を転写する場合には、中間転写ベルト17及び二次転写ローラ18を備える必要はない。この場合、画像形成装置1は、中間転写ベルト17からトナーを除去する必要はないため、クリーニング装置20を備える必要はない。画像形成装置1は、クリーニング装置26により感光体ドラム21のみからトナーを除去すればよい。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…UI部、15…画像形成部、16M,16M,16C,16K…画像形成エンジン、17…中間転写ベルト、21…感光体ドラム、37…回収容器、38…検知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像が用紙に転写された後、感光体ドラムの表面にトナーが残留することがある。この残留したトナーを感光体ドラムの表面から除去して、回収する技術が知られている。特許文献1には、廃トナー容器がフルになったことを検出した後、さらに印刷許容枚数に応じた画像の形成を許可する技術が記載されている。特許文献2には、センサにより廃トナー容器が満杯に近づいたことが検出されると、書き込み画素数の積算を開始し、この画素数の積算値により廃トナー容器が満杯になったか否かを判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−19915号公報
【特許文献2】特開2003−271023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後に、この収容部に収容されるトナーの量を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、自装置の調整に用いられる調整用の画像を像保持体にトナーを用いて形成する形成部と、前記像保持体から除去されたトナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、当該収容部に収容されたトナーの量が当該閾値に到達する前よりも前記像保持体から除去され前記収容部に収容されるトナーの量が減少するように、前記調整用の画像の形成を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、前記制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後に、前記画像の形成の制御を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像を形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記調整用の画像は、画像の位置ずれの補正に用いられる位置補正用の画像を含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記位置補正用の画像を形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項3又は4に記載の構成において、前記調整用の画像は、トナーバンドを含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記トナーバンドを形成する頻度を減らすことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1から5のいずれかに記載の構成において、前記調整用の画像は、複数の部分画像を含み、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記部分画像の数を減らすことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1から6のいずれかに記載の構成において、前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像の面積を減少させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、調整用の画像の形成を制御しない場合に比べて、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後に、この収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
請求項2に係る発明によれば、検知部を用いない場合に比べて、収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達したことを精度よく検知することができる。
請求項3に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさない場合に比べて、収容部に収容されるトナーの量を容易に減らすことができる。
請求項4に係る発明によれば、調整用の画像に含まれる位置補正用の画像以外の画像を形成する頻度を減らす必要がない。
請求項5に係る発明によれば、調整用の画像に含まれるトナーバンド以外の画像を形成する頻度を減らす必要がない。
請求項6に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
請求項7に係る発明によれば、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、収容部に収容されるトナーの量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図
【図2】画像形成部の構成を示す模式図
【図3】画像形成エンジンの構成を示す図
【図4】濃度調整用のパターンの一例を示す図
【図5】位置補正用のパターンの一例を示す図
【図6】トナーバンドの一例を示す図
【図7】回収容器が満杯になったことを検知する処理を示すフローチャート
【図8】回収容器の容量を示す図
【図9】カラーレジコントロール用の制御テーブルの一例を示す図
【図10】保護用のトナーバンド用の制御テーブルの一例を示す図
【図11】必要容量及びマージン容量を説明する図
【図12】変形例に係る濃度調整用のパターンの一例を示す図
【図13】変形例に係るトナーバンドの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、電子写真方式のカラープリンタである。画像形成装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、UI(User Interface)部14と、画像形成部15とを備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備えている。CPUは、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する。通信部12は、通信回線に接続される通信インターフェースである。例えば、コンピュータ装置から画像データが送信されてくると、画像形成装置1は、通信部12によりこの画像データを受信する。記憶部13は、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶部13には、各種のデータが記憶される。UI部14は、例えばタッチスクリーンとキーとを備えている。UI部14は、画像形成装置1を操作するのに用いられる。画像形成部15は、画像データに応じた画像を用紙に形成する。
【0015】
図2は、画像形成部15の構成を示す模式図である。画像形成部15は、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16K(形成部の一例)と、中間転写ベルト17と、二次転写ローラ18と、定着器19と、クリーニング装置20とを備えている。画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナーを用いて画像を形成し、形成した画像を中間転写ベルト17に転写する。なお、以下の説明では、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kを区別する必要がない場合には、符号の末尾に付された「Y」、「M」、「C」、「K」という文字を省略して、「画像形成エンジン16」という。中間転写ベルト17は、図中の矢印A方向に回転し、画像形成エンジン16Y,16M,16C,16Kによって転写された画像を二次転写ローラ18へと搬送する。つまり、中間転写ベルト17は、画像形成エンジン16によって形成された画像を保持する像保持体の一例である。二次転写ローラ18は、中間転写ベルト17によって搬送された画像を用紙に転写する。定着器19は、熱と圧力とを加えることにより、画像を用紙に定着させる。定着器19を通過した用紙は、画像形成装置1から排出される。
【0016】
クリーニング装置20は、二次転写ローラ18の下流側において、中間転写ベルト17の表面に残留したトナーを除去する。クリーニング装置20は、クリーニング部材31と、搬送部材32とを備えている。クリーニング部材31は、ブレード状の部材である。クリーニング装置20は、クリーニング部材31を中間転写ベルト17の表面に押し当てることにより、中間転写ベルト17の表面からトナーを除去する。クリーニング部材31によって除去されたトナーは、クリーニング装置20の筐体内に落下する。搬送部材32は、筐体内に設けられており、図示せぬ搬送モータによって回転させられる。搬送部材32が回転すると、筐体内のトナーは、搬送路36へと搬送される。そして、このトナーは、搬送路36を通じて回収容器37(収容部の一例)へと搬送され、回収容器37内に収容される。
【0017】
図3は、画像形成エンジン16の構成を示す図である。画像形成エンジン16は、感光体ドラム21を備えている。感光体ドラム21は、表面に光導電膜が形成された円筒状の部材である。感光体ドラム21の表面には、画像が形成される。つまり、感光体ドラム21は、形成された画像を保持する像保持体の一例である。感光体ドラム21は、ドラムモータ(図示せず)により軸を中心に回転させられる。感光体ドラム21の周りには、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、一次転写ローラ25と、クリーニング装置26とが設けられている。帯電器22は、感光体ドラム21の表面を均一に帯電させる。露光装置23は、帯電した感光体ドラム21に対し、画像データに応じた露光を行って静電潜像を形成する。現像装置24は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーで現像する。一次転写ローラ25は、感光体ドラム21上に形成された画像を中間転写ベルト17に転写する。
【0018】
クリーニング装置26は、一次転写ローラ25の下流側において、感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去する。クリーニング装置26は、クリーニング部材33と、搬送部材34とを備えている。クリーニング部材33は、ブレード状の部材である。クリーニング装置26は、クリーニング部材33を感光体ドラム21の表面に押し当てることにより、感光体ドラム21の表面からトナーを除去する。クリーニング部材33によって除去されたトナーは、クリーニング装置26の筐体内に落下する。搬送部材34は、筐体内に設けられており、図示せぬ搬送モータによって回転させられる。搬送部材34が回転すると、筐体内のトナーは、搬送路36へと搬送される。そして、このトナーは、搬送路36を通じて回収容器37へと搬送され、回収容器37内に収容される。
【0019】
図2に示すように、回収容器37には検知部38が設けられている。検知部38は、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知し、検知信号を出力する。検知部38は、例えば光センサを用いてこの検知を行う。この光センサは、光を出す発光部と、光を受ける受光部(図示せず)とを備えている。この発光部と受光部とは、回収容器37を介して対向するように配置される。回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達するまでの間、発光部から出た光は、回収容器37の内部を通って受光部に照射されるようになっている。一方、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達すると、回収容器37内のトナーが発光部と受光部との間に入る。この場合、発光部から出た光がこのトナーによって遮られ、受光部の受光量が変化する。これにより、回収容器37内のトナー量が閾値K1に達したことが検知される。このように、本実施形態では、検知部38を用いて回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことを検知しているため、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に達したことが精度よく検知される。
【0020】
画像形成装置1は、利用者の要求に応じて画像を形成する他に、良好な画像形成を行い、又は画像形成装置1を良好な状態に維持するために、プロセスコントロール、カラーレジストレーションコントロール(以下、「カラーレジコントロール」という)、及びトナーバンド45の形成を行う。プロセスコントロールでは、画像の濃度を調整するために、濃度調整用のパターン41が形成される。カラーレジコントロールでは、画像の位置ずれを補正するために、位置補正用のパターン43(位置補正用の画像の一例)が形成される。この濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45は、利用者の要求に応じて形成される画像(以下、「利用者の画像」という)ではなく、画像形成装置1の調整に用いられる画像である。したがって、以下の説明では、濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45を「調整用の画像」という。この調整用の画像は、用紙には転写されない。つまり、画像形成装置1の調整に用いられる画像とは、利用者の画像以外の画像をいい、具体的には、濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及びトナーバンド45のことである。
【0021】
図4は、濃度調整用のパターン41の一例を示す図である。この濃度調整用のパターン41には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色について、0%から100%までの10%間隔の濃度を有する10個のパッチ42が含まれている。この濃度調整用のパターン41は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写される。中間転写ベルト17の上には、濃度調整用のパターン41の濃度を測定するセンサ(図示せず)が設けられている。制御部11は、このセンサによって測定された濃度調整用のパターン41の濃度に応じて、画像の濃度を調整する処理を行う。センサによって濃度が測定された後、この濃度調整用のパターン41は、クリーニング装置20によって中間転写ベルト17の表面から除去される。
【0022】
図5は、位置補正用のパターン43の一例を示す図である。この位置補正用のパターン43には、複数のシェブロンパッチ44が含まれている。このシェブロンパッチ44は、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックのトナーを用いて形成される。この位置補正用のパターン43は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写される。中間転写ベルト17の上には、位置補正用のパターン43の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられている。制御部11は、このセンサによって検出された位置補正用のパターン43の位置に応じて、画像の位置ずれを補正する処理を行う。センサによって位置が検出された後、この位置補正用パターン43は、クリーニング装置20によって中間転写ベルト17の表面から除去される。
【0023】
トナーバンド45とは、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックのトナーを用いて感光体ドラム21上に形成される帯状の画像をいう。トナーバンド45は、現像装置24内のトナーを強制的に吐き出すために形成されるものと、クリーニング部材31又は33を保護するために形成されるものとがある。まず、前者の目的で形成されるトナーバンド45について説明する。現像装置24には、トナーが収容されている。このトナーは、現像装置24において、攪拌部材によって攪拌されている。しかし、例えば低濃度の画像の形成が続いた場合には、現像装置24内で長期間に亘ってトナーが攪拌されることにより、トナー粒子の表面が削れて、トナーが劣化する。そこで、劣化したトナーを強制的に吐き出して、新たなトナーに入れ替えるために、トナーバンド45の形成を行う。図6は、トナーバンド45の一例を示す図である。このトナーバンド45は、幅W1を有し、感光体ドラム21の表面において感光体ドラム21の軸方向の長さに亘って形成されている。トナーを吐き出した後、現像装置24には、トナー供給部から新たなトナーが供給される。これにより、現像装置24内の劣化したトナーが新たなトナーに入れ替えられる。感光体ドラム21上に形成されたトナーバンド45は、中間転写ベルト17に転写されずに感光体ドラム21の表面に残留し、クリーニング装置26によって感光体ドラム21の表面から除去される。
【0024】
次に、後者の目的で形成されるトナーバンド45について説明する。上述したように、クリーニング部材31又は33は、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21の表面に押し当てられている。そのため、クリーニング部材31又は33に到達するトナーの量が少なくなると、クリーニング部材33と中間転写ベルト17又は感光体ドラム21との間の摩擦により、クリーニング部材31又は33が磨耗してしまう。そこで、クリーニング部材31又は33を保護するために、図6に示すようなトナーバンド45の形成を行う。例えば、クリーニング部材33を保護するためにトナーバンド45を形成する場合、トナーバンド45は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17に転写されず、そのまま感光体ドラム21の表面に残留する。したがって、感光体ドラム21上にトナーバンド45が形成された場合、このトナーバンド45はそのままクリーニング部材33に到達する。クリーニング部材33に到達すると、トナーバンド45はクリーニング部材33の潤滑剤として作用する。これにより、クリーニング部材33と感光体ドラム21との間の摩擦が減り、クリーニング部材33が保護される。
【0025】
利用者の画像は、感光体ドラム21上に形成された後、中間転写ベルト17を介して用紙に転写され、出力される。そのため、利用者の画像が形成された場合には、感光体ドラム21の表面には少量のトナーしか残らず、回収容器37に回収されるトナーの量も少ない。一方、調整用の画像は、用紙には転写されないため、調整用の画像が形成された場合、この調整用の画像を形成するトナーがそのまま感光体ドラム21又は中間転写ベルト17の表面に残り、回収容器37に回収されることになる。そのため、調整用の画像が形成された場合には、利用者の画像が形成された場合に比べて、1回の画像形成において回収されるトナーの量が多くなる。
【0026】
制御部11は、回収容器37が満杯になったことを検知する処理を行う。図7は、この処理を示すフローチャートである。制御部11は、まず回収容器37が満杯に近い状態になったか否かを判断する(ステップS11)。図8は、回収容器37の容量を示す図である。画像の形成が行われるにつれて、回収容器37の内部にはトナーが蓄積されていく。回収容器37内のトナー量が閾値K1よりも少ない場合には、検知部38から検知信号は出力されない。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になっていないと判断する(ステップS11:NO)。一方、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達すると、検知部38から検知信号が出力される。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったと判断する(ステップS11:YES)。
【0027】
回収容器37が満杯に近い状態になると、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったことを利用者に通知する(ステップS12)。例えば、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になったことを通知するメッセージをUI部14に表示させる。利用者は、この通知により、回収容器37が満杯に近い状態になったことを認識する。そして、利用者は、回収容器37を交換するために新たな回収容器を準備する。図8に示すように、回収容器37には、回収容器37が満杯に近い状態になってからある程度の期間(例えば1週間)、画像形成装置1が使用できるように、予備容量R1が確保されている。この予備容量R1は、例えば利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間と、その期間のプリント枚数とに応じて予め決められている。例えば、利用者が新たな回収容器を準備するのに必要な期間が1週間であり、利用者の1週間のプリント枚数が800枚であると想定した場合、この予備容量R1は、800枚の画像を形成したときに回収されるトナー量を収容できるような容量に決められる。
【0028】
また、回収容器37が満杯に近い状態になると、制御部11は、画像形成装置1の使用状況に関する情報に基づいて、回収容器37が満杯になったか否かを判断する(ステップS13)。この使用状況に関する情報とは、例えばプリント枚数と画素数である。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になると、プリント枚数の計数及び画素数の計数を開始する。具体的には、制御部11は、画像を形成した枚数を計数し、計数した枚数を第1のプリント枚数としてメモリに記憶させる。また、制御部11は、露光装置23に供給する画像データの書き込み画素数、すなわち、感光体ドラム21上に形成される画像のドット数を計数し、計数した画素数をメモリに記憶させる。メモリに記憶された第1のプリント枚数及び画素数がいずれも閾値に到達していない場合、制御部11は、回収容器37が満杯になっていないと判断する(ステップS13:NO)。一方、メモリに記憶された第1のプリント枚数又は画素数の少なくとも一方が閾値に到達した場合には(ステップS13:YES)、回収容器37内のトナー量が上限K2に達したと推定される。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯になったと判断する(ステップS13:YES)。
【0029】
回収容器37が満杯になった後さらに回収容器37にトナーが送られると、回収容器37からトナーが溢れ出してしまう。これを防ぐために、制御部11は、回収容器37が満杯になったと判断すると、利用者によって回収容器37が交換されるまで、画像形成部15の動作を停止させる(ステップS14)。つまり、制御部11は、回収容器37に収容されたトナーの量が上限K2に達したときに、画像形成部15の動作を停止させる。
【0030】
また、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去され回収容器37に収容されるトナーの量が減るように、カラーレジコントロールを実施する頻度又はトナーバンド45を形成する頻度を制御する。例えば、制御部11は、制御テーブル51を用いて、カラーレジコントロールを実施する頻度を制御する。この制御テーブル51は、予め記憶部13に記憶されている。図9は、制御テーブル51の一例を示す図である。この制御テーブル51には、検知信号が出力される前と後における、カラーレジコントロールを実施するタイミングに関する情報が記述されている。このカラーレジコントロールを実施するタイミングとしては、画像形成装置1の電源がオンになったときと、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときとがある。この画像形成装置1内の温度及び湿度は、画像形成部15に設けられた温度センサ及び湿度センサ(図示せず)によって測定される。
【0031】
図9に示す制御テーブル51では、「検知信号出力前」の「電源オン」というタイミングに対して、「毎回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、画像形成装置1の電源がオンになると、カラーレジコントロールを毎回実施する。また、この制御テーブル51では、「検知信号出力前」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T1」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H1」が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T1を越えたとき、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H1を超えたときに、カラーレジコントロールを実施する。
【0032】
また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「電源オン」というタイミングに対して、「2回に1回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になり、検知部38により検知信号が出力された後は、画像形成装置1の電源がオンになったときに、カラーレジコントロールを2回に1回しか実施しない。また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T2」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H2」が記述されている。この閾値T2は上述した閾値T1よりも大きく、閾値H2は上述した閾値H1よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T2を超えるまで、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H2を超えるまでは、カラーレジコントロールを実施しない。これにより、検知部38により検知信号が出力された後は、カラーレジコントロールが実施される頻度、すなわち位置補正用のパターン43が形成される頻度が低くなる。
【0033】
また、制御部11は、制御テーブル52を用いて、クリーニング部材31の保護を目的とするトナーバンド45(以下、「保護用のトナーバンド45」という)を形成する頻度を制御する。この制御テーブル52は、予め記憶部13に記憶されている。図10は、制御テーブル52の一例を示す図である。この制御テーブル52には、検知信号が出力される前と後における、保護用のトナーバンド45を形成するタイミングに関する情報が記述されている。この保護用のトナーバンド45の形成を実施するタイミングとしては、画像形成装置1の電源がオンになったときと、前回トナーバンド45が形成されたときから計数されたプリント枚数が閾値を超えたときと、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときとがある。この場合、制御部11は、トナーバンド45が形成されると、画像を形成した枚数の計数を開始し、計数した枚数を第2のプリント枚数としてメモリに記憶させる。また、画像形成装置1内の温度及び湿度は、画像形成部15に設けられた温度センサ及び湿度センサ(図示せず)によって測定される。
【0034】
図10に示す制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「電源オン」というタイミングに対して、「毎回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、画像形成装置1の電源がオンになると、保護用のトナーバンド45の形成を毎回実施する。また、この制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「プリント枚数」の閾値として、「閾値N1」が記述されている。この場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、メモリに記憶された第2のプリント枚数が閾値N1を越えたときに、保護用のトナーバンド45の形成を実施する。さらに、この制御テーブル52では、「検知信号出力前」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T3」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H3」が記述されている。この場合、制御部11は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T3を越えたとき、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H3を超えたときに、保護用のトナーバンド45の形成を実施する。
【0035】
また、この制御テーブル51では、「検知信号出力後」の「電源オン」というタイミングに対して、「2回に1回」という頻度が記述されている。この場合、制御部11は、回収容器37が満杯に近い状態になり、検知部38により検知信号が出力された後は、画像形成装置1の電源がオンになったときに、保護用のトナーバンド45の形成を2回に1回しか実施しない。また、この制御テーブル52では、「検知信号出力後」の「プリント枚数」の閾値として、「閾値N2」が記述されている。この閾値N2は、上述した閾値N1よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、メモリに記憶された第2のプリント枚数が閾値N2を超えるまで保護用のトナーバンド45の形成を実施しない。さらに、この制御テーブル52では、「検知信号出力後」の「温度変化量」の閾値として、「閾値T4」が記述されており、「湿度変化量」の閾値として、「閾値H4」が記述されている。この閾値T4は上述した閾値T3よりも大きく、閾値H4は上述した閾値H3よりも大きい。この場合、制御部11は、検知部38により検知信号が出力された後は、温度センサによって測定された温度の変化量が閾値T4を超えるまで、又は湿度センサによって測定された湿度の変化量が閾値H4を超えるまでは、保護用のトナーバンド45の形成を実施しない。これにより、検知部38により検知信号が出力された後は、トナーバンド45が形成される頻度が低くなる。
【0036】
上述したように、調整用の画像が形成される場合には、利用者の画像が形成される場合に比べて、1回の画像形成において回収されるトナーの量が多い。したがって、本実施形態のように位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすと、検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナー量が少なくなる。
【0037】
また、位置補正用のパターン43又はトナーバンド45が形成される場合には、利用者の画像が形成される場合のように、予めプロセスコントロールが実施され、画像の濃度が調整されているわけではない。したがって、位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成するときには、画像の濃度変動が大きくなる。例えば、濃度10%の画像を形成するときに、実際には濃度11%の画像が形成されることがある。この場合、回収容器37に回収されるトナー量が予測よりも増えてしまう。このような場合であっても、回収容器37からトナーが溢れ出ないように、回収容器37の予備容量R1には、必要容量R11の他に、マージン容量R12が含まれている。
【0038】
図11は、必要容量R11及びマージン容量R12を説明する図である。必要容量R11は、回収容器37が満杯に近い状態になってから満杯になるまでの期間において、回収容器37に回収されることが予測されるトナーの量(以下、「トナーの予測回収量」という)に応じて予め決められた容量である。マージン容量R12は、トナーの予測回収量よりも実際に回収されたトナー量が多い場合に、予測回収量を上回った分のトナーを収容するための容量である。位置補正用のパターン34又はトナーバンド45を形成するときには、画像の濃度変動が大きくなるため、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが大きくなる。この場合、回収容器37には、必要容量R11に対して、マージン容量R12aを確保する必要がある。一方、本実施形態のように位置補正用のパターン43又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすと、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが小さくなる。この場合、回収容器37には、必要容量R11に対して、マージン容量R12aよりも少ないマージン容量R12を確保すればよい。このように、マージン容量をR12aからR12に減らすと、回収容器37の容量のうち予備容量R1を除いた容量R2が増える。この場合、回収容器37が満杯に近い状態になるまでの期間におけるプリント枚数が増える。あるいは、この容量R2を変えない場合には、マージン容量がR12aからR12に減った分だけ回収容器37自体のサイズが小さくなる。
【0039】
上述した実施形態によれば、調整用の画像の形成を制御しない場合に比べて、回収容器37に収容されたトナーの量が閾値K1に到達した後に、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去されるトナー量が減少するため、回収容器37に収容されるトナーの量が減少する。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
【0041】
(変形例1)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールを実施する頻度又はトナーバンド45を形成する頻度を減らすことにより、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去され、回収容器37に収容されるトナーの量を減らしていた。しかしながら、回収容器37に収容されるトナーの量を減らす方法はこれに限らない。
【0042】
図4に示すように、濃度調整用のパターン41には、複数のパッチ42(部分画像の一例)が含まれている。制御部11は、この濃度調整用のパターン41に含まれるパッチ42の数を減らしてもよい。図12は、この変形例に係る濃度調整用のパターン41Aの一例を示す図である。この濃度調整用のパターン41Aには、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色について、0%から100%までの20%間隔の濃度を有する5個のパッチが含まれている。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、図4に示すイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックについてそれぞれ10個のパッチを含む濃度調整用のパターン41を画像形成部15に形成させる。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、図12に示すイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックについてそれぞれ5個のパッチを含む濃度調整用のパターン41Aを画像形成部15に形成させる。
【0043】
このように、濃度調整用のパターン41に含まれるパッチ42の数を減らすと、濃度調整用のパターン41の形成に用いられるトナー量が少なくなるため、検知部38によって検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナーの量も少なくなる。同様に、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後に、位置補正用のパターン43に含まれるシェブロンパッチ44(部分画像の一例)の数を減らしてもよい。また、例えば一度に複数のトナーバンド45が形成される場合、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後に、トナーバンド45の数を減らしてもよい。この場合、各々のトナーバンド45は、部分画像の一例として用いられる。
【0044】
また、制御部11は、トナーバンド45の幅を短くすることにより、トナーバンド45の面積を減少させてもよい。この幅とは、感光体ドラム21上に形成されたトナーバンド45において、感光体ドラム21の回転方向の長さをいう。図13は、この変形例に係るトナーバンド45Aの一例を示す図である。このトナーバンド45Aの幅W2は、図6に示すトナーバンド45の幅W1よりも短い。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、図6に示す幅W1を有するトナーバンド45の形成を行う。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、図13に示す幅W2を有するトナーバンド45Aの形成を行う。この場合、このトナーバンド45の形成に用いられるトナー量が少なくなるため、検知部38によって検知信号が出力された後に、回収容器37に回収されるトナーの量も少なくなる。同様に、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、位置補正用のパターン43又は濃度調整用のパターン41の面積を減少させてもよい。
【0045】
このように、制御部11は、検知信号が出力された後においては、調整用の画像を簡易なものに変更してもよい。この場合、調整用の画像を形成する頻度を減らさなくても、中間転写ベルト17又は感光体ドラム21から除去されるトナー量が減少するため、回収容器37に収容されるトナーの量が減少する。また、制御部11は、上述した実施形態に係る調整用の画像を形成する頻度を減らす処理と、この変形例に係る調整用の画像を簡易なものに変更する処理とを併せて行ってもよい。
【0046】
(変形例2)
制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前と後とで、プロセスコントロール、カラーレジコントロール、トナーバンド45の形成を行う順番を変更してもよい。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力される前は、トナーバンド45の形成、カラーレジコントロール、プロセスコントロールという順番で処理を行う。一方、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、プロセスコントロールをカラーレジコントロール又はトナーバンド45の形成よりも前に行う。例えば、制御部11は、カラーレジコントロールとプロセスコントロールの処理の順番を入れ替えて、トナーバンド45の形成、プロセスコントロール、カラーレジコントロールという順番で処理を行う。この場合、カラーレジコントロールを行う前に、予めプロセスコントロールが実施され、画像の濃度が調整されるようになる。したがって、位置補正用のパターン43を形成するときにも、画像の濃度変動が小さくなり、トナーの予測回収量に対して実際に回収されるトナー量のばらつきが小さくなる。
【0047】
(変形例3)
トナーバンド45の長さは、図6に示すものに限らない。例えば、用紙サイズの小さい画像の形成が続くと、現像装置24内の一部の領域にあるトナーだけが入れ替わり、他の領域にあるトナーは入れ替わらないことがある。この場合、他の領域にあるトナーだけを入れ替えるために、他の領域に相当する長さを有するトナーバンド45の形成が行われてもよい。また、濃度調整用のパターン41の形状、数又は色は、図4に示すものに限らない。濃度調整用のパターン41は、画像の濃度調整に用いられる画像であればよい。同様に、位置補正用のパターン43の形状や数も、図5に示すものに限らない。位置補正用のパターン43は、画像の位置ずれの補正に用いられる画像であればよい。
【0048】
(変形例4)
上述した実施形態では、位置補正用のパターン43又は保護用のトナーバンド45が形成される頻度が制御されていた。しかしながら、調整用の画像に含まれる位置補正用のパターン43及び保護用のトナーバンド45以外の画像が形成される頻度が制御されてもよい。例えば、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、トナーを強制的に吐き出すことを目的としたトナーバンド(以下、「吐き出し用のトナーバンド」という)45を形成する頻度を減らしてもよい。また、制御部11は、検知部38によって検知信号が出力された後は、プロセスコントロールを実施する頻度、すなわち濃度調整用のパターン41を形成する頻度を減らしてもよい。ただし、この場合には、検知部38によって検知信号が出力された後にプロセスコントロールが実施される頻度は、カラーレジコントロールが実施される頻度又はトナーバンド45が形成される頻度よりも高い方が好ましい。
【0049】
(変形例5)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールが実施される頻度と、保護用のトナーバンド45が形成される頻度とを両方とも減らしていたが、いずれか一方だけを減らしてもよい。例えば、カラーレジコントロールが実施される頻度だけを減らす場合には、位置補正用のパターン43以外の調整用の画像、すなわち濃度調整用のパターン41及びトナーバンド45を形成する頻度は減らす必要はない。一方、保護用のトナーバンド45が形成される頻度だけを減らす場合には、保護用のトナーバンド45以外の調整用の画像、すなわち濃度調整用のパターン41、位置補正用のパターン43及び吐き出し用のトナーバンドを形成する頻度は減らす必要はない。
【0050】
(変形例6)
上述した実施形態では、カラーレジコントロールが実施される頻度を減らす場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに実施される頻度と、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度とを両方とも減らしていた。しかしながら、この場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに実施される頻度、又は、画像形成装置1内の温度若しくは湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度のいずれか一方だけを減らしてもよい。例えば、画像形成装置1の電源がオンになったときは、検知信号が出力される前と後のいずれにおいてもカラーレジコントロールを毎回行い、画像形成装置1内の温度又は湿度の変化量が閾値を超えたときに実施される頻度だけを、上述した実施形態のように減らしてもよい。同様に、保護用のトナーバンド45を形成する頻度を減らす場合に、画像形成装置1の電源がオンになったときに形成される頻度、前回トナーバンド45が形成されたときから計数されたプリント枚数が閾値を越えたときに形成される頻度、又は、画像形成装置1内の温度若しくは湿度の変化量が閾値を越えたときに実施される頻度の少なくとも1つだけを減らしてもよい。
【0051】
また、カラーレジコントロールが実施されるタイミング及び保護用のトナーバンド45が形成されるタイミングは、実施形態で説明したものに限らない。例えば、利用者の要求に応じて、カラーレジコントロールが実施され、又は保護用のトナーバンド45が形成されてもよい。
【0052】
(変形例7)
上述した実施形態では、検知部38は、光センサを用いて、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知していた。しかしながら、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知する方法は、光センサを用いた方法に限らない。例えば、検知部38は、磁気センサを用いて、回収容器37内のトナー量が閾値K1に到達したことを検知してもよい。この場合、磁気センサは、回収容器37内の磁界の強度を測定し、測定した強度が閾値K1に応じて設定された値になると、検知信号を出力する。
【0053】
(変形例8)
上述した実施形態では、回収容器37が満杯になったか否かを判断するときに、プリント枚数と画素数とが両方とも使用されていた。しかしながら、プリント枚数と画素数のいずれか一方のみが使用されてもよい。また、上述した使用状況に関する情報は、プリント枚数と画素数に限らない。例えば、感光体ドラム21の回転数や搬送部材34の回転数であってもよい。
【0054】
(変形例9)
クリーニング部材31又は33は、ブレード状の部材に限らない。例えば、クリーニング部材31又は33は、ブラシであってもよい。この場合、クリーニング装置20又は26は、このブラシを回転させることにより、トナーを除去する。
【0055】
(変形例10)
上述した実施形態では、画像形成装置1は、感光体ドラム21と中間転写ベルト17の両方からトナーを除去する構成を備えていた。しかしながら、画像形成装置1は、感光体ドラム21又は中間転写ベルト17のいずれか一方だけからトナーを除去する構成を備えていてもよい。例えば、直接転写方式で画像を転写する場合には、中間転写ベルト17及び二次転写ローラ18を備える必要はない。この場合、画像形成装置1は、中間転写ベルト17からトナーを除去する必要はないため、クリーニング装置20を備える必要はない。画像形成装置1は、クリーニング装置26により感光体ドラム21のみからトナーを除去すればよい。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…UI部、15…画像形成部、16M,16M,16C,16K…画像形成エンジン、17…中間転写ベルト、21…感光体ドラム、37…回収容器、38…検知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の調整に用いられる調整用の画像を像保持体にトナーを用いて形成する形成部と、
前記像保持体から除去されたトナーを収容する収容部と、
前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、当該収容部に収容されたトナーの量が当該閾値に到達する前よりも前記像保持体から除去され前記収容部に収容されるトナーの量が減少するように、前記調整用の画像の形成を制御する制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後に、前記画像の形成の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像を形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整用の画像は、画像の位置ずれの補正に用いられる位置補正用の画像を含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記位置補正用の画像を形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整用の画像は、トナーバンドを含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記トナーバンドを形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記調整用の画像は、複数の部分画像を含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記部分画像の数を減らす
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像の面積を減少させる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
自装置の調整に用いられる調整用の画像を像保持体にトナーを用いて形成する形成部と、
前記像保持体から除去されたトナーを収容する収容部と、
前記収容部に収容されたトナーの量が閾値に到達した後においては、当該収容部に収容されたトナーの量が当該閾値に到達する前よりも前記像保持体から除去され前記収容部に収容されるトナーの量が減少するように、前記調整用の画像の形成を制御する制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達したことを検知し、検知信号を出力する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部により前記検知信号が出力された後に、前記画像の形成の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像を形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整用の画像は、画像の位置ずれの補正に用いられる位置補正用の画像を含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記位置補正用の画像を形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整用の画像は、トナーバンドを含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記トナーバンドを形成する頻度を減らす
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記調整用の画像は、複数の部分画像を含み、
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記部分画像の数を減らす
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記収容部に収容されたトナーの量が前記閾値に到達した後に、前記調整用の画像の面積を減少させる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−29723(P2013−29723A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166678(P2011−166678)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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