説明

画像形成装置

【課題】3つ以上の排紙部を備えた画像形成装置において、次に排紙されるスタッカーを容易に認識可能とする。
【解決手段】画像形成部により画像形成された用紙が排紙される3つ以上のスタッカー60A、60B、60Cを備える画像形成装置1において、スタッカーの各々は、用紙が積載されるステージ68と、ステージ68の下方に配され、ステージ68をスタッカーから取り出し可能な搬送台車68Bと、を備え、3つ以上のスタッカー60A、60B、60Cのうち、用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順を決定する制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大量部数の画像形成が可能な画像形成装置として、大容量のスタッカーを複数備えたものが知られている。この画像形成装置では、スタッカーに画像形成後の用紙を積み重ねていくように排出し、用紙が満載となると、スタッカーから取り出し可能な搬送台車により積み重なった用紙が取り出される。スタッカーはドアで閉じられているため、内部の用紙を目視確認しにくい構成となっている。
【0003】
こうした用紙の排出先として複数のスタッカーを備える画像形成装置においては、画像形成ジョブ単位または部単位の用紙を同じスタッカーに排出させることで、画像形成後の製本等の作業を行いやすくした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−292442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般に、複数のスタッカーを備えた画像形成装置では、スタッカーの優先順位が設定されている。しかしながら、優先順位が高いスタッカーであっても、排紙する際に搬送台車が装着されていなければ順番が飛ばされ、次の優先順位のスタッカーに排紙が行われるため、1つのスタッカーが満載になった場合、次にどのスタッカーに排紙されるか認識しづらいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、3つ以上のスタッカーを備えた画像形成装置において、次に排紙されるスタッカーを容易に認識可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、
画像を連続して用紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像形成された用紙が排紙される3つ以上のスタッカーと、
を備える画像形成装置において、
前記スタッカーの各々は、
用紙が積載される積載部と、
前記積載部の下方に配され、当該積載部を前記スタッカーから取り出し可能な搬送台車と、
を備え、
前記3つ以上のスタッカーのうち、用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順を決定する制御部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記用紙を排紙可能なスタッカーが、前記搬送台車が取り出された状態のスタッカーを除いたスタッカーであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記用紙を排紙可能なスタッカーが、前記積載部上の用紙が満載状態であるスタッカーを除いたスタッカーであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記予め定められた順番が、前記搬送台車が装着された順番であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、ユーザーにより前記用紙の排紙順を設定する設定変更操作がなされた場合、当該設定変更操作に基づいた順番で前記用紙の排紙順を決定することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記用紙の排紙順を表示する表示部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、
前記表示部は、
前記スタッカー毎に、満載、排紙中、又は排紙可能の何れの状態であるか表示可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
電源が入れられた直後は、前記搬送台車が取り出された状態のスタッカーと、前記積載部上の用紙が満載状態であるスタッカーとを除いたスタッカーに対して、前記画像形成部に近い順番に前記用紙の排紙順を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成された用紙が排紙される3つ以上のスタッカーを備える画像形成装置において、3つ以上のスタッカーのうち、用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順が決定される。
このため、次に排紙されるスタッカーを容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】スタッカーの機能を説明するための図である。
【図4】スタッカーから用紙を取り出す様子を示す図である。
【図5】表示画面の一例を示す図である。
【図6】表示画面の一例を示す図である。
【図7】設定画面の一例を示す図である。
【図8】各スタッカーの状態情報と排紙順情報の構成を説明するための図である。
【図9】状態情報と排紙順情報の書き換えを説明するための図である。
【図10】状態情報と排紙順情報の書き換えを説明するための図である。
【図11】排紙順決定処理を示したフローチャートである。
【図12】取り出し処理を示したフローチャートである。
【図13】装着処理を示したフローチャートである。
【図14】満載スタッカー検索処理を示したフローチャートである。
【図15】排紙スタッカー検索処理を示したフローチャートである。
【図16】排紙順変更処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の全体構成図であり、図2は、本発明の実施形態の画像形成装置の制御構成のブロック図である。
【0019】
この実施形態の画像形成装置1は、複数部数の画像形成を連続的に行い、画像形成された用紙を連続的に排出していく装置である。この画像形成装置1においては、画像形成ジョブ(以下ジョブと呼ぶ)として、画像形成を行う部数、各ページの画像内容、用紙の種類、画像形成を行う面(片面又は両面など)などを設定入力することが可能に構成され、このジョブを設定入力したのち、このジョブの実行を指示することで、ジョブに従った画像形成が連続的に実行されるようになっている。
【0020】
この画像形成装置1は、図1、2に示すように、画像形成する画像の内容を読み取るための画像読取部20と、操作用の表示とユーザーからの操作指令の入力とを行う表示操作部30と、用紙に画像形成を行うためのプリンター部40と、複数種類の用紙の供給が可能な給紙機構50と、画像形成された用紙の排出を行う排紙機構60と、外部端末から画像形成用の画像データを受信するためのインターフェース部70と、画像形成用の画像データを記憶したり読み出したりする画像処理部80とを備えている。
【0021】
画像読取部20は、CCD(Charge Coupled Device)などのイメージセンサー23によりプラテンガラス上に載置された原稿を走査して原稿画像をデータ化するスキャナー部22と、複数枚の原稿をスキャナー部22で連続して読み込み可能なように送る自動紙送り機構(ADF:Auto Document Feeder)21等を備えている。また、スキャナー部22には、上記イメージセンサー23に加えて、画像読み取りに関する制御処理を行うスキャナー制御部221が設けられている。
【0022】
表示操作部30は、数字ボタン、画像形成開始を指示するためのスタートキー、ユーティリティーキー等の各種機能キーを備え、ユーザーの入力を受け付けて、その入力情報を制御部809(後述)に出力する。
表示操作部30は、液晶パネル等の表示部301と、表示部301の上に配置されるタッチパネル302と、これら表示部301の表示制御やタッチパネル302からの信号入力処理等を行う入力制御部303とを備え、表示部301には、設定条件の設定画面等の各種操作画面や、各種処理結果が表示される。
【0023】
プリンター部40は、例えば、電子写真方式の画像形成を行うものであり、用紙に画像データに基づくトナー像を転写する画像形成部42と、このトナー像を定着させる定着部43と、給紙された用紙を画像形成部42へ搬送する搬送路41と、片面に画像形成した用紙を反転させて再び画像形成部42に送る両面処理用の搬送路41b等を備えている。
画像形成部42は、露光により表面に画像パターンが形成される感光ドラム42aと、画像データに基づいて感光ドラム42aの表面に露光走査を行うレーザユニット42bと、用紙にトナーを転写する転写装置42cと、感光ドラム42aの表面にトナーを供給する現像装置42dと、等を有し、用紙を感光ドラム42aと転写装置42cとの間に通すことで感光ドラム42aに形成された像で用紙にトナーが転写されるようになっている。
また、プリンター部40には、露光処理を行う上記レーザユニット42bのレーザダイオード(LD)401や、画像形成処理に関する制御処理を行うプリンター制御部402が備わっている。
【0024】
給紙機構50は、例えば、用紙種やサイズの異なる複数種類の用紙を収容してそれぞれ独立して給紙を行う複数の給紙トレイ51〜53と、大量の用紙を収容して給紙を行う給紙ユニット54等を備えている。
【0025】
排紙機構60は、画像形成された用紙を大量に収容可能な3つのスタッカー(第1スタッカー,第2スタッカー,第3スタッカー)60A,60B,60Cが接続されることで構成されている。なお、画像形成部42に近い方から順に、第1スタッカー60A、第2スタッカー60B、第3スタッカー60Cという。また、図2では、2台目及び3台目のスタッカー60B,60Cの各部の構成については省略している。
【0026】
3つのスタッカー60A,60B,60Cは、それぞれ、画像形成されて排紙された用紙を積み重ねた状態で大量に収容可能な排紙部61を備えている。
排紙部61には、モータ、ベルト又はワイヤ等からなる駆動手段(図示省略)により昇降される昇降部材68Aと、昇降部材68A上に載置されて排紙部61内を昇降移動するステージ(積載部)68と、ステージ68の下方に配され、当該ステージ68を排紙部61から取り出し可能とする搬送台車68Bと、排紙部61の前面に備えられ、排紙部61の内部を閉ざすドア61A(図4参照)と等を備えて構成される。
【0027】
また、3つのスタッカー60A,60B,60Cは、外部に露出され画像形成された用紙が目視可能な状態で排紙される排紙トレイ62と、プリンター部40から送られてきた用紙を排紙部61や排紙トレイ62へと送る搬送路63a〜63cと、これら搬送路63a〜63cでの用紙の送り先を切り換える切換片64,65と、画像形成処理の途中で排紙部61内に積み重ねられた用紙を取り出すための取出ボタン66と、排紙トレイ62への用紙の排出を検出する排紙センサ67と、ドア61Aの開放を検出するドアセンサ601と、用紙の送り先を切り換える為に切換片64,65をそれぞれ独立して回動させる切換アクチュエーター602と、ステージ68上に積み重ねられた用紙が上限に達したことを検出する用紙上限センサ603と、ステージ68が下限位置に達したことを検出するステージ下限センサ604と、ステージ68が上限位置に達したことを検出するステージ上限センサ605と、後段の排紙機構60へ用紙を排出したことを検出する排紙センサ606と、排紙機構60の処理を統括的に制御するスタッカー制御部607等を備えている。
また、切換片64,65、切換アクチュエーター602、及びスタッカー制御部607は切換部を構成し、切換アクチュエーター602はスタッカー制御部607の制御により切換片64,65を回動し、切換片64,65が搬送路63b,63cのいずれか一方を妨げることで他方に用紙が誘導されるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態のように複数のスタッカーが接続される場合には、1台目のスタッカー60(第1スタッカー60A)のスタッカー制御部607がプリンター部40のプリンター制御部402とシリアル通信可能に接続されて、両者の処理の同期制御等が図られるようにされ、2台目のスタッカー60(第2スタッカー60B)のスタッカー制御部607が、第1スタッカー60Aのスタッカー制御部607と、3台目のスタッカー60(第3スタッカー60C)のスタッカー制御部607とそれぞれシリアル通信可能に接続されて、スタッカーそれぞれの処理の同期制御等が図られるようになっている。
【0029】
ここで、図3、4を参照して、スタッカーの機能について説明図する。
【0030】
上記の画像形成処理において画像形成がなされて連続的にスタッカーの排紙部61へ送られてくる用紙は、排紙部61の内部で次のように処理される。
すなわち、図3(a)に示すように、画像形成処理の開始時、用紙がない状態では、ステージ68が上限位置まで上昇した状態にされている。ここで、排紙部61のドア61Aは閉じた状態にされ、外部から排紙部61の内部は見えづらい状態となる。
【0031】
この状態で、画像形成された用紙がプリンター部40から送られてくると、この用紙が搬送路63aにより搬送されて、切換片64の誘導により排紙部61の内部へ送られる。そして、この用紙がステージ68の上に積み重ねられる。このような処理が繰り返されて、ステージ68の上に複数の用紙が積み重ねられていくと、図3(b)に示すように、用紙上限センサ603のセンサ出力に基づき昇降部材68Aが駆動し、最上段の用紙の位置がほぼ一定の位置に保たれるようにステージ68が下降していく。そして、図3(c)に示すように、画像形成された多数の用紙がステージ68上に積み重ねられていく。
【0032】
また、排紙部61から画像形成された用紙を取り出したいときには、ユーザーは取出ボタン66を押下する。取出ボタン66を押下すると、図3(d)に示すように、昇降部材68A上に載置された状態で下降したステージ68は、搬送台車68Bの上面に当接して搬送台車68Bに搭載される。昇降部材68Aは、駆動手段により更に下降し、ステージ68の保持を解除して停止するので、ユーザーは、この状態でスタッカー60のドア61Aを開けて搬送台車68Bを引き出すことで、排紙部61内部から搬送台車68B上に搭載されたステージ68ごと画像形成された用紙を取り出すことが出来る(図4参照)。
そして、図3(e)に示すように、用紙を取り出した後、ステージ68及び搬送台車68Bを再び挿入してドア61Aが閉められると、ドア閉のセンサ信号に基づき、再び、図3(a)に示すように、昇降部材68Aによりステージ68が上昇される。
【0033】
インターフェース部70には、例えばLAN(Local Area Network)に接続してデータの送受信を行う通信インターフェース(通信IF)701と、通信インターフェース701を介して外部端末から受信した画像データを一次的に記憶するメモリ702と、メモリ702へデータの読み書きを行ったり画像処理部80との間でバス90を介してデータの入出力を行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC704と、インターフェース部70の全体的な制御を行う通信制御部703等が設けられている。
【0034】
また、画像処理部80には、スキャナー部22のイメージセンサー23から送られてくる読み取り信号を受信して画像データに変換する読み取り処理部801と、読み取った画像データを圧縮処理する圧縮IC802と、画像データを記憶する画像メモリ803と、画像メモリ803の記憶領域のうち圧縮した画像データを格納するために設定された圧縮画像データ格納用の記憶領域804と、外部端末から送られてくる非圧縮の画像データを一次的に格納するために設定された非圧縮画像データ格納用の記憶領域805と、画像メモリ803へのデータの読み書きの制御を行うメモリ制御部806と、圧縮された画像データを伸張処理する伸張IC807と、伸張された画像データに基づいて画像形成用の信号をプリンター部40のレーザダイオード401に出力する書き込み処理部808と、各種の設定データ等が格納される不揮発性メモリ810と、排紙機構60に関する設定データ等が格納される不揮発性メモリ811と、スキャナー部22、表示操作部30、プリンター部40に各々設けられたスキャナー制御部221,入力制御部303,プリンター制御部402とシリアル通信を行って各部との同期制御等を行う制御部809等が設けられている。
【0035】
上記のように構成された画像形成装置1の処理動作として、画像データの入力処理、画像形成処理、及び排紙順決定処理について順に説明する。
【0036】
[画像データの入力処理]
画像データの入力処理には、画像読取部20を用いて原稿の画像を読み取る方法と、インターフェース部70を介して外部端末から画像データを送信する方法と2種類がある。
【0037】
画像読取部20を用いた画像データ入力処理では、先ず、ユーザーがADF21を用いて原稿を送ったりプラテンガラスの上に原稿を置いてスキャナー部22を作動させたりすることで、イメージセンサー23によりこの原稿の画像が画像信号として取り込まれる。そして、この画像信号が読み取り処理部801で画像データに変換され、次いで、圧縮IC802で圧縮処理されて、メモリ制御部806を介して画像メモリ803の記憶領域804に格納される。
【0038】
インターフェース部70を用いた画像データ入力処理では、先ず、外部端末から送られてきた画像データを通信インターフェース701を介して受信し、DRAM制御IC704を介してインターフェース部70のメモリ702に一時記憶する。次に、インターフェース部70のDRAM制御IC704、バス90、画像処理部80のメモリ制御部806を介して、この画像データが画像メモリ803の記憶領域805に転送され、次いで、この転送された画像データをメモリ制御部806を介して圧縮IC802に送って圧縮処理にかける。そして、圧縮された画像データが再びメモリ制御部806を介して画像メモリ803の記憶領域804に格納される。
【0039】
[画像形成処理]
1ページ分の画像形成処理は、次のように実行される。すなわち、先ず、メモリ制御部806により用紙上に転写する画像データが画像メモリ803の記憶領域804から読み出されて伸張IC807に送られる。そして、伸張IC807で画像データが伸張されて書き込み処理部808に送られる。書き込み処理部808はこの画像データに基づき所定のタイミングでレーザダイオード401に画像信号を送って、レーザダイオード401から画像データに基づくレーザ出力が感光ドラム42aに対して行われ、画像データに基づく露光パターンが感光ドラム42aの表面に形成され、感光ドラム42aには、現像装置42dからトナーが供給される。また、これらの処理と同時並行的に、プリンター部40のプリンター制御部402が図示しない駆動モータを回転させることで搬送路41,41b上に用紙を搬送し、露光された感光ドラム42aと転写装置42cとの間に用紙を通過させる。それにより、この用紙上に画像データに基づくトナー像が形成される。次いで、この用紙が定着部43に送られて用紙上に付着されたトナーが定着され、その後、この用紙が排紙機構60へと送られる。そして、このような処理が、不揮発性メモリ810等に設定されたジョブの内容に基づいて、設定部数分繰り返し実行されていく。
【0040】
[排紙順決定処理]
排紙順決定処理は、第1スタッカー60A、第2スタッカー60B、第3スタッカー60Cの使用優先順位(用紙の排紙順)を決定する処理である。
先ず、画像形成装置1に電源が入れられた直後は、搬送台車68Bが取り出された状態のスタッカーと、ステージ68上の用紙が満載状態であるスタッカーとを除き、画像形成部42に近い順番(即ち、第1スタッカー60A、第2スタッカー60B、第3スタッカー60Cの順)に用紙の排紙順が決定される。
【0041】
そして、画像形成処理が進み、何れかのスタッカーから搬送台車68Bが引き出された場合、及び何れかのスタッカーに搬送台車68Bが装着された場合等に、3つのスタッカーの使用優先順位を決定する排紙順決定処理が実行される。
具体的には、3つのスタッカーの中で、搬送台車68Bが取り出された状態のスタッカーとステージ68上の用紙が満載状態であるスタッカーとを除いたスタッカーを、用紙を排紙可能なスタッカーであると判断し、この用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順が決定される。
「予め定められた順番」とは、具体的には、搬送台車68Bが装着された順番が挙げられる。
搬送台車68Bが装着された順番に用紙の排紙順が決定される場合、ユーザーが搬送台車68Bを装着した順番がそのままスタッカーの排紙順となるので、ユーザーにとって認識容易であるといえる。
【0042】
上記排紙順決定処理により決定された用紙の排紙順は、表示操作部30の表示部301に表示される。
【0043】
ここで、図5、6を参照して、ジョブの実行中に表示部301に表示される表示画面Aについて具体的に説明する。
【0044】
表示画面Aには、ジョブ表示領域A1、用紙トレイ表示領域A2、スタッカー状態表示領域A3等が表示される。
【0045】
ジョブ表示領域A1には、各ジョブの番号を示す「NO.」、両面印刷/片面印刷等の画像形成の条件を示す「モード」、画像形成処理中/待機中等の各ジョブの経過状況を示す「状態」、ジョブの処理時間を示す「時間(分)」、ジョブを要求したユーザーを示す「ユーザー名」が表示される。
【0046】
用紙トレイ表示領域A2には、給紙トレイ51〜53に格納されている各用紙の「サイズ」、「名称」、「坪量」、「残量」が表示される。
【0047】
スタッカー状態表示領域A3は、ユーザーが、第1スタッカー60A、第2スタッカー60B、第3スタッカー60Cに対しての優先順位(用紙の排紙順)、及び各スタッカーの状態を把握するために利用される。
具体的に、スタッカー状態表示領域A3には、画像形成装置の模式図と、各スタッカーの排紙順を示す数字と、スタッカーの状態(満載、排紙中、又は排紙可能)を示す模式図とが表示される。
図5は、2台目の第2スタッカー60Bが満載であることを示す図柄の一例である。また、図6は、2台目の第2スタッカー60Bが使用中(排紙中)であることを示す図柄の一例である。また、図5、6においては、3台目、1台目の順に排紙順が決定されていることを示している。
【0048】
なお、前記した「予め定められた排紙順」に基づいて排紙順が決定された後、ユーザーの設定変更操作により排紙順を変更することも可能である。
ここで、図7を参照して、ユーザーが第1スタッカー60A、第2スタッカー60B、第3スタッカー60Cの使用優先順位(排紙順)を変更する設定変更操作を行う場合に、表示部301に表示される設定画面Gについて具体的に説明する。
【0049】
設定画面Gには、スタッカー選択領域G1が表示されており、スタッカー選択領域G1には、例えば、第1スタッカー60Aを示す「スタッカー1」、第2スタッカー60Bを示す「スタッカー2」、第3スタッカー60Cを示す「スタッカー3」の何れかが選択可能に表示されている。
また、設定画面Gには、排紙順変更ボタンB1が表示されており、排紙順変更ボタンB1によって、「上げる」「下げる」の何れかを操作可能となっている。
ユーザーは、スタッカー選択領域G1で何れかのスタッカーを選択し、排紙順変更ボタンB1で「上げる」又は「下げる」を操作すると、選択されたスタッカーの排紙順を変更することができる。
図7は、「スタッカー2」「スタッカー3」「スタッカー1」の順に排紙順が設定されたことを示した一例である。
【0050】
上記のように、排紙順決定処理或いはユーザーによる設定変更操作により決定された用紙の排紙順に関する情報(以下、排紙順情報J2という)は、不揮発性メモリ811に格納される。
【0051】
一方、スタッカーにおける排紙部61の状態に関する情報(以下、状態情報J1)は上記不揮発メモリ811または図示しないRAMに格納される。
【0052】
状態情報J1は、以下の5段階に区分されている。
0:非装着状態(排紙部61内に搬送台車68Bが装着されていない状態)
1:装着状態(排紙部61内に搬送台車68Bが装着されている状態)
2:排紙中状態(用紙が排紙され、ステージ68が下降中の状態)
3:紙有り状態(停止したステージ68上に用紙が残っている状態)
4:満載状態(ステージ68が最下位まで下がっている状態)
【0053】
排紙順情報J2は、以下の4段階に区分されている。
0:指定無し
1:排紙順1
2:排紙順2
3:排紙順3
【0054】
状態情報J1及び排紙順情報J2は、上記した排紙順決定処理などにより書き換えられる。
図9、10に、状態情報J1及び排紙順情報J2の書き換えの一例を示す。
【0055】
図9は、あるスタッカー(ここでは第1スタッカー60A)の排紙部61から搬送台車68Bが取り出された場合の、状態情報J1及び排紙順情報J2の書き換えを示す。
【0056】
書き換え前において、3つのスタッカー60A、60B、60Cの状態情報J1及び排紙順情報J2は以下の通りである。
第1スタッカー60A「J1:1(装着状態)、J2:2(排紙順2)」
第2スタッカー60B「J1:1(装着状態)、J2:3(排紙順3)」
第3スタッカー60C「J1:1(装着状態)、J2:1(排紙順1)」
【0057】
この状態から、第1スタッカー60Aの搬送台車68Bが取り出された場合、3つのスタッカーの状態情報J1及び排紙順情報J2は、以下のように書き換えられる。
第1スタッカー60A「J1:0(非装着状態)、J2:0(指定無し)」
第2スタッカー60B「J1:1(装着状態)、J2:2(排紙順2)」
第3スタッカー60C「J1:1(装着状態)、J2:1(排紙順1)」
即ち、搬送台車68Bが取り出された状態の排紙部61を除いた他の排紙部61に対して、用紙の排紙順が決定される。
【0058】
図10は、あるスタッカー(ここでは第2スタッカー60B)の排紙部61に搬送台車68Bが装着された場合の、状態情報J1及び排紙順情報J2の書き換えを示す。
【0059】
書き換え前において、3つのスタッカーの状態情報J1及び排紙順情報J2は以下の通りである。
第1スタッカー60A「J1:1(装着状態)、J2:2(排紙順2)」
第2スタッカー60B「J1:0(非装着状態)、J2:0(指定無し)」
第3スタッカー60C「J1:1(装着状態)、J2:1(排紙順1)」
【0060】
この状態から、第2スタッカー60Bに、搬送台車68Bが装着された場合、3つのスタッカーの状態情報J1及び排紙順情報J2は、以下のように書き換えられる。
第1スタッカー60A「J1:1(装着状態)、J2:2(排紙順2)」
第2スタッカー60B「J1:1(装着状態)、J2:3(排紙順3)」
第3スタッカー60C「J1:1(装着状態)、J2:1(排紙順1)」
即ち、用紙の排紙順を、排紙部61に搬送台車68Bが装着された順番で決定される。
【0061】
次に、図11〜16を参照して、本実施の形態における画像形成装置1の動作を説明する。
【0062】
なお、以下の各処理は、画像処理部80の制御部809が、表示操作部30の入力制御部303、プリンター部40のプリンター制御部402、排紙機構60のスタッカー制御部607等と協働して実行するものである。
【0063】
[排紙順決定処理]
図11は、排紙順決定処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0064】
先ず、ステップS10において、制御部809は、第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cの何れかにおいて、搬送台車68Bが取り出されたか否かを判断し、搬送台車68Bが取り出された場合(ステップS10:YES)、続くステップS20において、搬送台車68Bが取り出された際に実行する取り出し処理(図12参照)を実行し、後述のステップS120に移行する。
【0065】
一方、上記したステップS10において、搬送台車68Bが取り出されていない場合(ステップS10:NO)、続くステップS30において、制御部809は、第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cの何れかにおいて搬送台車68Bが装着されたか否かを判断し、搬送台車68Bが装着された場合(ステップS30:YES)、続くステップS40において、搬送台車68Bが装着された際に実行する装着処理(図13参照)を実行し、後述のステップS120に移行する。
【0066】
一方、上記したステップS30において、搬送台車68Bが装着されない場合(ステップS30:NO)、続くステップS50において、制御部809は、第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cの何れかにおいて排紙部61が満載になったか否かを判断し、排紙部61が満載になった場合(ステップS50:YES)、続くステップS60において、満載になったスタッカーが第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cのどれであるかを検索する満載スタッカー検索処理(図14参照)を実行し、後述のステップS70に移行する。
【0067】
次いで、ステップS70において、制御部809は、上記ステップS60により満載になったスタッカーとして検索されたスタッカー(後述する満載スタッカー情報のセットされたスタッカー)について、不揮発メモリ811に記憶された状態情報J1を4(満載状態)とすると共に、排紙順情報J2を0(指定なし)とし、後述のステップS110に移行する。
【0068】
一方、上記したステップ50において、満載になっていないと判断した場合(ステップS50:NO)、続くステップS80において、制御部809は、スタッカーを切り替えるタイミングか否かを判断し、スタッカーを切り替えるタイミングであると判断した場合(ステップS80:YES)、続くステップS90において、切り替え先のスタッカーが第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cのどれであるかを検索する排紙スタッカー検索処理(図15参照)を実行し、後述のステップS100に移行する。
【0069】
次いで、ステップS100において、制御部809は、上記ステップS90により切り替え先のスタッカーとして検索されたスタッカー(後述する排紙スタッカー情報のセットされたスタッカー)について、不揮発メモリ811に記憶された状態情報J1を2(排紙中状態)とすると共に、排紙順情報J2を0(指定なし)とし、後述のステップS110に移行する。
【0070】
次いで、ステップS110において、制御部809は、第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60Cの用紙の排紙順を変更する排紙順変更処理(図16参照)を実行する。
【0071】
一方、上記したステップ80において、スタッカーを切り替えないと判断した場合(ステップS80:NO)、続くステップS120において、制御部809は、不揮発メモリ811に記憶された状態情報J1及び排紙順情報J2に基づいて、表示部301に用紙の排紙順の及び、各スタッカーの状態の表示を実施し、本処理を終了する。
【0072】
[取り出し処理]
図12は、図11のステップS20における取り出し処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0073】
先ず、ステップS201において、制御部809は、不揮発性メモリ811を参照し、搬送台車68Bが取り出されたスタッカーの排紙順が1位か否かを判断し、排紙順が1位である場合(ステップS201:YES)、続くステップS202において、搬送台車68Bが取り出されたスタッカー以外のスタッカーについて、排紙順情報J2を−1する。即ち、搬送台車68Bが取り出されたスタッカー以外のスタッカーについて排紙順を1つ上げる。
【0074】
一方、搬送台車68Bが取り出されたスタッカーの排紙順が1位でない場合(ステップS201:NO)、続くステップS203において、制御部809は、前記搬送台車68Bが取り出されたスタッカーの排紙順が2位か否かを判断し、排紙順が2位でない場合(ステップS203:NO)、後述のステップS205に移行する。
【0075】
一方、搬送台車68Bが取り出されたスタッカーの排紙順が2位である場合(ステップS203:YES)、続くステップS204において、制御部809は、排紙順が3位のスタッカー(排紙順情報J2が3のスタッカー)の排紙順情報J2を−1する。即ち、排紙順が3位のスタッカーの排紙順を1つ上げる。
【0076】
次いで、ステップS205において、制御部809は、搬送台車68Bが取り出されたスタッカーについて、状態情報J1を0(非装着状態)とすると共に、排紙順情報J2を0(指定無し)として、本処理を終了する。
【0077】
[装着処理]
図13は、図11のステップS40における装着処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0078】
先ず、ステップS401において、制御部809は、不揮発性メモリ811を参照し、第1スタッカー60Aが装着状態か否かを判断し、第1スタッカー60Aが装着状態である場合(ステップS401:YES)、続くステップS402において、制御部809は、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第2スタッカー60Bの排紙順の順位より低いか否かを判断し、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第2スタッカー60Bの排紙順の順位より低くない場合(ステップS402:NO)、後述のステップS407に移行する。
【0079】
一方、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第2スタッカー60Bの排紙順の順位より低い場合(ステップS402:YES)、続くステップS403において、制御部809は、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低いか否かを判断し、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低い場合(ステップS403:YES)、続くステップS404において、第1スタッカー60Aの排紙順情報J2を+1し、後述のステップS411に移行する。
【0080】
一方、第1スタッカー60Aの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低くない場合(ステップS403:NO)、続くステップS405において、制御部809は、第3スタッカー60Cの排紙順情報J2を+1し、後述のステップS411に移行する。
【0081】
また、上記ステップS401において、第1スタッカー60Aが装着状態でない場合(ステップS401:NO)、続くステップS406において、制御部809は、第2スタッカー60Bが装着状態であるか否かを判断し、第2スタッカー60Bが装着状態である場合(ステップS406:YES)、続くステップS407において、第2スタッカー60Bの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低いか否かを判断する。
【0082】
そして、第2スタッカー60Bの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低くない場合(ステップS407:NO)、制御部809は、後述のステップS410に移行する一方、第2スタッカー60Bの排紙順の順位が、第3スタッカー60Cの排紙順の順位より低い場合(ステップS407:YES)、続くステップS408において、制御部809は、第2スタッカー60Bの排紙順情報J2を+1し、後述のステップS411に移行する。
【0083】
また、上記ステップS406において、第2スタッカー60Bが装着状態でない場合(ステップS406:NO)、続くステップS409において、制御部809は、第3ステッカー60Cが装着状態か否かを判断し、第3ステッカー60Cが装着状態でない場合(ステップS409:NO)、後述のステップS411に移行する。
一方、第3ステッカー60Cが装着状態である場合(ステップS409:YES)、続くステップS410において、制御部809は、第3スタッカー60Cの排紙順情報J2を+1し、後述のステップS411に移行する。
【0084】
次いで、ステップS411において、制御部809は、新たに搬送台車68Bを装着したスタッカーの状態情報J1を1(装着状態)とすると共に、排紙順情報J2を排紙順の順位が最も低くなるよう設定し、本処理を終了する。
【0085】
[満載スタッカー検索処理]
図14は、図11のステップS60における満載スタッカー検索処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0086】
先ず、ステップS601において、制御部809は、第1スタッカー60Aの用紙上限センサ603に基づき、第1スタッカー60Aが満載か否かを判断し、第1スタッカー60Aが満載であると判断した場合(ステップS601:YES)、続くステップS602において、スタッカーが満載であることを示すフラグ(満載スタッカー情報)を第1スタッカー60Aにセットし、本処理を終了する。
【0087】
一方、第1スタッカー60Aが満載でないと判断した場合(ステップS601:NO)、続くステップS603において、制御部809は、第2スタッカー60Bの用紙上限センサ603に基づき、第2スタッカー60Bが満載か否かを判断し、第2スタッカー60Bが満載であると判断した場合(ステップS603:YES)、続くステップS604において、満載スタッカー情報を第2スタッカー60Bにセットし、本処理を終了する。
【0088】
一方、第2スタッカー60Bが満載でないと判断した場合(ステップS603:NO)、続くステップS605において、制御部809は、第3スタッカー60Cの用紙上限センサ603に基づき、第3スタッカー60Cが満載か否かを判断し、第3スタッカー60Cが満載でないと判断した場合(ステップS605:NO)、本処理を終了する。
一方、第3スタッカー60Cが満載であると判断した場合(ステップS605:YES)、続くステップS66において、満載スタッカー情報を第3スタッカー60Cにセットし、本処理を終了する。
【0089】
[排紙スタッカー検索処理]
図15は、図11のステップS90における排紙スタッカー検索処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0090】
先ず、ステップS901において、制御部809は、不揮発性メモリ811を参照し、第1スタッカー60Aの排紙順が1位か否かを判断し、第1スタッカー60Aの排紙順が1位であると判断した場合(ステップS901:YES)、続くステップS902において、スタッカーが排紙中であることを示すフラグ(排紙スタッカー情報)を第1スタッカー60Aにセットし、本処理を終了する。
【0091】
第1スタッカー60Aの排紙順が1位でないと判断した場合(ステップS901:NO)、続くステップS903において、制御部809は、第2スタッカー60Bの排紙順が1位か否かを判断する。
そして、第2スタッカー60Bの排紙順が1位であると判断した場合(ステップS903:YES)、続くステップS904において、制御部809は、排紙スタッカー情報を第2スタッカー60Bにセットし、本処理を終了する。
【0092】
一方、第2スタッカー60Bの排紙順が1位でないと判断した場合(ステップS903:NO)、続くステップS905において、制御部809は、第3スタッカー60Cの排紙順が1位か否かを判断し、第3スタッカー60Cの排紙順が1位でない場合(ステップS905:NO)、本処理を終了する。
一方、第3スタッカー60Cの排紙順が1位である場合(ステップS905:YES)、続くステップS96において、制御部809は、排紙スタッカー情報を第3スタッカー60Cにセットし、本処理を終了する。
【0093】
[排紙順変更処理]
図16は、図11のステップS110における排紙順変更処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0094】
先ず、ステップS111において、制御部809は、不揮発性メモリ811を参照し、第1スタッカー60Aが装着状態か否かを判断し、第1スタッカー60Aが装着状態である場合(ステップS111:YES)、続くステップS112において、第1スタッカー60Aの排紙順情報J2を−1して、本処理を終了する。
【0095】
一方、第1スタッカー60Aが装着状態でない場合(ステップS111:NO)、続くステップS113において、制御部809は、第2スタッカー60Bが装着状態か否かを判断し、第2スタッカー60Bが装着状態である場合(ステップS113:YES)、続くステップS114において、第2スタッカー60Bの排紙順情報J2を−1して、本処理を終了する。
【0096】
一方、第2スタッカー60Bが装着状態でない場合(ステップS113:NO)、続くステップS115において、制御部809は、第3スタッカー60Cが装着状態か否かを判断し、第3スタッカー60Cが装着状態でない場合(ステップS115:NO)、本処理を終了する。
一方、第3スタッカー60Cが装着状態である場合(ステップS115:YES)、制御部809は、第3スタッカー60Cの排紙順情報J2を−1して、本処理を終了する。
【0097】
以上のように、本実施形態における画像形成装置1によれば、3つのスタッカー60A,60B,60Cのうち、用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順が決定される。
このため、次に排紙されるスタッカーを容易に認識することができる。
【0098】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、用紙を排紙可能なスタッカーとは、搬送台車68Bが取り出された状態のスタッカーを除いたスタッカーである。
このため、搬送台車68Bが取り出された状態のスタッカーを除いて、用紙の排紙順が決定されるので、効率よく排紙順を決定することができる。
【0099】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、用紙を排紙可能なスタッカーとは、積載部68上の用紙が満載状態であるスタッカーを除いたスタッカーである。
このため、積載部68上の用紙が満載状態であるスタッカーを除いて、用紙の排紙順が決定されるので、効率よく排紙順を決定することができる。
【0100】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、予め定められた順番とは、搬送台車68Bが装着された順番である。
このため、ユーザーが自ら搬送台車68Bを装着した順番で用紙の排紙順が決定されるため、ユーザーにとって次に排紙されるスタッカーを認識し易く、搬送台車68Bを取り出す際などの作業効率を向上させることができる。
【0101】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、ユーザーにより用紙の排紙順を設定する設定変更操作がなされた場合、当該設定変更操作に基づいた順番で用紙の排紙順が決定される。
このため、ユーザーの任意の順番で用紙の排紙順を決定されるため、ユーザーにとって次に排紙されるスタッカーを認識し易く、搬送台車68Bを取り出す際などの作業効率を向上させることができる。
【0102】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、用紙の排紙順を表示する表示部301が備えられる。
このため、次に排紙されるスタッカーをより認識し易く、作業効率を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、表示部301は、スタッカー毎(排紙部61毎)に、満載、排紙中、又は排紙可能の何れの状態であるか表示可能である。
このため、ユーザーは、各スタッカーの状態が一目瞭然に認識可能であり、作業効率をより向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態における画像形成装置1によれば、電源が入れられた直後は、搬送台車68Bが取り出された状態のスタッカーと、ステージ68上の用紙が満載状態であるスタッカーとを除き、画像形成部に近い順番に用紙の排紙順が決定される。
このため、電源が入れられた直後において、もっとも適切な用紙の排紙順が決定される。
【0105】
なお、上記実施形態においては、3つのスタッカー(第1スタッカー60A,第2スタッカー60B,第3スタッカー60C)を備えた構成を例示して説明したが、スタッカーの数は3つ以上であればこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
20 画像読取部
30 表示操作部
301 表示部
302 タッチパネル
A 表示画面
A1 ジョブ表示領域
A2 用紙トレイ表示領域
A3 スタッカー状態表示領域
G 設定画面
G1 スタッカー選択領域
B1 排紙順変更ボタン
40 プリンター部
42 画像形成部
50 給紙機構
60 排紙機構
60A 第1スタッカー
60B 第2スタッカー
60C 第2スタッカー
61 排紙部
61A ドア
68 ステージ(積載部)
68A 昇降部材
68B 搬送台車
70 インターフェース部
80 画像処理部
809 制御部
811 不揮発性メモリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を連続して用紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像形成された用紙が排紙される3つ以上のスタッカーと、
を備える画像形成装置において、
前記スタッカーの各々は、
用紙が積載される積載部と、
前記積載部の下方に配され、当該積載部を前記スタッカーから取り出し可能な搬送台車と、
を備え、
前記3つ以上のスタッカーのうち、用紙を排紙可能なスタッカーに対して予め定められた順番で用紙の排紙順を決定する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙を排紙可能なスタッカーが、前記搬送台車が取り出された状態のスタッカーを除いたスタッカーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙を排紙可能なスタッカーが、前記積載部上の用紙が満載状態であるスタッカーを除いたスタッカーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記予め定められた順番が、前記搬送台車が装着された順番であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、ユーザーにより前記用紙の排紙順を設定する設定変更操作がなされた場合、当該設定変更操作に基づいた順番で前記用紙の排紙順を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙の排紙順を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記スタッカー毎に、満載、排紙中、又は排紙可能の何れの状態であるか表示可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
電源が入れられた直後は、前記搬送台車が取り出された状態のスタッカーと、前記積載部上の用紙が満載状態であるスタッカーとを除いたスタッカーに対して、前記画像形成部に近い順番に前記用紙の排紙順を決定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−63542(P2013−63542A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202716(P2011−202716)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】