説明

画像復号方法、画像復号装置、画像符号化方法及び画像符号化装置

【課題】処理対象画像データの特徴に応じて可変長符号化による圧縮効率を向上する。
【解決手段】量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報(MBTyp、CBPL)を格納する統計情報格納メモリ(212)と、前記統計情報格納メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部(213)と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部(205)と、を備える。前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し(S3005)、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて(S3006)、可変長符号表を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を符号化・復号する方法及びその方法を適用した装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データに対する可変長符号化(エントロピー符号化)は、量子化されたデータに符号を割当てるとき、出現頻度の高い値には短い符号を割当て、出現頻度の低い符号には長い符号を割当てることによって、平均的な符号長を短くして、圧縮率を上げるための一つの方式である。
【0003】
H.264/AVC規格ではエントロピー符号化の方法として、CAVLC(Context-Adaptive Variable-Length Coding)、およびCABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding)が採用されている。CAVLCは、隣接マクロブロックのDCT(Discrete Cosine Transform)係数の状態に応じて現在のマクロブロックの符号化に使用する可変長符号表を切り替える技術である。CABACは、算術符号化を用いて2値信号を符号化する技術である。
【0004】
しかしながら、これらは必ずしも情報の発生確率を考慮して符号を割り当てているわけではない。例えば、H.264/AVC規格において、マクロブロックタイプ(MBタイプ)に対する可変長符号のモード番号は予め固定的に定義されており、この定義を反映したテーブル(符号表)を用いてMBタイプの可変長符号化を行う。しかし、MBタイプの生起確率は画像サイズや量子化パラメータの状態などに応じて大きく変わるため、まれにしか出現しないMBタイプに対して短い符号が割り当てられたり、頻出するMBタイプに対して長い符号が割り当てられることもある。したがって、定義されている符号表のみで圧縮率を高められるとは限らない。これは、MBタイプに限らず、MBが非零のDCT係数を持っているかの否かを表すCBP(Coded Block Pattern)パラメータに対しても同様の課題である。
【0005】
こうした課題に適用可能な方式として、固定の可変長符号表を用いるのではなく、状況に応じて適応的に符号表を作成する方式がある。例えば、特許文献1では、画像データの所定データ単位について動きベクトルなどの情報の生起確率を求め、求めた生起確率に基づいて適応的に符号表を作成し、次の所定データ単位の画像を可変長符号化して送信する方式が提案されている。特許文献2においても生起確率に基づいて可変長符号の割り当てを行う符号化・復号技術について記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−205169号公報
【特許文献2】特開平10−322222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2に記載されている技術では、符号化の初期段階や、生起確率をリセットした直後では十分な統計長がなく、高い符号化効率を達成できるとは限らない。また、フレーム単位で情報の生起確率を求めているため、通信路の信頼度が低く情報欠損が発生した場合、その時点で正しく復号ができなくなる。また、前フレームにおける情報の生起確率に基づき、次フレームで使用する可変長符号表を生成しているため、フレーム間の相関が低い動画像、例えば動きの激しい動画像の場合は符号化効率が低下する、などといった課題のあることが本発明者によって明らかにされた。更に、生起確率を求めるための参照範囲をどのように決めるかについても圧縮効率を向上させる上で重要であることが本発明者によって見出された。
【0008】
本発明の目的は処理対象画像データの特徴に応じて可変長符号化による圧縮効率を向上することができる符号化技術、並びにそれに対応する復号技術を提供することにある。
【0009】
本発明の具体的な目的は、十分な統計長がなくても可変長符号化による圧縮効率を向上することができる符号化技術、並びにそれに対応する復号技術を提供することにある。
【0010】
本発明の別の具体的な目的は、情報欠損が発生した場合、あるいは変化の大きな画像に対しても、可変長符号化による圧縮効率を向上することができる符号化技術、並びにそれに対応する復号技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0013】
すなわち、画像符号化方法は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成し、生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う。画像復号方法は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成し、生成した可変長復号表に基づいて可変長復号を行う。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0015】
すなわち、本発明の画像符号化方法によれば処理対象画像データの特徴に応じて可変長符号化による圧縮効率を向上することができる。また、本発明の画像復号方法によれば、本発明による画像符号化方法で符号化された符号化データに対する復号を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置のブロック図である。
【図2】図2はマクロブロックタイプとモード番号が固定化されていて実際の出現頻度を考慮してモード番号が割り当てられていない比較例に係る可変長符号表に関する説明図である。
【図3】図3は図1の画像符号化装置における可変長符号表生成部の動作フローチャートである。
【図4】図4は初期ヒストグラムの説明図である。
【図5A】図5Aは周辺ブロックにおけるMBタイプの頻度分布を算出するときの参照範囲の一例を示す説明図である。
【図5B】図5Bは参照範囲における頻度分布の例を示す説明図である。
【図6】図6は参照範囲(スライス単位)の説明図である。
【図7】図7は参照範囲(ピクチャ単位)の説明図である。
【図8】図8は参照範囲(シーケンス単位)の説明図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態1に係る参照範囲設定に関する説明図である。
【図10】図10は図1の画像符号化装置で生成したMBタイプの可変長符号表の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態1に係る画像復号装置の機能ブロック図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態1において生成したCodedBlockPatternLumaの可変長符号表の説明図である。
【図13A】図13Aは本発明の実施の形態2における参照範囲の設定例1を示す説明図である。
【図13B】図13Bは本発明の実施の形態2における参照範囲の設定例2を示す説明図である。
【図13C】図13Cは本発明の実施の形態2における参照範囲の設定例3を示す説明図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態2に係る可変長符号表生成部のフローチャートである。
【図15】図15は本発明の実施の形態3に係る参照範囲設定に関する説明図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態1に係る別の画像符号化装置のブロック図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態1において生成したMBタイプとCodedBlockPatternLuma混在の可変長符号表の説明図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態3に係る可変長符号表生成部の動作フローチャートである。
【図19】図19は本発明の実施の形態1に係る符号表選択の説明図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態4に係り2つの領域間のヒストグラムの類似度に基づいて参照範囲を適応的に選択し、若しくは重み付けを行うようにするための可変長符号表生成部による処理を例示するフローチャートである。
【図21】図21は図20の処理における2つの領域間のヒストグラムの類似度判定に関する概念の説明図でさる。
【図22】図22は図20の処理に図3で説明した初期ヒストグラムを用いる処理手順を追加した処理手順を例示するフローチャートである。
【図23】図23は本発明の第5の実施の形態に係り動きベクトルの代表値に基づき参照範囲を適応的に選択し、もしくは重み付けを行うようにするための可変長符号表生成部による処理を例示するフローチャートである。
【図24】図24は本発明の第6の実施の形態に係り任意領域内の動きベクトルの代表値によって参照範囲の補正を行うための前記可変長符号表生成部による補正処理が概念的に例示される説明図である。
【図25】図25は本発明の第7の実施の形態に係り符号化済の過去フレームにおける可変長符号化の結果に基づいて特定ブロックを参照範囲として可変長符号化を行うようにするための、可変長符号化の結果としての正解率を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕<生起確率の加算更新(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。これにより、処理対象画像データの特徴に応じて可変長復号表を更新でき、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0018】
〔2〕項1の画像復号方法において、例えば前記可変長復号表生成処理は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した情報に対して、復号対象に対する影響度に応じた重み付けを行って生起確率を生成する。更なる圧縮率の向上に資することができる。
【0019】
〔3〕項1の画像復号方法において、例えば前記統計情報はマクロブロックタイプ又はコーデッド・ブロック・パターン・パラメータである。
【0020】
〔4〕項1の画像復号方法において、例えば前記可変長復号表生成処理は、復号対象ストリーム情報中のシンタックス要素で規定される参照範囲を、前記統計情報の生起確率を算出する画像データの範囲とする。これにより、情報欠損が発生した場合、あるいは変化の大きな画像に対しても、上記同様に、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0021】
〔5〕項1の画像復号方法において、例えば前記可変長復号表生成処理は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは前記所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する。これにより、十分な統計長がなくても、上記同様に、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0022】
〔6〕<可変長復号表の符号選択(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長復号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する場合に、可変長復号表に用いる符号を選択できるから、選択する符号の性質により、復号処理の側面から更なる可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0023】
〔7〕<統計長が小さいとき初期可変長復号表の使用(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。これにより、十分な統計長がなくても、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0024】
〔8〕<ヒストグラムの類似度による参照範囲決定(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、復号済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する処理である。これにより、類似度に応じて参照範囲を決定できるから、この点においても、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0025】
〔9〕<類似度小で現フレーム参照、大で過去/未来フレーム参照(復号方法)>
項8の画像復号方法において、例えば前記第2処理において、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する。圧縮率が向上された一つの形態である。
【0026】
〔10〕<生起確率の加算更新(復号方法)>
項8の画像復号方法において、例えば前記第2処理は、復号済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。
【0027】
〔11〕<動きベクトルによる参照範囲決定(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、復号済みの画像データの現フレームにおける復号対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。これにより、動きベクトルに応じて参照範囲を決定できるから、この点においても、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0028】
〔12〕
項11の画像復号方法において、前記第2処理は、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する処理である。
【0029】
〔13〕
項12の画像復号方法において、前記第2処理は、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成するものである。圧縮率が向上された一つの形態である。
【0030】
〔14〕<可変長符号化実績による参照範囲決定(復号方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号方法は可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、過去フレームにおける可変長復号対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である。可変長符号化の実績により圧縮率の高い範囲に呼応して参照範囲決定するから、上記同様に、復号処理の側面から可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0031】
〔15〕<生起確率の加算更新(復号装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0032】
〔16〕<可変長復号表の符号選択(復号装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長復号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0033】
〔17〕<統計長が小さいとき初期化変調復号表の使用(復号装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0034】
〔18〕<ヒストグラムの類似度による参照範囲決定(復号装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する。
【0035】
〔19〕<類似度小で現フレーム参照、大で過去/未来フレーム参照(復号装置)>
項18の画像復号装置において、例えば前記可変長復号表生成部は、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する。
【0036】
〔20〕<生起確率の加算更新(復号装置)>
項18の画像復号装置において、例えば前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0037】
〔21〕<動きベクトルによる参照範囲決定(復号装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの現フレームにおける復号対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0038】
〔22〕
項18の画像復号装置において、例えば前記可変長復号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する。
【0039】
〔23〕
項19の画像復号装置において、例えば 前記可変長復号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する。
【0040】
〔24〕<可変長符号化実績による参照範囲決定(復号装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像復号装置は可変長符号化されたデータを復号する装置であって、復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含む。前記可変長復号表生成部は、過去フレームにおける可変長復号対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する。
【0041】
〔25〕<生起確率の加算更新(符号化方法)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化方法(図3)は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する化方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し(S3005)、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて(S3006)、可変長符号表を生成する処理である。これにより、処理対象画像データの特徴に応じて可変長復号表を更新でき、可変長符号化による圧縮効率向上に資することができる。
【0042】
〔26〕<可変長符号表の符号選択(符号化方法)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化方法(図19)は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する化方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長符号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である。統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する場合に、可変長符号表に用いる符号を選択できるから、選択する符号の性質により、更なる可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0043】
〔27〕<統計長が小さいとき初期可変長符号表の使用(符号化方法)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化方法(図14)は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し(S4002)、前記統計長を満たさないときは所定の可変長符号表を選択して使用可能とし(S4003)、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する(S4004,S4005)処理である。十分な統計長がなくても、可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0044】
〔28〕<ヒストグラムの類似度による参照範囲決定(符号化方法)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化方法(図20)は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、符号化済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する処理である。これにより、類似度に応じて参照範囲を決定できるから、この点においても、可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0045】
〔29〕<類似度小で現フレーム参照、大で過去/未来フレーム参照(符号化方法)>
項28の符号化方法において、前記第2処理では、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する。
【0046】
〔30〕<生起確率の加算更新(符号化方法)>
項28の符号化方法において、前記第2処理では、符号化済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理を行なう(図22)。
【0047】
〔31〕<動きベクトルによる参照範囲決定(符号化方法)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化方法(図23)は量子化されたデータを符号化する方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、符号化済みの画像データの現フレームにおける符号化対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である。これにより、動きベクトルに応じて参照範囲を決定できるから、この点においても、可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0048】
〔32〕
項31の画像符号化方法において、前記第2処理では、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する。
【0049】
〔33〕
項31の画像符号化方法において、前記第2処理では、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する(図24)。
【0050】
〔34〕<可変長符号化実績による参照範囲決定(符号化方法)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化方法(図25)は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する方法であって、符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含む。前記第2処理は、過去フレームにおける可変長符号化対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である。可変長符号化の実績により圧縮率の高い範囲に呼応して参照範囲決定するから、可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0051】
〔35〕<生起確率の加算更新(符号化装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報(MBT、CBPL)を格納するメモリ(212)と、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部(213)と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部(205)と、を含む。前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し(S3005)、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて(S3006)、可変長符号表を生成する処理である。これにより、処理対象画像データの特徴に応じて可変長符号化による圧縮効率を向上することができる。
【0052】
〔36〕<可変長符号表の符号選択(符号化装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含む。前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長符号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である。統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する場合に、可変長符号表に用いる符号を選択できるから、選択する符号の性質により、更なる可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0053】
〔37〕<統計長が小さいとき初期可変長符号表の使用(符号化装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化と、を含む。前記可変長符号表生成部は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し(S4002)、前記統計長を満たさないときは所定の可変長符号表を選択して使用可能とし(S4003)、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する(S4004,S4005)。十分な統計長がなくても、可変長符号化による圧縮効率の向上に資することができる。
【0054】
〔38〕<ヒストグラムの類似度による参照範囲決定(符号化装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化と、を含む。前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する。
【0055】
〔39〕<類似度小で現フレーム参照、大で過去/未来フレーム参照(符号化装置)>
項38の符号化装置において前記可変長符号表生成部は、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する。
【0056】
〔40〕<生起確率の加算更新(符号化装置)>
項38の符号化装置において前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理を行なう。
【0057】
〔41〕<動きベクトルによる参照範囲決定(符号化装置)>
本発明の代表的な実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含む。前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの現フレームにおける符号化対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する。
【0058】
〔42〕
項41の符号化装置において前記可変長符号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する。
【0059】
〔43〕
項41の符号化装置において前記可変長符号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する。
【0060】
〔44〕<可変長符号化実績による参照範囲決定(符号化装置)>
本発明の代表的な別の実施の形態に係る画像符号化装置は量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する装置であって、符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含む。前記可変長符号表生成部は、過去フレームにおける可変長符号化対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する。
【0061】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0062】
《実施の形態1》
図1は、本発明に係る画像符号化装置の一例を示すブロック図である。同図に示される画像符号化装置は、原画像メモリ201、減算器202、直交変換部203、量子化部204、可変長符号化部205、逆量子化部206、逆直交変換部207、加算器208、フレームメモリ209、予測部210、予測モード選択部211、統計情報格納メモリ212、可変長符号表生成部213を備える。
【0063】
原画像メモリ201は、原画像フレームのデータを一時的にバッファリングする。減算器202は、原画像と予測画像との差分を取り、差分画像を作成する。直交変換部203は、DCTなどの直交変換手法を用いて、減算器202が作成した差分画像を直交変換係数に変換する。量子化部204は、直交変換係数を量子化し、量子化係数を出力する。可変長符号化部205は、ハフマン符号や算術符号などを用いて、量子化部204が出力した量子化係数と、予測モード選択部211が出力した予測モードなどを符号化し、画像圧縮情報として出力する。逆量子化部206は、量子化部204が出力した量子化係数を逆量子化する。逆直交変換部207は、逆量子化部206が出力した逆量子化係数を逆直交変換する。加算器208は、逆直交変換部207が出力した差分画像と、予測モード選択部211が出力する予測画像を加算し、ローカルデコード画像を出力する。フレームメモリ209は、加算器208が作成したローカルデコード画像を格納する。予測部210は、フレームメモリ209に格納されているローカルデコード画像を用いて予測を行う。予測モード選択部211は、最も予測効率の高い予測モードを1つ選択し、その予測モードと予測画像を出力する。統計情報格納メモリ212は、予測モード選択部211が出力する予測モードを参照し、符号化対象ブロックのMBタイプ(MBT)をブロックのアドレス別に格納する。可変長符号表生成部213は、統計情報格納メモリ212に格納されている符号化済みマクロブロック(MB)のMBタイプを用いてMBタイプのヒストグラムを適当な範囲で作成し、初期ヒストグラムに加算した後、生起確率が高い順に短い符号を割り当てることで、好適な可変長符号表を生成する。前記ヒストグラムを作成するとときに参照する範囲とその範囲で参照するMBタイプは可変に設定され、また、作成されたヒストグラムは初期ヒストグラムを出発点として加算されて更新される。可変長符号化部205は生成された可変長符号表を用いて、予測モード選択部から出力される予測モードであるマクロブロックタイプを符号化する。
【0064】
可変長符号表を生成する際に、H.264規格で用いられている指数ゴロム以外の符号を用いることで圧縮率を高めることができる。例えば、図19に示すように、小さいモード番号ではできるだけ短い符号語を割り当てるが、大きいモード番号では急激に長い符号語となる符号表Aを用いる。または、小さいモード番号ではやや長めの符号語を割り当てるが、大きいモード番号でもそれほど長い符号語とならない符号表Cを用いる。または符号表Aと符号表Cの中間的な特性を持つ符号表Bを用いる。このように、いくつかの符号表を定義しておき、MBタイプの生起確率の分布に応じて適切な符号表を選択することで、圧縮率をさらに高めることができる。適切な符号表を選択する方法としては、上位1位と2位のモードが全出現モードに占める割合を計算し、割合が閾値A以上であれば符号表Aを用いる、閾値C以下であれば符号表Cを用いる、閾値A以下かつ閾値C以上であれば符号表Bを用いる、などが挙げられる。また、符号表A〜Cを用いて各モードの符号語を作成し、生起確率を勘案して平均符号長の期待値が最も小さくなる符号表を選択してもよい。この方法以外の処理によって、適切な符号表を選択しても構わないし、先見的な知識によって使用する符号表を事前に規定しておいても構わない。要するに、ヒストグラムに基づいて符号表を生成するとき、生起確率が高い順に短い符号を割り当てる場合に、どの様な特性若しくは傾向とする符号を用いるかを選択して可変長符号表を生成する。例えば符号表Bとして指数ゴロム符号を採用し、符号表Aおよび符号表Cとして図19に示すような特性を有する符号を採用することができる。
【0065】
図3は前記可変長符号表生成部213の処理流れである。まず、ヒストグラム作成のための参照範囲内において、利用可能なMBタイプを選択する(S3001)。例えば、参照範囲に含まれるスライスタイプに基づき、参照範囲内で利用可能なMBタイプのみを有効なモードとみなし、ヒストグラム作成のためのベーステーブルを作成する。ここで、参照範囲は、例えば図5Aに示すように、現在の符号化対象ブロックの周辺を参照するように事前に決めておく。ほかにも、スライス単位(図6)、ピクチャ単位(図7)、シーケンス単位(図8)を参照するように設定しておいても構わない。図5Bには図5Aの参照範囲におけるMBタイプの頻度分布の例が示される。特に図示はしないが、ステップS3001の前で、指定された参照範囲を把握する。次に、初期ヒストグラムが設定されているか否かを判定する(S3002)。初期ヒストグラムとは、図4に示すように、各MBタイプの生起確率に対してオフセットを与えられるものである。初期ヒストグラムが設定されていなければ、適切な初期ヒストグラムを選択する(S3003)。選択の方法としては、画面サイズや初期量子化値などとの関係から一意に初期ヒストグラムを決定する表を事前に定義しておき、この表を利用して符号化パラメーラに基づいて初期ヒストグラムを選択すればよい。ステップS3003で選択した初期ヒストグラムにおいて有効とみなしたMBタイプのみを対象に、生起確率が高い順に短い符号を割り当てることで、可変長符号表を生成する(S3006)。初期ヒストグラムを用いることによって、一般的に出現しやすいMBタイプに対して重みを上げることができるため、先見的な知識と現在の符号化状況の統計の両者を考慮して、効果的に符号化することができる。
【0066】
一度初期ヒストグラムを設定した後は、符号化が進むたびに初期ヒストグラムを更新する。まず、参照範囲におけるMBタイプのヒストグラムを作成する(S3004)。次に、ステップS3004で求めた頻度を初期ヒストグラムに加算し、初期ヒストグラムを更新する(S3005)。最後に、上記手順によって選択・更新したヒストグラムのうち、有効なMBタイプに対して、生起確率が高い順に短い符号を割り当てることで、好適な可変長符号表を生成する(S3006)。符号化が進んだ際は、そのたびに参照範囲におけるヒストグラムを作成し、これをS3003で設定した初期ヒストグラムに加算して、同様の手順によって可変長符号表を生成する。なお、生起確率が同じ場合は、初期ヒストグラムの頻度に基づき符号を割り当てるか、割り当ての順序を記述した表に基づき符号を割り当てればよい。
【0067】
前記ヒストグラム作成方法に関し、参照範囲におけるMBタイプには重要度に応じた重みを設定することもできる。例えば、数式1のように、符号化対象ブロックからの距離に応じて重みが小さくなる関数を用いて、ヒストグラムを作成してもよい。
【0068】
【数1】

【0069】
ここで、x0、y0、t0は符号化対象ブロックの3次元位置、x、y、tは参照範囲におけるブロックの3次元位置、aは重みを調整するパラメータである。または図9に示すように、符号化対象ブロックを中心に、距離に応じてコストが小さくなるフィルタを時空間方向に適用して重みを設定してもかまわない。図9では符号化対象ブロックの重みを5とすると、その周りのブロックにはそれよりも小さな重み1は又3が与えられている。このように重要度に応じた重み付け、即ち、符号化対象MBに対する影響度に応じた重み付けを行うことで、符号化対象ブロックで出現しやすいであろうMBタイプがより適切に予測できるため、さらに圧縮率を高めることができる。
【0070】
図10は本実施の形態に係る可変長符号化技術により生成した可変長符号表の例である。図2にはマクロブロックタイプとモード番号が固定化されていて実際の出現頻度を考慮せずにモード番号が割り当てられた比較例に係る可変長符号表であり、H.264規格を想定してMBタイプの割り当てを記述したものである。図10の場合には、出現頻度の高い順に小さいモード番号と短い符号を割り当てているため、圧縮率を高めることができる。図10において「(従来)」と記載された欄は図2による割り当てを示し、「(統計情報を考慮)」と記載された欄が本発明による割り当てを示すものである。
【0071】
なお、図10に示したMBタイプは、H.264規格のものを想定して記述したが、規格に定義されていないその他のMBタイプを含めても構わない。また、H.264規格では独立して符号化されているスキップ(skip)モードを可変長符号表に含めても構わない。もしくは、スキップ(skip)モードに対して符号化を行う際は、H.264と同様にスキップ(skip)モードを個別に符号化してもよい。この際、連続していくつのスキップ(skip)マクロブロックが存在しているかを規定するシンタックス要素であるmb_skip_runに対して、指数ゴロム以外の符号を用いて符号化を行っても構わない。
【0072】
図11は本発明による画像復号装置の構成を例示する。画像復号装置は、可変長復号部1101、統計情報格納メモリ1102、可変長符号表生成部1103、逆量子化部1104、逆直交変換部1105、加算器1106、フレームメモリ1107、及び予測画像生成部1108を備える。
【0073】
可変長復号部1101は、伝送されてきた画像圧縮情報を復号する。統計情報格納メモリ1102は、MBタイプ(MBT)をブロックのアドレス別に格納する。可変長復号表生成部1103は、統計情報格納メモリ1102に格納されている復号済みのMBタイプの生起確率を参照範囲内で求め、初期ヒストグラムに加算した後、有効なMBタイプに対して生起確率が高い順に短い符号を割り当てることで、好適な可変長復号表を生成する。この生成手順には、図3等に基づいて説明した前記画像符号化装置における処理フローと同様の手順を採用すればよいから、その詳細な説明は省略する。逆量子化部1104は、量子化係数を逆量子化する。逆直交変換部1105は、逆量子化部1104が出力した逆量子化係数を逆直交変換する。加算器1106は、逆直交変換部1105が出力した差分画像と、予測画像生成部1108が出力する予測画像を加算し、復号画像を出力する。フレームメモリ1107は復号画像を格納する。予測画像生成部1108は、フレームメモリ1107に格納されている復号画像と、可変長復号部1103が出力したMBタイプに基づき、予測画像を生成する。
【0074】
以上の説明ではMBタイプを例にとったが、Coded Block Pattern(CBP)パラメータを可変長符号化する際も同様の方法を適用して圧縮率を高めることができる。例えば、CodedBlockPatternLumaを可変長符号化することを考える。ここで、CodedBlockPatternLumaは1マクロブロックにおける輝度成分のDCT係数の分布を4ビットで表すものとする。図16は、CodedBlockPatternLumaの生起確率に基づき可変長符号表を生成する、画像符号化装置の構成の一例である。図1に類似した構成となっているが、量子化部204がCodedBlockPatternLuma(CBPL)の情報を出力し、可変長符号化部213にてCodedBlockPatternLumaの可変長符号表を生成している点が異なる。図12はここで説明した方式によってCodedBlockPatternLumaの可変長符号表を作成した例である。16パターンの符号に対して本方式を適用することにより、生起確率に応じて好適な符号を割り当てることができる。図12において「(従来)」と記載された欄は生起確率を用いない既存の割り当てを示し、「(統計情報を考慮)」と記載された欄が本発明による割り当てを示すものである。
【0075】
上記については、CodedBlockPatternLuma だけではなく、CodedBlockPatternChromaに対しても同様である。また、図17に示すように、MBタイプとCodedBlockPatternLumaを同一の可変長符号表で定義するものとして、上記方式によってMBタイプとCodedBlockPatternLuma混在の可変長符号表を生成しても構わない。なお、上記の例では1マクロブロックの輝度成分の係数分布を4ビットで表したが、輝度成分と色差成分を合わせて表現しても良い。また1マクロブロックの成分ではなく、数マクロブロックをまとめて表現しても構わない。
【0076】
以上説明した実施の形態1では、MBタイプやCBPパラメータの生起確率に基づく適応的な可変長符号化が可能となり、圧縮率を高めることができる。また、符号化装置と復号装置で同様の可変長符号表・復号表生成処理を行うことで、伝送時に余分な付加情報を送る必要が無く、圧縮率を高めることができる。また、画像サイズや量子化パラメータに基づき初期ヒストグラムを選択するため、統計長が足りない符号化初期段階でも、高い圧縮率を得ることができる。また、ヒストグラムに基づいて可変長符号表を生成する際、生起確率の分布傾向に基づき、適切な符号語を選択することで、圧縮率を高めることができる。また、ヒストグラム作成時に重要度に応じた重みを設定することによって、より画像の性質に合わせた可変長符号表を生成することができる。可変長符号化で説明した上記技術的事項については可変長復号の処理にも同様に適用することが可能であることは言うまでもない。
【0077】
《実施の形態2》
可変長符号化・復号に際して用いるパラメータ、例えば前記ヒストグラム生成のための参照範囲などのパラメータを指定する方法について幾つか説明する。図1の可変長符号化部205において生成され、また図11の可変長復号部1101において復号される符号化ストリーム情報の記述に着眼して説明する。図13は当該符号化ストリームを模式化したものである。図に示されるように、符号化ストリームは、シーケンスヘッダ、ピクチャヘッダ、スライスヘッダなどのヘッダ情報と、スライスデータなどの画像情報からなる。ここでは、実施の形態1における参照範囲に関する情報を、上記ヘッダ情報に含める。
【0078】
例えばシーケンスヘッダで、可変長符号表生成処理部213において、事象の生起確率を算出する範囲を規定する参照単位(vlc_reference_unit)を定義する。vlc_reference_unitとは、参照範囲が周辺単位なのか、スライス単位なのか、ピクチャ単位なのか、シーケンス単位なのか、あるいはそれ以外の単位なのかを判定するシンタックス要素である。
【0079】
このほか、詳細な参照範囲を規定する参照範囲幅(vlc_reference_range)を定義する。周辺単位を参照範囲とする図5Aの例では、符号化対象ブロックからのブロック幅を示すvlc_reference_block_rangeを定義する。例えば、vlc_reference_block_range=5であれば、符号化対象ブロックを中心として、横11ブロック×縦6ブロックの矩形を参照範囲とする。符号化対象ブロックの下側全てのブロック、および符号化対象ブロックの右側5ブロックはまだ符号化されていないため、参照範囲には含めない。vlc_reference_block_rangeは上下左右に対して可変とし、符号化対象ブロックからの参照範囲幅をvlc_reference_block_range_left、 vlc_reference_block_range_top、 vlc_reference_block_range_rightのように自由な矩形に設定してもよい。図6および図7の例では、スライス単位の参照範囲幅vlc_reference_slice_rangeやピクチャ単位の参照範囲、図8の例ではシーケンス単位の参照範囲幅vlc_reference_seqence_rangeなどを定義する。この他にも、任意形状の参照範囲を規定するvlc_reference_arbitrary_shape_rangeを設けても良い。vlc_reference_arbitrary_shape_rangeは、ブロック番号や画素番号の羅列でもよいし、ベジエなどのパラメトリック曲線を利用した係数によって任意形状を規定しても構わない。このほか、初期ヒストグラムの更新のタイミングを示すリセットパラメタ(vlc_reset_param)を定義する。例えば、15フレームごとに初期ヒストグラムを更新するといったパラメータを設定しておく。
【0080】
以上、これらのパラメータは図13Aが示す参照範囲設定例のようにシーケンスヘッダに含めて符号化対象のシーケンス全体で同じ設定を継承してもよいし、図13Bや図13Cのように、ピクチャヘッダやスライスヘッダに個別に含めて、それぞれのレイヤでこれらの設定を可変にしても構わない。パラメータの有効範囲を可変とすることによって、動画像の特徴に応じた参照範囲設定が可能となるため、圧縮率を高めることができる。
【0081】
実施の形態1で図1に基づいて説明した可変長符号表生成部213の処理としては、初期ヒストグラムを選択・更新するのではなく、図14に示すように、統計長が足りない間は初期の可変長符号表を用いるような手順を採用してもよい。
【0082】
図14において、まずは参照範囲において利用可能なMBタイプを設定する(S4001)。次に、上記シンタックス要素に設定された統計長を十分に満足できるか否かを判定する(S4002)。例えば、参照範囲としてピクチャ単位と指定されているとき参照可能な統計情報がその参照範囲で揃っているか否かを判定する。もし統計長が十分でなければ、事前に定義された可変長符号表を選択する(S4003)。選択の基準は、実施の形態1と同様に画像サイズや量子化パラメータを用いればよい。統計長が十分であれば、参照範囲におけるMBタイプのヒストグラムを作成する(S4004)。最後に、求めたヒストグラムに対して、生起確率が高い順に短い符号を割り当てることで、可変長符号表を生成する(S4005)。ここで、初期ヒストグラムを用いていないため、頻度が同点となるMBタイプが発生する可能性が高くなる。頻度が同点となった場合、ステップS4003の基準で可変長符号表を選択し、このテーブルに定義されているモード番号の小さい順に短い符号を割り当てればよい。
【0083】
なお、可変長符号表生成部213の処理は、図14の処理を用いても良いし、実施の形態1で説明した図3の処理を用いても良い。或いは、いずれの処理も使用せず、十分な統計長が確保できるまで待ってから可変長符号化を行ってもよい。
【0084】
また、図14のステップS4004、S4005の処理を、図3のステップS3002、S3003、S3004、S3005、S3006に置き換えることも可能である。
【0085】
以上説明した実施の形態2では、想定するアプリケーションに応じて、ユーザが適切な参照範囲で適応的に可変長符号化を行うことができる。すなわち、通信路の信頼性に応じたエラー耐性を自由に設定することができる。また、初期ヒストグラムと統計情報を併用して可変長符号表を作成しないため、より符号化対象画像の特性に重みを置いた可変長符号表を作成することができる。
【0086】
なお、実施の形態2で説明した内容は、可変長復号表生成部1103の処理に関しても同様に適用可能である。
【0087】
《実施の形態3》
上記実施の形態1で述べたMBタイプは、画像中の類似するブロックでは同じタイプとなることが多い。これはCBPパラメータでも同様である。したがって、図15に示すように、参照領域内において符号化対象ブロックと類似する領域を抽出しておき、類似度の高い領域は重みを上げ、それ以外の領域は重みを下げるようにして、ヒストグラムを作成することで、より圧縮効率の高い可変長符号表を作成することができる。図18に重み付きヒストグラムに基づく可変長符号表の生成フローを示す。本処理は、図3に基づいて説明した処理をベースとしており、変更部分以外は図3と同じ参照記号を付してある。図18において、S18003で符号化対象ブロックと類似する領域を判定する。類似する領域を判定するには、たとえば既に符号化済みのローカルデコード画像を用いて符号化対象ブロックと類似度判定の対象ブロックとのSAD(Sum of Absolute Difference)または、SSD(Sum of Square Difference)を求め、任意の閾値以下の値を類似領域として判定すればよい。また、それ以外にもブロック同士の類似度を算出する基準ならどのような手法を用いても構わない。そのほかにも、動きベクトルの差分の大きさや量子化パラメータの差分を基準として、類似領域を判定してもよい。類似領域を判定した後、MBタイプの重み付きヒストグラムを作成する(S18004)。
【0088】
なお、符号化装置で類似領域を判定した後、復号装置に類似領域の情報を送る必要がある。この方法としては、類似領域のブロックアドレスを直接送ってもよいし、類似領域を大まかな矩形領域に近似し、矩形の始点と高さ・幅情報のみを送ってもよい。また、領域情報を記述するそのほかの方法を使っても構わない。
【0089】
類似領域の情報を受け取った後、符号化装置と同様の処理を復号装置が行うことで、復号装置においても同一の可変長符号表を生成することができる。
【0090】
以上説明した実施の形態3では、符号化対象ブロックに類似する領域に対して重みを上げることで、符号化対象ブロックの情報に対してより短い符号が割り当てられる可能性が高くなり、圧縮率を高めることができる。
【0091】
《実施の形態4》
図20乃至図22を用いて本発明の第4の実施の形態を説明する。上記実施の形態1乃至3において、ヒストグラム生成のための参照範囲については特に固定的に言及しなかった。本実施の形態では2つの領域間のヒストグラムの類似度に基づいて参照範囲を適応的に選択し、若しくは重み付けを行うようにする。本実施の形態においては、図1及び図16に示す画像符号化装置、図11に示す画像復号装置の構成とほぼ同様の構成が適用され、構成及び機能が同一の構成についてはその詳細な説明は省略し、相違点について詳細に説明を行う。
【0092】
図20には本実施の形態における前記可変長符号表生成部213による処理の流れが例示される。まず、本実施の形態では、図21に示すように、異なるフレームにおいて領域Aと領域Bをそれぞれ設定する。例えば、領域Aを過去フレームにおける符号化対象ブロック近傍領域、領域Bを現在フレームにおける符号化対象ブロック近傍領域とする。領域Aと領域Bの設定はこれ以外でもよく、例えば、領域Aを未来フレームにおける符号化対象ブロック近傍領域、領域Bを現在フレームにおける符号化対象ブロック近傍領域としても構わない。ここで述べる過去フレームや未来フレームとは、符号化順序のことではなく画像の表示順序である。その後、領域AにおけるMBタイプのヒストグラムと、領域BにおけるMBタイプのヒストグラムを作成する。このようにして求めた2つの領域(領域Aと領域B)のヒストグラムの類似度を算出する(S20001)。例えば、数式2で示すBhattacharyya係数によって類似度ρを算出する。数式3乃至5は数式2を説明するための数式である。
【0093】
【数2】

【0094】
【数3】

【0095】
【数4】

【0096】
【数5】

【0097】
ここで、数式3に示されるpは、領域AにおけるMBタイプのヒストグラム、数式4に示されるqは、領域BにおけるMBタイプのヒストグラムであり、数式5の関係が成り立ち、mはMBタイプのビット数である。類似度ρは類似度が高いほど大きな値をとり、完全に一致すると1を返す。類似度は、Bhattacharyya係数に限らず、次の数式6で示すヒストグラムインターセクションやその他の方法を用いて求めても構わない。
【0098】
【数6】

【0099】
こうして求めた類似度ρと閾値の比較結果に基づき、参照範囲を設定する(S20002)。類似度ρが閾値より小さければ、フレーム間の相関は低いとみなし、現在フレーム中から参照範囲を設定する(S20003)。すなわち、現在フレームにおける情報の信頼度を高いとみなす。類似度ρが閾値より大きければ、フレーム間の相関は高いとみなし、現在フレームだけでなく、過去フレームも含めたフレームから参照範囲を設定する(S20004)。すなわち、現在フレームだけでなく、過去フレームにおける情報の信頼度も同様に高いとみなす。ステップS20004において、過去フレームだけでなく、未来のフレームから参照範囲を設定しても構わない。
【0100】
次に、上記手段によって設定した参照範囲内で利用可能なMBタイプのみを有効なモードとみなし、ヒストグラム作成のためのベーステーブルを作成する(S20005)。その後、参照範囲内のMBタイプのヒストグラムを作成し(S20006)、実施の形態1乃至3と同様にして可変長符号表を生成する(S20007)。
【0101】
図20の処理には図3で説明した初期ヒストグラムを用いる処理手順を追加して例えば図22の処理手順を採用することができる。図22においてステップS22001乃至S22005は図20のステップS20001乃至S20005に対応される。図22のステップS22006乃至S22010は図3のステップS3002乃至S3006に地王される。
【0102】
図20の処理では、参照範囲を適応的に選択する処理を一例としたが、参照範囲の重みを設定する処理に置き換えても構わない。例えば、ステップS20001の判定結果において、類似度ρが閾値より小さければ現在フレームにおける任意参照領域の重みを上げる、類似度ρが閾値より大きければ過去フレームにおける任意参照領域の重みを上げるなどの処理に置き換えても構わない。これは、本実施の形態に限らず、以下に説明する実施の形態にも適用して構わない。また、図20の例では、MBタイプを例に説明したが、CBPパラメータを対象として同様の手順を適用しても構わない。
【0103】
以上説明した実施の形態4では、ヒストグラムの類似度によってフレーム間の相関を求めることで、符号化対象ブロックにおけるMBタイプまたはCBPパラメータの出現確率をより好適に反映した可変長符号表を作成することができる。これによって、さらに圧縮率を高めることができる。特に詳細な説明は省略する、実施の形態4で説明した技術的事項は復号装置及び復号方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0104】
《実施の形態5》
図23を用いて、本発明の第5の実施の形態を説明する。上記実施の形態1乃至3において、ヒストグラム生成のための参照範囲については特に固定的に言及しなかった。本実施の形態では動きベクトル例えばその代表値に基づき、参照範囲を適応的に選択し、もしくは重み付けを行うようにする。本実施の形態においては、図1及び図16に示す画像符号化装置、図11に示す画像復号装置の構成とほぼ同様の構成が適用され、構成及び機能が同一の構成についてはその詳細な説明は省略し、相違点について詳細に説明を行う。
【0105】
図23には本実施の形態における前記可変長符号表生成部213による処理の流れが例示される。まず現在フレームの参照範囲内における各MBの動きベクトルの平均値を求め、動きベクトルの代表値とする(S23001)。ここで、平均値ではなく、中央値や最頻値などを代表値としても構わない。こうして求めた動きベクトルの代表値と閾値とを比較し(S23002)、その比較結果に基づいて参照範囲を設定する。動きベクトルの代表値が閾値よりも大きければ、現在フレームにおける任意領域を参照範囲に設定する(S23003)。動きベクトルの代表値が閾値よりも小さければ、過去、未来、又は現在フレームにおける任意領域を参照範囲に設定する(S2300)。ステップS23004においては、例えば過去フレームと現在フレームから参照範囲を設定する、過去フレームのみから参照範囲を設定する、過去フレームと未来フレームから参照範囲を設定するなどの変形例を採用することが可能である。以降のステップS20005乃至S20007については図20の処理と同様であり、同じ参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0106】
なお、図23の処理フローに関しても図22と同様に初期ヒストグラムを用いる処理(S2200乃至S22010)を追加してもかまわない。
【0107】
以上説明した実施の形態5では、動きベクトルの代表値によってフレーム間の相関を間接的に求めることで、符号化対象ブロックにおけるMBタイプまたはCBPパラメータの出現確率をより好適に反映した可変長符号表を作成することができる。これは、動きベクトルが小さければ、過去や未来のフレームにおいて、MBタイプやCBPパラメータの空間分布は大きく変化しないという現象に基づいている。これによって、さらに圧縮率を高めることができる。特に詳細な説明は省略する、実施の形態5で説明した技術的事項は復号装置及び復号方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0108】
《実施の形態6》
図24を用いて本発明の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態6では、任意領域内の動きベクトルの代表値によって、参照範囲の補正を行う。本実施の形態においては、図1及び図16に示す画像符号化装置、図11に示す画像復号装置の構成とほぼ同様の構成が適用され、構成及び機能が同一の構成についてはその詳細な説明は省略し、相違点について詳細に説明を行う。
【0109】
図24には本実施の形態における前記可変長符号表生成部213による補正処理が概念的に例示される。本実施例においても、図23の実施の形態5と同様に、現在フレームにおける参照範囲内で代表ベクトルを求める。そして図23のステップS23004において過去又は未来フレームから参照範囲を設定するとき、求めた代表ベクトルに基づき、過去フレームもしくは未来フレームにおける参照範囲を補正する。すなわち、過去フレームもしくは未来フレームにおける参照範囲を代表ベクトル分だけ移動させ、移動させた先を参照範囲として用いる。代表ベクトルを用いて過去フレームもしくは未来フレームにおける領域を移動さして移動先を参照範囲として用いる点については他の実施の形態においても併用することが可能である。
【0110】
以上説明した実施の形態6では、動きベクトルの代表値によって参照範囲を補正することで、符号化対象ブロックにおけるMBタイプまたはCBPパラメータの出現確率をより好適に反映した可変長符号表を作成することができる。これによって、さらに圧縮率を高めることができる。特に詳細な説明は省略する、実施の形態6で説明した技術的事項は復号装置及び復号方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0111】
《実施の形態7》
図25を用いて本発明の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態7では、符号化済の過去フレームにおける可変長符号化の結果に基づいて特定ブロックを参照範囲として可変長符号化を行うようにするものである。本実施の形態においては、図1及び図16に示す画像符号化装置、図11に示す画像復号装置の構成とほぼ同様の構成が適用され、構成及び機能が同一の構成についてはその詳細な説明は省略し、相違点について詳細に説明を行う。
【0112】
図25には符号化済の過去フレームにおける可変長符号化の結果としての正解率が例示される。本実施の形態では、図25に示すように、各ブロックに対して正解率を割り当てる。正解率とは、各ブロックのMBタイプまたはCBPパラメータを事前に設定されたビット数以内で記述できたか否かを、符号化済みの過去数フレームにおいて算出したものである。すなわち、画像の表示順では未来フレームも含まれる場合がある。
【0113】
例えば、あるブロックにおけるMBタイプの可変長符号化の結果を見たとき、符号化済みの過去5フレーム分のMBタイプ記述に要した符号長が、[5、1、1、3、1]の各ビット長であったとする。3ビット以内の記述を正解と定義する場合、当該ブロックの正解率は4/5となる。正解率を算出するフレーム数は可変とすることができ、過去1フレーム以上の任意の値を設定することが可能である。正解率算出に用いるフレーム数は、符号化ストリーム中にシンタックス要素(正解率算出幅)として記述すればよい。
【0114】
本実施の形態では、上記のように算出した正解率が閾値Thd以上となるブロックのみを参照範囲として、MBタイプまたはCBPパラメータの可変長符号化を行う。または、正解率に応じて、重み付きヒストグラムを作成することも可能である。
【0115】
以上説明した実施の形態7では、符号化済みの過去フレームにおける正答率に応じて可変長符号表を作成することで、符号化対象ブロックにおけるMBタイプまたはCBPパラメータの出現確率をより好適に反映した可変長符号表を作成することができる。これによって、さらに圧縮率を高めることができる。また、符号化装置と復号装置でシンタックス要素(正解率算出幅)を共用して同一規則で参照範囲を適応的に選択することにより、付加ビットを伝送することなく、さらなる高圧縮化を実現できる。特に詳細な説明は省略する、実施の形態7で説明した技術的事項は復号装置及び復号方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0116】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明
はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であ
ることは言うまでもない。
【0117】
例えば、本発明はH.264/AVC規格に準拠した動画像符号
化・復号技術だけに適用可能なものではなく、その他の手法による画像処理技術にも広く
適用することができる。
【0118】
また、上記では最大16画素×16画素のブロックサイズを例に説明したが、これは32画素×32画素、64画素×64画素、およびこれ以上のブロックサイズ、また32画素×16画素、64画素×32画素、などといったブロックサイズに関する可変長符号化にも適用することができる。
【0119】
また、MBタイプだけでなく、サブMBタイプに対しても、本発明による可変長符号化を適用することができる。
【符号の説明】
【0120】
201…原画像メモリ
202…減算器
203…直交変換部
204…量子化部
205…可変長符号化部
206…逆量子化部
207…逆直交変換部
208…加算器
209…フレームメモリ
210…予測部
211…予測モード判定部
212…統計情報格納メモリ
213…可変長符号表生成部
1101…可変長復号部
1102…統計情報格納メモリ
1103…可変長符号復号表生成部
1104…量子化部
1105…逆直交変換部
1106…加算器
1107…フレームメモリ
1108…予測画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項2】
前記可変長復号表生成処理において、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した情報に対して、復号対象に対する影響度に応じた重み付けを行って生起確率を生成する、請求項1記載の画像復号方法。
【請求項3】
前記統計情報はマクロブロックタイプ又はコーデッド・ブロック・パターン・パラメータである、請求項1記載の画像復号方法。
【請求項4】
前記可変長復号表生成処理において、復号対象ストリーム情報中のシンタックス要素で規定される参照範囲を、前記統計情報の生起確率を算出する画像データの範囲とする、請求項1記載の画像復号方法。
【請求項5】
前記可変長復号表生成処理において、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは前記所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する、請求項1記載の画像復号方法。
【請求項6】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長復号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項7】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項8】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、復号済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項9】
前記第2処理において、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する、請求項8記載の画像復号方法。
【請求項10】
前記第2処理において、復号済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理を行なう、請求項8記載の画像復号方法。
【請求項11】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、復号済みの画像データの現フレームにおける復号対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項12】
前記第2処理において、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する、請求項11記載の画像復号方法。
【請求項13】
前記第2処理において、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する、請求項12に記載の画像復号方法。
【請求項14】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号方法であって、
復号済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、過去フレームにおける可変長復号対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する処理である、画像復号方法。
【請求項15】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、画像復号方法。
【請求項16】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長復号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、画像復号方法。
【請求項17】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長復号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、画像復号装置。
【請求項18】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長復号表を生成する、画像復号装置。
【請求項19】
前記可変長復号表生成部は、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する、請求項18記載の画像復号装置。
【請求項20】
前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、請求項18記載の画像復号装置。
【請求項21】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記可変長復号表生成部で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、復号済みの画像データの現フレームにおける復号対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、画像復号装置。
【請求項22】
前記可変長復号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する、請求項21記載の画像復号装置。
【請求項23】
前記可変長復号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長復号表を生成する、請求項22に記載の画像復号装置。
【請求項24】
可変長符号化されたデータを復号する画像復号装置であって、
復号済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長復号表を生成する可変長復号表生成部と、
前記第2処理で生成した可変長復号表に基づき可変長復号を行う可変長復号部と、を含み、
前記可変長復号表生成部は、過去フレームにおける可変長復号対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長復号表を生成する、画像復号装置。
【請求項25】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項26】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長符号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項27】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長符号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項28】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、符号化済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項29】
前記第2処理において、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する、請求項28記載の画像符号化方法。
【請求項30】
前記第2処理において、符号化済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理を行なう、請求項28記載の画像符号化方法。
【請求項31】
量子化されたデータを符号化する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、符号化済みの画像データの現フレームにおける符号化対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項32】
前記第2処理において、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する、請求項31記載の画像符号化方法。
【請求項33】
前記第2処理において、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する、請求項32に記載の画像符号化方法。
【請求項34】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化方法であって、
符号化済みの画像データの統計情報をメモリに格納する第1処理と、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する第2処理と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う第3処理と、を含み、
前記第2処理は、過去フレームにおける可変長符号化対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化方法。
【請求項35】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、符号化パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する、画像符号化装置。
【請求項36】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの所定範囲内で算出した統計情報について生起確率の高い統計情報が全体に占める割合の多少に応じて可変長符号表に用いる符号を選択して、前記算出された生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する、画像符号化装置。
【請求項37】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、統計情報の生起確率を算出するとき参照可能な統計情報が事前に設定した統計長を満たすか否かを判定し、前記統計長を満たさないときは所定の可変長符号表を選択して使用可能とし、前記統計長を満たすときは所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する、画像符号化装置。
【請求項38】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの複数個所で算出した統計情報の生起確率についてそのヒストグラムの類似度を判別し、類似度に応じて生起確率算出のための所定範囲を決定し、決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率に基づいて可変長符号表を生成する、画像符号化装置。
【請求項39】
前記可変長符号表生成部は、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも小さいときは現フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定し、また、前記ヒストグラムの類似度が閾値よりも大きいときは、過去又は未来フレームに生起確率算出のための所定範囲を決定する、請求項38記載の画像符号化装置。
【請求項40】
前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの前記決定した所定範囲内で算出した統計情報の生起確率と、復号パラメータに基づいて選択された初期生起確率とを加算し、加算して得られた生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する、請求項38記載の画像符号化装置。
【請求項41】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記第2処理で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、符号化済みの画像データの現フレームにおける符号化対象ブロックに対する所定範囲内で動きベクトルを生成し、生成し動きベクトルに基づいて生起確率算出のための所定範囲を決定し、所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する処理である、画像符号化装置。
【請求項42】
前記可変長符号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも大きいときは現フレームの所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成し、また、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲内の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する、請求項41記載の画像符号化装置。
【請求項43】
前記可変長符号表生成部は、生成した動きベクトルが閾値よりも小さいときは、過去又は未来フレームの所定範囲を前記生成した動きベクトルにより補正し、補正した所定範囲内における統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて可変長符号表を生成する、請求項42に記載の画像符号化装置。
【請求項44】
量子化されたデータを可変長符号化して圧縮する画像符号化装置であって、
符号化済みの画像データの統計情報を格納するメモリと、
前記メモリに格納された統計情報に基づいて可変長符号表を生成する可変長符号表生成部と、
前記可変長符号表生成部で生成した可変長符号表に基づき可変長符号化を行う可変長符号化部と、を含み、
前記可変長符号表生成部は、過去フレームにおける可変長符号化対象とされる符号のビット数が所定ビット数以内とされる範囲内を前記所定範囲とし、当該所定範囲内で算出した統計情報の生起確率の高い統計情報の順に短い符号を割り当てて、可変長符号表を生成する、画像符号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−103969(P2010−103969A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126183(P2009−126183)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】