説明

画像比較方法、及び画像比較装置

【課題】同一の原図画像からラスタ変換された2つのラスタ画像を比較する際に、ラスタ変換の描画手法による微小な相違点を相違領域として検出しない画像比較方法、及び画像比較装置を提供する。
【解決手段】画像比較方法は、第1ベクタ画像を第1描画手法によって第1ラスタ画像にラスタ変換し(20)、第1ベクタ画像を変換して得られた第2ベクタ画像を、第1描画手法とは異なる第2描画手法によって第2ラスタ画像にラスタ変換し(14)、第1ラスタ画像に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施して(22)第1膨張画像を生成し、第2ラスタ画像に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施して(16)第2膨張画像を生成し、第2膨張画像と第1ラスタ画像とを、第1膨張画像と第2ラスタ画像とを比較して(24)、互いに相違する第1及び第2相違領域を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似する画像を比較する画像比較方法、及び画像比較装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、あるCADシステムにおいて作製された図面データ(ベクタ画像データ)を、他のCADシステムにおいて使用できるように変換し、あるCADシステムにおいて作成された図面データをラスタ図にラスタ変換するとともに、他のCADシステム用に変換した図面データをラスタ図にラスタ変換して、両者間のラスタ図の相違点を抽出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−52469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、あるCADシステムにおいて作成された図面データをラスタ図に変換するラスタ変換の描画手法と、他のCADシステム用に変換した図面データをラスタ図に変換するラスタ変換の描画手法とが異なる場合、両者間のラスタ図の相違点を抽出する際には、該ラスタ変換の描画手法によって生じる微小な相違点まで抽出されてしまう。例えば、HPGL(ヒューレットパッカード Graphics Language)(登録商標)形式の図面データ(ベクタ画像データ)のラスタ変換の描画手法と、CATIA(登録商標)形式の図面データ(ベクタ画像データ)のラスタ変換の描画手法とは、直線の末端描画処理が異なるため、ラスタ変換の描画手法の違いまでもが相違点として抽出されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、同一の原図画像からラスタ変換された2つのラスタ画像を比較する際に、ラスタ変換の描画手法による微小な相違点を相違領域として検出しない画像比較方法、及び画像比較装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、記憶手段(12)から得られる第1ベクタ画像データ(60)を第1描画手法によって第1ラスタ画像データ(62)にラスタ変換し、前記第1ベクタ画像データ(60)を前記第1ベクタ画像データ(60)とは異なるデータ形式に変換して得られた第2ベクタ画像データを、第1描画手法とは異なる第2描画手法によって第2ラスタ画像データ(66)にラスタ変換し、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較する画像比較方法において、前記第1ラスタ画像データ(62)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)を膨張させた第1膨張画像データ(70)を生成する第1膨張工程と、前記第2ラスタ画像データ(66)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)を膨張させた第2膨張画像データ(74)を生成する第2膨張工程と、前記第2膨張画像データ(74)と前記第1ラスタ画像データ(62)とを比較して、前記第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)のうち、前記第2膨張画像データ(74)で表される図形(68)からはみ出る領域を第1相違領域(80)として検出するとともに、前記第1膨張画像データ(70)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較して、前記第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)のうち、前記第1膨張画像データ(70)で表される図形(64)からはみ出る領域を第2相違領域(82)として検出する比較工程と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像比較方法において、前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)のエッジ(84)を検出するエッジ工程と、前記第1ラスタ画像データ(62)の画像及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像を表示部に表示するとともに、検出された前記エッジ(84)を前記第1ラスタ画像データ(62)及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像上に重畳表示させる表示工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像比較方法において、前記エッジ工程は、前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)を膨張させた後、膨張後の前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)の前記エッジ(84)を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の画像比較方法において、前記表示工程は、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを合成して合成画像データを生成し、該合成画像データの画像を表示することで、前記第1ラスタ画像データ(62)及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像を表示することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像比較方法において、前記表示工程は、検出された前記エッジ(84)を着色させて表示させることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項6に係る発明は、記憶手段(12)から得られる第1ベクタ画像データ(60)を第1描画手法によって第1ラスタ画像データ(62)にラスタ変換する第1ラスタ変換部(14)と、前記第1ベクタ画像データ(60)を前記第1ベクタ画像データ(60)とは異なるデータ形式に変換して得られた第2ベクタ画像データを、第1描画手法とは異なる第2描画手法によって第2ラスタ画像データ(66)にラスタ変換する第2ラスタ変換部(20)と、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較する比較部(24)と備える画像比較装置(10)において、前記第1ラスタ画像データ(62)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)を膨張させた第1膨張画像データ(70)を生成する第1フィルタ部(16)と、前記第2ラスタ画像データ(66)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)を膨張させた第2膨張画像データ(74)を生成する第2フィルタ部(22)と、をさらに備え、前記比較部(24)は、前記第2膨張画像データ(74)と前記第1ラスタ画像データ(62)とを比較して、前記第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)のうち、前記第2膨張画像データ(74)で表される図形(68)からはみ出る領域を第1相違領域(80)として検出するとともに、前記第1膨張画像データ(70)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較して、前記第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)のうち、前記第1膨張画像データ(70)で表される図形(64)からはみ出る領域を第2相違領域(82)として検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、6に記載の発明によれば、第1ベクタ画像データをラスタ変換して得られた第1ラスタ画像データと、第2ベクタ画像データをラスタ変換して得られた第2ラスタ画像データとに対して、収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施して、前記第1ラスタ画像データ及び前記第2ラスタ画像データで表される図形を膨張させた第1膨張画像データ及び第2膨張画像データを生成し、前記第2膨張画像データと前記第1ラスタ画像データとを比較して第1相違領域を検出するとともに、前記第1膨張画像データと前記第2ラスタ画像データとを比較して第2相違領域を検出するので、ラスタ変換の描画手法の相違によって生じる微小な相違点を相違領域として検出することを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1ラスタ画像データ及び前記第2ラスタ画像データの画像を表示するとともに、検出した前記第1相違領域及び前記第2相違領域のエッジを重畳表示させるので、ユーザは、第1ラスタ画像データで表される図形と第2ラスタ画像データで表される図形とが異なる箇所を容易、且つ、迅速に視認することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1相違領域及び前記第2相違領域を膨張させた後、膨張後の前記第1相違領域及び前記第2相違領域のエッジを検出するので、第1ラスタ画像データで表される図形と第2ラスタ画像データで表される図形とが異なる箇所を、検出したエッジで囲むことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1ラスタ画像データと前記第2ラスタ画像データとを合成して合成画像データを生成し、該合成画像データの画像を表示するので、第1ラスタ画像データで表される図形と第2ラスタ画像データで表される図形とが異なる箇所を直感的に認識することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、エッジを着色して表示するので、第1ラスタ画像データで表される図形と第2ラスタ画像データで表される図形とが異なる箇所の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態にかかる画像比較装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】収縮フィルタ処理を説明する説明図である。
【図3】第1描画手法と第2描画手法とが異なることを説明するための図であり、図3Aは、第1ラスタ変換部によってラスタ変換されたラスタ画像の一例を示し、図3Bは、第2ラスタ変換部によってラスタ変換されたラスタ画像の一例を示す。
【図4】図1の比較部による第1相違領域及び第2相違領域の検出を説明するための説明図である。
【図5】図1のエッジ検出部の処理を説明する説明図である。
【図6】画像比較装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1の原図データベースから取得した第1ベクタ画像データの一例を示す図である。
【図8】図1第1ラスタ変換部によってラスタ変換された第1ラスタ画像データの一例を示す図である。
【図9】図1の第2ラスタ変換部によってラスタ変換された第2ラスタ画像データの一例を示す図である。
【図10】図1の第1収縮フィルタ部によって生成された第1膨張画像データの一例を示す図である。
【図11】図1の第2収縮フィルタ部によって生成された第2膨張画像データの一例を示す図である。
【図12】図1の比較部によって得られた加算画像データの一例を示す図である。
【図13】図1のエッジ検出部によってエッジ検出処理が施された加算画像データの一例を示す図である。
【図14】ステップS7で検出したエッジを第1ラスタ画像データの画像上に重畳表示させたときの画像の一例を示す図である。
【図15】ステップS7で検出したエッジを第2ラスタ画像データの画像上に重畳表示させたときの画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る画像比較方法、及び画像比較方法を実施する画像比較装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態にかかる画像比較装置10の電気的な構成を示すブロック図である。画像比較装置10は、原図データベース(記憶手段)12、第1ラスタ変換部14、第1収縮フィルタ部(第1フィルタ部)16、データ形式変換部18、第2ラスタ変換部20、第2収縮フィルタ部(第2フィルタ部)22、比較部24、エッジ検出部26、表示制御部28、及び表示部30を備える。
【0020】
原図データベース12には、第1CADシステム、例えば、CATIAのCADシステムで作成された複数のベクタ画像データ(以下、第1ベクタ画像データと呼ぶ)が記憶されている。ベクタ画像データとは、点の座標とそれを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、及び、塗りつぶしや特殊効果等の描画情報の集合として表現した画像データである。ここで、第1ベクタ画像データは、背景が白色であり、図形が黒色で表されるベクタ画像データであるものとする。
【0021】
第1ラスタ変換部14は、第1ベクタ画像データを原図データベース12から読み出し、第1描画手法によって、第1ベクタ画像データをラスタ画像データ(以下、第1ラスタ画像データと呼ぶ)にラスタ変換する。ラスタ画像データとは、画像を、点(ドット、画素)の羅列として表現したデータである。第1ラスタ変換部14は、ラスタ変換した第1ラスタ画像データを第1収縮フィルタ部16に出力する。なお、第1ラスタ画像データは、背景が白色であり、図形が黒色で表されるラスタ画像データである。
【0022】
第1収縮フィルタ部16は、第1ラスタ画像データに対して収縮フィルタ処理を施すことで、第1ラスタ画像データで表される図形を膨張させたラスタ画像データ(以下、第1膨張画像データと呼ぶ)を生成し、比較部24に出力する。収縮フィルタ処理とは、ラスタ画像データのある画素を対象画素として選択し、該対象画素を中心とした3×3画素の中で最小となる画素の輝度を、該対象画素の輝度にする処理のことをいう。詳しくは、収縮フィルタ処理は、図2に示すように、対象画素Aを中心に3×3画素を構成する対象画素A及びその周辺の8つの画素Bの中で、色が黒色となる画素B(左上の画素B)がある場合は、対象画素Aの色を黒色にする。なお、第1ラスタ画像データ及び第2ラスタ画像データは、説明の便宜上白色と黒色との2値で表され、白色が最も輝度が高く(白色を輝度値=1)、黒色が最も輝度が低い(黒色を輝度値=0)ものとする。この収縮フィルタ処理により、ラスタ画像データの画像の色が白色となる領域が収縮し、色が黒色となる領域が膨張する。
【0023】
データ形式変換部18は、第1CADシステムで作成された第1ベクタ画像データを原図データベース12から読み出し、所定の変換規則に従って第1ベクタ画像データを第2CADシステムで使用可能な1ベクタ画像データとは異なるデータ形式(例えば、HPGL形式)のベクタ画像データ(第2ベクタ画像データ)に変換する。データ形式変換部18は、変換した第2ベクタ画像データを第2ラスタ変換部20に出力する。第2ベクタ画像データは、背景が白色であり、図形が黒色で表されるベクタ画像データである。
【0024】
第2ラスタ変換部20は、第2描画手法によって、データ形式変換部18が変換した第2ベクタ画像データをラスタ画像データ(以下、第2ラスタ画像データと呼ぶ)にラスタ変換する。第2ラスタ変換部20は、ラスタ変換した第2ラスタ画像データを第2収縮フィルタ部22に出力する。なお、第2ラスタ画像データは、背景が白色であり、図形が黒色で表されるラスタ画像データである。
【0025】
第1ラスタ変換部14による第1描画手法と第2ラスタ変換部20による第2描画手法とは互いに異なる。図3は、第1描画手法と第2描画手法とが異なることを説明するための一例図であり、図3Aは、第1ラスタ変換部14によってラスタ変換されたラスタ画像の一例を示し、図3Bは、第2ラスタ変換部20によってラスタ変換されたラスタ画像の一例を示す。第1ラスタ変換部14の第1描画手法によってラスタ変換されたラスタ画像に表される直線の端は、図3Aに示すように枠線と平行となり、第2ラスタ変換部20の第2描画手法によってラスタ変換されたラスタ画像に表される直線の端は、図3Bに示すように描画方向に対して垂直となる。このように、第1ラスタ変換部14による第1描画手法と第2ラスタ変換部20による第2描画手法とが異なることによって、第1ラスタ画像データで表される図形と第2ラスタ画像データで表される図形とに微小なズレ(相違点)が生じる。
【0026】
第2収縮フィルタ部22は、第2ラスタ画像データに対して収縮フィルタ処理を施すことで、第2ラスタ画像データで表される図形を膨張させたラスタ画像データ(以下、第2膨張画像データと呼ぶ)を生成し、比較部24に出力する。
【0027】
比較部24は、第2膨張画像データと第1ラスタ画像データとを比較して、第1ラスタ画像データで表される図形のうち、第2膨張画像データで表される図形からはみ出る領域を第1相違領域として検出する。また、比較部24は、第1膨張画像データと第2ラスタ画像データとを比較して、第2ラスタ画像データで表される図形のうち、第1膨張画像データで表される図形からはみ出る領域を第2相違領域として検出する。
【0028】
図4は、比較部24による第1相違領域及び第2相違領域の検出を説明するための説明図である。第1ラスタ画像データをX、第2ラスタ画像データをY、第1膨張画像データをX´、第2膨張画像データをY´とする。第1ラスタ画像データXで表される三角形の形状と、第2ラスタ画像データYで表される三角形の形状とは若干異なる。
【0029】
比較部24は、第1ラスタ画像データXと第2膨張画像データY´とから、論理式1((NOT X)AND(Y´))を用いて第1演算画像データ40を算出することで、第1相違領域42を検出する。第1相違領域42は、第1演算画像データ40の画素の色が白色となる領域(画素の輝度値が1となる領域)である。
【0030】
第1ラスタ画像データXで表される三角形の形状と、第2ラスタ画像データYで表される三角形の形状とは若干異なるが、第1ラスタ画像データXで表される三角形は、第2膨張画像データY´で表される三角形の中に収まるため、第1ラスタ画像データXで表される三角形の一部が相違領域として検出されることはない。
【0031】
なお、(NOT X)は、第1ラスタ画像データXの各画素の輝度値を反転させたラスタ画像データある。つまり、第1ラスタ画像データXにおいて、輝度値が1の画素は輝度値を0にし、輝度値が0の画素は輝度値を1にしたラスタ画像データである。
【0032】
また、比較部24は、第2ラスタ画像データYと第1膨張画像データX´とから、論理式2((NOT Y)AND(X´))を用いて第2演算画像データ44を算出することで、第2相違領域46を検出する。第2相違領域46は、第2演算画像データ44の画素の色が白くなる領域(画素の輝度値が1となる領域)である。なお、(NOT Y)は、第2ラスタ画像データYの各画素の輝度値を反転させたラスタ画像データある。
【0033】
第1ラスタ画像データXで表される三角形の形状と、第2ラスタ画像データYで表される三角形の形状とは若干異なるが、第2ラスタ画像データYで表される三角形は、第1膨張画像データX´で表される三角形の中に収まるため、第2ラスタ画像データYで表される三角形の一部が相違領域として検出されることはない。
【0034】
そして、比較部24は、求めた第1演算画像データ40と第2演算画像データ44とを加算することで、加算画像データ48を生成し、該生成した加算画像データ48をエッジ検出部26に出力する。この加算画像データ48は、検出された第1相違領域42及び第2相違領域46の画素の色が白色となり、第1相違領域42及び第2相違領域46以外の領域の画素の色が黒色となる。なお、比較部24は、第1演算画像データ40と第2演算画像データ44とを加算した後、各画素の輝度値を反転させたラスタ画像データを加算画像データ48としてエッジ検出部26に出力してもよい。この場合は、第1相違領域42及び第2相違領域46の画素の色は黒色となり、第1相違領域42及び第2相違領域46以外の画素の色は白色となる。
【0035】
このように、第1ラスタ画像データXと第2膨張画像データY´とを比較して第1相違領域42を検出し、第2ラスタ画像データYと第1膨張画像データX´とを比較して第2相違領域46を検出するので、第1ラスタ変換部14による第1描画手法と第2ラスタ変換部20による第2描画手法とが異なることによって生じる第1ラスタ画像データXに表される図形と第2ラスタ画像データYに表される図形との微小なズレを吸収することができ、該微小なズレを相違領域として検出することを防ぐことができる。
【0036】
エッジ検出部26は、比較部24によって得られた加算画像データに対してエッジ検出処理を施すことで、第1相違領域及び第2相違領域のエッジを検出する。なお、エッジ検出部26は、加算画像データに対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施して第1相違領域及び第2相違領域を膨張させた後、エッジ検出処理を施すことで膨張後の第1相違領域及び第2相違領域のエッジを検出してもよい。
【0037】
膨張フィルタ処理とは、ラスタ画像データのある画素を対象画素として選択し、該対象画素を中心とした3×3画素の中で最大となる画素の輝度を、該対象画素の輝度にする処理のことをいう。この膨張フィルタ処理により、ラスタ画像データの画像の色が黒色となる領域が収縮し、色が白色となる領域が膨張する。
【0038】
エッジ検出部26は、比較部24から出力された加算画像データが、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算したラスタ画像データである場合は、該加算画像データに対して膨張フィルタ処理を施すことで第1相違領域及び第2相違領域を膨張させる。また、エッジ検出部26は、比較部24から出力された加算画像データが、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算し、その後各画素の輝度値を反転させたラスタ画像データである場合は、該加算画像データに対して収縮フィルタ処理を施すことで第1相違領域及び第2相違領域を膨張させる。
【0039】
図5は、エッジ検出部26の処理を説明する説明図である。参照符号52は、加算画像データを示し、図5における加算画像データ52は、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算し、各画素の輝度値を反転させたラスタ画像データとする。したがって、相違領域(第1相違領域又は第2相違領域)の画素53の色は黒色となり、相違領域以外の画素53の色は白色となる。比較部24が、加算画像データ52に対してエッジ検出処理を施すと、ラスタ画像データ54に示すように、相違領域のエッジ(網線で示す領域)が検出される。
【0040】
また、エッジ検出部26が加算画像データ52に対して収縮フィルタ処理を1回施すと、ラスタ画像データ56に示すように相違領域が膨張する。ここで、ラスタ画像データ56に示す斜線領域は、収縮フィルタ処理によって膨張した領域を示す。このラスタ画像データ56に対して、エッジ検出部26がエッジ検出処理を施すと、ラスタ画像データ58に示すように、膨張後の相違領域のエッジ(網線で示す領域)が検出される。
【0041】
なお、加算画像データが、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算したラスタ画像データある場合は、図5に示す加算画像データ52に示す白色と黒色が逆になるので、相違領域の画素53の色は白色となり、相違領域以外の画素53の色は黒色となる。したがって、この場合は、エッジ検出部26は、膨張フィルタ処理を施すことで相違領域、つまり、白色の領域を膨張させることができる。
【0042】
表示制御部28は、第1ラスタ画像データ及び第2ラスタ画像データの画像を、ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示部30に表示させるとともに、エッジ検出部26が検出したエッジを第1ラスタ画像データ及び第2ラスタ画像データの画像上に重畳表示させる。表示制御部28は、第1ラスタ画像データの画像と第2ラスタ画像データの画像とを異なる表示領域にそれぞれ別個に表示させ、エッジ検出部26が検出したエッジを第1ラスタ画像データの画像上及び第2ラスタ画像データの画像上に表示させてもよいし、第1ラスタ画像データと第2ラスタ画像データとを合成し、合成した合成画像データの画像を表示させ、エッジ検出部26が検出したエッジを該合成画像データの画像上に表示させてもよい。この際、表示制御部28は、エッジを白色又は黒色以外の有彩色(例えば、赤色)で表示させてもよい。つまり、エッジを着色して表示してもよい。
【0043】
次に、画像比較装置10の動作を図6のフローチャートに従って説明する。ステップS1で、データ形式変換部18は、原図データベース12からCATIA形式の第1ベクタ画像データを取得し、該取得した第1ベクタ画像データをHPGL形式の第2ベクタ画像データに変換する。図7に、原図データベース12から取得した第1ベクタ画像データ60の一例を示す。
【0044】
次いで、ステップS2で、第1ラスタ変換部14は、原図データベース12からCATIA形式の第1ベクタ画像データ60を取得し、第1描画手法によって該取得した第1ベクタ画像データ60を第1ラスタ画像データにラスタ変換する。ここで、ステップS2においては、ステップS1で原図データベース12から取得した第1ベクタ画像データ60を原図データベース12から取得する。つまり、ステップS1で取得する第1ベクタ画像データ60と、ステップS2で取得する第1ベクタ画像データ60とは同一である。図8に、第1ラスタ変換部14によってラスタ変換された第1ラスタ画像データ62の一例を示す。参照符号64は、第1ラスタ画像データ62で表された図形を表しており、参照符号65は、画素を表している。
【0045】
次いで、ステップS3で、第2ラスタ変換部20は、第2描画手法によって、ステップS1で変換したHPGL形式の第2ベクタ画像データを第2ラスタ画像データにラスタ変換する。第1ラスタ変換部14による第1描画手法と、第2ラスタ変換部20による第2描画手法とは異なる。図9に、第2ラスタ変換部20によってラスタ変換された第2ラスタ画像データ66の一例を示す。参照符号68は、第2ラスタ画像データ66で表された図形を表している。
【0046】
図8、図9を見比べるとわかるように、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが若干異なることがわかる。この異なりが生じる理由としては、CATIA形式の第1ベクタ画像データ60をHPGL形式の第2ベクタ画像データに変換する際、第1ベクタ画像データ60を第1ラスタ画像データ62にラスタ変換する際、及び第2ベクタ画像データを第2ラスタ画像データ66にラスタ変換する際に、データの欠落等が生じることによって、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とに差異が生じる。
【0047】
次いで、ステップS4で、第1収縮フィルタ部16は、ステップS2で得られた第1ラスタ画像データ62に対して収縮フィルタ処理を施して、第1ラスタ画像データ62で表される図形64を膨張させた第1膨張画像データを生成する。
【0048】
図10は、第1膨張画像データ70の一例を示す図であり、図10の第1膨張画像データ70に示す斜線領域72は、収縮フィルタ処理によって膨張した領域を示す。このように、図8に示す第1ラスタ画像データ62に対して収縮フィルタ処理を施すと、図10に示すように、図形64が膨張した第1膨張画像データ70を得ることができる。
【0049】
次いで、ステップS5で、第2収縮フィルタ部22は、ステップS3で得られた第2ラスタ画像データ66に対して収縮フィルタ処理を施して、第2ラスタ画像データ66で表される図形68を膨張させた第2膨張画像データを生成する。
【0050】
図11は、第2膨張画像データ74の一例を示す図であり、図11の第2膨張画像データ74に示す斜線領域76は、収縮フィルタ処理によって膨張した領域を示す。このように、図9に示す第2ラスタ画像データ66に対して収縮フィルタ処理を施すと、図11に示すように図形68が膨張した第2膨張画像データ74を得ることができる。
【0051】
次いで、ステップS6で、比較部24は、第1ラスタ画像データ62と第2膨張画像データ74とを比較して、第1ラスタ画像データ62で表される図形64のうち、第2膨張画像データ74で表される図形68からはみ出る領域を第1相違領域として検出するとともに、第2ラスタ画像データ66と第1膨張画像データ70とを比較して、第2ラスタ画像データ66で表される図形68のうち、第1膨張画像データ70で表される図形64からはみ出る領域を第2相違領域として検出する。
【0052】
詳しくは、比較部24は、上述した論理式1によって、第1ラスタ画像データ62と第2膨張画像データ74とから第1演算画像データを求めることで、第1相違領域を検出し、上述した論理式2によって、第2ラスタ画像データ66と第1膨張画像データ70とから第2演算画像データを求めることで、第2相違領域を検出する。そして、比較部24は、該算出した第1演算画像データと第2演算画像データとから加算画像データを生成してエッジ検出部26に出力する。
【0053】
図12は、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算し、各画素65の輝度値を反転させた加算画像データ78を示す図である。参照符号80は、第1相違領域を示し、参照符号82は、第2相違領域を示す。図12に示すように、加算画像データ78は、第1演算画像データと第2演算画像データとを加算し、各画素65の輝度値を反転させたものであるので、第1相違領域80及び第2相違領域82の画素65の色は黒色となり、第1相違領域80及び第2相違領域82以外の画素65の色は白色となる。
【0054】
次いで、ステップS7で、エッジ検出部26は、比較部24が比較して検出した第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジを検出する。この際、エッジ検出部26は、加算画像データ78に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第1相違領域80及び第2相違領域82を膨張させた後、エッジフィルタ処理を施すことで、膨張後の第1相違領域80及び膨張後の第2相違領域82のエッジを検出する。
【0055】
エッジ検出部26は、加算画像データ78が第1演算画像データと第2演算画像データとを加算したものである場合は、加算画像データ78に対して膨張フィルタ処理を施すことで第1相違領域80及び第2相違領域82を膨張させ、加算画像データ78が第1演算画像データと第2演算画像データとを加算し、各画素65の輝度値を反転させたものである場合は、加算画像データ78に対して収縮フィルタ処理を施すことで、第1相違領域80及び第2相違領域82を膨張させる。
【0056】
図13は、エッジ検出処理が施された加算画像データ78を示す図である。図13においては、便宜上、膨張後の第1相違領域80及び第2相違領域82も併せて表示している。網線で示されている領域は、エッジ検出処理によって検出されたエッジ84を示している。図13に示す第1相違領域80及び第2相違領域82のうち、網線で示している領域は、収縮フィルタ処理で膨張した領域を示し、黒色で示している領域は、ステップS6で検出された第1相違領域及び第2相違領域(膨張前の第1相違領域及び第2相違領域)を示している。
【0057】
次いで、ステップS8で、表示制御部28は、ステップS2で得られた第1ラスタ画像データ62の画像とステップS3で得られた第2ラスタ画像データ66の画像とを表示部30に表示させるとともに、第1ラスタ画像データ62及び第2ラスタ画像データ66の画像上にステップS7で検出したエッジ84を重畳表示させる。
【0058】
図14は、ステップS7で検出したエッジ84を第1ラスタ画像データ62の画像上に重畳表示させたときの画像を示す図であり、図15は、ステップS7で検出したエッジ84を第2ラスタ画像データ66の画像上に重畳表示させたときの画像を示す図である。この図14と図15とを見比べるとわかるように、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが互いに異なる箇所は、表示されたエッジ84に囲まれている。このように、検出したエッジ84を表示させたり、このエッジ84を着色することによって、ユーザは、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが異なる箇所を、容易、且つ、迅速に視認することができる。
【0059】
なお、表示制御部28は、第1ラスタ画像データ62と第2ラスタ画像データ66とを合成して合成画像データを生成し、該合成画像データの画像を表示部30に表示させるとともに、検出した該エッジ84を該合成画像データの画像上に重畳表示させてもよい。
【0060】
このように、第1ラスタ画像データ62と第2ラスタ画像データ66とに対して、収縮フィルタ処理を施して、第1ラスタ画像データ62で表される図形64を膨張させた第1膨張画像データ70と、第2ラスタ画像データ66で表される図形68を膨張させた第2膨張画像データ74とを生成し、第2膨張画像データ74と第1ラスタ画像データ62とを比較して第1相違領域80を検出するとともに、第1膨張画像データ70と第2ラスタ画像データ66とを比較して第2相違領域82を検出するので、ラスタ変換の描画手法の差異によって生じる微小なズレを相違領域として検出することを防止することができる。
【0061】
また、第1ラスタ画像データ62及び第2ラスタ画像データ66の画像を表示部30に表示するとともに、第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジを重畳表示させるので、ユーザは、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と、第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが異なる箇所を容易、且つ、迅速に視認することができる。
【0062】
また、第1相違領域80及び第2相違領域82を膨張させた後、膨張後の第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジを検出するので、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが異なる箇所を、検出したエッジ84で囲むことができる。
【0063】
また、第1ラスタ画像データ62と第2ラスタ画像データ66とを合成して合成画像データを生成し、該合成画像データの画像を表示するので、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが異なる箇所を直感的に認識することができる。
【0064】
[変形例]上記実施の形態は、以下のように変形してもよい。
【0065】
(変形例1)上記実施の形態では、第1ベクタ画像データ60、第2ベクタ画像データ、第1ラスタ画像データ62、及び第2ラスタ画像データ66は、背景が白であり、図形が黒で表される画像データであるとしたが、背景が黒であり、図形が白で表される画像データであってもよい。この場合は、図1において、第1収縮フィルタ部16に代えて第1膨張フィルタ部(第1フィルタ部)を設け、第2収縮フィルタ部22に代えて第2膨張フィルタ部(第2フィルタ部)を設ける。
【0066】
そして、図6のステップS4では、収縮フィルタ処理ではなく、第1膨張フィルタ部が第1ラスタ画像データ62に対して膨張フィルタ処理を施して、第1膨張画像データ70を生成する。これにより、膨張フィルタ処理によって画素65の色が白色となる領域が膨張するので、第1ラスタ画像データ62で表される図形64が膨張した第1膨張画像データ70を得ることができる。
【0067】
また、ステップS5でも同様に収縮フィルタ処理ではなく、第2膨張フィルタ部が第2ラスタ画像データ66に対して膨張フィルタ処理を施して、第2膨張画像データ74を生成する。これにより、膨張フィルタ処理によって画素65の色が白色となる領域が膨張するので、第2ラスタ画像データ66で表される図形68が膨張した第2膨張画像データ74を得ることができる。
【0068】
ステップS6では、論理式3((NOT X)OR(Y´))によって、第1ラスタ画像データ62と第2膨張画像データ74とから、第1演算画像データを算出することで、第1相違領域80を検出する。この第1相違領域80は、第1ラスタ画像データ62で表される図形64のうち、第2膨張画像データ74で表される図形68からはみ出る領域である。また、ステップS6では、論理式4((NOT Y)OR(X´)によって、第2ラスタ画像データ66と第1膨張画像データ70とから、第2演算画像データを算出することで、第2相違領域82を検出する。この第2相違領域82は、第2ラスタ画像データ66で表される図形68のうち、第1膨張画像データ70で表される図形64からはみ出る領域である。なお、論理式3、4のX、Y、X´、Y´は、第1ラスタ画像データ62、第2ラスタ画像データ66、第1膨張画像データ70、第2膨張画像データ74を示していることは言うまでもない。
【0069】
(変形例2)図6のステップS4、S5において、第1収縮フィルタ部16及び第2収縮フィルタ部22は、第1ラスタ画像データ62、第2ラスタ画像データ66に対して収縮フィルタ処理を1回施すようにしたが、収縮フィルタ処理を複数回施すようにしてもよい。これにより、第1ラスタ画像データ62で表される図形64、第2ラスタ画像データ66で表される図形68が複数回膨張するので、第1ラスタ変換部14による第1描画手法と第2ラスタ変換部20による第2描画手法とが異なることによって生じる第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68との微小なズレをより吸収することができる。
【0070】
また、前記変形例1において、第1収縮フィルタ部16及び第2収縮フィルタ部22に代えて、前記第1膨張フィルタ部及び前記第2膨張フィルタ部を設ける場合は、前記第1膨張フィルタ部及び前記第2膨張フィルタ部は、第1ラスタ画像データ62、第2ラスタ画像データ66に対して膨張フィルタ処理を複数回施すようにしてもよい。この場合であっても、第1ラスタ変換部14による第1描画手法と第2ラスタ変換部20による第2描画手法とが異なることによって生じる第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68との微小なズレをより吸収することができる。
【0071】
(変形例3)図6のステップS7において、エッジ検出部26は、加算画像データ78に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、検出された第1相違領域80及び第2相違領域82を膨張させ、該膨張後の第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジ84を検出するようにしたが、加算画像データ78に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことなく、検出された第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジ84を検出するようにしてもよい。
【0072】
また、エッジ検出部26は、加算画像データ78に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を複数回施して、第1相違領域80及び第2相違領域82を複数回膨張させ、複数回膨張後の第1相違領域80及び第2相違領域82のエッジ84を検出するようにしてもよい。これにより、第1ラスタ画像データ62で表される図形64と第2ラスタ画像データ66で表される図形68とが異なる箇所を、確実にエッジ84で囲むことができる。
【0073】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定されて解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
10…画像比較装置 12…原図データベース
14…第1ラスタ変換部 16…第1収縮フィルタ部
18…データ形式変換部 20…第2ラスタ変換部
22…第2収縮フィルタ部 24…比較部
26…エッジ検出部 28…表示制御部
30…表示部 48、52、78…加算画像データ
60…第1ベクタ画像データ 62…第1ラスタ画像データ
64、68…図形 66…第2ラスタ画像データ
70…第1膨張画像データ 74…第2膨張画像データ
80…第1相違領域 82…第2相違領域
84…エッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段(12)から得られる第1ベクタ画像データ(60)を第1描画手法によって第1ラスタ画像データ(62)にラスタ変換し、前記第1ベクタ画像データ(60)を前記第1ベクタ画像データ(60)とは異なるデータ形式に変換して得られた第2ベクタ画像データを、第1描画手法とは異なる第2描画手法によって第2ラスタ画像データ(66)にラスタ変換し、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較する画像比較方法において、
前記第1ラスタ画像データ(62)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)を膨張させた第1膨張画像データ(70)を生成する第1膨張工程と、
前記第2ラスタ画像データ(66)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)を膨張させた第2膨張画像データ(74)を生成する第2膨張工程と、
前記第2膨張画像データ(74)と前記第1ラスタ画像データ(62)とを比較して、前記第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)のうち、前記第2膨張画像データ(74)で表される図形(68)からはみ出る領域を第1相違領域(80)として検出するとともに、前記第1膨張画像データ(70)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較して、前記第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)のうち、前記第1膨張画像データ(70)で表される図形(64)からはみ出る領域を第2相違領域(82)として検出する比較工程と、
を備えることを特徴とする画像比較方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像比較方法において、
前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)のエッジ(84)を検出するエッジ工程と、
前記第1ラスタ画像データ(62)の画像及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像を表示部に表示するとともに、検出された前記エッジ(84)を前記第1ラスタ画像データ(62)及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像上に重畳表示させる表示工程と、
を備えることを特徴とする画像比較方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像比較方法において、
前記エッジ工程は、前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)を膨張させた後、膨張後の前記第1相違領域(80)及び前記第2相違領域(82)の前記エッジ(84)を検出する
ことを特徴とする画像比較方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像比較方法において、
前記表示工程は、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを合成して合成画像データを生成し、該合成画像データの画像を表示することで、前記第1ラスタ画像データ(62)及び前記第2ラスタ画像データ(66)の画像を表示する
ことを特徴とする画像比較方法。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像比較方法において、
前記表示工程は、検出された前記エッジ(84)を着色させて表示させる
ことを特徴とする画像比較方法。
【請求項6】
記憶手段(12)から得られる第1ベクタ画像データ(60)を第1描画手法によって第1ラスタ画像データ(62)にラスタ変換する第1ラスタ変換部(14)と、前記第1ベクタ画像データ(60)を前記第1ベクタ画像データ(60)とは異なるデータ形式に変換して得られた第2ベクタ画像データを、第1描画手法とは異なる第2描画手法によって第2ラスタ画像データ(66)にラスタ変換する第2ラスタ変換部(20)と、前記第1ラスタ画像データ(62)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較する比較部(24)と備える画像比較装置(10)において、
前記第1ラスタ画像データ(62)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)を膨張させた第1膨張画像データ(70)を生成する第1フィルタ部(16)と、
前記第2ラスタ画像データ(66)に対して収縮フィルタ処理又は膨張フィルタ処理を施すことで、第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)を膨張させた第2膨張画像データ(74)を生成する第2フィルタ部(22)と、
をさらに備え、
前記比較部(24)は、前記第2膨張画像データ(74)と前記第1ラスタ画像データ(62)とを比較して、前記第1ラスタ画像データ(62)で表される図形(64)のうち、前記第2膨張画像データ(74)で表される図形(68)からはみ出る領域を第1相違領域(80)として検出するとともに、前記第1膨張画像データ(70)と前記第2ラスタ画像データ(66)とを比較して、前記第2ラスタ画像データ(66)で表される図形(68)のうち、前記第1膨張画像データ(70)で表される図形(64)からはみ出る領域を第2相違領域(82)として検出する
ことを特徴とする画像比較装置(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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