説明

画像表示システム、画像処理装置及び表示装置

【課題】印刷ジョブを用いて表示装置に画像データを表示する場合に、画像データを表示させるときのユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】画像処理装置は、画像データを印刷するための印刷命令を送信して、外部装置としての表示装置に画像データを表示させる画像処理装置であって、記憶媒体に記憶された画像データを表示する表示手段と、前記表示手段により画像データを表示する表示形態を選択する選択手段と、前記表示装置と接続した状態であり、かつ前記選択手段により一画面に複数の画像データを表示する表示形態が選択された場合、1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を前記表示装置に送信する送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ等で撮影した画像データを接続した表示装置に表示する画像表示システム、画像処理装置及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラ(以下、カメラ)からPCを介さず、フォトダイレクトプリンタ(以下、PDプリンタという)に直接、デジタル静止画像を送信してプリントするダイレクトプリントシステムが知られている。このダイレクトプリントシステムでは、カメラとPDプリンタとが異なるメーカの製品であってもカメラからPDプリンタへのダイレクトプリントを可能にするためにピクトブリッジ(PictBridge)と呼ばれる規格が用いられている。このピクトブリッジでは、1枚の画像を1枚の用紙に印刷するシングル印刷と複数枚の画像を1枚の用紙に印刷するインデックス印刷との2種類の印刷方法がある。このようにレイアウトを指定して印刷したい場合、コマンドのコメント部分に独自のコマンドを埋め込み、この独自コマンドをカメラとPDプリンタとが解釈することでユーザの意図したレイアウトでの印刷を可能する技術がある(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−93850号公報
【特許文献2】特開2002−88376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、印刷ジョブを用いた画像データの送信をプリンタでなく液晶プロジェクタ等の表示装置への表示に用いることが考えられる。具体的には、カメラが表示させたい画像データの印刷ジョブを生成し表示装置に送信する。そして、表示装置は、印刷ジョブを受信して、受信した印刷ジョブに対応する画像データを表示することが考えられる。しかしながら、印刷ジョブを用いた画像データの送信の場合、カメラは表示装置に対して表示レイアウト等の具体的な表示方法を指定する必要が生じ、ユーザに複雑な操作が強いられる恐れがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、印刷ジョブを用いて表示装置に画像データを表示する場合に、画像データを表示させるときのユーザの操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像表示システムは、画像データを印刷するための印刷命令を送信する画像処理装置と前記印刷命令に基づき前記画像データを表示する表示装置とを有する画像表示システムであって、前記画像処理装置は、記憶媒体に記憶された画像データを表示する表示手段と、前記表示手段により画像データを表示する表示形態を選択する選択手段と、前記表示装置と接続した状態であり、かつ前記選択手段により一画面に複数の画像データを表示する表示形態が選択された場合、1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を前記表示装置に送信する送信手段とを有し、前記表示装置は、前記画像処理装置から送信されたインデックス印刷の命令を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたインデックス印刷の命令に対応する複数の画像データを表示する表示手段とを有することを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、画像データを印刷するための印刷命令を送信して、外部装置としての表示装置に画像データを表示させる画像処理装置であって、記憶媒体に記憶された画像データを表示する表示手段と、前記表示手段により画像データを表示する表示形態を選択する選択手段と、前記表示装置と接続した状態であり、かつ前記選択手段により一画面に複数の画像データを表示する表示形態が選択された場合、1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を前記表示装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
本発明の表示装置は、外部装置としての画像処理装置から受信した印刷命令に基づき画像データを表示する表示装置であって、前記画像処理装置から送信された1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたインデックス印刷の命令に対応する複数の画像データを表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷ジョブを用いて表示装置に画像データを表示する場合に、画像データを表示させるときのユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像表示システムの外観構成を示す図である。
【図2】プロジェクタとカメラとの内部構成及び一部外観構成を示す図である。
【図3】ピクトブリッジプロトコルを説明するための図である。
【図4】画像表示システムの動作処理を示すシーケンス図である。
【図5】画像表示システムの動作処理を示すシーケンス図である。
【図6】インデックス表示された画像表示システムの外観構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態では、表示装置に印刷ジョブを送信する画像処理装置としてデジタルスチルカメラ(以下、カメラという)を用いる。また、表示装置として、液晶プロジェクタ(以下、プロジェクタという)を用いる。
また、本実施形態ではカメラがデジタル静止画像をプロジェクタに直接送信し、プロジェクタが受信したデジタル静止画像を投写するダイレクトプロジェクションシステム(画像表示システム)について説明する。なお、本実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
【0009】
図1は、ダイレクトプロジェクションシステム全体の外観構成を示す図である。
ダイレクトプロジェクションシステム1は、プロジェクタ10と、カメラ20とを含んで構成されている。プロジェクタ10とカメラ20とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル300を介して接続されている。本実施形態に係るダイレクトプロジェクションシステム1は、ピクトブリッジを用いてカメラ20からプロジェクタ10へのダイレクトプロジェクションを実現している。本実施形態におけるダイレクトプロジェクションは、カメラ20が印刷ジョブを作成し、プロジェクタ10に送信する。そして、印刷ジョブを受信したプロジェクタ10が印刷ジョブに対応する画像データを投写することで、ダイレクトプロジェクションが実現する。一般に、印刷ジョブにはいくつかの種類があり、例えば1つの画像データを1枚の用紙にプリントするための印刷ジョブや、1枚の用紙に複数の画像データをプリントする、いわゆるインデックス印刷のための印刷ジョブ等がある。
【0010】
図1に示すように、プロジェクタ10は、操作パネル101、映像用IF102、カメラ用IF104を備えている。操作パネル101は、ユーザが各種の操作を行うためのものである。カメラ用IF104は、カメラ20と接続させるためのUSBケーブル300を接続するインタフェースである。カメラ用IF104は、カメラ20との接続用のインタフェース回路(USBのホスト側インタフェース回路)としても機能する。
【0011】
また、カメラ20は、LCD画面201、操作ボタン202、駆動モード切替スイッチ203、ダイレクトアウトプットボタン204、決定ボタン205、シャッターボタン206、表示枚数切替スイッチ207、USB用IF212を備えている。
LCD画面201には、撮像素子であるCCD211(図2参照)に入射される光の像やメモリカード216(図2参照)に記憶された撮像したデジタル静止画像(以下、画像データという)等が表示される。操作ボタン202は、ユーザが各種の操作を行うためのボタンである。駆動モード切替スイッチ203は、ユーザが駆動モードを写真撮影モードや画像データをLCD画面201に表示する画像表示モード等に切り替えるスイッチである。
【0012】
ダイレクトアウトプットボタン204は、USBケーブル300を介して接続されたプロジェクタ10に対しピクトブリッジを用いてダイレクトプロジェクションを行うことをユーザが指示するボタンである。決定ボタン205は、ユーザが操作の決定をカメラ20に指示するボタンである。表示枚数切替スイッチ207は、カメラ20の駆動モードが画像表示モードの場合に、LCD画面201に表示させる画像データの表示形態をユーザが切り替えるためのスイッチである。具体的には、LCD画面201の一画面に表示される画像の枚数を切り替えることができる。USB用IF212は、USBケーブル300を接続するインタフェースである。USB用IF212は、プロジェクタ10との接続用のインタフェース回路(USBのスレーブ側インタフェース回路)としても機能する。
【0013】
上述したように構成されるダイレクトプロジェクションシステム1では、カメラ20のLCD画面201に表示された画像データ(図1では画像A250)と同じ画像データがプロジェクタ10にも表示される。つまり、画像AがLCD画面201に表示されることに応じて、カメラ20は、画像A250の印刷ジョブを発行し、プロジェクタ10に送信する。
【0014】
次に、図2は、プロジェクタ10とカメラ20との内部構成及び一部外観構成を示す図である。
プロジェクタ10は、上述した操作パネル101、映像用IF102、カメラ用IF104に加え、CPU(プロジェクタ側)103、投写エンジン105、ROM106、RAM107を有している。
CPU103は、プロジェクタ10全体の制御を行う。CPU103には、PTP(Picture Transfer Protocol)形式のコマンドとピクトブリッジ形式のコマンドとのデコーダ109及びエンコーダ110を備えている。なお、デコーダ109とエンコーダ110とは、後述する図3に示すようなピクトブリッジの通信プロトコルアーキテクチャの構成を取っている。
【0015】
投写エンジン105は、液晶パネル、その駆動ドライバ、レンズ、その駆動系及び光源で構成されている。投写エンジン105は、カメラ20から受信した画像データや映像用IF102で受信した映像を投写して表示する。ROM106には、CPU103の処理手順を記述した制御プログラムが記憶されている。RAM107は、カメラ20から受信した画像データを一時的に記憶する等のワークメモリとして機能する。これらの各構成部の間におけるデータの送受信は、内部バス118を介して行われる。
【0016】
次に、カメラ20は、上述したLCD画面201、操作ボタン202、駆動モード切替スイッチ203、ダイレクトアウトプットボタン204、決定ボタン205、シャッターボタン206、表示枚数切替スイッチ207、USB用IF212を備えている。なお、図2では、操作ボタン202、駆動モード切替スイッチ203、ダイレクトアウトプットボタン204、決定ボタン205、シャッターボタン206、表示枚数切替スイッチ207を操作部として示している。
また、カメラ20は、CPU208(カメラ側)、光学ユニット209、光学ユニット制御用ドライバ210、CCD211、ROM213、LCD画面表示用VRAM(RAM)214、メモリカードコネクタ215を有している。
【0017】
CPU208は、カメラ20全体を制御する。CPU208には、PTP(Picture Transfer Protocol)形式のコマンドとピクトブリッジ形式のコマンドとのデコーダ218及びエンコーダ219を備えている。なお、デコーダ218とエンコーダ219とは、後述する図3に示すようなピクトブリッジの通信プロトコルアーキテクチャの構成を取っている。
【0018】
また、CPU208は、USB接続機器判別部220、画像処理部221を含んでいる。ここで、USB接続機器判別部220は、USBケーブル300を介して接続した外部装置が表示装置であるか印刷装置であるかを判断する。また、画像処理部221は、駆動モードが画像表示モードの場合、LCD画面201に表示する画像データに対して画像処理を行う。
【0019】
光学ユニット209は、レンズ及びその駆動系で構成されている。光学ユニット制御用ドライバ210は、光学ユニット209を制御する。CCD211は、撮像素子であり、被写体を結像して電気信号に変換する。ROM213は、CPU208の処理手順を記述した制御プログラムを記憶している。RAM214は、画像データを一時的に記憶する等、CPU208のワークメモリとして機能する。メモリカードコネクタ215は、画像データを記録するためのメモリカードを接続するためのコネクタである。これらの各構成部の間におけるデータの送受信は、内部バス217を介して行われる。
カメラ20とプロジェクタ10との間のデータの送受信は、USB用IF212とUSBケーブル300とカメラ用IF104とを介して、カメラ20のCPU208及びプロジェクタ10のCPU103の制御下で行われる。
【0020】
次に、図3を参照して、本実施形態において採用されているピクトブリッジの通信プロトコルアーキテクチャを示す。ピクトブリッジでは、物理層にUSB40を用いている。また、物理層上のトランスポート層にはPTPを用いている。また、図3に示すように、トランスポート層とアプリケーション層との間には、新たな変換用のレイヤ層であるDPS層を設けている。このDPS層では、PTPの通信プロトコルとDPSアプリケーションとの間のマッピングを行う。ピクトブリッジは、このDPS層とアプリケーション層とのインタフェースプロトコルを規格化したものである。
【0021】
次に、図3を参照して、ピクトブリッジのソフトウェアコンポーネントについて説明する。ソフトウェアコンポーネントには、アプリケーション層内にあるPrintServer43、PrintClient44、StorageServer45、StorageClient46及びDPS層内にあるDPSDiscovery41、42がある。
ピクトブリッジでは、カメラ20側からの印刷命令に応じてプロジェクタ10側が印刷を実行する際に、プロジェクタ10側がカメラ20側に画像データを要求することを想定している。したがって、通常、ユーザがStorageClient46を意識することはない。DPSアプリケーションでは、基本的に、Clientからの要求に対してServerが応答し、その結果をClientに返答するというシーケンスで各DPSOperationが完結する。また、Serverから発行される通知に対してClientが応答して、その受け取り確認をServerに返答するというシーケンスでDPSEventが完結する。
【0022】
(シングル表示における動作処理)
次に、図4に示すシーケンス図を参照して、ユーザの操作に応じたカメラ及びプロジェクタの動作処理について説明する。ここでは、LCD画面201に1枚の画像データを表示させるシングル表示について説明する。
まず、ステップS101において、ユーザは、駆動モード切替スイッチ203を操作してカメラ20の駆動モードを画像表示モードに切り替える。なお、本実施形態では、カメラ20は、画像表示モードに切り替えられた直後の表示がシングル表示になるように設定されているものとする。
ステップS102において、カメラ20のCPU208は、駆動モード切替スイッチ203の操作に応じて、メモリカード216等の記憶媒体に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データをLCD画面201にシングル表示する。
【0023】
次に、ステップS103において、ユーザは、プロジェクタ10とカメラ20とをUSBケーブル300により接続する。
ステップS104において、USBでの接続に応じて、プロジェクタ10のCPU103とカメラ20のCPU208とは、DPS_Discoveryで互いの装置がDPS機能を有する装置であるか否かのネゴシエーションを行う。
互いにPictBridge対応機器であることを確認した後、ステップS105において、プロジェクタ10及びカメラ20では、DPSアプリケーションに制御が移行する。そして、両装置は、DPS_ConfigurePrintServiceで両装置がどのようなサービス機能を有しているかを互いに通知する。また、両装置は、通信するときに使用するバージョン情報やその他の設定情報も互いに通知する。
【0024】
ステップS106において、カメラ20のCPU208(USB接続機器判別部220)は、DPS_ConfigurePrintServiceで取得した情報に基づいて、ピクトブリッジで接続された通信中の外部装置が表示装置であると判断する。ここでは、USB接続機器判別部220は、外部装置判定手段の一例として機能する。
次に、ステップS107では、カメラ20のCPU208は、プロジェクタ10に対してDPS_GetCapabilityで、設定可能な能力情報を要求する。
ステップS109において、プロジェクタ10のCPU103は、DPS_GetCapabilityの要求を受けて、投写パネルのサイズや設定可能な能力情報を送信する。
ステップS109において、カメラ20のCPU208は、能力情報等を受信する。
【0025】
次に、ステップS110では、カメラ20のCPU208は、LCD画面201に画像データがシングル表示されていると判定した場合、LCD画面201に表示している画像データの印刷をプロジェクタ10に命令する。具体的には、カメラ20のCPU208は、画像データの識別子(ファイル識別子)と印刷の指示とを記載した印刷ジョブとしての出力Jobスクリプト(印刷命令)を作成して、プロジェクタ10に送信する。
【0026】
ステップS111では、プロジェクタ10のCPU103は、出力Jobスクリプトを受信する。
ステップS112では、プロジェクタ10のCPU103は、出力スクリプトに記載されたファイル識別子に対応するファイル情報の送信を要求する送信要求情報を作成し、送信要求情報をカメラ20に送信する。ここで、ファイル情報とは、例えば、ファイル名、ファイルサイズ、ファイル属性等である。
ステップS113では、カメラ20のCPU208は、送信要求情報を受信し、送信要求情報に含まれるファイル識別子に対応するファイル情報をプロジェクタ10に送信する。
ステップS114では、プロジェクタ10のCPU103は、ファイル情報を受信する。このように情報を送受信することにより、プロジェクタ10とカメラ20とは、両装置の接続が円滑に行われるか否かを直ちに判定することができる。
【0027】
ステップS115では、プロジェクタ10のCPU103は、受信したファイル情報に基づいて、画像データを受信するための準備を行う。具体的には、CPU103は、ファイルサイズからRAM107の空き容量のチェックを行い、受信可能か否かを判定する。受信可能である場合、CPU103は、画像データの送信を要求する画像要求情報を作成し、画像要求情報をカメラ20に送信する。なお、受信可能ではない場合、受信することができない旨の情報をカメラ20に送信する。
ステップS116では、カメラ20のCPU208は、画像要求情報を受信し、画像要求情報で要求されている画像データをプロジェクタ10に送信する。
【0028】
ステップS116では、プロジェクタ10のCPU103は、画像データを受信し、投写して表示する。
ステップS117では、プロジェクタ10のCPU103は、所望の投写を終了した後、その結果をDPS_NotifyDeviceStatusとしてカメラ20に送信する。
ステップS118では、カメラ20のCPU208は、DSP_NotifyDeviceStatusを受信する。
【0029】
上述したような動作処理により、投写して表示された画像の一例について、図1を参照して説明する。図1に示すように、LCD画面201に画像A250の一つの画像データのみが表示されている。この場合、プロジェクタ10は、図1に示すように、画像A250と同一の画像Aを投写する。なお、LCD画面201には、カメラ20のCPU208が、画像Aの撮影日時情報をOSD(On Screen Display)262で表示している。しかし、上述した動作処理では、カメラ20のCPU208は、OSD262の情報をプロジェクタ10に送信していないので、プロジェクタ10のCPU103は、OSD262を投写していない。
【0030】
(インデックス表示における動作処理)
次に、図5に示すシーケンス図を参照して、ユーザの操作に応じたカメラ及びプロジェクタの動作処理について説明する。ここでは、LCD画面201に複数の画像データを表示させるインデックス表示について説明する。なお、図5に示すシーケンス図は、図4に示すシーケンス図の動作処理後に行われたものとして説明する。
まず、ステップS201では、ユーザは、表示枚数切替スイッチ207を操作してLCD画面201に表示する画像データの枚数をシングル表示の1枚からインデックス表示の9枚に切り替える。
【0031】
次に、ステップS202において、カメラ20のCPU208は、表示枚数切替スイッチ207の操作に応じて、LCD画面201に表示する9枚の画像データ(画像データA〜画像データI)をメモリカード216から読み出す。
ステップS203において、カメラ20のCPU208(画像処理部221)は、読み出した画像データに縮小処理等を施し、LCD画面201にインデックス表示する。
【0032】
ステップS204では、カメラ20のCPU208は、LCD画面201に表示している9枚の画像データのインデックス印刷をプロジェクタ10に命令する。具体的には、カメラ20のCPU208は、9枚の画像データの識別子(ファイル識別子(1〜9))とインデックス印刷の指示とを記載した印刷ジョブとしてのインデックス出力Jobスクリプト(印刷命令)を作成する。
ステップS205では、カメラ20のCPU208は、作成したインデックス出力Jobスクリプトをプロジェクタ10に送信する。
【0033】
ステップS206では、プロジェクタ10のCPU103は、インデックス出力Jobスクリプトを受信する。
ステップS207では、プロジェクタ10のCPU103は、インデックス出力Jobスクリプトに記載されたファイル識別子(n)に対応するファイル情報の送信を要求する送信要求情報を作成し、送信要求情報をカメラ20に送信する。なお、最初にステップS207の処理をするとき、CPU103は、ファイル識別子(1)に対応するファイル情報の送信のみを要求する送信要求情報を作成する。
ステップS208では、カメラ20のCPU208は、送信要求情報を受信し、送信要求情報に含まれるファイル識別子(n)に対応するファイル情報をプロジェクタ10に送信する。
ステップS209では、プロジェクタ10のCPU103は、ファイル情報を受信する。
【0034】
ステップS210では、プロジェクタ10のCPU103は、受信したファイル情報に基づいて、画像データを受信するための準備を行う。具体的には、CPU103は、ファイルサイズからRAM107の空き容量のチェックを行い、受信可能か否かを判定する。受信可能である場合、CPU103は、画像データの送信を要求する画像要求情報を作成し、画像要求情報をカメラ20に送信する。
ステップS211では、カメラ20のCPU208は、画像要求情報を受信し、画像要求情報で要求されている画像データをプロジェクタ10に送信する。
プロジェクタ10とカメラ20とは、上述したステップS207からステップS212までの処理をインデックス出力Jobスクリプトに記載されたファイル識別子の分(ここではn=1〜9)だけ繰り返す。
【0035】
ステップS213では、プロジェクタ10のCPU103は、ステップS116からステップS121までの処理を繰り返し、9枚の画像データを受信する。ここで、プロジェクタ10のCPU103は、画像データ受信手段の一例に対応する。
続いて、プロジェクタ10のCPU103は、受信した9枚の画像データを一画面に配置したインデックス表示化した画像データを作成する。ここで、プロジェクタ10のCPU103は、画像作成手段の一例に対応する。プロジェクタ10のCPU103は、作成したインデックス表示の画像データを投写して表示する。
ステップS214では、プロジェクタ10のCPU103は、所望の投写を終了した後、その結果をDPS_NotifyDeviceStatusとしてカメラ20に送信する。
ステップS215では、カメラ20のCPU208は、DSP_NotifyDeviceStatusを受信する。
【0036】
上述したような動作処理により、投写された画像の一例について図6を参照して説明する。図6に示すように、LCD画面201に画像A250〜画像I258の9枚の画像がインデックス表示されている。この場合、プロジェクタ10は、図6に示すように、画像A250〜画像I258のインデックス表示を投写する。なお、図6のLCD画面201には、カーソル260により画像F255が選択され、選択された画像F255の撮影日時情報のOSD262と、枚数表示を示すOSD261とが表示されている。しかし、上述した動作処理では、カメラ20のCPU208は、OSD262、OSD261の情報をプロジェクタ10に送信していないので、プロジェクタ10のCPU103は、OSD262、OSD261を表示していない。
【0037】
このように、本実施形態によれば、インデックス印刷の印刷ジョブを用いることで、プロジェクタでは、容易にインデックス表示を行うことができる。具体的には、カメラとプロジェクタとが接続された状態においてユーザがカメラでインデックス表示の選択を行うことで、プロジェクタは自動的にカメラのLCD画面に表示されているインデックス表示を表示する。したがって、ユーザは、プロジェクタにおいて、特別な操作を行うことなく、インデックス表示を行うことができる。
【0038】
なお、上述した実施形態では、撮像したデジタル静止画像を表示する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、撮像されていない画像データを表示する場合であっても適用することができる。
また、上述した実施形態では、インデックス表示として縦横にそれぞれ3枚配置して、計9枚を表示する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば縦横にそれぞれ2枚配置して、計4枚を表示するようにしてもよく、その他どのように複数配置してもよい。
また、上述した実施形態では、表示装置としてプロジェクタを例にして説明したが、この場合に限られない。例えば、ディスプレイ等であってもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、ユーザによる操作に応じて、画像データをLCD画面に表示する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、カメラに表示されているインデックス表示を自動的に所定時間ごとに切り換えるスライド表示であっても、プロジェクタは同様にインデックス表示を行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ダイレクトプロジェクションシステム
10 プロジェクタ
20 カメラ
103 CPU
105 投写エンジン
106 ROM
107 RAM
109 デコーダ
110 エンコーダ
201 LCD画面
202 操作ボタン
203 駆動モード切替スイッチ
204 ダイレクトアウトプットボタン
205 決定ボタン
206 シャッターボタン
207 表示枚数切替スイッチ
208 CPU
212 USB用IF
220 USB接続機器判別部
221 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを印刷するための印刷命令を送信する画像処理装置と前記印刷命令に基づき前記画像データを表示する表示装置とを有する画像表示システムであって、
前記画像処理装置は、
記憶媒体に記憶された画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段により画像データを表示する表示形態を選択する選択手段と、
前記表示装置と接続した状態であり、かつ前記選択手段により一画面に複数の画像データを表示する表示形態が選択された場合、1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を前記表示装置に送信する送信手段とを有し、
前記表示装置は、
前記画像処理装置から送信されたインデックス印刷の命令を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたインデックス印刷の命令に対応する複数の画像データを表示する表示手段とを有することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
画像データを印刷するための印刷命令を送信して、外部装置としての表示装置に画像データを表示させる画像処理装置であって、
記憶媒体に記憶された画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段により画像データを表示する表示形態を選択する選択手段と、
前記表示装置と接続した状態であり、かつ前記選択手段により一画面に複数の画像データを表示する表示形態が選択された場合、1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を前記表示装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
通信中の外部装置が表示装置であるか印刷装置であるかを判定する外部装置判定手段を更に有し、
前記外部装置判定手段により通信中の外部装置が表示装置であると判定された場合、
前記送信手段は、前記インデックス印刷の命令を前記表示装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被写体を撮像する撮像手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
外部装置としての画像処理装置から受信した印刷命令に基づき画像データを表示する表示装置であって、
前記画像処理装置から送信された1枚の用紙に複数の画像データを印刷するインデックス印刷の命令を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたインデックス印刷の命令に対応する複数の画像データを表示する表示手段とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記受信手段により受信されたインデックス印刷の命令に対応する複数の画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段により受信された複数の画像データを一画面に配置した画像データを作成する画像作成手段とを更に有し、
前記表示手段は、前記画像作成手段により作成された画像データを表示することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示装置は、画像データを投写するプロジェクタであることを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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