説明

画像表示システム

【課題】サーバ装置側に保持されている画像を無線により携帯端末へ伝送して携帯端末の画面に表示する画像表示システムに関し、無線通信の速度が低速な場合(例えば、移動体通信網を用いる場合)においても画像伝送の効率を高めることが可能な技術を提案する。
【解決手段】サーバ装置1が、携帯端末2による表示対象となる画像をタイル化(格子状に分割)した複数のタイル画像(分割画像)を記憶し、携帯端末2が、対象の画像中の一部又は全体を画面表示する際に必要となる複数のタイル画像をサーバ装置1に要求し、サーバ装置1が、携帯端末2からの要求に応じて、当該要求に対応する複数のタイル画像を携帯端末2に並列して送信し、携帯端末2が、サーバ装置1から送信される複数のタイル画像を並列して受信し、当該受信した複数のタイル画像を用いて画面表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信網を介してサーバ装置と通信可能な携帯端末を備えた画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバ装置側に保持されている画像を無線により携帯端末(例えば、スマートフォン等の携帯電話機)へ伝送して携帯端末の画面に表示する画像表示システムが実現されている。このような画像表示システムによれば、無線通信が可能な範囲内(無線通信の圏内)であれば、携帯端末の画面上で自由に画像を閲覧可能な環境を利用者に提供することができる。
【0003】
ここで、携帯端末では、その装置構成上、搭載されるメモリは小型であるため、携帯端末上で動作するアプリケーションが使用可能なメモリ容量は比較的少ない。また、携帯端末上で各種のアプリケーションを動作させるプラットフォームの一例であるAndroid(グーグル・インコーポレイテッドの登録商標)では、1つのアプリケーションが使用できるヒープメモリの容量が規定値(例えば、16MB)に制限されている。このような状況では、ライフラインの整備や構造物の耐震メンテナンス等に使用される地図や図面のような大判の画像を使用することは困難である。
【0004】
また、サーバ装置から携帯端末への画像の伝送に要する時間は、伝送対象となる画像のデータ容量に比例して増大する。特に、移動体通信網のように通信速度が低速なものを用いて画像を伝送する場合には、画像が大容量であるほど、画像の伝送に要する時間の増大が顕著であり、利用者にストレスを与えかねない。また、WiFi(Wireless Fidelity)のように通信速度が高速なものを用いて画像を伝送する場合においても、通信回線の混雑状況によっては十分な速度が得られないこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−099320号公報
【特許文献2】特開2010−033611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば、特許文献1,2には、ビューデータの計算と伝送を増分の形で行うことが可能なように画像ビューをタイル化すること、ネットワークのトラフィックを低減させるために、ビュータイルをクライアント上にキャッシングすること、ビュータイルの計算量を減少させるため、及び、画像ビューサーバの応答性を増大させるために、ビュータイルをサーバ上にキャッシングすること等が開示されている。
【0007】
このようなタイル化の技術を用いれば、使用可能なメモリ容量に制約がある携帯端末上で地図や図面のような大判の画像を閲覧可能な環境を構築できる。
しかしながら、画像のダウンロードを無線通信により行う場合、特に、移動体通信網のように通信速度が十分に高速でないものを用いる場合には、上記タイル化の技術だけでは十分とはいえず、更なる改良が求められる。
【0008】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、サーバ装置側に保持されている画像を無線により携帯端末へ伝送して携帯端末の画面に表示する画像表示システムに関し、無線通信の速度が低速な場合においても画像伝送の効率を高めることが可能な技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、無線通信網を介してサーバ装置と通信可能な携帯端末を備えた画像表示システムとして実現されるほか、当該画像表示システムにより実施される画像表示方法、当該画像表示システムを構成するサーバ装置及び携帯端末並びにそれらのプログラムとして実現することができる。
【0010】
本発明に係る画像表示システムでは、サーバ装置は、対象の画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶する記憶手段と、携帯端末からの要求に応じて、当該要求に対応する分割画像を携帯端末に送信する送信手段と、を有する。
また、本発明に係る画像表示システムでは、携帯端末は、対象の画像中の一部又は全体を、複数の分割画像を用いて当該携帯端末の画面に表示する表示手段と、表示手段による表示に用いる複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答してサーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する受信手段と、を有する。
【0011】
つまり、サーバ装置が、携帯端末による表示の対象となる画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、携帯端末が、対象の画像中の一部又は全体を当該携帯端末の画面に表示する際に必要となる複数の分割画像をサーバ装置に要求し、サーバ装置が、携帯端末からの要求に応じて、当該要求に対応する複数の分割画像を携帯端末に送信し、携帯端末が、サーバ装置から送信される複数の分割画像を受信し、当該受信した複数の分割画像を用いて画面表示を行う構成とすることで、携帯端末において、画像全体ではなく、その一部である分割画像を取り扱うようにして、限られたメモリ容量しか使用できないという制約の解決を図る。
更に、サーバ装置が、複数の分割画像を並列して送信し、携帯端末が、サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する構成(例えば、分割画像を1枚ずつ要求して受信するスレッドを複数重複して動作させる構成)とすることで、携帯端末の処理性能や無線通信網の通信性能を効果的に活用できるようにして、限られた通信速度しか得られないという制約の解決を図る。
これにより、無線通信の速度が低速な場合(例えば、移動体通信網を用いる場合や、通信回線が逼迫している場合など)においても画像伝送の効率を高めることができる。
【0012】
ここで、携帯端末の受信手段が、画面の表示をスライドするユーザ操作に基づいて、画面に表示されている分割画像に隣接する複数の分割画像をサーバ装置に要求し、当該要求に応答してサーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する構成としてもよい。
これにより、表示のスライドによって新たに表示範囲に含まれることになった複数の分割画像を効率的に受信することができる。
【0013】
また、携帯端末の受信手段が、画面の表示を縮小するユーザ操作に基づいて、画面に表示されている分割画像に隣接する複数の分割画像をサーバ装置に要求し、当該要求に応答してサーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する構成としてもよい。
これにより、表示の縮小によって新たに表示範囲に含まれることになった複数の分割画像を効率的に受信することができる。
【0014】
また、サーバ装置の記憶手段が、対象の画像に対する縮小処理により得られる異なる縮尺の複数の画像の各々について、その画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、携帯端末の受信手段が、画面の表示を縮小するユーザ操作に基づいて、画面に表示されている分割画像より縮尺が小さい複数の分割画像をサーバ装置に要求し、当該要求に応答してサーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する構成としてもよい。
これにより、縮小後の表示に適した縮尺の複数の分割画像を効率的に受信することができる。また、表示の縮小に用いる分割画像の数が多量になることを防ぐことができる。
【0015】
また、サーバ装置の記憶手段が、対象の画像に対する縮小処理により得られる異なる縮尺の複数の画像の各々について、その画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、携帯端末の受信手段が、画面の表示を拡大するユーザ操作に基づいて、画面に表示されている分割画像より縮尺が大きい複数の分割画像をサーバ装置に要求し、当該要求に応答してサーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する構成としてもよい。
これにより、拡大後の表示に適した縮尺の複数の分割画像を効率的に受信することができる。また、表示の拡大を画像処理のみで行う場合に比べて良好な画質を得ることが可能となる。
【0016】
また、サーバ装置に、対象の画像を分割して複数の分割画像を生成する分割手段を更に備え、サーバ装置の記憶手段が、分割手段により生成された複数の分割画像を記憶する構成としてもよい。
これにより、必要に応じて分割画像を生成することができ、サーバ装置の記憶容量を削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、無線通信の速度が低速な場合(例えば、移動体通信網を用いる場合や、通信回線が逼迫している場合など)においても画像伝送の効率を効果的に高めることができ、その結果、端末装置における画像閲覧の操作性(ハンドリング)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムの概要を示す図である。
【図2】サーバ装置及び携帯端末の機能ブロックの例を示す図である。
【図3】サーバ装置におけるタイリング処理の処理フローの例を示す図である。
【図4】携帯端末におけるタイルダウンロード処理及び描画処理の処理フローの例を示す図である。
【図5】通信・効率・使用感の観点からタイル画像のサイズを検証した例を示す図である。
【図6】ダウンロードスレッドの数を検証した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る画像表示システムの概要を示してある。
本例の画像表示システムは、サーバ装置1と携帯端末2とが移動体通信網3を介して通信可能に構成してあり、サーバ装置1にて携帯端末2による表示対象の画像をタイリング(タイル状に分割)し、サーバ装置1から携帯端末2へタイル単位でダウンロード(伝送)し、携帯端末2の画面に各タイル画像を描画(表示)することで、携帯端末2の利用者に表示対象の画像の一部又は全体の閲覧環境を提供するものである。
【0020】
図2には、サーバ装置1及び携帯端末2の機能ブロックの例を示してある。
本例のサーバ装置1は、他の装置との通信に使用される通信インタフェース部14、複数の画像のデータを記憶・管理する画像データベース13、画像をタイル状に分割して複数のタイル画像(分割画像)のデータを生成するタイリング部12、タイル画像のデータを記憶するタイルデータ保持部15、携帯端末2からのリクエスト(要求)に応じた処理を行うリクエスト処理部11を有する。
【0021】
また、本例の携帯端末2は、他の装置との通信に使用される通信インタフェース部21、ユーザから各種の操作入力を受け付ける操作入力部22、画像の表示先(表示面)となる画面23、サーバ装置1からタイル画像のデータをダウンロード(受信)するダウンロード処理部24、ダウンロードしたタイル画像のデータを記憶するタイルデータ保持部25、表示対象の画像の一部又は全体を複数のタイル画像のデータに基づいて画面23に描画(表示)するタイル描画部26を有する。
【0022】
本例では、携帯端末2として、第3世代(いわゆる「3G」)の移動体通信網を用いてデータ通信を行えるスマートフォン等の携帯電話機を用い、各アプリケーションを動作させるプラットフォームにAndroidを用いる。なお、これらは一例に過ぎず、使用する無線通信網の規格やプラットフォームなどは任意であり、例えば、携帯端末2として、WiFiを用いてデータ通信を行えるPDA(Personal Digital Assistants)やタブレットPC等の携帯型の小型端末を用いてもよい。
また、本例の携帯端末2では、画面23及び操作入力部22として機能するタッチパネルを設け、画面23に対するタッチ操作を操作入力部22にて検知する構成としているが、画面23と操作入力部22をそれぞれ異なるハードウェアにより構成してもよい。
【0023】
次に、サーバ装置1及び携帯端末2の各機能部による具体的な処理内容を、画像表示システムの動作の流れに沿って説明する。
まず、事前処理として、サーバ装置1の画像データベース13に、例えば、インターネット網を介して接続された他の端末から、携帯端末2による表示対象となり得る複数の画像のデータが登録される。本例では、画像データベース13に画像そのものを記憶させるのではなく、所定の圧縮方式(例えば、UCV(Ultra Compress Vector))により圧縮(エンコード)した状態で記憶させておき、使用する際に伸張(デコード)して画像を復元する構成にすることで、画像データベース13のディスク容量の削減を図っている。なお、画像の圧縮は、送信元の端末側が画像の送信前に行ってもよく、サーバ装置1が画像の受信後に行ってもよい。
【0024】
ここで、例えば、携帯端末2の画面23に、サーバ装置1の画像データベース13に記憶されている複数の画像がリスト形式で表示され、その中の1つの画像を表示対象に指定する操作入力がユーザ(利用者)により行われたとする。この操作入力は操作入力部22によって検知され、これを契機にして、表示対象に指定された画像のタイル化及びダウンロードが開始される。
【0025】
まず、携帯端末2において、ダウンロード処理部24が、表示対象に指定された画像のタイル化を要求するタイリング要求を、通信インタフェース部21を通じてサーバ装置1へ送信する。本例のタイリング要求では、表示対象に指定された画像の識別情報である画像識別子(本例では、ファイルID)により、タイル化する画像を指定する。
【0026】
サーバ装置1は、携帯端末2から送信されたタイリング要求を通信インタフェース部14により受信すると、リクエスト処理部11が、当該タイリング要求で指定された画像識別子に対応する画像のタイリングをタイリング部12に指示する。
【0027】
タイリング部12は、指示された画像識別子に対応する画像の圧縮データを画像データベース13から読み出して伸張し、圧縮前の画像を復元する。また、復元した画像の画像形式が、携帯端末2で使用可能な画像形式と異なる場合には、画像形式の変換も行う。本例では、基本的にJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像を使用するが、色数が少ない画像の場合にはPNG(Portable Network Graphics)形式の画像を使用する場合もある。その後、復元(及び変換)結果の画像をオリジナル画像として、タイリング処理を行う。
【0028】
タイリング処理の詳細について、図3に示す処理フローの例を参照して説明する。
ここで、本例では、オリジナル画像を分割したタイル画像だけでなく、オリジナル画像を縮小した縮小画像(或いは更なる縮小画像)を分割したタイル画像の生成も行うようにしており、画像の縮小の程度をレイヤー番号により区別している。以下では、オリジナル画像(原寸の画像)をレイヤー1、各辺の長さを1/2にした縮小画像をレイヤー2、各辺の長さを1/4にした縮小画像をレイヤー4、・・・、とする。また、本例では、携帯端末の画面(表示領域)のサイズより小さい大きさのタイル画像を用いるものとし、例えば、タイル画像の1辺の長さを256ピクセルに設定する。
【0029】
タイリング処理では、まず、レイヤー番号を表す変数であるlayer、及び、タイルの大きさ(1辺の長さ)を表す変数であるtilesizeの設定を行う(ステップS21)。本例では、初期値として、変数layerに1を設定し、変数tilesizeに256を設定する。
【0030】
次に、縮小処理(ステップS12)及び切り出し処理(ステップS13)を行う。
縮小処理(ステップS12)では、オリジナル画像を(1/layer)に縮小し、縮小後の画像をimgとする。また、切り出し処理(ステップS13)では、imgの左上から右下に向かってtilesizeの正方形を順次切り出すことで複数のタイル画像を生成し、各タイル画像のデータをタイルデータ保持部15に記憶させる。なお、imgの端部(右辺や下辺の部分)については、正方形の切り出しを行えず、長方形のタイル画像となる場合がある。
ここで、1回目の縮小処理及び切り出し処理では、layer=1であるため、imgはオリジナル画像そのもの(原寸)であり、オリジナル画像を256ピクセル単位でタイル画像に分割することになる。
【0031】
次に、更なる縮小処理及び切り出し処理を行うかを判断すべく、imgの高さ又は幅が基準値(本例では、1024ピクセル)以下か否かを判定する(ステップS14)。
その結果、imgの高さ又は幅が基準値以下でないと判定された場合には、(layer*2)をlayerに設定して(ステップS15)、ステップS12に戻り、2回目の縮小処理及び切り出し処理を行う。
2回目の縮小処理及び切り出し処理では、layer=2であるため、imgはオリジナル画像を1/2にした縮小画像であり、この1/2の縮小画像を256ピクセル単位でタイル画像に分割することになる。
以上の処理(ステップS12〜S15)を、ステップS14においてimgの高さ又は幅が基準値以下であると判定されるまで繰り返す。
【0032】
これにより、異なる縮尺の複数の画像(オリジナル画像やその縮小画像)から、異なる縮尺の複数のタイル画像が生成される。このように、オリジナル画像(原寸の画像)を順次縮小して縮尺の異なる複数の縮小画像を生成し、各々を分割してタイル画像を生成するため、携帯端末2での表示において、いずれの縮尺のタイル画像を使用しても良好な画質を得ることができる。なお、各縮尺のタイル画像は基本的に(分割元画像の端部を除いて)同じ大きさであり、タイル画像の縮尺の相違はオリジナル画像上の対応領域の大きさの相違に相当する。
【0033】
ここで、本例では、各タイル画像のデータに、オリジナル画像の識別情報である画像識別子(本例では、ファイルID)、レイヤーの識別情報であるレイヤー番号、分割元の画像(オリジナル画像又はその縮小画像)における当該タイルのX軸方向(横方向)の配置を示すX位置、分割元の画像(オリジナル画像又はその縮小画像)における当該タイルのY軸方向(縦方向)の配置を示すY位置、を用いたファイル名を付して、タイルデータ保持部15内の同一のフォルダに全て格納する。なお、このファイル体系は一例であり、他のファイル体系によりタイル画像のデータを管理してもよく、例えば、オリジナル画像別のフォルダ(すなわち、ファイルID別のフォルダ)を用意する構成としてもよい。
【0034】
また、本例では、タイル画像の大きさを規定するピクセル数(tilesize)として256を用い、画像の縮小を実施するか否かを判定する基準値として1024ピクセルを用いているが、これらの値は一例に過ぎず、例えば、携帯端末2の画面サイズやメモリ容量、或いは後述する通信・効率・使用感等の各種要因を考慮して適切な値を定めればよい。
【0035】
タイリング部12によるタイリング処理(縮小処理や切り出し処理)が終了すると、リクエスト処理部11は、タイリング処理の結果(例えば、レイヤー番号毎のX位置及びY位置の最大値)を、通信インタフェース部14を通じて携帯端末2へ通知する。
【0036】
携帯端末2は、サーバ装置1から通知されたタイリング処理の結果を通信インタフェース部21により受信すると、ダウンロード処理部24が、当該タイリング処理の結果に基づいて、必要なタイル画像を選定してダウンロード処理を行い、タイル描画部25が、ダウンロードしたタイル画像の描画処理を行う。
【0037】
タイル画像のダウンロード処理及び描画処理の詳細について、図4に示す処理フローの例を参照して説明する。本例のダウンロード処理部24では、メインスレッドT1及びダウンロードスレッドT2を動作させることで、タイル画像のダウンロード処理を行う。また、本例のタイル描画部25では、表示スレッドT3を動作させることで、タイル画像の描画処理を行う。
【0038】
メインスレッドT1について、図4(a)を参照して説明する。
メインスレッドT1では、まず、画面中央に表示する画像の位置を表す変数であるcenter、画面サイズを表す変数であるviewsize、レイヤー番号を表す変数であるlayer、及び、タイルの大きさ(1辺の長さ)を表す変数であるtilesizeの設定を行う(ステップS21)。
【0039】
ここで、変数viewsizeには、携帯端末2の機種毎に固有の値(画面サイズ)が固定的に設定され、変数tilesizeには、サーバ装置1で用いた変数tilesizeと同じ値(本例では、256)が固定的に設定される。すなわち、変数center及び変数layerが必要に応じて調整されることなる。
例えば、初期表示の際には、画像の全体像を把握可能にすべく、最も縮尺が小さい(最も縮小率が大きい)タイル画像(すなわち、レイヤー番号が最大のタイル画像)を用い、その中央が画面中央に位置するように、変数center及び変数layerを設定する。また、例えば、表示範囲をスライドする(ずらす)ユーザ操作がなされた場合には、そのスライド量に応じて変数centerを調整する。また、例えば、表示を拡大又は縮小するユーザ操作がなされた場合には、拡大又は縮小後の縮尺に応じて変数layerを調整する。
【0040】
その後、各変数(center、viewsize、layer、tilesize)の設定値に基づいて、画面23の表示範囲に対応するタイル画像を特定して各々のファイル名を求め、そのうちサーバ装置1から未だダウンロードしていないタイル画像(或いは、過去にダウンロードしたが既に消去されたタイル画像)のファイル名をダウンロードキューに登録する(ステップS22)。ここで、画面23の表示範囲に対応するタイル画像とは、画面23の表示範囲内に一部又は全体が含まれるタイル画像を指す。なお、本例では、サーバ装置1からダウンロードしたタイル画像のデータをタイルデータ保持部25に記憶するため、タイルデータ保持部25を参照することでダウンロード済みか否か(或いは消去済みか否か)を判定できる。
【0041】
次に、ダウンロードスレッドT2について、図4(b)を参照して説明する。
本例では、4つのダウンロードスレッドT2(#1)〜(#4)を重複(並列)して動作させるが、ダウンロードスレッドT2の数は任意であり、携帯端末2の処理性能や移動体通信網3の通信性能等の各種要因を考慮して適切な数を定めればよい。ここで、重複(並列)して動作とは、各スレッドをそれぞれ異なるプロセッサを用いて並行動作させる構成でもよく、プロセッサの処理時間を非常に短い単位に分割して各スレッドに順番に割り当てて、各スレッドを共通のプロセッサにより並列的に動作させる構成でもよい。
なお、ダウンロードスレッドT2(#1)〜(#4)の動作内容は共通であるため、以下では各々を区別せずに、単にダウンロードスレッドT2と記す。
【0042】
ダウンロードスレッドT2は、ダウンロードキューからファイル名を1つ取り出して、タイル画像のファイル名を表す変数であるtilenameに設定する(ステップS31)。
次に、変数tilenameが空か否か(ダウンロードキューからファイル名を取り出せたか否か)を判定する(ステップS32)。その結果、変数tilenameが空でない(ファイル名を取り出せた)と判定された場合には、ファイル名が変数tilenameであるタイル画像を要求するタイル画像要求を、通信インタフェース部21を通じてサーバ装置1へ送信し、該当するタイル画像のデータをサーバ装置1からダウンロード(受信)してタイルデータ保持部25に格納する(ステップS33)。このとき、サーバ装置1のリクエスト処理部11では、携帯端末2からタイル画像要求を受信したことに応じて、当該タイル画像要求で指定されたファイル名のタイル画像のデータをタイルデータ保持部15から読み出して要求元の携帯端末2へ送信する処理を行う。このサーバ装置1側の処理も、携帯端末2側のダウンロードスレッドT2の数に応じて重複して行われる。
ステップS33におけるタイル画像のダウロードの終了後、或いは、ステップS32において変数tilenameが空(ファイル名を取り出せなかった)と判定された場合には、ステップS31に戻る。
【0043】
このように、各ダウンロードスレッドT2はダウンロードキューを随時監視しており、登録されたファイル名を1つずつ取り出して該当タイル画像のダウンロードを行う。そして、メインスレッドT1によって複数のファイル名がダウンロードキューに登録された場合には、複数のダウンロードスレッドT2により重複(並列)してタイル画像のダウンロードが行われることなる。
【0044】
次に、表示スレッドT3について、図4(c)を参照して説明する。
表示スレッドT3は、画面23の表示範囲に対応するタイル画像のデータをタイルデータ保持部15から読み出して、各タイル画像を画面23上の適切な位置に描画する(ステップS41)。本例では、画面23の表示範囲に対応する各タイル画像のデータがダウンロードされたか否かを、タイルデータ保持部15を参照して随時監視しており、タイル画像がダウンロードされる毎に速やかにその描画を行うようにしている。また、本例では、タイル画像のファイル名におけるX位置及びY位置(配置情報)から画面23上の位置を求め、該当位置にタイル画像を描画する。
【0045】
例えば、初期表示の際には、レイヤー番号が最大の複数のタイル画像がダウンロードされ、これらのタイル画像に基づいて、表示対象に指定された画像の全体像の一部又は全体が表示される。
また、例えば、表示範囲をスライドするユーザ操作がなされた場合は、表示のスライドによって新たに表示範囲に含まれることになった複数のタイル画像(現在表示中のタイル画像に隣接する複数のタイル画像)がダウンロードされ、これらのタイル画像に基づいて、新たな表示範囲部分の表示が行われる。
また、例えば、表示を拡大するユーザ操作がなされた場合には、その操作の程度(拡大率)が所定の閾値未満のときは、現在表示中のタイル画像を拡大する画像処理により拡大表示が行われる。一方、所定の閾値を超えたときは、現在表示中のタイル画像より縮尺が大きい(レイヤー番号が小さい)複数のタイル画像がダウンロードされ、これらのタイル画像を用いた表示に切り替わる。
また、例えば、表示を縮小するユーザ操作がなされた場合には、その操作の程度(縮小率)が所定の閾値未満のときは、表示の縮小によって新たに表示範囲に含まれることになった複数のタイル画像(現在表示中のタイル画像に隣接する複数のタイル画像)がダウンロードされ、現在表示中のタイル画像及び新たにダウンロードされたタイル画像を縮小する画像処理により縮小表示が行われる。一方、所定の閾値を超えたときは、現在表示中のタイル画像より縮尺が小さい(レイヤー番号が大きい)複数のタイル画像がダウンロードされ、これらのタイル画像を用いた表示に切り替わる。
【0046】
なお、携帯端末2における画面表示に必要なタイル画像の数は、表示の拡大又は縮小の程度によらず略一定である。本例では、縦方向の数として、画面23の縦方向の長さをタイルの大きさ(縦方向の長さ)で割り算し、その結果の小数点以下を切り上げた値を用い、また、横方向の数として、画面23の横方向の長さをタイルの大きさ(横方向の長さ)で割り算し、その結果の小数点以下を切り上げた値を用いる。このような演算により得られる数のタイル画像を用いることで、画面23をタイル画像で埋め尽くすことができる。また、上記の数のタイル画像により形成される画像は画面23よりも若干大きいサイズであるため、その余裕の範囲内で、新たなタイル画像のダウンロードを行うことなく表示範囲のスライドを行える。
【0047】
ここで、サーバ装置1のタイルデータ保持部15は、タイル画像のデータを或る程度の期間継続して保持する仕組みとなっており、携帯端末2からタイリング要求を受けた場合でも、タイリング要求で指示された画像に基づくタイル画像のデータがタイルデータ保持部15に存在する場合には、そのタイリング処理を省略することができる。
また、携帯端末2のタイルデータ保持部25は、タイル画像のデータを或る程度の期間継続して保持する仕組みとなっており、表示範囲のスライドや拡大・縮小等のユーザ操作によって画面23の表示範囲に対応するタイル画像が変化した場合でも、表示範囲に新たに含められたタイル画像のデータがタイルデータ保持部25に存在する場合には、そのダウンロード処理を省略することができる。
【0048】
次に、タイル画像のサイズについて検討する。
図5には、通信・効率・使用感の観点からタイル画像のサイズを検証した例を示してある。
通信について検証すると、タイル画像のサイズが大きい場合には、1つのタイル画像のダウンロードに要する時間が長くなるが、画面表示に使用するタイル画像の数が少なくなるため、画像表示全体で見ると通信のオーバーヘッドが少ない。一方、タイル画像のサイズが小さい場合には、1つのタイル画像のダウンロードに要する時間が短くなるが、画面表示に使用するタイル画像の数が多くなるため、画像表示全体で見ると通信のオーバーヘッドが大きい。
【0049】
効率について検証すると、タイル画像のサイズが大きい場合には、一部でも画面上(表示範囲)にかかるタイル画像は全てダウンロードの対象となるので、表示面積的に無駄が多くなる。一方、タイル画像のサイズが小さい場合には、表示面積的に無駄が少ない。
【0050】
使用感について検証すると、タイル画像のサイズが大きい場合には、タイル画像のダウンロードに時間がかかった後、一気に画像の描画がなされるため、反応が無い(或いは悪い)印象を受ける。一方、タイル画像のサイズが小さい場合には、タイル画像のダウンロードが速いため、反応が良い印象を受ける。但し、サイズが小さすぎると画像全体を描画し終えるまでの時間が長くなる。
【0051】
以上のように、タイル画像のサイズによって種々の要因が影響を受ける。
本例では、全体的なバランスを考慮して256×256の正方形のタイル画像を用いるが、他のサイズのタイル画像を用いても構わず、例えば、携帯端末2の画面サイズ等に応じてタイル画像のサイズを変更するようにしてもよい。また、正方形のタイル画像ではなく、長方形のタイル画像を用いるようにしてもよい。
【0052】
次に、ダウンロードスレッドの数について検討する。
図6には、機種が異なる複数の携帯端末2を用いて、3G通信環境における最適なスレッド数の検証した結果を示してある。図6のグラフにおいて、横軸はスレッド数であり、縦軸は複数のタイル画像のダウンロードに要した時間(ms)であり、機種別のダウンロード時間から求めた平均ダウンロード時間をスレッド数毎にプロットしてある。同図によれば、スレッド数=4において平均ダウンロード時間が最も短くなっており、4つのダウンロードスレッドを用いた場合に、各機種の携帯端末2で良好なダウンロード性能を得られることが分かる。なお、検証の条件によって適切なスレッド数は変化し得る。
本例では、上記の検証結果に鑑みてスレッド数として4を用いるが、他のスレッド数を用いても構わず、例えば、携帯端末2の処理性能等に応じてスレッド数を変更するようにしてもよい。
【0053】
以上のように、本例では、サーバ装置1が、携帯端末2による表示対象となる画像をタイル化(格子状に分割)した複数のタイル画像(分割画像)を、各々の配置を示す配置情報と対応付けて記憶し、携帯端末2の画面23の表示範囲に対応する複数のタイル画像を携帯端末2からの要求に応じて送信し、携帯端末2が、サーバ装置1からダウンロード(受信)した複数のタイル画像を、各々のタイル画像に対応付けられた配置情報に従って画面23に表示する。すなわち、携帯端末2において、画像全体ではなく、その一部であるタイル画像を取り扱うようにして、限られたメモリ容量しか使用できないという制約の解決を図る。
【0054】
また、本例では、携帯端末2が、タイル画像を1枚ずつ要求してダウンロードするダウンロードスレッドを複数重複して動作させる。すなわち、サーバ装置が、複数のタイル画像を並列して送信し、携帯端末が、サーバ装置から送信される複数のタイル画像を並列して受信することにより、携帯端末2の処理性能や移動体通信網3の通信性能を効果的に活用できるようにして、限られた通信速度しか得られないという制約の解決を図る。
【0055】
また、本例では、縮尺の異なる複数のタイル画像を用意し、端末装置2の表示を拡大又は縮小するユーザ操作に応じて適切な縮尺のタイル画像を使用する構成であるため、端末装置2での表示に使用するタイル画像の数(ダウンロードするタイル画像の数)を均一化することができる。
【0056】
したがって、本例の画像表示システムによれば、移動体通信網3という低速な通信回線を用いて無線通信を行う場合であっても画像伝送の効率を効果的に高めることができ、その結果、端末装置2における画像閲覧の操作性(ハンドリング)を向上させることができる。なお、上記の技術は、WiFi等の比較的高速な通信回線を用いながらも通信回線の逼迫等の原因によって通信速度が低下した状況などにおいても有効である。
【0057】
ここで、本例のサーバ装置1では、本発明に係る分割手段をタイリング部12の機能により実現し、本発明に係る記憶手段をタイルデータ保持部15の機能により実現し、本発明に係る送信手段をリクエスト処理部11の機能により実現している。なお、これらの機能は、例えば、本発明に係るサーバ装置用のプログラムをプロセッサにより実行させることで、サーバ装置1のコンピュータ上に実現することができる。
【0058】
また、本例の携帯端末2では、本発明に係る受信手段をダウンロード処理部24の機能により実現し、本発明に係る表示手段をタイル描画部26の機能により実現している。なお、これらの機能は、例えば、本発明に係る携帯端末用のプログラムをプロセッサにより実行させることで、携帯端末2のコンピュータ上に実現することができる。
【0059】
また、本例では、サーバ装置1自身が画像データベース13を有しているが、サーバ装置1と通信可能な外部の装置に画像データベース13を設けてもよい。また、タイリング部12についても外部の装置に設け、サーバ装置1は、当該外部の装置からタイル画像を受け取ってタイルデータ保持部15に保持しておき、携帯端末2からの要求に応じてタイル画像を送信する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1:サーバ装置、 2:携帯端末、 3:移動体通信網
11:リクエスト処理部、 12:タイリング部、 13:画像データベース、 14:通信インタフェース部、 15:タイルデータ保持部、
21:通信インタフェース部、 22:操作入力部、 23:画面、 24:ダウンロード処理部、 25:タイルデータ保持部、 26:タイル描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網を介してサーバ装置と通信可能な携帯端末を備えた画像表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、
対象の画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶する記憶手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて、当該要求に対応する分割画像を前記携帯端末に送信する送信手段と、を有し、
前記携帯端末は、
前記対象の画像中の一部又は全体を、複数の分割画像を用いて当該携帯端末の画面に表示する表示手段と、
前記表示手段による表示に用いる複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する受信手段と、を有する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記受信手段は、前記画面の表示をスライドするユーザ操作に基づいて、前記画面に表示されている分割画像に隣接する複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像表示システムにおいて、
前記受信手段は、前記画面の表示を縮小するユーザ操作に基づいて、前記画面に表示されている分割画像に隣接する複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の画像表示システムにおいて、
前記記憶手段は、前記対象の画像に対する縮小処理により得られる異なる縮尺の複数の画像の各々について、その画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、
前記受信手段は、前記画面の表示を縮小するユーザ操作に基づいて、前記画面に表示されている分割画像より縮尺が小さい複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像表示システムにおいて、
前記記憶手段は、前記対象の画像に対する縮小処理により得られる異なる縮尺の複数の画像の各々について、その画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、
前記受信手段は、前記画面の表示を拡大するユーザ操作に基づいて、前記画面に表示されている分割画像より縮尺が大きい複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記対象の画像を分割して複数の分割画像を生成する分割手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記分割手段により生成された複数の分割画像を記憶する、
ことを特徴とする画像表示システム。
【請求項7】
サーバ装置と無線通信網を介して通信可能な携帯端末において、
対象の画像中の一部又は全体を、当該対象の画像を分割して生成された分割画像を複数用いて当該携帯端末の画面に表示する表示手段と、
前記表示手段による表示に用いる複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する受信手段と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
サーバ装置と無線通信網を介して通信可能な携帯端末のコンピュータに、
対象の画像中の一部又は全体を、当該対象の画像を分割して生成された分割画像を複数用いて当該携帯端末の画面に表示する表示機能と、
前記表示機能による表示に用いる複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、当該要求に応答して前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信する受信機能と、
を実現させるための前記携帯端末用のプログラム。
【請求項9】
携帯端末と無線通信網を介して通信可能なサーバ装置において、
対象の画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶する記憶手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて、前記携帯端末の画面に前記対象の画像中の一部又は全体を表示する際に用いられる複数の分割画像を、前記携帯端末に並列して送信する送信手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
携帯端末と無線通信網を介して通信可能なサーバ装置のコンピュータに、
対象の画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶する記憶機能と、
前記携帯端末からの要求に応じて、前記携帯端末の画面に前記対象の画像中の一部又は全体を表示する際に用いられる複数の分割画像を、前記携帯端末に並列して送信する送信機能と、
を実現させるためのサーバ装置用のプログラム。
【請求項11】
無線通信網を介してサーバ装置と通信可能な携帯端末を備えた画像表示システムにより実施される画像表示方法において、
前記サーバ装置が、対象の画像を分割して生成された複数の分割画像を記憶し、
前記携帯端末が、当該携帯端末の画面に対象の画像中の一部又は全体を表示する際に必要となる複数の分割画像を前記サーバ装置に要求し、
前記サーバ装置が、前記携帯端末からの要求に応じて、当該要求に対応する複数の分割画像を前記携帯端末に並列して送信し、
前記携帯端末が、前記サーバ装置から送信される複数の分割画像を並列して受信し、当該受信した複数の分割画像を用いて画面表示を行う、
ことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−105204(P2013−105204A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246717(P2011−246717)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(511272071)A1コミュニケーションズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】