説明

画像表示方法、サーバ及び画像表示システム

【課題】表示装置が後処理を行うことなく画像を表示する。
【解決手段】画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを用いた画像表示方法であって、サーバは、表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得ステップと、この取得ステップにて取得された後処理不要画像を表示装置に送信する画像送信ステップと、を含み、表示装置は、サーバから送信された後処理不要画像を受信する画像受信ステップと、この画像受信ステップにて受信された後処理不要画像を表示する表示ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示方法、サーバ及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め記憶された画像を表示するデジタルフォトフレーム等の表示装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−129033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示装置は、例えば、表示装置の画面解像度より高い解像度を有する画像や当該表示装置が表示可能な画像のフォーマットに対応していない画像等を表示するためには、表示装置で表示可能となるように所定の後処理を行わなければならなかった。
【0005】
本発明の課題は、表示装置が後処理を行うことなく画像を表示することができる画像表示方法、サーバ及び画像表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像表示方法は、画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを用いた画像表示方法であって、前記サーバは、前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得ステップと、この取得ステップにて取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信ステップと、を含み、前記表示装置は、前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信ステップと、この画像受信ステップにて受信された前記後処理不要画像を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のサーバは、画像を表示する表示装置と通信可能に接続されたサーバであって、前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像表示システムは、画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを備える画像表示システムであって、前記サーバは、前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、を備え、前記表示装置は、前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信手段と、この画像受信手段により受信された前記後処理不要画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示装置が後処理を行うことなく画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による画像表示システム1の主要構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示システム1による画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】画像生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】色温度調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】明るさ調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】記憶部に記憶されたデータの一例を示す図である。
【図7】後処理不要画像の取得に係る画像データの流れの一例を示す図である。
【図8】サーバにより施される画像処理の一例を示す図である。
【図9】表示装置から表示関連情報及び環境関連情報が送信される場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による画像表示システム1の主要構成を示すブロック図である。
画像表示システム1は、サーバ100及び表示装置200を有する画像表示システムである。サーバ100と表示装置200は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
なお、通信ネットワークNは、例えば、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークNであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークNには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
また、図1に示す例では、1つのサーバ100と1つの表示装置200とか通信可能に接続されているが、1つのサーバ100に複数の表示装置200が接続されていてもよい。
【0014】
サーバ100は、表示装置200の画像の表示性能に関連する表示関連情報等に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得して、取得された後処理不要画像を表示装置200に送信する。
サーバ100は、記憶部101と、画像生成部102と、画像取得部103と、通信制御部104と、操作入力部105と、中央制御部106と、を備えている。
【0015】
記憶部101は、サーバ100が取り扱う各種のデータを記憶する。
記憶部101は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置を有している。記憶部101は、例えば、図6(a)に示すように、表示関連情報、環境関連情報、複数の画像等の各種のデータを記憶している。
【0016】
表示関連情報は、表示装置200の画像の表示性能に関連する情報である。表示性能に関連する情報として、例えば、表示装置200により表示可能な画像のフォーマット(表示可能フォーマット)や、表示装置200の表示部203の解像度(表示解像度)等が挙げられる。表示関連情報は、表示装置200を識別するための情報と、表示装置200の表示関連情報に含まれる具体的な各種の情報(例えば、表示可能フォーマットや表示解像度等)とを対応付ける。
【0017】
図6(b)に示す例による表示関連情報は、表示装置200を識別するための情報としての「200」と、表示可能フォーマットを示す「JPEG」及び表示解像度を示す「800×600」とが対応付けられている。図6(b)に示す表示関連情報は、表示装置200が、JPEG形式の画像を表示可能であり、表示部203が所定の一方向(例えば、縦方向)に800[画素]、当該所定の一方向に直交する他方向(例えば、横方向)に600[画素]の解像度を有することを示している。
なお、記憶部101は、複数の表示装置の夫々の表示関連情報を記憶してもよい。記憶部101は、複数の表示装置の夫々の表示関連情報を1つのファイルに纏めて記憶してもよいし、複数の表示装置の夫々の表示関連情報を個別のファイルとして記憶してもよい。
【0018】
環境関連情報は、表示装置が存する場所の環境に関連する情報である。表示性能に関連する情報として、例えば、表示装置200が存する空間を照らす光の色温度や、当該光による明るさの度合い等が挙げられる。環境関連情報は、表示装置200を識別するための情報と、表示装置200の環境関連情報に含まれる具体的な各種の情報(例えば、色温度や明るさの度合い等)とを対応付ける。
【0019】
図6(c)に示す例による環境関連情報は、表示装置200を識別するための情報としての「200」と、色温度を示す「3600[K](ケルビン)」及び明るさの度合いを示す「500[lux](ルクス)」とが対応付けられている。図6(b)に示す表示関連情報は、表示装置200が存する空間を照らす光の色温度が3600[K]であり、当該光による明るさの度合いが500[lux]であることを示している。
なお、記憶部101は、複数の表示装置の夫々の環境関連情報を記憶してもよい。記憶部101は、複数の表示装置の夫々の環境関連情報を1つのファイルに纏めて記憶してもよいし、複数の表示装置の夫々の環境関連情報を個別のファイルとして記憶してもよい。
【0020】
記憶部101は、例えば、図6(d)に示すように、それぞれ異なるフォーマットや解像度を有する複数の画像を記憶することができる。図6(a)に示す例では、記憶部101は、画像A1、画像B1、画像C1等の複数の画像を記憶している。また、図6(d)に示すように、画像A1は、JPEG形式のフォーマットであり、800×600の解像度を有する。また、画像B1は、BMP(ビットマップ)形式のフォーマットであり、800×600の解像度を有する。また、画像C1は、JPEG形式のフォーマットであり、1200×900の解像度を有する。
【0021】
画像生成部102は、記憶部101に記憶されている画像に所定の処理を施して後処理不要画像を生成する。
具体的には、画像生成部102は、例えば、表示関連情報や環境関連情報に基づいて、記憶部101に記憶されている画像を後処理不要画像とするための各種の画像処理を行う。
【0022】
各種の画像処理のうち、表示関連情報に基づく処理として、例えば、図7に示すように、表示可能フォーマット画像生成処理、表示解像度変更処理等が挙げられる。表示可能フォーマット画像生成処理は、表示装置200の表示可能フォーマットでない形式の画像から表示可能フォーマットの形式を生成する処理である。表示解像度変更処理は、表示装置200の表示解像度よりも高い解像度を有する画像の解像度を下げて表示装置200による表示に適した解像度とする処理である。
【0023】
また、各種の画像処理のうち、環境関連情報に基づく処理として、色温度調整処理、明るさ調整処理等が挙げられる。色温度調整処理は、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度に応じて画像の色差信号の値を調整する処理である。明るさ調整処理は、表示装置200の存する空間を照らす光による明るさの度合いに応じて画像のトーンカーブを調整する処理である。
【0024】
色温度調整処理、明るさ調整処理等の環境関連情報に基づく処理は、画像取得部103が所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得するための処理である。所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像とは、表示装置200が存する空間における画像の視認に係る環境について変化が生じたとしても、画像の視認の変異が生じない画像である。
例えば、表示装置200が存する空間における画像の視認に係る環境として、表示装置200が存する空間を照らす光の色温度や明るさの度合い等がある。当該光の色温度や明るさの度合いは、日時の変化に伴う太陽光の有無や太陽光の強さや、照明の点灯の有無等、種々の原因により変化しうる。所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像とは、例えば、このような光の色温度や明るさの度合いの変化による環境の変化が生じた場合にも、表示装置200による画像処理が行われることなく、画像の色表現やコントラストについて画像の視認の変異が生じない画像である。
【0025】
以下、各種の画像処理について、図8を参照して説明する。
例えば、画像B1はBMP形式の画像であり、表示装置200の表示可能フォーマット(JPEG形式)でない画像である。画像生成部102は、例えば、図8(a)に示すように、BMP形式の画像B1から、表示装置200の表示可能フォーマットであるJPEG形式の画像B2を生成する表示可能フォーマット画像生成処理を行う。
【0026】
また、画像C1は、1200×900の解像度を有する画像であり、表示装置200の表示解像度である800×600よりも高い解像度を有する画像である。画像生成部102は、例えば、図8(b)に示すように、1200×900の解像度を有する画像C1から、表示装置200の表示解像度に対応した800×600の解像度を有する画像C2を生成する表示解像度変更処理を行う。
【0027】
なお、画像C1は、所定の2方向(例えば、縦方向及び横方向)の双方の画素数が共に表示解像度により示される2方向の画素数よりも大きい値を有する画像であるが、画像C1はあくまで「表示解像度よりも高い解像度を有する画像」の一例であって、これに限られるものではない。例えば、表示解像度により示される2方向のうち少なくともいずれか一方の画素数が表示解像度の示す画素数よりも大きい画像を「表示解像度よりも高い解像度を有する画像」としてもよい。この場合、画像生成部102は、表示解像度の示す画素数よりも大きい画素数を有する方向の画素数を表示解像度の示す当該方向の画素数以下とするための縮小処理を行う。ここで、画像生成部102は、画像の2方向の比率を変化させないように縮小処理を行ってもよい。
【0028】
また、図示しないが、表示可能フォーマットでない画像が、表示解像度よりも高い解像度を有していた場合、画像生成部102は、後処理不要画像を生成するため、当該画像に対して表示可能フォーマット画像生成処理及び表示解像度変更処理の両方を施す。この場合、画像生成部102は、例えば、まず表示可能フォーマット画像生成処理を施して表示可能フォーマットの画像を生成し、生成された画像の解像度を表示解像度に対応させる解像度変更を施す。表示可能フォーマット画像生成処理と表示解像度変更処理の処理順序は、逆でもよい。
【0029】
また、画像生成部102は、例えば、環境関連情報に含まれる色温度の値が第1の閾値(例えば、7000[K])を上回る場合、調整前に比して画像の赤色を相対的に強調し、画像の青色を相対的に弱めるための色温度調整処理を行う。
例えば、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値が7000[K]を上回る場合、当該光により、表示装置200により表示された画像の色が青みを帯びる。当該光の下では、画像に含まれる青色の表現が際立って強調される一方、赤色の表現が目立たなくなる傾向がある。そこで、画像生成部102は、画像の赤色を相対的に強調し、画像の青色を相対的に弱めるための色温度調整処理を画像に施すことにより、色温度の値が7000[K]を上回る光により生じる青色の強調等を相殺する。これにより、当該光により照らされた空間で表示装置200により表示される画像をより自然な色表現とすることができ、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値によらず、自然な色表現の画像をユーザに視認させることができる。
【0030】
また、画像生成部102は、例えば、環境関連情報に含まれる色温度の値が第2の閾値(例えば、3500[K])を下回る場合、調整前に比して画像の青色を相対的に強調し、画像の赤色を相対的に弱めるための色温度調整処理を行う。
例えば、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値が3500[K]を下回る場合、当該光により、表示装置200により表示された画像の色が赤みを帯びる。当該光の下では、画像に含まれる赤色の表現が際立って強調される一方、青色の表現が目立たなくなる傾向がある。そこで、画像生成部102は、画像の青色を相対的に強調し、画像の赤色を相対的に弱めるための色温度調整処理を画像に施すことにより、色温度の値が3500[K]を下回る光により生じる赤色の強調等を相殺する。これにより、当該光により照らされた空間で表示装置200により表示される画像をより自然な色表現とすることができ、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値によらず、自然な色表現の画像をユーザに視認させることができる。
【0031】
画像生成部102は、色温度調整処理を行うにあたり、具体的には、まず、色温度調整処理前の画像(例えば、図7に示す画像A1、画像B2、画像C2等)から色差信号(Cb、Cr)を取得する。そして、画像生成部102は、環境関連情報に含まれる色温度の値に応じて、色差信号の値を調整する。図7では、色温度調整処理後の画像を画像A2、画像B3、画像C3としている。
例えば、光の色温度の値が7000[K]を上回る場合、画像生成部102は、色差信号Cbの値を所定の値(例えば、1.2)で除し、色差信号Crの値に所定の値を掛けることで、画像の赤色を相対的に強調し、画像の青色を相対的に弱めるための色温度調整処理を画像に施す。また、光の色温度の値が3500[K]を下回る場合、画像生成部102は、色差信号Cbの値に所定の値(例えば、1.2)を掛け、色差信号Crの値を所定の値で除することで、画像の青色を相対的に強調し、画像の赤色を相対的に弱めるための色温度調整処理を画像に施す。
【0032】
また、画像生成部102は、例えば、環境関連情報に含まれる明るさの度合いの値が第3の閾値(例えば、1000[lux])を上回る場合、調整前に比して画像の輝度を高くするための明るさ調整処理を行う。
例えば、表示装置200の存する空間を照らす光による明るさの度合いが1000[lux]を上回る場合、当該光により照らされた環境下で表示された画像の見た目の階調が下がる傾向がある。特に、当該光により照らされた環境下で輝度の低い画像が表示された場合に、階調の低下が顕著に視認される。そこで、画像生成部102は、画像のトーンカーブを調整して調整前よりも明るい画像とすることで、当該光により照らされた空間で表示装置200により表示される画像に自然な階調表現を与えることができ、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値によらず、自然な階調表現による画像をユーザに視認させることができる。
【0033】
また、画像生成部102は、例えば、環境関連情報に含まれる明るさの度合いの値が第4の閾値(例えば、100[lux])を下回る場合、調整前に比して画像の輝度を低くするための明るさ調整処理を行う。
例えば、表示装置200の存する空間を照らす光による明るさの度合いが100[lux]を下回る場合、当該光により照らされた環境下で表示された画像の見た目の階調が上がる傾向がある。特に、当該光により照らされた環境下で輝度の高い画像が表示された場合、白飛び等を生じ、画像の明るい部分の階調変化が視認しづらくなる。そこで、画像生成部102は、画像のトーンカーブを調整して調整前よりも暗い画像とすることで、当該光により照らされた空間で表示装置200により表示される画像に自然な階調表現を与えることができ、表示装置200の存する空間を照らす光の色温度の値によらず、自然な階調表現による画像をユーザに視認させることができる。
【0034】
画像生成部102は、明るさ調整処理を行うにあたり、具体的には、まず、明るさ調整処理前の画像(例えば、図7に示す画像A2、画像B3、画像C3等)のトーンカーブを取得する。そして、画像生成部102は、環境関連情報に含まれる明るさの度合いの値に応じて、トーンカーブを調整する。図7では、色温度調整処理後の画像を画像A3、画像B4、画像C4としている。
【0035】
例えば、明るさの度合いの値が1000[lux]を上回る場合、画像生成部102は、図8(c)に示すように、明るさ調整処理前のトーンカーブL1に比して画像の輝度を高くしたトーンカーブL2を当該画像に適用する。
また、明るさの度合いの値が100[lux]を下回る場合、画像生成部102は、明るさ調整処理前のトーンカーブL1に比して画像の輝度を低くしたトーンカーブL3を当該画像に適用する。
【0036】
画像取得部103は、後処理不要画像を取得する取得手段として機能している。
具体的には、画像取得部103は、例えば、図7に示すように、画像生成部102により生成された後処理不要画像(例えば、図7に示す画像A3、画像B4、画像C4等)を取得する。
【0037】
また、画像取得部103は、記憶部101に記憶されている画像が、表示関連情報及び環境関連情報に対応する後処理不要画像であると判定された場合、後処理不要画像であると判定された画像を記憶部101から取得してもよい。
例えば、画像A1は、JPEG形式の画像であり、800×600の解像度を有する画像である。ここで、表示関連情報に含まれる表示可能フォーマット及び表示解像度が夫々、図6(b)に示す表示関連情報のように、JPEG形式及び800×600である場合、画像A1に対して表示可能フォーマット画像生成処理及び色温度調整処理を施す必要が生じない。また、環境関連情報に含まれる色温度及び明るさの度合いが夫々、図6(c)に示す環境関連情報のように、3600[K]及び500[lux]である場合、これらの色温度及び明るさの度合いが色温度調整処理及び明るさ調整処理を施す条件となる各種の閾値の中間の値であることから、色温度調整処理及び明るさ調整処理を施す必要が生じない。係る例のような場合、画像取得部103は、記憶部101から画像A1を後処理不要画像として取得してもよい。
【0038】
また、画像取得部103は、複数の後処理不要画像を取得してもよい。その場合、画像取得部103は、記憶部101に記憶された各画像について必要に応じて個別に画像生成部102により画像処理が施されて生成された後処理不要画像を取得するようにしてもよいし、表示関連情報及び環境関連情報に対応する複数の後処理不要画像が記憶部101に記憶されている場合、記憶部101に記憶された複数の後処理不要画像を取得するようにしてもよい。
【0039】
また、画像取得部103は、例えば、記憶部101に記憶された表示関連情報や環境関連情報に対応した後処理不要画像を取得してもよいし、図9(a)に示すように、表示装置200から送信された表示関連情報や環境関連情報に対応した後処理不要画像を取得するようにしてもよい。
【0040】
図9に示す例の場合、まず、表示装置200が、サーバ100に画像の取得を要求するための画像要求情報を送信する。ここで、図9(a)に示すように、画像要求情報には、表示装置200の表示関連情報及び環境関連情報が含まれている。サーバ100は、図9(b)に示すように、画像要求情報に含まれている表示関連情報及び環境関連情報に基づいて、後処理不要画像を取得して表示装置200に送信する。ここで、サーバ100は、画像要求情報に含まれている表示関連情報及び環境関連情報に応じた後処理不要画像が記憶部101に記憶されていない場合、画像生成部102により後処理不要画像を生成して取得する。そして、図9(b)、(c)に示すように、表示装置200は、画像要求情報に応じてサーバ100から送信された後処理不要画像を受信し、受信された後処理不要画像を表示する。
【0041】
通信制御部104は、例えば、通信アンテナや通信回路(図示略)等を備え、無線LAN(Local Area Network)等の所定の通信規格により、通信ネットワークNを介して接続された表示装置200との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部104は、例えば、図7に示すように、画像取得部103により取得された後処理不要画像を表示装置200に送信する。ここで、通信制御部104は、後処理不要画像を表示装置200に送信する送信手段として機能している。
また、通信制御部104は、例えば、図9(a)に示すように、表示装置200から送信された表示関連情報及び環境関連情報を受信する。
【0042】
操作入力部105は、例えば、キーボードやマウス等の入力装置を有し、これらの入力装置に対するユーザの入力操作に応じて所定の操作信号を中央制御部106に対して出力する。
【0043】
中央制御部106は、サーバ100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部106は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、ROMや記憶部101等に記憶された各種処理プログラム(図示略)や操作入力部105により入力された操作信号等に従って各種の制御動作を行う。
【0044】
表示装置200は、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信して受信された後処理不要画像を表示する。表示装置200は、例えば、デジタルフォトフレームである。
表示装置200は、通信制御部201と、表示制御部202と、表示部203と、記録媒体制御部204と、表示関連情報取得部205と、環境関連情報取得部206と、操作入力部207と、中央制御部208と、を備えている。
【0045】
通信制御部201は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)等を備え、有線LAN等の所定の通信規格により、通信ネットワークNを介して接続されたサーバ100との間で情報の通信制御を行う。
具体的には、通信制御部201は、例えば、図7に示すように、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信する。ここで、通信制御部201は、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信する受信手段として機能している。
また、通信制御部201は、例えば、図9(a)に示すように、表示関連情報取得部205及び環境関連情報取得部206の夫々により取得された表示関連情報及び環境関連情報をサーバ100に送信する。
【0046】
表示制御部202は、画像を表示部203に表示させる表示制御に係る処理を行う。
具体的には、表示制御部202は、例えば、通信制御部201により受信された後処理不要画像(例えば、図7に示す画像A3、B4、C4等)の画像データの内容に応じたビデオ信号を発生して表示部203に対して出力する。また、表示制御部202は、記録媒体204a等に記憶された後処理不要画像の画像データ等を読み出して、読み出された画像データの内容に応じたビデオ信号を発生して表示部203に対して出力してもよい。
【0047】
表示部203は、例えば、液晶表示装置であり、表示制御部202からのビデオ信号に応じて画像等を表示画面に表示する。具体的には、表示部203は、通信制御部201を介して受信された後処理不要画像等を表示する。ここで、表示部203は、表示手段として機能している。
【0048】
記録媒体制御部204は、記録媒体204aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体204aからのデータの読み出しや記録媒体204aに対するデータの書き込みを制御する。
即ち、記録媒体制御部204は、例えば、サーバ100から送信されて通信制御部201により受信された後処理不要画像の画像データ等を記録媒体204aに記憶させる。
なお、記録媒体204aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。
【0049】
表示関連情報取得部205は、表示装置200の表示関連情報を取得する。
表示関連情報取得部205は、例えば、表示制御部202や中央制御部208等、画像データを読み出して表示部203に画像を表示させる処理に係る各部により読み出し可能な画像のフォーマットを示す情報を表示可能フォーマットの情報として当該各部から取得する。また、表示関連情報取得部205は、例えば、表示部203の画面解像度又は表示部203の画面解像度のうち、画像の表示に用いられる解像度を表示解像度として表示部203等から取得する。表示関連情報取得部205は、図示しない記録装置(例えば、フラッシュROM等)に予め記録された表示装置200の表示関連情報(例えば、表示可能フォーマットや表示解像度等)を読み出して取得するようにしてもよい。
【0050】
環境関連情報取得部206は、表示装置200の環境関連情報を取得する。
環境関連情報取得部206は、例えば、検知部206aを有する。
検知部206aは、例えば、色彩照度計等、光の明るさの度合いや色温度を検知する構成を有している。色彩照度計は、ヒトの目の分光感度に対応したセンサ等を有している。当該センサは、表示装置200の存する空間を照らす光を検知可能に設けられている。検知部206aは、色彩照度計により表示装置200が存する空間を照らす光の明るさの度合いや色温度を検知する。
環境関連情報取得部206は、検知部206aにより検知された光の明るさの度合いや色温度を環境関連情報として取得する。
【0051】
操作入力部207は、例えば、表示部203に表示させる画像データの選択、画像の送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成される操作部を備え、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部208に対して出力する。
【0052】
中央制御部208は、表示装置200の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部106は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、表示装置200用の各種処理プログラム(図示略)や操作入力部207により入力された操作信号等に従って各種の制御動作を行う。
【0053】
以下、画像表示システム1による画像表示処理について、図2のフローチャートによる例示を用いて説明する。
まず、表示装置200の表示関連情報取得部205が、表示関連情報を取得する(ステップS1)。具体的には、表示関連情報取得部205は、例えば、図示しない記録装置(例えば、フラッシュROM等)に予め記録された表示装置200の表示関連情報(例えば、表示可能フォーマットや表示解像度等)を読み出して取得する。
また、表示装置200の環境関連情報取得部206が、環境関連情報を取得する(ステップS2)。具体的には、環境関連情報取得部206は、例えば、検知部206aにより検知された、表示装置200が存する空間を照らす光の明るさの度合いや色温度を環境関連情報として取得する。
【0054】
次に、表示装置200の通信制御部201は、表示関連情報及び環境関連情報をサーバ100に送信する(ステップS3)。サーバ100の通信制御部104は、表示装置200から送信された表示関連情報及び環境関連情報を受信する(ステップS4)。
【0055】
次に、サーバ100の画像取得部103は、受信された表示関連情報及び環境関連情報に対応する後処理不要画像が記憶部101に記憶されているか否か判定する(ステップS5)。ここで、受信された表示関連情報及び環境関連情報に対応する処理不要画像が記憶部101に記憶されていないと判定された場合(ステップS5;NO)、画像生成部102が画像生成処理を行う(ステップS6)。
【0056】
ここで、画像生成処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、画像生成部102が、表示関連情報から表示装置200の表示可能フォーマットと表示解像度を取得する(ステップS21)。次に、画像生成部102は、表示関連情報から取得された表示可能フォーマットに対応するフォーマットの画像が記憶部101に記憶されているか否か判定する(ステップS22)。ここで、表示可能フォーマットの画像が記憶部101に記憶されていると判定された場合(ステップS22;YES)、画像生成部102は、記憶部101から表示可能フォーマットの画像を読み出して取得する(ステップS23)。一方、ステップS22にて、表示可能フォーマットの画像が記憶部101に記憶されていないと判定された場合(ステップS22;NO)、画像生成部102は、記憶部101に記憶された表示可能フォーマットでない画像を読み出し(ステップS24)、図8(a)の例に示すように、読み出された画像のフォーマットを変換して表示可能フォーマットの画像を生成する表示可能フォーマット画像生成処理を行い(ステップS25)、生成された表示可能フォーマットの画像を取得する。
【0057】
表示可能フォーマットの画像の取得後、画像生成部102は、取得された表示可能フォーマットの画像の解像度が、表示関連情報から取得された表示解像度より高解像度であるか否か判定する(ステップS26)。ここで、表示可能フォーマットの画像の解像度が表示解像度より高解像度であると判定された場合(ステップS26;YES)、画像生成部102は、図8(b)の例に示すように、表示可能フォーマットの画像の解像度を変更して表示解像度に対応させる表示解像度変更処理を行う(ステップS27)。
【0058】
次に、画像生成部102は、環境関連情報から表示装置200が存する空間を照らす光の色温度及び当該光による明るさの度合いを取得する(ステップS28)。なお、ステップS26にて、表示可能フォーマットの画像の解像度が表示解像度より高解像度でないと判定された場合(ステップS26;NO)、ステップS28の処理に移行する。
【0059】
次に、画像生成部102は、色温度調整処理を行う(ステップS29)。
ここで、色温度調整処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
画像生成部102は、まず、表示可能フォーマットの画像の色差信号Cb、Crを取得する(ステップS41)。次に、画像生成部102は、環境関連情報から取得された色温度の値が7000[K]を上回るか否か判定する(ステップS42)。ここで、環境関連情報から取得された色温度の値が7000[K]を上回ると判定された場合(ステップS42;YES)、画像生成部102は、色差信号Cbの値を所定の値(例えば、1.2)で除した値を調整後の色差信号Cbとして取得し、色差信号Crの値に所定の値を掛けた値を調整後の色差信号Crとして取得する(ステップS43)。そして、画像生成部102は、調整後の色差信号Cb、Crの値を表示可能フォーマットの画像に適用し(ステップS44)、色温度調整処理を抜ける。
【0060】
一方、ステップS42にて、環境関連情報から取得された色温度の値が7000[K]を上回らないと判定された場合(ステップS42;NO)、画像生成部102は、環境関連情報から取得された色温度の値が3500[K]を下回るか否か判定する(ステップS45)。ここで、環境関連情報から取得された色温度の値が3500[K]を下回ると判定された場合(ステップS45;YES)、画像生成部102は、色差信号Cbの値に所定の値(例えば、1.2)を掛けた値を調整後の色差信号Cbとして取得し、色差信号Crの値を所定の値で除した値を調整後の色差信号Crとして取得し(ステップS46)、ステップS44の処理に移行する。
また、ステップS45にて、環境関連情報から取得された色温度の値が3500[K]を下回らないと判定された場合(ステップS45;NO)、画像生成部102は、色温度調整処理を抜ける。
【0061】
色温度調整処理の後、画像生成部102は、明るさ調整処理を行う(ステップS30)。
ここで、明るさ調整処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
画像生成部102は、まず、表示可能フォーマットの画像のトーンカーブを取得する(ステップS51)。次に、画像生成部102は、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が1000[lux]を上回るか否か判定する(ステップS52)。ここで、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が1000[lux]を上回ると判定された場合(ステップS52;YES)、画像生成部102は、表示可能フォーマットの画像を明るくするためのトーンカーブの調整を行う(ステップS53)。具体的には、画像生成部102は、例えば、図8(c)に示すように、調整前のトーンカーブL1に比して画像の輝度を高くしたトーンカーブL2を得るためのトーンカーブの調整を行う。
そして、画像生成部102は、調整後のトーンカーブを表示可能フォーマットの画像に適用し(ステップS54)、明るさ調整処理を抜ける。
【0062】
一方、ステップS52にて、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が1000[lux]を上回らないと判定された場合(ステップS52;NO)、画像生成部102は、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が100[lux]を下回るか否か判定する(ステップS55)。ここで、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が100[lux]を下回ると判定された場合(ステップS55;YES)、表示可能フォーマットの画像を暗くするためのトーンカーブの調整を行う。(ステップS56)。具体的には、画像生成部102は、例えば、調整前のトーンカーブL1に比して画像の輝度を低くしたトーンカーブL3を得るためのトーンカーブの調整を行う。その後、画像生成部102は、ステップS54の処理に移行する。
また、ステップS55にて、環境関連情報から取得された明るさの度合いの値が100[lux]を下回らないと判定された場合(ステップS55;NO)、画像生成部102は、明るさ調整処理を抜ける。
【0063】
明るさ調整処理の後、画像生成部102は、明るさ調整処理後の表示可能フォーマットの画像を後処理不要画像とし(ステップS31)、画像生成処理を抜ける。
画像生成処理の後、画像取得部103は、生成された後処理不要画像を取得する(ステップS7)。また、ステップS5にて、受信された表示関連情報及び環境関連情報に対応する処理不要画像が記憶部101に記憶されていると判定された場合(ステップS5;YES)、画像取得部103は、記憶部101に記憶されている後処理不要画像を読み出して取得する(ステップS7)。次に、サーバ100の通信制御部104が、表示装置200に後処理不要画像を送信する(ステップS8)。
【0064】
表示装置200の通信制御部201は、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信する(ステップS9)。次に、表示制御部202が、表示部203に受信された後処理不要画像を表示させる(ステップS10)。
【0065】
以上のように、本実施形態の画像表示システムによれば、サーバ100が、表示装置200の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、表示装置200により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像(例えば、図7、図9に示す画像A3等)を取得して表示装置200に送信するので、表示装置200が、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信して表示することができ、表示装置が画像処理を行うことなく画像を表示することができる。
【0066】
また、表示関連情報が、表示装置200の表示部203の画面解像度を示す情報及び当該画面解像度に対応する画素数を示す情報のうち、少なくとも一方を含むので、表示装置200が受信する後処理不要画像は表示部203の画面解像度に対応した画像となる。即ち、表示装置200は、表示部203により表示する画像の解像度を表示部203の画面解像度に対応させるための画像処理を行うことなく画像を表示することができる。
【0067】
また、表示関連情報が、表示装置200により表示可能な画像のフォーマットを示す情報を含むので、表示装置200が受信する後処理不要画像は表示装置200により表示可能なフォーマットの画像となる。即ち、表示装置200は、表示部203により表示する画像のフォーマットを当該表示装置により表示可能なフォーマットとするための画像処理を行うことなく画像を表示することができる。
【0068】
また、表示装置200が、表示関連情報をサーバ100に送信し、サーバ100が、表示装置200から送信された表示関連情報を受信し、受信された表示関連情報に基づいて、後処理不要画像を取得するので、サーバ100は、予め表示装置200の表示関連情報を有していなくとも、表示装置200から送信された表示関連情報に基づいて後処理不要画像を取得し、当該表示装置200に送信することができる。これにより、例えば、新たな表示装置を画像表示システムに追加する場合や、画像表示システムに含まれる既存の表示装置を表示性能が異なる新たな表示装置に置き換える場合等に、サーバ100に新たな表示装置の表示関連情報を予め記憶させるための作業を行うことなく、新たな表示装置による後処理不要画像の表示を行うことができる。
【0069】
また、サーバ100が、表示装置200が存する空間の環境に関連する環境関連情報に基づいて、表示装置200により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得して表示装置200に送信するので、表示装置200が、サーバ100から送信された後処理不要画像を受信して表示することができ、表示装置が画像処理を行うことなく画像を表示することができる。
【0070】
また、環境関連情報が、表示装置200が置かれている空間を照らす光の色温度を示す情報及び当該光による明るさの度合いを示す情報の少なくとも何れか一方を含むので、表示装置200が受信する後処理不要画像は表示装置200が置かれている空間を照らす光の色温度、明るさの度合い又はその両方に対応した画像となる。即ち、表示装置200は、表示部203により表示する画像の解像度を表示装置200が置かれている空間を照らす光の色温度、明るさの度合い又はその両方に対応させるための画像処理を行うことなく、視認しやすい画像を表示することができる。
【0071】
また、表示装置200が、環境関連情報を取得してサーバ100に送信し、サーバ100が、表示装置200から送信された環境関連情報を受信し、受信された環境関連情報に基づいて、後処理不要画像を取得するので、サーバ100が、表示装置200から送信された最新の環境関連情報に基づいて後処理不要画像を取得し、当該表示装置200に送信することができ、表示装置200が存する空間の最新の環境関連情報に合った後処理不要画像による表示を表示装置200に行わせることができる。
【0072】
また、サーバ100が、記憶部101に記憶されている画像に対して画像生成部102による各種の画像処理を施して後処理不要画像を生成し、生成された後処理不要画像を取得するので、サーバ100が表示装置200の表示関連情報や環境関連情報に対応した画像を予め記憶していない場合であっても、サーバ100は、画像生成部102により生成された後処理不要画像を表示装置200に送信することができ、表示装置が画像処理を行うことなく画像を表示することができる。
【0073】
また、仮に、表示装置による表示が不可能な画像を表示可能な画像とするための画像処理や、表示装置の存する空間の環境に対応しない画像を環境に対応させるための画像処理を行う画像処理装置を表示装置に設けた場合、表示装置のコストがより高くなる。また、画像処理装置が画像処理を行うための処理時間を要することにより表示装置が画像を表示するために要する時間が長くなる等、表示装置のレスポンスが低下する。
これに対し、本実施形態の画像表示システム1は、表示装置200に画像処理装置を設ける必要がないので、画像処理装置を備えた表示装置に比してレスポンスがよく、かつ、低コストな表示装置200を用いて画像を表示することができる。
【0074】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、後処理不要画像として生成、取得される画像は、静止画像であっても動画像であってもよい。
また、サーバ100は、表示関連情報又は環境関連情報の少なくとも一方の情報を取得するようにしてもよいし、いずれかに基づいて、後処理不要画像を取得するようにしてもよい。
【0075】
また、表示装置200は、フォトフレームに限らない。例えば、表示装置200は、腕時計や携帯端末等の移動端末に設けられた表示装置であってもよい。この場合、携帯性を高めるために小型化された移動端末の表示装置は、据え置き型の表示装置に比して表示領域が小さい傾向があるため、画像の表示に用いることができる解像度も低くなることとなる。また、画像の記憶に用いることができる移動端末のメモリは、据え置き型の表示装置に比して容量が小さい傾向がある。また、移動端末の存する空間の環境関連情報は、移動端末のユーザの移動に応じて変化する。このような移動端末の特徴に対し、本発明によるサーバは、移動端末に設けられた表示装置の表示関連情報や環境関連情報に基づいて、後処理不要画像を取得して送信するので、移動端末は画像処理等の後処理をせずに表示装置に画像を表示させることができ、移動端末に画像処理装置を設けずとも移動端末に画像の表示を行わせることができる。即ち、小型化に伴い設計や機能に制限が生じやすい移動端末に画像処理装置を設ける必要がなくなるので、表示装置を備えた移動端末をより小型で低コストなものとすることができる。
【0076】
また、上記実施形態にあって、サーバ100の各処理は、中央制御部106のCPUの制御下にて、画像取得部103、通信制御部104等が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、CPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、取得ルーチン、画像送信ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、取得ルーチンによりCPUが、表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得するようにしても良い。また、画像送信ルーチンによりCPUが、取得された後処理不要画像を表示装置に送信するようにしても良い。
【0077】
同様に、表示装置200の各部による他の処理についても、中央制御部208のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0078】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを用いた画像表示方法であって、
前記サーバは、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得ステップと、
この取得ステップにて取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信ステップと、を含み、
前記表示装置は、
前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信ステップと、
この画像受信ステップにて受信された前記後処理不要画像を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
<請求項2>
前記表示関連情報は、前記表示装置の画面解像度を示す情報及び当該画面解像度に対応する画素数を示す情報のうち、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
<請求項3>
前記表示関連情報は、前記表示装置により表示可能な画像のフォーマットを示す情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
<請求項4>
前記表示装置は、
前記表示関連情報を前記サーバに送信する第1送信ステップを更に含み、
前記サーバは、
前記表示装置から送信された表示関連情報を受信する第1受信ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記第1受信ステップにて受信された表示関連情報に基づいて、前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示方法。
<請求項5>
前記取得ステップは、更に、前記表示装置が存する空間の環境に関連する環境関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像表示方法。
<請求項6>
前記環境関連情報は、前記表示装置が存する空間を照らす光の色温度を示す情報及び当該光による明るさの度合いを示す情報の少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像表示方法。
<請求項7>
前記表示装置は、
前記環境関連情報を前記サーバに送信する第2送信ステップと、を更に含み、
前記サーバは、
前記表示装置から送信された環境関連情報を受信する第2受信ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記第2受信ステップにて受信された環境関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像表示方法。
<請求項8>
前記サーバは、
所定の記憶手段に記憶されている画像に所定の処理を施して前記後処理不要画像を生成する生成ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記生成ステップにて生成された前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像表示方法。
<請求項9>
画像を表示する表示装置と通信可能に接続されたサーバであって、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
<請求項10>
画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを備える画像表示システムであって、
前記サーバは、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、を備え、
前記表示装置は、
前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信手段と、
この画像受信手段により受信された前記後処理不要画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【符号の説明】
【0080】
1 画像表示システム
100 サーバ
200 表示装置
101 記憶部
102 画像生成部
103 画像取得部
104 通信制御部
201 通信制御部
202 表示制御部
203 表示部
204 記録媒体制御部
204a 記録媒体
205 表示関連情報取得部
206 環境関連情報取得部
206a 検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを用いた画像表示方法であって、
前記サーバは、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得ステップと、
この取得ステップにて取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信ステップと、を含み、
前記表示装置は、
前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信ステップと、
この画像受信ステップにて受信された前記後処理不要画像を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記表示関連情報は、前記表示装置の画面解像度を示す情報及び当該画面解像度に対応する画素数を示す情報のうち、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記表示関連情報は、前記表示装置により表示可能な画像のフォーマットを示す情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項4】
前記表示装置は、
前記表示関連情報を前記サーバに送信する第1送信ステップを更に含み、
前記サーバは、
前記表示装置から送信された表示関連情報を受信する第1受信ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記第1受信ステップにて受信された表示関連情報に基づいて、前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記取得ステップは、更に、前記表示装置が存する空間の環境に関連する環境関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像表示方法。
【請求項6】
前記環境関連情報は、前記表示装置が存する空間を照らす光の色温度を示す情報及び当該光による明るさの度合いを示す情報の少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像表示方法。
【請求項7】
前記表示装置は、
前記環境関連情報を前記サーバに送信する第2送信ステップと、を更に含み、
前記サーバは、
前記表示装置から送信された環境関連情報を受信する第2受信ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記第2受信ステップにて受信された環境関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の画質調整処理が行われることなく表示可能な形式の前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記サーバは、
所定の記憶手段に記憶されている画像に所定の処理を施して前記後処理不要画像を生成する生成ステップを更に含み、
前記取得ステップは、
前記生成ステップにて生成された前記後処理不要画像を取得することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像表示方法。
【請求項9】
画像を表示する表示装置と通信可能に接続されたサーバであって、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
画像を表示する表示装置と、当該表示装置と通信可能に接続されたサーバとを備える画像表示システムであって、
前記サーバは、
前記表示装置の画像の表示性能に関連する表示関連情報に基づいて、当該表示装置により所定の後処理が行われることなく表示可能な形式の後処理不要画像を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された前記後処理不要画像を前記表示装置に送信する画像送信手段と、を備え、
前記表示装置は、
前記サーバから送信された前記後処理不要画像を受信する画像受信手段と、
この画像受信手段により受信された前記後処理不要画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−68687(P2013−68687A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205578(P2011−205578)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】