画像表示装置および表示制御装置
【課題】レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示する画像表示装置を得ること。
【解決手段】複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子7で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、駆動制御装置20は、空間変調素子7が複数出力のレーザ光源10Gから出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、波長変換レーザ光源である各緑色レーザ出射部1G1,1G2から出力されるレーザ光が略同じピークパワーで連続的な略一定のレーザ出力となるよう緑色レーザ出射部1G1,1G2に順次パルス出力させる。
【解決手段】複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子7で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、駆動制御装置20は、空間変調素子7が複数出力のレーザ光源10Gから出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、波長変換レーザ光源である各緑色レーザ出射部1G1,1G2から出力されるレーザ光が略同じピークパワーで連続的な略一定のレーザ出力となるよう緑色レーザ出射部1G1,1G2に順次パルス出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換レーザ光源を用いて画像表示を行なう画像表示装置および表示制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、投射型プロジェクションテレビのような投影型の画像表示装置では、マイクロディスプレイと呼ばれる空間変調素子によって生成された画像を拡大投射する方法が用いられている。マイクロディスプレイの1つとして、例えば微小な可動ミラーを用いて光の反射角度を変化させることによって空間変調を行う素子(DMD:Digital Micromirror Device)(登録商標)がある。この素子では、デジタル制御によって階調表示を行う方法が採用されている。
【0003】
デジタル制御による階調表示方式では、1TVフィールド(59.9Hz)の時間をさらに細かく分解(例えば数μsec〜数msec毎に分割)し、分解時間ごとにマイクロディスプレイの画素のON/OFFを切り替えることによって変調を行う。この画素の切り替え方法(フィールドシーケンシャル方式)は、非常に高速であるため、人間の目には積分されて、1TVフィールドで所定の階調として認識される。
【0004】
近年、このようなフィールドシーケンシャル方式を用いた画像表示装置の光源に、レーザ光源を適用した技術が広く提案されている。レーザ光は指向性、単色性が共に高く、レーザ光を光源に適用することによって、高輝度、広色再現性を有した高画質な画像表示装置を得ることができる利点がある。このようなレーザ光源を適用した画像表示装置で画像をフルカラー表示するためには、少なくともR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色の波長域で発光するレーザ光が必要となる。また、レーザ光源は、小型で電気−光効率(変換効率)の高いものが望ましい。レーザ光源は、例えばR(赤色)ではLD(Laser Diode)、G(緑色)とB(青色)では、波長変換レーザ光として、DPSSL(DiodePumped Solid-State Laser)(LD励起固体レーザ)などが用いられている。
【0005】
画像表示装置が大画面・高輝度化の傾向にある今日では、前述したレーザ光の1モジュールあたりの輝度では不十分であり、例えば500lmの投写光束の画像表示装置を構成するためには、平均パワーが3Wの高出力レーザモジュールが2〜3個必要となる。そのため、各レーザモジュールの輝度効率を向上させながら、なお且つ複数のレーザモジュールを最適な構成で用いることが、レーザ光源を用いた画像表示装置を構成する上で重要な課題となっている。例えば、波長変換レーザ光を光源に用いる場合には、パルス発振をさせて基本波の尖塔値を高くすると波長変換効率が向上し、電気−光効率を高めることができる。
【0006】
特許文献1に記載の光変調装置は、赤色パルスレーザ、緑色パルスレーザおよび青色パルスレーザから発振される各色レーザ光のパルス発振タイミングと、光変調素子の画素切り替えタイミングとをそれぞれ同期させて各色レーザ光の変調を行っている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−305710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術では、パルス発振レーザとデジタル階調表示方式とを組み合わせて忠実な階調を再現するために、空間変調素子の分解時間と複数のレーザモジュールの発光タイミングおよびパルス幅を正確に制御しなければならないという問題があった。また、空間変調素子を機械的に駆動するスイッチング時間には限界があるので、任意のパルス幅でパルス発振するレーザ光に合わせて空間変調素子の駆動を制御することは困難である。このため、時間分解数を多くして階調表示による高画質化を実現することは困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示する画像表示装置および表示制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、前記各レーザ光源の駆動を制御するとともに前記各レーザ光源の駆動制御に応じて前記空間変調素子の駆動を制御する駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高めることができるとともに、一定の光量によって階調を正確に表示することができるので、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明に係る画像表示装置および表示制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示す図である。画像表示装置100は、光源として同色の波長変換レーザ光を複数用いるとともに、フィールドシーケンシャル方式で画像を階調表示するプロジェクションテレビなどの画像表示装置(フルカラー画像表示装置など)である。本実施の形態では、画像表示装置100が、同色の複数の波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるよう出力制御しながら順次パルス駆動するとともに、同色の出力において連続的な一定のレーザ出力が得られるようパルス駆動のタイミングを制御する。
【0014】
画像表示装置100は、例えば、先に発光するレーザ光のパルスの立ち下がりと、次に発光するレーザ光のパルスの立ち上がりのタイミングを同期させ、同色の出力が連続的な発光状態にあるようパルス駆動のタイミングを制御する。
【0015】
画像表示装置100は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B、複数のカップリングレンズ2、複数の光ファイバ3、照明光学系4、空間変調素子7、投写レンズ8、スクリーン9、駆動制御装置20を有している。なお、以下の説明では赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10Bをまとめてレーザ光源という場合がある。
【0016】
赤色レーザ光源(赤色レーザ出射部)10Rは、赤色の半導体レーザ光を出射する光源である。赤色レーザ光源10Rは、カップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0017】
緑色レーザ光源(複数出力のレーザ光源)10Gは、LD励起固体レーザの波長変換レーザ光(緑色)を出射する光源である。緑色レーザ光源10Gは、ほぼ同じピーク波長とピーク出力を有したレーザ光を出射する2台の緑色レーザ出射部(波長変換レーザ光源)1G1,1G2を備えている。緑色レーザ出射部1G1,1G2は、それぞれ波長変換素子を備えた第2高調波の発生装置(図示せず)を含んで構成されている。各緑色レーザ出射部1G1,1G2は、それぞれカップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0018】
青色レーザ光源(複数出力のレーザ光源)10Bは、LD励起固体レーザの波長変換レーザ光(青色)を出射する光源である。青色レーザ光源10Bは、ほぼ同じピーク波長とピーク出力を有したレーザ光を出射する3台の青色レーザ出射部(波長変換レーザ光源)1B1,1B2,1B3を備えている。青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3は、それぞれ波長変換素子を備えた第2高調波の発生装置(図示せず)を含んで構成されている。各青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3は、カップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0019】
緑色レーザ光源10Gからの緑色レーザ光、青色レーザ光源10Bからの青色レーザ光には、例えば、LD励起のNd:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:GdVO4レーザなどの第2高調波などを用いる。
【0020】
緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3の波長変換素子には、例えばKTPやLiNbO3のPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)などの非線形光学結晶を用いる。
【0021】
画像表示装置100は、6つのカップリングレンズ2を有しており、それぞれ1対1で赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3の何れかに接続されている。カップリングレンズ2は、各レーザ光源から出射されるレーザ光の光束の発散角を変えて、各光ファイバ3に送る。
【0022】
画像表示装置100は、6本の光ファイバ3を有しており、それぞれカップリングレンズ2の何れかに1対1で接続されている。各々のレーザ光源から出射したレーザ光は、各々のレーザ光源に対応するカップリングレンズ2を用いてそれぞれ1本の光ファイバ3に結合される。光ファイバ3は、カップリングレンズ2を介して送られてくるレーザ光源からのレーザ光を伝送して照明光学系4へ入力する。
【0023】
照明光学系4は、インテグレータロッド5とリレーレンズ6を備えている。インテグレータロッド5は、光の空間的照度分布を均一化する作用を有した光学素子であり、複数の光ファイバ3から入力されたレーザ光を、矩形状の均一な光束に変換する。インテグレータロッド5は、矩形状の均一な光束に変換したレーザ光をリレーレンズ6に送る。リレーレンズ6は、インテグレータロッド5から送られてくるレーザ光を、空間変調素子7で実像として結像させ空間変調素子7を均一に照明する。
【0024】
空間変調素子7は、リレーレンズ6を介して送られてくるレーザ光に空間的変調を与えて投写レンズ8に送る。投写レンズ8は、空間変調素子7からのレーザ光をスクリーン9上に投写する。スクリーン9は、投写レンズ8を介して送られてくるレーザ光によって画像を映し出す。
【0025】
駆動制御装置(表示制御装置)20は、外部入力される映像信号などに基づいて、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3、空間変調素子7を駆動制御する駆動制御部21を有している。。駆動制御装置20(駆動制御部21)は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3から出射するレーザ光の出力制御を行なう。駆動制御装置20は、例えば励起用のLDを、連続駆動やパルス駆動などのように制御することによってレーザ出力の形態を制御する。駆動制御装置20は、各レーザ光源の駆動制御に応じて空間変調素子7の位置(回転角度)を制御する。
【0026】
つぎに、LD励起固体レーザ(基本波)のパルス駆動のデューティと波長変換効率の関係について説明する。図2は、パルス駆動のデューティとレーザのピークパワーとの関係を示す図である。図2では、LD励起固体レーザをデューティを変えてパルス駆動した場合の入出力特性の一例を示している。横軸はレーザ光源への投入電力(a.u.)を示し、縦軸はピークパワー(a.u.)を示している。また、実線はデューティ20%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示し、破線はデューティ60%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示している。図2に示すように、レーザ光源をパルス駆動させる場合、デューティが小さいほど熱的環境が緩和されるので、同じ投入電力に対して高いピークパワーが得られる。非線形光学結晶を用いた波長変換方式では、取り出される第2高調波(波長変換レーザ)のピークパワーに、数1式、数2式に示す関係がある。
【0027】
【数1】
【数2】
【0028】
数1式、数2式では、P2ωが第2高調波(波長変換レーザ)のパワー、Pωが入射する基本波のピークパワー、ηが波長変換効率、deffが実行非線形光学係数、Aがビーム断面積である。このように、第2高調波(波長変換レーザ)のパワーは、入射する基本波のピークパワーの2乗に比例する。
【0029】
図3は、パルス駆動のデューティと波長変換レーザのピークパワーとの関係を示す図である。図3では、波長変換レーザを異なる2種類のデューティで駆動させた場合の、投入電力に対する第2高調波のピークパワーの関係の一例を示している。横軸はレーザ光源への投入電力を示し、縦軸は第2高調波のピークパワー(a.u.)を示している。また、実線はデューティ20%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示し、破線はデューティ60%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示している。図3に示すように、レーザ光源をパルス駆動させる場合、基本波のデューティを減少させてピークパワーを高めると効率の良い第2高調波(波長変換レーザ)の発生を実現できる。
【0030】
したがって、本実施の形態では、波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高める。具体的には、駆動制御装置20が、波長変換レーザのデューティが小さくなるよう緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3のパルス駆動を制御して、各レーザ出射部に順番にパルス駆動させていく。
【0031】
また、本実施の形態では、空間変調素子7として、例えばDMD(Digital Micromirror Device)(登録商標)を用いる。この素子は、1辺の長さが約10数μmの微小な可動ミラーが画素数分並ぶ空間変調素子であり、映像信号にしたがって各可動ミラーの角度が変化し、投写レンズ8に入射する光を空間変調するものである。空間変調素子7には、このような単板式DMD(登録商標)を採用して、フィールドシーケンシャル方式でカラー画像を表示する。フィールドシーケンシャル方式は、1TVフィールドの時間を光源の色数(ここでは3つ)に分割し、順次色を出力していく方法であり、人間の目の積分作用によって目の中で混色させ、フルカラー画像として認識させる原理を利用している。さらに、階調表示についてもフィールドシーケンシャル方式と同様の原理を利用する。具体的には、階調表示を行なうために、分割された時間であって各色に割り当てられる時間(空間変調用の時間)を10ビット(1024)に分割(色内分割)し、色内分割された時間の光強度に応じて可動ミラーの動作頻度を変える。
【0032】
つぎに、画像表示装置100の空間変調素子7の動作と各レーザ光源の発光のタイミングについて説明する。図4は、実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子と各レーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。図4では、空間変調素子7の動作と各レーザ光源(3原色RGBレーザ)(赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B)の発光タイミングを示している。
【0033】
本実施の形態の画像表示装置100は、緑色レーザ光源10Gが2台の緑色レーザ出射部1G1,1G2を備え、青色レーザ光源10Bが3台の青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3を備えている。このため、1TVフィールドを3原色用に3分割(色毎の分割)した後、さらに緑色に対応する時間を2分割(レーザ出射部毎の分割)し、青色に対応する時間を3分割(レーザ出射部毎の分割)し、レーザ出射部毎の分割時間が1レーザ(1つのレーザ出射部)に対応するよう各レーザ出射部に順次発光させていく。
【0034】
具体的には、緑色の発光に対応する時間を2分割して、各分割時間をそれぞれ緑色レーザ出射部1G1によるレーザ発光時間、緑色レーザ出射部1G2によるレーザ発光時間に割り当てる。また、青色の発光に対応する時間を3分割して、各分割時間をそれぞれ青色レーザ出射部1B1によるレーザ発光時間、青色レーザ出射部1B2によるレーザ発光時間、青色レーザ出射部によるレーザ発光時間に割り当てる。
【0035】
駆動制御装置20は、各レーザ光源からレーザ光を発光させる際に、同色のレーザ光の発光の間(10ビット分)でピークパワーがほぼ同じ値となるよう各レーザ出射部の駆動電流値を制御する。
【0036】
具体的には、駆動制御装置20は、緑色レーザ光源10Gからレーザ光を発光させる際に、緑色レーザ出射部1G1から出射するレーザ光のピークパワーと、緑色レーザ出射部1G2から出射するレーザ光のピークパワーとがほぼ同じ値となるよう、緑色レーザ出射部1G1,1G2を制御する。
【0037】
また、駆動制御装置20は、青色レーザ光源10Bからレーザ光を発光させる際に、青色レーザ出射部1B1から出射するレーザ光のピークパワーと、青色レーザ出射部1B2から出射するレーザ光のピークパワーと、青色レーザ出射部1B3から出射するレーザ光のピークパワーとがほぼ同じ値となるよう、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3を制御する。また、駆動制御装置20は、緑色レーザ出射部1G1,1G2からレーザ光を出射させる際に、緑色レーザ出射部1G1(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、緑色レーザ出射部1G2(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させる。
【0038】
また、駆動制御装置20は、同色のレーザ光を各レーザ出射部で発光させる際に、先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングと、この後のレーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングとが同期するよう各レーザ出射部を駆動制御する。
【0039】
具体的には、駆動制御装置20は、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3からレーザ光を出射させる際に、青色レーザ出射部1B1(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、青色レーザ出射部1B2(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させるとともに、青色レーザ出射部1B2(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、青色レーザ出射部1B3(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させる。
【0040】
LD励起の固体レーザは、数nsecの高速立ち上がりが可能なので、10ビットの時間単位(約5μsec)に対して、同色のレーザ光源のパルスの切り替わり時間の影響はほとんどない。これにより、空間変調素子7は、1つの色に割り当てられた10ビット分の分割時間内(各色の変調信号が与えられている時間内)(対応する色の変調信号に基づいて空間変調素子が駆動している間)は、連続的に一定のレーザ出力で照明されることとなる。
【0041】
なお、レーザ光の遷移時間(パルスの立ち上がりや立ち下がりに要する時間)を無視できない場合には、別形態の動作として先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングよりも少し前に、後のレーザ出射部からレーザパルスの出射を開始してもよい。
【0042】
図5は、実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の別形態の動作を示すタイミングチャートである。図5では、空間変調素子7と緑色レーザ光源10Gの動作タイミングの一例を示している。
【0043】
先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングと後のレーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングが一部重複するよう各レーザ出射部を制御する際には、同色のレーザ出射部から連続的な一定のレーザ出力(ピークパワー)が得られるようレーザパルス(発光タイミング)の遅延時間を決定しておく。
【0044】
換言すると、駆動制御装置20は、1つの色(同色)の空間変調を行なう際に、複数のレーザパルスが重畳される時間の合計の光出力も含めて、1つの色で連続的な一定のレーザ出力が得られるようレーザパルスの出射タイミングを制御する。
【0045】
フィールドシーケンシャル方式の階調表示方法では、可動ミラーの10ビット分の時間に含まれる各分割時間単位(1024個)での動作によって光の変調を行うので、各分割時間単位内および分割時間単位間のレーザ出力を一定にしておくことが望ましい。分割時間単位内および分割時間単位間でレーザ光の光量が異なると、正確な階調の再現ができないからである。本実施の形態では、例えば、分割時間単位内および分割時間単位間のレーザ出力(合計出力)を一定にしておく。これにより、正確な階調を再現することが可能となる。
【0046】
図6は、空間変調素子で変調に利用される光量を示す図である。図6では、緑色レーザ光源10Gの出力と空間変調素子7で変調される分割時間単位での光量(分割時間毎の光量)の関係を示している。同図に示すように画像表示装置100では、略一様のレーザ出力を反映して、1つの分割時間単位(1024分の1)で変調される光量が略一定となる。
【0047】
ここで、同色の複数の波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるよう出力制御しながら順次パルス駆動する場合の効果を説明するために、本実施の形態のパルス駆動方法と他のパルス駆動方法(従来のパルス駆動方法)との相異点について説明する。
【0048】
まず、同色を発光するレーザ出射部で同時にレーザ発光させる方法と、本実施の形態のレーザ発光方法(レーザ出射部で順番にレーザ発光させる方法)を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法(後述の図7に示す方法)と、緑色レーザ出射部1G1,1G2で順番にレーザ発光させるよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法(本実施の形態に係る前述の図4に示す方法)とを比較した場合について説明する。
【0049】
図7は、緑色レーザ出射部で同時にレーザ発光させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図7では、緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光させた場合の、空間変調素子7と緑色レーザ光源10Gの動作タイミングおよび空間変調素子7で変調される光量の関係を示している。
【0050】
図7に示す波長変換レーザの駆動方法(緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法)では、緑色を発光させる際の空間変調素子7の駆動タイミングと、複数からなる緑色レーザ出射部1G1,1G2の駆動タイミングを同期させればよい。このため、図7に示す波長変換レーザの駆動方法は、図4に示す方法と同様に駆動制御装置20による緑色レーザ出射部1G1,1G2や空間変調素子7の制御を容易に行なえる。また、図7に示す方法であっても、図4に示す方法と同様に、分割時間単位で変調される光量が同色発光の間は一定であるので階調表現に問題はない。
【0051】
同色発光の間に、図7に示した方法によって、図4の方法によるレーザ発光と同じ平均パワーを得るための各々の波長変換レーザのピークパワーは、それぞれ図4に示した本実施の形態の波長変換レーザの駆動方法の場合の2分の1である。図7に示した方法では2つのレーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するのに対し、図4に示した方法では1つのレーザ出射部で順番にレーザ発光するからである。
【0052】
ところが、図7に示す方法と図4に示す方法とで、レーザ光源へ必要な投入電力を比較すると、同色発光の間に、図7に示した方法によって、図4の方法によるレーザ発光と同じ平均パワーを得る(同じ明るさの画像表示を行なう)ためには、図4に示す本実施の形態の波長変換レーザの駆動方法の約1.5倍の電力が必要となってしまう。これは、図3からもわかるように、1つのレーザ出射部でレーザ発光を行なう場合、レーザ出射部への投入電力が大きいほど波長変換効率が良くなるからである。
【0053】
図3に示したように、例えば、1つのレーザ出射部によってデューティ60%でレーザ光源を駆動させる場合、第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「7.5」である。一方、2つのレーザ出射部によってデューティ60%でレーザ光源を駆動させる場合、各レーザ出射部で第2高調波のピークパワーの「10」と「10」を得るには、投入電力が「5」と「5」である。すなわち、1つのレーザ出射部によって第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「7.5」であるのに対し、2つのレーザ出射部によって第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「10」となる。
【0054】
このように、図7に示す波長変換レーザの駆動方法(複数の緑色レーザ出射部から同時にレーザ発光させる方法)では、図4に示す波長変換レーザの駆動方法と比べて波長変換効率が大幅に低くなる。
【0055】
つぎに、レーザ出射部で通常のパルス発振を行なう場合(分割した各色に割り当てられる時間の間、所定のタイミングのみでパルス発振させる場合)と、本実施の形態のレーザ発光方法を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2で通常のパルス発振を行なわせた場合(後述の図8に示す方法)の緑色レーザ光源10Gの出力(ピークパワー)と、本実施の形態のレーザ発光方法(図4に示す方法)での緑色レーザ光源10Gの出力とを比較した場合について説明する。
【0056】
図8は、所定のタイミングでのみパルス発振させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図8では、緑色レーザ出射部1G1,1G2での出力量と、空間変調素子7で変調される分割時間単位での光量の関係を示している。
【0057】
図8に示すように所定のタイミングでのみパルス発振させた場合、レーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングや終端タイミングと、空間変調素子7で変調される1つの分割時間単位の終端部とにずれを生じる場合がある。このため、各分割時間単位で変調される光量が一定とならず、階調を正確に表示することができない。
【0058】
一方、本実施の形態では、波長変換レーザの駆動方法として、同色の出力において連続的な一定のレーザ出力が得られるようパルス駆動のタイミングを制御している。このため、各分割時間単位で変調される光量が一定となり、階調を正確に表示することが可能となる。
【0059】
つぎに、分割時間単位での変調光量を一定にするために各波長変換レーザのパルス駆動(複数のパルスレーザの駆動)を可動ミラーの駆動タイミングと同期させるよう制御した場合と、本実施の形態のレーザ発光方法を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させるよう制御した場合(後述の図9に示す方法)と、本実施の形態のレーザ発光方法(図4に示す方法)場合とを比較した場合について説明する。
【0060】
図9は、各レーザ出射部でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図9では、各緑色レーザ出射部1G1,1G2でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させる場合に、空間変調素子7で変調される分割時間単位を示している。
【0061】
所定のタイミングでのみ各緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス発振させるとともに、このパルス駆動のタイミングを可動ミラーの駆動タイミングと同期させるので、緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス駆動させる時間を10ビットで分割する必要がある。換言すると、緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス駆動させる合計時間が、可動ミラーの駆動時間に対応する10ビット分の時間に対応しなければならない。
【0062】
このため、緑色の変調信号が与えられている時間(緑色レーザ出射部1G1および緑色レーザ出射部1G2でに割り当てられている時間)内を10ビットで分割した場合、本実施の形態の場合(前述の図5に示す方法)と比較して分割時間単位の周期が短くなる。10ビットの分割時間より短周期でのスイッチングは現状では実現が困難である。また、レーザ光のパルス幅に適合する分割時間の設定や、レーザ光のパルスと可動ミラーの駆動を正確に同期させる制御は、装置構成が複雑になるという問題がある。本実施の形態に係る画像表示装置100は、10ビットの分割時間で可動ミラーをスイッチングさせているので、10ビットの分割時間より短周期で可動ミラーをスイッチングさせる装置よりも簡易な構成で容易に可動ミラーをスイッチングさせることが可能となる。
【0063】
また、将来的に可動ミラーのスイッチングが現在のスイッチングよりも高速になり、短周期の可動ミラーのスイッチングが可能となった場合であっても、本実施の形態の画像表示装置100が図5の方法を用いてスイッチングの分割数を増やす方が、短周期で可動ミラーをスイッチングさせるよりも高画質な画像を得ることができる。
【0064】
なお、本実施の形態で説明した画像表示装置100の構成や、画像表示装置100で用いた数値は前述の説明に限るものではない。例えば、各色および同色のレーザ光源に対する時間の分割は、等分である必要はなく互いに異なってもよい。
【0065】
また、本実施の形態における各色の10ビットによる分割時間は、可動ミラーを機械的に駆動するスイッチング方式による高速駆動の限界から定めた一例の時間である。このため、1TVフィールドを3原色用に3分割した時間(各色に割り当てられる時間)を10ビット以外の値で分割してもよい。すなわち、1色の時間分割数は10ビットに限るものではなく、可動ミラーの高速なスイッチング駆動が可能になれば、1色に割り当てられた時間を10ビット以上の分割数で分割してもよい。また、1色に割り当てられた時間を、10ビット以下の分割数で分割してもよい。この場合には、1色に割り当てられた時間を10ビットで分割する場合よりも、簡易な構成で容易に画像を表示することが可能となる。したがって、低価格な画像表示装置を提供することが可能となる。
【0066】
また、本実施の形態では、1TVフィールド内の時間を3分割して各色のレーザ発光に割り当てたが、3分割以外で1TVフィールド内の時間を分割してもよい。例えば、人間の目に色分離を認識させにくくするために、1TVフィールド内の時間を6分割や12分割し、1TVフィールド内で同色を複数回表示させるようにしてもよい。この場合、1TVフィールド全体での時間分割数が所定のビット数(例えば30ビット)になればよい。
【0067】
また、本実施の形態では、各色に割り当てられている時間(変調信号が与えられている時間)(変調時間)を、同色のレーザ光源(長変換レーザ)が備えるレーザ出射部の数と同数に分割したが、この数以外の値で各色に割り当てられている時間を分割してもよい。例えば、各色に割り当てられている時間を、同色のレーザ光源が備えるレーザ出射部の数よりも大きな数で分割してもよい。この場合、1色に割り当てられている時間内で、同一の波長変換レーザ(レーザ出射部)を複数回発光させる。
【0068】
また、空間変調素子7の構成が単板式である場合について説明したが、この構成に限るものではなく、画像表示装置100に複数の空間変調素子7を用いた構成を適用してもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のレーザ光源を用いた画像表示装置100(カラー画像投写装置)について説明したが、画像表示装置100には、これら以外の色のレーザ光源を用いてもよい。また、レーザ光源の色は、2色であってもよいし、4色以上であってもよい。
【0070】
また、図5〜図9では、緑色レーザ光源10Gを制御する場合について説明したが、青色レーザ光源10Bを制御する場合にも緑色レーザ光源10Gと同様の制御を行なうことによって緑色レーザ光源10Gと同様の効果が得られる。
【0071】
また、本実施の形態では、緑色レーザ光源10Gと青色レーザ光源10Gが複数のレーザ出射部を備える場合について説明したが、赤色レーザ光源10Rが複数のレーザ出射部を備える構成としてもよい。また、緑色レーザ光源10Gが3つ以上のレーザ出射部を備える構成としてもよいし、青色レーザ光源10Gが2つ又は4つ以上のレーザ出射部を備える構成としてもよい。
【0072】
このように、同色の複数の波長変換レーザを順次パルス駆動し、1つの波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高めたので、波長変換効率が高くなり、明るく効率のよい画像表示装置を得ることができる。
【0073】
また、同色の複数の波長変換レーザを順次パルス駆動し、先に発光するレーザのパルスの立ち下がりと、次に発光するレーザのパルスの立ち上がりのタイミングを同期させ、各色に対して変調信号が与えられている時間内は、連続的な発光状態で一定の光出力が得られるよう波長変換レーザの駆動を制御したので、空間変調素子7で変調に利用される光出力が一定となり、正確な階調表示ができる。また、空間変調素子7の機械的スイッチング時間の制約を受けずにパルス駆動条件を設定することができる。
【0074】
このように実施の形態1によれば、同色の各波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるようレーザ出射部を出力制御しながら各波長変換レーザに順番にパルス発振させるとともに、連続的な一定のレーザ出力が得られるようにパルス駆動のタイミングを制御するので、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示することが可能となる。
【0075】
実施の形態2.
つぎに、図10を参照してこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、各色に割り当てられている時間を、10ビットに所定数の値(分割時間単位)を付加した値で分割し、付加した時間をレーザパルスの遷移時間に割り当てる。
【0076】
本実施の形態2の画像表示装置100は、図1に示す実施の形態1の画像表示装置100と同じ構成を有しておりその説明を省略する。本実施の形態2の画像表示装置100は、実施の形態1の画像表示装置100とは異なる駆動タイミングで空間変調素子7と各色のレーザ光源を制御する。
【0077】
図10は、実施の形態2に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。図10では、画像表示装置100の波長変換レーザ(緑色レーザ出射部1G1,1G2)の発光タイミングを示している。同色(緑色)の複数のレーザ出射部を有する緑色レーザ光源10Gに割り当てられている時間(変調時間)は、10ビット(1024の分割時間単位)に所定数の分割時間単位を付加した値で分割する。そして、10ビットに対して付加される分割時間単位を、緑色レーザ光のレーザパルスの遷移時間に割り当てる。
【0078】
例えば、10ビットに対して4つの分割時間単位を付加することによって、緑色レーザ光源10Gに割り当てられている時間を1024+4で分割する。そして、緑色レーザ出射部1G1によるパルス発振の前後に1つずつの分割時間単位を割り当てるとともに、緑色レーザ出射部1G2によるパルス発振の前後に1つずつの分割時間単位を割り当てる。そして、付加に用いた4つの分割時間単位の間は、空間変調素子7による空間変調を行なわない。このように波長変換レーザの駆動を制御することによって、付加した分割時間単位分の無効時間が発生するので、パルス駆動と空間変調素子7との同期をとる。
【0079】
このように実施の形態2によれば、画像表示装置100において、実施の形態1の画像表示装置100のようなレーザパルスの高速応答が不要となる。また、本実施の形態の画像表示装置100では、付加した分割時間単位の範囲内において、レーザのパルス幅や遷移時間に対して尤度を持たせることが可能となる。したがって、簡易な構成のレーザ駆動電源で容易に画像表示を行なうことができるとともに、駆動制御装置20によるレーザ光源や空間変調素子7の制御を容易に行なうことが可能となる。これにより、レーザ駆動電源の開発が容易になる。
【0080】
また、本実施の形態の画像表示装置100でも、実施の形態1の画像表示装置100と同様に、複数の同色の波長変換レーザをデューティを小さくすることによってピークパワーを高めて使用しているので、波長変換効率が高くなる。
【0081】
実施の形態3.
つぎに、図11および図12を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、各色の画面全体の光強度(照度)に基づいて、レーザ光源の出力をカラー画像を階調表示させる際の階調段階に応じた出力値に制御する。
【0082】
図11は実施の形態3に係る画像表示装置の構成を示す図である。図11の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像表示装置100と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0083】
本実施の形態に係る画像表示装置100は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B、複数のカップリングレンズ2、複数の光ファイバ3、照明光学系4、空間変調素子7、投写レンズ8、スクリーン9、駆動制御装置20に加えて、演算装置30を有している。
【0084】
演算装置30は、駆動制御装置20に接続されている。演算装置30は、レーザ光源の光出力を制御することによって階調表現を向上させるため、各色の画面全体の光強度を検出し、この検出結果に基づいて外部入力される映像信号に対応するレーザ出力制御信号に所定の演算処理を行う。演算装置30は、演算処理したレーザ出力制御信号を駆動制御装置20に入力する。駆動制御装置20は、演算装置30からのレーザ出力制御信号に基づいて、レーザ光源の出力を制御する。画像表示装置100の空間変調素子7による階調表現は、例えば10ビット(1024階調)であり、駆動制御装置20によるレーザ出力の変調は2ビット(4階調)である。
【0085】
外部の信号源などから演算装置30へ入力された映像信号は、演算装置30で1TVフィールドごとにメモリされ、演算装置30は映像信号に基づいて、各色(例えば赤、青、緑の3色)に対する情報(画面全体の光強度に関する情報)を検出する。
【0086】
演算装置30では、色ごとに画面全画素の情報を検索し、映像信号を12ビットの階調情報に分離するとともに、全画素の情報を10ビットの空間変調素子7と2ビットのレーザ出力の変調信号とに分割する演算を行う。さらに、演算装置30は、3072より高い階調信号を12ビットの信号から10ビットの信号に変換する。なぜならば、本実施の形態では、2ビットのレーザ出力の変調と、10ビットの空間変調素子7の変調とによって12ビットの階調表現を行うが、レーザ出力がフルビットのときには、空間変調素子7の変調のみの階調制御になり、10ビットの階調表現になるからである。人間の目は、明るい階調に対する感度よりも暗い階調に対する感度の方が高いので、本実施の形態の画像表示装置100は、階調表現を向上させて高画質な画像を認識させることが可能となる。
【0087】
図12は、実施の形態3に係る画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図12では、空間変調素子7と各色のレーザ光源の駆動タイミング、緑色レーザ光源10Gの発光タイミングを示している。
【0088】
演算装置30から駆動制御装置20へは、1TVフィールドを単位として、各色に対するレーザ出力制御信号が送られる。駆動制御装置20は、演算装置30から出力された各色に対するレーザ出力制御信号に基づいて、レーザ出力を4階調に制御する。
【0089】
また、本実施の形態では、1TVフィールドの3原色に対する色分割数として例えば6分割を用いる。そして、1TVフィールド内で各色を2回ずつ表示させる。1TVフィールドを6分割する際には、1TVフィールドを6等分してもよいし、等分割しなくてもよい。また、1TVフィールドの3原色に対する色分割数は6分割に限られず、何れの数で分割してもよい。このように、1TVフィールド内での分割数を増やすことによって、カラーブレイキングと呼ばれる時間的な色分離現象が認識されにくくなり、分割数が少ない場合よりも高画質な画像が得られる。
【0090】
なお、本実施の形態で説明した画像表示装置100の構成や、画像表示装置100で用いた数値は前述の説明に限るものではない。例えば、レーザ出力を2ビットよりも細かく制御すれば広い範囲での階調表現の向上が可能となる。また、1TVフィールド内での同一の色の分割に関しては、従来のランプ光源であればカラーホイールの回転速度やブランキングタイムなどの影響で分割数に制限があったが、レーザ光源では高速のON/OFF切替が可能であるので、分割数を多くとることができる。したがって、色分離が低減し良質な画像を得ることができる。
【0091】
また、レーザ光のピークパワーが低いレベルにある場合には、ピークパワーの高さが波長変換効率に寄与する割合は大きい。したがって、本実施の形態のように、レーザ出力を変調する場合にも、明るく効率の良い画像表示装置を得るためには、各波長変換レーザのデューティを小さくし、ピークパワーを高めることが効果的となる。
【0092】
このように実施の形態3によれば、レーザ光源の出力を制御することによって、空間変調素子7の高速スイッチングの性能限界以上の階調表現が可能となる。また、画面全体の輝度に応じて照明光の輝度を変化させているので、コントラストの高い画像が得られる。さらに、レーザ出力を定格以下に制御する時間が長いので、消費電力を削減できるとともに、レーザ光源を長寿命化することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係る画像表示装置および表示制御装置は、波長変換レーザ光源を用いた画像表示に適している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示す図である。
【図2】パルス駆動のデューティとレーザのピークパワーとの関係を示す図である。
【図3】パルス駆動のデューティと波長変換レーザのピークパワーとの関係を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子と各レーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の別形態の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】空間変調素子で変調に利用される光量を示す図である。
【図7】緑色レーザ出射部で同時にレーザ発光させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】所定のタイミングでのみパルス発振させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】各レーザ出射部でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】実施の形態2に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】実施の形態3に係る画像表示装置の構成を示す図である。
【図12】実施の形態3に係る画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1G1,1G2 緑色レーザ出射部
1B1,1B2,1B3 青色レーザ出射部
2 カップリングレンズ
3 光ファイバ
4 照明光学系
5 インテグレータロッド
6 リレーレンズ
7 空間変調素子
8 投写レンズ
9 スクリーン
10B 青色レーザ光源
10R 赤色レーザ光源
10G 緑色レーザ光源
20 駆動制御装置
21 駆動制御部
30 演算装置
100 画像表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換レーザ光源を用いて画像表示を行なう画像表示装置および表示制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、投射型プロジェクションテレビのような投影型の画像表示装置では、マイクロディスプレイと呼ばれる空間変調素子によって生成された画像を拡大投射する方法が用いられている。マイクロディスプレイの1つとして、例えば微小な可動ミラーを用いて光の反射角度を変化させることによって空間変調を行う素子(DMD:Digital Micromirror Device)(登録商標)がある。この素子では、デジタル制御によって階調表示を行う方法が採用されている。
【0003】
デジタル制御による階調表示方式では、1TVフィールド(59.9Hz)の時間をさらに細かく分解(例えば数μsec〜数msec毎に分割)し、分解時間ごとにマイクロディスプレイの画素のON/OFFを切り替えることによって変調を行う。この画素の切り替え方法(フィールドシーケンシャル方式)は、非常に高速であるため、人間の目には積分されて、1TVフィールドで所定の階調として認識される。
【0004】
近年、このようなフィールドシーケンシャル方式を用いた画像表示装置の光源に、レーザ光源を適用した技術が広く提案されている。レーザ光は指向性、単色性が共に高く、レーザ光を光源に適用することによって、高輝度、広色再現性を有した高画質な画像表示装置を得ることができる利点がある。このようなレーザ光源を適用した画像表示装置で画像をフルカラー表示するためには、少なくともR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色の波長域で発光するレーザ光が必要となる。また、レーザ光源は、小型で電気−光効率(変換効率)の高いものが望ましい。レーザ光源は、例えばR(赤色)ではLD(Laser Diode)、G(緑色)とB(青色)では、波長変換レーザ光として、DPSSL(DiodePumped Solid-State Laser)(LD励起固体レーザ)などが用いられている。
【0005】
画像表示装置が大画面・高輝度化の傾向にある今日では、前述したレーザ光の1モジュールあたりの輝度では不十分であり、例えば500lmの投写光束の画像表示装置を構成するためには、平均パワーが3Wの高出力レーザモジュールが2〜3個必要となる。そのため、各レーザモジュールの輝度効率を向上させながら、なお且つ複数のレーザモジュールを最適な構成で用いることが、レーザ光源を用いた画像表示装置を構成する上で重要な課題となっている。例えば、波長変換レーザ光を光源に用いる場合には、パルス発振をさせて基本波の尖塔値を高くすると波長変換効率が向上し、電気−光効率を高めることができる。
【0006】
特許文献1に記載の光変調装置は、赤色パルスレーザ、緑色パルスレーザおよび青色パルスレーザから発振される各色レーザ光のパルス発振タイミングと、光変調素子の画素切り替えタイミングとをそれぞれ同期させて各色レーザ光の変調を行っている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−305710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術では、パルス発振レーザとデジタル階調表示方式とを組み合わせて忠実な階調を再現するために、空間変調素子の分解時間と複数のレーザモジュールの発光タイミングおよびパルス幅を正確に制御しなければならないという問題があった。また、空間変調素子を機械的に駆動するスイッチング時間には限界があるので、任意のパルス幅でパルス発振するレーザ光に合わせて空間変調素子の駆動を制御することは困難である。このため、時間分解数を多くして階調表示による高画質化を実現することは困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示する画像表示装置および表示制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、前記各レーザ光源の駆動を制御するとともに前記各レーザ光源の駆動制御に応じて前記空間変調素子の駆動を制御する駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高めることができるとともに、一定の光量によって階調を正確に表示することができるので、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明に係る画像表示装置および表示制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示す図である。画像表示装置100は、光源として同色の波長変換レーザ光を複数用いるとともに、フィールドシーケンシャル方式で画像を階調表示するプロジェクションテレビなどの画像表示装置(フルカラー画像表示装置など)である。本実施の形態では、画像表示装置100が、同色の複数の波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるよう出力制御しながら順次パルス駆動するとともに、同色の出力において連続的な一定のレーザ出力が得られるようパルス駆動のタイミングを制御する。
【0014】
画像表示装置100は、例えば、先に発光するレーザ光のパルスの立ち下がりと、次に発光するレーザ光のパルスの立ち上がりのタイミングを同期させ、同色の出力が連続的な発光状態にあるようパルス駆動のタイミングを制御する。
【0015】
画像表示装置100は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B、複数のカップリングレンズ2、複数の光ファイバ3、照明光学系4、空間変調素子7、投写レンズ8、スクリーン9、駆動制御装置20を有している。なお、以下の説明では赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10Bをまとめてレーザ光源という場合がある。
【0016】
赤色レーザ光源(赤色レーザ出射部)10Rは、赤色の半導体レーザ光を出射する光源である。赤色レーザ光源10Rは、カップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0017】
緑色レーザ光源(複数出力のレーザ光源)10Gは、LD励起固体レーザの波長変換レーザ光(緑色)を出射する光源である。緑色レーザ光源10Gは、ほぼ同じピーク波長とピーク出力を有したレーザ光を出射する2台の緑色レーザ出射部(波長変換レーザ光源)1G1,1G2を備えている。緑色レーザ出射部1G1,1G2は、それぞれ波長変換素子を備えた第2高調波の発生装置(図示せず)を含んで構成されている。各緑色レーザ出射部1G1,1G2は、それぞれカップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0018】
青色レーザ光源(複数出力のレーザ光源)10Bは、LD励起固体レーザの波長変換レーザ光(青色)を出射する光源である。青色レーザ光源10Bは、ほぼ同じピーク波長とピーク出力を有したレーザ光を出射する3台の青色レーザ出射部(波長変換レーザ光源)1B1,1B2,1B3を備えている。青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3は、それぞれ波長変換素子を備えた第2高調波の発生装置(図示せず)を含んで構成されている。各青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3は、カップリングレンズ2を介して光ファイバ3に接続されている。
【0019】
緑色レーザ光源10Gからの緑色レーザ光、青色レーザ光源10Bからの青色レーザ光には、例えば、LD励起のNd:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:GdVO4レーザなどの第2高調波などを用いる。
【0020】
緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3の波長変換素子には、例えばKTPやLiNbO3のPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)などの非線形光学結晶を用いる。
【0021】
画像表示装置100は、6つのカップリングレンズ2を有しており、それぞれ1対1で赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3の何れかに接続されている。カップリングレンズ2は、各レーザ光源から出射されるレーザ光の光束の発散角を変えて、各光ファイバ3に送る。
【0022】
画像表示装置100は、6本の光ファイバ3を有しており、それぞれカップリングレンズ2の何れかに1対1で接続されている。各々のレーザ光源から出射したレーザ光は、各々のレーザ光源に対応するカップリングレンズ2を用いてそれぞれ1本の光ファイバ3に結合される。光ファイバ3は、カップリングレンズ2を介して送られてくるレーザ光源からのレーザ光を伝送して照明光学系4へ入力する。
【0023】
照明光学系4は、インテグレータロッド5とリレーレンズ6を備えている。インテグレータロッド5は、光の空間的照度分布を均一化する作用を有した光学素子であり、複数の光ファイバ3から入力されたレーザ光を、矩形状の均一な光束に変換する。インテグレータロッド5は、矩形状の均一な光束に変換したレーザ光をリレーレンズ6に送る。リレーレンズ6は、インテグレータロッド5から送られてくるレーザ光を、空間変調素子7で実像として結像させ空間変調素子7を均一に照明する。
【0024】
空間変調素子7は、リレーレンズ6を介して送られてくるレーザ光に空間的変調を与えて投写レンズ8に送る。投写レンズ8は、空間変調素子7からのレーザ光をスクリーン9上に投写する。スクリーン9は、投写レンズ8を介して送られてくるレーザ光によって画像を映し出す。
【0025】
駆動制御装置(表示制御装置)20は、外部入力される映像信号などに基づいて、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3、空間変調素子7を駆動制御する駆動制御部21を有している。。駆動制御装置20(駆動制御部21)は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3から出射するレーザ光の出力制御を行なう。駆動制御装置20は、例えば励起用のLDを、連続駆動やパルス駆動などのように制御することによってレーザ出力の形態を制御する。駆動制御装置20は、各レーザ光源の駆動制御に応じて空間変調素子7の位置(回転角度)を制御する。
【0026】
つぎに、LD励起固体レーザ(基本波)のパルス駆動のデューティと波長変換効率の関係について説明する。図2は、パルス駆動のデューティとレーザのピークパワーとの関係を示す図である。図2では、LD励起固体レーザをデューティを変えてパルス駆動した場合の入出力特性の一例を示している。横軸はレーザ光源への投入電力(a.u.)を示し、縦軸はピークパワー(a.u.)を示している。また、実線はデューティ20%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示し、破線はデューティ60%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示している。図2に示すように、レーザ光源をパルス駆動させる場合、デューティが小さいほど熱的環境が緩和されるので、同じ投入電力に対して高いピークパワーが得られる。非線形光学結晶を用いた波長変換方式では、取り出される第2高調波(波長変換レーザ)のピークパワーに、数1式、数2式に示す関係がある。
【0027】
【数1】
【数2】
【0028】
数1式、数2式では、P2ωが第2高調波(波長変換レーザ)のパワー、Pωが入射する基本波のピークパワー、ηが波長変換効率、deffが実行非線形光学係数、Aがビーム断面積である。このように、第2高調波(波長変換レーザ)のパワーは、入射する基本波のピークパワーの2乗に比例する。
【0029】
図3は、パルス駆動のデューティと波長変換レーザのピークパワーとの関係を示す図である。図3では、波長変換レーザを異なる2種類のデューティで駆動させた場合の、投入電力に対する第2高調波のピークパワーの関係の一例を示している。横軸はレーザ光源への投入電力を示し、縦軸は第2高調波のピークパワー(a.u.)を示している。また、実線はデューティ20%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示し、破線はデューティ60%でレーザ光源を駆動した場合のピークパワーを示している。図3に示すように、レーザ光源をパルス駆動させる場合、基本波のデューティを減少させてピークパワーを高めると効率の良い第2高調波(波長変換レーザ)の発生を実現できる。
【0030】
したがって、本実施の形態では、波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高める。具体的には、駆動制御装置20が、波長変換レーザのデューティが小さくなるよう緑色レーザ出射部1G1,1G2や青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3のパルス駆動を制御して、各レーザ出射部に順番にパルス駆動させていく。
【0031】
また、本実施の形態では、空間変調素子7として、例えばDMD(Digital Micromirror Device)(登録商標)を用いる。この素子は、1辺の長さが約10数μmの微小な可動ミラーが画素数分並ぶ空間変調素子であり、映像信号にしたがって各可動ミラーの角度が変化し、投写レンズ8に入射する光を空間変調するものである。空間変調素子7には、このような単板式DMD(登録商標)を採用して、フィールドシーケンシャル方式でカラー画像を表示する。フィールドシーケンシャル方式は、1TVフィールドの時間を光源の色数(ここでは3つ)に分割し、順次色を出力していく方法であり、人間の目の積分作用によって目の中で混色させ、フルカラー画像として認識させる原理を利用している。さらに、階調表示についてもフィールドシーケンシャル方式と同様の原理を利用する。具体的には、階調表示を行なうために、分割された時間であって各色に割り当てられる時間(空間変調用の時間)を10ビット(1024)に分割(色内分割)し、色内分割された時間の光強度に応じて可動ミラーの動作頻度を変える。
【0032】
つぎに、画像表示装置100の空間変調素子7の動作と各レーザ光源の発光のタイミングについて説明する。図4は、実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子と各レーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。図4では、空間変調素子7の動作と各レーザ光源(3原色RGBレーザ)(赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B)の発光タイミングを示している。
【0033】
本実施の形態の画像表示装置100は、緑色レーザ光源10Gが2台の緑色レーザ出射部1G1,1G2を備え、青色レーザ光源10Bが3台の青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3を備えている。このため、1TVフィールドを3原色用に3分割(色毎の分割)した後、さらに緑色に対応する時間を2分割(レーザ出射部毎の分割)し、青色に対応する時間を3分割(レーザ出射部毎の分割)し、レーザ出射部毎の分割時間が1レーザ(1つのレーザ出射部)に対応するよう各レーザ出射部に順次発光させていく。
【0034】
具体的には、緑色の発光に対応する時間を2分割して、各分割時間をそれぞれ緑色レーザ出射部1G1によるレーザ発光時間、緑色レーザ出射部1G2によるレーザ発光時間に割り当てる。また、青色の発光に対応する時間を3分割して、各分割時間をそれぞれ青色レーザ出射部1B1によるレーザ発光時間、青色レーザ出射部1B2によるレーザ発光時間、青色レーザ出射部によるレーザ発光時間に割り当てる。
【0035】
駆動制御装置20は、各レーザ光源からレーザ光を発光させる際に、同色のレーザ光の発光の間(10ビット分)でピークパワーがほぼ同じ値となるよう各レーザ出射部の駆動電流値を制御する。
【0036】
具体的には、駆動制御装置20は、緑色レーザ光源10Gからレーザ光を発光させる際に、緑色レーザ出射部1G1から出射するレーザ光のピークパワーと、緑色レーザ出射部1G2から出射するレーザ光のピークパワーとがほぼ同じ値となるよう、緑色レーザ出射部1G1,1G2を制御する。
【0037】
また、駆動制御装置20は、青色レーザ光源10Bからレーザ光を発光させる際に、青色レーザ出射部1B1から出射するレーザ光のピークパワーと、青色レーザ出射部1B2から出射するレーザ光のピークパワーと、青色レーザ出射部1B3から出射するレーザ光のピークパワーとがほぼ同じ値となるよう、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3を制御する。また、駆動制御装置20は、緑色レーザ出射部1G1,1G2からレーザ光を出射させる際に、緑色レーザ出射部1G1(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、緑色レーザ出射部1G2(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させる。
【0038】
また、駆動制御装置20は、同色のレーザ光を各レーザ出射部で発光させる際に、先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングと、この後のレーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングとが同期するよう各レーザ出射部を駆動制御する。
【0039】
具体的には、駆動制御装置20は、青色レーザ出射部1B1,1B2,1B3からレーザ光を出射させる際に、青色レーザ出射部1B1(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、青色レーザ出射部1B2(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させるとともに、青色レーザ出射部1B2(先のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの終端タイミングと、青色レーザ出射部1B3(後のレーザ出射部)から出射するレーザパルスの始端タイミングとを同期させる。
【0040】
LD励起の固体レーザは、数nsecの高速立ち上がりが可能なので、10ビットの時間単位(約5μsec)に対して、同色のレーザ光源のパルスの切り替わり時間の影響はほとんどない。これにより、空間変調素子7は、1つの色に割り当てられた10ビット分の分割時間内(各色の変調信号が与えられている時間内)(対応する色の変調信号に基づいて空間変調素子が駆動している間)は、連続的に一定のレーザ出力で照明されることとなる。
【0041】
なお、レーザ光の遷移時間(パルスの立ち上がりや立ち下がりに要する時間)を無視できない場合には、別形態の動作として先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングよりも少し前に、後のレーザ出射部からレーザパルスの出射を開始してもよい。
【0042】
図5は、実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の別形態の動作を示すタイミングチャートである。図5では、空間変調素子7と緑色レーザ光源10Gの動作タイミングの一例を示している。
【0043】
先のレーザ出射部から出射するレーザパルスの終端タイミングと後のレーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングが一部重複するよう各レーザ出射部を制御する際には、同色のレーザ出射部から連続的な一定のレーザ出力(ピークパワー)が得られるようレーザパルス(発光タイミング)の遅延時間を決定しておく。
【0044】
換言すると、駆動制御装置20は、1つの色(同色)の空間変調を行なう際に、複数のレーザパルスが重畳される時間の合計の光出力も含めて、1つの色で連続的な一定のレーザ出力が得られるようレーザパルスの出射タイミングを制御する。
【0045】
フィールドシーケンシャル方式の階調表示方法では、可動ミラーの10ビット分の時間に含まれる各分割時間単位(1024個)での動作によって光の変調を行うので、各分割時間単位内および分割時間単位間のレーザ出力を一定にしておくことが望ましい。分割時間単位内および分割時間単位間でレーザ光の光量が異なると、正確な階調の再現ができないからである。本実施の形態では、例えば、分割時間単位内および分割時間単位間のレーザ出力(合計出力)を一定にしておく。これにより、正確な階調を再現することが可能となる。
【0046】
図6は、空間変調素子で変調に利用される光量を示す図である。図6では、緑色レーザ光源10Gの出力と空間変調素子7で変調される分割時間単位での光量(分割時間毎の光量)の関係を示している。同図に示すように画像表示装置100では、略一様のレーザ出力を反映して、1つの分割時間単位(1024分の1)で変調される光量が略一定となる。
【0047】
ここで、同色の複数の波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるよう出力制御しながら順次パルス駆動する場合の効果を説明するために、本実施の形態のパルス駆動方法と他のパルス駆動方法(従来のパルス駆動方法)との相異点について説明する。
【0048】
まず、同色を発光するレーザ出射部で同時にレーザ発光させる方法と、本実施の形態のレーザ発光方法(レーザ出射部で順番にレーザ発光させる方法)を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法(後述の図7に示す方法)と、緑色レーザ出射部1G1,1G2で順番にレーザ発光させるよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法(本実施の形態に係る前述の図4に示す方法)とを比較した場合について説明する。
【0049】
図7は、緑色レーザ出射部で同時にレーザ発光させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図7では、緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光させた場合の、空間変調素子7と緑色レーザ光源10Gの動作タイミングおよび空間変調素子7で変調される光量の関係を示している。
【0050】
図7に示す波長変換レーザの駆動方法(緑色レーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するよう緑色レーザ光源10Gを駆動する方法)では、緑色を発光させる際の空間変調素子7の駆動タイミングと、複数からなる緑色レーザ出射部1G1,1G2の駆動タイミングを同期させればよい。このため、図7に示す波長変換レーザの駆動方法は、図4に示す方法と同様に駆動制御装置20による緑色レーザ出射部1G1,1G2や空間変調素子7の制御を容易に行なえる。また、図7に示す方法であっても、図4に示す方法と同様に、分割時間単位で変調される光量が同色発光の間は一定であるので階調表現に問題はない。
【0051】
同色発光の間に、図7に示した方法によって、図4の方法によるレーザ発光と同じ平均パワーを得るための各々の波長変換レーザのピークパワーは、それぞれ図4に示した本実施の形態の波長変換レーザの駆動方法の場合の2分の1である。図7に示した方法では2つのレーザ出射部1G1,1G2で同時にレーザ発光するのに対し、図4に示した方法では1つのレーザ出射部で順番にレーザ発光するからである。
【0052】
ところが、図7に示す方法と図4に示す方法とで、レーザ光源へ必要な投入電力を比較すると、同色発光の間に、図7に示した方法によって、図4の方法によるレーザ発光と同じ平均パワーを得る(同じ明るさの画像表示を行なう)ためには、図4に示す本実施の形態の波長変換レーザの駆動方法の約1.5倍の電力が必要となってしまう。これは、図3からもわかるように、1つのレーザ出射部でレーザ発光を行なう場合、レーザ出射部への投入電力が大きいほど波長変換効率が良くなるからである。
【0053】
図3に示したように、例えば、1つのレーザ出射部によってデューティ60%でレーザ光源を駆動させる場合、第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「7.5」である。一方、2つのレーザ出射部によってデューティ60%でレーザ光源を駆動させる場合、各レーザ出射部で第2高調波のピークパワーの「10」と「10」を得るには、投入電力が「5」と「5」である。すなわち、1つのレーザ出射部によって第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「7.5」であるのに対し、2つのレーザ出射部によって第2高調波のピークパワーの「20」を得るには、投入電力が「10」となる。
【0054】
このように、図7に示す波長変換レーザの駆動方法(複数の緑色レーザ出射部から同時にレーザ発光させる方法)では、図4に示す波長変換レーザの駆動方法と比べて波長変換効率が大幅に低くなる。
【0055】
つぎに、レーザ出射部で通常のパルス発振を行なう場合(分割した各色に割り当てられる時間の間、所定のタイミングのみでパルス発振させる場合)と、本実施の形態のレーザ発光方法を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2で通常のパルス発振を行なわせた場合(後述の図8に示す方法)の緑色レーザ光源10Gの出力(ピークパワー)と、本実施の形態のレーザ発光方法(図4に示す方法)での緑色レーザ光源10Gの出力とを比較した場合について説明する。
【0056】
図8は、所定のタイミングでのみパルス発振させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図8では、緑色レーザ出射部1G1,1G2での出力量と、空間変調素子7で変調される分割時間単位での光量の関係を示している。
【0057】
図8に示すように所定のタイミングでのみパルス発振させた場合、レーザ出射部から出射するレーザパルスの始端タイミングや終端タイミングと、空間変調素子7で変調される1つの分割時間単位の終端部とにずれを生じる場合がある。このため、各分割時間単位で変調される光量が一定とならず、階調を正確に表示することができない。
【0058】
一方、本実施の形態では、波長変換レーザの駆動方法として、同色の出力において連続的な一定のレーザ出力が得られるようパルス駆動のタイミングを制御している。このため、各分割時間単位で変調される光量が一定となり、階調を正確に表示することが可能となる。
【0059】
つぎに、分割時間単位での変調光量を一定にするために各波長変換レーザのパルス駆動(複数のパルスレーザの駆動)を可動ミラーの駆動タイミングと同期させるよう制御した場合と、本実施の形態のレーザ発光方法を比較する。ここでは、緑色レーザ出射部1G1,1G2でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させるよう制御した場合(後述の図9に示す方法)と、本実施の形態のレーザ発光方法(図4に示す方法)場合とを比較した場合について説明する。
【0060】
図9は、各レーザ出射部でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させた場合の、画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図9では、各緑色レーザ出射部1G1,1G2でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させる場合に、空間変調素子7で変調される分割時間単位を示している。
【0061】
所定のタイミングでのみ各緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス発振させるとともに、このパルス駆動のタイミングを可動ミラーの駆動タイミングと同期させるので、緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス駆動させる時間を10ビットで分割する必要がある。換言すると、緑色レーザ出射部1G1,1G2でパルス駆動させる合計時間が、可動ミラーの駆動時間に対応する10ビット分の時間に対応しなければならない。
【0062】
このため、緑色の変調信号が与えられている時間(緑色レーザ出射部1G1および緑色レーザ出射部1G2でに割り当てられている時間)内を10ビットで分割した場合、本実施の形態の場合(前述の図5に示す方法)と比較して分割時間単位の周期が短くなる。10ビットの分割時間より短周期でのスイッチングは現状では実現が困難である。また、レーザ光のパルス幅に適合する分割時間の設定や、レーザ光のパルスと可動ミラーの駆動を正確に同期させる制御は、装置構成が複雑になるという問題がある。本実施の形態に係る画像表示装置100は、10ビットの分割時間で可動ミラーをスイッチングさせているので、10ビットの分割時間より短周期で可動ミラーをスイッチングさせる装置よりも簡易な構成で容易に可動ミラーをスイッチングさせることが可能となる。
【0063】
また、将来的に可動ミラーのスイッチングが現在のスイッチングよりも高速になり、短周期の可動ミラーのスイッチングが可能となった場合であっても、本実施の形態の画像表示装置100が図5の方法を用いてスイッチングの分割数を増やす方が、短周期で可動ミラーをスイッチングさせるよりも高画質な画像を得ることができる。
【0064】
なお、本実施の形態で説明した画像表示装置100の構成や、画像表示装置100で用いた数値は前述の説明に限るものではない。例えば、各色および同色のレーザ光源に対する時間の分割は、等分である必要はなく互いに異なってもよい。
【0065】
また、本実施の形態における各色の10ビットによる分割時間は、可動ミラーを機械的に駆動するスイッチング方式による高速駆動の限界から定めた一例の時間である。このため、1TVフィールドを3原色用に3分割した時間(各色に割り当てられる時間)を10ビット以外の値で分割してもよい。すなわち、1色の時間分割数は10ビットに限るものではなく、可動ミラーの高速なスイッチング駆動が可能になれば、1色に割り当てられた時間を10ビット以上の分割数で分割してもよい。また、1色に割り当てられた時間を、10ビット以下の分割数で分割してもよい。この場合には、1色に割り当てられた時間を10ビットで分割する場合よりも、簡易な構成で容易に画像を表示することが可能となる。したがって、低価格な画像表示装置を提供することが可能となる。
【0066】
また、本実施の形態では、1TVフィールド内の時間を3分割して各色のレーザ発光に割り当てたが、3分割以外で1TVフィールド内の時間を分割してもよい。例えば、人間の目に色分離を認識させにくくするために、1TVフィールド内の時間を6分割や12分割し、1TVフィールド内で同色を複数回表示させるようにしてもよい。この場合、1TVフィールド全体での時間分割数が所定のビット数(例えば30ビット)になればよい。
【0067】
また、本実施の形態では、各色に割り当てられている時間(変調信号が与えられている時間)(変調時間)を、同色のレーザ光源(長変換レーザ)が備えるレーザ出射部の数と同数に分割したが、この数以外の値で各色に割り当てられている時間を分割してもよい。例えば、各色に割り当てられている時間を、同色のレーザ光源が備えるレーザ出射部の数よりも大きな数で分割してもよい。この場合、1色に割り当てられている時間内で、同一の波長変換レーザ(レーザ出射部)を複数回発光させる。
【0068】
また、空間変調素子7の構成が単板式である場合について説明したが、この構成に限るものではなく、画像表示装置100に複数の空間変調素子7を用いた構成を適用してもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のレーザ光源を用いた画像表示装置100(カラー画像投写装置)について説明したが、画像表示装置100には、これら以外の色のレーザ光源を用いてもよい。また、レーザ光源の色は、2色であってもよいし、4色以上であってもよい。
【0070】
また、図5〜図9では、緑色レーザ光源10Gを制御する場合について説明したが、青色レーザ光源10Bを制御する場合にも緑色レーザ光源10Gと同様の制御を行なうことによって緑色レーザ光源10Gと同様の効果が得られる。
【0071】
また、本実施の形態では、緑色レーザ光源10Gと青色レーザ光源10Gが複数のレーザ出射部を備える場合について説明したが、赤色レーザ光源10Rが複数のレーザ出射部を備える構成としてもよい。また、緑色レーザ光源10Gが3つ以上のレーザ出射部を備える構成としてもよいし、青色レーザ光源10Gが2つ又は4つ以上のレーザ出射部を備える構成としてもよい。
【0072】
このように、同色の複数の波長変換レーザを順次パルス駆動し、1つの波長変換レーザのデューティを小さくしてピークパワーを高めたので、波長変換効率が高くなり、明るく効率のよい画像表示装置を得ることができる。
【0073】
また、同色の複数の波長変換レーザを順次パルス駆動し、先に発光するレーザのパルスの立ち下がりと、次に発光するレーザのパルスの立ち上がりのタイミングを同期させ、各色に対して変調信号が与えられている時間内は、連続的な発光状態で一定の光出力が得られるよう波長変換レーザの駆動を制御したので、空間変調素子7で変調に利用される光出力が一定となり、正確な階調表示ができる。また、空間変調素子7の機械的スイッチング時間の制約を受けずにパルス駆動条件を設定することができる。
【0074】
このように実施の形態1によれば、同色の各波長変換レーザがほぼ同じピークパワーとなるようレーザ出射部を出力制御しながら各波長変換レーザに順番にパルス発振させるとともに、連続的な一定のレーザ出力が得られるようにパルス駆動のタイミングを制御するので、レーザ光を効率良く利用して高輝度かつ高画質な画像を簡易な構成で容易に表示することが可能となる。
【0075】
実施の形態2.
つぎに、図10を参照してこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、各色に割り当てられている時間を、10ビットに所定数の値(分割時間単位)を付加した値で分割し、付加した時間をレーザパルスの遷移時間に割り当てる。
【0076】
本実施の形態2の画像表示装置100は、図1に示す実施の形態1の画像表示装置100と同じ構成を有しておりその説明を省略する。本実施の形態2の画像表示装置100は、実施の形態1の画像表示装置100とは異なる駆動タイミングで空間変調素子7と各色のレーザ光源を制御する。
【0077】
図10は、実施の形態2に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。図10では、画像表示装置100の波長変換レーザ(緑色レーザ出射部1G1,1G2)の発光タイミングを示している。同色(緑色)の複数のレーザ出射部を有する緑色レーザ光源10Gに割り当てられている時間(変調時間)は、10ビット(1024の分割時間単位)に所定数の分割時間単位を付加した値で分割する。そして、10ビットに対して付加される分割時間単位を、緑色レーザ光のレーザパルスの遷移時間に割り当てる。
【0078】
例えば、10ビットに対して4つの分割時間単位を付加することによって、緑色レーザ光源10Gに割り当てられている時間を1024+4で分割する。そして、緑色レーザ出射部1G1によるパルス発振の前後に1つずつの分割時間単位を割り当てるとともに、緑色レーザ出射部1G2によるパルス発振の前後に1つずつの分割時間単位を割り当てる。そして、付加に用いた4つの分割時間単位の間は、空間変調素子7による空間変調を行なわない。このように波長変換レーザの駆動を制御することによって、付加した分割時間単位分の無効時間が発生するので、パルス駆動と空間変調素子7との同期をとる。
【0079】
このように実施の形態2によれば、画像表示装置100において、実施の形態1の画像表示装置100のようなレーザパルスの高速応答が不要となる。また、本実施の形態の画像表示装置100では、付加した分割時間単位の範囲内において、レーザのパルス幅や遷移時間に対して尤度を持たせることが可能となる。したがって、簡易な構成のレーザ駆動電源で容易に画像表示を行なうことができるとともに、駆動制御装置20によるレーザ光源や空間変調素子7の制御を容易に行なうことが可能となる。これにより、レーザ駆動電源の開発が容易になる。
【0080】
また、本実施の形態の画像表示装置100でも、実施の形態1の画像表示装置100と同様に、複数の同色の波長変換レーザをデューティを小さくすることによってピークパワーを高めて使用しているので、波長変換効率が高くなる。
【0081】
実施の形態3.
つぎに、図11および図12を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、各色の画面全体の光強度(照度)に基づいて、レーザ光源の出力をカラー画像を階調表示させる際の階調段階に応じた出力値に制御する。
【0082】
図11は実施の形態3に係る画像表示装置の構成を示す図である。図11の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像表示装置100と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0083】
本実施の形態に係る画像表示装置100は、赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源10G、青色レーザ光源10B、複数のカップリングレンズ2、複数の光ファイバ3、照明光学系4、空間変調素子7、投写レンズ8、スクリーン9、駆動制御装置20に加えて、演算装置30を有している。
【0084】
演算装置30は、駆動制御装置20に接続されている。演算装置30は、レーザ光源の光出力を制御することによって階調表現を向上させるため、各色の画面全体の光強度を検出し、この検出結果に基づいて外部入力される映像信号に対応するレーザ出力制御信号に所定の演算処理を行う。演算装置30は、演算処理したレーザ出力制御信号を駆動制御装置20に入力する。駆動制御装置20は、演算装置30からのレーザ出力制御信号に基づいて、レーザ光源の出力を制御する。画像表示装置100の空間変調素子7による階調表現は、例えば10ビット(1024階調)であり、駆動制御装置20によるレーザ出力の変調は2ビット(4階調)である。
【0085】
外部の信号源などから演算装置30へ入力された映像信号は、演算装置30で1TVフィールドごとにメモリされ、演算装置30は映像信号に基づいて、各色(例えば赤、青、緑の3色)に対する情報(画面全体の光強度に関する情報)を検出する。
【0086】
演算装置30では、色ごとに画面全画素の情報を検索し、映像信号を12ビットの階調情報に分離するとともに、全画素の情報を10ビットの空間変調素子7と2ビットのレーザ出力の変調信号とに分割する演算を行う。さらに、演算装置30は、3072より高い階調信号を12ビットの信号から10ビットの信号に変換する。なぜならば、本実施の形態では、2ビットのレーザ出力の変調と、10ビットの空間変調素子7の変調とによって12ビットの階調表現を行うが、レーザ出力がフルビットのときには、空間変調素子7の変調のみの階調制御になり、10ビットの階調表現になるからである。人間の目は、明るい階調に対する感度よりも暗い階調に対する感度の方が高いので、本実施の形態の画像表示装置100は、階調表現を向上させて高画質な画像を認識させることが可能となる。
【0087】
図12は、実施の形態3に係る画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。図12では、空間変調素子7と各色のレーザ光源の駆動タイミング、緑色レーザ光源10Gの発光タイミングを示している。
【0088】
演算装置30から駆動制御装置20へは、1TVフィールドを単位として、各色に対するレーザ出力制御信号が送られる。駆動制御装置20は、演算装置30から出力された各色に対するレーザ出力制御信号に基づいて、レーザ出力を4階調に制御する。
【0089】
また、本実施の形態では、1TVフィールドの3原色に対する色分割数として例えば6分割を用いる。そして、1TVフィールド内で各色を2回ずつ表示させる。1TVフィールドを6分割する際には、1TVフィールドを6等分してもよいし、等分割しなくてもよい。また、1TVフィールドの3原色に対する色分割数は6分割に限られず、何れの数で分割してもよい。このように、1TVフィールド内での分割数を増やすことによって、カラーブレイキングと呼ばれる時間的な色分離現象が認識されにくくなり、分割数が少ない場合よりも高画質な画像が得られる。
【0090】
なお、本実施の形態で説明した画像表示装置100の構成や、画像表示装置100で用いた数値は前述の説明に限るものではない。例えば、レーザ出力を2ビットよりも細かく制御すれば広い範囲での階調表現の向上が可能となる。また、1TVフィールド内での同一の色の分割に関しては、従来のランプ光源であればカラーホイールの回転速度やブランキングタイムなどの影響で分割数に制限があったが、レーザ光源では高速のON/OFF切替が可能であるので、分割数を多くとることができる。したがって、色分離が低減し良質な画像を得ることができる。
【0091】
また、レーザ光のピークパワーが低いレベルにある場合には、ピークパワーの高さが波長変換効率に寄与する割合は大きい。したがって、本実施の形態のように、レーザ出力を変調する場合にも、明るく効率の良い画像表示装置を得るためには、各波長変換レーザのデューティを小さくし、ピークパワーを高めることが効果的となる。
【0092】
このように実施の形態3によれば、レーザ光源の出力を制御することによって、空間変調素子7の高速スイッチングの性能限界以上の階調表現が可能となる。また、画面全体の輝度に応じて照明光の輝度を変化させているので、コントラストの高い画像が得られる。さらに、レーザ出力を定格以下に制御する時間が長いので、消費電力を削減できるとともに、レーザ光源を長寿命化することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係る画像表示装置および表示制御装置は、波長変換レーザ光源を用いた画像表示に適している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示す図である。
【図2】パルス駆動のデューティとレーザのピークパワーとの関係を示す図である。
【図3】パルス駆動のデューティと波長変換レーザのピークパワーとの関係を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子と各レーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】実施の形態1に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の別形態の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】空間変調素子で変調に利用される光量を示す図である。
【図7】緑色レーザ出射部で同時にレーザ発光させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】所定のタイミングでのみパルス発振させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】各レーザ出射部でのパルス駆動を可動ミラーの駆動タイミングと同期させた場合の画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】実施の形態2に係る画像表示装置の空間変調素子とレーザ光源の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】実施の形態3に係る画像表示装置の構成を示す図である。
【図12】実施の形態3に係る画像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1G1,1G2 緑色レーザ出射部
1B1,1B2,1B3 青色レーザ出射部
2 カップリングレンズ
3 光ファイバ
4 照明光学系
5 インテグレータロッド
6 リレーレンズ
7 空間変調素子
8 投写レンズ
9 スクリーン
10B 青色レーザ光源
10R 赤色レーザ光源
10G 緑色レーザ光源
20 駆動制御装置
21 駆動制御部
30 演算装置
100 画像表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、
前記各レーザ光源の駆動を制御するとともに前記各レーザ光源の駆動制御に応じて前記空間変調素子の駆動を制御する駆動制御部を備え、
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
先に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの終端と、この後に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの始端とを一致させて前記各波長変換レーザ光源にレーザ光を出力させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
先に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの終端と、この後に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの始端との間に所定の遅延時間を設けて前記各波長変換レーザ光源にレーザ光を出力させるとともに、先のレーザ光の立ち下がりと後のレーザ光の立ち上がりを一部重複させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が遷移する遷移時間を、前記空間変調素子に空間変調を行わせない時間に設定するとともに、前記遷移時間を除いた時間の間に前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、
前記波長変換レーザ光源の出力を、前記カラー画像を階調表示させる際の階調段階に応じた出力値に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置の、前記各レーザ光源および前記空間変調素子の駆動を制御する表示制御装置において、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御する駆動制御部を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項1】
複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置において、
前記各レーザ光源の駆動を制御するとともに前記各レーザ光源の駆動制御に応じて前記空間変調素子の駆動を制御する駆動制御部を備え、
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
先に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの終端と、この後に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの始端とを一致させて前記各波長変換レーザ光源にレーザ光を出力させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
先に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの終端と、この後に駆動させる波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光のパルスの始端との間に所定の遅延時間を設けて前記各波長変換レーザ光源にレーザ光を出力させるとともに、先のレーザ光の立ち下がりと後のレーザ光の立ち上がりを一部重複させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が遷移する遷移時間を、前記空間変調素子に空間変調を行わせない時間に設定するとともに、前記遷移時間を除いた時間の間に前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、
前記波長変換レーザ光源の出力を、前記カラー画像を階調表示させる際の階調段階に応じた出力値に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
複数色のレーザ光源のうち少なくとも1色のレーザ光源は同色の複数からなる波長変換レーザ光源を有した複数出力のレーザ光源を備えるとともに前記各レーザ光源から出力されるレーザ光をフィールドシーケンシャル方式の空間変調素子で空間変調してカラー画像を表示する画像表示装置の、前記各レーザ光源および前記空間変調素子の駆動を制御する表示制御装置において、
前記複数出力のレーザ光源に対応する色に割り当てられた時間内に前記空間変調素子が前記複数出力のレーザ光源から出力されるレーザ光の空間変調を行なう際、
前記各波長変換レーザ光源から出力されるレーザ光が略同じピークパワーとなるよう前記各波長変換レーザ光源に順次パルス出力させるとともに、前記各波長変換レーザ光源から連続的な略一定のレーザ出力が得られるよう前記各波長変換レーザ光源のパルス駆動のタイミングを制御する駆動制御部を備えることを特徴とする表示制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−250037(P2008−250037A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92033(P2007−92033)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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