説明

画像表示装置及び撮像装置

【課題】ストップモーション動画の作成を極めて容易な作業で行い得るようにする。
【解決手段】撮影された複数の静止画像に係る画像情報がそれぞれ撮影に関連する関連情報とともに記憶される記憶手段22と、記憶手段22に記憶された画像を、前記関連情報に基づいて、予め設定された所定の関係にある静止画像毎にグループとして分類する分類手段23と、分類手段23により分類されたグループに含まれる静止画像中の少なくとも1つを選択することにより、該選択した画像に係るグループに含まれる複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を作成する作成手段24と、作成手段24により作成された前記ストップモーション動画を含む画像を表示する表示手段25とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びデジタルカメラ等の撮像装置に関し、特に、複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を表示する機能を有する画像表示装置及び該画像表示装置を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像(撮影)された複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画(ストップモーションビデオ、ストップモーションムービー等とも称される)を作成する機能を提供するコンピュータプログラムやこれを搭載したデジタルカメラが実用されている。この機能は、例えば、静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしつつ撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる場合、あるいは植物の生長や街並みの変化等の被写体の長時間ないし長期間に渡る変化を、時間をおいて定点撮影し、撮影された複数の静止画像を短時間で動画として再生表示する場合等に利用される。
【0003】
このストップモーション動画は、複数の静止画像を視覚的に静止画像と認識できる程度の比較的に長い時間間隔(1画像について数秒〜十数秒程度)で順次に表示するスライドショーやこれに特殊効果等を付与してファイル形式を単に動画形式としたフォトムービー(例えば、下記特許文献1参照)等とは異なり、視覚的に動画として認識できる程度の比較的に短い時間間隔(1秒間に数画像〜数十画像)で表示するものである。
【0004】
ストップモーション動画を作成するためのユーザインタフェースとしては、撮影された複数の静止画像を撮影順にサムネイル表示(1画面に複数の縮小された静止画像を並べて表示する表示方法)し、作業者が操作部を用いて、これらの中からストップモーション動画の作成に用いる複数の静止画像を選択する方法が用いられている。例えば、表示された複数の画像のうち、作成に用いる最初の画像と最後の画像を選択し、これらとこれらの間の画像について、ストップモーション動画を作成するものである。これらの画像中に不要な画像が含まれる場合には、別途操作を行うことにより、作成に用いる画像から排除することができるようになっている。
【0005】
しかしながら、ストップモーション動画の作成に用いる画像が連続して撮影された画像である場合はともかく、撮影された複数の画像中には、互いに無関係な画像が含まれる場合があり、これらの無関係な画像を除いて必要なもののみを選択する作業は煩雑であるという問題がある。特に、上述のような被写体の長時間ないし長期間の変化を定点撮影する際には、撮影の時間間隔が比較的に長い場合(例えば、1日、1週間、1ヶ月、1年等)があり、その間に別の撮影が行われた場合等においては、その選択作業が極めて煩雑であった。
【0006】
なお、下記特許文献2には、画像の再生順もしくは再生形態を収録してなるシナリオファイルを予め準備しておき、このシナリオファイルに従って再生するようにした技術が開示されているが、予めシナリオファイルを準備する必要があり、やはりその作業が煩雑であった。また、下記特許文献3には、連続撮影された画像と単独撮影された画像とを簡易な処理で識別する技術として、各画像の撮影時刻データに基づいて、所定の時間内で撮影された1つ又は複数の画像をそれぞれグループとして抽出し、これをグループ毎に分けて表示するようにしたものが開示されているが、単に撮影時刻でグループ化するものでは、上述のような被写体の長時間ないし長期間の変化を定点撮影するような場合であって、その間に別の撮影を行ったような場合には、これを識別することができず、上述の問題を解決することができない。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ストップモーション動画の作成を極めて容易な作業で行い得るようにした画像表示装置、及び該画像表示装置を備える撮像装置を提供することを目的とする。
【特許文献1】特開2006−229467号公報
【特許文献2】特開平10−200843号公報
【特許文献3】特開2006−94284号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像表示装置は、撮影された複数の静止画像に係る画像情報(ID)がそれぞれ撮影に関連する関連情報(RD)とともに記憶される記憶手段(14,22)と、前記記憶手段に記憶された画像を、前記関連情報に基づいて、予め設定された所定の関係にある静止画像毎にグループとして分類する分類手段(23)と、前記分類手段により分類されたグループに含まれる静止画像中の少なくとも1つを選択することにより、該選択した画像に係るグループに含まれる複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を作成する作成手段(24)と、前記作成手段により作成された前記ストップモーション動画を含む画像を表示する表示手段(15,25)とを備えて構成される。
【0009】
ここで、前記関連情報(RD)としては、撮影された静止画像の地理的位置を示す撮影位置情報(D2)や撮影された静止画像の撮影の地理的方向を示す撮影方向情報(D3)を例示することができる。
【0010】
また、本発明の撮像装置は、撮影レンズを介した被写体の像が結像される撮像素子(10)と、上述した本発明に係る画像表示装置とを備えて構成される。
【0011】
なお、この項の説明では、後述する実施形態を表す図面に示す部材等を示す符号を括弧を付して付記したが、これは単に理解の容易化のためであり、本発明の各構成要件は、これらの符号によって限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、関連情報に基づいて、予め設定された所定の関係にある画像毎にグループとして分類し、分類されたグループに含まれる静止画像中の少なくとも1つを選択することにより、ストップモーション動画が作成されるので、その選択作業は極めて簡単であり、ストップモーション動画を簡単な操作で容易に作成することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
〔デジタルカメラの構成〕
図1は本発明の実施形態に係るデジタルカメラの要部構成を示すブロック図である。同図において、10は撮像センサユニットであり、撮像センサユニット10は、それぞれ図示は省略するが、撮影レンズを介して入射される被写体からの光を電気信号に変換して出力するCCDやCMOS等からなる撮像素子、該撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、該撮像素子に対して画像信号を取り出すためのタイミング信号を与えるタイミングジェネレータ(TG)等を含んで構成されている。
【0015】
制御ユニット(MPU)11は、このカメラを統括的に制御するユニットであり、不図示のRAMやROM等の記憶部を含み、該記憶部に記憶された制御プログラム、後述するストップモーション動画の作成・表示を行うためのストップモーション動画作成・表示プログラム、各種の制御データ等を読み込み、当該プログラムに従った処理を行う。制御ユニット11は、画像処理回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)12を含み、画像処理回路12には撮像センサユニット10からの画像データ(デジタル信号)が入力される。
【0016】
画像処理回路12は撮像センサユニット10からの画像データを一時的に保存するバッファメモリ等を含んで構成されており、制御ユニット12による制御の下、撮像センサユニット10からの画像データ(原画像データ)に対してホワイトバランス(WB)調整、輪郭補償、ガンマ補正などの補正処理、所定の形式(例えば、JPEG等)で圧縮する圧縮処理やその逆の処理である伸長処理等の画像処理を行う。
【0017】
画像処理回路12により処理された画像データは、後述する関連情報が付加されて画像データファイルとして、カードインターフェース(カードスロット)13を介して着脱可能に装着される画像記録媒体14に記録される。画像記録媒体14はフラッシュメモリなどから構成される可搬性を有するメモリカード等であって、関連情報及び画像データを含む画像データファイル、及び後述するストップモーション動画データを含む動画ファイル等を記録するものである。
【0018】
また、制御ユニット11には、カメラの背面に設けられた画像表示モニタユニット15が接続されている。画像表示モニタユニット15は、例えばTFT方式の液晶パネル(LCD)から構成される。画像表示モニタユニット15には、画像処理回路12から送られる撮像中の画像(スルー画像)、画像記録媒体14に記録された画像(静止画像、動画像)、サムネイル画像、各種設定を行うためのメニュー画面、その他の情報が表示される。
【0019】
制御ユニット11には、GPSユニット(GPS受信機)16が接続されている。GPSユニット16は、地球上を周回する複数のGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)衛星からのその軌道と時刻データとを含む電波信号を受信し、これらに基づいて、当該GPSユニット16の現在位置に係る緯度及び経度等を含む地理的位置情報を生成し、当該地理的位置情報を含むGPS信号を、NMEA−0183等の所定のプロトコルに従って、一定間隔毎に定期的に出力する装置である。なお、NMEAは米国海洋電子機器協会(National Marine Electronics Association)により定められた規格である。GPSユニット16は、このカメラの内部に設けられていてもよく、あるいはアクセサリ装置として、カメラに設けられたホットシューやその他の取付部にコネクタを介して必要に応じて接続されるものであってもよい。
【0020】
また、制御ユニット12には、撮影の地理的方向を検出する方向センサユニット17が接続されている。方向センサユニット17は、カメラの内部に設けられている。方向センサユニット17は、方位センサ及び仰角センサを備えている。方位センサはカメラの撮影レンズの光軸の水平面内における方位を検出するセンサであり、仰角センサはカメラの撮影レンズの光軸の水平面に対する角度(仰角及び俯角)を検出するセンサである。これらのセンサとしては、カメラの方位、仰角を検出できるものであれば、どのようなセンサでもよいが、例えば、地磁気センサや加速度センサを用いることができる。
【0021】
なお、この実施形態では、方位センサ及び仰角センサを含む方向センサユニット17が設けられているものとするが、方向センサユニット17は設けられていなくてもよく、方向センサユニット17を設ける場合には、方位センサ及び仰角センサの両者を含む必要はなく、これらの何れか一方を含むものであってもよい。
【0022】
また、制御ユニット12には、USBユニット18が接続されている。USBユニット18は、USBコネクタを備え、必要に応じて、パーソナルコンピュータ等を含む外部装置にUSBケーブルを介して接続できるようになっている。画像記録媒体14に記録された画像データファイル(静止画像、動画像)等はこのUSBケーブルを介して、パーソナルコンピュータ等に転送することができるようになっている。
【0023】
さらに、このカメラは、撮影者が指示内容を手動入力するための各種のボタン、ダイヤル、十字キー等を含む操作ユニット19を備えている。操作ユニット19は、主電源をオン/オフするメインスイッチ、レリーズボタン、コマンドダイヤル、メニューボタン、項目選択用十字キー、OKボタン(決定ボタン)等を含み、これらのスイッチやボタン等は、カメラ本体の上部又は背面等に設けられている。撮影者はこれらのスイッチやボタン等を所定の手順に従って操作することにより、撮影指示、各種のモード等の選択、その設定の切り換え、後述するストップモーション動画を作成する場合のサムネイル画像の表示指示、ストップモーション動画の作成指示等を行うことができる。
【0024】
撮影者により撮影を指示するためのレリーズボタンが押下されると、撮像センサユニット10からの撮像された画像に係る画像データが画像処理回路12にて画像処理(補正、圧縮等)される。制御ユニット11は、図2に示されているように、この画像処理後の画像データIDに、制御ユニット11が備える不図示の時計ユニットからの撮影日時情報(年月日時分秒)D1、GPSユニット16からの撮影時点における現在位置に係る地理的位置情報としての撮影位置情報(経度及び緯度)D2、方向センサユニット17からの撮影の地理的方向情報としての撮影方向情報(方位、仰角又は俯角)D3等を関連情報RDとして付加し、静止画像ファイルDFとして順次更新される所定のファイル名で画像記録媒体14に記録する。
【0025】
〔画像表示装置〕
図3は本発明の実施形態の画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。この画像表示装置は、特に限定されないが、上述したデジタルカメラに搭載されているものとし、上述した制御ユニット11がストップモーション動画作成・表示プログラムを実行することにより実現される。
【0026】
この画像表示装置は、制御部21と、撮影された複数の静止画像に係る画像情報(画像データ)がそれぞれ撮影に関連する関連情報とともに記憶される記憶部(記憶手段)22と、記憶部22に記憶された画像を、前記関連情報に基づいて、予め設定された所定の関係にある静止画像毎にグループとして分類する分類部(分類手段)23と、分類部23により分類されたグループに含まれる静止画像中の少なくとも1つを選択することにより、該選択した画像に係るグループに含まれる複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を作成する作成部(作成手段)24と、作成部24により作成されたストップモーション動画を含む画像を表示する表示部(表示手段)25とを備えて構成されている。この実施形態では、この画像表示装置は上述したデジタルカメラに搭載されているものとしたので、記憶部22は図1の画像記録媒体14に対応し、表示部25は図1の画像表示モニタ15に対応する。
【0027】
図4はこの画像表示装置によって実行されるストップモーション動画の作成・表示処理を示すフローチャートである。この処理は、撮影者が操作ユニット19を用いて、ストップモーション動画の作成の開始を指示する所定の操作を行う(例えば、ストップモーション動画の作成の開始を指示するボタンを押下)ことにより開始される(ステップS11)。処理が開始されると(ステップS11でYと判断されると)、まず、制御部21は、記憶部22に記憶された全ての又は撮影者が操作ユニット19を用いて指定したフォルダ内の全ての画像データファイルDF内に設定された関連情報RD(撮影時刻情報D1、撮影位置情報D2及び撮影方向情報D3)を読み込み、当該画像データファイルDFを識別するためのファイル名とともに、これらを分類部23に渡す(ステップS12)。
【0028】
次いで、分類部23は、予め設定された所定の関係にある静止画像毎にグループとして分類する(ステップS13)。ここで、所定の関係とは、一例として、互いの静止画像の撮影された地理的位置(緯度、経度)が所定の地理的位置関係にあることをいい、所定の地理的位置関係とは、撮影地点が実質的に同一地点であるとみなせる程度の範囲内にあることをいう。従って、分類部23は、静止画像のそれぞれの撮影位置情報(緯度、経度)に基づいて、実質的に同一地点で撮影されたとみなせる程度の範囲内にあるもの毎にグループとして分類する。ここで、実質的に同一地点で撮影されたとみなせるか否かの判断は、しきい値(例えば、半径1m)を予め設定しておき、該しきい値で示される範囲内にあるか否かで行う。このしきい値は、固定された値でもよいが、撮影者が操作ユニット19を用いて所定の設定操作を行うことにより、連続的に又は段階的に変更設定し得るようにするとよい。
【0029】
次いで、制御部21は、分類部23によりグループとして分類された複数の静止画像を、グループとして分類した順序毎に並べて表示部25にサムネイル表示する(ステップS14)。なお、このサムネイル表示に用いるサムネイル画像は、記憶部22に記憶された画像データファイルDFの関連情報RDにサムネイル画像が設定されている場合には、これを読み出して表示し、記憶部22に記憶された画像データファイルDFの関連情報RDにサムネイル画像が設定されていない場合には、当該画像データIDを読み出して、適宜に間引き処理してサムネイル画像として表示する。なお、ここでは、同一グループ内でのサムネイル画像の表示の順序は、記憶部22に記憶された画像データファイルDFに関連情報として設定された撮影日時情報D1に基づく撮影日時(時刻)順とする。
【0030】
次いで、撮影者による指示を待つ(ステップS15)。このステップS15では、撮影者がスクロール指示を行った場合には、ステップS14に戻って、該スクロール指示に従って画面をスクロールさせて、サムネイル画像を表示する。表示部25の1画面内に表示し得るサムネイル画像の枚数は、表示部25の画面の大きさとサムネイル画像の大きさとの関係で限られているため、表示すべきサムネイル画像の枚数が1画面に表示できる枚数を越えている場合に、スクロール指示を行うことにより、順次に表示させるようにしたものである。スクロール指示により、一旦進めた表示を逆に戻すこともできる。
【0031】
ステップS15において、撮影者がストップモーション動画の作成指示を行った場合には、ステップS16に進む。ストップモーション動画の作成指示は、例えば、表示部25に表示されている複数のサムネイル画像のうちの1つを選択することにより行うことができる。具体的には、例えば、操作ユニット19の十字キーを操作することにより、サムネイル画像間で移動するカーソル(例えば、サムネイル画像の枠線を他のものと異なる色に表示したもの)を、表示中のサムネイル画像間で順次に移動させて所望の1枚を選択し、操作ユニット19の決定ボタンを押下することにより、この作成指示を行うようにできる。
【0032】
次いで、制御部21は、撮影者により選択されたサムネイル画像が含まれるグループを特定し(ステップS16)、該グループに含まれる各画像データファイルDF内の画像データIDを記憶部22から読み出して、作成部24に渡す(ステップS17)。作成部24は、該選択した画像に係るグループに含まれる複数の画像データに係る静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を作成する(ステップS18)。作成部24により作成されたストップモーション動画は、制御部21により、所定の動画ファイル形式(例えば、モーションJPEG形式)で記憶部22に記憶される(ステップS19)。
【0033】
ストップモーション動画の再生時に用いるべきフレームレートを設定する場合には、例えば、15フレーム/秒と設定される。なお、このフレームレートは、視覚的に動画として認識し得る程度の値に設定され、固定の値でもよく、あるいは撮影者による操作ユニット19を用いた設定操作により、段階的に又は連続的に変更設定し得るようにしてもよい。通常の動画表示に用いられるフレームレートは30フレーム/秒程度であるので、1フレーム/秒〜30フレーム/秒程度の範囲内で設定し得るようにするとよい。
【0034】
次いで、制御部21は、作成部24により作成されたストップモーション動画を表示部25に表示させて(ステップS20)、この処理を終了する。なお、ストップモーション動画の作成後に、該動画を表示させるか否かは、撮影者が操作ユニット19を用いて所定の設定操作を行うことにより設定するようにし、ストップモーション動画の作成後に該動画を表示するか否かの設定に応じて行うようにしてもよい。
【0035】
ここで、図5は撮影された日時の順番に並べられた画像のイメージを示している。花の成長する様子の定点撮影を時間をおいて2回行い(画像a1,a2)、次いで、該定点撮影の場所とは別の場所で山を背景とした人物の撮影を1回行い(画像b1)、その後に再度、当該花についての定点撮影を時間をおいて2回行った(画像a3,a4)ことが示されている。この場合、単純に時系列にサムネイル表示を行うと、図5に示した配列と同じ配列で表示部25にサムネイル画像が表示されることになる。従来技術では、定点撮影した画像a1,a2,a3,a4についてストップモーション動画を作成する場合、無関係な画像b1が途中に存在するため、該画像b1をストップモーション動画を作成する画像から排除する操作を行うとともに、開始画像として画像a1を、終了画像として画像a4を選択指定することにより、画像a1,a2,a3,a4からなるストップモーション動画が作成されることなり、これらの操作は非常に煩雑であった。
【0036】
図6は本実施形態の分類部23によってグループとして分類してソートした状態を示す図である。画像a1,a2,a3,a4は撮影場所が同じであるため(若しくは極めて近い地理的位置関係にあるため)、同一のグループとして分類され、撮影場所が別の画像b1は別のグループとして分類され、サムネイル表示もこの分類されたグループ毎に表示されることになる。そして、撮影者は同一グループに属する画像a1,a2,a3,a4のうちの何れか1つ(例えば、画像a2)を選択指定することにより、選択した1つの画像(a2)が含まれるグループに属する画像a1,a2,a3,a4からなるストップモーション動画が作成される。このように、従来技術と比較して、不要な画像b1を排除する操作を省略できるとともに、開始画像と終了画像とを指定する操作も不要で、単に1つの画像のみを選択指定すればよいので、その操作が極めて簡単である。なお、従来技術と同様に、開始画像(a1)と終了画像(a4)とを指定するようにしてもよく、この場合であっても、不要な画像b1を排除する操作が削減されるので、その操作をより簡単にすることができる。
【0037】
上述した実施形態では、関連情報RDのうち撮影位置情報D2に基づいてグループに分類する場合について説明したが、関連情報RDのうちの撮影方向情報D3をも考慮してグループに分類することにより、さらに分類の精度を向上させることができる。例えば、同じ場所にカメラを設置して、複数種類の植物(例えば、隣り合って配置されたチューリップとひまわり)を順次に撮影の方位のみを変更してそれぞれ定点撮影を行う場合を考えると、チューリップとひまわりが交互に撮影されることとなり、これを撮影位置情報D2のみに基づいて分類する場合には、チューリップとひまわりを区別することはできないので、互いに同じグループに分類されることになり、このグループに含まれる画像に基づいてストップモーション動画を作成すると、チューリップとひまわりとが交互に表示され、動画とはなり得ず不都合である。
【0038】
このような場合に、撮影方向情報D3(ここでは、撮影方位情報とする)をも用いて分類することにより、そのような不都合を回避することができる。即ち、撮影位置情報及び撮影方向情報に基づいてグループとして分類して、そのグループ毎にサムネイル表示する。これにより、チューップについての画像と、ひまわりについての画像とが、それぞれ別々のグループとしてサムネイル表示され、それぞれ別々にストップモーション動画を作成することができる。
【0039】
また、撮影位置情報D2に基づいてグループに分類した後、更に撮影方向情報D3に基づいてサブグループとして分類するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、撮影位置情報D2に基づいて分類されたグループMG1(画像A1〜A8)を撮影方向情報D3に基づいて更に例えば東向きのサブグループSG1(画像A1〜A5)と西向きのサブグループSG2(画像A6〜A8)に分類して、サブグループSG1,SG2毎にサムネイル表示する。この場合には、撮影位置情報D2に基づいて分類されたグループMG1に含まれる画像の1つを選択することにより、当該グループMG1に含まれる全画像(画像A1〜A8)からストップモーション動画が作成されることになり、このストップモーション動画は、チューリップについてのストップモーション動画(画像A1〜A5)とひまわりについてのストップモーション動画(画像A6〜A8)が結合されたストップモーション動画となる。
【0040】
なお、ここでは、撮影位置情報と撮影方位情報を用いたが、撮影位置情報と撮影仰角情報、又は撮影位置情報と撮影方位情報と撮影仰角情報とを用いてグループに分類するようにしてもよい。撮影者が操作ユニット19を用いて所定の設定操作を行うことにより、撮影位置情報のみ、撮影位置情報と撮影方位情報、撮影位置情報と撮影仰角情報、又は撮影位置情報と撮影方位情報と撮影仰角情報のうちの何れによってグループに分類するかを変更設定し得るようにするとよい。
【0041】
なお、上述した実施形態においては、複数のグループに分類したそのグループの表示順序は特に規定しなかったが、例えば、グループ内の撮影日時が最も古いもの同士を比較して、その時間順に表示し、あるいは最も時間の古い画像を含むグループを最初に表示してその地理的位置から近い順に表示するようにしてもよい。また、上述した実施形態では、同一のグループ内での画像の表示順序は撮影日時順としたが、地理的方位順、例えば北向きを基準として時計回り(北東南西)に又は半時計回り(北西南東)に近い順に表示するようにしてもよい。
【0042】
さらに、上述した実施形態では、グループ内に含まれる画像の枚数にかかわらず、全てを表示するものとしたが、視覚的に動画として認識するためには、3枚以上の静止画像が必要であると考えられるため、グループ内に1枚又は2枚しか画像が含まれないものは、サムネイル表示から除外するようにするとよい。この場合には、そのような除外を行うか否かを、撮影者が操作ユニット19を用いて設定操作により選択し得るようにして、その設定に従って行うようにしてもよい。
【0043】
本発明に係る画像表示装置が適用可能なデジタルカメラとしては、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフ方式のデジタルカメラ、その他のデジタルカメラであってもよい。また、一般的にカメラと称呼される装置にも限定されず、携帯電話、PDA、その他の撮像機能を備えるあらゆる電子装置にも適用可能である。さらに、このようなデジタルカメラ等に適用する以外に、画像表示装置単独として構成することができ、記憶部に記憶された画像データファイル(画像データ、撮影位置情報、撮影方向情報等の関連情報を含む)を処理の対象として、上述したストップモーション動画作成・表示プログラムと同様のプログラムを専用又は汎用のパーソナルコンピュータ等に実行させることにより実現することもでき、必ずしも撮像機能を備える必要もない。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態のデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の静止画像ファイルの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のストップモーション動画作成・表示処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の撮影された日時の順番に並べられた画像のイメージを示す図である。
【図6】本発明の実施形態の撮影位置情報を用いてグループとして分類してソートした状態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の撮影位置情報及び撮影方向情報を用いてグループとして分類したサムネイル表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10…撮像センサユニット、11…制御ユニット、12…画像処理回路、14…画像記録媒体、15…画像表示モニタ、16…GPSユニット、17…方向センサユニット、19…操作ユニット、21…制御部、22…記憶部、23…分類部、24…作成部、25…表示部、DF…静止画像ファイル、RD…関連情報、D1…撮影日時情報、D2…撮影位置情報、D3…撮影方向情報、ID…画像データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された複数の静止画像に係る画像情報がそれぞれ撮影に関連する関連情報とともに記憶される記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像を、前記関連情報に基づいて、予め設定された所定の関係にある静止画像毎にグループとして分類する分類手段と、
前記分類手段により分類されたグループに含まれる静止画像中の少なくとも1つを選択することにより、該選択した画像に係るグループに含まれる複数の静止画像をつなげた動画であるストップモーション動画を作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された前記ストップモーション動画を含む画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記関連情報は撮影された静止画像の地理的位置を示す撮影位置情報を含み、
前記所定の関係とは、互いの静止画像の撮影された地理的位置が所定の地理的位置関係にあることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記関連情報は撮影された静止画像の撮影の地理的方向を示す撮影方向情報を含み、
前記所定の関係とは、互いの静止画像の撮影された地理的位置及び撮影された地理的方向が所定の地理的位置関係及び地理的方向の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記分類手段によりグループとして分類した複数の静止画像を、グループとして分類した順序毎に並べて前記表示手段にサムネイル表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
撮影レンズを介した被写体の像が結像される撮像素子と、
請求項1〜4の何れか一項に記載の画像表示装置と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
現在位置に係る経緯度を検出するGPS受信機を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮影方位又は仰角を検出する撮影方向検出手段を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−109634(P2010−109634A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278971(P2008−278971)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】