説明

画像表示装置

【課題】 色むら、輝度むら無く色再現域を拡大する。
【解決手段】 互いに異なる分光特性を有する第1及び第2の照明光を、交互に発生する第1及び第2の光源(17、18)と、第1及び第2の光源からの光を拡散する拡散導光部材(15)と、拡散導光部材からの照明光に対する透過率または反射率を、画像信号を構成する色信号に応じて制御するライトバルブ(16)とを有する。第1及び第2の光源の各々は、それぞれ異なる色の光を発する複数種類の発光体(11r、11g、11b、13r、13g)を有する発光手段(11、13)と、発光手段(11、13)からの異なる色の光を混合し、拡散導光部材(15)へと導く混色導光部材(12、14)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、色再現域を拡大することが可能な画像表示装置に関し、特に多原色画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の多原色画像表示装置として、拡散導光部材、例えば2つの楔形の導光体を積層しそれぞれの端部に2種類のLEDアレイ光源を近接して配置し、光源からの光が拡散用の導光体を照明するようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−118133号公報(6頁27〜31行、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の画像表示装置では、2種類のLEDアレイ光源が拡散用の導光体の側面に近接して配置されているため、LEDアレイ光源上のLEDから出射された複数の単色光の混色が不十分であり、画像表示装置の左右で色むら、輝度むらが発生し、画面全域での色再現域の拡大を阻害する問題があった。さらに、拡散用の導光体の端部では、LEDアレイ光源上のLEDが点状に、離散的に配置されているため輝点が視認され、色再現域の拡大が制限される問題があった。又、LEDの配置スペースが少なく、LEDの放熱板設置が難しく、LEDの温度上昇とともに発光スペクトルが変化し色再現域が変動する問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、色再現域が広く、色むらや、輝度むらの無い画像表示装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、
第1の分光特性を有する第1の照明光を発生する第1の光源と、
上記第1の分光特性とは異なる第2の分光特性を有する第2の照明光を発生する第2の光源と、
上記第1の光源と上記第2の光源を交互に発光させる制御手段と、
上記光源からの光を拡散する拡散導光部材と、
それぞれ複数の副画素を含む複数の画素を有し、上記第1及び第2の光源からの交互発光に同期して、上記複数の副画素の、上記拡散導光部材からの照明光に対する透過率または反射率を、画像信号を構成する色信号に応じて制御するライトバルブと
を有し、
上記第1の光源は、
それぞれ異なる色の光を発する複数種類の発光体を有する第1の発光手段と、
上記第1の発光手段からの異なる色の光を混合し、上記拡散導光部材へと導く第1の混色導光部材とを備え、
上記第2の光源は、
それぞれ異なる色の光を発する複数種類の発光体を有する第2の発光手段と、
上記第2の発光手段からの異なる色の光を混合し、上記拡散導光部材へと導く第2の混色導光部材とを備える
ことを特徴とする画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、複数種類の発光体のそれぞれ異なる色の光が混色導光部材内で混色されてから、拡散導光部材に入射するので、色むら、輝度むらがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である画像表示装置を示すものである。図示の画像表示装置は、第1及び第2の発光手段11及び13と、第1及び第2の混色導光部材12及び14と、拡散導光部材15と、ライトバルブ16と、色変換器22と、第1及び第2のフィールドメモリ23及び24と、信号切替器25と、光源駆動器27と、照明光切替え器28と、切替え制御器29とを有する。
【0009】
第1の発光手段11は、例えば、図2に示すように、赤、緑、青の三色の発光体、例えばLEDのアレイ11r、11g、11b(発光ダイオード)を含むものであり、第2の発光手段13は、例えば図3に示すように、赤、緑の二色の発光体、例えばLEDのアレイ13r、13gを含むものである。第1の発光手段11のLEDのアレイ11r、11g、11b、第2の発光手段13のLEDのアレイ13r、13gは、図4に示すようにその分光特性(発光スペクトル)C11r、C11g,C11b、C13r、C13gは、互いに異なり、そのピークが互いにずれ、その発光帯域が狭く(色純度が高く)、発光帯域の重なりが少ないことが、表示画像の色再現域を拡大する上で望ましい。
【0010】
第1の発光手段11及び13は、照明光切替え器28により、交互に光源駆動器27に接続され、光源駆動器27により駆動される。光源駆動器27と照明光切替え器28とで、第1及び第3の発光手段を交互に発光させるための制御手段が構成されている。
【0011】
第1の発光手段11からの光は第1の混色導光部材12で混色され均質化されて、出射される。第1の混色導光部材12から出射される光の分光特性(発光スペクトル)は、第1の発光手段11の三色のLEDの分光特性C11r、C11g、C11bを合成したものに対応し、それぞれLEDアレイ11r、11g、11bの分光特性のピークに対応するピークを有する。同様に第2の発光手段13からの光は第2の混色導光部材14で混色され均質化されて、出射される。第2の混色導光部材14から出射される光の分光特性は、第2の発光手段13の二色のLEDの分光特性C13r、C13gを合成したものに対応し、それぞれLEDアレイ13r、13gの分光特性のピークに対応するピークを有する。
【0012】
このように、第1の発光手段11と第1の混色導光部材12の組合せは、第1の分光特性の第1の照明光LAを発する第1の光源17を構成し、第2の発光手段13と第2の混色導光部材14の組合せは、第1の分光特性とは異なる第2の分光特性を有する第2の照明光LBを発する第2の光源18を構成する。
【0013】
第1及び第2の光源17及び18から出射された光は拡散導光部材15に入射される。拡散導光部材15は、入射された光を表示画面全面に拡散する。上記のように、第1の発光手段11と第2の発光手段13は、照明光切替え器28で交互に切替えられので、拡散導光部材15からは、第1及び第2の照明光LA及びLBが時分割的に順次出射される。即ち、第1及び第2の光源17及び18と、拡散導光部材15の組合せにより、分光特性が互いに異なる第1及び第2の照明光を交互に即ち時分割的に拡散し、出射する照明手段が構成されている。
【0014】
ライトバルブ16は、それぞれ複数の副画素を含む複数の画素を有し、光源17、18の交互発光に同期して、複数の副画素の、光源17、18から拡散導光部材15を介して供給される照明光に対する透過率または反射率を、画像信号を構成する色信号に応じて制御する。ライトバルブ16は、例えば、図5(a)に示すようにマトリクス状に配列された複数の画素Pxを有する液晶パネルで構成されている。各画素は、例えば図5(b)に複数の副画素Pr、Pg,Pbを含む。各画素の複数の副画素Pr、Pg、Pbは互いに異なる色、例えば赤、緑、青のフィルタで覆われており、副画素Pr、Pg、Pbはそれぞれ後述の画像信号の異なる色信号によって制御されて、拡散導光部材15からの光を画像信号に対応した画像光に変換する。
【0015】
一方、外部から供給される画像信号PSは、色変換器22に導かれる。
色変換器22は、画像信号PSを、第1の照明光LAに対応する第1の画像信号SAと、第2の照明光LBに対応する第2の画像信号SBとに変換する。第1の画像信号SAは、第1の発光手段11のLEDのアレイ11r、11g、11bの分光特性に対応した3つの色信号を含む。第2の画像信号SBは、第2の発光手段13のLEDのアレイ13r、13gの分光特性に対応した2つの色信号を含む。
【0016】
第1の画像信号SAと第2の画像信号SBはそれぞれフィールドメモリ23及び24に蓄積される。
フィールドメモリ23及び24に蓄積された画像信号は、所定のタイミングで読み出されて信号切替え器25でフィールド毎に交互に選択されて、ライトバルブ16に入力される。
ライトバルブ16は、上記のように各画素につき複数の例えば3つの副画素を有し、それぞれの副画素が第1の画像信号SA又は第2の画像信号SBの、対応する色信号により制御される。例えば各画素Pxは赤、緑、青の副画素Pr,Pg、Pbを有し、信号切替え器25により第1の画像信号が選択されているときは、赤、緑、青の副画素がそれぞれ第1の画像信号の赤、緑、青の色信号により駆動され、第2の画像信号が選択されているときは、赤、緑の副画素がそれぞれ第2の画像信号の赤、緑の色信号により駆動される一方、青の副画素には、ゼロレベルの信号が供給される。
【0017】
照明光切替え器28と信号切替え器25とはともに、切替え制御器29によって、互いに同期して、切替え動作を行うように制御される。より具体的には、一つのサブフレーム期間においては、照明光切替え器28は第1の発光手段11を選択し、信号切替え器25は、第1の画像信号SAを選択し、次のサブフレーム期間においては、照明光切替え器28は第2の発光手段13を選択し、信号切替え器25は、第2の画像信号SBを選択するように制御される。以下、サブフレーム期間毎に第1の発光手段11及び第2の発光手段13が交互に選択されるとともに、これと同期して第1の画像信号SA及び第2の画像信号SBが交互に選択される。
【0018】
このような制御を行う結果、一つのサブフレーム期間においては、第1の画像信号SAに対応する画像がライトバルブ16の出力側に現われ、次のサブフレーム期間においては、第2の画像信号SBに対応する画像がライトバルブ16の出力側に現われる。これらは視聴者の目で時間的に合成されるので、第1の光源17のみでライトバルブ16を照射する場合や、第2の光源18のみでライトバルブ16を照射する場合と比べ色再現範囲の広い画像を得ることができる。
【0019】
なお、上記の説明における「サブフレーム」の期間は、図1の構成のように2つの光源を面順次に選択する場合とは異なり、一つの光源のみで表示動作を行う場合の1フレームの期間の2分の1に対応する。
【0020】
上記の構成によれば、LEDアレイ11r、11g、11b、13r、13gとしてそれぞれ色純度の高いものを用い、画像信号としてそれぞれのLEDアレイ11r、11g、11b、13r、13gの色に対応したものを用いることができるので、色再現性域を拡大することができると言う効果が得られる。
また、発光手段11,13からの光をそれぞれ混色導光部材12,14で混色し、均質化した上で拡散導光部材15に導いているので、色むらや、輝度むらを無くすことができる。
【0021】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2の画像表示装置を示す。実施の形態2の画像表示装置は、実施の形態1の画像表示装置と概して同じである。但し、第1及び第2の光源17及び18が、第1及び第2の発光手段11及び13の近傍に配置された第1及び第2の放熱部材31をさらに有する点で異なる。なお、図1の部材1乃至5、7乃至9の図示を省略している。
【0022】
発光手段11、13を構成するLEDアレイのLEDは発光再結合の確率が温度に依存し、素材や、発光波長により、温度係数が異なるので、個々のLEDは一定の温度を維持することが好ましく、また、LEDアレイ毎にまとめて温度管理することが好ましい。そこで、図6に示すように、放熱部材31、32を設けて、発光手段11、13を冷却することで、温度による分光特性変化の大きいLEDの発光波長をそれぞれのLEDで安定させることができる。即ち、放熱部材31、32を設けることで、発光手段11、13の温度ドリフト量が減少し、温度変化による色変動を減少させることができる。
【0023】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3の画像表示装置を示す。実施の形態3の画像表示装置は、実施の形態1の画像表示装置と概して同じである。但し、第1の光源17が、第1の混色導光部材12の出射側(第1の混色導光部材12と拡散導光部材15の間)に設けられた第1のカラーフィルタ33をさらに有し、第2の光源18が、第2の混色導光部材14の出射側(第2の混色導光部材14と拡散導光部材15の間)に設けられた第2のカラーフィルタ34をさらに有する点で異なる。なお、図1の部材1乃至5、7乃至9の図示を省略している。
【0024】
カラーフィルタ33、34を設けることで、発光手段11、13からの光の不要な波長成分を取り除き、希望の分光特性となるようにフィルタリングすることができるため、色純度の高い光を利用でき、従って、色再現域をさらに拡大することができる。
【0025】
さらに、カラーフィルタ33,34の分光透過特性は、それぞれ光源(17,18)毎に異なるものとすることができ、例えば発光手段11、13の分光特性に合わせて最適化することができる。これにより、色純度を高め、色再現域をさらに拡大することができる。
【0026】
カラーフィルタ33、34としては、Ta、SiO、MgFなどの金属酸化物や弗化物などを、対象の光の波長以下の厚さに積層し、その層境界での反射、透過光の干渉作用を利用して、光の特定波長(波長帯域)における透過特性や反射特性を制御する機能性薄膜の多層誘電体光学薄膜フィルタを用いても良く、回折格子等を使用した櫛形の分光特性を有するフィルタを用いても良い。
【0027】
櫛形の分光特性を有するフィルタを用いれば、更に精度高く、希望の分光特性とすることができ、かつ、不要な波長を削減することができるため、さらに色再現域を拡大することができる。
即ち、光源毎に長波長から短波長まで所要波長の光のみを使用できるため、更に色純度を高くすることができ、色再現域をさらに拡大することができる。
【0028】
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4の画像表示装置を示す。実施の形態4の画像表示装置は、実施の形態3の画像表示装置と概して同じである。但し、第1の光源17が、第1のカラーフィルタ33の出射側(第1のカラーフィルタ33と拡散導光部材15の間)に設けられた光スイッチ35をさらに有する点で異なる。
【0029】
光スイッチ35は、照明光切替え器28による第1の発光手段11の駆動に合わせて開閉するよう制御されている。即ち、第1の発光手段11が選択されたときは、光スイッチ35も開状態とされ、第1の発光手段11が選択されないときは、光スイッチ35は閉状態とされる。
【0030】
このような動作により、発光手段11の点灯時に混色導光部材12で混色された光を拡散導光部材15へ入射させる一方、発光手段11の消灯時に、混色導光部材12へ発光手段11以外からまわりこんで来る光や、発光手段11として残光のあるものを、例えば、蛍光物質励起型のLEDを使用する場合に、これらの不要光を遮断することができる。なお、発光手段として冷陰極蛍光放電管を用いる場合にも残光が問題となる。
光スイッチ35としては、電子式で、高速液晶光スイッチのような、高速応答で、透過率の高い素子を用いることが望ましい。
【0031】
なお、図8に示す例では、第1の混色導光部材12の出射側に光スイッチ35を設けたが、第2の混色導光部材14の出射側に設けることとしても良く、第1の混色導光部材12の出射側及び第2の混色導光部材14の出射側の双方に光スイッチを設けることとしても良い。いずれの場合にも、光スイッチは、対応する発光手段(同じ光源の一部をなす発光手段)の点灯消灯に同期して開閉制御される。
【0032】
このような構成とすることで、冷陰極放電管や、蛍光物質励起型LED等の残光特性のある発光手段を使用する際の残光を、発光手段の消灯にあわせて、遮断することが可能であり、複数種類の照明光が同時に拡散導光部材15に入射されることを防ぎ、色純度の高い光のみ使用することで、色再現域を拡大することができる。
【0033】
実施の形態5.
図9は本発明の実施の形態5の画像表示装置を示す。実施の形態5の画像表示装置は、実施の形態1の画像表示装置と概して同じである。但し、第1の光源17が、第1の発光手段11及び第1の混色導光部材12に加えて、第3の発光手段41及び第3の混色導光部材42を有し、第2の光源18が、第2の発光手段13及び第2の混色導光部材14に加えて第4の発光手段43及び第4の混色導光部材41を有する点で異なる。なお、図1の部材1乃至5、7乃至9の図示を省略している。
【0034】
第3の発光手段41は、第1の発光手段11と同様の分光特性を有し、同じタイミングで動作するように制御される。第4の発光手段43は、第2の発光手段13と同様の分光特性を有し、同じタイミングで動作するように制御される。
第3の混色導光部材42から出射される照明光LA’は、第1の混色導光部材12から出射される照明光LAと同じ分光特を有するものであり、第4の混色導光部材44から出射される照明光LB’は、第2の混色導光部材14から出射される照明光LBと同じ分光特性を有する。
【0035】
拡散導光部材15は、略矩形の板状に形成され、第1の短辺15aの側の端面(同じく符号15aで示す)と上記第1の短辺15aの反対側に位置する第2の短辺15bの側の端面(同じく符号15bで示す)とがそれぞれ第1及び第2の入射端面を構成する。
そして、第1の入射端面15aの近傍に第1の発光手段11及び第1の混色導光部材12と第4の発光手段43及び第4の混色導光部材44が配置され、第2の端面15bの近傍に第2の発光手段13及び第2の混色導光部材14と第3の発光手段41及び第3の混色導光部材42が配置されており、第1の入射端面15aから第1及び第4の混色導光部材12及び44の出射光が入射され、第2の入射端面15bの側から第2及び第3の混色導光部材14及び42の出射光が入射される。
【0036】
このような構成であるので、第1の光源17が選択されたときは第1及び第3の混色導光部材12及び42から照明光LA、LA’が第1及び第2の入射端面15a、15bから入射され、第2の光源18が選択されたときは第2及び第4の混色導光部材14及び44から照明光LB、LB’が第1及び第2の入射端面15a、15bから入射される。即ち、いずれの光源が選択されたときも照明光が拡散導光部材15の両側から入射される。実施の形態1などでは、第1及び第2の光源17及び18が交互に選択されると、照明光の入射される側も交互に変わるため、ちらつき、色むら、輝度むらが発生するが、実施の形態5ではこのようなちらつき、色むら、輝度むらをなくすことができる。
【0037】
なお、上記の実施の形態5に関し、拡散導光部材15が矩形の板状であると説明したが、実施の形態1乃至4においても、拡散導光部材15として矩形の板状のものを用い得る。
【0038】
実施の形態6.
図10は本発明の実施の形態6の画像表示装置を示す。実施の形態6の画像表示装置は、実施の形態5の画像表示装置と概して同じである。但し、第1及び第2の反射部材47及び48を更に有し、第1乃至第4の放熱部材31、32、45,46、及び案内部材51、52、53、54をさらに有する点で異なる。なお、図1の部材1乃至5、7乃至9の図示を省略している。
【0039】
第1及び第2の放熱部材31及び32は、実施の形態2で説明した第1及び第2の放熱部材31及び32と同様のものであり、第1及び第2の発光手段11及び14の冷却のために設けられたものである。第3及び第4の放熱部材45及び46は、第1及び第2の放熱部材31及び32と同様のものであるが、第3及び第4の発光手段41及び43の冷却のために設けられている。
【0040】
実施の形態5と同様、拡散導光部材15は、矩形の板状に形成されているほか、第1乃至第4の混色導光部材12、14、42及び44も矩形の板状に形成され、拡散導光部材15に重ねられている。即ち、拡散導光部材15の、第1の入射端面15a寄りの部分(第1の部分)15cに第1の混色導光部材12が積層され、その上に第4の混色導光部材44が積層されている。同様に、拡散導光部材15の、第2の入射端面15b寄りの部分(第2の部分)15dに第2の混色導光部材14が積層され、その上に第3の混色導光部材42が積層されている。
【0041】
第1乃至第4の混色導光部材12、14、42、及び44の第1の辺の側に設けられた入射端面12a、14a、42a及び44aは、拡散導光部材15の中央寄りに位置し、第1乃至第4の発光手段11、13、43及び44は、これらの入射端面12a、14a、42a及び44aの近傍に位置し、発生した光を、内面に反射面を有する案内部材51、52、53、54を介して、これらの入射端面12a、14a、42a、44aから光を入射させるように配置されている。
第1乃至第4の混色導光部材12、14、42及び44の出射端面12b、14b、42b及び44bは、上記第1の辺とは反対側の辺の側に設けられている。
第1の混色導光部材12の出射端面12b及び第4の混色導光部材44の出射端面44bは、拡散導光部材15の第1の入射端面15aと略同じ位置に(図示の例では面一となるように)設けられており、第2の混色導光部材14の出射端面14b及び第3の混色導光部材42の出射端面42bは、拡散導光部材15の第2の入射端面15bと略同じ位置に(図示の例では面一となるように)設けられている。
【0042】
第1及び第4の発光手段11及び43から発して、第1及び第4の混色導光部材12及び44の入射端面12a及び44aから入射した光は、出射端面12b及び44bから出射され、第1の反射部材47で反射されて(折り返されて)拡散導光部材15の第1の入射端面15aから拡散導光部材15に入射される。同様に、第2及び第3の発光手段13及び41から発して、混色導光部材14及び42の入射端面14a及び42aから入射した光は、出射端面14b及び42bから出射され、第2の反射部材48で反射されて(折り返されて)拡散導光部材15の第2の入射端面15bから拡散導光部材15に入射される。
このような反射を効率良く行うため、第1及び第2の反射部材47及び48は半円筒面状の内面を有する。なお、図示の反射部材47は内面のみならず、外面も半円筒面状に形成されている。
【0043】
このような構成とすることで、ライトバルブの面方向の寸法を小さくすることができる。例えば、ライトバルブが液晶パネルで構成される場合、液晶パネルの画面サイズの範囲内に混色導光部材、発光手段などを収めることができ、コンパクトな画像表示装置を得ることができる。
【0044】
なお、図10を参照して、反射部材47及び48を用いると言う特徴を、実施の形態5の画像表示装置に付加する場合について説明したが、実施の形態1乃至4のいずれに対しても、反射部材47及び48を用いるという特徴を組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1による画像表示装置を示す構成図である。
【図2】実施の形態1で用いられる第1の発光体の構成例を示す概略図である。
【図3】実施の形態1で用いられる第2の発光体の構成例を示す概略図である。
【図4】第1及び第2の発光体を構成するLEDアレイの分光特性を示す図である。
【図5】実施の形態1で用いられるライトバルブの構成例を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態2による画像表示装置を示す構成図である。
【図7】本発明の実施の形態3による画像表示装置を示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態4による画像表示装置を示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態5による画像表示装置を示す構成図である。
【図10】本発明の実施の形態6による画像表示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0046】
11、13、41、43 発光手段、 11r、11g、11b、13r、13g 発光体、 12、14、42、44 混色導光部材、 15 拡散導光部材、 16 ライトバルブ、 22 色変換器、 23、24 フィールドメモリ、 25 信号切替え器、 27 光源駆動器、 28 照明光切替え器、 29 切替え制御器、 31、32、45、46 放熱部材、 33、34 カラーフィルタ、 35 光スイッチ、 47、48 反射部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の分光特性を有する第1の照明光を発生する第1の光源と、
上記第1の分光特性とは異なる第2の分光特性を有する第2の照明光を発生する第2の光源と、
上記第1の光源と上記第2の光源を交互に発光させる制御手段と、
上記光源からの光を拡散する拡散導光部材と、
それぞれ複数の副画素を含む複数の画素を有し、上記第1及び第2の光源からの交互発光に同期して、上記複数の副画素の、上記拡散導光部材からの照明光に対する透過率または反射率を、画像信号を構成する色信号に応じて制御するライトバルブと
を有し、
上記第1の光源は、
それぞれ異なる色の光を発する複数種類の発光体を有する第1の発光手段と、
上記第1の発光手段からの異なる色の光を混合し、上記拡散導光部材へと導く第1の混色導光部材とを備え、
上記第2の光源は、
それぞれ異なる色の光を発する複数種類の発光体を有する第2の発光手段と、
上記第2の発光手段からの異なる色の光を混合し、上記拡散導光部材へと導く第2の混色導光部材とを備える
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記複数の光源は、上記発光手段の光源の近傍に設けられた放熱部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記第1及び第2の光源は、上記混色導光部材の出射側に設けられたカラーフィルタをさらに備え、上記混色導光部材で混合された光が、上記カラーフィルタを介して上記拡散導光部材へ導かれることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記カラーフィルタの分光特性は、上記複数の光源毎に異なることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記カラーフィルタは、櫛形の分光特性を有することを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記第1及び第2の光源の少なくとも一つは、上記混色導光部材の出射側に設けられた光スイッチを有し、上記光スイッチは、当該光源の発光手段の発光に同期して開となり、消灯に同期して閉となるように制御されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
上記第1の光源が、
上記第1の発光手段と同じ複数種類の発光体を有する第3の発光手段と、
上記第3の発光手段からの光を混合する第3の混色導光部材とをさらに有し、
上記第2の光源が、
上記第2の発光手段と同じ複数種類の発光体を有する第4の発光手段と、
上記第4の発光手段からの光を混合する第4の混色導光部材とをさらに有し、
上記拡散導光部材が矩形の板状であって、互いに反対側に位置する第1の入射端面及び第2の入射端面を有し、
上記第1及び第4の混色導光部材の出射光が上記拡散導光部材の上記第1の入射端面から入射され、
上記第2及び第3の混色導光部材の出射光が上記拡散導光部材の上記第2の入射端面から入射され、
上記制御手段は、上記第3の発光手段を上記第1の発光手段と同時に発光させ、上記第4の発光手段を上記第2の発光手段と同時に発光させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
上記拡散導光部材及び上記混色導光部材が板状のものであって互いに重ねられ、上記混色導光部材から出射された光を上記拡散導光部材に入射させる反射部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項9】
上記混色導光部材の出射端面と上記拡散導光部材の入射端面が互いに隣接して配置され、上記反射部材が、上記出射端面及び上記入射端面に対向するように設けられた円筒面状の内面を有するものであることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−91617(P2006−91617A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278907(P2004−278907)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/高忠実度標準色再生システムの研究開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】