画像表示装置
【課題】表示する数字、文字、図形等の秘匿性を維持することが可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像表示装置は、第1液晶表示パネル1と、該第1液晶表示パネル1の背面側に配備された第2液晶表示パネル2と、第1液晶表示パネル1と第2液晶表示パネル2に画像を表示せしめる画像表示手段5とを具えている。ここで、画像表示手段5は、第1液晶表示パネル1に、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部51と、第2液晶表示パネル2に、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部52とを有し、第1液晶表示パネル1の前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1画像と第2画像とが重なり合って所定の合成画像が生成される。
【解決手段】本発明に係る画像表示装置は、第1液晶表示パネル1と、該第1液晶表示パネル1の背面側に配備された第2液晶表示パネル2と、第1液晶表示パネル1と第2液晶表示パネル2に画像を表示せしめる画像表示手段5とを具えている。ここで、画像表示手段5は、第1液晶表示パネル1に、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部51と、第2液晶表示パネル2に、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部52とを有し、第1液晶表示パネル1の前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1画像と第2画像とが重なり合って所定の合成画像が生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の液晶表示パネルを重ね合わせて構成された画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ATM(Automated Teller Machine)等、画像を表示することが必要な装置には、液晶表示パネルを具えた画像表示装置が適用されている。液晶表示パネルは、その視野角を狭くして、所定の角度範囲内で画像が確認された場合のみ該画像を視認させることが可能である。このため、特に暗証番号等、秘匿性の高い数字や文字等を入力するための画像を表示するATM等の装置に、液晶表示パネルを具えた画像表示装置を適用することは、入力される数字や文字等の秘匿性が維持される点で有益である。
【0003】
一方、ATM等の装置において、利用者による操作がない場合には、画像表示装置により広告等の画像を表示させることが可能である。この様な画像は、液晶表示パネルの前面に対して広い角度範囲で視認可能であることが望ましい。しかしながら、広い角度範囲で画像が視認可能であると、ATMの利用者が暗証番号を入力する際に、該利用者以外の者に該暗証番号が認識される虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−150999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、2つの液晶表示パネルを重ね合わせて構成された画像表示装置を、ATM等の装置に適用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。これにより、様々な視覚効果を有する画像を表示することが可能である。
【0006】
この様な画像表示装置においては、特許文献1に開示の如く、2つの液晶表示パネルの内、後方に配置されている液晶表示パネルの視野角を狭くして、秘匿性の高い情報を含む画像を該液晶表示パネルに表示し、前方に配置されている液晶表示パネルの視野角を広くして、広告等の画像を該液晶表示パネルに表示することが可能である。これにより、暗証番号等の秘匿性を維持しつつ、広告等の画像については広い角度範囲で視認することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の画像表示装置においては、広い角度範囲での視認を可能にすべき画像は、前方に配置されている液晶表示パネルにしか表示させることが出来ないため、視覚効果が低減する問題がある。
又、近年、ATM等の装置において、暗証番号等の秘匿性をより確実に維持できることが求められている。
【0008】
そこで本発明の目的は、表示する数字、文字、図形等の秘匿性を維持することが可能な画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の画像表示装置は、第1液晶表示パネルと、該第1液晶表示パネルの背面側に配備された第2液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに画像を表示せしめる画像表示手段とを具えている。ここで、前記画像表示手段は、第1液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部と、第2液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部とを有し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネルに表示されている第1画像と第2液晶表示パネルに表示されている第2画像とが重なり合って、所定の合成画像が生成される。
【0010】
上記第1の画像表示装置においては、第1画像と第2画像とが重なり合ったとき、両画像の低濃度部どうしの重複領域により所定の合成画像の低濃度部が形成され、両画像の高濃度部全体により所定の合成画像の高濃度部が形成されることになる。従って、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、第1画像及び第2画像は個々に視認されることがなく、所定の合成画像のみが視認されることになる。
【0011】
これに対し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像と第2画像とが互いにずれることになる。これは、第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルが何れも、液晶を2枚のガラス板の間に挟んで構成されており、このため、第1液晶表示パネル側の液晶と第2液晶表示パネル側の液晶とが、少なくともガラス板の厚さ寸法分だけ離間して配置されているからである。
従って、所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像と第2画像とが個々に視認され、所定の合成画像は視認されることがなくなる。ここで、第1画像又は第2画像を所定の合成画像と異なる画像に設定することにより、所定の角度範囲外からでは、所定の合成画像がどのような画像であるかを認識することが困難となる。
【0012】
よって、画像表示装置の利用者以外の者により所定の合成画像が視認されることが防止されることになる。従って、上記画像表示装置において秘匿性の高い合成画像を表示した場合でも、利用者以外の者には該合成画像が認識され難く、その結果、該合成画像の秘匿性が維持されることになる。
【0013】
本発明に係る第2の画像表示装置は、上記第1の画像表示装置であって、第1画像と第2画像の低濃度部どうしの重複領域により、前記所定の合成画像の低濃度部が形成される。
【0014】
本発明に係る第3の画像表示装置は、上記第1又は第2の画像表示装置であって、前記第1画像及び第2画像はそれぞれ、低濃度部によって所定の画像パターンを有する画像パターン部を形成すると共に、高濃度部によって前記画像パターン部を包囲するバックグランド部を形成し、前記第1画像と第2画像の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、前記所定の合成画像を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像のバックグランド部と重なっている。
【0015】
上記第3の画像表示装置によれば、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像の内、所定の合成画像の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。従って、所定の角度範囲内からは、ダミーの画像パターン部は視認されることがない。
これに対し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、ダミーの画像パターン部はバックグランド部に重なり難くなる。従って、所定の角度範囲外からは、ダミーの画像パターン部が視認されることになる。
【0016】
本発明に係る第4の画像表示装置は、上記第1乃至第3の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、所定の合成画像を生成すべき第1画像と第2画像とが互いに関連付けて記録されているメモリを更に具え、前記第1画像表示部と第2画像表示部は、互いに関連付けられている第1画像と第2画像とを前記メモリから読み出して、両画像をそれぞれ前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに表示する。
【0017】
本発明に係る第5の画像表示装置は、上記第1乃至第4の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記制御手段は、前記第1画像表示部により第1液晶表示パネルに表示される第1画像の表示位置と、前記第2画像表示部により第2液晶表示パネルに表示される第2画像の表示位置とを調整する調整部を更に有し、該調整部は、第1画像の表示位置と第2画像の表示位置とを調整して、第1画像と第2画像とを第1液晶表示パネルの前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる。
【0018】
上記第5の画像表示装置によれば、所定の合成画像の視認が可能となる所定の角度方向を調整することが可能となる。
【0019】
本発明に係る第6の画像表示装置は、上記第1乃至第5の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記第2画像の低濃度部は、前記第1画像の低濃度部の幅寸法よりも大きな幅寸法を有している。
【0020】
上記第6の画像表示装置によれば、所定の角度範囲内から所定の合成画像を確実に視認することが可能となる。
【0021】
本発明に係る第7の画像表示装置は、上記第1乃至第6の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記第1液晶表示パネルの前面には、該前面を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネルが設置されている。
【0022】
上記第7の画像表示装置によれば、入力用タッチパネルの内、所定の合成画像と重なる領域に触れることにより、数字や文字等の入力が可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る画像表示装置は、表示する数字、文字、図形等の秘匿性を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、該画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、(a)数字の0を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の0を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の0を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図4】図4は、(a)数字の1を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の1を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の1を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図5】図5は、(a)数字の2を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の2を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の2を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図6】図6は、(a)数字の3を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の3を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の3を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図7】図7は、(a)数字の4を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の4を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の4を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図8】図8は、(a)数字の5を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の5を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の5を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図9】図9は、(a)数字の6を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の6を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の6を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図10】図10は、(a)数字の7を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の7を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の7を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図11】図11は、(a)数字の8を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の8を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の8を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図12】図12は、(a)数字の9を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の9を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の9を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図13】図13は、ATMに適用された画像表示装置に表示される所定の合成画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、ATMに適用された画像表示装置の第1液晶表示パネルに表示される第1画像を示す図である。
【図15】図15は、ATMに適用された画像表示装置の第2液晶表示パネルに表示される第2画像を示す図である。
【図16】図16は、上記画像表示装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、上記画像表示装置の第2変形例において、(a)第1液晶表示パネルに表示される第1画像と、(b)第2液晶表示パネルに表示される第2画像と、(c)第1画像と第2画像から生成される所定の合成画像とを示す図である。
【図18】図18は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図19】図19は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図20】図20は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図21】図21は、上記画像表示装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。
【図22】図22は、第3変形例に係る画像表示装置において表示される所定の合成画像の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す様に、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、第1液晶表示パネル(1)と、該第1液晶表示パネル(1)の背面側に配備された第2液晶表示パネル(2)と、第2液晶表示パネル(2)の背面側に設置されたバックライトユニット(3)とを具えている。
【0026】
図示していないが、バックライトユニット(3)は、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)とを第2液晶表示パネル(2)の背面側から照明する光源を有している。両液晶表示パネル(1)(2)への画像の表示には、背面側から入射するバックライトユニット(3)の光が利用される。
【0027】
図示していないが、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)は何れも、液晶を一対のガラス板の間に挟むと共に、該一対のガラス板の前面側と背面側に、偏光方向が互いに直交した2枚の偏光板を設けて構成されている。両液晶表示パネル(1)(2)にはそれぞれ、画素毎に液晶の向きを調整することにより、バックライトユニット(3)からの光が透過して濃度値が低い低濃度部と、バックライトユニット(3)からの光が遮断されて濃度値が高い高濃度部とからなる画像を表示することが出来る。
【0028】
図1に示す様に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)は、フレーム体(4)に嵌め込まれており、該フレーム体(4)の内面には、両液晶表示パネル(1)(2)間に介在するスペーサ(41)が突設されている。これにより、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)とがスペーサ(41)の厚さ寸法T分だけ離間して配置されることになる。従って、スペーサ(41)の厚さ寸法Tを調整することにより、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)との間の距離を調整することが出来る。
【0029】
図2に示す様に、画像表示装置は更に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に画像を表示せしめる画像表示手段(5)を具えている。画像表示手段(5)は、第1液晶表示パネル(1)に画像を表示せしめる第1画像表示部(51)と、第2液晶表示パネル(2)に画像を表示せしめる第2画像表示部(52)とを有している。尚、画像表示手段(5)には、例えばIC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)を採用することが出来る。
【0030】
上記画像表示装置によれば、第1液晶表示パネル(1)の前面側から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネル(1)に表示される画像と第2液晶表示パネル(2)に表示される画像とが重なり合った合成画像が生成されることになる。これにより、画像表示装置の利用者に、様々な視覚効果を有する画像、例えば立体感のある画像を視認させることが可能である。
【0031】
更に、上記画像表示装置は、立体感のある合成画像だけでなく、平面的な所定の合成画像を生成することが可能である。図3(c)〜図12(c)に示す様に、本実施形態の画像表示装置は、濃度値の低い低濃度部から形成されて0〜9の何れかの数字を表す画像パターンを有する画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とからなる所定の合成画像Ic(n)(nは、画像パターンによって表される数字である)を生成することが可能である。尚、本実施形態においては、低濃度部が白色に表示され、高濃度部が黒色に表示される。
【0032】
ここで、所定の合成画像Ic(n)の画像パターン部はそれぞれ、8の字を構成する7つの矩形パターン部(81)〜(87)(図11(c)参照)から選択された矩形パターン部によって形成されている。7つの矩形パターン部(81)〜(87)の内、左側の上段と下段に位置する2つの矩形パターン部(81)(82)と、右側の上段と下段に位置する2つの矩形パターン部(83)(84)は、縦方向に延びている。一方、7つの矩形パターン部(81)〜(87)の内、中央の上段、中段、下段に位置する3つの矩形パターン部(85)(86)(87)は、横方向に延びている。
【0033】
具体的には以下の通りである。
数字の0を表す所定の合成画像Ic(0)の画像パターン部は、図3(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0034】
数字の1を表す所定の合成画像Ic(1)の画像パターン部は、図4(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)とから形成されている。
【0035】
数字の2を表す所定の合成画像Ic(2)の画像パターン部は、図5(c)に示す様に、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0036】
数字の3を表す所定の合成画像Ic(3)の画像パターン部は、図6(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0037】
数字の4を表す所定の合成画像Ic(4)の画像パターン部は、図7(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央中段の矩形パターン部(86)とから形成されている。
【0038】
数字の5を表す所定の合成画像Ic(5)の画像パターン部は、図8(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0039】
数字の6を表す所定の合成画像Ic(6)の画像パターン部は、図9(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0040】
数字の7を表す所定の合成画像Ic(7)の画像パターン部は、図10(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)とから形成されている。
【0041】
数字の8を表す所定の合成画像Ic(8)の画像パターン部は、図11(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0042】
数字の9を表す所定の合成画像Ic(9)の画像パターン部は、図12(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0043】
上記数字を表す所定の合成画像Ic(n)を生成する場合、第1画像表示部(51)と第2画像表示部(52)はそれぞれ、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に、所定の合成画像Ic(n)を生成する第1画像Ia(n)(図3(a)〜図12(a)参照)と第2画像Ib(n)(図3(b)〜図12(b)参照)を表示する。
【0044】
図2に示す様に、画像表示装置はメモリ(6)を更に具え、該メモリ(6)には、所定の合成画像Ic(n)を生成する第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが互いに関連付けて記録されている。第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)にそれぞれ第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を表示させる場合、第1画像表示部(51)と第2画像表示部(52)は、互いに関連付けられている第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とをメモリ(6)から読み出して、両画像Ia(n)、Ib(n)をそれぞれ第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示する。
【0045】
ここで、第1画像Ia(n)は、濃度値の低い低濃度部から形成されて所定の合成画像Ic(n)の画像パターンを含む画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とから形成されている。又、第2画像Ib(n)は、濃度値の低い低濃度部から形成されて所定の合成画像Ic(n)の画像パターンを含む画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とから形成されている。尚、本実施形態においては、低濃度部が白色に表示され、高濃度部が黒色に表示される。
【0046】
そして、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、所定の合成画像Ic(n)を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)又は第2画像Ib(n)のバックグランド部と重なっている。
【0047】
第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の一例がそれぞれ、図3(a)〜図12(a)と図3(b)〜図12(b)に示されている。
数字の0を表す所定の合成画像Ic(0)を生成する場合、図3(a)に示す様に、第1画像Ia(0)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(0)が有すべき画像パターン(数字の0)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。又、図3(b)に示す様に、第2画像Ib(0)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(0)が有すべき画像パターン(数字の0)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央中段の矩形パターン部(86)とから形成される。
従って、第1画像Ia(0)は数字の0を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(0)は数字の8を表す画像パターンを有することになる。これにより、第2画像Ib(0)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(0)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0048】
数字の1を表す所定の合成画像Ic(1)を生成する場合、図4(a)に示す様に、第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(1)が有すべき画像パターン(数字の1)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図4(b)に示す様に、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(1)が有すべき画像パターン(数字の1)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央上段の矩形パターン部(85)、中央中段の矩形パターン部(86)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(1)は数字の11を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(1)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(1)と第2画像Ib(1)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(1)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0049】
数字の2を表す所定の合成画像Ic(2)を生成する場合、図5(a)に示す様に、第1画像Ia(2)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(2)が有すべき画像パターン(数字の2)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側下段の矩形パターン部(84)とから形成される。又、図5(b)に示す様に、第2画像Ib(2)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(2)が有すべき画像パターン(数字の2)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)とから形成される。
従って、第1画像Ia(2)は数字の6を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(2)は数字の9を左右逆にした図形を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(2)と第2画像Ib(2)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(2)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0050】
数字の3を表す所定の合成画像Ic(3)を生成する場合、図6(a)に示す様に、第1画像Ia(3)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(3)が有すべき画像パターン(数字の3)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図6(b)に示す様に、第2画像Ib(3)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(3)が有すべき画像パターン(数字の3)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(3)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(3)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(3)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(3)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0051】
数字の4を表す所定の合成画像Ic(4)を生成する場合、図7(a)に示す様に、第1画像Ia(4)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(4)が有すべき画像パターン(数字の4)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図7(b)に示す様に、第2画像Ib(4)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(4)が有すべき画像パターン(数字の4)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央上段の矩形パターン部(85)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(4)はアルファベットのHを表す画像パターンを有し、第2画像Ib(4)は数字の9を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(4)と第2画像Ib(4)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(4)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0052】
数字の5を表す所定の合成画像Ic(5)を生成する場合、図8(a)に示す様に、第1画像Ia(5)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(5)が有すべき画像パターン(数字の5)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側上段の矩形パターン部(83)とから形成される。又、図8(b)に示す様に、第2画像Ib(5)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(5)が有すべき画像パターン(数字の5)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。
従って、第1画像Ia(5)は数字の9を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(5)は数字の6を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(5)と第2画像Ib(5)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(5)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0053】
数字の6を表す所定の合成画像Ic(6)を生成する場合、図9(a)に示す様に、第1画像Ia(6)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(6)が有すべき画像パターン(数字の6)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側上段の矩形パターン部(83)とから形成される。又、図9(b)に示す様に、第2画像Ib(6)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(6)が有すべき画像パターン(数字の6)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(6)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(6)は数字の6を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(6)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(6)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0054】
数字の7を表す所定の合成画像Ic(7)を生成する場合、図10(a)に示す様に、第1画像Ia(7)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(7)が有すべき画像パターン(数字の7)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図10(b)に示す様に、第2画像Ib(7)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(7)が有すべき画像パターン(数字の7)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央中段の矩形パターン部(86)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(7)はアルファベットのUを上下逆にした図形を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(7)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(7)と第2画像Ib(7)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(7)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0055】
数字の8を表す所定の合成画像Ic(8)を生成する場合、図11(a)に示す様に、第1画像Ia(8)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(8)が有すべき画像パターン(数字の8)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。又、図11(b)に示す様に、第2画像Ib(8)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(8)が有すべき画像パターン(数字の8)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(8)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(8)は数字の8を表す画像パターンを有することになる。
【0056】
数字の9を表す所定の合成画像Ic(9)を生成する場合、図12(a)に示す様に、第1画像Ia(9)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(9)が有すべき画像パターン(数字の9)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン(82)とから形成される。又、図12(b)に示す様に、第2画像Ib(9)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(9)が有すべき画像パターン(数字の9)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(9)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(9)は数字の9を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(9)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(9)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0057】
上述した第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の一例においては、数字の0、1、3、4及び6〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第1画像Ia(n)の画像パターン部が、所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)を形成することとなる矩形パターン部に、該矩形パターン部に含まれていない矩形パターン部を、縦方向に延びている4つの矩形パターン部(81)(82)(83)(84)から選択してダミーの画像パターン部として追加するという第1のルールに従って形成されている。尚、4つの矩形パターン部(81)(82)(83)(84)に選択可能な矩形パターン部がない場合には、ダミーの画像パターン部は追加されない。
【0058】
又、数字の0、1、3、4及び6〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第2画像Ib(n)が、所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)を形成することとなる矩形パターン部に、該矩形パターン部に含まれていない矩形パターン部を、横方向に延びている3つの矩形パターン部(85)(86)(87)から選択してダミーの画像パターン部として追加するという第2のルールに従って形成されている。尚、3つの矩形パターン部(85)(86)(87)に選択可能な矩形パターン部がない場合には、ダミーの画像パターン部は追加されない。
【0059】
一方、数字の2と5をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の両方の画像が、上記第1のルールに従って形成されている。
【0060】
尚、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を形成する上記第1ルール及び第2ルールは、一例に過ぎない。例えば、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の両方の画像が、上記第2のルールに従って形成されてもよい。又、第1画像Ia(n)が第2のルールに従って形成され、第2画像Ib(n)が第1のルールに従って形成されてもよい。勿論、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を形成するルールは、これらに限られるものではない。
【0061】
上述した第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)がそれぞれ第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示されて、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、第1液晶表示パネル(1)に表示されている第1画像Ia(n)と第2液晶表示パネル(2)に表示されている第2画像Ib(n)とが重なり合うことになる。このとき、所定の角度範囲は、狭い角度範囲、具体的には例えば画像表示装置の利用者が第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から画像を確認した場合にのみ第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが重なることとなる角度範囲となる。
【0062】
従って、図3(c)〜図12(c)に示す様に、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の低濃度部(画像パターン部)どうしの重複領域により所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)が形成されることになる。このとき、第1画像Ia(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第2画像Ib(n)の内、所定の合成画像Ic(n)の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。又、第2画像Ib(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)の内、所定の合成画像Ic(n)の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。よって、所定の角度範囲内からは、ダミーの画像パターン部は視認されることがなく、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の高濃度部(バックグランド部)全体により所定の合成画像Ic(n)の高濃度部(バックグランド部)が形成されることになる。その結果、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とから所定の合成画像Ic(n)が生成されることになる。このとき、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)は個々に視認されることがない。
【0063】
これに対し、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが互いにずれることになる。これは、第1液晶表示パネル(1)側の液晶と第2液晶表示パネル(2)側の液晶とが、ガラス板とスペーサ(41)の厚さ寸法分だけ離間して配置されているからである。
【0064】
従って、所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像Ia(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第2画像Ib(n)のバックグランド部に重なり難くなり、又、第2画像Ib(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)のバックグランド部に重なり難くなる。よって、所定の角度範囲外からは、ダミーの画像パターン部を含む第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが個々に視認され、所定の合成画像Ic(n)は視認されることがなくなる。ここで、第1画像Ia(8)と第2画像Ib(8)を除いて、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の少なくとも何れか一方の画像が有する画像パターンは、所定の合成画像Ic(n)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されている。このため、所定の角度範囲外からでは、所定の合成画像Ic(n)がどのような画像であるかを認識することが困難となる。
【0065】
よって、画像表示装置の利用者以外の者が利用者の背後から画像を観察した場合であっても、利用者以外の者は、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲外からしか画像を観察することが出来ないので、利用者以外の者には、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが個々に視認されるだけである。従って、上記画像表示装置によれば、利用者以外の者による所定の合成画像Ic(n)の視認が防止されることになる。よって、上記画像表示装置において秘匿性の高い合成画像を表示した場合でも、利用者以外の者には該合成画像が認識され難く、その結果、該合成画像の秘匿性が維持されることになる。
【0066】
図13は、上記画像表示装置をATM(Automated Teller Machine)に適用したときに表示される画像の一例を示す図である。図13に示す様に、ATMの利用者が暗証番号を入力する際に、画像表示装置において、数字の0〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)をマトリックス状に配列して表示させることが出来る。
【0067】
ここで、第1液晶表示パネル(1)の前面には、該前面を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネルを設置することが出来る。これにより、ATMの利用者は、入力用タッチパネルの内、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)と重なる領域に触れることにより、数字を入力することが可能となる。
【0068】
図13に示す所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)を生成するべく、第1液晶表示パネル(1)には、図14に示す様に第1画像Ia(0)〜Ia(9)がマトリックス状に配列して表示される。又、第2液晶表示パネル(2)には、図15に示す様に第2画像Ib(0)〜Ib(9)が、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と同じ配列で表示される。ここで、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)は、ATMの利用者が第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から画像を確認した場合にのみ第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とがそれぞれ重なることとなる様に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示される。
【0069】
従って、ATMの利用者が暗証番号を入力する場合、該利用者は、第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)を視認することになる。これに対し、ATMの利用者以外の者が利用者の背後から画像を観察した場合であっても、利用者以外の者は、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して斜め方向からしか画像を観察することが出来ないので、利用者以外の者には、図14に示す第1画像Ia(0)〜Ia(9)と、図15に示す第2画像Ib(0)〜Ib(9)とが個々に視認されるだけである。よって、ATMの利用者が入力用タッチパネルを操作して暗証番号を入力した場合に、該利用者以外の者が入力動作を見ていた場合でも、該利用者以外の者は、利用者がどの数字を入力したかを認識することが出来ない。よって、暗証番号の秘匿性が維持されることになる。
【0070】
又、上記第1画像Ia(0)〜Ia(9)の内、第1画像Ia(3)、Ia(6)、Ia(8)及びIa(9)は、それらの画像パターンが同じ数字の8を表す様に形成されている。又、上記第2画像Ib(0)〜Ib(9)の内、第2画像Ib(1)、Ib(3)及びIb(7)は、それらの画像パターンが同じ数字の3を表す様に形成され、第2画像Ib(5)及びIb(6)は、それらの画像パターンが同じ数字の6を表す様に形成され、第2画像Ib(8)及びIb(0)は、それらの画像パターンが同じ数字の8を表す様に形成され、第2画像Ib(4)及びIb(9)は、それらの画像パターンが同じ数字の9を表す様に形成されている。
【0071】
従って、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とがATMの利用者以外の者により個々に視認された場合であっても、該利用者以外の者は、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とから生成される所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の画像パターンが表す数字を推測することが出来ない。
【0072】
図16は、上記画像表示装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。図16に示す様に、画像表示手段(5)には、第1画像表示部(51)により第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(n)の表示位置と、第2画像表示部(52)により第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(n)の表示位置とを調整する調整部(53)が更に具えられていてもよい。
【0073】
ここで、調整部(53)には、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)が重なり合うべき所定の角度方向に関する情報が入力される。調整部(53)は、該情報に基づいて第1画像Ia(n)の表示位置と第2画像Ib(n)の表示位置とを調整して、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とを第1液晶表示パネル(1)の前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる。
【0074】
上記第1変形例に係る画像表示装置によれば、所定の合成画像Ic(n)の視認が可能となる所定の角度方向を調整することが可能となる。例えば、ATMの利用者が入力用タッチパネルを操作することにより、画像表示装置の調整部(53)に所定の角度方向に関する情報を入力して、所定の角度方向を調整することが可能となる。又、所定の角度方向に関する情報をキャッシュカードに記録しておき、該キャッシュカードから読み出された情報が調整部(53)に入力されて、所定の角度方向が調整されてもよい。これにより、ATMの利用者に応じて、所定の角度方向が変更されることになる。
【0075】
図17(a)〜図17(c)はそれぞれ、上記画像表示装置の第2変形例において表示される第1画像、第2画像、及び所定の合成画像を示す図である。尚、図17(a)〜図17(c)では、特に第1画像Ia(1)、第2画像Ib(1)、及び所定の合成画像Ic(1)がそれぞれ示されている。
図17(b)に示す様に、第2液晶表示パネル(2)には、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)が太く表示されてもよい。具体的には、第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)の幅寸法が、第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)の幅寸法よりも大きく設定される。他の第2画像Ib(0)及びIb(2)〜Ib(9)についても同様の設定が可能である。
【0076】
これにより、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲内から、所定の合成画像Ic(n)を確実に視認することが可能となる。即ち、図18(a)に示す様に第1液晶表示パネル(1)の前面に垂直な方向(91)から画像を視認した場合、図19(a)に示す様に垂直な方向(91)に対して右側に所定の角度θ1だけ傾いた方向(92)から画像を視認した場合、並びに、図20(a)に示す様に垂直な方向(91)に対して左側に所定の角度θ2だけ傾いた方向(93)から画像を視認した場合の何れの場合においても、図18(b)〜図20(b)に示す様に、第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)の内、所定の合成画像Ic(1)の低濃度部を形成することとなる右側上段の矩形パターン部(83)と右側下段の矩形パターン(84)が、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)に重なることになる。
【0077】
図21は、上記画像表示装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。図21に示す様に、画像表示手段(5)には、第1画像表示部(51)により第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(0)〜Ia(9)の配列状態と、第2画像表示部(52)により第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(0)〜Ib(9)の配列状態とを、これらの表示が実行される毎に変更する配列変更部(54)が更に具えられていてもよい。
【0078】
これにより、上記第3変形例に係る画像表示装置をATMに適用して、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の表示を実行する毎に、それらの配列状態を、元の配列状態から変更することが可能となる。例えば、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の配列状態を、図13に示す配列状態から図22に示す配列状態に変更することが可能である。従って、ATMにおいて暗証番号を入力するための画像の表示が実行される毎に、ATMの利用者の入力動作が変わることになる。よって、利用者以外の者にATMの利用者の入力動作を見られた場合でも、該利用者以外の者は、入力動作から暗証番号の数字を推測することは出来ない。
【0079】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像と第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像とから生成される所定の合成画像の画像パターンは、数字に限らず、文字や図形等を表すものであってもよい。又、画像パターン部、バックグランド部、ダミーの画像パターン部、矩形パターン部のそれぞれの形状は、上記実施形態の形状の限られるものではない。
【0080】
上記画像表示装置において、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に第1画像と第2画像をそれぞれ表示させる毎に、第1画像と第2画像に含まれるダミーの画像パターン部の形状、表示位置等を変更してもよい。
【0081】
上記画像表示装置において、第1画像の低濃度部(画像パターン部)と第2画像の低濃度部(画像パターン部)とが、黄色等の色や模様が付されて表示されてもよい。これにより、第1画像と第2画像とから生成される所定の合成画像の低濃度部(画像表示パターン部)にも色や模様が付されることになり、従って、高濃度部(バックグランド部)への光の漏れが生じた場合であっても、所定の合成画像の画像パターンが見え易くなる。
【0082】
上記画像表示装置に採用した各種構成は、3つ以上の液晶表示パネルを具えた画像表示装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
(1) 第1液晶表示パネル
(2) 第2液晶表示パネル
(5) 画像表示手段
(51) 第1画像表示部
(52) 第2画像表示部
(53) 調整部
(6) メモリ
Ia(n) 第1画像
Ib(n) 第2画像
Ic(n) 所定の合成画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の液晶表示パネルを重ね合わせて構成された画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ATM(Automated Teller Machine)等、画像を表示することが必要な装置には、液晶表示パネルを具えた画像表示装置が適用されている。液晶表示パネルは、その視野角を狭くして、所定の角度範囲内で画像が確認された場合のみ該画像を視認させることが可能である。このため、特に暗証番号等、秘匿性の高い数字や文字等を入力するための画像を表示するATM等の装置に、液晶表示パネルを具えた画像表示装置を適用することは、入力される数字や文字等の秘匿性が維持される点で有益である。
【0003】
一方、ATM等の装置において、利用者による操作がない場合には、画像表示装置により広告等の画像を表示させることが可能である。この様な画像は、液晶表示パネルの前面に対して広い角度範囲で視認可能であることが望ましい。しかしながら、広い角度範囲で画像が視認可能であると、ATMの利用者が暗証番号を入力する際に、該利用者以外の者に該暗証番号が認識される虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−150999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、2つの液晶表示パネルを重ね合わせて構成された画像表示装置を、ATM等の装置に適用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。これにより、様々な視覚効果を有する画像を表示することが可能である。
【0006】
この様な画像表示装置においては、特許文献1に開示の如く、2つの液晶表示パネルの内、後方に配置されている液晶表示パネルの視野角を狭くして、秘匿性の高い情報を含む画像を該液晶表示パネルに表示し、前方に配置されている液晶表示パネルの視野角を広くして、広告等の画像を該液晶表示パネルに表示することが可能である。これにより、暗証番号等の秘匿性を維持しつつ、広告等の画像については広い角度範囲で視認することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の画像表示装置においては、広い角度範囲での視認を可能にすべき画像は、前方に配置されている液晶表示パネルにしか表示させることが出来ないため、視覚効果が低減する問題がある。
又、近年、ATM等の装置において、暗証番号等の秘匿性をより確実に維持できることが求められている。
【0008】
そこで本発明の目的は、表示する数字、文字、図形等の秘匿性を維持することが可能な画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の画像表示装置は、第1液晶表示パネルと、該第1液晶表示パネルの背面側に配備された第2液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに画像を表示せしめる画像表示手段とを具えている。ここで、前記画像表示手段は、第1液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部と、第2液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部とを有し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネルに表示されている第1画像と第2液晶表示パネルに表示されている第2画像とが重なり合って、所定の合成画像が生成される。
【0010】
上記第1の画像表示装置においては、第1画像と第2画像とが重なり合ったとき、両画像の低濃度部どうしの重複領域により所定の合成画像の低濃度部が形成され、両画像の高濃度部全体により所定の合成画像の高濃度部が形成されることになる。従って、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、第1画像及び第2画像は個々に視認されることがなく、所定の合成画像のみが視認されることになる。
【0011】
これに対し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像と第2画像とが互いにずれることになる。これは、第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルが何れも、液晶を2枚のガラス板の間に挟んで構成されており、このため、第1液晶表示パネル側の液晶と第2液晶表示パネル側の液晶とが、少なくともガラス板の厚さ寸法分だけ離間して配置されているからである。
従って、所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像と第2画像とが個々に視認され、所定の合成画像は視認されることがなくなる。ここで、第1画像又は第2画像を所定の合成画像と異なる画像に設定することにより、所定の角度範囲外からでは、所定の合成画像がどのような画像であるかを認識することが困難となる。
【0012】
よって、画像表示装置の利用者以外の者により所定の合成画像が視認されることが防止されることになる。従って、上記画像表示装置において秘匿性の高い合成画像を表示した場合でも、利用者以外の者には該合成画像が認識され難く、その結果、該合成画像の秘匿性が維持されることになる。
【0013】
本発明に係る第2の画像表示装置は、上記第1の画像表示装置であって、第1画像と第2画像の低濃度部どうしの重複領域により、前記所定の合成画像の低濃度部が形成される。
【0014】
本発明に係る第3の画像表示装置は、上記第1又は第2の画像表示装置であって、前記第1画像及び第2画像はそれぞれ、低濃度部によって所定の画像パターンを有する画像パターン部を形成すると共に、高濃度部によって前記画像パターン部を包囲するバックグランド部を形成し、前記第1画像と第2画像の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、前記所定の合成画像を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像のバックグランド部と重なっている。
【0015】
上記第3の画像表示装置によれば、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像の内、所定の合成画像の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。従って、所定の角度範囲内からは、ダミーの画像パターン部は視認されることがない。
これに対し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、ダミーの画像パターン部はバックグランド部に重なり難くなる。従って、所定の角度範囲外からは、ダミーの画像パターン部が視認されることになる。
【0016】
本発明に係る第4の画像表示装置は、上記第1乃至第3の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、所定の合成画像を生成すべき第1画像と第2画像とが互いに関連付けて記録されているメモリを更に具え、前記第1画像表示部と第2画像表示部は、互いに関連付けられている第1画像と第2画像とを前記メモリから読み出して、両画像をそれぞれ前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに表示する。
【0017】
本発明に係る第5の画像表示装置は、上記第1乃至第4の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記制御手段は、前記第1画像表示部により第1液晶表示パネルに表示される第1画像の表示位置と、前記第2画像表示部により第2液晶表示パネルに表示される第2画像の表示位置とを調整する調整部を更に有し、該調整部は、第1画像の表示位置と第2画像の表示位置とを調整して、第1画像と第2画像とを第1液晶表示パネルの前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる。
【0018】
上記第5の画像表示装置によれば、所定の合成画像の視認が可能となる所定の角度方向を調整することが可能となる。
【0019】
本発明に係る第6の画像表示装置は、上記第1乃至第5の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記第2画像の低濃度部は、前記第1画像の低濃度部の幅寸法よりも大きな幅寸法を有している。
【0020】
上記第6の画像表示装置によれば、所定の角度範囲内から所定の合成画像を確実に視認することが可能となる。
【0021】
本発明に係る第7の画像表示装置は、上記第1乃至第6の画像表示装置の何れかの画像表示装置であって、前記第1液晶表示パネルの前面には、該前面を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネルが設置されている。
【0022】
上記第7の画像表示装置によれば、入力用タッチパネルの内、所定の合成画像と重なる領域に触れることにより、数字や文字等の入力が可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る画像表示装置は、表示する数字、文字、図形等の秘匿性を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、該画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、(a)数字の0を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の0を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の0を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図4】図4は、(a)数字の1を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の1を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の1を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図5】図5は、(a)数字の2を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の2を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の2を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図6】図6は、(a)数字の3を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の3を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の3を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図7】図7は、(a)数字の4を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の4を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の4を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図8】図8は、(a)数字の5を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の5を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の5を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図9】図9は、(a)数字の6を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の6を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の6を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図10】図10は、(a)数字の7を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の7を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の7を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図11】図11は、(a)数字の8を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の8を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の8を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図12】図12は、(a)数字の9を表す所定の合成画像を生成する第1画像と、(b)数字の9を表す所定の合成画像を生成する第2画像と、(c)数字の9を表す所定の合成画像とを示す図である。
【図13】図13は、ATMに適用された画像表示装置に表示される所定の合成画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、ATMに適用された画像表示装置の第1液晶表示パネルに表示される第1画像を示す図である。
【図15】図15は、ATMに適用された画像表示装置の第2液晶表示パネルに表示される第2画像を示す図である。
【図16】図16は、上記画像表示装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、上記画像表示装置の第2変形例において、(a)第1液晶表示パネルに表示される第1画像と、(b)第2液晶表示パネルに表示される第2画像と、(c)第1画像と第2画像から生成される所定の合成画像とを示す図である。
【図18】図18は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図19】図19は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図20】図20は、(a)所定の合成画像の視認が可能な角度範囲と、(b)所定の合成画像を生成する第1画像と第2画像との位置関係とを説明する図である。
【図21】図21は、上記画像表示装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。
【図22】図22は、第3変形例に係る画像表示装置において表示される所定の合成画像の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す様に、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、第1液晶表示パネル(1)と、該第1液晶表示パネル(1)の背面側に配備された第2液晶表示パネル(2)と、第2液晶表示パネル(2)の背面側に設置されたバックライトユニット(3)とを具えている。
【0026】
図示していないが、バックライトユニット(3)は、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)とを第2液晶表示パネル(2)の背面側から照明する光源を有している。両液晶表示パネル(1)(2)への画像の表示には、背面側から入射するバックライトユニット(3)の光が利用される。
【0027】
図示していないが、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)は何れも、液晶を一対のガラス板の間に挟むと共に、該一対のガラス板の前面側と背面側に、偏光方向が互いに直交した2枚の偏光板を設けて構成されている。両液晶表示パネル(1)(2)にはそれぞれ、画素毎に液晶の向きを調整することにより、バックライトユニット(3)からの光が透過して濃度値が低い低濃度部と、バックライトユニット(3)からの光が遮断されて濃度値が高い高濃度部とからなる画像を表示することが出来る。
【0028】
図1に示す様に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)は、フレーム体(4)に嵌め込まれており、該フレーム体(4)の内面には、両液晶表示パネル(1)(2)間に介在するスペーサ(41)が突設されている。これにより、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)とがスペーサ(41)の厚さ寸法T分だけ離間して配置されることになる。従って、スペーサ(41)の厚さ寸法Tを調整することにより、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)との間の距離を調整することが出来る。
【0029】
図2に示す様に、画像表示装置は更に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に画像を表示せしめる画像表示手段(5)を具えている。画像表示手段(5)は、第1液晶表示パネル(1)に画像を表示せしめる第1画像表示部(51)と、第2液晶表示パネル(2)に画像を表示せしめる第2画像表示部(52)とを有している。尚、画像表示手段(5)には、例えばIC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)を採用することが出来る。
【0030】
上記画像表示装置によれば、第1液晶表示パネル(1)の前面側から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネル(1)に表示される画像と第2液晶表示パネル(2)に表示される画像とが重なり合った合成画像が生成されることになる。これにより、画像表示装置の利用者に、様々な視覚効果を有する画像、例えば立体感のある画像を視認させることが可能である。
【0031】
更に、上記画像表示装置は、立体感のある合成画像だけでなく、平面的な所定の合成画像を生成することが可能である。図3(c)〜図12(c)に示す様に、本実施形態の画像表示装置は、濃度値の低い低濃度部から形成されて0〜9の何れかの数字を表す画像パターンを有する画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とからなる所定の合成画像Ic(n)(nは、画像パターンによって表される数字である)を生成することが可能である。尚、本実施形態においては、低濃度部が白色に表示され、高濃度部が黒色に表示される。
【0032】
ここで、所定の合成画像Ic(n)の画像パターン部はそれぞれ、8の字を構成する7つの矩形パターン部(81)〜(87)(図11(c)参照)から選択された矩形パターン部によって形成されている。7つの矩形パターン部(81)〜(87)の内、左側の上段と下段に位置する2つの矩形パターン部(81)(82)と、右側の上段と下段に位置する2つの矩形パターン部(83)(84)は、縦方向に延びている。一方、7つの矩形パターン部(81)〜(87)の内、中央の上段、中段、下段に位置する3つの矩形パターン部(85)(86)(87)は、横方向に延びている。
【0033】
具体的には以下の通りである。
数字の0を表す所定の合成画像Ic(0)の画像パターン部は、図3(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0034】
数字の1を表す所定の合成画像Ic(1)の画像パターン部は、図4(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)とから形成されている。
【0035】
数字の2を表す所定の合成画像Ic(2)の画像パターン部は、図5(c)に示す様に、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0036】
数字の3を表す所定の合成画像Ic(3)の画像パターン部は、図6(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0037】
数字の4を表す所定の合成画像Ic(4)の画像パターン部は、図7(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央中段の矩形パターン部(86)とから形成されている。
【0038】
数字の5を表す所定の合成画像Ic(5)の画像パターン部は、図8(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0039】
数字の6を表す所定の合成画像Ic(6)の画像パターン部は、図9(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0040】
数字の7を表す所定の合成画像Ic(7)の画像パターン部は、図10(c)に示す様に、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)とから形成されている。
【0041】
数字の8を表す所定の合成画像Ic(8)の画像パターン部は、図11(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、左側下段の矩形パターン部(82)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0042】
数字の9を表す所定の合成画像Ic(9)の画像パターン部は、図12(c)に示す様に、左側上段の矩形パターン部(81)と、右側上段の矩形パターン部(83)と、右側下段の矩形パターン部(84)と、中央上段の矩形パターン部(85)と、中央中段の矩形パターン部(86)と、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成されている。
【0043】
上記数字を表す所定の合成画像Ic(n)を生成する場合、第1画像表示部(51)と第2画像表示部(52)はそれぞれ、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に、所定の合成画像Ic(n)を生成する第1画像Ia(n)(図3(a)〜図12(a)参照)と第2画像Ib(n)(図3(b)〜図12(b)参照)を表示する。
【0044】
図2に示す様に、画像表示装置はメモリ(6)を更に具え、該メモリ(6)には、所定の合成画像Ic(n)を生成する第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが互いに関連付けて記録されている。第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)にそれぞれ第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を表示させる場合、第1画像表示部(51)と第2画像表示部(52)は、互いに関連付けられている第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とをメモリ(6)から読み出して、両画像Ia(n)、Ib(n)をそれぞれ第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示する。
【0045】
ここで、第1画像Ia(n)は、濃度値の低い低濃度部から形成されて所定の合成画像Ic(n)の画像パターンを含む画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とから形成されている。又、第2画像Ib(n)は、濃度値の低い低濃度部から形成されて所定の合成画像Ic(n)の画像パターンを含む画像パターン部と、低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部から形成されて画像パターン部を包囲するバックグランド部とから形成されている。尚、本実施形態においては、低濃度部が白色に表示され、高濃度部が黒色に表示される。
【0046】
そして、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、所定の合成画像Ic(n)を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)又は第2画像Ib(n)のバックグランド部と重なっている。
【0047】
第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の一例がそれぞれ、図3(a)〜図12(a)と図3(b)〜図12(b)に示されている。
数字の0を表す所定の合成画像Ic(0)を生成する場合、図3(a)に示す様に、第1画像Ia(0)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(0)が有すべき画像パターン(数字の0)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。又、図3(b)に示す様に、第2画像Ib(0)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(0)が有すべき画像パターン(数字の0)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央中段の矩形パターン部(86)とから形成される。
従って、第1画像Ia(0)は数字の0を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(0)は数字の8を表す画像パターンを有することになる。これにより、第2画像Ib(0)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(0)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0048】
数字の1を表す所定の合成画像Ic(1)を生成する場合、図4(a)に示す様に、第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(1)が有すべき画像パターン(数字の1)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図4(b)に示す様に、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(1)が有すべき画像パターン(数字の1)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央上段の矩形パターン部(85)、中央中段の矩形パターン部(86)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(1)は数字の11を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(1)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(1)と第2画像Ib(1)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(1)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0049】
数字の2を表す所定の合成画像Ic(2)を生成する場合、図5(a)に示す様に、第1画像Ia(2)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(2)が有すべき画像パターン(数字の2)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側下段の矩形パターン部(84)とから形成される。又、図5(b)に示す様に、第2画像Ib(2)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(2)が有すべき画像パターン(数字の2)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)とから形成される。
従って、第1画像Ia(2)は数字の6を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(2)は数字の9を左右逆にした図形を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(2)と第2画像Ib(2)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(2)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0050】
数字の3を表す所定の合成画像Ic(3)を生成する場合、図6(a)に示す様に、第1画像Ia(3)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(3)が有すべき画像パターン(数字の3)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図6(b)に示す様に、第2画像Ib(3)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(3)が有すべき画像パターン(数字の3)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(3)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(3)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(3)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(3)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0051】
数字の4を表す所定の合成画像Ic(4)を生成する場合、図7(a)に示す様に、第1画像Ia(4)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(4)が有すべき画像パターン(数字の4)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図7(b)に示す様に、第2画像Ib(4)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(4)が有すべき画像パターン(数字の4)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央上段の矩形パターン部(85)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(4)はアルファベットのHを表す画像パターンを有し、第2画像Ib(4)は数字の9を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(4)と第2画像Ib(4)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(4)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0052】
数字の5を表す所定の合成画像Ic(5)を生成する場合、図8(a)に示す様に、第1画像Ia(5)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(5)が有すべき画像パターン(数字の5)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側上段の矩形パターン部(83)とから形成される。又、図8(b)に示す様に、第2画像Ib(5)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(5)が有すべき画像パターン(数字の5)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。
従って、第1画像Ia(5)は数字の9を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(5)は数字の6を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(5)と第2画像Ib(5)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(5)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0053】
数字の6を表す所定の合成画像Ic(6)を生成する場合、図9(a)に示す様に、第1画像Ia(6)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(6)が有すべき画像パターン(数字の6)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる右側上段の矩形パターン部(83)とから形成される。又、図9(b)に示す様に、第2画像Ib(6)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(6)が有すべき画像パターン(数字の6)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(6)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(6)は数字の6を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(6)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(6)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0054】
数字の7を表す所定の合成画像Ic(7)を生成する場合、図10(a)に示す様に、第1画像Ia(7)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(7)が有すべき画像パターン(数字の7)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側上段の矩形パターン部(81)、及び、左側下段の矩形パターン部(82)とから形成される。又、図10(b)に示す様に、第2画像Ib(7)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(7)が有すべき画像パターン(数字の7)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる中央中段の矩形パターン部(86)、及び、中央下段の矩形パターン部(87)とから形成される。
従って、第1画像Ia(7)はアルファベットのUを上下逆にした図形を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(7)は数字の3を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(7)と第2画像Ib(7)がそれぞれ有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(7)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0055】
数字の8を表す所定の合成画像Ic(8)を生成する場合、図11(a)に示す様に、第1画像Ia(8)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(8)が有すべき画像パターン(数字の8)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。又、図11(b)に示す様に、第2画像Ib(8)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(8)が有すべき画像パターン(数字の8)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(8)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(8)は数字の8を表す画像パターンを有することになる。
【0056】
数字の9を表す所定の合成画像Ic(9)を生成する場合、図12(a)に示す様に、第1画像Ia(9)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(9)が有すべき画像パターン(数字の9)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部と、ダミーの画像パターン部となる左側下段の矩形パターン(82)とから形成される。又、図12(b)に示す様に、第2画像Ib(9)の低濃度部(画像パターン部)は、所定の合成画像Ic(9)が有すべき画像パターン(数字の9)と同じ画像パターンを構成する矩形パターン部から形成される。
従って、第1画像Ia(9)は数字の8を表す画像パターンを有し、第2画像Ib(9)は数字の9を表す画像パターンを有することになる。これにより、第1画像Ia(9)が有する画像パターンが、所定の合成画像Ic(9)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されることになる。
【0057】
上述した第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の一例においては、数字の0、1、3、4及び6〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第1画像Ia(n)の画像パターン部が、所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)を形成することとなる矩形パターン部に、該矩形パターン部に含まれていない矩形パターン部を、縦方向に延びている4つの矩形パターン部(81)(82)(83)(84)から選択してダミーの画像パターン部として追加するという第1のルールに従って形成されている。尚、4つの矩形パターン部(81)(82)(83)(84)に選択可能な矩形パターン部がない場合には、ダミーの画像パターン部は追加されない。
【0058】
又、数字の0、1、3、4及び6〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第2画像Ib(n)が、所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)を形成することとなる矩形パターン部に、該矩形パターン部に含まれていない矩形パターン部を、横方向に延びている3つの矩形パターン部(85)(86)(87)から選択してダミーの画像パターン部として追加するという第2のルールに従って形成されている。尚、3つの矩形パターン部(85)(86)(87)に選択可能な矩形パターン部がない場合には、ダミーの画像パターン部は追加されない。
【0059】
一方、数字の2と5をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(n)については、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の両方の画像が、上記第1のルールに従って形成されている。
【0060】
尚、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を形成する上記第1ルール及び第2ルールは、一例に過ぎない。例えば、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の両方の画像が、上記第2のルールに従って形成されてもよい。又、第1画像Ia(n)が第2のルールに従って形成され、第2画像Ib(n)が第1のルールに従って形成されてもよい。勿論、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)を形成するルールは、これらに限られるものではない。
【0061】
上述した第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)がそれぞれ第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示されて、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合、第1液晶表示パネル(1)に表示されている第1画像Ia(n)と第2液晶表示パネル(2)に表示されている第2画像Ib(n)とが重なり合うことになる。このとき、所定の角度範囲は、狭い角度範囲、具体的には例えば画像表示装置の利用者が第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から画像を確認した場合にのみ第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが重なることとなる角度範囲となる。
【0062】
従って、図3(c)〜図12(c)に示す様に、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の低濃度部(画像パターン部)どうしの重複領域により所定の合成画像Ic(n)の低濃度部(画像パターン部)が形成されることになる。このとき、第1画像Ia(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第2画像Ib(n)の内、所定の合成画像Ic(n)の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。又、第2画像Ib(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)の内、所定の合成画像Ic(n)の高濃度部を形成するバックグランド部に重なることになる。よって、所定の角度範囲内からは、ダミーの画像パターン部は視認されることがなく、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の高濃度部(バックグランド部)全体により所定の合成画像Ic(n)の高濃度部(バックグランド部)が形成されることになる。その結果、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とから所定の合成画像Ic(n)が生成されることになる。このとき、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)は個々に視認されることがない。
【0063】
これに対し、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが互いにずれることになる。これは、第1液晶表示パネル(1)側の液晶と第2液晶表示パネル(2)側の液晶とが、ガラス板とスペーサ(41)の厚さ寸法分だけ離間して配置されているからである。
【0064】
従って、所定の角度範囲外から画像を観察した場合、第1画像Ia(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第2画像Ib(n)のバックグランド部に重なり難くなり、又、第2画像Ib(n)に含まれているダミーの画像パターン部は、第1画像Ia(n)のバックグランド部に重なり難くなる。よって、所定の角度範囲外からは、ダミーの画像パターン部を含む第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが個々に視認され、所定の合成画像Ic(n)は視認されることがなくなる。ここで、第1画像Ia(8)と第2画像Ib(8)を除いて、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)の少なくとも何れか一方の画像が有する画像パターンは、所定の合成画像Ic(n)が有することとなる画像パターンと異なる画像パターンに設定されている。このため、所定の角度範囲外からでは、所定の合成画像Ic(n)がどのような画像であるかを認識することが困難となる。
【0065】
よって、画像表示装置の利用者以外の者が利用者の背後から画像を観察した場合であっても、利用者以外の者は、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲外からしか画像を観察することが出来ないので、利用者以外の者には、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とが個々に視認されるだけである。従って、上記画像表示装置によれば、利用者以外の者による所定の合成画像Ic(n)の視認が防止されることになる。よって、上記画像表示装置において秘匿性の高い合成画像を表示した場合でも、利用者以外の者には該合成画像が認識され難く、その結果、該合成画像の秘匿性が維持されることになる。
【0066】
図13は、上記画像表示装置をATM(Automated Teller Machine)に適用したときに表示される画像の一例を示す図である。図13に示す様に、ATMの利用者が暗証番号を入力する際に、画像表示装置において、数字の0〜9をそれぞれ表す所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)をマトリックス状に配列して表示させることが出来る。
【0067】
ここで、第1液晶表示パネル(1)の前面には、該前面を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネルを設置することが出来る。これにより、ATMの利用者は、入力用タッチパネルの内、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)と重なる領域に触れることにより、数字を入力することが可能となる。
【0068】
図13に示す所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)を生成するべく、第1液晶表示パネル(1)には、図14に示す様に第1画像Ia(0)〜Ia(9)がマトリックス状に配列して表示される。又、第2液晶表示パネル(2)には、図15に示す様に第2画像Ib(0)〜Ib(9)が、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と同じ配列で表示される。ここで、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)は、ATMの利用者が第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から画像を確認した場合にのみ第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とがそれぞれ重なることとなる様に、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に表示される。
【0069】
従って、ATMの利用者が暗証番号を入力する場合、該利用者は、第1液晶表示パネル(1)のほぼ正面から所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)を視認することになる。これに対し、ATMの利用者以外の者が利用者の背後から画像を観察した場合であっても、利用者以外の者は、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して斜め方向からしか画像を観察することが出来ないので、利用者以外の者には、図14に示す第1画像Ia(0)〜Ia(9)と、図15に示す第2画像Ib(0)〜Ib(9)とが個々に視認されるだけである。よって、ATMの利用者が入力用タッチパネルを操作して暗証番号を入力した場合に、該利用者以外の者が入力動作を見ていた場合でも、該利用者以外の者は、利用者がどの数字を入力したかを認識することが出来ない。よって、暗証番号の秘匿性が維持されることになる。
【0070】
又、上記第1画像Ia(0)〜Ia(9)の内、第1画像Ia(3)、Ia(6)、Ia(8)及びIa(9)は、それらの画像パターンが同じ数字の8を表す様に形成されている。又、上記第2画像Ib(0)〜Ib(9)の内、第2画像Ib(1)、Ib(3)及びIb(7)は、それらの画像パターンが同じ数字の3を表す様に形成され、第2画像Ib(5)及びIb(6)は、それらの画像パターンが同じ数字の6を表す様に形成され、第2画像Ib(8)及びIb(0)は、それらの画像パターンが同じ数字の8を表す様に形成され、第2画像Ib(4)及びIb(9)は、それらの画像パターンが同じ数字の9を表す様に形成されている。
【0071】
従って、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とがATMの利用者以外の者により個々に視認された場合であっても、該利用者以外の者は、第1画像Ia(0)〜Ia(9)と第2画像Ib(0)〜Ib(9)とから生成される所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の画像パターンが表す数字を推測することが出来ない。
【0072】
図16は、上記画像表示装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。図16に示す様に、画像表示手段(5)には、第1画像表示部(51)により第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(n)の表示位置と、第2画像表示部(52)により第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(n)の表示位置とを調整する調整部(53)が更に具えられていてもよい。
【0073】
ここで、調整部(53)には、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)が重なり合うべき所定の角度方向に関する情報が入力される。調整部(53)は、該情報に基づいて第1画像Ia(n)の表示位置と第2画像Ib(n)の表示位置とを調整して、第1画像Ia(n)と第2画像Ib(n)とを第1液晶表示パネル(1)の前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる。
【0074】
上記第1変形例に係る画像表示装置によれば、所定の合成画像Ic(n)の視認が可能となる所定の角度方向を調整することが可能となる。例えば、ATMの利用者が入力用タッチパネルを操作することにより、画像表示装置の調整部(53)に所定の角度方向に関する情報を入力して、所定の角度方向を調整することが可能となる。又、所定の角度方向に関する情報をキャッシュカードに記録しておき、該キャッシュカードから読み出された情報が調整部(53)に入力されて、所定の角度方向が調整されてもよい。これにより、ATMの利用者に応じて、所定の角度方向が変更されることになる。
【0075】
図17(a)〜図17(c)はそれぞれ、上記画像表示装置の第2変形例において表示される第1画像、第2画像、及び所定の合成画像を示す図である。尚、図17(a)〜図17(c)では、特に第1画像Ia(1)、第2画像Ib(1)、及び所定の合成画像Ic(1)がそれぞれ示されている。
図17(b)に示す様に、第2液晶表示パネル(2)には、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)が太く表示されてもよい。具体的には、第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)の幅寸法が、第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)の幅寸法よりも大きく設定される。他の第2画像Ib(0)及びIb(2)〜Ib(9)についても同様の設定が可能である。
【0076】
これにより、第1液晶表示パネル(1)の前面に対して所定の角度範囲内から、所定の合成画像Ic(n)を確実に視認することが可能となる。即ち、図18(a)に示す様に第1液晶表示パネル(1)の前面に垂直な方向(91)から画像を視認した場合、図19(a)に示す様に垂直な方向(91)に対して右側に所定の角度θ1だけ傾いた方向(92)から画像を視認した場合、並びに、図20(a)に示す様に垂直な方向(91)に対して左側に所定の角度θ2だけ傾いた方向(93)から画像を視認した場合の何れの場合においても、図18(b)〜図20(b)に示す様に、第1画像Ia(1)の低濃度部(画像パターン部)の内、所定の合成画像Ic(1)の低濃度部を形成することとなる右側上段の矩形パターン部(83)と右側下段の矩形パターン(84)が、第2画像Ib(1)の低濃度部(画像パターン部)に重なることになる。
【0077】
図21は、上記画像表示装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。図21に示す様に、画像表示手段(5)には、第1画像表示部(51)により第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像Ia(0)〜Ia(9)の配列状態と、第2画像表示部(52)により第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像Ib(0)〜Ib(9)の配列状態とを、これらの表示が実行される毎に変更する配列変更部(54)が更に具えられていてもよい。
【0078】
これにより、上記第3変形例に係る画像表示装置をATMに適用して、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の表示を実行する毎に、それらの配列状態を、元の配列状態から変更することが可能となる。例えば、所定の合成画像Ic(0)〜Ic(9)の配列状態を、図13に示す配列状態から図22に示す配列状態に変更することが可能である。従って、ATMにおいて暗証番号を入力するための画像の表示が実行される毎に、ATMの利用者の入力動作が変わることになる。よって、利用者以外の者にATMの利用者の入力動作を見られた場合でも、該利用者以外の者は、入力動作から暗証番号の数字を推測することは出来ない。
【0079】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1液晶表示パネル(1)に表示される第1画像と第2液晶表示パネル(2)に表示される第2画像とから生成される所定の合成画像の画像パターンは、数字に限らず、文字や図形等を表すものであってもよい。又、画像パターン部、バックグランド部、ダミーの画像パターン部、矩形パターン部のそれぞれの形状は、上記実施形態の形状の限られるものではない。
【0080】
上記画像表示装置において、第1液晶表示パネル(1)と第2液晶表示パネル(2)に第1画像と第2画像をそれぞれ表示させる毎に、第1画像と第2画像に含まれるダミーの画像パターン部の形状、表示位置等を変更してもよい。
【0081】
上記画像表示装置において、第1画像の低濃度部(画像パターン部)と第2画像の低濃度部(画像パターン部)とが、黄色等の色や模様が付されて表示されてもよい。これにより、第1画像と第2画像とから生成される所定の合成画像の低濃度部(画像表示パターン部)にも色や模様が付されることになり、従って、高濃度部(バックグランド部)への光の漏れが生じた場合であっても、所定の合成画像の画像パターンが見え易くなる。
【0082】
上記画像表示装置に採用した各種構成は、3つ以上の液晶表示パネルを具えた画像表示装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
(1) 第1液晶表示パネル
(2) 第2液晶表示パネル
(5) 画像表示手段
(51) 第1画像表示部
(52) 第2画像表示部
(53) 調整部
(6) メモリ
Ia(n) 第1画像
Ib(n) 第2画像
Ic(n) 所定の合成画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液晶表示パネルと、該第1液晶表示パネルの背面側に配備された第2液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに画像を表示せしめる画像表示手段とを具えた画像表示装置において、前記画像表示手段は、
第1液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部と、
第2液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部
とを有し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネルに表示されている第1画像と第2液晶表示パネルに表示されている第2画像とが重なり合って、所定の合成画像が生成されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
第1画像と第2画像の低濃度部どうしの重複領域により、前記所定の合成画像の低濃度部が形成される請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1画像及び第2画像はそれぞれ、低濃度部によって所定の画像パターンを有する画像パターン部を形成すると共に、高濃度部によって前記画像パターン部を包囲するバックグランド部を形成し、前記第1画像と第2画像の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、前記所定の合成画像を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像のバックグランド部と重なっている請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
所定の合成画像を生成すべき第1画像と第2画像とが互いに関連付けて記録されているメモリを更に具え、前記第1画像表示部と第2画像表示部は、互いに関連付けられている第1画像と第2画像とを前記メモリから読み出して、両画像をそれぞれ前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに表示する請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1画像表示部により第1液晶表示パネルに表示される第1画像の表示位置と、前記第2画像表示部により第2液晶表示パネルに表示される第2画像の表示位置とを調整する調整部を更に有し、該調整部は、第1画像の表示位置と第2画像の表示位置とを調整して、第1画像と第2画像とを第1液晶表示パネルの前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2画像の低濃度部は、前記第1画像の低濃度部の幅寸法よりも大きな幅寸法を有している請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項1】
第1液晶表示パネルと、該第1液晶表示パネルの背面側に配備された第2液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに画像を表示せしめる画像表示手段とを具えた画像表示装置において、前記画像表示手段は、
第1液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第1画像を表示せしめる第1画像表示部と、
第2液晶表示パネルに、濃度値の低い低濃度部と該低濃度部よりも濃度値の高い高濃度部とからなる第2画像を表示せしめる第2画像表示部
とを有し、第1液晶表示パネルの前面に対して所定の角度範囲内から画像を観察した場合に、第1液晶表示パネルに表示されている第1画像と第2液晶表示パネルに表示されている第2画像とが重なり合って、所定の合成画像が生成されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
第1画像と第2画像の低濃度部どうしの重複領域により、前記所定の合成画像の低濃度部が形成される請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1画像及び第2画像はそれぞれ、低濃度部によって所定の画像パターンを有する画像パターン部を形成すると共に、高濃度部によって前記画像パターン部を包囲するバックグランド部を形成し、前記第1画像と第2画像の少なくとも何れか一方の画像の画像パターン部には、前記所定の合成画像を構成しないダミーの画像パターン部が含まれ、該ダミーの画像パターン部は、第1画像又は第2画像のバックグランド部と重なっている請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
所定の合成画像を生成すべき第1画像と第2画像とが互いに関連付けて記録されているメモリを更に具え、前記第1画像表示部と第2画像表示部は、互いに関連付けられている第1画像と第2画像とを前記メモリから読み出して、両画像をそれぞれ前記第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルに表示する請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1画像表示部により第1液晶表示パネルに表示される第1画像の表示位置と、前記第2画像表示部により第2液晶表示パネルに表示される第2画像の表示位置とを調整する調整部を更に有し、該調整部は、第1画像の表示位置と第2画像の表示位置とを調整して、第1画像と第2画像とを第1液晶表示パネルの前面に対する所定の角度方向において重ね合わせる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2画像の低濃度部は、前記第1画像の低濃度部の幅寸法よりも大きな幅寸法を有している請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−100052(P2011−100052A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255911(P2009−255911)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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