説明

画像表示装置

【目的】 解像度および表示速度が同一で、水平ブランク期間の異なる表示デバイスに同じ画像を同時に表示すること。
【構成】 画像表示装置10は、フレームメモリ11と第1の表示デバイス13に接続する表示用出力データピンD1と、バッファメモリ12と第2の表示デバイス14に接続する表示用出力データピンD2と、フレームメモリ11に入力される画像データ入力ピンGとを有している。また、バッファメモリ12とフレームメモリ11と表示用出力データピンD1は接続されている。フレームメモリ11に格納された画像データは、直接第1の表示デバイスに出力されると共に、バッファメモリ12に1走査線分づつ格納され、バッファメモリ12で第2の表示デバイスの表示形式に変換されて出力される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つの表示形式のデータを複数の異なる表示形式のデバイスに表示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来1つの画像データを表示形式の異なる複数の表示デバイスに表示する場合、1つの表示デバイスに合わせたデータを供給するだけでは他の表示デバイスに対して正しい表示が出来ないため、それぞれの表示デバイスに対して表示する画像データを一旦格納するフレームメモリを設け、それぞれのメモリに格納された画像データをそれぞれが対応する表示装置の表示形式に変換して出力する画像表示装置が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例では、複数の表示装置それぞれに対して1画面分のフレームメモリが必要であるためハードウェア量が増大し、高価格になるという問題点を有していた。
【0004】上記の問題点に鑑み、本発明は、画像を表示する解像度および表示速度が同じで、水平ブランク期間が異なる複数の表示装置に対し、同じ画像をほぼ同時に表示可能な表示装置を、より少ないメモリで提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため本発明は、解像度および表示速度が同一で、水平ブランク期間が互いに異なる複数の表示装置と、前記複数の表示装置の内で水平ブランク期間が最長である表示装置の表示形式の画像データを入力するデータ入力部と、前記データ入力部で入力した画像データを前記複数の表示装置それぞれの表示形式に変換するデータ変換部と、前記データ変換部の出力画像データをそれぞれが対応する表示装置に出力・表示するデータ出力部とを備え、前記データ変換部は、前記データ入力部で入力した画像データを格納するフレームメモリと、前記水平ブランク期間が最長である表示装置以外の表示装置それぞれに対応し、前記フレームメモリから出力される画像データを少なくとも1走査線分格納するバッファメモリと、前記バッファメモリに格納した画像データを、それぞれのバッファメモリが対応する表示装置の表示形式に変換するデータ変換手段とを有する画像表示装置である。
【0006】
【作用】上述の構成により、画像データは水平ブランク期間が最も長い表示形式のデバイスの表示形式でフレームメモリに格納され、解像度および表示速度が同一でかつ水平ブランク期間短い表示形式のデバイスそれぞれに割り当てられたバッファメモリに、前記フレームメモリから供給される1走査線分の画像データが格納される。
【0007】このバッファメモリの内容を、各々の表示デバイスに適合した形式の画像データに変換して出力することにより、異なる水平ブランク期間の表示形式のデバイスに対して同じ画像をほぼ同時に表示する。
【0008】
【実施例】本発明の画像表示装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1に本発明の実施例に係る画像表示装置10の模式図を示す。
【0009】本実施例の画像表示装置10は、フレームメモリ11と、第1の表示デバイス13に接続する表示用出力データピンD1と、バッファメモリ12と、第2のデバイス14に接続する表示用出力データピンD2と、フレームメモリ11に入力される画像データ入力ピンGと、フレームメモリ11およびバッファメモリ12に対するデータの入出力を制御するデータ入出力制御手段15とを有している。また、バッファメモリ12とフレームメモリ11と表示用出力データピンD1は接続されている。
【0010】図1のシステムにおいては、フレームメモリ11の保持する表示用のデータ量は4ビット、バッファメモリ12の保持するデータ量は2ビットであり、第1の表示デバイス13と第2の表示デバイス14の解像度は共に2×2で同じである。
【0011】第1の表示デバイス13と第2の表示デバイス14は共に表示速度は同じであるが、第1の表示デバイス13は、左上,右上,左下,右下の順で1ビット毎に表示し、各々のビット表示には1クロックの時間を要し、各走査線の表示が終了した時点で4クロックの水平ブランク時間を要し、第2の表示デバイス14は、左上,右上,左下,右下の順で1ビット毎に表示し、各々のビット表示には2クロックの時間を要し、各走査線の表示が終了した時点で2クロックの水平ブランク時間を要する。また、フレームメモリ11から読み出したデータをバッファメモリ12に格納し、さらにバッファメモリ12からデータを読み出すのに1クロック要するものとする。
【0012】画像表示装置10に対して、データb1001が順にデータ入力ピンGに入力される場合を考える。ここで、「b」はそれに続く表記が2進数であることを表している。
【0013】上記のように構成された本実施例の画像表示装置の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、各信号のタイミングを表す図であって、(a)はクロック信号、(b)は、フレームメモリから出力され、第1の表示デバイスに入力される画像データ信号、(c)は、バッファメモリから出力され、第2の表示デバイスに入力される画像データ信号である。
【0014】まず、画像データ入力ピンGに対して、表示しようとする画像のデータが入力される。
【0015】データ入出力制御手段は、入力された画像データをフレームメモリ11に格納する。次に、フレームメモリ11上のデータを、第1の表示デバイスの表示形式に従って、表示用出力データピンD1およびバッファメモリ12に出力する。実際には、まずデータをb10の順で1クロック毎に出力し、4クロックの期間転送を中止し、さらに、b01の順で1クロック毎に出力し、4クロックの期間転送を中止する。
【0016】データ入出力制御手段は、フレームメモリ11からの出力を順次バッファメモリに格納し、バッファメモリ12に格納された画像データを、第2の表示デバイスの表示形式に従って、表示用データ出力ピンD2に出力する。
【0017】データ入出力制御手段の動作をさらに具体的に説明する。まず、上の走査線のデータb10を毎表示1クロックの速度でバッファメモリ12に格納し、このデータを毎表示2クロックの速度で表示用データ出力ピンD2に出力する。バッファメモリ12上のデータを全部出力した時点で2クロックの期間出力を中止する。中止期間中に、フレームメモリ11からの下の走査線のデータb01が毎表示1クロックの速度でバッファメモリ12に新たに格納され始める。中止期間の経過後、毎表示2クロックの速度でデータb01を出力する。図2において(c)が(b)より遅れているのは、データ入出力制御手段での処理にある程度の時間を必要とするためである。
【0018】このようにして、表示用データ出力ピンD1およびD2に、それぞれ第1および第2の表示デバイスに対応した画像データが供給され、表示される。
【0019】以上説明したように、本実施例によれば、1画面分の画像データを記憶するフレームメモリと、1走査線分の画像データを記憶するバッファメモリとを備えたことにより、解像度および表示速度が同一で、水平ブランク期間が異なる2つの表示装置に、同じ画像をほぼ同時に表示することが可能となる。
【0020】なお本実施例では、画像の表示デバイスの数が2つでかつ解像度が各々共に2×2で構成され、画像データ入力ピン数が1本、フレームメモリ11の保持する表示用データ量を4ビット、バッファメモリ12の保持するデータ量2ビット、第1の表示デバイス13へ入力するピン数を1本、第2の表示デバイス14へ入力するピン数を1本、第1の表示デバイス13の表示形式を1クロック毎に左上,右上,左下,右下の順で1ビット毎に表示し、2ビット表示毎に2クロックの水平ブランク期間を要し、第2のデバイス14の表示形式を2クロック毎に左上、右上、左下、右下の順で1ビット毎に表示し、2ビット表示毎に2クロックの水平ブランク期間を要する画像表示装置10として説明したが、表示デバイス数、解像度、表示速度、ビット数、ピン数が異なる他の画像表示装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像表示装置は、画像を表示する解像度および表示速度が同一でかつ水平ブランク期間の異なる表示形式の複数のデバイスに対して、最も水平ブランク期間の長い表示デバイスにフレームメモリを割り当て、他の水平ブランク期間が短い表示デバイスに対しては、ブランク期間の差の時間に転送されるデータを蓄えるためのバッファメモリを割り当て、前記フレームメモリからデータを入力してブランク期間の差の時間に転送されるデータを、ブランク期間が長い表示デバイスとほぼ同時に画像を表示できるため、液晶パネルとCRTとを使用したマルチディスプレイシステム等に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る画像表示装置を用いたシステムの摸式図
【図2】本発明の実施例における各信号のタイミングを表す図
(a)はクロック信号
(b)はフレームメモリからの出力信号
(c)はバッファメモリからの出力信号
【符号の説明】
10 画像表示装置
11 フレームメモリ
12 バッファメモリ
13 第1の表示デバイス
14 第2の表示デバイス
15 データ入出力制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】解像度および表示速度が同一で、水平ブランク期間が互いに異なる複数の表示装置と、前記複数の表示装置の内で水平ブランク期間が最長である表示装置の表示形式の画像データを入力するデータ入力部と、前記データ入力部で入力した画像データを前記複数の表示装置それぞれの表示形式に変換するデータ変換部と、前記データ変換部の出力画像データをそれぞれが対応する表示装置に出力・表示するデータ出力部とを有し、前記データ変換部は、前記データ入力部で入力した画像データを格納するフレームメモリと、前記水平ブランク期間が最長である表示装置以外の表示装置それぞれに対応し、前記フレームメモリから出力される画像データを少なくとも1走査線分格納するバッファメモリと、前記バッファメモリに格納した画像データを、それぞれのバッファメモリが対応する表示装置の表示形式に変換するデータ変換手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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