説明

画像解析システム、及び画像解析プログラム

【課題】三次元的に表現可能な眼底画像の視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域における深さを、眼底を走行する複数の血管によって阻止されることなく正確に算出することが可能な画像解析システムの提供を課題とする。
【解決手段】画像解析システム1は、視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域を含む眼底を撮影対象とし、撮影された眼底画像データ6に含まれる深さ情報11を利用して深さプロファイル曲線を算出し、視神経乳頭領域が滑らかな曲面を呈するものとして仮定することにより、視神経乳頭陥凹領域を精度良く決定し、C/D比の正確な値を眼科医等に提供し、緑内障等の眼科系疾患の診断のために有益な情報を提供可能な画像解析コンピュータ2によって主に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像解析システム、及び画像解析プログラムに関するものであり、特に、緑内障等の眼科系疾患の診断に有用な情報を医師等に提供可能な画像解析システム、及び画像解析プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、眼球に対して外部から光を照射し、眼球を通して眼底の状態を観察することが行われている。また、その眼底の状態をカメラ等の光学機器を利用して撮像した眼底写真を医療記録として残すことも行われている。この眼底写真を詳細に検討することによって、種々の疾患の診断を医師は下すことができる。ここで、眼底の観察は、被験者(患者)に対して肉体的な負担を強いることがなく、また、比較的簡易な構成の装置によって得ることができるため、医療機関においてごく一般的に行われている検査手法の一つである。
【0003】
さらに、眼底写真によって撮影される血管は、眼球の奥に位置する脳の脳血管の一部が直接分岐したものであり、身体の外部から脳内の状態を直接観察することができる唯一の手法であり、非常に有益な情報を医師等に対して提供することができる。加えて、この眼底写真は、緑内障等の眼科系の疾患の診断の診断以外にも糖尿病等の生活習慣病の診断にも利用すること行われている。
【0004】
ここで、健康な被験者の眼底写真では、眼底全体が黄赤褐色を呈し、被験者の視線の約15度外方向(耳側方向)の位置に、1.2mm〜1.7mmの円形または卵円形で視神経乳頭部(Optic nerve head)が観察される。この視神経乳頭部は、解剖学的には、視神経円板(Optic disc)と呼ばれることもあり、眼底部分と視神経乳頭部との境界は、鼻側よりも耳側が明瞭に観察されることが一般的である。そして、視神経乳頭部の中央付近には、円形状を呈する視神経乳頭陥凹部または生理的陥凹部(Physiologic cup)と呼ばれる領域が観察される。
【0005】
眼底写真を利用して緑内障の診断をする場合、診断のための判断基準の一つとして、前述した視神経乳頭部及び視神経乳頭陥凹部(陥凹部)の径の比、すなわち、略円形状の視神経乳頭部(D:Disc)に対する視神経乳頭陥凹部(C:Cup)の径比(以下、「C/D比」と称す)の値が求められる。C/D比の中でもとりわけ垂直方向のC/D比(垂直C/D比)が緑内障性変化有無の判定により有用であるとされ、一つの基準としては、垂直C/D比が0.7以上の場合や左右の眼底におけるそれぞれの垂直C/D比の差が0.2以上ある場合は、緑内障が疑われる。なお、緑内障の診断は、該C/D比の値のみでなされるものではなく、その他の検査や医師の所見等によって複合的に行われるものであり、C/D比の値はその診断のための有益な情報の一つであり、この値のみで緑内障が直裁されるわけではない。
【0006】
ここで、眼底の構造について、さらに詳細に説明すると、眼球の一部である眼底は、三次元の曲面(球面)で立体的に構成されている。しかしながら、上述の眼底写真は、実際には三次元の構造であっても、それを二次元的(平面的)に変換して構成されるものである。そのため、眼底写真を利用して、種々の疾患等の診断を行う場合には、二次元化された眼底写真を頭の中で三次元的なものとしてイメージし、それに基づいて視神経乳頭陥凹の拡大等を判断することがあった。したがって、診断経験に乏しい眼科医等は正確な診断を下せない可能性があった。そこで、三次元的な情報を付加し、C/D比の精度を高くして、正確な診断を可能とするための試みが行われている。
【0007】
例えば、ステレオ眼底カメラにより撮影した左右一対のステレオ画像データを演算・解析することによって視差・結像倍率・収差等のひずみによる補正を加え、ステレオマッチング処理により、三次元データを得ることができる。そして、得られた三次元データに基づいて、視神経乳頭部の領域を指定する眼底立体画像の解析方法及びその装置が提案されている。ここで、それぞれ撮影された眼底画像には、眼底の曲面に沿って走行し、またその一部が交叉した状態の複数の血管が含まれている。そのため、この血管の存在が上記のステレオマッチング処理等を行って眼底立体画像を構築する上で精度を阻害する要因となることが知られている。すなわち、この血管によって視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域の境界が不鮮明となり、緑内障の診断に利用されるC/D比の算出精度が著しく低下するおそれがあることが知られている。
【0008】
そこで、眼底画像に含まれる血管部を画像処理によって除去し、除去後の欠落部を周囲のデータに基づいて補間し、これにより眼底の立体情報を得ることを可能とする技術の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平4−276232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した眼底画像には、複数の血管(血管部)が複雑に走行しており、当該血管部の認識及びその除去が比較的困難であった。さらに、血管部が凝集していることは、補間のために用いられる周囲のデータとの間の距離が離れすぎているため、補間によって得られた眼底の立体情報の精度が著しく低下することがあった。
【0011】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、特に、三次元的に表現可能な眼底画像の視神経乳頭陥凹領域における深さを、眼底を走行する複数の血管によって阻止されることなく正確に算出することが可能な画像解析システム、及び画像解析プログラムの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明の画像解析システムは、「画像解析コンピュータを利用し、曲線的に変化する凹形状または凸形状の撮影対象を撮影した画像データから算出された深さ情報を補正する画像解析システムであって、前記画像解析コンピュータは、前記画像データから前記深さ情報を取得する情報データ取得手段と、取得した前記深さ情報に基づいて、前記撮影対象の深さを一次元的な分布で表現した深さプロファイル曲線を算出するプロファイル曲線算出手段と、取得した前記画像データから画素値の違いを利用して、前記深さプロファイル曲線の変化率が大きいと予測される特異領域を特定する特異領域特定手段と、特定された前記特異領域に対応する前記深さプロファイル曲線を周囲の前記深さプロファイル曲線の変化に基づいて補正する曲線補正手段と、補正された前記深さプロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する深さ情報補正手段と」を主に具備して構成されている。
【0013】
ここで、画像データとは、曲線的に変化する凹形状または凸形状撮影対象、例えば、略球形状を呈する眼球の一部を構成し、凹状に湾曲した眼底を撮影した眼底画像を電子データとして取得したものであり、深さ情報とは、当該眼底の湾曲状態を数値として表示可能なものである。画像データから取得される深さ情報には、三次元の位置情報が付与されている。そして、この深さ情報によって、眼底を三次元的に表示する三次元眼底画像を構築することができる。
【0014】
なお、眼底画像等の画像データから深さ情報を取得するものとしては、周知の技法を用いることが可能であり、例えば、立体撮影可能なステレオ眼底カメラ等の撮影機器を利用して撮影し、これに基づいて深さ情報を含んだ画像データを得るものや、或いは眼底を撮影する撮影位置をずらしてそれぞれ撮影した二次元的に表示される二枚の眼底画像から視差を求め、これに基づいて眼球の立体構造を構築し、三次元眼底画像として取得するものが例示される。
【0015】
また、情報データ取得手段とは、画像解析コンピュータに内蔵された記憶手段(ハードディスクドライブ等)に予め格納された上記画像データをキーボード等の操作によって適宜読込むもの、或いはCD−R等の記憶媒体に記憶された該画像データを読み込むもの、或いは通信ネットワークを介して係る画像データを取得するものなどを挙げることができる。すなわち、画像解析コンピュータで解析可能な形式で保存されたデータを適宜読込み可能とするものであればよい。さらに、上述のステレオ眼底カメラと本発明の画像解析システムとを結合し、撮影された深さ情報を含む画像データをそのまま解析処理に用いることも可能である。
【0016】
さらに、プロファイル曲線算出手段とは、取得した画像データに含まれる深さ情報に基づいて、撮影対象の深さを一次元的な分布で表示可能な深さプロファイル曲線を算出するものである。例えば、撮影対象が眼底の場合、眼底の略中心点(視神経乳頭陥凹領域に相当)を通過する仮想成分(ほぼ、視神経乳頭領域の直径に相当)を想定し、これを横軸に配し、眼底の深さに相当する値を縦軸に順次プロットする。その結果、眼底の深さ方向に対する曲線的な変化を深さプロファイル曲線によって示すことが可能となる。
【0017】
一方、特異領域特定手段とは、深さ情報を含む画像データの中から上記深さプロファイル曲線の変化率が著しいと経験的に予測される領域を特定するものであり、例えば、眼底画像に含まれ、周囲よりも濃色で示される血管領域等を特異領域として特定するためのものである。すなわち、撮影対象を眼底にした場合、眼底周囲から中心の視神経乳頭陥凹領域までは、理論的には上記の深さプロファイル曲線は滑らかに変化し、深さ方向に対する勾配変化が著しく変化することはない。しかしながら、上述したように、血管領域や撮影時のノイズ等が画像データに含まれている場合には、勾配変化の変化率がその前後で急激に変化することが経験的に知られている。そのため、これらの変化率の変化が大きくなる可能性を有する箇所を特異領域と特定することにより、深さ情報の補正が行い易くなる。
【0018】
したがって、本発明の画像解析システムによれば、深さ情報に基づいて撮影対象の深さプロファイル曲線を求め、さらに算出された深さプロファイル曲線から特定された特異領域に対応する深さプロファイル曲線をその周囲の深さプロファイル曲線の変化に基づいて補正し、補正された深さプロファイル曲線によって深さ情報を補正することが可能となる。その結果、眼底画像における血管領域等の三次元画像を構築する上で阻害要因となる箇所を除去し、補正によって滑らかな曲線変化の眼底を仮想的に構築することが可能となる。その結果、深さ情報の補正がなされ、該深さ情報を利用して精度の高い三次元画像情報を得ることが可能となる。これにより、緑内障の診断に特に有益な診断手法とすることが可能となる。ここで、曲線の中には一次曲線、すなわち、“直線”を含んでいる。
【0019】
さらに、本発明の画像解析システムは、上記構成に加え、「前記画像解析コンピュータは、算出された前記深さプロファイル曲線から、特定された前記特異領域に相当する特異領域プロファイル曲線を消去する特異領域消去手段をさらに具備し、前記曲線補正手段は、前記特異領域プロファイル曲線の消去された後に残存する前記深さプロファイル曲線の変化率に略一致する補正プロファイル曲線を算出し、前記深さ情報補正手段は、算出された前記補正プロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する」ものであっても構わない。
【0020】
ここで、特異領域消去手段とは、特定された特異領域の端から端に相当する深さプロファイル曲線の位置、すなわち、上述した横軸の仮想線分上で特異領域が示す範囲(特異領域プロファイル曲線)を特定し、係る曲線を消去するものである。これにより、一本の曲線によって一次元的に表現される深さプロファイル曲線から、特異領域プロファイル曲線が除去されるため、残存する深さプロファイル曲線は、係る状態では複数本に分断された状態で表示されることになる。曲線補正手段による補正プロファイル曲線の補正とは、特異領域部分の補正プロフィル曲線を修正することにより補正しても良いし、特異領域部分の補正プロファイル曲線を削除し、その間を補間することにより補正する何れの方法であっても良い。
【0021】
さらに、本発明における曲線補正手段は、複数本に分断され、残存する深さプロファイル曲線に基づいて、消去された特異領域プロファイル曲線を補正する補正プロファイル曲線を算出するものである。係る曲線の算出は、例えば、分断された互いに隣り合う深さプロファイル曲線の端部同士を連結する曲線を算出するものである。このとき、補正プロファイル曲線は、接続する二つの深さプロファイル曲線の変化率に基づいて、端部同士が滑らかな曲線で接続されるようなものが算出される。これにより、補正プロファイル曲線によって分断された深さプロファイル曲線が滑らかな曲線によって再び一次元的に表現されることとなる。その結果に基づいて、撮影対象の深さ情報の補正が行われる。
【0022】
さらに、本発明の画像解析システムは、上記構成に加え、「前記曲線補正手段は、スプライン曲線を前記補正プロファイル曲線として算出するスプライン曲線算出手段を」具備するものであっても構わない。
【0023】
したがって、本発明の画像解析システムによれば、補正プロファイル曲線がスプライン曲線として算出される。ここで、スプライン曲線は、二点(深さプロファイル曲線の端部に相当)を結ぶ曲線的に変化するものであり、該スプライン曲線を求める手法について既に周知のものである。そのため、補正プロファイル曲線として形成されるスプライン曲線は、その前後の深さプロファイル曲線の曲線変化率に略近似させることが可能となる。その結果、例えば、撮影対象を眼底とした場合、眼底の曲線変化率にほぼ合致するような補正プロファイル曲線で補正を行うことが可能となり、得られる深さ情報の精度が向上することとなる。
【0024】
さらに、本発明の画像解析システムは、上記構成に加え、「前記画像データは、眼底画像撮影装置を用い、視神経乳頭陥凹領域を前記撮影対象として取得された眼底画像が利用され、前記特異領域特定手段は、前記眼底画像の前記視神経乳頭陥凹領域を走行する複数の血管領域を前記特異領域として特定する」ものであっても構わない。
【0025】
したがって、本発明の画像解析システムによれば、撮影対象として眼底の一部である視神経乳頭陥凹領域が選択され、眼底画像の当該領域に対する深さ情報を補正し、その精度を高めることが可能となる。その結果、眼底の視神経乳頭陥凹領域を走行する複数の血管によって深さ情報に誤差が生じることがなく、補正後の深さ情報を利用することにより、眼底の視神経乳頭陥凹領域の三次元画像を精度よく構築することが可能となる。これにより、緑内障等の診断に利用可能なC/D比の算出精度が向上し、医師等による診断の際の有益な情報を提供することが可能となる。
【0026】
一方、本発明の画像解析プログラムによれば、「曲線的に変化する凹形状または凸形状の撮影対象を撮影した画像データから深さ情報を取得する情報データ取得手段、取得した前記深さ情報に基づいて、前記撮影対象の深さを一次元的な分布で表現した深さプロファイル曲線を算出するプロファイル曲線算出手段、取得した前記画像データから画素値の違いを利用して、前記深さプロファイル曲線の変化率が大きいと予測される特異領域を特定する特異領域特定手段、特定された前記特異領域に対応する前記深さプロファイル曲線を周囲の前記深さプロファイル曲線の変化に基づいて補正する曲線補正手段、並びに補正された前記深さプロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する深さ情報補正手段として、画像解析コンピュータを機能させる」ものから主に構成され、さらに「算出された前記深さプロファイル曲線から、特定された前記特異領域に相当する特異領域プロファイル曲線を消去する特異領域消去手段、前記特異領域プロファイル曲線の消去された後に残存する前記深さプロファイル曲線の変化率に略一致する補正プロファイル曲線を算出する前記曲線補正手段、並びに算出された前記補正プロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する前記深さ情報補正手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させる」ものであっても構わない。
【0027】
したがって、本発明の画像解析プログラムを実行することにより、画像解析コンピュータに上述した優れた作用効果を奏させることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の効果として、深さ情報を含む画像データから一次元的な深さプロファイル曲線を算出し、該深さプロファイル曲線を利用して、血管領域等の特異領域に相当するプロファイル曲線を除去し、周囲の状況に応じて深さプロファイル曲線を補正することができる。これにより、補正後の深さ情報を含む画像データを利用して三次元画像を構築することにより、深さ方向の精度の高い画像とすることができる。
【0029】
特に、撮影対象を眼底の視神経乳頭陥凹領域として選択することにより、実際の眼底の曲線変化率に近似した補正プロファイル曲線を算出することができ、上記精度が向上することとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態である画像解析システム1、及び画像解析プログラムについて、図1乃至図7に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の画像解析システム1における画像解析コンピュータ2の機能的構成を示すブロック図であり、図2は視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む眼底5を撮影した眼底画像データ6の一例を示す眼底写真であり、図3は(a)視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む抽出領域24の断面を示す模式図、及び(b)当該抽出領域24の深さプロファイル曲線7aの一例を示す曲線図であり、図4は(a)視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む抽出領域24の断面を示す模式図、及び(b)特異領域8に対応する特異領域プロファイル曲線9の一例を示す曲線図であり、図5は(a)特異領域プロファイル曲線9の除去された深さプロファイル曲線7bを示す曲線図、(b)補正プロファイル曲線10によって接続された深さプロファイル曲線7cを示す曲線図であり、図6は深さ情報11の補正処理を行う画像解析コンピュータ2の処理の流れを示すフローチャートであり、図7は(a)深さプロファイル曲線7aの補正の別例を示す曲線図、(b)補正された深さプロファイル曲線7dを示す曲線図である。ここで、以降の本明細書中においては、深さプロファイル曲線7a,7b,7c,7dは「深さ曲線7a,7b,7c,7d」、特異領域プロファイル曲線9は「特異曲線9」、及び補正プロファイル曲線10は「補正曲線10」とそれぞれ称するものとする。
【0031】
本実施形態の画像解析システム1は、図1乃至図6に示されるように、撮影された視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む眼底5を撮影対象とするものであり、撮影された眼底写真の眼底画像データ6に含まれる深さ情報11を、眼底5が滑らかな凹状の曲面を有するものと仮定して補正することにより、視神経乳頭陥凹領域4の輪郭を示すカップラインを精度良く決定し、視神経乳頭陥凹領域4/視神経乳頭領域3の比(C/D比)の正確な値を眼科医等に提供し、緑内障等の眼科系疾患の診断を支援することが可能な画像解析コンピュータ2によって主に構成されている。
【0032】
なお、画像解析コンピュータ2は、汎用のパーソナルコンピュータを利用することが可能であり、眼底を撮影し、三次元化して表示するための深さ情報11を有する眼底画像データ6を取得可能なステレオ眼底カメラ12と、取得した眼底画像データ6に基づく各種処理の結果及び解析結果を表示するための液晶ディスプレイ13と、画像解析コンピュータ2に対して各種指令及びデータ等の入力を受付けるキーボード及びマウス等(図示しない)からなる操作入力機器14とそれぞれ接続されている。なお、ステレオ眼底カメラ12等によって取得または作成した各種データ及び情報等は、画像解析コンピュータ2に内蔵されているデータ記憶手段15に記憶されている。なお、これらのデータ等を画像解析コンピュータ2と接続された外部記憶装置(例えば、HDD等:図示しない)等に記憶したものを随時読込んだり、或いはネットワーク接続されたデータサーバ(図示しない)に蓄積し、これをインターネットを通じて読込んで取得するものであっても構わない。
【0033】
ここで、画像解析コンピュータ2の機能的構成について説明すると、図1に主として示すように、ステレオ眼底カメラ12によって撮影され、深さ情報11を含む眼底画像データ6が記憶されたデータ記憶手段15と、記憶された眼底画像データ6をデータ記憶手段15から読込み、眼底画像データ6及び眼底画像データ6の撮影対象である眼底5の深さ方向に関する深さ情報11を取得する情報データ取得手段16と、取得した深さ情報11に基づいて、眼底5の深さを一次元的な分布で表現した深さ曲線7aを算出するプロファイル曲線算出手段17と、取得した眼底画像データ6から画素値の違いを利用して、深さ曲線7aの変化率が大きいと予測される特異領域8を特定する特異領域特定手段18と、算出された深さ曲線7aから特定された特異領域8に相当する特異曲線9の箇所を消去する特異領域消去手段19と、特異曲線9の消去された後に残存する深さ曲線7bの変化率に略一致するスプライン曲線として表される補正曲線10を算出するスプライン曲線算出手段23を有する曲線補正手段20と、算出された補正曲線10に基づいて、深さ曲線7bを補正し、補正の結果として取得した深さ曲線7cに基づいて眼底画像データ6の深さ情報11を補正する深さ情報補正手段21とを具備して主に構成されている。ここで、眼底画像データ6の特異領域8は、主として眼底5に沿って複数走行する血管領域が相当し、本実施形態の眼底画像データ6が本発明の画像データに相当する。
【0034】
また、画像解析コンピュータ2のその他構成として、取得した眼底画像データ6及び算出した深さ曲線7a等を視覚を通じて認識可能なように上記液晶ディスプレイ13等の表示手段に表示するための信号制御を行う表示制御手段25、及び画像解析コンピュータ2に対し、データ等の入力を行ったり、解析処理に係る指示を入力するために操作される操作入力機器14から送出される信号を受付ける操作制御手段26の構成を有している。また、視神経乳頭陥凹領域4を含んで抽出した抽出領域24に係る抽出領域データ32及び特定された特異領域8に係る特異領域データ27は、データ記憶手段15に記憶されている。また、プロファイル曲線算出手段17によって算出された深さ曲線7a等に係る深さ曲線データ29、特異領域特定手段18によって特定された特異領域8の特異曲線9に係る特異曲線データ30、及び曲線補正手段20によって算出された補正曲線10の補正曲線データ31は、データ記憶手段15の中のプロファイルデータ28にまとめて格納し、記憶されている。なお、係るデータ32等は、下記に示す図6のフローチャートのそれぞれのステップにおいて適宜記憶されるものであり、特に断りのない限り、記憶・保存処理に関する記載を省略する。また、図3乃至図5に示した各処理における途中経過については、表示制御手段25等を通じて適宜表示可能としている。
【0035】
次に、本実施形態の画像解析システム1の詳細について、画像解析コンピュータ2の処理の流れについて、特に、図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、画像解析コンピュータ2は、眼底5に係る深さ情報11を含む解析対象の眼底画像データ6が既に取得され、データ記憶手段15に記憶されているものとする。ここで、図6のステップS1乃至ステップS9が本発明の画像解析プログラムに相当する。
【0036】
まず、解析処理を行う眼底画像データ6をデータ記憶手段15から読出し、これを取得する(ステップS1、図2参照)。読出した眼底画像データ6から画像を構成する各画素の画素値の違いを利用して周囲の眼底領域22から視神経乳頭部に相当する視神経乳頭領域3及びその内側に存在する視神経乳頭陥凹部に相当する視神経乳頭陥凹領域4を抽出する(ステップS2)。ここで、視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む抽出領域24の抽出処理は、周知の画像処理技術を使用することによって行われるためその詳細については説明を省略し、また本実施形態の情報データ取得手段20に当該抽出機能が含まれているものとする。その後、抽出された視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む抽出領域24における深さ曲線7aを眼底画像データ6に含まれる深さ情報11に基づいて算出する(ステップS3)。
【0037】
具体的に説明すると、略円形状の視神経乳頭領域3の直径に相当する仮想線分L(図2参照)を横軸に配し、当該仮想線分L上の各点の深さの値を深さ情報11に基づいて縦軸にプロットする。そして、このプロットされた複数の点を結ぶことにより、抽出領域24の深さを一次元的に表現した深さ曲線7aが算出される(図3(b)参照)。ここで、図3(a)は当該抽出領域24を側方から見た模式断面図である。この場合、図3(a)及び図3(b)に示されるように、視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4に重複するように、特異領域8としての血管領域が確認されることがある。そのため、算出された深さ曲線7aは、曲線の勾配変化が著しく変化する箇所が存在する(図3(b)参照)。ここで、眼底5の視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4を含む上述の抽出領域24は、滑らかな凹状に湾曲して構成されている。したがって、一次元的な分布として算出される深さ曲線7aも理論的には滑らかな凹状の曲線として表現されるはずである。すなわち、上記のような勾配変化が著しく変化したり、或いは勾配の傾きが逆方向(例えば、凹状の一部が突出するような方向)に変化する箇所は、特異的な箇所である。
【0038】
そこで、眼底画像データ6における特異領域8の位置を特定する(ステップS4:図4(a))。具体的に示すと、血管領域等の特異領域8は、一般にその周囲の視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4よりも濃色で示されることが多い。そのため、各領域22等との画素値の違いを利用して当該特異領域8の特定が行われる。
【0039】
その後、特定された特異領域8に対応する深さ曲線7a上の特異曲線9を消去する(ステップS5)。ここで、特異曲線9は、図4(a)及び図4(b)に示すように、特定された特異領域8の左端LP及び右端RPの間に対応する深さ曲線7aの範囲に相当する。そのため、図4(a)及び図4(b)の間の破線で示されるように、特異曲線9の範囲が決定される。これにより、深さ曲線7bは、少なくとも二つ以上の曲線に分断されることになる(図4(b)及び図5(a)参照)。次に、分断された深さ曲線7bのそれぞれの端部P1,P2を連結し、かつ眼底5に残存する深さ曲線7bの曲線変化に略一致する補正曲線10を求める(ステップS6)。ここで、補正曲線10は、一方の深さ曲線7bの一端P1と、他方の深さ曲線7bの他端P2との二点を通過する曲線(スプライン曲線)を周知のスプライン化曲線技術を求めることによって算出される。これにより、分断された深さ曲線7bを互いに連結し、かつ当該深さ曲線7bの曲線変化率に応じて変化する滑らかな補正曲線10が得られることになる。
【0040】
そして、得られた補正曲線10を利用して、分断された深さ曲線7bを連結し、再び一本の曲線で示される滑らかな勾配変化を示す深さ曲線7cの再構築を行う(ステップS7)。そして、構築された深さ曲線7cによって示される縦軸の「深さ」の値に応じて、眼底画像データ6に含まれる深さ情報11を補正する。その結果、眼底画像データ6の深さ情報11及び画素値の違いによって特定された特異領域8を利用することにより、理論的に滑らかな凹状に湾曲する実際の眼底5の形状に近似した深さ情報(補正深さ情報33)が得られる。なお、図1において、説明を簡略化するため、元の深さ情報11と補正後の補正深さ情報33とが並存するように図示しているが、実際には元の深さ情報11の内容を補正後の新しい補正深さ情報33に上書き保存し、完全に置き換えることが行われている。そのため、眼底画像データ6には、常に一つの深さ情報11しか存在しないような処理が行われている。
【0041】
その後、得られた深さ情報11に基づいて、視神経乳頭陥凹領域4を特定し、これを用いて視神経乳頭陥凹領域4(Cup)/視神経乳頭領域3(Disc)の比(C/D比)を算出する(ステップS9)。なお、視神経乳頭領域3の直径長さは、周知の技術を利用し、画素値の違いを利用して算出可能であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0042】
これにより、緑内障等の疾患を診断するための有益な情報を医師等に提供することができる。特に、視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4に重複するように存在する血管領域等の特異領域8を消去して上記C/D比を求めることができるため、係る算出精度が著しく向上する。その結果、医師等による診断の精度も向上することとなる。さらに、補正された深さ情報11(補正深さ情報33)を利用することにより、眼底画像データ6を三次元化して表示する際においても、実際の眼底5と得られる立体画像との間の精度が高くなる。
【0043】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0044】
すなわち、本実施形態の画像解析システム1において、特異領域8として血管領域を主に想定するものを示したが、これに限定されるものではなく、眼底画像データ6に含まれる撮影時の影やノイズ等のC/D比算出の精度を低下させるようなものも上記特異領域8として認識するものであっても構わない。また、横軸に設定された一カ所の仮想線分Lについて説明を行ったが、もちろんこれに限定されるものではなく、例えば、視神経乳頭陥凹領域4の略中心の位置を基準位置として、当該仮想線分Lを所定角度ずつ(例えば、1度ずつ)変角し、それぞれの角度における深さ曲線7aを補正するものであっても構わない。これにより、撮影対象となる眼底を撮影した眼底画像データ6の全領域に対して深さ情報11を補正することが可能となり、C/D比算出の精度をさらに上げることができる。
【0045】
さらに、深さ曲線7aを補正する曲線補正手段20の一例として、従来から周知のスプライン曲線を用いるもの示したが、これに限定されるものではなく、深さ曲線7aを補正する技術はその他のものであっても構わない。例えば、算出された深さ曲線7aにおいて、勾配変化が著しく変化したり、或いは勾配の傾きが逆方向(例えば、凹状の一部が突出するような方向)に変化する箇所が存在する場合、図7(a)に示すように、深さ曲線7a上の勾配変化の開始点Xから略水平方向に線分を伸ばし、さらに、深さ曲線7aと交差する勾配変化の終点Yを特定する。そして、この開始点X及び終点Yで結んだ一次曲線からなる線分Q(すなわち、直線)によって深さ曲線7aを補正するものであってもよい。すなわち、補正後の深さ曲線7dは、図7(b)に示すように、その一部が階段状に変化しているものであっても構わない。これにより、上記のようにスプライン曲線を算出するものに比べ、曲線補正に係る処理を簡略化することができる。
【0046】
さらに、深さ曲線7a(図3(b)参照)からの特異曲線9の消去の例として、一カ所の特異領域8を例にして説明したがこれに限定されるものではなく、視神経乳頭領域3及び視神経乳頭陥凹領域4に複数の特異領域9が存在する場合はそれぞれに対応する特異曲線9を深さ曲線7aから消去し、補正曲線10を算出するものであってもよい。この場合、一本の深さ曲線7aは、特異領域8の数に応じて複数本に分断されることになる。
【0047】
また、深さ情報11を補正する対象として、主に眼底5を想定したものを示したがこれに限定されるものではなく、飛行機から撮影した航空写真に基づいて山脈等を三次元化して表示する立体地図を作成する場合等の種々の状況に応じて利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形骸の画像解析システムにおける画像解析コンピュータの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域を含む眼底を撮影した眼底画像データ6の一例を示す眼底写真である。
【図3】(a)視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域を含む抽出領域の断面を模式的に示す模式図、及び(b)当該抽出領域の深さプロファイル曲線の一例を示す曲線図である。
【図4】(a)視神経乳頭領域及び視神経乳頭陥凹領域を含む抽出領域の断面を模式的に示す模式図、(b)特異領域に対応する特異領域プロファイル曲線の一例を示す曲線図である。
【図5】(a)特異領域プロファイル曲線の除去された深さプロファイル曲線を示す曲線図、(b)補正プロファイル曲線によって接続された深さプロファイル曲線を示す曲線図である。
【図6】深さ情報の補正処理を行う画像解析コンピュータ2の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)深さプロファイル曲線の補正の別例を示す曲線図、(b)補正された深さプロファイル曲線を示す曲線図である。
【符号の説明】
【0049】
1 画像解析システム
2 画像解析コンピュータ
4 視神経乳頭陥凹領域
5 眼底(撮影対象)
6 眼底画像データ(画像データ)
7a,7b,7c,7d 深さ曲線(深さプロファイル曲線)
8 特異領域
9 特異曲線(特異領域プロファイル曲線)
10 補正曲線(補正プロファイル曲線)
11 深さ情報
16 情報データ取得手段
17 プロファイル曲線算出手段
18 特異領域特定手段
19 特異領域消去手段
20 曲線補正手段
21 深さ情報補正手段
23 スプライン曲線算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像解析コンピュータを利用し、曲線的に変化する凹形状または凸形状の撮影対象を撮影した画像データから算出された深さ情報を補正する画像解析システムであって、
前記画像解析コンピュータは、
前記画像データから前記深さ情報を取得する情報データ取得手段と、
取得した前記深さ情報に基づいて、前記撮影対象の深さを一次元的な分布で表現した深さプロファイル曲線を算出するプロファイル曲線算出手段と、
取得した前記画像データから画素値の違いを利用して、前記深さプロファイル曲線の変化率が大きいと予測される特異領域を特定する特異領域特定手段と、
特定された前記特異領域に対応する前記深さプロファイル曲線を周囲の前記深さプロファイル曲線の変化に基づいて補正する曲線補正手段と、
補正された前記深さプロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する深さ情報補正手段と
を具備することを特徴とする画像解析システム。
【請求項2】
前記画像解析コンピュータは、
算出された前記深さプロファイル曲線から、特定された前記特異領域に相当する特異領域プロファイル曲線を消去する特異領域消去手段をさらに具備し、
前記曲線補正手段は、
前記特異領域プロファイル曲線の消去された後に残存する前記深さプロファイル曲線の変化率に略一致する補正プロファイル曲線を算出し、
前記深さ情報補正手段は、
算出された前記補正プロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項3】
前記曲線補正手段は、
スプライン曲線を前記補正プロファイル曲線として算出するスプライン曲線算出手段をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の画像解析システム。
【請求項4】
前記画像データは、
眼底画像撮影装置を用い、視神経乳頭陥凹領域を前記撮影対象として取得された眼底画像が利用され、
前記特異領域特定手段は、
前記眼底画像の前記視神経乳頭陥凹領域を走行する複数の血管領域を前記特異領域として特定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の画像解析システム。
【請求項5】
曲線的に変化する凹形状または凸形状の撮影対象を撮影した前記画像データから深さ情報を取得する情報データ取得手段、取得した前記深さ情報に基づいて、前記撮影対象の深さを一次元的な分布で表現した深さプロファイル曲線を算出するプロファイル曲線算出手段、取得した前記画像データから画素値の違いを利用して、前記深さプロファイル曲線の変化率が大きいと予測される特異領域を特定する特異領域特定手段、算出された前記深さプロファイル曲線から、特定された前記特異領域に相当する特異領域プロファイル曲線を消去する特異領域消去手段、特定された前記特異領域に対応する前記深さプロファイル曲線を周囲の前記深さプロファイル曲線の変化に基づいて補正する曲線補正手段、並びに補正された前記深さプロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する深さ情報補正手段として、画像解析コンピュータを機能させることを特徴とする画像解析プログラム。
【請求項6】
算出された前記深さプロファイル曲線から、特定された前記特異領域に相当する特異領域プロファイル曲線を消去する特異領域消去手段、前記特異領域プロファイル曲線の消去された後に残存する前記深さプロファイル曲線の変化率に略一致する補正プロファイル曲線を算出する前記曲線補正手段、並びに算出された前記補正プロファイル曲線に基づいて、前記撮影対象の前記深さ情報を補正する前記深さ情報補正手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項5に記載の画像解析プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−237839(P2008−237839A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86827(P2007−86827)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16〜20年度、文部科学省、地域科学技術振興施策、委託研究(知的クラスター創成事業、岐阜・大垣地域ロボティック先端医療クラスター)、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304019399)国立大学法人岐阜大学 (289)
【出願人】(599144712)タック株式会社 (25)