説明

画像記録再生装置

【課題】 16:9にて撮影可能なデジタルビデオカメラにおいて、JPEG画像/MPEG画像に於いても16:9にて撮影し、ワイドテレビにて良好な再生が可能な方法を提供する。
【解決手段】 記録画像の画像サイズの選択として4:3の比率の画像サイズならびに16:9の比率の画像サイズを選択することができる画像サイズ選択手段により選択された画像サイズの画像データに画像サイズ情報を付加して記録を行い、記録された画像データを再生する場合に於いては、画像データに付加された画像サイズ情報により映像信号にアスペクト識別信号を付加することによりワイドテレビにても良好な表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスペクト比を16:9にて静止画または動画の記録再生可能な、デジタルカメラおよびカメラ一体型レコーダー(ビデオカメラ)等の画像記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイドテレビの普及に伴い、デジタルビデオカメラでは撮影モードして、4:3および16:9のアスペクト比でテープやディスクに記録を行う方法がとられている。
【0003】
ワイドアスペクト対応のワイドテレビであれば入力されたビデオ信号のブランキング内にこのVBID(Video Blanking ID)信号を検出すると4:3モードから16:9モードの走査に切り替えを行う。
【0004】
前記の撮影モードは使用者が撮影モードとして設定可能であり、記録される画像データと共に、アスペクト比情報もテープやディスクに記録される。
【0005】
テープやディスクに記録された映像の再生時に於いてはテープやディスクから再生されるアスペクト比情報により記録されている映像のアスペクト比を検出し、16:9での撮影モードで撮影されている映像であればワイドテレビなどへの識別信号としてVBID信号を出力している。
【0006】
またビデオカメラに着脱可能なメモリーカードを装着しデジタルカメラの機能を付加するビデオカメラも普及してきている。
【0007】
テープやディスクに記録可能なカメラ撮影モード/カードに記録可能なカードカメラ撮影モードの撮影モードを備え、前記カードカメラ撮影モードに於いては使用者がメモリーカードに記録する画像サイズ(VGAサイズやXGAサイズ)を選択してメモリーカードへ静止画像としてJPEG記録を行ったり、メモリーカードへの動画記録としてのMPEG記録(CIFサイズやQCIFサイズ)を行ったりしている。
【0008】
各々の記録媒体の再生に於いても、テープやディスクを再生する再生モード/メモリーカードの画像を再生するカード再生モードを備えており、使用者が再生する記録媒体を選択して再生を行わせることもできる。
【特許文献1】特開平7−264538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来例に於けるビデオカメラでは、カードカメラ撮影モードでは、カードに記録する画像サイズがVGAやXGA等、画像サイズが4:3の画像サイズであるために、メモリーカードの画像をワイドテレビにて表示を行う場合に於いては画像の一部をクリップして表示が行われたり、16:9のテレビ画面のなかに4:3の画像を縮小して表示していた(図5 4:3画像表示例)。
【0010】
本発明は上述の問題点に着目してなされたものであって、16:9にて撮影可能なデジタルビデオカメラにおいてJPEG画像/MPEG画像においても15:9にて撮影し、ワイドテレビにて良好な再生が可能な画像記録再生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため、本発明の記録再生装置は、その第一の発明として以下の構成を備える。
【0012】
(1)画像サイズ情報が付加されている画像データの再生を行う画像記録再生装置に於いて、外部画像表示装置への画像信号出力手段および前記画像信号へのアスペクト識別信号付加手段を有し、再生を行う画像データを前記画像信号出力手段へ出力を行う場合には、前記画像データに付加される画像サイズから、画像サイズ縦横比の判断を行いアスペクト比識別信号の出力制御を行うことを特徴とする画像記録再生装置。
【0013】
また、ワイドテレビに対応した画像データの記録再生方法として、記録画像の画像サイズの選択として4:3の比率の画像サイズならびに16:9の比率の画像サイズを選択することができる画像サイズ選択手段、再生しようとする画像に付加された画像データのサイズ情報によりアスペクト比識別信号を出力するアスペクト比識別信号出力手段を有する画像記録再生装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像記録再生装置によれば、前記カードカメラ撮影モードにおいて、画像サイズ選択手段により記録画像の画像サイズの選択として4:3の比率の画像サイズならびに16:9の比率の画像サイズ選択項目により記録する画像サイズの選択が行え、記録する画像データサイズを4:3のみでなく16:9の画像サイズの画像を記録することが可能となる。
【0015】
また記録時に前記画像サイズ情報を画像データに付加して記録を行うことで、記録した画像データの再生を行うカード再生モードに於いては、前記画像データに付加された画像サイズ情報を用いることにより画像データの縦横比の判断を行い、16:9にて記録を行った場合に於いても、映像信号と共にVBID信号をワイドテレビへ出力することにより良好に表示を行わせることのできる画像記録再生装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の特徴を最もよく表す画像記録再生装置の図面であり同図において、M1は記録再生可能なDVDディスク、M2は記録再生可能なメモリーカード、C1は被写体を映像信号に変換する撮像装置(撮像部)、B2は各部の制御を行うシステムコントローラー、B4は撮像装置C1の映像信号の処理を行う撮像画像処理回路、B1は撮像画像処理回路B4において処理された映像信号、ディスクやメモリーカードへの記録、ディスクやメモリーカードから再生された画像データの処理を行う、記録再生データ処理回路、B5はメモリーカードM2のコントロールを行うSD/MMCカードコントローラー、B3は画面表示用の文字信号発生回路、B6は記録再生データ処理回路B1にて処理された画像データをビデオ信号に変換すると共にアスペクト比情報を付加するVBID信号付加の処理を行う映像信号処理回路、V1は撮影画像の表示や再生画像の表示を行う液晶パネル、SW1〜SW4は画像記録再生装置の操作を行う操作スイッチである。
【0018】
本図に於いて、記録時に於けるカメラ部にて撮像される静止画画像は、レンズ系より撮像装置C1としてのCCDに結像され電気画像信号に変化され、撮像処理回路に於いて所定の撮像処理が施された画像データとして記録再生データ処理回路B1へ入力され該記録再生データ処理回路B1にてJPEG圧縮/EXIFヘッダ情報を付加しEXIFファイルフォーマットにて記録媒体であるDVDディスクM1やメモリーカードM2に記録される。撮影される静止画画像データは映像信号処理回路にてビデオ信号に変換される。
【0019】
図3はEXIFフォーマットにおけるファイル構造を示す図であり、本発明に於ける画像サイズ情報は、本図でのTagおよびDataにて示され、画像データサイズはWidthサイズを示すTagコード(0x100)/Hightサイズを示すTagコード(0x101)のDataにて示される。
【0020】
記録時に於いては上記のEXIFフォーマットに定義されるTag情報として画像サイズが画像データと共に記録され、記録モードが16:9モードであればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子や液晶パネルに出力される。
【0021】
再生時においては記録されたTag情報により画像サイズの判別を行い、画像サイズ情報が16:9相当であればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子や液晶パネルに出力される。
【0022】
なお、16:9相当と判断する画像サイズ情報の範囲としてはWidth:Hightの比率がおおむね16:9であり、15:9/14:9・13:9等も16:9相当と判断している。
【0023】
図6は本発明を実施した画像記録再生装置の制御を行うシステムコントロール部のマイクロコンピュータのフローチャートである。このフローチャートに従い図1の画像記録再生装置の動作を説明する。
【0024】
まず撮影モードにつき説明を行う。メニューの操作は図1に於けるスイッチSW1〜SW4にて行う。
【0025】
撮影モードでは記録待機状態にて記録モード/画像サイズの変更が可能である。
【0026】
[S01]
記録モードの選択を行う場合には図2−1に示すように、記録モード選択メニューが表示される。
【0027】
[S02]
操作スイッチにより16:9および4:3にての記録モードの選択を行うことが出来る。
【0028】
[S03]
画像サイズの選択を行う場合には図2−1に示すように、画像サイズ選択メニューが表示さる。
【0029】
[S04]
画像サイズ選択メニューでは記録モードの選択により選択できる画像サイズは、記録モードが16:9であれば選択項目として、1600×900または800×450が選択可である。記録モードが4:3であれば選択項目として、1600×1200または800×600が選択可である。
【0030】
[S05][S06]
記録モードにて16:9の記録モードが選択されると、映像信号処理回路B6にてワイドアスペクト情報であるVBID信号付加処理を行うことにより、撮影時に於いてもワイドモニターにて良好な画像の表示を行うことが可能である。
【0031】
[S07]
操作スイッチにより記録開始の操作が行われると[S08]に分岐し、記録開始処理を行い、操作がされないと[S01]に分岐し、記録待機状態となる
[S08]
記録開始の操作により、カメラ部にて撮像される画像は、レンズ系より撮像装置としてのCCDに結像され電気画像信号に変化され、撮像画像処理回路B4に於いて所定の撮像処理が施された画像データとして、記録再生データ処理回路B1へ入力される。
【0032】
[S09][S10][S11][S12]
記録再生データ処理回路B1において画像データのJPEG圧縮処理を行い、撮影条件の情報と共に画像サイズ情報がEXIF情報として作成され、図3に示すようにEXIFフォーマットに変換され、記録媒体であるDVDディスクまたはメモリーカードに記録される。
【0033】
つぎに再生モードにつき説明を行う。
【0034】
[S20]
再生モードでは画像の再生を行う。操作スイッチにより画像再生の操作が行われると[S25]へ分岐し画像の再生を行う。
【0035】
[S21][S22][S23][S24]
操作スイッチにより再生する画像を、選択することができ、現在再生中の画像を基準にして、前の画像/次の画像を選択し再生を行える。
【0036】
[S25][S26][S27][S28]
選択されている画像の再生操作が行われると、記録されている画像データを読み出し、JPEG画像はビデオ出力のためのビデオ信号に変換されると共に、記録されたEXIF情報の解析を行い、Tag情報の画像サイズ情報からWidth:Hightの比が16:9相当であればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子V2や液晶パネルV1に出力される
【実施例2】
【0037】
本実施例に於ける構成例は実施例1と同様であるためここでは省略する。
【0038】
図1に於いて、記録時に於けるカメラ部にて撮像される動画画像は、レンズ系より撮像装置としてのCCDに結像され電気画像信号に変化され、撮像画像処理回路B4に於いて所定の撮像処理が施された画像データとして記録再生データ処理回路B1へ入力され該記録再生データ処理回路B1にてMPEG圧縮/ASFヘッダ情報を付加しASFファイルフォーマットにて記録媒体であるDVDディスクM1やメモリーカードM2に記録される。撮影される動画画像データは映像信号処理回路B6にてビデオ信号に変換されると共に、記録モードが16:9モードであればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子V2や液晶パネルV1に出力される。
【0039】
図4はASFフォーマットにおけるファイル構造を示す図であり、本発明に於ける画像サイズ情報は、本図でのEncodeImageWidth/EncodeImageHightにて示される。
【0040】
記録時に於いては上記のASFフォーマットに定義されるEncodeImageWidth/EncodeImageHight情報として画像サイズがストリーム画像データと共に記録され、記録モードが16:9モードであればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子V2や液晶パネルV1に出力される。
【0041】
ストリーム画像データの再生時においては記録されたEncodeImageWidth/EncodeImageHight情報により画像サイズの判別を行い、画像サイズ情報が16:9相当であればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子2や液晶パネル1に出力される。
【0042】
なお、16:9相当と判断する画像サイズ情報の範囲としてはWidth:Hightの比率がおおむね16:9であり、15:9/14:9・13:9等も16:9相当と判断している。
【0043】
図7は本発明を実施した画像記録再生装置の制御を行うシステムコントロール部のマイクロコンピュータのフローチャートであるこのフローチャートに従い図1の画像記録再生装置の図7における動作を説明する。
【0044】
まず撮影モードにつき説明を行う。メニューの操作は図1に於けるスイッチにて行う。撮影モードでは記録待機状態にて記録モード/画像サイズの変更が可能である。
【0045】
[S31]
記録モードの選択を行う場合には図2−2のように、記録モード選択メニューが表示される。
【0046】
[S32]
操作スイッチにより16:9および4:3にての記録モードの選択を行うことが出来る。
【0047】
[S33]
画像サイズの選択を行う場合には図2−2に示すように、画像サイズ選択メニューが表示さる。
【0048】
[S34]
画像サイズ選択メニューでは、記録モードの選択により選択できる画像サイズは、記録モードが16:9であれば選択項目として、640×360または320×180が選択可である。記録モードが4:3であれば選択項目として、640×480または320×240が選択可である。
【0049】
[S35][S36]
記録モードにて16:9の記録モードが選択されると、映像信号処理回路B6にてワイドアスペクト情報であるVBID信号付加処理を行うことにより、撮影時に於いてもワイドモニターにて良好な画像の表示を行うことが可能である。
【0050】
[S37]
操作スイッチにより記録開始の操作が行われると[S38]に分岐し、記録開始処理を行い、[S43]にて記録一時停止操作がされるまで記録を行い、記録の終了にて[S31]に分岐し、記録待機状態となる。
【0051】
[S38]
記録開始の操作により、カメラ部にて撮像される画像は、レンズ系より撮像装置としてのCCDに結像され電気画像信号に変化され、撮像画像処理回路B4に於いて所定の撮像処理が施された画像データとして記録再生データ処理回路B1へ入力される。
【0052】
[S39][S40][S41][S42]
記録再生データ処理回路B1において画像データのMPEG圧縮処理を行い、撮影条件の情報と共に画像サイズ情報がEncodeImageWidth/EncodeImageHight情報として作成され、図4に示すASFフォーマットに変換され、記録媒体であるDVDディスクM1またはメモリーカードM2に記録される。
【0053】
つぎに再生モードにつき説明を行う。
【0054】
[S50]
再生モードでは画像の再生を行う。操作スイッチにより画像再生の操作が行われると[S55]へ分岐し画像の再生を行う。
【0055】
[S51][S52][S53][S54]
操作スイッチにより再生する画像を、選択することができ、現在再生中の画像を基準にして、前の画像/次の画像を選択し再生を行える。
【0056】
[S55][S56][S57][S58]
選択されている画像の再生操作が行われると、記録されている画像データを読み出し、MPEG画像はビデオ出力のためのビデオ信号に変換されると共に、記録されたEncodeImageWidth/EncodeImageHight情報の解析を行い、EncodeImageWidth/EncodeImageHight情報の画像サイズ情報からWidth:Hightの比が16:9相当であればワイドアスペクト情報(VBID信号)の付加処理を行い、ビデオ信号としてビデオ信号出力端子V2や液晶パネルV1に出力される
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例を示す画像記録再生装置のブロック図
【図2−1】本発明の実施例1における記録モード/画像サイズのメニュー画面例を示す図
【図2−2】本発明の実施例2における記録モード/画像サイズのメニュー画面例を示す図
【図3】本発明の実施例1における静止画画像ファイルの構造図
【図4】本発明の実施例2における動画画像ファイルの構造図
【図5】本発明の実施例を示す画像記録再生装置の効果例
【図6】本発明の実施例1を示すマイコンのフローチャート
【図7】本発明の実施例2を示すマイコンのフローチャート
【符号の説明】
【0058】
C1 撮像装置(撮像部)
B1 記録再生データ処理回路
B2 システムコントローラー
B3 文字信号発生回路
B4 映像信号の処理を行う撮像画像処理回路
B5 SD/MMCカードコントローラー
B6 映像信号処理回路(ビデオ信号処理/VBID信号付加回路)
V1 液晶パネル
V2 ビデオ信号出力端子
M1 DVDディスク
M2 メモリーカード
SW1〜SW4 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像サイズ情報が付加されている画像データの再生を行う画像記録再生装置に於いて、外部画像表示装置への画像信号出力手段および前記画像信号へのアスペクト識別信号付加手段を有し、再生を行う画像データを前記画像信号出力手段へ出力を行う場合には、前記画像データに付加される画像サイズから、画像サイズ縦横比の判断を行いアスペクト比識別信号の出力制御を行うことを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項2】
請求項1において、記録画像の画像サイズの選択を行う画像サイズ選択手段を有し、前記画像サイズ選択手段には4:3の比率の画像サイズならびに16:9の比率の画像サイズ選択項目を含み、前記画像サイズ選択手段にて選択された画像サイズにより記録を行うと共に、記録画像データにサイズ情報を付加して記録することを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項3】
請求項1において、前記画像サイズ情報は画素数情報であることを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項4】
請求項1において、画像サイズの縦横比が16:9相当である場合にはアスペクト識別信号付加手段にて16:9情報を付加することを特徴とする画像記録再生装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−67175(P2006−67175A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246573(P2004−246573)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】